JP3707543B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイブリッド車両の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平11−14650号は、シリーズ型のハイブリッド車両における効率向上を狙いとして、車両走行状態に基づき必要な電力を発電する技術が開示されている。走行状態の変化に伴い電動機の出力は時々刻々変化するが、その出力変化に対応して過不足なく電力をリアルタイムに発電機から供給することができれば、バッテリにおける電力損失を最小限にとどめ、エンジンの出力を効率良く電動機へ伝達することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記車両においては、電動機で使用する電力をリアルタイムに発電機から供給し、バッテリの充放電を最小限にすることにより、電力損失を低減できるだけでなく、バッテリ搭載容量を最小限にすることができる。バッテリはハイブリッド車両において大きなコスト及び重量割合を占めているため、それを小型化することができれば、コストだけでなく燃費や動力性能まで大きな効果が得られる。
【0004】
しかし、その一方で、バッテリ搭載容量を小さくすると次のような問題が生じる。すなわち、車両が加速時のように電動機が力行している場合には上記のとおりに発電機から必要な電力をリアルタイムに供給すればよいが、減速時に電動機で電力を回生する場合、バッテリが小さいとこの回生電力を全て蓄えることができなくなるという問題がある。
【0005】
そこで、特開平8−79914号では、減速時に回生電力が余剰となる場合に、発電機を力行させてエンジンを回転させることにより電力が消費されるようにし、バッテリが過充電になることを防止している。
【0006】
しかしながら、減速時には多くの場合に燃費を良好に保つためにエンジンへの供給燃料のカットが行われる。この燃料カットの際には、エンジントルクは瞬時に低下し、それまで力行していた電動機は出力軸から駆動されて瞬時に発電状態へ移行し、それまで発電を行っていた発電機は瞬時に力行状態へ移行する。この電動機の力行から発電へと発電機の発電から力行への各移行のタイミングにずれが生じると、発電電力と消費電力との差が瞬間的に大きくなり、過大な電力がバッテリに入出力されてバッテリ劣化を促進させる。
【0007】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、燃料カットの際バッテリへの過大な電力の入出力を抑制するハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、エンジンと、前記エンジンの出力軸に連結される発電機と、車両の駆動軸に連結される電動機と、前記発電機および前記電動機に接続されるバッテリとを備え、車両の減速時に前記電動機で回生される電力を前記発電機に供給して消費するようにしたハイブリッド車両の制御装置において、車両の運転条件を検出する運転条件検出手段と、検出した運転条件に基づいてエンジンの燃料カット条件を判定する燃料カット判定手段と、該燃料カット判定手段の判定結果を所定の遅延時間だけ遅延させる燃料カット判定遅延手段と、該燃料カット判定遅延手段によって遅延された燃料カット判定に応じてエンジンへ供給する燃料をカットするエンジン制御手段と、を備え、前記燃料カット判定遅延手段の所定の遅延時間は、バッテリの許容入出力電力に応じて前記遅延時間を算出する遅延時間算出手段により設定されることを特徴とする。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、前記燃料カット判定遅延手段の所定の遅延時間は、バッテリの許容出力電力に応じて前記遅延時間を算出する遅延時間算出手段により設定され、前記電動機による回生電力の発生に先行して燃料カットおよび発電機による電力消費を行わせることを特徴とする。
【0011】
第3の発明は、第2の発明において、前記電動機は、前記発電機の発電電力に対応した電動機出力を、前記遅延時間算出手段による遅延時間の経過後において電動機出力が所定値に安定するまで継続することを特徴とする。
【0012】
【発明の効果】
したがって、第1の発明では、燃料カット許可条件が成立してから所定の遅延時間が経過するまでの間エンジンヘの燃料供給が維持され、この間にエンジントルクは徐々に低下する。エンジントルクが十分に低下した後であれば、燃料カット実行に伴って行われるステップ的な発電機制御と電動機制御との間にタイミングずれが生じても、過大な電力がバッテリに入出力されることが無くなり、バッテリが劣化するのを防止することができる。
【0013】
また、燃料カットの遅延時間をバッテリの許容入出力電力に応じて設定するため、燃料カット実行に伴って発生するバッテリ入出力電力を許容範囲(バッテリの劣化を引き起こさない範囲)内に抑えることができる。
【0014】
第2の発明では、燃料カットの遅延時間をバッテリの許容出力電力に応じて設定し、電動機による回生電力の発生に先行して燃料カットおよび発電機による電力消費を行わせるため、遅延時間を可能な限り短く設定でき、燃料カットによる燃費改善を最大限得ることができる。
【0015】
第3の発明では、発電機の発電(消費)電力と電動機の消費(発電)電力とを一致させる制御を燃料カット実行時だけ一時中断して電動機出力(負荷)の変動幅を抑制して車両の運転性を向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1は本発明が適用される車両のシステム構成図である。この車両では、従来の機械式変速機に代えて、無段変速機として機能する電気パワートレイン5がエンジン1に接続されている。電気パワートレイン5は、主に発電機として使用される第1の回転電機(以下、発電機)2と主に電動機として使用される第2の回転電機(以下、電動機)4とで構成される。発電機2のロータ軸がエンジン1のクランク軸に連結され、電動機4のロータ軸(以下、出力軸)6は減速機を介して駆動軸(駆動輪が取付けられる回転軸)に連結される。
【0018】
発電機2、電動機4は永久磁石式交流同期モータ等の交流機であり、それぞれインバータ8に接続されている。発電機2、電動機4の回転速度はインバータ8の駆動周波数に応じて制御され、インバータ8の駆動周波数の比が電気パワートレイン5の入出力軸の回転速度比(変速比)となる。インバータ8にはさらにバッテリ9(リチウムバッテリあるいはニッケル水素バッテリ等)が接続されている。
【0019】
発電機2と電動機4の間にはクラッチ3が介装されており、このクラッチ3が締結されるとエンジン1と出力軸6が直結状態となってエンジン1で直接出力軸6を駆動することができる。クラッチ3は例えば電気パワートレイン5の発電機回転速度と電動機回転速度が一致したときに締結され、発電機2と電動機4における損失を抑制して車両の燃費性能を向上させることができる。
【0020】
また、電気パワートレイン5には、発電機2のロータ回転速度(以下、発電機回転速度)Niを検出する発電機回転速度センサ24と、電動機4のロータ回転速度(以下、電動機回転速度)Noを検出する電動機回転速度センサ21とが取付けられている。
【0021】
一方、エンジン1の吸気通路には電子制御式スロットル装置14が設けられており、スロットル開度は必要とされる発電電力に応じて設定される目標エンジントルクが実現されるよう運転者のアクセル操作とは独立して制御される。エンジン1にはこの他、吸入空気量を検出するエアフローメータ13、クランク角を検出するクランク角センサ23が設けられている。
【0022】
統合コントロールユニット(GCU)10は、基本的には、アクセル操作量センサ22によって検出されたアクセル操作量等に基づき運転者が要求する駆動力を求め、要求駆動力が実現されるようにトランスミッションコントロールユニット(TCU)12を介して電動機4のトルク制御を行う。また、電動機4の駆動出力(消費電力)に見合った発電電力が得られるようにトランスミッションコントロールユニット12を介しての発電機2の回転速度制御及びエンジンコントロールユニット(ECU)11を介してのエンジン1のトルク制御も併せて行う。
【0023】
さらに、統合コントロールユニット10は、車両減速時(燃料カット時)は、電動機4を発電機として機能させることにより電力を回生し、さらにこの回生電力を発電機2を電動機として力行させることによって消費し、減速時においても電力収支をバランスさせる。
【0024】
図2は、統合コントロールユニット10が行う車両制御の内容を示したブロック図である。
【0025】
これについて説明すると、ブロックB1ではアクセルペダル操作量APO[deg]と車速VSP[km/h]とに基づき、目標駆動力tFdO[N]が算出される。目標駆動力tFdOは、具体的には、アクセルペダル操作量APOと車速VSPに従って所定の目標駆動力マップを参照して算出される。駆動力マップはエンジンに燃料を供給している状態に合わせて設定してある。アクセルペダル操作量APOはアクセル操作量センサ22で検出され、車速VSPは電動機回転速度21センサで検出した電動機4の回転速度No[rpm]に定数G1を乗じて算出される。車両の駆動輪の半径をr[m]、電動機4の出力軸から駆動輪軸までの減速比をRとしたとき、定数G1はG1=2×π×r×60/(R×1000)により計算される値である。
【0026】
ブロックB2では目標駆動力tFdO[N]に車速VSP[m/s]を乗じて目標電動機出力tPo00[W]が算出される。車速VSPは電動機回転速度センサ21で検出した電動機回転速度No[rpm]に定数G2を乗じて算出される。定数G2はG1=2×π×r/(R×60)により計算される値である。
【0027】
ブロックB3では目標電動機出力tPo00[W]にフィルタ処理が施される。このフィルタ処理は電動機4の見かけ上の制御応答速度を小さくするために行われる。
【0028】
ブロックB4では車速VSP[km/h]に基づき燃料カット時の目標駆動力tFd_d[N]が算出される。具体的には、車速VSPに従って燃料カット時目標駆動力テーブルを参照して燃料カット時の目標駆動力tFd_dが算出される。燃料カット時の目標駆動力tFd_dは極低車速の範囲を除き負の値(車両が電動機4を駆動することを示す)に設定される。
【0029】
ブロックB5では、燃料カット時の目標駆動力tFd_d[N]に車速VSP[m/s]を乗じて燃料カット時の目標電動機回生電力tPo_d[W]が算出される。燃料カット時の目標電動機回生電力tPo_dは、電動機4の回生出力(=電動機4の回生駆動により単位時間当たりに消費される車両の運動エネルギー)の目標値を表す。
【0030】
ブロックB6では、燃料カット判定手段30からの燃料カット判定フラグfFCUTに基づいて目標電動機出力の選択が行われ、フラグfFCUTがゼロ(非燃料カット)のときはフィルタ処理後の目標電動機出力tPoO[W]が選択され、フラグfFCUTが1(燃料カット)のときは燃料カット時の目標電動機回生電力tPo_d[W]が選択される。
【0031】
燃料カット判定フラグfFCUTは、図3に示すブロック図よりなる燃料カット判定手段30により設定される。ブロックB30では、フィルタ処理後の目標電動機出力tPoO[W]とバッテリ許容入力電力BPc[W]とに基づき、充電側ディレイ時間DLFCUTc[ms]が算出される。充電側ディレイ時間DLFCUTcは、燃料カット実行前後で発電機制御と電動機制御との間にずれが生じた場合でもそのときに発生するバッテリ充電側(入力側)の最大電力差がバッテリ許容入力電力BPc以下となるディレイ時間として算出される。バッテリ許容入力電力BPcはバッテリの温度や充電状態に応じて算出される値であり、バッテリ劣化を引き起こさない入力電力の上限を示している。
【0032】
ブロックB31では、フィルタ処理後の目標電動機出力tPoO[W]とバッテリ許容出力電力BPd[W]とに基づき、放電側ディレイ時間DLFCUTd[ms]が算出される。放電側ディレイ時間DLFCUTdは、燃料カット実行前後で発電機制御と電動機制御との間にずれが生じた場合でもそのときに発生するバッテリ放電側(出力側)の最大電力差がバッテリ許容出力電力BPd以下となるディレイ時間として算出される。バッテリ許容出力電力BPdはバッテリの温度や充電状態に応じて算出される値であり、バッテリ劣化を引き起こさない出力電力の上限を示している。
【0033】
ブロックB32では、充電側ディレイ時間DLFCUTcと放電側ディレイ時間DLFCUTdのうちの大きい方を最終的なディレイ時間DLFCUT[ms]として選択してブロックB36へ出力する。
【0034】
ブロックB33では、アクセルペダルが全閉(アクセルペダル操作量APOが略ゼロ)であるか否かをヒステリシス付きで判定するとともに、ブロックB34では、車速が所定車速以上であるか否かをヒステリシス付きで判定する。ブロックB35は、両判定結果をAND処理し、出力が1であるとき燃料カット条件成立信号をブロックB36とブロックB37へ出力する。
【0035】
ブロックB36では、ブロックB32で選択されたディレイ時間DLFCUT[ms]だけ入力された燃料カット条件成立信号を遅延させ、ブロックB37では、ブロックB35の出力とブロックB36の出力とのAND処理を行って燃料カット判定フラグfFCUTの値を決定する。
【0036】
ブロックB7ではブロックB6で選択された目標電動機出力を電動機回転速度No[rad/s]で除し、目標電動機トルクtTo[Nm]が算出される。電動機回転速度No[rad/s]は電動機回転速度センサ21で検出した電動機回転速度No[rpm]に定数G3(=2×π/60)を乗じて算出される。
【0037】
算出された目標電動機トルクtToはトランスミッションコントロールユニット12に送られ、目標電動機トルクtToに基づき電動機4のトルクが制御される。特に、目標電動機トルクtToが負の値である場合、トランスミッションコントロールユニット12は電動機4の回生トルクを制御することになる。
【0038】
ブロックB8では電動機回転速度No[rpm]と目標電動機トルクtTo[Nm]とに基づき電動機効率EFFmが算出される。ブロックB9では目標電動機出力tPo00[W]を電動機効率EFFmで除し、電動機4の消費電力tPg[W]が算出される。燃料カットが行われない場合は、電動機4が消費する電力を過不足なく発電機2で発電するダイレクト配電を行うので、電動機消費電力tPgは発電機2の目標発電電力に相当する。
【0039】
ブロックB10では、発電機回転速度Ni[rpm]とエンジントルクとに基づき、発電機効率EFFgが算出される。発電機回転速度Niは発電機回転速度センサ24で検出される。また、エンジントルクの値としては、後述するブロックB22の出力(目標エンジントルクtTe[Nm])にブロックB11で所定の遅れ処理を施した値、あるいは後述するブロックB19の出力(エンジンブレーキトルクTe_d[Nm])の何れかをブロックB12で選択した値が使用される。
【0040】
ブロックB12では燃料カット判定フラグfFCUTがゼロ(非燃料カット)のときブロックB11の出力が、フラグfFCUTが1(燃料カット)のときブロックB19の出力が選択される。
【0041】
ブロックB13では電動機消費電力tPg[W]を発電機効率EFFgで除し、目標エンジン出力tPe[W]が算出される。ブロックB14では目標エンジン出力tPe[W]を車速VSP[m/s]で除し、第2目標駆動力tFd[N]が算出される。
【0042】
ブロックB15では、この第2目標駆動力tFd[N]と車速VSP[km/h]とに基づき、目標発電機回転速度tNiO[rpm]が算出される。具体的には、第2目標駆動力tFdと車速VSPに従って所定の出力配分マップを参照することにより目標発電機回転速度tNiOが算出される。
【0043】
ここで出力配分マップは、例えば図4のようになっている。これは例えば以下の考え方に基づいて定めることができる。図5、図6は、車速及びアクセル操作量に応じてエンジンの運転点を定める方法(出力配分を定める方法)の基本的な考え方を示したものである。
【0044】
運転者が加速しようとしてアクセルペダルを踏み増していった場合、車両の出力すなわち電動機4の出力はそれに応じて上昇する(図5)。そして、同じ出力をエンジン1から発生する場合、それぞれの出力に対して最も燃費が良くなる運転点をトレースするように、力行時の出力配分(エンジン及び発電機のトルクと回転速度の組み合わせ)を定めることができる(図6)。
【0045】
一方、アクセル全閉時は、エンジン回転速度に応じてエンジントルクは決まっているので、この場合は出力配分の設定方法に自由度は無く、電動機4の出力に応じてエンジントルクとエンジン回転速度の組み合わせば一義的に決まる。
【0046】
このようにして求めた、電動機出力に応じて求められる目標発電出力と目標発電機回転速度の例を図7に示す。最良燃費線やアクセル全閉時トルク線は一通りしかないので、燃費のみを考慮して出力配分を決めるのであれば、図7に示す関係を用いて目標発電出力から目標発電機回転速度を定めることができる。
【0047】
ただし、出力が等しくても、車速が低い領域ではあまりエンジントルクを大きな設定にしてしまうと音振性能が悪化するような場合、このような領域では回転をある程度高くしたいという要求がある。そこでこの様な要求に対応できるよう、車速に応じた設定の自由度を持たせる構成として、本例では出力配分を車速と駆動力に応じたマップとしている。図4は図7の関係を単純にマップへ置き換えたものである。
【0048】
以上のようにして図4に示すような出力配分マップが設定され、出力配分マップもエンジンが燃料カット状態あるいは燃料供給状態に応じて設定される。
【0049】
図2に戻り、ブロックB16では目標発電機回転速度tNiO[rpm]にフィルタ処理が施される。このフィルタ処理は、発電機2の見かけ上の制御応答速度を遅くするために行われる。このフィルタ処理はブロックB3のフィルタ処理と同じものである。
【0050】
ブロックB17では燃料カット時の目標駆動力tFd_d[N]に電動機効率EFFmを乗じて、燃料カット時の電動機4の発電電力(回生電力)tPg_d[W]が算出される。燃料カット時は、電動機4が回生した電力が過不足なく発電機2で消費されるので、tPg_dは燃料カット時の目標発電機消費電力でもある。
【0051】
ブロックB18ではこの目標発電機消費電力tPg_d[W]に発電機効率EFFgを乗じ、燃料カット時の発電機出力tPe_d[W]が算出される。燃料カット時は、発電機2がエンジン1を回転駆動するので、燃料カット時の発電機出力tPe_dは燃料カット時の目標エンジンブレーキ出力を表す。
【0052】
ブロックB19では発電機回転速度Ni[rpm](=エンジン回転速度)に基づき、燃料カット時のエンジンブレーキトルクTe_d[Nm]が算出される。具体的には、発電機回転速度Niに従ってエンジンブレーキトルクテーブルを参照して燃料カット時のエンジンブレーキトルクTe_dが設定され、燃料カット時のエンジンブレーキトルクTe_dは負の値に設定される。燃料カット時のエンジンブレーキトルクTe_dが負の値ということは発電機2がエンジン1を駆動することを示す。
【0053】
ブロックB20では燃料カット時の目標エンジンブレーキ出力tPe_d[W]を燃料カット時のエンジンブレーキトルクTe_d[Nm]で除し、燃料カット時の目標発電機回転速度tNi_d[rad/s]が算出される。
【0054】
ブロックB21では燃料カット判定フラグfFCUTに基づいて最終的な目標発電機回転速度tNifが選択される。フラグfFCUTがゼロ(非燃料カット)のときはフィルタ処理後の目標発電機回転速度tNi[rpm]が、フラグfFCUTが1(燃料カット)のときは定数G4(=1/G3)を用いて単位換算した燃料カット時の目標発電機回転速度tNi_d[rpm]が最終的な目標電動機回転速度tNifとして選択される。
【0055】
そして、この最終的な目標発電機回転速度tNifはトランスミッションコントロールユニット12に送られ、このtNifに基づき発電機2の回転速度が制御される。
【0056】
一方、ブロックB22では、目標エンジン出力tPe[W]を発電機回転速度Ni[rad/s]で除し、目標エンジントルクtTe[Nm]が算出される。発電機回転速度Ni[rad/s]は発電機回転速度センサ24で検出した発電機回転速度Ni[rpm]に定数G3を乗じて算出される。
【0057】
算出された目標エンジントルクtTeはエンジンコントロールユニット11に送られ、目標エンジントルクtTeに基づきエンジン1のトルクが制御される。具体的には、電子制御式スロットル装置14のスロットル開度が制御され、エンジン吸入空気量が調整される。ただし、燃料カット判定フラグfFCUTが1の場合はエンジン1への燃料供給がカットされるので、この場合エンジン1のトルク制御は中断される。
【0058】
なお、非燃料カット時のエンジントルクはスロットル開度制御に対して所定の遅れを持って追随するのが一般的であることから、ブロックB3やブロックB16のフィルタ処理はこのようなエンジンの応答遅れに電動機や発電機の制御を同期させるために施されている。これに対し、燃料カット時のエンジンブレーキトルクには上記のような遅れがないので、燃料カット時の目標電動機出力や目標発電機回転速度にはフィルタ処理を施していない。
【0059】
図8のタイムチャートにより走行中の時点t1でアクセルペダルの踏込みを解放しての燃料カット時の作動を説明する。図8は、アクセルペダル操作量APOの推移を(A)に、電動機4の出力(=消費電力)の推移を(B)に、発電機2の発電電力(=エンジン出力)とエンジントルクの推移を(C)に、バッテリ入出力電力の推移を(D)に夫々示す。図8(B)において、値がゼロより大は電動機4の力行状態、ゼロより小は発電(回生)状態を示し、図8(C)において、値がゼロより大は発電機2の発電状態、ゼロより小は力行状態を示している。また、図8(D)において、値がゼロより大はバッテリ9の放電状態であり、ゼロより小は充電状態を示す。
【0060】
アクセルペダルが踏込まれている通常の走行時である時t0〜t1においては、電動機4はブロックB1〜B3により得られたフィルタ処理後の目標電動機出力tPoO[W]にしたがい駆動制御される(図8(B))。発電機2はブロックB9により得られる目標発電電力tPgに基づき、ブロックB16によるフィルタ処理後の目標発電機回転速度tNiにより回転速度が制御され、エンジン1はブロックB13による目標エンジン出力tPeに基づきその出力がエンジンコントロールユニット11により制御される(図8(C))。
【0061】
時点t1において、アクセルペダル操作量APOがゼロに低下すると、図3に示す燃料カット判定手段30のブロックB33はアクセルペダル操作量APOが全閉であるか否かをヒステリシス付きで判定し、ブロックB34で車速VSPにより車両走行中である場合、ブロックB35により燃料カット条件成立信号をブロックB36とブロックB37に出力する。
【0062】
ブロックB36は、ブロックB30による充電側ディレイ時間DLFCUTcとブロックB31による放電側ディレイ時間DFLCUTdとがブロックB32でセレクトハイしたディレイ時間DLFCUTにより設定した時間だけ遅延してブロックB37に燃料カット条件成立信号を出力する。従って、ブロックB37から出力される燃料カット判定フラグfFCUTの値がゼロから1への変化は、時点t1からディレイ時間DLFCUTが経過する時点t3まで遅延される。
【0063】
ブロックB1、B2による目標電動機出力tPo00は、図8(B)に示すように、時点t1より発電側に偏移し、フィルタ処理後の目標電動機出力tPoOはブロックB3によるフィルタの時定数に従って目標電動機出力tPo00に向かって低下し、時点t2で力行状態から発電(回生)状態に変化し、その後も、目標電動機出力tPo00に向かって漸近する。
【0064】
また、目標電動機出力tPo00の上記変化は、ブロックB9による電動機目標発電電力tPgを図8(C)に示すように時点t1より力行側に偏移させ、発電機2の実発電電力EはブロックB16によるフィルタの時定数に従って目標発電機出力tPgに向かって低下し、時点t2でエンジン1により駆動される発電状態からエンジン1を駆動する力行状態に変化し、その後も、目標発電機出力tPgに向かって漸近する。
【0065】
前記目標発電電力tPgの力行側への偏移は、ブロックB13により得られる目標エンジントルクtPeを駆動側から被駆動側(ブレーキ側)に偏移させ、ブロックB22、エンジンコントロールユニット11を経由してエンジン1から得られる実エンジントルクFは目標エンジントルクtPeに向かって低下し、時点t2近辺で駆動側から被駆動側(ブレーキ側)に変化し、その後も、目標エンジントルクtPeに向かって漸近する。
【0066】
この時点t2以降においては、電動機4が出力軸6により駆動されて発電(回生)状態にあり、発電された電力は発電機2を力行させて駆動し、発電機2によりエンジン1を駆動している回生制御(エンジンブレーキ)状態となる。
【0067】
前記燃料カット判定手段30のブロックB36に設定されたディレイ時間DLFCUTが経過する(時点t3)と、ブロックB37より燃料カット条件フラグfFCUTが1となり、エンジンコントロールユニット11はエンジン1への燃料をカットし、ブロックB6が切換わり、電動機4はブロックB4、B5により得られる燃料カット時の目標電動機回生電力tPo_dを発生するよう制御される。
【0068】
また、燃料カット条件フラグfFCUTの1への変化は、ブロックB21を切換え、前記燃料カット時の目標電動機回生電力tPo_dに基づいてブロックB9により出力される燃料カット時の目標消費電力tPg_dとなるようブロックB18、B20を経由して発電機2を制御する。
【0069】
この時点t3においては、ディレイ時間DLFCUTだけ燃料カット条件フラグfFCUTの1への出力を遅延することで、ブロックB3、B16より出力されるフィルタ処理後の目標電動機出力tPoO、目標発電機電力が、時点t2において発電状態と力行(消費)状態とに既に偏移しており、夫々、燃料カット時の目標電動機回生電力tPo_d、目標発電機消費電力tPg_dに充分接近している。
【0070】
このため、電動機4と発電機2との制御タイミングがずれて、例えば、電動機4の燃料カット時の目標電動機回生電力tPo_dの立ち上がりが発電機2の目標消費電力tPg_dの立ち上がりより早い場合には、発電機2で消費し切れない電力が、図8(D)の点線のごとく、瞬間的にバッテリ9へ充電されるが、バッテリ許容入力電力BPcを超えることはない。
【0071】
また、電動機4の燃料カット時の目標電動機回生電力tPo_dの立ち上がりが発電機2の目標消費電力tPg_dの立ち上がりより遅れた場合には、電動機4で発電されている電力では発電機2の消費を賄いきれなくバッテリ9から発電機2へ放電されるが、図8(D)の実線のごとく瞬間的であり、バッテリ許容出力電力BPdを超えることはない。
【0072】
この時点t3以降においては、発電機2および電動機4は、燃料カット時の目標消費電力tPg_dおよび燃料カット時の目標電動機回生電力tPo_dにより制御され、車両の回生制動がなされる。
【0073】
なお、上記説明においては、燃料カット条件フラグfFCUTのディレイ時間をバッテリ9の許容入出力電力BPc、BPdに応じて可変にする例について説明しているが、これに限定されず、例えば、固定値のディレイ時間を設定してもよい。この場合には、バッテリ許容入力電力BPdやバッテリ許容出力電力BPdが最小の場合でもバッテリ入出力電力が許容範囲内となるような値が設定されるものであり、燃費は多少悪化する。
【0074】
この実施の態様においては、ブロックB33〜B35による燃料カット許可条件が成立してからブロックB36による所定の遅延時間が経過するまでの間エンジンヘの燃料供給が維持され、この間にエンジントルクFは徐々に低下する。エンジントルクFが十分に低下した後であれば、燃料カット実行に伴って行われるステップ的な発電機制御と電動機制御との間にタイミングずれが生じても、過大な電力がバッテリ9に入出力されることが無くなり、バッテリ9が劣化するのを防止することができる。
【0075】
また、燃料カットの遅延時間をブロックB30〜B32によりバッテリ9の許容入出力電力BPc、BPdに応じて設定するため、燃料カット実行に伴って発生するバッテリ9の入出力電力を許容範囲(バッテリ9の劣化を引き起こさない範囲)内に抑えることができる。
【0076】
図9〜11は、本発明の第2の実施態様を示す統合コントロールユニット10のブロック図であり、第1実施態様では、バッテリの状態により変化するディレイ時間の後、電動機、発電機、および、エンジンに対して一斉に燃料カット制御状態へ移行するようにしているのに対し、第2の実施形態では、電動機の非燃料カット時の制御から燃料カット時の目標電動機回生電力を発生させる制御への切換えを固定した遅延時間後に行うようにしたものである。
【0077】
このため、図9において、ブロックB6に対する燃料カット判定フラグfFCUT1と、ブロックB12、B21、および、エンジンコントロールユニット11に対する燃料カット判定フラグfFCUT2とは独立し、燃料カット判定フラグfFCUT1は図10に示すブロック図により遅延され、また、燃料カット判定フラグfFCUT2は図11に示すブロック図により遅延される。図10、11は燃料カット判定手段30Aを構成する。
【0078】
図10の燃料カット判定フラグfFCUT1の遅延は、固定値の遅延時間DLFCUT[ms]を持つブロックB43により行われる。ブロックB40でアクセルペダルが全閉(アクセルペダル操作量APOが略ゼロ)であるか否かをヒステリシス付きで判定するとともに、ブロックB41で、車速VSPが所定車速以上であるか否かをヒステリシス付きで判定し、ブロックB42で両判定結果をAND処理し、出力が1であるとき燃料カット条件が成立していることをブロックB43とブロックB44へ出力する。
【0079】
そして、ブロックB43で、固定値のディレイ時間DLFCUT[ms]だけ入力された燃料カット条件の出力を遅延させ、ブロックB44では、ブロックB41の出力とブロックB43の出力とのAND処理を行って燃料カットフラグfFCUT1の値を決定している。
【0080】
図11の燃料カット判定フラグfFCUT2の算出は、ブロックB50で、フィルタ処理後の目標電動機出力tPoO[W]とバッテリ許容出力電力BPd[W]とに基づき、第2ディレイ時間DLFCUT2[ms]が算出され、ブロックB54に遅延時間として設定される。第2ディレイ時間DLFCUT2は、燃料カット実行前後で発電機制御と電動機制御との間にずれが生じた場合でもそのときに発生するバッテリ放電側(出力側)の最大電力差がバッテリ許容出力電力BPd以下となるディレイ時間として算出される。バッテリ許容出力電力BPdはバッテリ9の温度や充電状態に応じて算出される値であり、バッテリ9の劣化を引き起こさない出力電力の上限を示している。
【0081】
したがって、ブロックB51でアクセルペダルが全閉(アクセルペダル操作量APOが略ゼロ)であるか否かをヒステリシス付きで判定するとともに、ブロックB52で、車速VSPが所定車速以上であるか否かをヒステリシス付きで判定し、ブロックB53で両判定結果をAND処理し、出力が1であるとき燃料カット条件が成立していることをブロックB54とブロックB55へ出力する。
【0082】
そして、ブロックB54で、ブロックB50により設定された第2ディレイ時間DLFCUT2[ms]だけ入力された燃料カット条件の出力を遅延させ、ブロックB55では、ブロックB53の出力とブロックB54の出力とのAND処理を行って燃料カットフラグfFCUT2の値を決定している。
【0083】
第2の実施態様の作動を図8のタイムチャートにより説明する。図12の(A)〜(D)は図8と同様のものである。
【0084】
時点t1でアクセルペダルが解放され、アクセルペダル操作量APOがゼロに低下すると、電動機4のフィルタ処理後の目標電動機出力tPoOはブロックB3のフィルタ通過前の目標電動機出力(発電状態)tPo00に漸近する時定数カーブに沿って低下し、発電(回生)状態となり、両目標電動機出力(tPoO,tPo00)が一致した後、燃料カット判定フラグfFCUT1が1と出力される時点t3において、ブロックB6が切換わり、電動機4はブロックB4、B5により得られる燃料カット時の目標電動機回生電力tPo_dを発生するよう制御される(図12(B))。
【0085】
一方、発電機2は、ブロックB9による電動機目標発電電力tPgを図12(C)に示すように時点t1より力行側に偏移させ、発電機2の実発電電力EはブロックB16によるフィルタの時定数に従って目標発電機出力tPgに向かって低下する。
【0086】
エンジン1は、前記ブロックB9の目標発電電力tPgの力行側への偏移により、ブロックB13により得られる目標エンジントルクtPeを駆動側から被駆動側(ブレーキ側)に偏移させ、ブロックB22、エンジンコントロールユニット11を経由してエンジン1から得られる実エンジントルクFは目標エンジントルクtPeに向かって低下する。
【0087】
前記ブロックB54に設定されたディレイ時間DLFCUT2が経過すると、ブロックB55より燃料カット判定フラグfFCUT2が1に出力され、エンジンコントロールユニット11はエンジン1への燃料をカットし、ブロックB21が切換わり、前記燃料カット時の目標電動機回生電力tPo_dに基づいてブロックB9により出力される燃料カット時の目標消費電力tPg_dとなるようブロックB18、B20を経由して発電機2は制御される。
【0088】
図12(B)、(C)における遅延時間DLFCUT1、DLFCUT2とのタイミングの差により、時点t2〜t3間においては、バッテリ9から発電機2に対して電動機4による回生の遅れに基づく放電出力が、図12(D)に示すごとくなされる。
【0089】
この放電出力電力は、ブロックB50において、バッテリ許容出力電力BPdとフィルタ処理後の目標電動機出力tPoOとの関数でディレイ時間DLFCUT2を設定しているため、バッテリ9の許容出力電力BPdを超えることはない。
【0090】
そして、電動機4の非燃料カット時の目標電動機出力tPo00(=tPoO)と燃料カット時の目標電動機回生出力tPo_dとの間の出力差は、バッテリの状態により増減することがない固定値として設定しているため、燃料カット時に発生する駆動(制動)力変化の段差が一定であり、車両運転者に違和感を与えることがない。
【0091】
本実施態様では、発電機2の発電(消費)電力を電動機4の消費(発電)電力に一致させる制御を燃料カット実行時だけ中断して車両の運転性を向上させることができる。
【0092】
即ち、燃料カットの遅延時間DLFCUT2をバッテリ9の許容出力電力BPdに応じて設定し、電動機4による回生電力の発生に先行して燃料カットおよび発電機2による電力消費を行わせるため、遅延時間DLFCUT2を可能な限り短く設定でき、燃料カットによる燃費改善を最大限得ることができる。
【0093】
また、発電機2の発電(消費)電力と電動機4の消費(発電)電力とを一致させる制御を燃料カット実行時だけ一時中断して電動機出力(負荷)の変動幅を抑制して車両の運転性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される車両のシステム構成図。
【図2】統合コントロールユニットの制御内容を示すブロック図。
【図3】燃料カット判定処理の内容を示すブロック図。
【図4】出力配分マップの一例を示すグラフ。
【図5】出力配分を定める方法を説明するための図。
【図6】同じく出力配分を定める方法を説明するための図。
【図7】目標発電量と目標発電機回転速度の関係を示したテーブル。
【図8】燃料カット時におけるアクセルペダル操作量推移(A)、電動機の出力推移(B)、発電機の発電電力推移(C)、バッテリの入出力電力推移(D)により作動を説明するタイムチャート。
【図9】第2の実施形態を示すブロック図。
【図10】燃料カット判定手段の一部を示すブロック図。
【図11】燃料カット判定手段の別の一部を示すブロック図。
【図12】第2の実施形態の燃料カット時におけるアクセルペダル操作量推移(A)、電動機の出力推移(B)、発電機の発電電力推移(C)、バッテリの入出力電力推移(D)により作動を説明するタイムチャート。
【符号の説明】
1 エンジン
2 発電機
4 電動機
9 バッテリ統合コントロールユニット(GCU)
10 エンジンコントロールユニット(ECU)
11 トランスミッションコントロールユニット(TCU)
12 電子制御式スロットル装置
14 電動機回転速度センサ
21 アクセル操作量センサ
22 クランク角センサ
23 発電機回転速度センサ
Claims (3)
- エンジンと、前記エンジンの出力軸に連結される発電機と、車両の駆動軸に連結される電動機と、前記発電機および前記電動機に接続されるバッテリとを備え、車両の減速時に前記電動機で回生される電力を前記発電機に供給して消費するようにしたハイブリッド車両の制御装置において、
車両の運転条件を検出する運転条件検出手段と、
検出した運転条件に基づいてエンジンの燃料カット条件を判定する燃料カット判定手段と、
該燃料カット判定手段の判定結果を所定の遅延時間だけ遅延させる燃料カット判定遅延手段と、
該燃料カット判定遅延手段によって遅延された燃料カット判定に応じてエンジンへ供給する燃料をカットするエンジン制御手段と、を備え、
前記燃料カット判定遅延手段の所定の遅延時間は、バッテリの許容入出力電力に応じて前記遅延時間を算出する遅延時間算出手段により設定されることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 前記燃料カット判定遅延手段の所定の遅延時間は、バッテリの許容出力電力に応じて前記遅延時間を算出する遅延時間算出手段により設定され、前記電動機による回生電力の発生に先行して燃料カットおよび発電機による電力消費を行わせることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
- 前記電動機は、前記発電機の発電電力に対応した電動機出力を、前記遅延時間算出手段による遅延時間の経過後において電動機出力が所定値に安定するまで継続することを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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