JP3701875B2 - フォトニッククリスタルファイバの接続方法及びその接続構造体並びにその接続構造体の構成部材 - Google Patents
フォトニッククリスタルファイバの接続方法及びその接続構造体並びにその接続構造体の構成部材 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトニッククリスタルファイバ(以下「PC(photonic crystal)ファイバ」と称する)の接続方法及びその接続構造体並びにその接続構造体の構成部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
モードフィールド径dl,ds(以下「MFD」と称する)が大小異なる一対の光ファイバf1,f2を接続する場合、両ファイバf1,f2を単純に融着接続すると、図8に示すように、接続部cで光の放射が起こり、それによって多大の接続損失を生じてしまうこととなる。これに対して、融着接続時の加熱時間を長く設定したり、加熱温度を高く設定したり、或いは接続部cを追加加熱したりすることにより、図9(a)に示すように、接続部cにおける両ファイバf1,f2の各コアにドープされたゲルマニウム(Ge)をクラッド側に拡散させてそれぞれのMFDを拡大し、それらの大小差を縮小して接続損失の低減を図るようにした光ファイバの接続方法がある。同様に、MFDが小さい方の光ファイバf2の接続端を予め加熱することにより、図9(b)に示すように、コアにドープされたゲルマニウム(Ge)をクラッド側に拡散させてMFDを拡大し、それをMFDが大きい方の光ファイバf1の接続端に接続するようにした光ファイバの接続方法もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、大きな波長分散を発現する光ファイバとして、PCファイバが注目を集めつつある。このPCファイバは、ファイバ中心を長手方向に延びる中実又は中空のコアと、そのコアを覆うように設けられそのコアに沿って延びる多数の細孔を有するクラッドとを備えており、このクラッドが二次元的に屈折率が周期的に変動したフォトニッククリスタル構造を構成するものである。
【0004】
そして、かかるPCファイバのMFDが3〜5μm程度のものを、MFDが約10μm程度の光ファイバに接続するような場合、上記に示したような接続方法によっては接続損失を低く抑えることができないという問題がある。すなわち、コアにゲルマニウム(Ge)等がドープされていないPCファイバは、コア及びクラッドが共に石英(SiO2)のみで構成されることとなるものの、クラッドが多数の細孔を有するためにコアよりも等価的に屈折率が低くなり、それによって全反射現象によりコアで光を伝搬するものであると共に、クラッドのフォトニッククリスタル構造による効果によってコアで光を伝搬するものであり、従って、基本的にゲルマニウム(Ge)等を拡散させるということができず、また、MFDを拡大させるべくこのPCファイバの接続端を長時間加熱したり高温度加熱したりすると、クラッドの多数の細孔が封止されて接続端が石英塊となり、そこから光が散逸して却って大きな接続損失を生じてしまうこととなる。そして、コアにゲルマニウム(Ge)等がドープされたPCファイバでは、コアの周囲に多数の細孔を有するため、ゲルマニウム(Ge)等の拡散が円滑に営まれないこととなる。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、MFDが相対的に小さいPCファイバを、MFDが相対的に大きい被接続光ファイバに低接続損失で接続する方法及びPCファイバの接続構造体並びのかかる接続構造体を形成する構成部材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、PCファイバのMFDと被接続光ファイバのMFDとの中間のMFDを有するバッファ光ファイバを介設してPCファイバを被接続光ファイバに接続するようにしたものである。
【0007】
具体的には、本出願の発明は、
ファイバ中心を長手方向に延びる中実又は中空のコアと、該コアを覆うように設けられ該コアに沿って延びる多数の細孔を有するクラッドとを備えたPCファイバと、該PCファイバのMFDよりも大きいMFDを有する被接続光ファイバとを接続する方法であって、
ファイバ中心をなすコアと該コアを覆うように設けられた中実のクラッドとを備え且つ上記PCファイバのモードフィールド径と上記被接続光ファイバのモードフィールド径との中間のモードフィールド径を有するバッファ光ファイバの一端に、上記PCファイバの接続端を、そのクラッドの細孔が熱によって潰れない温度での融着により接続する一方、該バッファ光ファイバの他端に上記被接続光ファイバの接続端を接続することを特徴とする。
【0008】
MFDが相対的に小さいPCファイバとMFDが相対的に大きい被接続光ファイバとを直接接続した場合、それらの差が大きいと、その接続部において多大の光が放射により散逸して大きな接続損失を生じることとなるが、上記の接続方法によれば、接続部が2カ所設けられることとなるものの、上記のようにPCファイバと被接続光ファイバとを直接接続した場合に比べてトータルの接続損失は低く抑えられることとなる。この理由については明らかではないが、PCファイバと被接続光ファイバとの間にMFDがそれらのものの中間の寸法であるバッファ光ファイバを介設することにより、各接続部でファイバ間のMFDの差が小さくなり、それによって光の放射による散逸が著しく抑制されるためではないかと推測される。
【0009】
また、このような接続損失の低減を図るためには、通常大きな接続損失を生じるPCファイバの接続部における接続損失の低減させることが有効であり、そのためにはPCファイバのMFDとバッファ光ファイバのMFDとを近いものとすることが好ましい。
【0010】
さらに、バッファ光ファイバのコアにゲルマニウム(Ge)等の屈折率調整成分がドープされている場合には、被接続光ファイバとの接続端となるバッファ光ファイバの他端に、その屈折率調整成分を中実のクラッドに拡散させる加熱処理を施すことが好ましい。このようにすれば、バッファ光ファイバの他端においてコアにドープされたゲルマニウム(Ge)等の屈折率調整成分が中実のクラッドに拡散することとなるので、バッファ光ファイバの他端のMFDが拡大して被接続光ファイバのMFDとの差が縮小し、それによって光の放射による散逸が少なくなり、それらの接続部における接続損失が低く抑えられることとなる。ここで、かかる加熱処理は、被接続光ファイバとの接続前に施してもよく、また、被接続光ファイバと接続させながら施してもよく、さらに、被接続光ファイバとの接続後に施してもよい。
【0011】
そして、以上のような接続方法によって、ファイバ中心を長手方向に延びる中実又は中空のコアと、該コアを覆うように設けられ該コアに沿って延びる多数の細孔を有するクラッドとを備えたPCファイバと被接続光ファイバとの間に、ファイバ中心をなすコアとそのコアを覆うように設けられた中実のクラッドとを備え且つPCファイバのMFDと被接続光ファイバのMFDとの中間のMFDを有するバッファ光ファイバが介設されたPCファイバ接続構造体が構成されることとなる。
【0012】
また、かかるPCファイバ接続構造体を形成するためには、ファイバ中心を長手方向に延びる中実又は中空のコアと、該コアを覆うように設けられ該コアに沿って延びる多数の細孔を有するクラッドとを備えたPCファイバと、そのPCファイバの接続端に、そのクラッドの細孔が熱によって潰れない温度での融着により一端が接続され、ファイバ中心をなすコアと該コアを覆うように設けられた中実のクラッドとを備え且つ上記PCファイバのモードフィールド径より大きいモードフィールド径を有するバッファ光ファイバと、からなる構成部材を用いればよい。
【0013】
さらに、この構成部材においても、バッファ光ファイバのコアにゲルマニウム(Ge)等の屈折率調整成分がドープされている場合には、バッファ光ファイバの他端でその屈折率調整成分がクラッドに拡散している構成であることが好ましい。
【0014】
ここで、PCファイバは、ファイバ中心を長手方向に延びる中実又は中空のコアと、そのコアを覆うように設けられコアに沿って延びる多数の細孔を有するクラッドとを備えたものであれば、特に限定されるものではない。
【0015】
PCファイバと接続される被接続光ファイバ及びバッファ光ファイバは、特に限定されるものではなく、1.3μm零分散波長ファイバ、1.55μm分散シフトファイバ、ノンゼロ分散シフトファイバ、分散補償ファイバ、希土類元素ドープファイバ、偏波面保存ファイバ等のコアとそのコアを覆うように設けられた中実のクラッドとを備えた光ファイバであればよい。
【0016】
PCファイバとバッファ光ファイバとの接続は、低温度加熱による融着により行う。また、バッファ光ファイバと被接続光ファイバとの接続は、加熱による融着により行ってもよく、また、コネクタを用いた突き合わせにより行ってもよい。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本出願の発明によれば、MFDが相対的に小さいPCファイバとMFDが相対的に大きい被接続光ファイバとの間にMFDがそれらのものの中間の寸法であるバッファ光ファイバを介設することにより、接続部が2カ所設けられることとなるものの、PCファイバと被接続光ファイバとを直接接続した場合に比べてトータルの接続損失を低く抑えることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係るPCファイバの接続方法を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
(各ファイバの構成)
図1は、PCファイバ10を示す。このPCファイバ10は、石英(SiO2)製であり、ファイバ中心を長手方向に延びる中実のコア11と、そのコア11を覆うように設けられコア11に沿って延びる多数の細孔を有するクラッド12と、そのクラッド12を覆うように設けられた被覆部13とを備えている。そして、このクラッド12が二次元的に屈折率が周期的に変動したフォトニッククリスタル構造を構成し、信号光は、そのフォトニッククリスタル構造で囲われたコア11に閉じこめられて伝搬されることとなる。このPCファイバ10のファイバ径は125μmで、MFD(d1)はコア径よりやや大きく約3μmである。
【0020】
図2は、被接続光ファイバ20を示す。この被接続光ファイバ20は、ファイバ中心を長手方向に延びるゲルマニウム(Ge)がドープされた石英(SiO2)製のコア21と、そのコア21を覆うように設けられた石英(SiO2)製のクラッド22とを備えている。そして、信号光は、屈折率の高いコア21に閉じこめられて伝搬されることとなる。この被接続光ファイバ20のファイバ径は125μmで、MFD(d2)はコア径よりやや大きく約10μmである。
【0021】
図3は、バッファ光ファイバ30を示す。このバッファ光ファイバ30は、MFD(d3)が約3μm(但し、PCファイバ10のMFD(d1)よりも大きい)である点を除いては被接続光ファイバ20と同一構成であり、また、機能も同一である。
【0022】
(ファイバの接続方法)
まず、図4に示すように、PCファイバ10の接続端14にバッファ光ファイバ30の一端33を接続する。このとき、両ファイバ10,30のコア11,31が一致して重なるようにする。また、この接続は、PCファイバ10の多孔部12が熱によって潰れない程度の温度でPCファイバ10の接続端14及びバッファ光ファイバ30の一端33を加熱溶融させて行うようにする。このPCファイバ10とバッファ光ファイバ30との接続体は、後述のPCファイバ10の接続構造体を形成するための構成部材となるものである。
【0023】
次に、図5に示すように、バッファ光ファイバ30の他端34に被接続光ファイバ20の接続端23を接続する。このとき、両ファイバ20,30の中心軸が一致するようにする。また、この接続は、バッファ光ファイバ30の他端34及び被接続光ファイバ20の接続端23を加熱溶融させて行うようにする。さらに、これらのファイバ20,30の接続部を追加加熱することにより、両ファイバ20,30のコア21,31にドープされたゲルマニウム(Ge)をクラッド22,32に拡散させ、それによって両ファイバ20,30のMFDをそれらがほぼ同一となるように拡大させる。
【0024】
以上のようにして、PCファイバ10と被接続光ファイバ20との間にPCファイバ10のMFD(d1)よりも大きい寸法のMFD(d3)を有するバッファ光ファイバ30が介設されたPCファイバ10の接続構造体が構成されることとなる。
【0025】
なお、バッファ光ファイバ30は伝送損失を生じることとなるため、その長さが制限されることとなる。すなわち、バッファ光ファイバ30を用いずにPCファイバ10と被接続光ファイバ20とを直接接続した場合の接続損失をA(dB)、バッファ光ファイバ30を用いた場合の接続損失をB(dB)とすると、(A−B)(dB)がバッファ光ファイバ30を用いることにより低減できた接続損失となり、そして、バッファ光ファイバ30の伝送損失をC(dB/km)としたとき、バッファ光ファイバ30の長さが(A−B)/C(km)よりも長くなると、低減した接続損失がバッファ光ファイバ30の伝送損失によって相殺されてしまうこととなる。しかしながら、実際には、PCファイバ10及び被接続光ファイバ20のそれぞれとの接続の作業性等を考慮してもバッファ光ファイバ30の長さは1m程度あれば十分であり、バッファ光ファイバ30の伝送損失を概ね0.001dB以下であると考えることができることから、バッファ光ファイバ30の伝送損失は事実上無視できるものである。
【0026】
(作用・効果)
上記のPCファイバ10の接続方法によれば、MFD(d1)が相対的に小さいPCファイバ10とMFD(d2)が相対的に大きい被接続光ファイバ20との間にMFD(d2)がそれらのものの中間の寸法であるバッファ光ファイバ30を介設することにより、接続部が2カ所設けられることとなるものの、PCファイバ10と被接続光ファイバ20とを直接接続した場合に比べてトータルの接続損失は低く抑えられることとなる。
【0027】
また、バッファ光ファイバ30と被接続光ファイバ20との接続後に、その接続部を追加加熱する処理が施されているので、両ファイバ20,30のコア21,31にドープされたゲルマニウム(Ge)がクラッド22,32に拡散され、バッファ光ファイバ30の他端34及び被接続光ファイバ20の接続端23のそれぞれのMFDがそれらがほぼ同一となるように拡大し、それによって光の放射による散逸が少なくなり、それらの接続部における接続損失が低く抑えられることとなる。
【0028】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、中実コアのPCファイバ10としたが、特にこれに限定されるものではなく、中空コアのものであってもよい。
【0029】
また、上記実施形態では、PCファイバ10のコア11を石英(SiO2)製としたが、特にこれに限定されるものではなく、ゲルマニウム(Ge)等がドープされた石英(SiO2)製としてもよい。
【0030】
また、上記実施形態では、バッファ光ファイバ30と被接続光ファイバ20とを加熱による融着により接続したが、特にこれに限定されるものではなく、コネクタを用いた突き合わせにより接続してもよい。
【0031】
また、上記実施形態では、バッファ光ファイバ30及び被接続光ファイバ20のコア21,31にドープされたゲルマニウム(Ge)をクラッド22,32に拡散させるために、両ファイバ20,30の接続後にその接続部を追加加熱する処理を行ったが、特にこれに限定されるものではなく、融着による接続時に加熱温度を高く設定したり、加熱時間を長く設定するようにしてもよい。
【0032】
また、上記実施形態では、バッファ光ファイバ30及び被接続光ファイバ20双方のコア21,31にドープされたゲルマニウム(Ge)をクラッド22,32に拡散させたが、特にこれに限定されるものではなく、接続前のバッファ光ファイバ30の他端34のみを加熱してコア31にドープされたゲルマニウム(Ge)をクラッド32に拡散させ、図6に示すように、それを融着やコネクタによる突き合わせにより被接続光ファイバ20の接続端23に接続するようにしてもよい。
【0033】
【実施例】
ファイバ外径100μm、クラッドの細孔の直径1.28μm、細孔が形成する三角格子のピッチ2.16μm、MFD(d1)約3μmであるPCファイバ10と、MFD(d2)10.8μmであるシングルモードの被接続光ファイバ20(1.3μm零分散波長シングルモードファイバ)と、を以下に示す3つの接続例の方法で接続し、被接続光ファイバ20側から波長1.55μmの光を入射して各接続例の接続損失を計測した。なお、接続部が2カ所生じるもの(接続例2及び3)については、それぞれの接続部での接続損失を計測し、それらの和を総接続損失とした。
【0034】
(接続例)
−接続例1−
PCファイバ10の接続端14及び被接続光ファイバ20の接続端23を加熱溶融させ、図7(a)に示すように、それらを中心軸が一致するように突き合わせて接続したものを接続例1とした。このとき、PCファイバ10の接続端14が溶融して細孔が潰れることがないように加熱温度を低く設定した。
【0035】
−接続例2−
MFD(d3)4.9μmである長さ1mの分散補償ファイバをバッファ光ファイバ30として準備した。そして、図7(b)に示すように、PCファイバ10の接続端14及びバッファ光ファイバ30の一端33を加熱溶融させ、それらを中心軸が一致するように突き合わせて接続すると共に、そのバッファ光ファイバ30の他端34及び被接続光ファイバ20の接続端23を加熱溶融させ、それらを中心軸が一致するように突き合わせて接続したものを接続例2とした。このとき、PCファイバ10のバッファ光ファイバ30への接続条件は接続例1と同一とした。
【0036】
−接続例3−
接続例2の接続損失を計測した後、バッファ光ファイバ30と被接続光ファイバ20との接続部を追加加熱し、それぞれのコア21,31にドープされたゲルマニウム(Ge)をクラッド22,32に拡散させて、図7(c)に示すように、両者のMFD径がほぼ同一となるようにしたものを接続例3とした。
【0037】
(計測結果)
【0038】
【表1】
【0039】
計測結果を表1に示す。
【0040】
同表によれば、接続例2及び3は、接続例1よりも接続損失が非常に低いことが分かる。また、PCファイバ10と被接続光ファイバ20との接続部の接続損失が5.47dB(接続例1)であるのに対し、PCファイバ10のMFD(d1)に近い寸法のMFD(d3)を有するバッファ光ファイバ30と被接続光ファイバ20との接続部における接続損失が1.22dB(接続例2)であることから、接続損失はPCファイバ10の接続部において大きくなることが分かる。さらに、接続例1の接続損失が5.47dBであるのに対し、PCファイバ10とバッファ光ファイバ30との接続部の接続損失が2.01dB(接続例2及び3)であることから、特にこのPCファイバ10とバッファ光ファイバ30との接続部において接続損失の低減が図られていることが分かる。接続例1では、PCファイバ10のMFD(d1)と被接続光ファイバ20のMFD(d2)との差が非常に大きいために、接続部において多大の光が放射により散逸して大きな接続損失を生じたものであると考えられる。これに対し、接続例2及び3では、接続部が2カ所設けられることとなるものの、PCファイバ10と被接続光ファイバ20との間にMFD(d3)がそれらのものの中間の寸法であるバッファ光ファイバ30が介設されていることにより、各接続部でファイバ間のMFDの差が小さくなり、それによって光の放射による散逸が著しく抑制され(特にPCファイバ10とバッファ光ファイバ30との接続部において)、接続例1に比べてトータルの接続損失は低く抑えられたものであると考えられる。
【0041】
また、接続例3は、接続例2よりも接続損失が低いことが分かる。接続例2では、バッファ光ファイバ30と被接続光ファイバ20との接続部でMFDの差が大きいために、光が放射により散逸して相対的に大きな接続損失を生じたものであると考えられる。これに対し、接続例3では、接続部におけるバッファ光ファイバ30のMFDと被接続光ファイバ20のMFDとの差が小さくなっているために、光の放射による散逸が抑止されて接続損失が低くなったものであると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態におけるフォトニッククリスタルファイバの斜視図である。
【図2】 本発明の実施形態における光ファイバの斜視図である。
【図3】 本発明の実施形態におけるバッファ光ファイバの斜視図である。
【図4】 本発明の実施形態におけるフォトニッククリスタルファイバの接続構造体を形成するための構成部材の側面図である。
【図5】 本発明の実施形態におけるフォトニッククリスタルファイバの接続構造体の側面図である。
【図6】 本発明の他の実施形態におけるフォトニッククリスタルファイバの接続構造体の側面図である。
【図7】 実施例におけるフォトニッククリスタルファイバの接続構造体の側面図である。
【図8】 従来例におけるフォトニッククリスタルファイバの接続構造体の側面図である。
【図9】 光ファイバの接続構造体の側面図である。
【符号の説明】
10 フォトニッククリスタルファイバ
11,21,31 コア
12,22,32 クラッド
13 被覆部
14 フォトニッククリスタルファイバ接続端
20 被接続光ファイバ
23 被接続光ファイバ接続端
30 バッファ光ファイバ
33 バッファ光ファイバ一端
34 バッファ光ファイバ他端
c 接続部
dl,ds,d1〜d3 モードフィールド径
f1,f2 光ファイバ
Claims (6)
- ファイバ中心を長手方向に延びる中実又は中空のコアと、該コアを覆うように設けられ該コアに沿って延びる多数の細孔を有するクラッドとを備えたフォトニッククリスタルファイバを、該フォトニッククリスタルファイバのモードフィールド径よりも大きいモードフィールド径を有する被接続光ファイバに接続する方法であって、
ファイバ中心をなすコアと該コアを覆うように設けられた中実のクラッドとを備え且つ上記フォトニッククリスタルファイバのモードフィールド径と上記被接続光ファイバのモードフィールド径との中間のモードフィールド径を有するバッファ光ファイバの一端に、上記フォトニッククリスタルファイバの接続端を、そのクラッドの細孔が熱によって潰れない温度での融着により接続する一方、該バッファ光ファイバの他端に上記被接続光ファイバの接続端を接続することを特徴とするフォトニッククリスタルファイバの接続方法。 - 上記バッファ光ファイバの他端に、上記コアにドープされた屈折率調整成分を上記中実のクラッドに拡散させる加熱処理を施すことを特徴とする請求項1に記載のフォトニッククリスタルファイバの接続方法。
- ファイバ中心を長手方向に延びる中実又は中空のコアと、該コアを覆うように設けられ該コアに沿って延びる多数の細孔を有するクラッドとを備えたフォトニッククリスタルファイバと、
上記フォトニッククリスタルファイバのモードフィールド径よりも大きいモードフィールド径を有する被接続光ファイバと、
上記フォトニッククリスタルファイバの接続端に、そのクラッドの細孔が熱によって潰れない温度での融着により一端が接続される一方、上記被接続光ファイバの接続端に他端が接続され、ファイバ中心をなすコアと該コアを覆うように設けられた中実のクラッドとを備え且つ該フォトニッククリスタルファイバのモードフィールド径と該被接続光ファイバのモードフィールド径との中間のモードフィールド径を有するバッファ光ファイバと、
を備えたことを特徴とするフォトニッククリスタルファイバの接続構造体。 - 上記バッファ光ファイバは、上記コアに屈折率調整成分がドープされており、該バッファ光ファイバの他端において該コアにドープされた屈折率調整成分が上記中実のクラッドに拡散していることを特徴とする請求項3に記載のフォトニッククリスタルファイバの接続構造体。
- ファイバ中心を長手方向に延びる中実又は中空のコアと、該コアを覆うように設けられ該コアに沿って延びる多数の細孔を有するクラッドとを備えたフォトニッククリスタルファイバと、
上記フォトニッククリスタルファイバの接続端に、そのクラッドの細孔が熱によって潰れない温度での融着により一端が接続され、ファイバ中心をなすコアと該コアを覆うように設けられた中実のクラッドとを備え且つ上記フォトニッククリスタルファイバのモードフィールド径より大きいモードフィールド径を有するバッファ光ファイバと、
からなることを特徴とするフォトニッククリスタルファイバの接続構造体の構成部材。 - 上記バッファ光ファイバは、上記コアに屈折率調整成分がドープされており、該バッファ光ファイバの他端において該コアにドープされた屈折率調整成分が上記中実のクラッドに拡散していることを特徴とする請求項5に記載のフォトニッククリスタルファイバの接続構造体の構成部材。
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