JP3701484B2 - 発泡成形機の減圧機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発泡成形機の金型の蒸気室に供給された蒸気を排出するための減圧機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
発泡成形機による成形は一般に次の工程からなっている。
(a) 型締め(固定型に移動型を結合させる)。
(b) 予備発泡させた樹脂ビーズを型内のキャビティに充填する。
(c) 型内に高温蒸気を送り込み、ビーズを発泡させる。
(d) 冷却水を型に少量噴射するとともに、これを真空ポンプ等によって吸引して型表面に付着した水分を気化させることにより、型を冷却する。
(e) 型を開いて成形品を取り出す。
【0003】
上記の工程において、発泡成形した成形品に水が混入するのを防止するため、蒸気室に供給した蒸気を速やかに排出する必要があり、このために(d)の工程が設けられている。
【0004】
この場合、蒸気室の蒸気が真空ポンプにより効果的に吸引されることが求められる。もし、真空ポンプによる蒸気吸引が緩慢に行われると、成形品に水分が含有され、これを除去するために取り出された成形品を乾燥する工程が別途必要となるからである。
【0005】
しかしながら減圧開始時に真空ポンプを作動させても、減圧開始後一定時間内は減圧の立ち上がりに時間を要し、吸引は緩慢で吸引効率が落ちる。そこで、初期の吸引効率の低下を防止すると共に蒸気の吸引作用を高める手段として、金型の蒸気室と真空ポンプの吸込み側との間にコンデンサ(蒸気凝縮器)を配設する発泡成形機(特公昭62-28739号,特開昭62-132634号等)がある。
【0006】
金型の蒸気室の蒸気を吸引する際には真空ポンプを作動させると共に、冷却水噴射装置より冷却水を噴射し、真空弁を開ける。すると蒸気室内の蒸気はコンデンサ内に吸引されて、冷却水により凝縮される。吸い込む蒸気量が少なくなるため真空ポンプの吸い込み作用が増加し、冷却工程の開始時に蒸気室中に留まる残存蒸気は急速に排気される。
【0007】
蒸気室中はコンデンサのない場合に比べて急速に減圧され、成形体及び型キャビティ内に存在する残存蒸気は効率よく排気され、かつ成形体を乾燥状態で型から取り出すことができる。したがって、成形後の乾燥処理を不要にすることができる。冷却水と復水された水滴はコンデンサ内に貯溜水として溜まっていくが、排水弁を開けることにより排出することができる。
【0008】
しかしながら、コンデンサを設けても、コンデンサや配管内に空気が残っているため真空ポンプの運転開始直後には十分な減圧状態とはならない。そこでそのような問題を解消し、蒸気室の蒸気吸引開始時直後から強力な吸引力を得る手段として、真空タンクを併設する手段が提案されている(特開平1-148533号等)。
【0009】
図3はこのような真空タンクとコンデンサを併設した発泡成形機の構成の概要を示した図である。(31)は金型である。コンデンサ(35)に対し、真空ポンプ(32)と並列的に真空タンク(34)が設けられている。(11)は真空ポンプ(32)と真空タンク(34)との間の弁であり、(10)は真空ポンプ(32)とコンデンサ(35)との間の弁である。(36)はコンデンサ(35)に至る排出ライン、(37)は金型(31)の蒸気室に蒸気を供給する蒸気ライン、(38)は蒸気室に冷却水を供給する冷却水ラインである。
【0010】
蒸気室の蒸気の吸引に先立って、まず弁(11)を開いて弁(10)を締める。そして、真空ポンプ(32)を作動させることによりする。真空タンク(34)内が十分に減圧された後に弁(10)と真空弁(9)を開く。すると減圧された真空タンク(34)により蒸気室の蒸気吸引開始の当初から大きな吸引力で吸引することができる。
【0011】
しかしながら、実際には真空タンク(34)の大きさには限界があるため、初期の吸引能力は必ずしも十分であるとは言えない。又、金型(31)の蒸気室から吸引していないときには真空ポンプは専ら真空タンク(34)の減圧に用いられることになるが、真空タンク(34)が十分に減圧された後は必要なくなり、真空ポンプ(34)は一時的に不要な設備となる。
【0012】
図4は複数台の発泡成形機の減圧を共用した真空ライン(33)により集中して行うシステムを示した図である。(42a)及び(42b)は共用真空ライン(33)に接続された共用真空ポンプである。(45)は共用真空ライン(33)に配された共用コンデンサである。
【0013】
各発泡成形機の排出ライン(36a),(36b),(36c),・・・は共用真空ライン(33)に接続されている。(46)は共用真空ライン(33)の圧力に応じて真空ポンプ(42a),(42b)の制御を行う制御部、(47)は共用真空ライン(33)の圧力を検出するための圧力スイッチである。
【0014】
集中真空を行う共用真空ポンプは共用真空ライン(33)を介して各発泡成形機に繋がっており、各金型の減圧は全て共用真空ライン(33)から行われる。
【0015】
しかし、真空ポンプ(42a),(42b)は全ての発泡成形機の減圧を受け持つ必要があるので、余裕を持たせた大容量とする必要がある。
【0016】
更に、システムを構成する複数台の発泡成形機の内の一部が運転を休止したような場合は、真空ポンプの容量と発泡成形機の台数のバランスがとりにくい。反対に発泡成形機を増設した場合にも、真空ポンプの能力(容量)が足りなくなり、増設に対応するのが困難である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、複数台の発泡成形機の減圧を行う減圧機構において吸引開始時直後から強力な吸引力を発揮でき、設備としての真空ポンプを効率よく使用でき、しかも真空ポンプの容量と発泡成形機の台数のバランスがとり易い発泡成形機の減圧機構が求められている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発泡成形機の減圧機構は、複数の発泡成形機に接続される減圧機構であって、各発泡成形機には独立した真空ポンプ(2)を有しており、各真空ポンプ(2)は各発泡成形機の金型(1)と接続されると共に、分岐して共用真空ライン(3)にも接続されていることを特徴とする。
【0019】
これによれば、各発泡成形機に配備された真空ポンプは、担当する発泡成形機の金型から吸引しない場合も、共用真空ラインを通じて他の発泡成形機の金型の吸引を助けることができるので、常に有効に働くこととなり、設備として無駄にならない。
【0020】
又、担当する発泡成形機の金型から吸引する場合には、共用真空ラインを通じて他の発泡成形機に配備されている真空ポンプの吸引により支援を受けることができるので、各真空ポンプは必要以上に強力なものとする必要はない。
【0021】
更に、各真空ポンプは独立して稼働させることができるので、システムを構成する複数台の発泡成形機が全て稼働している場合だけでなく、その内の1台又は複数台が休止している場合でも、発泡成形機の運転状況に応じて適宜稼働させてバランスのとれた運転を行うことができる。又、発泡成形機を増設する際には、真空ポンプもセットで増設することができ、バランスがとりやすい。
【0022】
請求項2の発泡成形機の減圧機構は、請求項1の減圧機構において、各発泡成形機は独立したコンデンサ又は独立した真空タンクの少なくともいずれかを備えていることを特徴とする。
【0023】
これによれば、独立したコンデンサや独立した真空タンクにより、減圧初期において更に急速な減圧を図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を好適な実施例を用いて説明する。
【0025】
[実施例1]
図1は4台の発泡成形機と本実施例の減圧機構を備えたシステムを示した図である。図中(1)は金型、(2)は真空ポンプ、(3)は共用真空ライン、(6)は排出ライン、(7)は金型(1)の蒸気室に蒸気を供給する蒸気ライン、(8)は蒸気室に冷却水を供給する冷却水ラインである。(9)は真空弁、(10)は真空ポンプ(2)と排出ライン(6)との間の弁、(11)は真空ポンプ(2)と共用真空ライン(3)との間の弁である。(16)は共用真空ライン(3)の圧力に応じて各真空ポンプ(2a),(2b),(2c),(2d)の制御を行う制御部、(7)は共用真空ライン(3)の圧力を検出するための圧力スイッチである。
【0026】
真空ポンプ(2)をONにして共用真空ライン(3)を減圧する。金型(1)内の減圧する際には、初期には共用真空ライン(3)と真空ポンプ(2)の両方に接続して、両者による強力な吸引により急激な減圧を行うことができる。共用真空ライン(3)には他の発泡成形機の真空ポンプの接続されているため、その余裕分を活用し大容量の真空ポンプを接続しているような強力な吸引力を発揮させることができる。
【0027】
吸引の後半になると、強力な吸引力は必要でなくなるので、弁(11)を締めて共用真空ラインとの接続を遮断し、真空ポンプ(2)のみに接続する。
【0028】
金型(1)の減圧を行っていない場合は、弁(10)を閉じ、弁(11)を開けることにより、共用真空ライン(3)を介して他の成形機の金型の減圧に寄与する。
【0029】
システムを構成する複数台の発泡成形機の内、1台又は複数台が休止している場合でも、各真空ポンプは独立して稼働させることができるので、発泡成形機の運転状況に応じて適宜真空ポンプを稼働させてバランスのとれた運転を行うことができる。
【0030】
一方、システムの発泡成形機を増設する場合には、増設する発泡成形機に小型の真空ポンプを併せて設けることにより、全体としての真空ポンプの能力が不足することはない。
【0031】
したがって、従来の図4に示した集中システムに比べて、発泡成形機の運転状況や増設によらず、真空ポンプの容量と発泡成形機の台数のバランスがとりやすい。
【0032】
[実施例2]
図2は本実施例を備えた発泡成形機のシステムを示した図である。基本的な構成は実施例1と同様であるが、各発泡成形機に真空タンク(4)とコンデンサ(5)を備えていることが異なる。これにより、吸引初期の急激な減圧を図ることが容易となる。
【0033】
(12)は真空タンク(4)と共通真空ライン(3)との間の弁であり、真空タンク(4)の減圧状態を維持しやすいようにしている。この弁は、通常の開閉弁としても良いし、流量制御弁と逆止弁を組み合わせたようなものでも良い。
【0034】
尚、本実施例では真空タンク(4)とコンデンサ(5)を両方備えた例を示したが、いずれか一方のみを備えたものとしても良い。
【0035】
【発明の効果】
以上述べたように本発明により、複数台の発泡成形機の減圧を行う減圧機構において吸引開始時直後から強力な吸引力を発揮でき、設備としての真空ポンプを効率よく使用でき、しかも真空ポンプの容量と発泡成形機の台数のバランスがとり易い発泡成形機の減圧機構を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1を備えた発泡成形機のシステムを示した図。
【図2】実施例2を備えた発泡成形機のシステムを示した図。
【図3】従来の発泡成形機(独立型)の構成の概要を示した図。
【図4】従来の発泡成形機(集中型)の構成の概要を示した図。
【符号の説明】
(1) 金型
(2) 真空ポンプ
(3) 共用真空ライン
(4) 真空タンク
(5) コンデンサ
(9) 真空弁
Claims (2)
- 複数の発泡成形機に接続される減圧機構であって、各発泡成形機には独立した真空ポンプを有しており、各真空ポンプは各発泡成形機の金型と接続されると共に、分岐して共用真空ラインにも接続されていることを特徴とする発泡成形機の減圧機構。
- 各発泡成形機は独立したコンデンサ又は独立した真空タンクの少なくともいずれかを備えていることを特徴とする請求項1記載の発泡成形機の減圧機構。
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JP33605898A JP3701484B2 (ja) | 1998-11-26 | 1998-11-26 | 発泡成形機の減圧機構 |
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1998
- 1998-11-26 JP JP33605898A patent/JP3701484B2/ja not_active Expired - Fee Related
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