JP3697104B2 - 液晶装置及びこれを備えた投射型表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電気光学装置及びこれを備えた投射型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液晶プロジェクタ等の投射型表示装置に用いられる液晶パネルは、合成樹脂などで構成されるケース体に収容された状態で投射型表示装置の箱体内部に取り付けられる。液晶パネルには通常フレキシブル配線基板が接続されており、このフレキシブル配線基板が接続された状態でケース体に組み込まれて位置決めされ、接着剤や保持金具などによって固定された後、ケース体の取付孔などを投射型表示装置の内部に構成された取付部にネジ止めなどの方法によって位置決め固定される。
【0003】
上記の液晶パネルとケース体よりなる電気光学装置としての液晶パネルモジュールは、投射型表示装置において光源からの光を受けて所定の画像を形成するためのライトバルブとして用いられる。液晶パネルモジュールによって形成された画像は投射型表示装置の投射光学系によって拡大されてスクリーンなどに投影される。
【0004】
図7には従来の液晶パネルモジュールの分解斜視図を、図8には、従来の液晶パネルモジュールの概略の断面構造を模式的に示す。この液晶パネルモジュールは、ガラスなどからなる素子基板11と対向基板12とがシール材14を介して所定間隔を空けて貼り合わせられ、両基板間に液晶10aを注入した液晶パネル10と、液晶パネル10を収容する黒色などの遮光性を有する合成樹脂などからなるケース体20とを有する。
【0005】
液晶パネル10においては、素子基板11の内面上に公知のTFT(薄膜トランジスタ)素子などのアクティブ素子、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電体からなる画素電極、配線、配向膜などが形成され、また、対向基板12の内面上には公知の対向電極、配向膜などが形成され、これらによってアクティブマトリクス型の液晶パネル構造が構成されている。また、対向基板12の内面上においては、対向基板12の外周部に液晶パネル10の光透過領域(有効表示領域)を規定する額縁としての遮光層12aが形成されている。
【0006】
投射型表示装置内において液晶パネルモジュールには光が照射され、この光を液晶パネルの有効表示領域内に構成された多数の画素のそれぞれにおいて透過又は遮断することによって所定の画像が形成される。各画素は画素電極と対向電極の電位差によって印加される電界により制御される。このとき、液晶パネル10の素子基板11又は対向基板12の外面上に傷が存在したり、塵埃が付着していたりすると、傷や塵埃によって画像が乱され、投射画像の画質が悪化するという問題点がある。特に液晶パネル10によって形成される画像は拡大投影されるため、上記の傷や塵埃の影響はきわめて大きい。
【0007】
上記問題点を解消するために、従来、液晶パネル10の素子基板11、対向基板12の外面上に透明基板1、2を接着する方法が開発されている。これらの透明基板1、2は図示しない透明接着剤によって素子基板11及び対向基板12に接着される。透明接着剤は、素子基板11及び対向基板12と、透明基板1、2との双方に対してほぼ屈折率が略等しい材料、例えば、硬化後において透明なシリコン系接着剤やアクリル系接着剤を用いることが望ましい。このように素子基板11、対向基板12の外面上に透明接着剤を介して透明基板1、2を接着することによって、素子基板11や対向基板12の外面上に傷が存在しても画質に影響せず、また、素子基板11や対向基板12の外面上に塵埃が付着することを防止できる。透明基板1、2の外面上に傷が形成されたり、塵埃が付着したりする可能性はあるが、通常、光源から照射される光の焦点は液晶パネル10内に位置するように設定されているので、デフォーカス効果によって画質には影響しにくい。
【0008】
ケース体20は表裏を貫通し、液晶パネル10を収容するように形成された孔部20aを備え、この孔部20aは、収容された液晶パネル10の表裏両側に開口部20b,20cを備えている。開口部20cの開口縁には内側に張り出した張出縁部21が形成され、孔部20a内に収容された透明基板2の外面に係合するように構成されている。また、開口部20bには、ケース体20の外面部に形成された係合突起23に係止された保持枠24が取り付けられ、孔部20a内に収容された透明基板1の外面を保持するようになっている。孔部20aの中程には、素子基板11の外形が対向基板12の外形よりも外側に張り出している液晶パネル10の形状に対応して、段差部22が形成されている。
【0009】
液晶パネルモジュールを組み立てる際には、液晶パネル10に対して表裏に透明基板1、2を接着してパネル組立体を構成した後、素子基板11の張出部分やケース体20の内部などにシリコンゴムなどを主成分とする接着剤を塗布し、ケース体20の開口部20bから液晶パネル10及び透明基板1、2からなるパネル組立体をケース体20内に導入する。このとき、パネル組立体は、パネル組立体がケース体に導入される方向(この例では液晶パネルの厚み方向に相当する。)に対しては透明基板2の外面と張出縁部21との当接によって位置決めされ、液晶パネル10のパネル面方向には対向基板12の端部と孔部20aの内面との当接によって位置決めされる。最後に、保持枠24を係合突起23にはめ込むことによって開口部20bからパネル組立体が脱出しないように保持し、上記接着剤を硬化させて一体化させる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の液晶パネルモジュールを備えた投射型表示装置において装置を小型化するために、液晶パネルモジュールの小型化を図る必要がある。しかし、上記のように、防塵対策或いは画質向上のために液晶パネル10のパネル面に透明基板1、2を面接着すると液晶パネルモジュールが厚くなり、上記の小型化に反する結果となる。したがって、表示装置の画質向上と液晶パネルモジュールの小型化、特にその薄型化とを両立させることが困難であるという問題点がある。
【0011】
また、投射型表示装置において、液晶パネルモジュールには光源から強い光が照射されるために過熱しやすく、液晶の温度上昇による動作不良を防止するためには液晶パネルモジュールを効率的に冷却する必要がある。しかし、上記のように透明基板1、2を接着すると液晶パネル10の放熱性が悪化するため、強制冷却のための冷却ファンの送風量を大きくする必要があり、消費電力を低減し、稼働時の騒音を低減することが難しいという問題点もあった。
【0012】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、電気光学パネルを有する電気光学装置において、各部の素材や形状を変更することによって装置の小型化、特に薄型化が可能な構造を実現し、また、装置の放熱性を向上させることにより液晶パネルの過熱を回避することのできる電気光学装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、投射型表示装置用液晶パネルと、該液晶パネルを収容する収容部と前記収容部に収容された前記液晶パネルの少なくとも表示部に対応する開口部を備えたケース体とを有する液晶装置において、前記液晶パネルの表裏少なくともいずれか一方のパネル面上に少なくとも外面が単結晶サファイアでなる透明基板が面接着されてなり、前記透明基板の外面の大きさは面接着されるパネルより大きく、前記透明基板は前記ケース体の開口部より外側に突出しており、前記ケース体の内面と、前記液晶パネルと前記透明基板の接合面の周縁部との間に空間が設けられていることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、透明基板を電気光学パネルのパネル面上に面接着し、この透明基板の少なくとも一部を熱伝導率が各種ガラスなどの20〜30倍以上ときわめて高い単結晶サファイアで構成することにより、透明基板の熱伝導率の向上によって電気光学パネルの放熱性が向上するとともに電気光学パネルのパネル面内の温度分布が緩和されるので、過熱や温度分布による画質の劣化を低減することができ、また、冷却手段の増強によるエネルギー消費や騒音などの増大を抑制することができる。また、単結晶サファイアの硬度は各種ガラスなどと比較するとビッカース硬度で2〜4倍と高いので、透明基板の外面側部分の硬度を高めることができる。従って、透明基板の表面に傷が形成されたり、透明基板に欠けや割れが発生したりすることを防止できる。さらに、単結晶サファイアはガラスなどに較べて屈折率が高いため、透明基板を薄く形成してもそのデフォーカス効果を得ることができる。なお、この発明においては、透明基板を硬化後に透明な接着剤によって面接着することが好ましい。
【0015】
また、この発明によれば、ケース体の厚さを液晶パネルと透明基板とからなるパネル組立体の厚さ以下に薄く形成することができるので、液晶装置全体を薄型化することができる。また、ケース体の内面と接合面の周縁部との間に空間が設けられていることにより、液晶パネルと透明基板とが接着剤により面接着される場合、接合面から接着剤があふれ出しても空間内に収容することができるので、ケース体の外部に接着剤が漏れ出さないように構成できる。
【0016】
また、透明基板の外面がケース体の外面よりも外側へ突出している場合でも、単結晶サファイアで構成されているので、従来のガラス基板のような欠けや割れが発生しにくい。
【0017】
また、前記透明基板は単結晶サファイアからなる層と単結晶サファイアとは異なる層との積層構造を有することが好ましい。
【0018】
この発明によれば、透明基板として、高価且つ製造困難な単結晶サファイアを透明層によって支持した積層構造を用いることによって、単結晶サファイアをさらに薄く形成することができるから、製造コストをさらに低減することができる。なお、この発明においては、単結晶サファイアと透明層とを硬化後に透明な接着剤によって貼り合わせることが望ましい。
【0023】
また、前記ケース体の側面よりも前記透明基板が突出することにより形成される段差部を遮光性物質により覆うことが好ましい。
【0024】
この発明によれば、遮光性物質が透明基板の角部を保護するとともに、段差部から電気光学パネル内への光の侵入を防ぐことが可能となる。
【0025】
また、前記液晶パネルと前記透明基板とが対向する面の一方側の外周に遮光膜が配置されてなり、前記遮光膜は、前記遮光性物質と重なるように配置されてなることが好ましい。
【0026】
この構成によれば、遮光膜と遮光性物質が重なるように配置されていれば、液晶パネルへの光の侵入をさらに防ぐことができ、光漏れによる液晶パネルのコントラストの低下、誤動作を防ぐことができる。
【0027】
上記各発明において、前記収容部には、前記液晶パネルを厚み方向に位置決めするための位置決め部が設けられていることが好ましい。
【0028】
この発明によれば、ケース体の収容部内に前記液晶パネルを厚み方向に位置決めするための位置決め部が設けられているため、従来のように透明基板を厚み方向に位置決めするための上記張出縁部21を設ける必要がなくなり、ケース体の端部を上述のように液晶パネル側に形成しても、液晶パネルを確実に位置決めすることができる。
【0031】
ここで、前記液晶パネルの周縁部と前記透明基板の周縁部との間に段差が形成されていることが望ましい。
【0032】
この発明によれば、液晶パネルの周縁部と透明基板の周縁部との間に段差が形成されていることにより、接合面からあふれ出した接着剤を接着剤の表面張力や濡れ性度合などによって当該段差の部分に保持することができるので、ケース内においても接着剤の広がりを低減することができる。
【0033】
さらに別の発明に係る液晶装置としては、液晶パネルと、該液晶パネルの表裏いずれか一方のパネル面上に透明基板が面接着されてなり、該透明基板に装置設置用の取付固定構造が形成されていることを特徴とする。
【0034】
この発明によれば、透明基板自体に取付固定構造が形成されているため、ケース体を別途設ける必要がなくなり、液晶パネルと透明基板とからなるパネル組立体自体の厚さを電気光学装置の厚さとすることもできるので、液晶装置の薄型化を図ることができる。
【0035】
この発明において、前記透明基板の少なくとも外面側が単結晶サファイアで構成されていることが好ましい。
【0036】
この発明によれば、透明基板の少なくとも外面側が単結晶サファイアで構成されていることにより、透明基板の外面の硬度を向上させることができ。従って、透明基板の外面に傷が付きにくくなり、また、透明基板自体の機械的強度も向上できるので、割れや欠けを防止することができる。さらに、透明基板の強度向上によって透明基板を薄型化することができるので、液晶装置をさらに薄く形成することも可能になる。その上、単結晶サファイアはガラスなどに較べて屈折率が高いため、透明基板を薄く形成してもそのデフォーカス効果を得ることができる。
【0037】
上記発明において、前記取付固定構造は貫通孔であることが好ましい。
【0038】
取付固定構造を貫通孔とすることによって加工が容易になるとともに、液晶装置の装置設置時に確実に取付固定することができる。
【0039】
また上記発明において、前記液晶パネルは、一対の基板間に液晶が挟持されてなり、前記一対の基板の少なくとも一方の基板は単結晶サファイアからなると良い。
【0040】
このような構成によれば、透明基板に加えて、液晶パネルを構成する一対の基板の少なくとも一方の基板は単結晶サファイアからなるため、透明基板と一対のパネルの少なくとも一方の基板の熱伝導率の向上によって、液晶装置の放熱性が向上するとともに、電気光学装置のパネル面内の温度分布が緩和されるので、過熱や温度分布による画質の劣化を低減することができる。
【0041】
また、上記各発明の液晶装置を画像形成手段として投射型表示装置に用いることが可能である。上記の液晶装置を投射型表示装置の画質形成手段として用いることにより、投影画像の画質向上、装置の小型化、及び、強制冷却手段の容量を低減することによる消費電力や騒音の低減などを図ることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る電気光学装置及びこれを備えた投射型表示装置の実施形態について詳細に説明する。以下に示す各実施形態は電気光学パネルとして図8に示す従来構造と同様の液晶パネル10を有し、その構造は基本的に従来構造と同一である。
【0043】
[第1実施形態]
図1は本発明に係る電気光学装置の第1実施形態である液晶パネルモジュールの概略構造を示す概略断面図である。この実施形態においては、上記従来と同構造の液晶パネル10と、上記従来とほぼ同構造のケース体20とを備えているので、同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0044】
この実施形態では、従来のガラス製の透明基板1、2の代わりに、単結晶サファイアからなる透明基板3、4を用いている。単結晶サファイアはガラス、特に強度の高い石英ガラス(ビッカース硬度900)に較べてもきわめて硬度が高い(ビッカース硬度2300)。このため、透明基板3、4を従来よりも薄く形成しても製造工程中に流動させることが可能であり、破損の危険性も低減できる。例えば、縦200mm、横300mm程度の板状体の場合、0.2mm程度の板厚に形成することができ、これを製造工程中に取り扱うことも容易である。硬度が高いことによって製造工程中や製造後において透明基板3、4に欠けや割れが発生しにくいため、取り扱い性も良好で、耐衝撃性も向上する。さらに、硬度が高いことによって、透明基板3、4を薄く形成することによりケース体20自体も薄く形成でき、液晶パネルモジュール全体を薄く構成することが可能になる。ここで、透明基板3、4を従来より薄くすることによって単結晶サファイアの使用量も低減できるので、製造コストの増大を抑制することができる。
【0045】
また、上述のように透明基板3、4の硬度が高いことにより、透明基板3、4の外面上に傷が付きにくいため、この傷による画質の悪化を回避できる。透明基板3、4の外面上の傷は本来上記のデフォーカス効果によって画質には影響しにくいが、それでも傷がない方が画質向上のためには有利である。さらにその上、単結晶サファイアは、各種ガラス(屈折率は1.4〜1.5程度)に較べて高い屈折率(no=1.768、ne=1.760)を有するため、透明基板3、4が薄くても上述のデフォーカス効果を充分に発揮することができる。すなわち、透明基板が従来と同じ厚さであればデフォーカス効果を高めることができ、また、従来と同様のデフォーカス効果を得ることができればよいのであれば、従来よりも透明基板の厚さを薄くすることができる。
【0046】
さらに、単結晶サファイアは熱伝導率も石英ガラス(1.2W/m・K)に較べて著しく高い(42.0W/m・K)。このため、ケース体20の開口部20b、20cに対応した透明基板3、4に単結晶サファイアを用いることによって、液晶パネル10の放熱性が向上し、液晶パネル10の過熱を防止することができる。したがって、後述する投射型表示装置の液晶パネルモジュールにより構成された液晶ライトバルブを強制冷却するための冷却ファンの送風量を低減することができ、騒音や電力消費量の低減を図ることができる。さらに、放熱性の向上により液晶パネル10のパネル内の面内の温度分布を低減することができるので、この点からも画質の向上を図ることができる。
【0047】
本実施形態による液晶パネルモジュールを後述する図6に示す投射型表示装置にライトバルブとして設置し、実際に動作させたところ、温度上昇率を従来に較べて10〜15%低減することができた。また、パネル面内の温度分布は従来の1/4〜1/5に低減することができた。
【0048】
本実施形態では、透明基板3、4の全てを単結晶サファイアにより構成しているが、例えば通常の各種ガラスの表面上に単結晶サファイアの薄板を貼り合わせて用いることも可能である。この場合、単結晶サファイアは透明基板3、4の外面側に配置することが放熱効果や破損防止の観点から好ましい。このようにすると単結晶サファイアの使用量をさらに低減できるので、製造コストの低減に効果がある。
【0049】
透明基板3、4はベルヌーイ法やEFG法(Edge−defined Film−fed Growth Method)その他の引き上げ法などによって形成された単結晶サファイアを必要形状に切断、切削した後に研磨加工を行うことによって形成される。透明基板3、4の板面は機械化学研磨(ポリッシング)によって鏡面状態に加工される。厚さは機械的強度と素材コストを勘案して決定され、50〜1000μmの範囲内であることが好ましい。また、透明基板3、4としては、単結晶サファイアのR面を板面とするように加工されたものであることが、製造加工が容易になり、且つ充分な硬度と接合特性を有する点で望ましい。さらに、本実施形態では、対向基板12と対向する透明基板4の一方の面の外周に遮光膜4aを設けてもよい。そして、遮光膜4aと対向基板12の液晶層側に設けた遮光層12aを平面的にみて重ねるように配置すれば、周辺から液晶層への光漏れを防ぐことができる。
【0050】
[第2実施形態]
図2は本発明に係る電気光学装置の第2実施形態である液晶パネルモジュールの概略構造を示す模式的な概略断面図である。本実施形態は、第1実施形態と同様な構成を有し、共通する部分についてはその説明を省略する。本実施形態では、遮光性を有する黒色の合成樹脂を素材として一体成型されたケース体30は平面矩形の枠状に形成されている。ケース体30において表裏を貫通するように形成された平面矩形状の孔部30aは、素子基板11及び対向基板12を貼り合わせて形成された液晶パネル10を孔部30aの厚さ方向のほぼ中央位置に収容し、素子基板11側の開口部30bと、対向基板12側の開口部30cとを備えている。
【0051】
本実施形態において、以下の説明の都合上、孔部30aによって構成される仮想的な空間部分であって、孔部30aの電気光学パネルの厚み方向のほぼ中央の部分を収容部30Aとし、収容部30Aに隣接し開口部30b側に設けられた側面部分を外側収容部30Bとし、収容部30Aに隣接し開口部30c側に設けられた側面部分を外側収容部30Cとする。
【0052】
ケース体30の収容部30Aには液晶パネル10が収容され、その対向基板12の端面部に収容部30A内に設けられた内面部31が当接し、液晶パネル10をパネル面方向(パネル面と平行な方向)に位置決めしている。また、収容部30Aには上記内面部31に隣接し、パネル面方向に平行に形成された段差面32が設けられている。この段差面32は素子基板11が対向基板12よりも外側に張り出した部分である張出部11aの内面に当接し、液晶パネル10を厚み方向に位置決めしている。
【0053】
なお、張出部11aの内面上に配線や端子などが形成されている場合には、それらを硬質の保護膜(オーバーコート膜など)で被覆し、この保護膜に段差面32が当接するように構成してもよい。また、張出部11a上に集積回路などの電子部品が実装されたCOG構造を備えている場合、段差面32は電子部品を回避するように構成されていること、例えば液晶パネル10の4つの角部のうち3つ以上の角部においてのみ当接するように部分的に段差面32が形成されていることが望ましい。
【0054】
収容部30Aの開口部30b側に形成された外側収容部30Bには、上記段差面32と対向する段差面33が形成され、この段差面33のさらに外側(開口部30b)側に、電気光学パネルの厚み方向に平行で平坦な内面部35が形成されている。また、この内面部35の外端が上記開口部30bの開口縁部となっている。すなわち、開口部30bの開口形状がほぼ維持された状態でケース体30の内側に突出した突出部35が形成される。
【0055】
相互に対向する段差面32と段差面33の間隔は素子基板11の厚さよりもやや大きく形成されているため、段差面33の形成位置は素子基板11と透明基板1の接合部よりもやや開口部30b側にずれている。
【0056】
また、収容部30Aの開口部30c側に形成された外側収容部30Cには、上記段差面32に対して内面部31を挟んで背反する段差面34が形成され、この段差面34のさらに外側(開口部30c側)に、電気光学パネルの厚み方向に平行で平坦な内面部36が形成されている。また、この内面部36の外端が開口部30cの開口縁部となっている。すなわち、開口部30cの開口形状がほぼ維持された状態でケース体30の内部に引き込まれるように内面部36が形成される。
【0057】
ここで、ケース体30の電気液晶パネルの厚み方向の端部、すなわち、本実施形態においては透明基板1の外面は、ケース体の30の開口部30bの開口縁部よりも突出するように配置されている。同様に、もう一方の厚み方向の端部、すなわち、本実施形態においては透明基板2の外面は、ケース体30の開口部30cの開口縁部よりも突出するように配置されている。このため、ケース体30の厚さは従来のものよりも薄く形成することができ、液晶パネルモジュール全体の厚さはケース体30によって決定されるのではなく、液晶パネル10と透明基板1、2からなるパネル組立体の厚さによって決定される。
【0058】
ケース体30において、相互に背反姿勢となる段差面32と段差面34の間隔は、対向基板12の厚さとパネルギャップ(素子基板11と対向基板12との間隔)の和よりもやや小さく形成されているため、段差面34の形成位置は対向基板12と透明基板2の接合部よりもやや開口部30b側にずれている。
【0059】
このように、段差面33及び段差面34は、それぞれ素子基板11と透明基板1の接合部及び対向基板12と透明基板2の接合部よりもずれているため、素子基板11と透明基板1の接合面の周縁部とケース体30の間及び対向基板12と透明基板2の接合面の周縁部とケース体30の間に隙間(空間)が形成される。これらの隙間は、素子基板11と透明基板1、及び、対向基板12と透明基板2を透明接着剤によって接着したとき、外側にあふれ出た透明接着剤を収容する空間となるため、透明接着剤がケース体30の外側へあふれ出ることを防止したり、或いは、ケース体30の外側への透明接着剤のあふれ量を低減したりすることができる。
【0060】
また、収容部30Aと外側収容部30Bとの間にはそれぞれ段差面33,34が形成されているため、素子基板11の端部と透明基板1の端部とがパネル面方向にずれ、また、対向基板12の端部と透明基板2の端部とがパネル面方向にずれるように構成することが可能になる。このため、素子基板11の端部と透明基板1の端部との間、若しくは、対向基板12の端部と透明基板2の端部との間に段差が形成されることとなり、この段差によって、素子基板11と透明基板1の接合部若しくは対向基板12と透明基板2の接合部から透明接着剤があふれ出てきても、あふれ量が少なければ、基板材質との間の透明接着剤の濡れ性や表面張力により、あふれ出た透明接着剤は当該段差に溜まり、ケース体の内側に接触することもなくなるから、ケース体から外部へと透明接着剤が漏れ出ることを防止できる。もちろん、透明接着剤のあふれ量が多ければ上記段差にとどまることはできない。しかし、この場合でも、ケース体の段差部33,34によってパネル組立体とケース体内面との間に間隙が形成されているので、この間隙によって透明接着剤をケース体の外部へと漏れ出ないように構成できる。
【0061】
また、このケース体30においては、透明基板1,2をそれぞれ開口部30b,30cから外側収容部30B,30C内に導入可能に構成されている。具体的には、開口部30b,30cの内側には液晶パネルの厚み方向に平行に平坦な内面部35,36が形成されているから、開口部30b,30cから導入可能な形状及び大きさの透明基板1,2であれば、そのまま液晶パネル10に接着することができる。このとき、上述のように、透明基板1、2の外面はケース体30の液晶パネルの側面よりも突出するように構成されているので、透明基板1、2を容易に取り扱うことができる。
【0062】
なお、本実施形態において、透明基板1、2の少なくとも一方が液晶パネル10に面接着されていればよく、透明基板1、2のうちの一方のみが面接着されている場合にはケース体30をさらに薄型化することができる。
【0063】
この実施形態においては、図示のように開口部30bと開口部30cとを同じ形状及び大きさに形成し、透明基板1と2を同じ形状及び大きさのガラス板などによって構成できるようになっている。したがって、透明基板を取り扱う工程管理が容易になり、コストも低減できる。
【0064】
ケース体30に対して液晶パネル10は内面部31及び段差面32によってパネル面方向及び厚さ方向に位置決めされるので、さらに液晶パネル10とケース体30とを例えば段差面32と33の間の溝部に配置した接着剤などによって固定すれば、ケース体30に対して液晶パネル10は位置決めされた状態で固定される。ただし、上記接着剤として、例えばシリコンRTVなどのゴム系接着剤などの硬化後も弾性を有する接着剤を用いてもよく、この場合には、ある程度柔軟にケース体30に付着された固定状態となる。
【0065】
上記のように液晶パネル10をケース体30に固定し、透明基板1、2を開口部30b、30cから導入して液晶パネル10に接着することによって、液晶パネル10と透明基板1、2とからなるパネル組立体も全体としてケース体30に固定された状態となる。図8に示す従来の支持体20では、液晶パネル10を含むパネル組立体の厚さ方向の位置決めを開口部20cの開口縁部に形成された張出縁部21によって行っていたため、ケース体20はパネル組立体の厚さよりも必然的に厚くなってしまっていたが、本実施形態では、位置決めを収容部30Aの内部に形成された段差面32によって行っているため、従来のように透明基板の外面を係止する張出縁部21を形成する必要がなく、その結果、上述のようにケース体30を薄く形成することができる。また、同様の理由によって、透明基板2の外側に形成される張出縁部21を含む部分を形成する必要がなくなり、しかも、開口部30cの開口面積を増大させることができるため、放熱性を向上させることができる。
【0066】
透明基板1、2には、その外周部に遮光膜1a、4aを形成することが好ましい。この遮光膜1a、4aは素子基板10と対向基板10の外面に形成してもよい。遮光膜1a、4aは透明基板1、2にアルミニウムなどを蒸着したり、黒色などの着色層を印刷したりすることにより形成できる。遮光膜1a、4aは透明基板1、2のそれぞれの内面(液晶パネル10に対向する側の表面)上に形成することが迷光を遮断することができる点でより好ましい。これらの遮光膜1a、4aは通常、液晶パネル10の内部に形成された遮光層12aと平面的に重なる位置に内縁部が来るように構成されば、液晶パネルへの光漏れを抑えることができる。
【0067】
透明基板1、2が貼り合わされた液晶パネル10とケース体30との間の遮光をより完全に行うには、図示のように透明基板1、2の周縁部とケース体30における開口部30b,30cの開口縁部との間に黒色樹脂などの遮光物質5を塗布し、硬化させることがより好ましい。この場合、遮光物質5はケース体30の開口部30b、30cより外側に突出した透明基板1、2の角部を保護する保護物質としても機能する。パネル組立体とケース体30との間の遮光が不要である場合には、上記遮光物質5の代わりに保護機能のみを有する保護物質を塗布し、硬化させてもよい。
【0068】
(投射型表示装置の構造)
本実施形態の液晶パネルモジュールは、図6に示す投射型表示装置の内部に設置されるためのものとして設計されている。図6を参照して、上記の液晶パネルモジュールを用いた投写型表示装置である液晶プロジェクタ120の構造について説明する。液晶プロジェクタ120のハウジング内には、光源ランプ121と、2枚のダイクロイックミラー122,123と、3枚の反射ミラー124,125,126とが設置されている。光源ランプとしてはハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどを用いることができる。光源から放出された光はダイクロイックミラー122,123によってR(赤)、G(緑)、B(青)の光束に分離される。装置内には3個の液晶ライトバルブ133,134,135がキュービック状のダイクロイックプリズム136を三方から取り囲むように設置されている。上記の反射ミラー124,125,126はR、G、Bの光を上記液晶ライトバルブ133,134,135に導くようになっている。なお、B(青)の光は長い光路による光損失を防ぐために入射レンズ127、リレーレンズ128及び出射レンズ129を介して導かれる。
【0069】
上記の液晶ライトバルブ133,134,135は上記の液晶パネルモジュールによって構成され、そのケース体30を光学ユニット内の図示しない取付部に対して挿入固定することによって設置される。これらの液晶ライトバルブは、図示しない制御駆動手段によって所望の画像情報に応じて制御され、各光束R,G,Bに対する変調を行う。
【0070】
上記液晶ライトバルブ133,134,135によってそれぞれに変調され、所定の画像成分を構成するようにされた各光束R,G,Bはキュービック状のダイクロイックプリズム136にて合成され、投射レンズユニット137により所定位置にあるスクリーン138上に拡大投影される。
【0071】
上記の液晶プロジェクタ120においては、本実施形態を薄型化すると、上記の液晶ライトバルブも薄く形成することができるので、装置全体を小型化することが可能になる。また、上述のように液晶パネルモジュールの放熱性が向上していることにより、液晶パネルモジュールを装着した投写型表示装置において強制冷却のための冷却ファンの送風量を削減することが可能になり、騒音の低減を図ることができる。
【0072】
なお、本実施形態は透明基板として上述の単結晶サファイアを用いると良い。この場合には、単結晶サファイアにより形成された透明基板がケース体30の開口部30b、30cから少なくとも部分的に突出することになるが、透明基板の硬度は上述のように各種ガラスに較べてきわめて高いため、ケース体から突出することによる欠けや割れの発生を防止することができる。
【0073】
[第3実施形態]
次に、図3を参照して本発明に係る電気光学装置の第3実施形態について説明する。図3は、第3実施形態の液晶パネルモジュールの概略構造を示す概略断面図である。この実施形態では、上記各実施形態と同様の液晶パネル10を上記第2実施形態とほぼ同様のケース体40によって収容している。本実施形態では、液晶パネル10のパネル面に合わせガラス構造の透明基板6、7を面接着している。ケース体40の開口部40b、40cの開口縁部が透明基板6,7の外面よりも液晶パネル10側に配置されている点は上記各実施形態と同様である。この実施形態において用いられる透明基板6、7は、いずれもガラス層6b、7bに単結晶サファイアからなるサファイア層6c、7cを貼り付けした積層構造を備えている。ガラス層6b、7bとしては、例えば厚さ0.7mmなどの適宜の厚さを有する無機ガラスにイオン交換法による化学強化処理を施したものが用いられる。また、サファイア層6c、7cとしては、例えば研磨加工により最終的に300μm程度の厚さになるように形成したものが用いられる。サファイア層の厚さは上記値に限定されることなく任意であるが、実際には50〜1000μmの範囲内であることが、機械的強度と、素材コストとを両立させることができる点で好ましい。ガラス層6b、7bとサファイア層6c、7cの接着は液状或いはシート状のエポシキ系の接着剤などを用いることができる。接着剤としては、充分な接着強度が得られると同時に、透明基板6、7としての光透過率を低減させないもの(硬化後に透明性を有するもの)が好ましい。ここで、ガラス層とサファイア層とを接着した後にいずれか一方の層を研磨して薄肉化してもよく、或いは、両者を接着した後に端部などの加工を行ってもよい。
【0074】
この実施形態では、透明基板6、7のいずれもがサファイア層6c、7cの表面が外面となるようにして液晶パネル10に面接着されている。サファイア層は上述の如く高い硬度を有するために表面に傷が付きにくく、防塵用基板としては優れた性能を有している。また、熱伝導率が高いため、液晶パネル10の放熱性を向上させることができる。さらに、単結晶サファイアは、各種ガラス(屈折率は1.4〜1.5程度)に較べて高い屈折率(no=1.768、ne=1.760)を有するため、透明基板6、7が薄くても上述のデフォーカス効果を充分に発揮することができる。
【0075】
この実施形態では透明基板6、7を単結晶サファイアと他の透明部材とを貼り合わせた構造としていることにより、高価な単結晶サファイアを大量に使用しなくても傷や破損の防止効果、充分なデフォーカス効果、放熱性の向上効果などを得ることができる。
【0076】
なお、本実施形態のようにサファイア層と他の透明部材とを積層させた透明基板6、7を用いる場合には、ケース体40の開口部40b、40cからサファイア層の厚さ部分のみがケース外に突出するように構成することが、他の透明素材(ガラスなど)の損傷を防止する上で好ましい。尚、本実施形態においても、遮光膜4aと対向基板12の液晶層側に設けた遮光層12aを平面的にみて重ねるように配置すれば、周辺から液晶層への光漏れを防ぐことができる。
【0077】
[第4実施形態]
次に、図4を参照して本発明に係る第4実施形態について説明する。図4(a)は第4実施形態の液晶パネルモジュールの概略構造を示す模式的な概略断面図であり、(b)は概略平面図である。本実施形態は、実施形態2と同様な構成を有し、共通する構成については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる点のみ説明する。この実施形態では、液晶パネル10に面接着される透明基板3、4を液晶パネル10の対向基板12よりもさらに小さく形成し、単結晶サファイアの使用量をさらに低減することによって製造コストを削減した構造を示すものである。この実施形態においても、上記第3実施形態のように単結晶サファイアからなるサファイア層を他の透明素材と組み合わせた透明基板6、7を用いてもよい。この場合にはさらに単結晶サファイアの使用量を低減することができる。
【0078】
本実施形態のもう一つの特徴点は、ケース体50の対向基板12と透明基板4との境界部分において段差面52を設け、対向基板12の外面に段差面52を当接することによって液晶パネル10の厚さ方向の位置決めを行っている点にある。なお、液晶パネル10の平面方向の位置決めは上記と同様に内面部51によって行われている。
【0079】
このように段差面52によって液晶パネルの厚さ方向の位置決めを行うことによって、上記各実施形態のように素子基板11の張出部11aの内面上にケース体50との当接部を設定する必要がなくなるので、張出部11aの内面上に形成された配線や接続端子、或いは実装された集積回路チップなどを回避する必要がなくなり、ケース体50に複雑な構造を形成する必要がなくなる。なお、同様の効果を奏するようにするために、素子基板11の外面がケース体50に形成された段差面に当接するように構成してもよい。尚、本実施形態では、ケース体50の孔部50aには図4(b)の下方に向けて開口する開口部50dが形成されており、この開口部50dから液晶パネル10をパネル面方向にスライドさせながら挿入することができるようになっている。液晶パネル10は図4(b)に示すフレキシブル配線基板16を接続した状態で開口部50dから導入され、後述する接着剤によってケース体50に固定される。
【0080】
[第5実施形態]
次に、図5を参照して本発明に係る第5実施形態について説明する。この実施形態においては、上記実施形態と同様な構成を有し、異なる点のみ説明する。本実施形態では、上記各実施形態に示すケース体を用いることなく、液晶パネル10に面接着された透明基板8、9自体に投射型表示装置の内部に設けられた取付部に対する取付固定構造を設けている。透明基板8、9は液晶パネル10よりも一回り大きな平面形状を備えており、液晶パネル10の周囲外側に張り出した部分に取付固定構造、すなわち、この実施形態では貫通した取付孔8b、9bが形成されている。図5に示される液晶パネルモジュールは上記取付孔8b、9bによってボルトなどを介して投射型表示装置の内部に固定される。
【0081】
この実施形態によれば、上記各実施形態のようなケース体を用いずに、透明基板8、9自体をケース体の代わりとして用いるので、パネル組立体の厚さそのものを液晶パネルモジュールの厚さとすることができ、従来よりも液晶パネルモジュールの薄型化を図ることができる。このとき、単結晶サファイアからなる透明基板8、9は充分な硬度を備えているため、表面の傷、欠けや割れを生じる可能性を低減できる。また、透明基板が電気光学パネルよりも一回り大きいので、たとえ接着剤が電気光学パネルと透明基板の間からはみ出したとしても、透明基板によりはみ出した接着剤はカバーされるため、パネルモジュールよりも外に流出するのを防ぐことができる。さらに、パネル断面方向が開口形状であるため、クーリング性能が向上する。
【0082】
なお、装置設置用の取付固定構造としては、上記のような貫通孔以外に、設置される取付部側の構造に対応させてU溝などのキー溝、スリット、段差などの種々の構造を形成することができる。また、透明基板8、9としては本実施形態のように全体が単結晶サファイアで形成されている場合に限らず、第3実施形態のようにサファイア層と他の透明素材とを組み合わせたものであってもよい。
【0083】
また、上述の実施形態では、素子基板11及び対向基板12は石英基板、ガラス基板等で形成することが可能であるが、いずれの実施形態においても素子基板11と対向基板12の少なくとも一方の基板を単結晶サファイアで構成することも可能である。このような構成によれば、透明基板に加えて素子基板11や対向基板12が単結晶サファイアで形成されるため、熱伝導率の向上によって電気光学パネルの放熱性を向上するともに電気光学パネルのパネル面内の温度分布が緩和されるので過熱や温度分布による画質の劣化をさらに低減するために有効である。
【0084】
尚、本発明の電気光学装置及びこれを用いた投射型表示装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0085】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、透明基板を液晶パネルのパネル面上に面接着し、この透明基板の少なくとも外面側部分を熱伝導率が各種ガラスなどの20〜30倍以上ときわめて高い単結晶サファイアで構成することにより、透明基板の熱伝導率の向上によって液晶パネルの放熱性が向上するとともに液晶パネルのパネル面内の温度分布が緩和されるので、過熱や温度分布による画質の劣化を低減することができ、また、冷却手段の増強によるエネルギー消費や騒音などの増大を抑制することができる。また、透明基板の外面側部分の硬度を高めることができるので、透明基板の表面に傷が形成されたり、透明基板に欠けや割れが発生したりすることを防止できる。さらに、単結晶サファイアはガラスなどに較べて屈折率が高いため、透明基板を薄く形成してもそのデフォーカス効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気光学装置の第1実施形態の構造を示す概略断面図である。
【図2】本発明に係る電気光学装置の第2実施形態の構造を示す概略断面図である。
【図3】本発明に係る電気光学装置の第3実施形態の構造を示す概略断面図である。
【図4】(a)は、本発明に係る電気光学装置の第4実施形態の構造を示す概略断面図であり、(b)は概略平面図である。
【図5】本発明に係る電気光学装置の第5実施形態の構造を示す概略断面図である。
【図6】本発明に係る電気光学装置を用いた投射型表示装置の概略構成を示す模式的な概略構成図である。
【図7】従来の液晶パネルモジュールの概略構造を示す分解斜視図である。
【図8】従来の液晶パネルモジュールの概略構造を模式的に示す概略断面図である。
【符号の説明】
1,2 透明基板
1a、4a 遮光層
3、4、6、7、8、9 透明基板(単結晶サファイア)
5 遮光物質
6b、7b ガラス層
6c、7c サファイア層
10 液晶パネル
11 素子基板
12 対向基板
12a 遮光層
20、30、40、50 ケース体
30A 収容部
30B,30C 外側収容部
30a 孔部
30b、30c 開口部
31、35、36 内面部
32、33、34 段差面
Claims (5)
- 投射型表示装置用液晶パネルと、該液晶パネルを収容する収容部と前記収容部に収容された前記液晶パネルの少なくとも表示部に対応する開口部を備えたケース体とを有する液晶装置において、
前記液晶パネルの表裏少なくともいずれか一方のパネル面上に少なくとも外面が単結晶サファイアでなる透明基板が面接着されてなり、前記透明基板の外面の大きさは面接着されるパネルより大きく、前記透明基板は前記ケース体の開口部より外側に突出しており、
前記ケース体の内面と、前記液晶パネルと前記透明基板の接合面の周縁部との間に空間が設けられている
ことを特徴とする液晶装置。 - 前記透明基板は単結晶サファイアからなる層と単結晶サファイアとは異なる層との積層構造を有することを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
- 前記透明基板が前記ケース体の外面よりも突出することにより形成される段差部が遮光性物質により覆われていることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶装置。
- 前記液晶パネルは、一対の基板間に液晶が挟持されてなり、前記一対の基板は単結晶サファイアからなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の液晶装置。
- 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された
液晶装置を画像形成手段として備えた投射型表示装置。
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