JP3696316B2 - 同期保護方法および同期保護回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はQPSK(Quadrature Phase Shift Keying )、多値QAM(Quadrature Amplitude Modulation )などを用いてディジタル伝送を行う際、受信システムにおいて必要とされる同期保護回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ディジタル信号処理による映像信号の帯域圧縮技術の進歩に伴い、QPSK、QAMなどを用いたディジタルデータの伝送が通信分野だけにとどまらず、放送分野にまで広く普及する可能性がますます高くなってきている。
ディジタル伝送を行う際、もっとも大切な要素の一つに「同期」がある。同期とは、「送受信間の時刻合わせ」ということができる。受信側で信号を復元するときの最初の手がかりが同期であり、同期の強さがシステムの強さを左右するといっても過言ではない。したがって、同期の保護は必須の技術である。
【0003】
さて、ディジタル伝送におけるフレーム同期信号の捕捉、保護に関しては、同期信号の検出、前方保護および後方保護からなる方法を用いることがある。以下図面を参照しながら、上記のような方法を実施した従来の同期保護回路の一例について説明する。
図11は従来の同期保護回路の構成を示すブロック図である。図11において、101はディジタルデータ入力端子、102は同期シンボル検出回路、901は保護回路、107は同期パルス出力端子である。
【0004】
以上のような同期保護回路において、ディジタルデータは、必要があれば並列データに変換された後、ディジタルデータ入力端子101より入力される。同期シンボル検出回路102は、入力されたディジタルデータ系列と予め決められているフレーム同期信号を表すディジタルデータ系列(以下、便宜的に「同期シンボル」呼ぶ)とを比較し、両者が一致したときに正極性の一致パルスを保護回路901に出力する。保護回路901では、検出したフレーム同期信号に対して前方保護、後方保護を行い、同期が捕捉された状態において同期パルス出力端子107にフレーム同期信号と同期した同期パルスを出力する。
【0005】
ここで、上記の各回路における動作および信号処理の様子を詳細に述べる。まず、例を用いて同期シンボル検出回路102の信号処理の様子を示す。いま、例として図12に示すフレーム構造を持ったデータ系列を伝送するものとする。すなわち、フレーム同期信号を表すシンボルをFSとし、情報を表すシンボルをD0,D1,D2,D3としたときに、1フレームの構造はフレーム同期信号を表す1個のシンボルFSと情報を表す4個のシンボルD0,D1,D2,D3の計5個のシンボルからなるものとする。ただし、情報を表すシンボルD0,D1,D2,D3の中には、フレーム同期信号を表すシンボルFSに偶然一致するもの(D0=FSまたはD1=FSまたはD2=FSまたはD3=FS)もある。
【0006】
このようなフレーム構造を持ったディジタルデータからなる図13(a)に示すような入力データが同期シンボル検出回路102に入力されたときに、同期シンボル検出回路102の正極性の出力である一致パルスは、図13(b)に示すようになる。ただし、図13(a)の入力データには、シンボルFSがフレーム同期信号に対応して周期的に現れるものと、情報シンボルとして偶発的に現れるものとがある。フレーム同期信号を表すものとして現れるシンボルFSを便宜的に「真の同期シンボル」、情報を表すシンボルD0,D1,D2またはD3として現れるシンボルFSを便宜的に「疑似同期シンボル」と呼ぶことにする。
【0007】
同期シンボル検出回路102は、図13(a)のような入力データが入力されたとき、シンボルFSを検出すると論理レベルH(以下、“H”と記す)となり、それ以外の時は論理レベルL(以下、“L”と記す)となる一致パルスを出力する。したがって、同期シンボル検出回路102は真の同期シンボルと疑似同期シンボルとを区別することなく、図13(b)に示すように一致パルスを出力することになる。なお、図13(a)において、斜線のない部分のシンボルFSは真の同期シンボルを示し、斜線のある部分のシンボルFSは疑似同期シンボルに対応するシンボルを示す。また、図13(b)において、斜線がない部分のパルスは真の同期シンボルを検出したことによる一致パルスを示し、斜線がある部分のパルスは疑似同期シンボルを検出したことによる一致パルスを示している。
【0008】
つぎに、保護回路901の構成および動作について、図14を参照しながら説明する。図14に競合カウンタを用いた保護回路901の構成例のブロック図を示す。図14において、401は一致パルス入力端子、402はNOT回路、403,404,1202はAND回路、405はOKカウンタ、406はNGカウンタ、407はRS−フリップフロップ、1201はフレームカウンタ制御回路、409はフレームカウンタ、107は同期パルス出力端子である。
【0009】
以上のような保護回路901において、一致パルス入力端子401から入力された一致パルスはAND回路403とNOT回路402とフレームカウンタ制御回路1201とに入力される。AND回路403は、一致パルスとフレームカウンタ409から出力されるフレームパルスとの論理積をとり、その論理演算結果であるOKパルスをNGカウンタ406のクリア入力端子およびOKカウンタ405のカウント入力端子へ供給する。
【0010】
NOT回路402は一致パルスの論理を反転してAND回路404に供給する。AND回路404は、NOT回路402の出力とフレームカウンタ409から出力されるフレームパルスとの論理積をとり、その論理演算結果であるNGパルスをOKカウンタ405のクリア入力端子およびNGカウンタ406のカウント入力端子に供給する。
【0011】
OKカウンタ405は、入力されるOKパルスの数を計数し、計数値が所定の値(例えば、2)に達すると、RS−フリップフロップ407のセット入力端子Sにセットパルスを供給する。このときの所定の値を後方保護段数と呼ぶ。また、OKカウンタ405は、NGパルスがクリア入力端子に入力されると、計数値が0にクリアされる。
【0012】
NGカウンタ406は、入力されるNGパルスの数を計数し、計数値が所定の値(例えば、2)に達すると、RS−フリップフロップ407のリセット入力端子Rにリセットパルスを供給する。このときの所定の値を前方保護段数と呼ぶ。また、NGカウンタ406は、OKパルスがクリア入力端子に入力されると、計数値が0にクリアされる。
【0013】
RS−フリップフロップ407は、セット入力端子Sにセットパルスが入力されると出力端子Qに“H”を出力し、リセット入力端子Rにリセットパルスが入力されると出力端子Qに“L”を出力する。
RS−フリップフロップ407の出力端子Qより出力される同期状態信号は、AND回路1202とフレームカウンタ制御回路1201とに入力される。同期状態信号は、同期捕捉状態では“H”となり、同期はずれ状態では“L”となる。
【0014】
フレームカウンタ制御回路1201は、一致パルスとフレームパルスと同期状態信号とを入力とし、フレームカウンタクリアパルスを出力とし、つぎの2つの動作を行う。
(1)同期捕捉および同期はずれのいずれの状態であっても、すなわち同期状態信号が“H”であっても“L”であっても、フレームパルスが入力された場合は同じタイミングでフレームカウンタクリアパルスを出力してフレームカウンタ409に供給する。
【0015】
(2)同期はずれ状態、すなわち同期状態信号が“L”の状態において、初めて一致パルスが入力された場合、または同期はずれ状態において一致パルスが入力されてから1フレーム周期以上経た後再び一致パルスが入力された場合に、入力された一致パルスと同じタイミングでフレームカウンタクリアパルスを出力してフレームカウンタ409に供給する。ただし、一致パルスが入力されてから1フレーム周期以内に再び一致パルスが入力された場合にはこれを無視し、フレームカウンタクリアパルスは出力しない。
【0016】
フレームカウンタ409は、シンボルの計数を行い、計数値が所定の1フレームのシンボル数、すなわちフレーム周期に達したとき、フレームパルスを出力してAND回路403,404,1202およびフレームカウンタ制御回路1201に供給する。また、フレームカウンタクリアパルスが入力された場合にはその計数値を0とする。
【0017】
AND回路1202は、同期状態信号とフレームパルスとの論理積をとり、フレーム同期パルスを同期パルス出力端子107より出力する。
以上のような保護回路901の構成例によって、後方保護段数を2とした場合の後方保護により、同期はずれ状態から同期信号が捕捉される状態に至る様子を図15を用いて詳細に説明する。
【0018】
いま、同期シンボル検出回路102に入力されたディジタルデータから同期シンボル(疑似同期シンボルを含む)が検出され、一致パルスが保護回路901に入力されたものとする。ただし、回路はすべて初期状態にあったものとする。
時刻t1において、フレームパルスが“H”になると、フレームカウンタクリアパルスが“H”になる。このとき、一致パルスは“L”であるためNOT回路402の出力は“H”である。したがって、フレームパルスが“H”になると、AND回路404の出力であるNGパルスが“H”となり、OKカウンタ405の計数値は0にクリアされ、NGカウンタ406の計数値は1となる。
【0019】
同期はずれ状態において同期シンボルが初めて検出された時刻をt2とする。この時刻t2において、一致パルスが初めて“H”となるものとする。ただし、このとき検出された同期シンボルは真の同期シンボルであり、この一致パルスには斜線はいれていない。フレームカウンタ制御回路1201は、一致パルスが入力された場合、同じタイミングでフレームカウンタクリアパルスを出力してフレームカウンタ409に供給する。ただし、一致パルスが入力されてから1フレーム周期以内に再び一致パルスが入力された場合にはこれを無視し、フレームカウンタクリアパルスを出力しない。
【0020】
フレームカウンタクリアパルスが“H”となると、フレームカウンタ409の計数値が0にクリアされ、1フレーム周期の計数を開始する。フレームカウンタ409は同期シンボルが検出されてから1フレーム周期(1Tf)たった時点(時刻t4)においてフレームパルスは“H”となる。フレームカウンタ409はクリアされるまで以降この動作を周期的に繰り返す。つまり、フレームカウンタクリアパルスが、時刻t4,t6,t7で“H”となり、時刻t6,t7でフレームパルスは“H”となる。
【0021】
時刻t3において、疑似同期シンボルが存在したとする。疑似同期シンボルを検出した同期パターン検出回路102は時刻t3に一致パルスを“H”とする。疑似同期シンボルによる一致パルスには、目印のため斜線を付加している。しかし、フレームカウンタ制御回路1201は、先に真の同期シンボルによる一致パルスを受信した時刻t2から1フレーム周期以内に受信した一致パルス(時刻t3の疑似同期シンボルによる一致パルス)を無視するため、フレームカウンタクリアパルスは“L”のままである(図15において、○印で示す)。
【0022】
時刻t4において、真の同期シンボルを検出し、一致パルスが“H”になったとする。一方、時刻t2にフレーム周期の計数を開始したフレームカウンタ409から1周期たったことを示すフレームパルスが時刻t4で“H”になる。したがって、一致パルスとフレームパルスとが同時に“H”となるため、OKパルスが“H”となり、OKカウンタ405の計数値が1となるとともに、NGカウンタ406の計数値は0にクリアされる。このとき、NGパルスは出力されない。
【0023】
時刻t5において、疑似同期シンボルが存在したとする。ただし、時刻t5は、先に真の同期シンボルを検出した時刻t4から1フレーム周期以内の時刻であるとする。疑似同期シンボルを検出した同期パターン検出回路102は、時刻t5に一致パルスに“H”を出力する。しかし、フレームカウンタ制御回路1201は、先に一致パルスを受信した時刻t4から1フレーム周期以内に受信した一致パルスを無視するため、フレームカウンタクリアパルスは“L”のままである。
【0024】
時刻t6において、真の同期シンボルが検出されると、再び一致パルスとフレームパルスが同時に“H”になる。OKパルスが“H”となり、OKカウンタ405の計数値は2となり、保護段数に達し、NGカウンタ406の計数値は0にクリアされる。OKカウンタ405が保護段数に達したため、セットパルスは“H”となり、RS−フリップフロップ407をセットする。セットされたRS−フリップフロップ407の出力である同期状態信号は“H”となり、同期が捕捉された状態に達する。
【0025】
時刻t7より、フレームパルスが最終的な出力である同期パルスとして出力されることとなる。
上記のように、フレーム同期信号をフレーム長の周期で連続して検出したときのみ同期捕捉とすることを後方保護と呼ぶ。なお、後方保護段数を2とした上記従来の構成による後方保護では、上記のようなデータが入力された場合、1フレームの周期をTfで表すと、初めて真の同期シンボルが入力されてから同期捕捉状態に至るまでに、2Tf要することになる。
【0026】
同様に、前方保護段数を2とした場合に同期捕捉状態から同期はずれ状態に至る様子を図16を用いて詳細に説明する。
時刻t1において真の同期パルスが検出されたとする。一致パルスとフレームパルスが同時に“H”となり、OKパルスが“H”となるため、OKカウンタ405の計数値が(n−1)からnに1増える(nは任意の整数)。また、同期捕捉状態にあるため、同期状態信号が“H”で同期パルスが出力される。このとき、NGパルスは“L”のままで、NGカウンタ406の計数値はリセットされ、0となっている。また、フレームカウンタクリアパルスはフレーム周期毎に出力されている。
【0027】
時刻t1より1フレーム周期以内のある時刻t2において、疑似同期シンボルが検出されたとする。時刻t2に一致パルスは“H”となるが、フレームカウンタ制御回路1201は先に一致パルスが入力された時刻t1より1フレーム周期以内に発生した一致パルスを無視するため、時刻t2ではフレームカウンタクリアパルスは出力されない。
【0028】
時刻t3において、再び真の同期シンボルが検出され、一致パルスが“H”となったとする。このとき、時刻t1と同様に、一致パルスとフレームパルスが同時に“H”となり、OKパルスが“H”となるため、OKカウンタ405の計数値はnから(n+1)に1増える。また、同期捕捉状態にあるため、同期状態信号が“H”で同期パルスが出力される。このとき、NGパルスは“L”のままで、NGカウンタ406の計数値はリセットされ、0となっている。また、フレームカウンタクリアパルスはフレーム周期毎に出力されている。
【0029】
時刻t4において本来来るべき真の同期シンボルが来なかったとする。このとき、OKパルスは“L”のままで、NGパルスが“H”となり、NGカウンタ406の計数値は1増え、OKカウンタ405の計数値は0にクリアされる。しかし、この時点でも同期状態信号は“H”であり、フレームパルスもフレームカウンタクリアパルスも出力されており、同期パルスは周期的に出力され、同期はずれ状態には至っていない。
【0030】
時刻t5においても本来来るべき真の同期シンボルが来なかったとする。このとき、NGパルスが“H”となり、NGカウンタ406の計数値は1増えて2となり、OKカウンタ405の計数値は0にクリアされる。NGカウンタ406は計数値が前方保護段数に達したので、リセットパルスを出力する。このため、時刻t5より同期状態信号は“L”となり、同期パルスは出力されなくなり、後方保護により再び同期が捕捉されるまで同期はずれ状態に移行する。
【0031】
上記のように、一度同期状捕捉態に入れば多少同期シンボルが検出されなくてもできるだけ同期捕捉状態を維持し、連続して何フレームか同期シンボルがこなかったときにはじめて同期はずれ状態とみなすことを前方保護と呼ぶ。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
先にも述べたように、フレーム構造を持ったディジタルデータの伝送においては、フレーム同期信号を表すシンボルとまったく同じ情報シンボル、すなわち疑似同期シンボルが伝送されることがある。図11で示す従来の同期保護回路が同期はずれ状態で後方保護を行う際に、疑似同期シンボルが真の同期シンボルに先立って入力された場合を考える。後方保護段数を2とした場合の後方保護により、同期はずれ状態から同期捕捉状態に至るまでのタイミングチャートを図17に示し、同期はずれ状態から同期捕捉状態に至るまでの過程を図17を参照しながら説明する。
【0033】
いま、入力されたデータ系列より同期シンボル検出回路102が同期シンボルに一致するシンボルを検出し、図17に示す一致パルスを保護回路901に入力したものとする。なお、入力データ系列には、周期的に現れる真の同期シンボルとランダムに現れる疑似同期シンボルが存在するものとする。
同期はずれ状態において、時刻t1に初めて一致パルスが“H”になったとする。ただし、これは疑似同期シンボルを検出したことによるものであるとする。フレームカウンタ制御回路1201は、初めて一致パルスが“H”になったため、同じタイミングでフレームカウンタクリアパルスを出力し、フレームカウンタ409による1フレーム長の周期の計数が開始される。
【0034】
先に疑似同期シンボルが入力された時刻t1の後1フレーム周期以内のある時刻t2において、一致パルスが“H”になったものとする。ただし、これは真の同期シンボルを検出したことによるものとする。フレームカウンタ制御回路1201は、先に一致パルスが入力されてから1フレーム周期経過するまでに入力される一致パルスを無視する(たとえ、それが真の同期シンボルによるものであったとしても)ため、時刻t2でもフレームカウンタクリアパルスは“L”のままである。すなわち、保護回路901では入力される一致パルスが真の同期シンボルによるものなのか、疑似同期シンボルによるものなのかの区別がつかないので、初めに入力された一致パルスにより、後方保護を開始する。この例の場合、さきに現れた疑似同期シンボルをとらえ保護を開始したため、その後1フレーム周期以内に現れた真の同期シンボルを無視してしまう状態になっている。
【0035】
時刻t3には、時刻t1にフレーム周期の計数を開始したフレームカウンタ409が1フレーム経過したことを表すフレームパルスを“H”とする。疑似同期シンボルに周期性はないため、時刻t3でも一致パルスは“L”であるとする。なお、一般に疑似同期シンボルはデータ系列中においてランダムに存在するため、あるフレームに存在する疑似同期シンボルがつぎのフレームの同じ位置に存在する確率は極めて小さい。したがって、この例においては、時刻t1に疑似シンボルが存在してもつぎのフレームの同じ位置には存在しないものとする。一致パルスが“L”でフレームパルスのみが“H”となるため、OKパルスは“L”のままで、NGパルスが“H”となり、NGカウンタ406の計数値は1増え、OKカウンタ405の計数値は0のままである。フレームカウンタ制御回路1201は、つぎに入力される一致パルスの入力待ち状態となる。
【0036】
時刻t4に真の同期パルスにより一致パルスが“H”になるものとする。フレームカウンタ制御回路1201は、時刻t1に一致パルスの入力を受け付けてから1フレーム周期以上経っているので、時刻t4の一致パルスの入力を受け付け、同じタイミングでフレームカウンタクリアパルスを出力する。これを受けて、フレームカウンタ409は再び1フレーム周期の計数を開始する。すなわち、時刻t4よりようやく真の同期シンボルをとらえ、再び保護を開始したことになる。
【0037】
時刻t5に真の同期パルスにより一致パルスが“H”になるものとする。一方、時刻t4にフレーム周期の計数を開始したフレームカウンタ409はフレームパルスを時刻t5に出力する。このとき、一致パルスとフレームパルスとが同時に“H”となり、今度はNGパルスは“L”のままで、OKパルスが“H”になるため、OKカウンタ405の計数値は1となり、NGカウンタ406の計数値は0にクリアされる。
【0038】
時刻t6において、一致パルスが“H”となると、OKカウンタ405の計数値は2となり、保護段数に達する。その結果、セットパルスおよび同期状態信号は“H”となり、後方保護を完了する。
同期信号をフレーム長の周期で連続して検出したときのみ同期捕捉とする後方保護において、後方保護段数を2とした場合、従来の同期保護回路の構成では、上記の例のように最初に疑似同期シンボルが検出された場合、真の同期シンボルが最初に検出されてから同期捕捉状態に至るまでに、3Tf要することになる。すなわち、同期はずれ状態において最初に検出された同期シンボルが疑似同期シンボルでその後1フレーム以内に真の同期シンボルが入力された場合、後方保護を行って同期が捕捉されるまでに、同期はずれ状態において最初に検出された同期シンボルが真の同期シンボルであった場合に比べて1フレーム周期分の遅延が生じることを示している。
【0039】
保護回路901では、入力される一致パルスが真の同期シンボルによるものなのか、疑似同期シンボルによるものなのかの区別がつかないので、同期はずれ状態で初めに入力された一致パルスにより、後方保護を開始する。上記の説明のように、さきに現れた疑似同期シンボルをとらえ保護を開始したため、その後1フレーム周期以内に現れる真の同期シンボルを無視してしまう状態になっている。このため、同期が捕捉されるまでに、同期はずれ状態において最初に入力された同期シンボルが真の同期シンボルであった場合に比べて、1フレーム周期分の遅延が生じる。
【0040】
さらに、もし上記の例において時刻t3と時刻t4の間で疑似同期シンボルが存在した場合には、保護回路はこの疑似同期シンボルで再び誤って後方保護を開始するため、同期捕捉状態に至るまでに要する時間はまでにさらにもう1フレーム周期分の遅延が発生し、4Tfとなる。
このように、上記従来の構成では、同期はずれ状態において最初に検出された同期シンボルが真の同期シンボルでなく疑似同期シンボルであり、この疑似同期シンボルによって誤って後方保護を開始した場合には、その後1フレーム以内に入力される真の同期シンボルを無視するため、同期捕捉の状態に至るまでに要する時間は、最初に真の同期シンボルにより後方保護を開始した場合に比べて、少なくとも1フレーム分に相当する遅延が生じるという問題がある。
【0041】
この発明は上記問題点を解決するもので、同期はずれ状態において最初に疑似同期シンボルが入力されても、これにとらわれることなく真の同期シンボルを捕捉し、速やかに同期捕捉を行うことができる同期保護回路を提供することを目的とする。
【0042】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の同期保護回路は、フレーム構造を有するディジタルデータ系列を入力とし、ディジタルデータ系列に含まれるフレーム同期信号に基づいて同期の捕捉を行うとともに同期の保護を行う同期保護回路であって、同期シンボル検出手段と、制御手段と、N個(ただし、Nは2以上の整数)の保護手段とを備えている。同期シンボル検出手段は、ディジタルデータ系列よりフレーム同期信号を表す所定のパターンを検出し、所定のパターンを検出したことを示す信号を制御手段とN個の保護手段に供給する。制御手段は、同期シンボル検出手段からの信号が入力される毎に、N個の保護手段のうちから一個の保護手段を所定の順に選択し、選択された保護手段のみに同期の捕捉動作の開始を示す信号を供給する。保護手段は、制御手段からの信号の入力毎に同期の捕捉動作を開始して同期が確立された場合に同期のタイミングを示す同期パルスを出力し、同期の捕捉動作では、制御手段からの信号の入力時を起点としたフレーム周期毎に同期シンボル検出手段からの信号の入力を確認し、所定の回数連続して入力が確認されたときに同期が確立したと判断する。
【0043】
この構成によれば、同期の捕捉動作を複数並行することにより、最初に疑似同期シンボルが入力されても、これにとらわれることなく真の同期シンボルを捕捉し、速やかに同期捕捉を行うことができ、また、制御手段からの信号がフレーム周期内に続けて保護手段に入力されるかどうかを検出する手段が不要であり、構造が簡単で安価である。
【0046】
ここで、この同期保護回路の構成についてさらに説明する。この同期保護回路は、一定周期のフレーム構造とフレーム周期と同じ周期で伝送される一定のフレーム同期信号を持ったディジタルデータ伝送において、入力ディジタルデータ系列と同期信号を表す所定の信号列(以下、同期シンボルと呼ぶ)との比較を行い両者の一致を検出する同期シンボル検出手段を有する。
【0048】
同期の補足を行う際、最初に入力されるデータ系列中に同期シンボルがM個存在するとする。ここで、N≧Mとする。ただし、上記M個の同期シンボルは、同期信号を表す真の同期シンボル1個と、真の同期シンボルに一致する情報シンボル(以下「疑似シンボル」と呼ぶ)が(M−1)個からなり、1個の真の同期シンボルに先だって(M−1)個の疑似同期シンボルが連続して入力されるものとする。このとき、同期シンボル検出回路はM個の同期シンボルを検出し、M個のフレーム同期信号を表すパターンを検出したことを示す信号を出力する。
【0049】
制御手段は、フレーム同期信号を表すパターンを検出したことを示す信号が入力される毎に、N個の保護手段のうちから一個の保護手段を所定の順に選択し、選択された保護手段に対して同期の捕捉動作の開始を示す信号を供給する。同期の捕捉動作の開始を示す信号が入力されたM個の保護手段は、それぞれ同期の捕捉動作を開始する。
【0050】
ここで、M個のうちの(M−1)個の保護手段は、疑似同期シンボルを検出したフレーム同期信号を表すパターンを検出したことを示す信号により同期の捕捉動作を開始するが、疑似同期シンボルが保護段数分の数フレームにわたって同じ位置に存在する確率は極めて小さいため、同期を捕捉することは有り得ないとしてもよい。しかし、M個のうちの1個の保護手段は、真の同期シンボルを検出したフレーム同期信号を表すパターンを検出したことを示す信号によって同期の捕捉動作を開始しているので、所定の保護段数分のフレーム周期の後に保護を完了し、同期捕捉状態に達することができる。
【0051】
この結果、後方保護の際に入力データ系列に疑似同期シンボルが存在し、それらが真の同期シンボルよりも先に入力される場合でも、疑似同期シンボルと真の同期シンボルを合わせた数が保護回路の個数より小さいか等しい場合には、疑似同期シンボルが原因で生じる後方保護が完了するまでの遅延を除去し、速やかに真の同期を捕捉することができる。
【0052】
請求項2記載の同期保護回路は、請求項1記載の同期保護回路において、制御手段からの信号の入力時を起点としたフレーム周期毎に同期シンボル検出手段からの信号の入力を確認し、入力が確認されたときに制御手段に対して信号の出力停止を示す信号を供給するよう保護手段を構成し、保護手段からの信号が入力されると以降N個の保護手段に対する同期の捕捉動作の開始を示す信号の出力を止めるよう制御手段を構成している。
【0053】
この構成によれば、無駄な同期の捕捉動作の開始を防止することができる。
請求項3記載の同期保護回路は、請求項2記載の同期保護回路において、制御手段からの信号の入力時を起点としたフレーム周期毎に同期シンボル検出手段からの信号の入力を確認し、所定の回数連続して入力が確認されなかったときに同期パルスの出力を停止するように保護手段を構成し、少なくとも一つの保護手段が同期パルスを出力している状態から全ての保護手段が同期パルスを出力しない状態へと変化したときにN個の保護手段に対する同期の捕捉動作の開始を示す信号の供給を再開するように制御手段を構成している。
【0054】
この構成によれば、同期はずれ状態となったときに、自動的に同期の捕捉動作を再開することができる。
請求項4記載の同期保護方法は、フレーム構造を有するディジタルデータ系列を入力とし、ディジタルデータ系列に含まれるフレーム同期信号に基づいて同期の捕捉を行うとともに同期の保護を行う同期保護方法であって、同期シンボル検出ステップと、制御ステップと、N個(ただし、Nは2以上の整数)の保護ステップとを含み、同期シンボル検出ステップは、ディジタルデータ系列よりフレーム同期信号を表す所定のパターンを検出し、所定のパターンを検出したことを示す信号を制御ステップとN個の保護ステップに供給し、制御ステップは、同期シンボル検出ステップからの信号が入力される毎に、N個の保護ステップのうちから一個の保護ステップを所定の順に選択し、選択された保護ステップのみに同期の捕捉動作の開始を示す信号を供給し、保護ステップは、制御ステップからの信号の入力毎に同期の捕捉動作を開始して同期が確立された場合に同期のタイミングを示す同期パルスを出力し、同期の捕捉動作では、制御ステップからの信号の入力時を起点としたフレーム周期毎に同期シンボル検出ステップからの信号の入力を確認し、所定の回数連続して入力が確認されたときに同期が確立したと判断する。
この方法によれば、同期の捕捉動作を複数並行することにより、最初に疑似同期シンボルが入力されても、これにとらわれることなく真の同期シンボルを捕捉し、速やかに同期捕捉を行うことができる。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1にこの発明の第1の実施の形態における同期保護回路のブロック図を示す。図1において、101は入力端子、102は同期シンボル検出回路、103は制御回路、104,105は保護回路、106は選択回路、107は同期パルス出力端子である。保護回路104,105はともに同じ構成でよいが、ここでは区別のため、104を第1の保護回路、105を第2の保護回路とする。
【0058】
ここで、各構成要素の相互関係と動作を説明する。ディジタルデータは、必要があれば並列データに変換された後、入力端子101より入力される。同期シンボル検出回路102は、入力されたディジタルデータ系列とあらかじめ決められているフレーム同期信号を表す同期シンボルとを比較し、両者が一致したときに一致パルスを出力して制御回路103と第1の保護回路104と第2の保護回路105とに供給する。制御回路103は、第1のスタートパルスを出力して第1の保護回路104に供給し、第2のスタートパルスを出力して第2の保護回路105に供給する。第1の保護回路104は前方保護および後方保護を行い、第1のOKパルスを出力して制御回路103に供給し、第1のフレームパルスと第1の同期状態信号とを出力して選択回路106に供給する。第2の保護回路105は前方保護および後方保護を行い、第2のOKパルスを出力して制御回路103に供給し、第2のフレームパルスと第2の同期状態信号とを出力して選択回路106に供給する。選択回路106は同期パルスを出力端子107より出力し、リセットパルスを制御回路103に供給する。
【0059】
以下では、各部ブロックの構成例と動作について説明する。
同期シンボル検出回路102の動作は従来例で述べたものと同じであるので説明は省略する。
制御回路103の構成例のブロック図を図2に示す。図2において、201は一致パルス入力端子、202は第1のOKパルス入力端子、203は第2のOKパルス入力端子、204はリセットパルス入力端子、205はD−フリップフロップ、206,207,211,212はAND回路、208はOR回路、209はRS−フリップフロップ、210はクロック再生回路、213は第1のスタートパルス出力端子、214は第2のスタートパルス出力端子である。
【0060】
D−フリップフロップ205はD−フリップフロップ205の反転出力を入力とする。一致パルスはD−フリップフロップ205のクロック入力端子およびAND回路206,207に供給される。AND回路207はD−フリップフロップ205の反転出力と一致パルスとの論理積をとり、その論理積演算結果ST1をAND回路212に供給する。AND回路206はD−フリップフロップ205の非反転出力と一致パルスとの論理積をとり、その論理積演算結果ST2をAND回路211に供給する。
【0061】
OR回路208は第1のOKパルスと第2のOKパルスの論理和をとり、RS−フリップフロップ209のセット入力端子Sに入力する。リセットパルスはRS−フリップフロップ209のリセット入力端子Rに入力される。クロック再生回路210よりシンボルクロックがRS−フリップフロップ209のクロック入力端子CKに入力される。RS−フリップフロップ209の反転出力信号はAND回路211,212に供給される。
【0062】
AND回路212は論理積演算結果ST1とRS−フリップフロップ209の反転出力信号との論理積をとり、その論理積演算結果を第1のスタートパルス出力端子213より出力する。AND回路211は論理積演算結果ST2とRS−フリップフロップ209の反転出力信号との論理積をとり、その論理積演算結果を第2のスタートパルス出力端子214より出力する。
【0063】
上記のように制御回路103を構成したときの制御回路103に対するタイミングチャートを図3に示す。入力される一致パルス,第1のOKパルス,第2のOKパルスおよびリセットパルスに対して、論理積演算結果ST1,論理積演算結果ST2,RS−フリップフロップ209の反転出力信号,第1のスタートパルスおよび第2のスタートパルスは図3に示したようになる。
【0064】
つまり、時刻t1に一致パルスが“H”になると、論理積演算結果ST1および第1のスタートパルスが“H”になり、このとき論理積演算結果ST2および第2のスタートパルスは“L”である。時刻t2に一致パルスが“H”になると、論理積演算結果ST2および第2のスタートパルスが“H”になり、論理積演算結果ST1および第1のスタートパルスは“L”である。そして、一致パルスが入力される度に論理積演算結果ST1と論理積演算結果ST2とが交互に“H”になる。
【0065】
時刻t3に第1のOKパルスが“H”になると、RS−フリップフロップ209の反転出力信号が“L”になり、これ以降第1および第2のスタートパルスは“L”となる。
時刻t4,t5に一致パルスが“H”となっても第1および第2のスタートパルスは“L”のままである。
【0066】
時刻t6にリセットパルスが“H”になると、RS−フリップフロップ209の反転出力信号が“H”となり、これ以降、時刻t7,t8と第1および第2のスタートパルスは再び交互に出力されるようになる。
すなわち、第1および第2のスタートパルスは一致パルスの入力に応じて一致パルスと同じタイミングで交互に出力されるが、いったん第1のOKパルスまたは第2のOKパルスのどちらかが入力されると、一致パルスの入力は受け付けられず、第1および第2のスタートパルスは出力されなくなる。この後、リセットパルスが入力されると、RS−フリップフロップ209の反転出力信号が再び“H”になり、第1および第2のスタートパルスは出力される。
【0067】
つぎに、第1および第2の保護回路104,105について説明する。第1および第2の保護回路104,105はともに同じ構成でよい。図4に競合カウンタを用いた第1の保護回路104の構成例のブロック図を示す。図4において、401は一致パルス入力端子、402はNOT回路、403,404はAND回路、405はOKカウンタ、406はNGカウンタ、407はRS−フリップフロップ、408はスタートパルス入力端子、409はフレームカウンタ、410はフレームカウンタ制御回路、411はOKパルス出力端子、412はフレームパルス出力端子、413は同期状態信号出力端子である。
【0068】
図4に示す保護回路104の構成は、類似はしているが従来例で示した保護回路901とはいくつかの点で異なっている。フレームカウンタ制御回路410は、制御回路103より入力される第1のスタートパルスと、フレームカウンタ409より出力される第1のフレームパルスとを入力としている。また、AND回路403の出力をOKパルス出力端子411より出力し、フレームカウンタ409の出力をフレームパルス出力端子412より出力し、RS−フリップフロップ407の出力を同期状態信号として同期状態信号出力端子413より出力するようにしている。
【0069】
図4に示す保護回路104による前方保護および後方保護の際の各ブロックの動作は従来例の動作と基本的に同じであるが、フレームカウンタ制御回路410が従来例といくつかの点で異なっている。フレームカウンタ制御回路410は、第1のスタートパルスおよび第1のフレームパルスを入力とし、フレームカウンタクリアパルスを出力とし、つぎの2つの特徴を持つ。
【0070】
(1)同期捕捉、同期はずれのいずれの状態にあっても、フレームパルスが入力された場合、同じタイミングでフレームカウンタクリアパルスを出力してフレームカウンタ409に供給する。
(2)初めてスタートパルスが入力された場合、またはスタートパルスが入力されてから1フレーム周期以上経過した後再度スタートパルスが入力された場合に、入力されたスタートパルスと同じタイミングでフレームカウンタクリアパルスを出力してフレームカウンタ409に供給する。ただし、スタートパルスが入力されてから1フレーム周期以内に再びスタートパルスが入力された場合にはこれを無視し、フレームカウンタクリアパルスは出力しない。
【0071】
したがって、図4に示す保護回路104は、スタートパルスが入力されると直ちに後方保護による同期捕捉を開始するが、開始した後1フレーム周期以内に再びスタートパルスが入力された場合にはこれを無視し、後方保護を初めからやり直すことはない。ただし、先に後方保護を開始してから1フレーム周期以上経過した後スタートパルスが再度入力された場合には、これを受け付け、後方保護を初めからやり直す。
【0072】
つぎに、選択回路106の構成例のブロック図を図5に示す。図5において、501は第1の同期状態信号入力端子、502は第1のフレームパルス入力端子、503は第2の同期状態信号入力端子、504は第2のフレームパルス入力端子、505,506,511はAND回路、507,508はOR回路、509は遅延回路、510はNOT回路、512は同期パルス出力端子、513はリセットパルス出力端子である。
【0073】
以上のような構成において、AND回路505は、第1の同期状態信号と第1のフレームパルスの論理積をとり、その論理積演算結果をOR回路507に供給する。AND回路506は、第2の同期状態信号と第2のフレームパルスの論理積をとり、その論理積演算結果をOR回路507に供給する。OR回路508は、第1の同期状態信号と第2の同期状態信号の論理和をとり、その論理和演算結果をNOT回路510および遅延回路509に供給する。遅延回路509はOR回路508の出力を1シンボル期間遅延してAND回路511に供給する。OR回路507は、AND回路505の出力とAND回路506の出力との論理和をとり、その論理和演算結果を同期パルス出力端子512より同期パルスとして出力する。AND回路511は、NOT回路510と遅延回路509の出力との論理積をとり、その論理積演算結果をリセットパルス出力端子513よりリセットパルスとして出力する。
【0074】
ここで、選択回路106の動作を図6のタイミングチャートにしたがって説明する。第1および第2の同期状態信号および第1および第2のフレームパルスが図6のように入力されたものとする。時刻t1より第1の同期状態信号が“H”となっており、第1の保護回路104が後方保護を完了したことを示している。選択回路106は、入力される第1のフレームパルスまたは第2のフレームパルスのうち、後方保護が完了した保護回路から入力されるフレームパルスを同期パルスとして同期パルス出力端子512より出力する。したがって、図6の状態では、選択回路106は、第1のフレームパルスを第1の同期状態信号が“H”となる期間選択し、同期パルスとして時刻t2より出力する。
【0075】
また、後方保護開始の合図となるリセットパルスは同期捕捉状態から同期はずれ状態に変わったときに出力される。すなわち、時刻t3にリセットパルスは“H”となる。
以下では、図1の第1および第2の保護回路104,105がともに図4で示した構成である第1の実施の形態において、後方保護により、同期はずれ状態から同期信号が捕捉される状態に至る様子を図7を用いて詳細に説明する。ただし、後方保護段数を2とする。
【0076】
いま、データ系列が同期はずれ状態にある同期保護回路に入力されたとする。同期シンボル検出回路102により、同期シンボル(疑似同期シンボルを含む)が検出され、一致パルスが制御回路103に供給される。
時刻t1において、初めて同期シンボルが入力されたとする。ただし、最初の同期シンボルは疑似同期シンボルであったとする。同期シンボル検出回路102がこれを検出し、同期はずれ状態において初めて一致パルスが時刻t1に“H”となるとする。この入力を受け付けた制御回路103は同じタイミングで“H”となる第1のスタートパルスを第1の保護回路104のみに出力する。このとき第2のスタートパルスは“L”のままである。第1のスタートパルスの入力により第1の保護回路104のフレームカウンタの計数値は0にクリアされ、1フレームのシンボル数を計数し始める。すなわち、第1の保護回路104は疑似同期シンボルにより後方保護動作を開始したことになる。
【0077】
時刻t1より1フレーム周期以内のある時刻t2において、真の同期シンボルが入力され、一致パルスが“H”となるとする。制御回路103はこれを受け付ける。制御回路103は、第1のスタートパルスと第2のスタートパルスを交互に出力するが、先の時刻t1での一致パルスの入力に対し、第1の保護回路104に第1のスタートパルスを出力したため、時刻t2には第2のスタートパルスを第2の保護回路105のみに出力する。このとき、第1のスタートパルスは“L”のままである。第2のスタートパルスの入力により第2の保護回路105のフレームカウンタの計数値は0にクリアされ、1フレームのシンボル数を計数し始める。すなわち、第2の保護回路105は、真の同期シンボルにより後方保護動作を開始したことになる。
【0078】
時刻t3において、再び疑似同期シンボルが入力され、一致パルスが“H”になったとする。ただし、時刻t3は時刻t1より1フレーム周期以内であるとする。制御回路103は第1のスタートパルスを第1の保護回路104に入力する。この第1の実施の形態での図4に示した保護回路では先にスタートパルスが入力された時刻より1フレーム周期以内に入力されたスタートパルスでは後方保護をやり直すことはない。したがって、先に第1のスタートパルスが時刻t1に入力されて後方保護を開始した第1の保護回路104は、時刻t3にスタートパルスが入力されても後方保護を再びやり直すことはなく、時刻t4までフレーム周期を計数し続け、時刻t4に計数が完了すると第1のフレームパルスが“H”になる。しかし、疑似同期シンボルに周期性はないため時刻t4に一致パルスが“H”となることは無いものとする。
【0079】
時刻t5に再び疑似同期パルスが入力されたものとする。制御回路103は、先の一致パルス入力時に第1のスタートパルスに出力したため、時刻t5では第2のスタートパルスを第2の保護回路105に出力する。しかし、先に第2のスタートパルスが時刻t2に入力されて後方保護を開始した第2の保護回路105は、時刻t5に第2のスタートパルスが入力されても後方保護を再びやり直すことはなく、1フレーム周期後の時刻t6までフレーム周期を計数し続け、時刻t6に計数が完了すると第2のフレームパルスが“H”になる。
【0080】
時刻t6において真の同期シンボルを検出し、一致パルスが“H”となったとする。一方、第2の保護回路105は時刻t2に真の同期シンボルにより後方保護を開始しているため、1フレーム期間たった時刻t6において第2のフレームパルスは“H”となる。したがって、一致パルスと第2のフレームパルスが時刻t6に同時に“H”となり、第2のOKパルスが“H”になる。このとき、第1のOKパルスは“L”のままである。
【0081】
第2のOKパルスが“H”になると、第2の保護回路105の内部のOKカウンタの計数値は1増え、第1の保護回路104の内部のOKカウンタの計数値は0のままである。また、第2の保護回路105より第2のOKパルスが制御回路103に入力される。第1のOKパルスまたは第2のOKパルスが一度“H”になると、制御回路103は一致パルスの入力を受け付けなくなる。すなわち、制御回路103に一致パルスが入力されても第1および第2のスタートパルスが“H”となることはない。この状態は、後方保護完了の後、同期捕捉状態から同期はずれ状態に移行したときに選択回路106から制御回路103にリセットパルスが入力されるまで続く。
【0082】
このように、第1および第2の保護回路104,105に図4に示した構成を用いた場合には、時刻t2に真の同期シンボルを検出した一致パルスで第2の保護回路105が後方保護を開始しているため、時刻t2から時刻t6までの1フレーム周期の間に疑似同期シンボルにより一致パルスが何度も“H”となって第1および第2のスタートパルスを第1および第2の保護回路104,105に何度出力しても、第2の保護回路105はこれを受け付けることなく後方保護を続け、時刻t6に一致パルスが“H”になった時点で第2のOKパルスが出力されることになる。
【0083】
時刻t6より1フレーム周期以内のある時刻t7に再び疑似同期パルスが入力されたとする。このとき一致パルスは“H”となるが、制御回路103は時刻t6にOKパルスが入力されてからは一致パルスの入力を受け付けなくなるため、第1および第2のスタートパルスを出力することはない。したがって、いったん第1のOKパルスまたは第2のOKパルスが“H”になると、疑似同期シンボルにより一致パルスが何回“H”になろうとも、第1および第2の保護回路104,105が後方保護をやり直すことはない。
【0084】
時刻t8以降では真の同期パルスが周期的に連続して存在しているとする。真の同期シンボルに対して第2の保護回路105は保護段数分の後方保護動作を一致パルスが入力される度に行い、OKパルスはフレーム周期毎に出力される。第2の保護回路105のOKカウンタは所定の保護段数まで計数を行う。一方、第1の保護回路104は、時刻t3の疑似同期シンボルの入力により保護動作を開始したが、疑似同期シンボルに周期性がないために保護を完了することはない。
【0085】
時刻t8に真の同期パルスを検出したことにより一致パルスが“H”になると、第2の保護回路105の内部のOKカウンタの計数値が2となり、所定の保護段数分に達する。時刻t8以降では第2の同期状態信号が“H”となり、選択回路106は第2の保護回路105が後方保護が完了したことを検知する。第1の保護回路104の内部のOKカウンタの計数値は0のままであり、第1の同期状態信号は“L”のままである。
【0086】
さらに、選択回路106は、第2の同期状態信号が“H”となったことから、後方保護が完了した第2の保護回路105より入力されるフレームパルスを同期パルスとして時刻t9より出力し、後方保護が完了する。
この結果、この発明の第1の実施の形態における同期保護回路の構成で、後方保護段数を2とした場合、最初に真の同期シンボルが検出されてから同期捕捉状態に至るまでに要する時間は2Tfとなる。すなわち、従来例で要した時間より1Tf短縮できることを示している。
【0087】
さらに、第1および第2の保護回路104,105に、図4に示した構成を用いた第1の実施の形態の場合には、上記説明したようにつぎの特長もある。すなわち、同期はずれ状態において、最初に1個の疑似同期シンボルが、つぎに真の同期シンボルが入力された場合には、その後入力されるデータに何回疑似同期シンボルが含まれていても確実に真の同期シンボルを捕捉することができる。
【0088】
なお、前方保護の動作に関しては、従来の動作と同じであるので、詳細な説明は省略するが、同期捕捉状態から同期はずれ状態に移行したときに、選択回路106よりリセットパルスが制御回路103に供給される。リセットパルスが入力された制御回路103は一致パルスの入力を受け付ける状態となり、一致パルスが入力されると先に述べた後方保護が開始される。
【0089】
このように、この発明の第1の実施の形態では、第1および第2の2個の保護回路104,105を持つことにより、同期はずれ状態において最初に疑似同期シンボルが入力され、続いてその1フレーム周期以内に真の同期シンボルが入力される場合に、2個のうちの第1の保護回路104は疑似同期シンボルの入力により後方保護を開始するため同期の捕捉に失敗するが、残りの第2の保護回路105はつぎに入力される真の同期シンボルによる後方保護を行って同期を捕捉することができる。このため、同期はずれ状態において1フレーム中のデータに疑似同期シンボルが1個発生し、それが真の同期シンボルよりも早く入力された場合でも場合でも、疑似同期シンボルにとらわれることなく真の同期シンボルを捕捉し、速やかに同期を捕捉することができる。
【0090】
(第2の実施の形態)
以下では、この発明の第2の実施の形態の同期保護回路について説明する。第2の実施の形態の同期保護回路の基本的な構成は、図1で示したものと同じであり、第1の実施の形態との違いは、図1の第1および第2の保護回路104,105の構成および動作にあり、図1の同期シンボル検出回路102、制御回路103および選択回路106の構成および動作は第1の実施の形態と同じであるので、重複する部分の説明は省略する。
【0091】
この第2の実施の形態における保護回路104,105は図8に示すような構成でよい。図8に競合カウンタを用いた第1の保護回路104の構成例のブロック図を示す。図中、図4と同じ番号の構成要素は同じものである。
図8の第1の保護回路104の構成では、スタートパルス入力端子408より入力されるスタートパルスをフレームカウンタ409のクリア入力端子への入力としている。
【0092】
図8に示す第1の保護回路104による前方保護および後方保護の際の各ブロックの動作は従来例の動作と基本的に同じであるが、制御回路103よりスタートパルスが入力されたときには、直ちに1フレームの周期を計数するフレームカウンタ409の計数値を0にクリアし、計数を開始するようになっている点が異なる。したがって、図8に示す第1の保護回路104は、スタートパルスが入力されると直ちに後方保護による同期捕捉を開始する。また、後方保護を開始した後1フレーム周期が経過する以前に再びスタートパルスが入力された場合でもこれを受け付け、後方保護を初めからやり直す。
【0093】
以下では、この第2の実施の形態において第1の保護回路104および第2の保護回路105がともに図8に示す構成を有する場合に、後方保護段数を2としたときの後方保護により、同期はずれ状態から同期信号が捕捉される状態に至る様子を図9を用いて詳細に説明する。
いま、データ系列が同期はずれ状態にある同期保護回路に入力されたとする。同期シンボル検出回路102により、同期シンボル(疑似同期シンボルを含む)が検出され、一致パルスが制御回路103に出力される。
【0094】
時刻t1において、疑似同期シンボルが入力されたとする。同期シンボル検出回路102がこれを検出し、同期はずれ状態において初めて一致パルスが時刻t1に“H”となるとする。この入力を受け付けた制御回路103は同じタイミングで“H”となる第1のスタートパルスを第1の保護回路104のみに出力する。このとき第2のスタートパルスは“L”のままである。第1のスタートパルスの入力により第1の保護回路104のフレームカウンタの計数値は0にクリアされ、1フレームのシンボル数を計数し始める。すなわち、第1の保護回路104は疑似同期シンボルにより後方保護動作を開始したことになる。
【0095】
時刻t2において、真の同期シンボルが入力され、一致パルスが“H”となるとする。制御回路103はこれを受け付ける。制御回路103は第1のスタートパルスと第2のスタートパルスを交互に出力するが、先の時刻t1での一致パルスの入力に対し、第1の保護回路104に第1のスタートパルスを出力したため、時刻t2には第2のスタートパルスを第2の保護回路105のみに出力する。このとき第1のスタートパルスは“L”のままである。第2のスタートパルスの入力により第2の保護回路105のフレームカウンタの計数値は0にクリアされ、1フレームのシンボル数を計数し始める。すなわち、第2の保護回路105は、真の同期シンボルにより後方保護動作を開始したことになる。
【0096】
時刻t3において、再び疑似同期シンボルが入力され、一致パルスが“H”になったとする。ただし、時刻t3は時刻t1よりも1フレーム周期以内であるとする。制御回路103は第1のスタートパルスを第1の保護回路104に入力する。この第2の実施の形態での保護回路ではスタートパルスが入力されると直ちに後方保護を開始するようになっているので、先に第1のスタートパルスが時刻t1に入力されて後方保護を開始した第1の保護回路104は、時刻t3に第1のスタートパルスが入力されて後方保護を再びやり直す。
【0097】
時刻t4において真の同期シンボルを検出し、一致パルスが“H”となったとする。一方、第2の保護回路105は時刻t2に真の同期シンボルにより後方保護を開始しているため、1フレーム期間たった時刻t4において第2のフレームパルスは“H”となる。したがって、一致パルスと第2のフレームパルスが時刻t4に同時に“H”となり、第2のOKパルスが“H”になり、第1のOKパルスは“L”のままである。
【0098】
第2のOKパルスが“H”になると、第2の保護回路105の内部のOKカウンタの計数値は1増える。また、第2の保護回路105より第2のOKパルスは制御回路103に入力される。第1のOKパルスまたは第2のOKパルスが一度“H”になると、制御回路103は一致パルスの入力を受け付けなくなる。すなわち、制御回路103に一致パルスが入力されても第1および第2のスタートパルスが“H”となることはない。この状態は、後方保護完了の後、同期捕捉状態から同期はずれ状態に移行したときに選択回路106から制御回路103にリセットパルスが入力されるまで続く。
【0099】
時刻t3に第1の保護回路に第1のスタートパルスが入力されて後方保護を再びやり直し、時刻t5に1フレーム周期の計数が完了するものとすると、第1のフレームパルスが時刻t5に“H”になる。しかし、疑似同期シンボルに周期性はないため時刻t5に一致パルスが“H”となることは無いものとする。
時刻t4以降では真の同期パルスが周期的に連続して入力されるとする。真の同期シンボルに対して第2の保護回路105は保護段数分の後方保護動作を一致パルスが入力される度に行い、第2のOKパルスはフレーム周期毎に出力される。第2の保護回路105のOKカウンタは所定の保護段数まで計数を行う。一方、第1の保護回路104は、時刻t4の疑似同期シンボルの入力により保護動作を開始したが、疑似同期シンボルに周期性がないために保護を完了することはない。第1の保護回路104の内部のOKカウンタの計数値は0のままであり、第1の同期状態信号は“L”のままである。
【0100】
時刻t6に真の同期シンボルを検出したことにより一致パルスが“H”になると、第2の保護回路105の内部のOKカウンタの計数値が2となり、所定の保護段数分に達する。時刻t6以降では第2の同期状態信号が“H”となり、選択回路106は第2の保護回路105が後方保護が完了したことを検知する。さらに、選択回路106は、後方保護が完了した第2の保護回路105より入力されるフレームパルスを同期パルスとして時刻t7より出力し、後方保護が完了する。
【0101】
この結果、この第2の実施の形態の同期保護回路の構成で後方保護段数を2とした場合、最初に真の同期シンボルが検出されてから同期捕捉状態に至るまでに要する時間は2Tfとなる。すなわち、従来例で要した時間より1Tf短縮できることを示している。
さらに、第1および第2の保護回路104,105に図8に示した構成を用いたこの第2の実施の形態の場合には、つぎの特長もある。すなわち、従来の構成例の保護回路901および第1の実施の形態の保護回路104に必要であったフレームカウンタ制御回路が省略できることである。
【0102】
また、前方保護の動作に関しては、従来の動作と同じであるので詳細な説明は省略するが、同期捕捉状態から同期はずれ状態に移行したときに、選択回路106よりリセットパルスが制御回路103に出力される。リセットパルスが入力された制御回路103は一致パルスの入力を受け付ける状態となり、一致パルスが入力されると先に述べた後方保護が開始される。
【0103】
このように、この発明の第2の実施の形態においても、第1および第2の2個の保護回路104,105を持つことにより、同期はずれ状態において最初に疑似同期シンボルが入力され、続いてその1フレーム周期以内に真の同期シンボルが入力される場合に、2個のうちの第1の保護回路104は疑似同期シンボルの入力により後方保護を開始するため同期の捕捉に失敗するが、残りの第2の保護回路105はつぎに入力される真の同期シンボルによる後方保護を行って同期を捕捉することができる。このため、同期はずれ状態において1フレーム中のデータに疑似同期シンボルが1個発生し、それが真の同期シンボルよりも早く入力された場合でも、疑似同期シンボルにとらわれることなく真の同期シンボルを捕捉し、速やかに同期を捕捉することができる。
【0104】
(第3の実施の形態)
この発明の第1および第2の実施の形態では、保護回路を2個有する構成に関して述べたが、3個以上の保護回路を有する構成でも良い。そこで、保護回路をN個(Nは2以上の整数)有する場合のこの発明の第3の実施の形態について図10を参照しながら説明する。図10において、101は入力端子、102は同期シンボル検出回路、801は制御回路、802は保護回路群、803は選択回路、107は同期パルス出力端子である。
【0105】
保護回路群802は第1から第NまでのN個の保護回路802−1〜802−Nの集合である。各保護回路802−1〜802−Nは、上記第1または第2の実施の形態で述べた構成と同じでよい。
同期シンボル検出回路102は同期シンボルを検出して制御回路801および第1から第Nまでの保護回路802−1〜802−Nに一致パルスを供給する。
【0106】
制御回路801は、第1ないし第Nのスタートパルスを第1ないし第Nの保護回路802−1〜802−Nにそれぞれ供給する。この場合、第1ないし第Nのスタートパルスは、一致パルスが入力される毎に順次異なるものが出力されて、第1ないし第Nの保護回路802−1〜802−Nへ供給され、例えば、最初の一致パルスの入力時に第1のスタートパルスが第1の保護回路802−1へ供給され、2番目の一致パルスの入力時に第2のスタートパルスが第2の保護回路802−2へ供給され、以下、一致パルスが入力される毎に順次異なる第3ないし第Nの保護回路802−3〜802−Nに第3ないし第Nのスタートパルスが入力されることになり、それがサイクリックに繰り返されることになる。
【0107】
第1ないし第Nの保護回路802−1〜802−Nは、は、それぞれ第1ないし第NのOKパルスを出力してそれぞれ制御回路801に供給する。
第1ないし第Nの保護回路802−1〜802−Nは、それぞれ第1ないし第Nのフレームパルスを出力して選択回路803に供給する。
第1ないし第Nの保護回路802−1〜802−Nは、それぞれ第1ないし第Nの同期状態信号を出力して選択回路803に供給する。
【0108】
選択回路803は、リセットパルスを出力して制御回路801に供給し、同期パルスを同期パルス出力端子107より出力する。
各構成要素は基本的にすでに述べた第1および第2の実施の形態と同じ動作を行うので、重複する部分の説明は省略し、異なる部分について説明する。
いま、同期はずれ状態において最初に真の同期シンボルが入力される前に(M−1)個の疑似同期シンボルが連続して入力されるものとする。ただし、M≦Nとする。すなわち、真、疑似併せてM個の同期シンボルが入力されたとする。このとき、同期シンボル検出回路102は、M個の同期シンボルを検出してM回一致パルスを出力する。
【0109】
制御回路803は、最初の一致パルスが入力されると第1のスタートパルスを第1の保護回路802−1に出力し、つぎに一致パルスが入力されると第2のスタートパルスを第2の保護回路802−2に出力し、以降同様に一致パルスが入力される度に第3ないし第Mのスタートパルスの出力先を第3の保護回路802−3〜802−Mに順次切り替えながら出力し、M回目に一致パルスが入力されると第Mのスタートパルスを第Mの保護回路に一致パルスと同じタイミングで出力する。
【0110】
スタートパルスが入力された第1ないし第Mの保護回路802−1〜802−Mは各自後方保護を開始する。ただし、真の同期シンボルにより保護を開始した保護回路はM個のうちの1個、すなわち第Mの保護回路802−Mであり、残りの(M−1)個の第1から第(M−1)までの保護回路802−1〜802−(M−1)は疑似同期シンボルにより保護を開始している。疑似同期シンボルが保護段数分の数フレームにわたって同じ位置に存在する確率は極めて小さいため、(M−1)個の保護回路802−1〜802−(M−1)は同期を捕捉することは有り得ないものとしてよい。しかし、第Mの保護回路802−Mは、真の同期シンボルを検出した一致パルスによって後方保護を行っているので、所定の保護段数分のフレーム周期の後に保護を完了し、同期捕捉状態に達することができる。
【0111】
保護を完了すると、第Mの保護回路802−Mから出力される第Mの同期状態信号は“H”になる。これを検知して、選択回路807は第Mの保護回路802−Mより入力される第Mのフレームパルスを同期パルスとして同期パルス出力端子808より出力する。
また、図10に示す構成を有する第3の実施の形態の前方保護の動作に関しては、従来の動作と同じであるので詳細な説明は省略するが、同期捕捉状態から同期はずれ状態に移行したときに、選択回路803よりリセットパルスが制御回路801に出力される。リセットパルスが入力された制御回路801は一致パルスの入力を受け付ける状態となり、一致パルスが入力されると先に述べた後方保護が開始される。
【0112】
このように、図10に示す構成を有するこの発明の第3の実施の形態ではN個の保護回路802−1〜802−Nを持つことにより、同期はずれ状態において(M−1)個の疑似同期シンボルが、真の同期シンボルに先だって入力される場合であっても、M個の保護回路802−1〜802−Mで後方保護を開始し、その中の1個の保護回路802−Mで真の同期シンボルによる後方保護を行って同期を捕捉する。このため、同期はずれ状態において1フレーム中のデータに疑似同期シンボルが発生し、それが真の同期シンボルよりも早く入力された場合でも、疑似同期シンボルにとらわれることなく真の同期シンボルを捕捉し、速やかに同期を捕捉することができる。
【0113】
【発明の効果】
請求項1記載の同期保護回路によれば、同期はずれ状態において最初に疑似同期シンボルが入力されても、これにとらわれることなく真の同期シンボルを捕捉し、速やかに同期捕捉を行うことができる。つまり、N個の保護手段を設け、順次入力される最大N個の同期シンボルの入力に対応してN個の保護手段が順次同期の捕捉動作を開始させることができ、同期はずれ状態において最初に検出されたM個(N≧Mとする)の同期シンボルに(M−1)個の疑似同期シンボルと1個の真の同期シンボルが含まれていて、(M−1)個の疑似同期シンボルが連続して真の同期シンボルに先立って入力された場合でも、M個の保護手段で後方保護を開始し、その中の1個の保護手段は真の同期シンボルによる後方保護を完了して同期を捕捉するようにしているので、同期はずれ状態において真の同期シンボルが入力される前に入力される疑似同期シンボルが入力される場合でも、疑似同期シンボルと真の同期シンボルを合わせた個数が保護手段の個数よりも少ないか等しい場合には、疑似同期シンボルにとらわれることなく真の同期シンボルを確実に捕捉し、従来の構成よりも速やかに同期を捕捉することができる。
【0115】
請求項2記載の同期保護回路によれば、無駄な同期の捕捉動作の開始を防止することができる。
請求項3記載の同期保護回路によれば、同期はずれ状態となったときに、自動的に同期の捕捉動作を再開することができ、同期はずれ状態が長く続くことはない。
請求項4記載の同期保護方法によれば、同期はずれ状態において最初に疑似同期シンボルが入力されても、これにとらわれることなく真の同期シンボルを捕捉し、速やかに同期捕捉を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態における同期保護回路の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態における制御回路の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の第1の実施の形態における制御回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】この発明の第1の実施の形態における保護回路の一例の構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の第1の実施の形態における選択回路の構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の第1の実施の形態における選択回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】この発明の第1の実施の形態の同期保護回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】この発明の第2の実施の形態における同期保護回路のうちの保護回路の一例の構成を示すブロック図である。
【図9】この発明の第2の実施の形態における同期保護回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】この発明の第3の実施の形態における同期保護回路の構成を示すブロック図である。
【図11】従来の同期保護回路の一例の構成を示すブロック図である。
【図12】同期保護回路に入力されるデータのフレーム構造の一例を示す概略図である。
【図13】同期シンボル検出回路の入力に対する動作説明のための概略図である。
【図14】従来の同期保護回路のうちの保護回路の構成を示すブロック図である。
【図15】従来の同期保護回路による後方保護の動作説明のためのタイミングチャートである。
【図16】従来の同期保護回路による前方保護の動作説明のためのタイミングチャートである。
【図17】従来の同期保護回路による後方保護の動作説明のためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
101 入力端子
102 同期シンボル検出回路(同期シンボル検出手段)
103 制御回路(制御手段)
104 保護回路(保護手段)
105 保護回路(保護手段)
106 選択回路(選択手段)
107 同期パルス出力端子
801 制御回路
802 保護回路
803 選択回路
Claims (4)
- フレーム構造を有するディジタルデータ系列を入力とし、前記ディジタルデータ系列に含まれるフレーム同期信号に基づいて同期の捕捉を行うとともに同期の保護を行う同期保護回路であって、
同期シンボル検出手段と、制御手段と、N個(ただし、Nは2以上の整数)の保護手段とを備え、
前記同期シンボル検出手段は、前記ディジタルデータ系列よりフレーム同期信号を表す所定のパターンを検出し、前記所定のパターンを検出したことを示す信号を前記制御手段と前記N個の保護手段に供給し、
前記制御手段は、前記同期シンボル検出手段からの信号が入力される毎に、前記N個の保護手段のうちから一個の保護手段を所定の順に選択し、選択された保護手段のみに同期の捕捉動作の開始を示す信号を供給し、
前記保護手段は、前記制御手段からの信号の入力毎に同期の捕捉動作を開始して同期が確立された場合に同期のタイミングを示す同期パルスを出力し、前記同期の捕捉動作では、前記制御手段からの信号の入力時を起点としたフレーム周期毎に前記同期シンボル検出手段からの信号の入力を確認し、所定の回数連続して入力が確認されたときに同期が確立したと判断することを特徴とする同期保護回路。 - 保護手段は、制御手段からの信号の入力時を起点としたフレーム周期毎に同期シンボル検出手段からの信号の入力を確認し、入力が確認されたときに制御手段に対して信号の出力停止を示す信号を供給し、
前記制御手段は、前記保護手段からの信号が入力されると以降N個の保護手段に対する同期の捕捉動作の開始を示す信号の出力を止めることを特徴とする請求項1記載の同期保護回路。 - 保護手段は、制御手段からの信号の入力時を起点としたフレーム周期毎に同期シンボル検出手段からの信号の入力を確認し、所定の回数連続して入力が確認されなかったときに同期パルスの出力を停止し、
制御手段は、少なくとも一つの保護手段が同期パルスを出力している状態から全ての保護手段が同期パルスを出力しない状態へと変化したときにN個の保護手段に対する同期の捕捉動作の開始を示す信号の供給を再開することを特徴とする請求項2記載の同期保護回路。 - フレーム構造を有するディジタルデータ系列を入力とし、前記ディジタルデータ系列に含まれるフレーム同期信号に基づいて同期の捕捉を行うとともに同期の保護を行う同期保護方法であって、
同期シンボル検出ステップと、制御ステップと、N個(ただし、Nは2以上の整数)の保護ステップとを含み、
前記同期シンボル検出ステップは、前記ディジタルデータ系列よりフレーム同期信号を表す所定のパターンを検出し、前記所定のパターンを検出したことを示す信号を前記制御ステップと前記N個の保護ステップに供給し、
前記制御ステップは、前記同期シンボル検出ステップからの信号が入力される毎に、前記N個の保護ステップのうちから一個の保護ステップを所定の順に選択し、選択された保護ステップのみに同期の捕捉動作の開始を示す信号を供給し、
前記保護ステップは、前記制御ステップからの信号の入力毎に同期の捕捉動作を開始して同期が確立された場合に同期のタイミングを示す同期パルスを出力し、前記同期の捕捉動作では、前記制御ステップからの信号の入力時を起点としたフレーム周期毎に前記同期シンボル検出ステップからの信号の入力を確認し、所定の回数連続して入力が確認されたときに同期が確立したと判断することを特徴とする同期保護方法。
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