JP3695013B2 - 用紙送り装置および印字装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、用紙送り装置および印字装置に関し、特に、送りローラとそれに接する押さえローラの間に用紙を薄板状の案内片で導くようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、図7に示すように、用紙を送るための用紙通路を形成する通路壁91、92の開口93から送りローラ94の一側を露出し、その送りローラ94の露出部分に押さえローラ96を当接し、送りローラ94を駆動源で回転することで送りローラ94と押さえローラ96とで用紙を挟持して下流側へ送り、下流側の通路壁92上で印字動作等をするものが知られている。
【0003】
この種の構造では、押さえローラを支持するレバー部材97の下面と上流側の通路壁91との間をとおって用紙Sが両ローラ94、96間に導かれるが、押さえローラ96が比較的小径であると、レバー部材97の下面と押さえローラ96の外周との交点95に直角に近い凹みができ、これに用紙の先端が当たると、用紙を送り出しにくくなるだけでなく、レジスト位置が狂う問題がある。特に、印字装置において、用紙の後端近くまで印字するために、押さえローラ96のすぐ近くに印字機構を配置したものでは、印字機構との干渉を避けるために押さえローラ96をできるだけ小径にしなけらばならない。レバー部材97と送りローラ94との間隔は、組み付け誤差等を考慮して所定値以上確保しなければならないから、押さえローラ96を小径にすればするほど、交点95は直角に近づく。
【0004】
さらに、図7に示すように、送りローラ94と押さえローラ96との接点が下流側へ少しずれて位置し、用紙を下流側の通路壁92に対して上方から鋭角をなして送り出す紙送り装置の場合、用紙は、下流側の通路壁92に対して平行でなく、上方から鋭角をなすように送り出され、通路壁92とほぼ密着しながら移動するため、通路壁92上で印字動作等の作業をするものにおいて、浮き上がることが少ない利点がある。しかし、押さえローラ96は送りローラ94に対して下流側に偏って位置するため、上流側から見ると、送りローラ94の頂部を越えた用紙の先端が押さえローラの外周とレバー部材下面がなす交点95に当たりやすくなる。 米国特許第5527123号明細書および図面には、押さえローラを支持する部材側に、板ばね等の薄板状の案内片を設け、その案内片が上流側から送りローラの外周に接近しながら、複数の押さえローラ間をとおって送りローラの下流側外周に接触するようにしたものが記載されている。このものは、用紙後端にできるだけ近くまで印字するために、用紙が押さえローラを離れても、案内片と送りローラとで挟持するようにしたものであり、押さえローラと案内片とで交点ができることにおいて、上記のものと変わりがなく、上記の問題点を完全に解消するには至っていない。
【0005】
本発明は、送りローラとそれに接する押さえローラの間に用紙を円滑に導くことができるようにするとともに、印字機構に対する用紙の頭出しを正確に行うことができるようにするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、用紙を送るための用紙通路を形成する通路壁と、
その通路壁から一側を露出した送りローラと、
その送りローラの露出部分に当接し、その送りローラと共同して用紙を挟持して送る押さえローラと、
前記用紙通路を挟んで前記通路壁と反対側に位置し、前記両ローラの用紙送り方向上流側から前記送りローラに向けて延び、前記両ローラの接点よりも上流側において前記送りローラの外周に弾性接触する薄板状の案内片と
を備える用紙送り装置にある。
【0007】
この構成により、用紙を両ローラに向け上流側から送り込むと、用紙の先端は通路壁または案内片に導かれて、案内片と送りローラの接点に入り、案内片に押されながら押さえローラと送りローラ間に挟持され、両ローラで送ることができる状態になる。したがって押さえローラがきわめて小径であっても、用紙先端が押さえローラに達する前に、その用紙は案内片により送りローラ側へ押され、押さえローラ外周の上方部分には当接することなく、押さえローラと送りローラの間に挟持され、下流側への送りを円滑に行うことができる。
【0008】
また請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記押さえローラは、前記用紙通路を挟んで前記通路壁と反対側において前記両ローラの用紙送り方向上流側に位置しかつ前記送りローラと平行な軸線のまわりで揺動可能なレバー部材に支持され、前記案内片はそのレバー部材に一端を固定され、他端を前記送りローラに接触している用紙送り装置にある。
【0009】
この構成により、上記請求項1の作用効果を奏するのはもちろんのこと、押さえローラが揺動可能なレバー部材に支持されて送りローラに所定圧力で接触するとともに、案内片もレバー部材に固定されて他端を送りローラに接触し、レバー部材に両者を組み付ければ、両者の相対位置がおのずと決まり容易に組み付けることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、送りローラと、その送りローラに向けて付勢された押さえローラとを備え、その両ローラにて用紙を挟持し下流側に設けられた通路壁に対して上方から鋭角をなして送り出す用紙送り装置において、
前記押さえローラが、前記両ローラの用紙送り方向上流側で両ローラ間の用紙通路を挟んで前記送りローラとは反対側に位置しかつ前記送りローラと平行な軸線のまわりで揺動可能なレバー部材に支持され、
前記両ローラの用紙送り方向上流側から前記両ローラの接点よりも上流側において前記送りローラの外周に弾性接触する薄板状の案内片を設けた用紙送り装置にある。
【0011】
この構成において、用紙は、押さえローラと送りローラから下流側の通路壁に対して平行でなく、上方から鋭角をなすように送り出され、下流側の通路壁とほぼ密着しながら移動するため、下流側の通路壁上で印字動作等の作業をするものにおいて、送り出された用紙が浮き上がることが少ない。しかし、送りローラの頂部を越えた用紙の先端が押さえローラの外周とレバー部材下面がなす交点に当たりやすくなるのを、案内片を設けることで、用紙先端が上記交点に向かう前に、送りローラ側へ押されて押さえローラと送りローラの間に挟持され、下流側への送りを円滑に行うことができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかにおいて、前記送りローラと案内片との接点の上流側で用紙先端のレジストを行う用紙送り装置にある。この構成により、上記請求項1から3のいずれかの作用効果を奏するのはもちろんのこと、用紙先端を送りローラと案内片との接点の上流側でレジストし、その後送りローラと押さえローラとで挟持して送り出す。従来のように用紙先端が押さえローラの外周に対し正規のレジスト位置以外の位置に当たることがなく、正確にレジストすることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、送りローラと、
その送りローラとの間に用紙を挟持し下流側に送り出す押さえローラと、
前記両ローラの用紙送り方向上流側から前記両ローラの接点よりも上流側において前記送りローラの外周に弾性接触し、その上流側で用紙先端のレジストを行う薄板状の案内片と、
前記両ローラの下流側に設けられた印字機構と、
用紙の種類を示す信号にもとづいて前記レジスト位置から前記印字機構へ向けての用紙の頭出し送り量を制御する制御装置と
を備える印字装置にある。
【0014】
この構成により、用紙先端を送りローラと案内片との接点の上流側でレジストし、その後送りローラと押さえローラとで挟持して送り出す。従来のように用紙先端が押さえローラの外周に対し正規のレジスト位置以外の位置に当たることがなく、正確にレジストすることができる。この場合、送りローラの外周と案内片とがきわめて緩やかに接近することになるため、通常の薄紙と封筒などの厚紙とで、送りローラの外周と案内片間に食い込む量が変わる、すなわちレジスト位置が変わる。制御装置は、用紙の種類を示す信号にもとづいてレジスト位置から印字機構へ向けての用紙の頭出し送り量を制御することで、ほぼ一定の頭出し位置からの印字を可能にする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記印字機構は、インク滴を用紙に向けて吐出して印字するインクジェット式印字ヘッドを備える印字装置にある。請求項5の印字装置は、インクジェット式印字ヘッドを備えるものに好適に実施することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をインクジェット式印字装置に具体化した図面を参照して説明する。
【0017】
この印字装置は、給紙装置2から用紙Sを1枚ずつ送り出し、さらに用紙送り装置7によりその用紙を印字機構1の前面に送り、用紙Sに所定の印字を行い、印字装置外に排出する。用紙Sは、一定寸法の矩形状に裁断されたいわゆる単票用紙である。
【0018】
印字機構1には、ガイドレール10に沿って往復移動するキャリッジ11と、キャリッジ11に支持されたインクカートリッジ12及び印字ヘッド13が設けられる。ガイドレール10は、給紙装置2から供給される用紙Sの幅方向、すなわち用紙Sの表面と平行でかつ用紙Sの送り方向と直交する方向に配置される。印字時には、キャリッジ11が不図示の駆動源(図5のモータ103)にて往復駆動されつつ印字ヘッド13からその下方を通過する用紙Sに向かってインク滴が吐出され、それにより用紙Sに文字や図形からなる画像が印字される。
【0019】
給紙装置2には、用紙Sを積層状態で収容するホッパ3と、ホッパ3から用紙Sを送り出すための送出機構4と、ホッパ3から送り出される用紙Sが突き当たるように設けられた壁部5とが設けられる。ホッパ3の内部には、用紙Sを積層支持する押上板31が設けられる。押上板31はホッパ3の後端側に設けられた回動軸34を中心として回動可能であり、ばね35により用紙Sの先端側が送出機構4に向け押し上げ付勢されている。
【0020】
送出機構4には、用紙Sの幅方向と平行な支持軸40と、支持軸40上に取付けられた給紙ローラ41とが設けられる。壁部5には、ホッパ3の先端から下降する用紙Sを受け止める用紙受け面50と、この用紙受け面50の上方に連続し、ホッパ3から送り方向前方へ向かうにしたがって上昇する傾斜面51とが形成される。傾斜面51は、ホッパ3から送り出される用紙Sを一枚ずつに分離する作用を有するもので、摩擦部材など公知の分離手段が適宜併設されてもよい。
【0021】
給紙装置2には、さらに印字装置の外郭を構成するカバー部材63の上面に、手差し用紙のための挿入口21が設けられる。手差し挿入口21は、送出機構4よりも下流側で用紙送り装置7よりも上流側に開口している。
【0022】
用紙送り装置7には、印字機構1の上流側に設けられた送りローラ70および押さえローラ71と、押さえローラ71を支持するレバー部材75と、下流側に設けられた排出ローラ対72、73と、用紙通路を形成するための通路壁61、62と、用紙検出器8などが設けられる。通路壁61、62は、ホッパ3、送出機構4および印字機構1を支持する印字装置のフレーム60の一部に形成され、用紙受け面50から連続して印字ヘッド13と対向する位置へ延びる。
【0023】
送りローラ70は、用紙幅方向と平行な軸線のまわりに回転可能に設けられ、大部分を通路壁61、62の下に位置し、その両通路壁61、62間の開口64から一部上面を露出している。押さえローラ71は、図2に示すように用紙幅方向に複数個設けられ、それぞれ送りローラ70の露出部分に接触する。複数個の押さえローラ71は、適数個(例えば3個)ずつ1本の棒状部材74上に間隔をおいて形成され、各押さえローラ間に小径部74aが形成されている。
【0024】
押さえローラ71を支持するレバー部材75は、各棒状部材74に対してそれぞれ一対設けられ、一対のうちの一方のもの75aが棒状部材74の一端の軸部74bを回転可能に支持し、他方のもの75bが、棒状部材74の他端の軸部74cを回転可能に支持する。各部分75a、75bは、以下のように取付部材76にそれぞれ独立して揺動可能に支持される。
【0025】
取付部材76は、図2、図3に示すように、用紙幅方向に長く形成され、各部分75a、75bに対して一対の支持片76aを長手方向に所定間隔をおいて複数対有する。各部分75a、75bは、その左右両側付近に設けたアーム77に軸77aを突出し、アーム77の弾性を利用して軸77aを支持片76aの軸受孔に嵌合することにより、揺動可能に支持される。この揺動の中心は、両ローラ70、71の用紙送り方向上流側で、用紙通路を挟んで送りローラ70とは反対側に位置し、かつ送りローラ70と平行な軸線である。この場合、アーム77および軸77aを取付部材76側に、軸受孔を各部分75a、75b側に形成することもできる。
【0026】
各部分75a、75bはまた、取付部材76と各部分75a、75bとの間に挿入したばね78により、棒状部材74の両端をそれぞれ独立して送りローラ70に向け付勢している。つまり、送りローラ70の外周の凹凸、または用紙の厚さの変化などがあっても、棒状部材74が傾いて、各押さえローラ71をできる限り均等に送りローラ70に接触させる。
【0027】
レバー部材75は、図1に示すように、側面において「く」字形をなし、押さえローラ71側の端部を印字機構1にできる限り接近させ、ばね78で押圧される側の端部をそれよりも上流側で通路壁61から離れる方向に立ち上がらせた形状をなす。この形状によって、通路壁61と対向する面75cは、給紙装置2から送られた用紙の先端をローラ70、71に導くための用紙通路を通路壁61と共同して形成する。
【0028】
またレバー部材75の各部分75a、75bには、弾性のある薄板状の案内片79が固定される。案内片79は、樹脂製のフィルム材または板ばね等により製作され、一端を各部分75a、75bの押さえローラ71から上流側へ離れた面(上記面75cよりやや上の位置)に貼付され、自由端を図4に示すように、押さえローラ71間の小径部74aをとおって各部分75a、75bの印字機構側端部よりも下流側に突出している。案内片79は、押さえローラ71よりも上流側において送りローラ70の上面に弾性接触しており、その接点Pよりも上流側の案内片79と送りローラ70との間で、用紙先端をレジストするためのニップ部を形成する。案内片79はレバー部材75の表面よりも没したところに貼付され、その表面から緩やかな角度で湾曲しながら送りローラ70に向け突出している。
【0029】
ローラ70、71よりも下流側の通路壁62は、印字ヘッド13と対向するいわゆるプラテン面を形成しているが、ローラ70に近い端部において印字ヘッド13から最も離れ、下流側に向け漸次接近するように傾斜面62aを有する。傾斜面62aの上端とほぼ同じ高さにに排出ローラ対72、73の接点部が位置する。排出ローラ対72、73のうちの上のローラ73は、外周にとがった突起を多数有するいわゆる拍車ローラである。
【0030】
押さえローラ71は、送りローラ94の外周と排出ローラ対72、73の接点部とをとおる接線に対する送りローラ94の接点よりも下流側へ少しずれた位置で、送りローラ70と接触する。この結果、両ローラ70、71の接点をとおる接線Aは、傾斜面62aに対して上方から鋭角Bをなす。また案内片79も傾斜面62aに対して鋭角をなすように下降傾斜し、かつローラ70、71の接点部と排出ローラ対72、73の接点部とを結ぶ線Cに対しても傾斜している。案内片79の下端は、上記線Cよりも傾斜面62a側に突出している。
【0031】
したがって、ローラ70、71から送り出された用紙の先端は、傾斜面62aに鋭角に当接してその傾斜面62aにほぼ密着しながら進み、排出ローラ対72、73に挟まれる。ローラ70、71と排出ローラ対72、73間にわたった用紙は、ローラ70、71よりも排出ローラ対72、73の方がわずか高速で用紙を送るように設定されているため、上記線Cに沿って張られた状態になる。用紙の後端がローラ70、72から外れると、その後端は案内片79に押さえられながら印字ヘッド13にきわめて近い位置まで進む。このように、用紙の先端と後端は、浮き上がって印字ヘッド13を擦り、インクで汚れることから回避される。
【0032】
図5は、この印字装置の概略の電気的構成を示すブロック図である。制御装置101は、公知のCPU、ROM、RAMなどから構成され、I/F部をとおして受信したデータにもとづいて、印字ヘッド13、紙送りモータ102、キャリッジモータ103を駆動する。用紙検出器8は、図1に示すようにローラ70、71の上流側の用紙通路に突出したレバー81とそのレバーによって操作されるスイッチ手段82からなり、同通路内の用紙の存否を制御装置101に知らせる。
【0033】
図7は、用紙を給紙装置2から印字開始位置へ吸入するための制御装置101の制御内容を示すフローチャートである。パソコン等の上位装置から用紙の吸入信号が入ると、制御装置は紙送りモータ102を駆動し、用紙の吸入を開始する(S1)。まず紙送りモータ102によって給紙ローラ41が図1において時計方向に回転すると、ホッパ3から用紙Sが1枚送り出される。用紙Sの先端は、レバー部材75の面75cまたは案内片79と通路壁61との間の用紙通路に、それらに案内されながら入って、用紙検出器8を操作した後、送りローラ70と案内片79との間のニップ部でレジストされる(図4)。このとき、モータ102はローラ70、72を停止または反時計方向に回転しており、用紙Sをレジスト位置よりも下流側へは送らない。
【0034】
モータ102はホッパ3からレジスト位置までの距離分回転すると、回転方向を切り換え、給紙ローラ41を停止する一方、ローラ70、72を時計方向に回転し、用紙を案内片79に押されながら送りローラ70により押さえローラ71に向け送ってそのローラ70、71間に挟持し、印字ヘッド13に向け送る。この前に用紙検出器8が用紙を検出している(S2:Yes)と、制御装置101は上位装置から受信した用紙の種類に関するデータを判別し(S5)、通常の薄紙の場合(S5:Yes)、レジスト位置からモータ102を一定量回転させ、用紙の第一印字位置を印字ヘッド13に対向させる(S7)。はがき、封筒などの厚紙の場合(S5:No)、送りローラ70と案内片79との間のニップ部に先端が入り込む量が少なくなるので、モータ102を上記一定量+αだけ回転させることで、上記薄紙と同じ上端余白をおいた第一印字位置を印字ヘッド13に対向させることができる(S6)。
【0035】
つまり、制御装置101は、用紙の種類に対応してレジスト位置から印字機構1へ向けての用紙の頭出し送り量(薄紙の場合は上記の一定量、厚紙の場合は上記の一定量+α)を予めROMに記憶しており、用紙の種類を示す信号に応じてそれを読み出し、用紙の種類に拘わらす頭出し位置をほぼ一定に制御する。上記αは送りローラ70の大きさ、案内片79の弾性力等によって決められる。用紙の種類は2種類だけでなく、多段階に決めることができる。
【0036】
給紙ローラ41の回転当初から、レジスト位置までの距離相当以上モータ102を回転しても、用紙検出器8が用紙を検出しないとき(S2:No、S3:Yes)、用紙がジャムしたかホッパ3に用紙がないとしてエラー処理をして(S14)、制御を終了する。
【0037】
手差し挿入口21から用紙が挿入され、用紙先端が上記レジスト位置にあると、用紙の挿入を開始する当初から用紙が検出されている(S2:Yes)から、モータ102は給紙ローラ41を回転することなく、ローラ70、72を上記のように時計方向に用紙の種類に応じた量だけ回転する(S6、S7)。
【0038】
用紙が正常に吸入されたとき、制御装置101は、印字動作にともなう改行送りが進行して、用紙後端が用紙検出器8を通過したのちも、所定距離を送るまではまだ用紙があるものとして印字動作を継続し、用紙の後端近くまで印字する。用紙後端の余白は適宜設定可能であるが、案内片79により用紙を押さえることで、押さえローラ71から離れても紙後端の浮き上がりを押さえ、後端近くまで正確に印字することができる。
【0039】
以上のように、用紙Sを両ローラ70、71に向け給紙装置2側から送り込むと、用紙Sの先端は通路壁61または案内片79に導かれて、案内片79と送りローラ70のニップ部にレジストされ、送りローラ70の回転により案内片79に押されながら押さえローラ71に向け送られ、送りローラ70と押さえローラ71間に挟持され、両ローラ70、71で送られるようになる。したがって押さえローラ71がきわめて小径であっても、用紙先端が押さえローラ71に達する前に、その用紙は案内片79により送りローラ70側へ押され、押さえローラ71外周の上方部分には当接することなく、押さえローラ71と送りローラ70の間にスムーズに挟持される。
【0040】
また、これにより従来のように用紙先端が押さえローラの外周に対し正規のレジスト位置以外の位置に当たることがなく、正確にレジストすることができ、ほぼ一定の頭出し位置から印字をすることができる。
【0041】
この場合、送りローラの外周と案内片とがきわめて緩やかに接近するため、通常の薄紙と封筒などの厚紙とで、レジスト位置が変わることになるが、用紙の種類を示す信号にもとづいてレジスト位置から印字機構へ向けての用紙の頭出し送り量を制御することで、用紙の種類に拘わらずほぼ一定の頭出し位置から印字をすることができる。
【0042】
さらに、押さえローラ71、案内片79をレバー部材75に組み付け、その両者を送りローラ70にそれぞれ接触させることで、容易に組み付けることができるだけでなく、送りローラ70の表面に凹凸があったり、用紙に厚さの変化があったりしてレバー部材75が送りローラの回転にともなってわずか上下動しても、案内片79が弾性変形によって送りローラ70との接触を維持し、用紙を正確に案内およびレジストすることができる。また押さえローラ71、案内片79を、用紙の幅方向にわたって適宜の間隔で配置してあるので、用紙幅全体において押さえローラ71による送り、案内片79による前述の押さえ効果を達成することができ、用紙を傾くことなく正確に送ることができる。
【0043】
用紙を、押さえローラ71と送りローラ70から下流側の通路壁62に対して平行でなく、上方から鋭角をなすように送り出すものにおいては、送りローラ70の頂部を越えた用紙の先端が押さえローラ71の外周とレバー部材75下面がなす交点に当たりやすくなるのを、用紙先端がその交点に向かう前に、その先端を案内片79によって送りローラ70側へ押し、押さえローラ71と送りローラ70の間にスムーズに挟持し、通路壁62に対しほぼ密着するように送り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した印字装置の要部縦断面図。
【図2】押さえローラ71、レバー部材75、取付部76材部分の一部正面図。
【図3】レバー部材75を取付部材76に支持するための構成を示す斜視図。
【図4】図1の用紙送り装置7の一部拡大図。
【図5】印字装置の概略の電気的構成を示すブロック図。
【図6】用紙吸入のための制御内容を示すフローチャート。
【図7】従来の印字装置の用紙送り装置の図4相当図
【符号の説明】
1 印字機構
61、62 通路壁
70 送りローラ
71 押さえローラ
72、73 排出ローラ対
75 レバー部材
79 案内片
Claims (6)
- 用紙を送るための用紙通路を形成する通路壁と、
その通路壁から一側を露出した送りローラと、
その送りローラの露出部分に当接し、その送りローラと共同して用紙を挟持して送る押さえローラと、
前記用紙通路を挟んで前記通路壁と反対側に位置し、前記両ローラの用紙送り方向上流側から前記送りローラに向けて延び、前記両ローラの接点よりも上流側において前記送りローラの外周に弾性接触する薄板状の案内片と
を備える用紙送り装置。 - 請求項1において、前記押さえローラは、前記用紙通路を挟んで前記通路壁と反対側において前記両ローラの用紙送り方向上流側に位置しかつ前記送りローラと平行な軸線のまわりで揺動可能なレバー部材に支持され、前記案内片はそのレバー部材に一端を固定され、他端を前記送りローラに接触している用紙送り装置。
- 送りローラと、その送りローラに向けて付勢された押さえローラとを備え、その両ローラにて用紙を挟持し下流側に設けられた通路壁に対して上方から鋭角をなして送り出す用紙送り装置において、
前記押さえローラが、前記両ローラの用紙送り方向上流側で両ローラ間の用紙通路を挟んで前記送りローラとは反対側に位置しかつ前記送りローラと平行な軸線のまわりで揺動可能なレバー部材に支持され、
前記両ローラの用紙送り方向上流側から前記両ローラの接点よりも上流側において前記送りローラの外周に弾性接触する薄板状の案内片を設けた用紙送り装置。 - 請求項1から3のいずれかにおいて、前記送りローラと案内片の接点の上流側で用紙先端のレジストを行う用紙送り装置。
- 送りローラと、
その送りローラとの間に用紙を挟持し下流側に送り出す押さえローラと、
前記両ローラの用紙送り方向上流側から前記両ローラの接点よりも上流側において前記送りローラの外周に弾性接触し、その上流側で用紙先端のレジストを行う薄板状の案内片と、
前記両ローラの下流側に設けられた印字機構と、
用紙の種類を示す信号にもとづいて前記レジスト位置から前記印字機構へ向けての用紙の頭出し送り量を制御する制御装置と
を備える印字装置。 - 請求項5において、前記印字機構は、インク滴を用紙に向けて吐出して印字するインクジェット式印字ヘッドを備える印字装置。
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JP25861796A JP3695013B2 (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 用紙送り装置および印字装置 |
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JP25861796A JP3695013B2 (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 用紙送り装置および印字装置 |
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JPH10101247A JPH10101247A (ja) | 1998-04-21 |
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