JP3692600B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室内の第1および第2空調ゾーンへの吹出風温度を独立に制御するとともに、各空調ゾーンに対応して設けられた第1および第2日射量検出手段の検出値に基づいて、各空調ゾーンへの吹出風を増加させる車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ファンにより発生した空気を車室内の第1および第2空調ゾーンに吹き出す車両用空調装置において、第1および第2空調ゾーンのそれぞれに対応して第1および第2日射センサを設け、これらのセンサの検出値に基づいてファンの回転数を増加させ、各空調ゾーンへの吹出風量を増加させることによって、日射による車室内乗員の温熱感を解消するようにした車両用空調装置が従来から知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような車両用空調装置では、ファンの回転数が増加したときに各空調ゾーンへの吹出風量がともに増加するように構成された場合、つまり、各空調ゾーンへの吹出風量を独立に制御できない構成の場合、各空調ゾーンのうちの一方のみに日射が照射されたときに、他方の空調ゾーンに対する冷房が過度になり、他方の空調ゾーンの乗員を不快にしてしまうという問題が発生する。
【0004】
例えば、第1空調ゾーンのみに日射が照射される場合、第1日射センサの検出値に基づいてファンの回転数が増加し、各空調ゾーンへの吹出風量がともに増加する。このとき、第1空調ゾーンの乗員に対しては、吹出風量の増加によって日射による温熱感を解消させることができる。しかし、第2空調ゾーンの乗員に対しては、日射が照射されていないにも係わらず吹出風量が増加することによって冷房が過度となり、その結果、不快に感じさせてしまう。
【0005】
そこで、本発明は上記問題に鑑み、送風手段の送風能力が増加したときに第1および第2空調ゾーンへの吹出風量がともに増加するように構成された車両用空調装置において、上記各空調ゾーンのちの一方のみに日射が照射されたときに、送風手段の送風能力を増加させることによって、上記一方の空調ゾーンの乗員の日射による温熱感を解消しながら、このとき他方の空調ゾーンの乗員に対して、過度の冷房による不快感を与えないようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1〜4記載の発明は、
第1検出日射量と第2検出日射量とに基づいて、送風手段の送風能力を増加させる送風能力制御手段を有し、
第1検出日射量に対して第2検出日射量の方が少ないとき、これらの検出日射量の差に応じて、第2空調ゾーンへの吹出風温度を高くするように第2温度調節手段を制御することを特徴としている。
【0007】
これによると、第1検出日射量に対して第2検出日射量の方が少ないとき(例えば第1空調ゾーンのみに日射が照射されたとき)、上記各検出日射量に基づいて送風手段の送風能力が増加する。その結果、第1および第2空調ゾーンへの各吹出風量がともに増加する。従って、第1空調ゾーンの乗員に対しては、吹出風量の増加によって日射による温熱感を解消させることができる。
【0008】
このとき、日射が照射されない第2空調ゾーンへの吹出風量も増加するわけだが、この第2空調ゾーンへの吹出風温度が、第1検出日射量と第2検出日射量との差に応じて高くなるので、第2空調ゾーンの乗員に対して過度の冷房による不快感を与えないようにすることができる。
なお、請求項1記載の発明でいう「送風手段の送風能力が増加したときに各空調ゾーンへの吹出風量がともに増加する」構成とは、各空調ゾーンへの吹出風量を独立に制御できない構成を意味している。
【0009】
また、請求項1記載の発明は、第1検出日射量と第2検出日射量とに基づいて送風手段の送風能力を増加させるための方法として、送風手段の送風能力が、第1送風能力(第1検出日射量の増加に応じて増加する)と第2送風能力(第2検出日射量の増加に応じて増加する)との間の第3送風能力となるように送風手段を制御する方法を採る。
【0010】
そして更に、第1検出日射量に対して第2検出日射量の方が少ないとき、これらの検出日射量の差に応じて、第1空調ゾーンへの吹出風温度を低くするように第1温度調節手段を制御することを特徴としている。
これによると、送風能力が上記第3送風能力となるように送風手段を制御すると、第1検出日射量に対して第2検出日射量の方が少ないとき(例えば第1空調ゾーンのみに日射が照射されたとき)には、第1空調ゾーンへの吹出風量は、本来の吹出風量(第1送風能力における吹出風量)よりも少なくなる。
【0011】
従って、吹出風量の面では、第1空調ゾーンの乗員の日射による温熱感を解消できなくなるが、その分、第1検出日射量と第2検出日射量の差に応じて、第1空調ゾーンへの吹出風温度を低くするので、第1空調ゾーンの乗員の日射による温熱感を解消することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を自動車用空調装置として用いた第1実施形態について、図1〜9を用いて説明する。
本実施形態は、第1空調ゾーンとしての前席側空間および第2空調ゾーンとしての後席側空間を空調するための空調ユニット1における各空調手段を、ECU20(制御装置)によって制御するものである。
【0013】
まず、図1を用いて上記空調ユニット1の構成を説明する。
空調ケース2の空気上流側部位には、内気を吸入するための内気吸入口3、外気を吸入するための外気吸入口4、およびこれらの吸入口3、4を開閉する内外気切換ドア5が設けられている。この内外気切換ドア5は、その駆動手段としてのサーボモータ27(図2参照)によって駆動される。
【0014】
この内外気切換ドア5の下流側部位には、送風手段としてのファン6が配設されている。このファン6は、その駆動手段としてのブロワモータ7によって駆動され、ファン6の回転数、すなわち車室内への送風量は、ブロワモータ7に印加されるブロワ電圧によって制御される。なお、このブロワ電圧はECU20(図2参照)によって決定される。
【0015】
ファン6の下流側には、空気冷却手段をなす蒸発器8が配設されている。この蒸発器8は、自動車のエンジンによって駆動される圧縮機の他に、凝縮器や減圧手段等とともに周知の冷凍サイクル(それぞれ図示しない)を構成するものである。
蒸発器8の空気下流側部位には、空気加熱手段としてのヒータコア9が配設されている。このヒータコア9は、内部にエンジン冷却水が流れ、この冷却水を熱源として空気を再加熱するものである。
【0016】
ヒータコア9の空気上流側には仕切板10が配設されている。また、空調ケース2内のうちヒータコア9の両側方(図1の上下)には、蒸発器8で冷却された冷風がヒータコア9をバイパスする前席バイパス通路11a、後席バイパス通路11bが形成されている。ヒータコア9の空気上流側には、前席エアミックスドア12a(第1温度調節手段)、後席エアミックスドア12b(第2温度調節手段)が設けられており、これらのドア12a、12bは、その駆動手段としての前席サーボモータ28a(図2参照)、後席サーボモータ28b(図2参照)によって駆動される。
【0017】
そして、仕切板10より図1中上方のヒータコア9を通る冷風量と、前席バイパス通路11aを通る冷風量との割合が、前席エアミックスドア12aの開度によって調節され、仕切板10より図1中下方のヒータコア9を通る冷風量と、後席バイパス通路11bを通る冷風量との割合が、後席エアミックスドア12bの開度によって調節される。
【0018】
また、ヒータコア9よりも空気下流側における空調ケース2には、前席エアミックスドア12aにて温度調節された空調風を前席側空間に導く前席ダクト13a(第1空気通路)と、後席エアミックスドア12bにて温度調節された空調風を後席側空間に導く後席ダクト13b(第2空気通路)とが接続されている。
前席ダクト13aの下流端には、前席フェイス吹出口14a、前席フット吹出口15a、およびデフロスタ吹出口16がそれぞれ形成されている。このうち前席フェイス吹出口14aは、前席乗員の上半身に向けて空調風を吹き出す吹出口で、前席フット吹出口15aは、前席乗員の足元に向けて空調風を吹き出す吹出口で、デフロスタ吹出口16は、フロントガラス内面に向けて空調風を吹き出す吹出口である。
【0019】
また、後席ダクト13bの下流端には、後席フェイス吹出口14bおよび後席フット吹出口15bが形成されている。このうち後席フェイス吹出口14bは、後席乗員の上半身に向けて空調風を吹き出す吹出口で、後席フット吹出口15bは、後席乗員の足元に向けて空調風を吹き出す吹出口である。
そして、前席ダクト13a内には、前席フェイス吹出口14aへの空気通路を開閉する前席フェイスドア17aと、前席フット吹出口15aへの空気通路を開閉する前席フットドア18aと、デフロスタ吹出口16への空気通路を開閉するデフロスタドア19が設けられている。これらのドア17a、18a、19は、その駆動手段としてのサーボモータ29a(図2参照)によって駆動される。
【0020】
また、後席ダクト13b内には、後席フェイス吹出口14bへの空気通路を開閉する後席フェイスドア17bと、後席フット吹出口15bへの空気通路を開閉する後席フットドア18bとが設けられている。これらのドア17b、18bは、その駆動手段としてのサーボモータ29b(図2参照)によって駆動される。
次に、図2を用いて本実施形態の制御系の構成を説明する。
【0021】
ECU20は、図示しないCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータや、ブロワモータ7へ印加するブロワ電圧を制御する駆動回路、A/D変換回路等を備え、自動車のエンジンの図示しないイグニッションスイッチが閉じたときに、図示しないバッテリから電源が供給される。
ECU20の入力端子には、車室内空気温度を検出する内気温センサ21、外気温度を検出する外気温センサ22、車室内前席側空間に照射される日射量を検出する前席日射センサ23a、車室内後席側空間に照射される日射量を検出する後席日射センサ23b、蒸発器8を通過した直後の空気温度を検出する蒸発器温度センサ24、ヒータコア9に流入するエンジン冷却水温を検出する水温センサ25、前席乗員が自分の希望する前席側温度を設定するための前席温度設定器26a、および後席乗員が自分の希望する後席側温度を設定するための後席温度設定器26bからの各信号が入力される。
【0022】
上記前席日射センサ23aは、車両前席のダッシュボード上に配設され、後席日射センサ23bは、車両後席のリアトレイ上の略中央部に配設されている。
なお、上記各センサ21〜25からの各信号は、上記A/D変換回路にてA/D変換された後、上記マイクロコンピュータへ入力される。
また、ECU20の出力端子からは、上記ブロワモータ7およびサーボモータ27、28a、28b、29a、29bに対して制御信号が出力される。
【0023】
このように、本実施形態は、前席エアミックスドア12aと後席エアミックスドア12bは、それぞれのサーボモータ28a、28bによって独立に駆動され、これらのサーボモータ28a、28bはECU20によってそれぞれ独立に制御されるので、前席側空間および後席側空間への各吹出風温度を独立に制御できる。
【0024】
また、同一のファン6が発生した空気流を前席側空間および後席側空間へそれぞれ吹き出す構成であるため、ファン6の回転数が増加したときには、各席へは同じ風量ずつ増加する。つまり、各空間への吹出風量は独立に制御できない。
次に、上記マイクロコンピュータが行う制御処理を、図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0025】
イグニッションスイッチがオンされて、ECU20に電源が供給されると、図3のルーチンが起動され、ステップS10にて初期化処理を行い、次のステップS20にて、上記各センサ21〜25の各検出値、および上記各温度設定器26a、26bによる各設定温度を読み込む。
そして、次のステップS30に移ると、図4に示すサブルーチンがコールされ、前後各席の目標吹出温度TAO(Fr)、TAO(Rr)を算出する。
【0026】
具体的には、図4のステップS310にて、予めROMに記憶された下記数式1に基づいて、前席目標吹出温度TAO(Fr)を算出し、次にステップS320にて、予めROMに記憶された下記数式2に基づいて、後席目標吹出温度TAO(Rr)を算出する。その後、このルーチンを抜ける。
【0027】
【数1】
【0028】
【数2】
ここで、Tset(Fr) は前席温度設定器26aによる設定温度、Tr は内気温センサ21の検出値、Tamは外気温センサ22の検出値、Ts(Fr) は前席日射センサ23aの検出値、Tset(Rr) は後席温度設定器26bによる設定温度、およびTs(Rr) は後席日射センサ23bの検出値である。また、Kset 、Kr 、Kam、Ks 、およびKsrはゲインである。
【0029】
そして、図3のステップ40に移ると、図5のサブルーチンがコールされ、ブロワモータ7に印加するブロワ電圧VAを算出する。
具体的には、図5のステップS410にて、上記数式1にて算出されたTAO(Fr)と、予めROMに記憶された図6のマップとに基づいて、前席ブロワ電圧VA(Fr)を算出する。ここで、上記数式1からも分かるように、前席日射センサ23aの検出値Ts(Fr) が大きくなる程、TAO(Fr)が小さくなることから、前席ブロワ電圧VA(Fr)は、前席日射センサ23aの検出値が大きくなる程、大きくなるように算出される。
【0030】
そして、次のステップS420にて、上記数式2にて算出されたTAO(Rr)と図6のマップとに基づいて、後席ブロワ電圧VA(Rr)を算出する。ここで、上記数式2からも分かるように、後席日射センサ23bの検出値Ts(Rr) が大きくなる程、TAO(Rr)が小さくなることから、後席ブロワ電圧VA(Rr)は、後席日射センサ23bの検出値が大きくなる程、大きくなるように算出される。
【0031】
そして、次のステップS430にて、ブロワモータ7に印加するブロワ電圧VAを、予めROMに記憶された下記数式3に基づいて算出する。
【0032】
【数3】
VA=(VA(Fr)+VA(Rr))/2
つまり、前席ブロワ電圧VA(Fr)と後席ブロワ電圧VA(Rr)との平均値を、ブロワモータ7に印加するブロワ電圧として算出する。その後、このルーチンを抜ける。
【0033】
そして、図3のステップS50に移ると、図7のサブルーチンがコールされ、前後各席の吹出口モードを決定する。
具体的には、図7のステップS510にて、上記数式1にて算出されたTAO(Fr)と、予めROMに記憶された図8のマップとに基づいて、前席の吹出口モードを決定する。そして、次のステップS520にて、上記数式2にて算出されたTAO(Rr)と図8のマップとに基づいて、後席の吹出口モードを決定する。その後、このルーチンを抜ける。
【0034】
ここで、前席のフェイスモード(FACE)とは、前席フェイス吹出口14aから主に冷風を吹き出すモードで、後席のフェイスモードとは、後席フェイス吹出口14bから主に冷風を吹き出すモードである。
また、前席のバイレベルモード(B/L)とは、前席フェイス吹出口14aから主に冷風、前席フット吹出口15aから主に温風をそれぞれ吹き出すモードで、後席のバイレベルモードとは、後席フェイス吹出口14bから主に冷風、後席フット吹出口15bから主に温風を吹き出すモードである。
【0035】
また、前席のフットモード(FOOT)とは、前席フット吹出口15aから主に温風を吹き出すモードで、後席のフットモードとは、後席フット吹出口15bから主に温風を吹き出すモードである。
そして、図3のステップS60に移ると、図9のサブルーチンがコールされ、前席エアミックスドア12aの目標開度SW(Fr)、後席エアミックスドア12bの目標開度SW(Rr)をそれぞれ算出する。
【0036】
具体的には、図9のステップS610にて、予めROMに記憶された下記数式4に基づいて、前席エアミックスドア12aの目標開度SW(Fr)を算出し、次のステップS620にて、予めROMに記憶された下記数式5に基づいて、後席エアミックスドア12bの目標開度SW(Rr)を算出する。その後、このルーチンを抜ける。
【0037】
【数4】
SW(Fr)={(TAO(Fr)−Te )/(Tw −Te )}×100 (%)
【0038】
【数5】
SW(Rr)={(TAO(Rr)−Te )/(Tw −Te )}×100 (%)
ここで、Te は蒸発器温度センサ24の検出値、Tw は水温センサ25の検出値である。
そして、図3のステップS70にて、ブロワモータ7に対して、上記ステップS40で算出したブロワ電圧VAを印加する。
【0039】
そして、次のステップS80にて、前後各席の吹出口モードが上記ステップS50で決定した各モードとなるように、サーボモータ29a、29bに制御信号を出力する。
そして、次のステップS90にて、各エアミックスドア12a、12bの開度が上記ステップS60で算出した目標開度SW(Fr)、SW(Rr)となるように、サーボモータ28a、28bに制御信号を出力する。
【0040】
以上説明した本実施形態によると、例えば車両前方から日射が照射されるとき、すわなち前席日射センサ23aのみに日射が照射されて後席日射センサ23bには日射が照射されないときには、前席日射センサ23aの検出値に応じて、図5のステップS430で算出されるブロワ電圧VAが大きくなる。その結果、前席側空間および後席側空間への各吹出風量がともに増加する。従って、前席乗員に対しては、吹出風量の増加によって日射による温熱感を解消させることができる。
【0041】
このとき、日射が照射されない後席側空間への吹出風量も増加するわけだが、上記数式2からも分かるように、後席目標吹出温度TAO(Rr)が、前席日射センサ23aの検出値と後席日射センサ23bの検出値との差に応じて高くなり、それに応じて、図9のステップS620で算出される後席エアミックスドア12bの目標開度SW(Rr)も大きくなるので、後席側空間への吹出風温度は高くなる。従って、後席乗員に対して過度の冷房による不快感を与えないようにすることができる。
【0042】
また、本実施形態では、ブロワモータ7に印加するブロワ電圧を、前席ブロワ電圧VA(Fr)(図5のステップS410で算出)と後席ブロワ電圧VA(Rr)(ステップS420で算出)との平均ブロワ電圧(ステップS430で算出)としている。従って、前方日射時には、前席側空間への吹出風量は、前席乗員の温熱感を良好に解消するのに必要な本来の風量(前席ブロワ電圧VA(Fr)での風量)よりも少なくなる。
【0043】
それに対して、本実施形態では、上記数式1からも分かるように、前席目標吹出温度TAO(Fr)が、前席日射センサ23aの検出値と後席日射センサ23bの検出値との差に応じて低くなり、それに応じて、図9のステップS610で算出される前席エアミックスドア12aの目標開度SW(Fr)も小さくなるので、前席側空間への吹出風温度は低くなる。従って、前席乗員の日射による温熱感を良好に解消することができる。
【0044】
(他の実施形態)
上記実施形態では、請求項1記載の発明でいう第1空調ゾーンを前席側空間、第2空調ゾーンを後席側空間としたが、第1空調ゾーンを後席側空間、第2空調ゾーンを前席側空間としても良い。また、第1空調ゾーンを運転席側空間、第2空調ゾーンを助手席側空間としても良いし、第1空調ゾーンを助手席側空間、第2空調ゾーンを運転席側空間としても良い。
【0045】
また、上記実施形態では、同一のファン6が発生した空気流を前席側空間および後席側空間へそれぞれ吹き出す構成としたが、前席側空間へ空気を導く第1空気通路と後席側空間へ空気を導く第2空気通路とにそれぞれファンを設け、これらのファンの回転数を同一回転数で制御する構成のものにも適用可能である。
また、上記実施形態では、日射センサ23a、23bの検出値を目標吹出温度TAO(Fr)、TAO(Rr)に反映させ、このTAO(Fr)、TAO(Rr)に基づいて最終ブロワ電圧VAを算出するようにしたが、日射センサ23a、23bの検出値が反映されないない目標吹出温度に基づいて基本ブロワ電圧を算出し、これとは別に、日射センサ23a、23bの検出値に基づいて補正ブロワ電圧を算出し、上記ベースブロワ電圧に対して上記補正ブロワ電圧を加えた値を最終ブロワ電圧VAとしても良い。
【0046】
また、上記実施形態では、前席ブロワ電圧VA(Fr)と後席ブロワ電圧VA(Rr)の平均ブロワ電圧を最終ブロワ電圧VAとしたが、前方日射時には前席ブロワ電圧VA(Fr)を最終ブロワ電圧VAとしても良い。この場合、上記実施形態のように、前席側の吹出風温度を低めに補正する必要はない。また、後方日射時には後席ブロワ電圧VA(Rr)を最終ブロワ電圧VAとしても良く、この場合には、後席側の吹出風温度を低めに補正する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施形態の空調ユニット1の全体構成図である。
【図2】上記実施形態の制御系のブロック図である。
【図3】上記実施形態のマイクロコンピュータが行う制御処理のフローチャートである。
【図4】図3のステップS30で行われるサブルーチンを示すフローチャートである。
【図5】図3のステップS40で行われるサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】上記実施形態の前席ブロワ電圧VA(Fr)、後席ブロワ電圧VA(Rr)についてのマップである。
【図7】図3のステップS50で行われるサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】上記実施形態の前後各席の吹出口モードについてのマップである。
【図9】図3のステップS60で行われるサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
6…ファン(送風手段)、
12a…前席エアミックスドア(第1温度調節手段)、
12b…後席エアミックスドア(第2温度調節手段)、
13a…前席ダクト(第1空気通路)、13b…後席ダクト(第2空気通路)、
23a…前席日射センサ(第1日射量検出手段)、
23b…後席日射センサ(第2日射量検出手段)。
Claims (4)
- 空気流を発生する送風手段(6)、この送風手段による空気流を車室内の第1空調ゾーンへ導く第1空気通路(13a)、前記送風手段による空気流を車室内の第2空調ゾーンへ導く第2空気通路(13b)、前記第1空気通路(13a)を介して前記第1空調ゾーンへ吹き出される吹出風の温度を調節する第1温度調節手段(12a)、前記第2空気通路(13b)を介して前記第2空調ゾーンへ吹き出される吹出風の温度を調節する第2温度調節手段(12b)、前記第1温度調節手段(12a)を制御する第1温度制御手段(S90)、および前記第2温度調節手段(12b)を制御する第2温度制御手段(S90)を備え、
前記送風手段(6)の送風能力が増加したときに前記各空調ゾーンへの吹出風量がともに増加するように構成された車両用空調装置であって、
前記第1空調ゾーンへ照射される日射量を検出する第1日射量検出手段(23a)と、
前記第2空調ゾーンへ照射される日射量を検出する第2日射量検出手段(23b)と、
前記送風手段(6)の第1送風能力を、前記第1検出日射量の増加に応じて増加するように算出する第1送風能力算出手段(S410)と、
前記送風手段(6)の第2送風能力を、前記第2検出日射量の増加に応じて増加するように算出する第2送風能力算出手段(S420)と、
前記第1送風能力と前記第2送風能力との間の第3送風能力を算出する第3送風能力算出手段(S430)と、
前記第3送風能力となるように前記送風手段(6)を制御する送風能力制御手段(S70)とを有し、
前記第1温度制御手段(S90)は、前記第1検出日射量と前記第2検出日射量の差に応じ、前記第1検出日射量が前記第2検出日射量より大きいほど前記第1空調ゾーンへの吹出風温度を低くするように前記第1温度調節手段(12a)を制御し、
前記第2温度制御手段(S90)は、前記第1検出日射量と前記第2検出日射量の差に応じ、前記第1検出日射量が前記第2検出日射量より大きいほど前記第2空調ゾーンへの吹出風温度を高くするように前記第2温度調節手段(12b)を制御することを特徴とする車両用空調装置。 - 少なくとも前記第1検出日射量に基づいて、前記第1温度調節手段(12a)における第1目標温度調節量を算出する第1目標温度調節量算出手段(S310、S610)と、
少なくとも前記第2検出日射量に基づいて、前記第2温度調節手段(12b)における第2目標温度調節量を算出する第2目標温度調節量算出手段(S320、S620)とを有し、
前記第1温度制御手段(S90)は、前記第1目標温度調節量に基づいて前記第1温度調節手段(12a)を制御し、
前記第2温度制御手段(S90)は、前記第2目標温度調節量に基づいて前記第2温度調節手段(12b)を制御し、
前記第1目標温度調節量算出手段(S310、S610)は、前記第1検出日射量と前記第2検出日射量の差に応じ、前記第1検出日射量が前記第2検出日射量より大きいほど前記第1空調ゾーンへの吹出風温度を低くするように前記第1目標温度調節量を算出し、
前記第2目標温度調節量算出手段(S320、S620)は、前記第1検出日射量と前記第2検出日射量の差に応じ、前記第1検出日射量が前記第2検出日射量より大きいほど前記第2空調ゾーンへの吹出風温度を高くするように前記第2目標温度調節量を算出することを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。 - 前記第1目標温度調節量算出手段(S310、S610)は、前記第1検出日射量と前記第2検出日射量の差に係数を乗じたものを補正項として用いた第1の演算式により、前記第1検出日射量が前記第2検出日射量より大きいほど前記第1空調ゾーンへの吹出風温度を低くするように前記第1目標温度調節量を算出し、
前記第2目標温度調節量算出手段(S320、S620)は、前記第2検出日射量と前 記第1検出日射量の差に係数を乗じたものを補正項として用いた第2の演算式により、前記第1検出日射量が前記第2検出日射量より大きいほど前記第2空調ゾーンへの吹出風温度を高くするように前記第2目標温度調節量を算出することを特徴とする請求項2記載の車両用空調装置。 - 前記第1送風能力算出手段(S410)は、前記第1目標温度調節量に基づいて前記第1送風能力を算出し、
前記第2送風能力算出手段(S420)は、前記第2目標温度調節量に基づいて前記第2送風能力を算出することを特徴とする請求項2または3記載の車両用空調装置。
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