JP3861805B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室内乗員の前席側足元と後席側足元に空気を吹出す車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車室内への吹出温度が上昇する過程の空調制御であるウォームアップ制御時において、吹出空気の目標吹出温度(TAO)は車両前席付近に設けてある内気温センサ等の空調センサの入力に基づいて算出され、この目標吹出温度(TAO)に基づいて吹出空気の温度および風量を調節していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車両前席側の温度が高くなると車両前席付近に設けてある内気温センサによって検出される温度も高くなるので、車両後席側の温度に関係なく目標吹出温度(TAO)が下がることになる。このため、後席側に吹き出す吹出空気の温度が低くなるだけでなく、吹出空気の風量も少なくなるので、後席側乗員に暖房不足による不快感を与えていた。
【0004】
また、従来までは車室内乗員の増加等による湿度上昇時に窓ガラスの曇りが発生することがあり、乗員がマニュアル操作によって吹出モードをデフロスタモードまたはフット/デフモードに切り替えることにより窓ガラスの曇りを防止していたので、乗員に操作の煩わしさを感じさせていた。
【0005】
本発明は上記点に鑑みて、後席側の暖房フィーリングを改善することを第1の目的とする。そして、乗員のマニュアル操作による煩わしさを抑制することを第2の目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車室内へ向けて空気を吹き出す送風機(7)と、
送風機(7)の送風空気を加熱する暖房用熱交換器(12)と、
暖房用熱交換器(12)の空気流れ下流側に設けられ、暖房用熱交換器(12)を通過した送風空気を前席側乗員足元に向けて吹き出す前席側フット開口部(19)と、
暖房用熱交換器(12)の空気流れ下流側に設けられ、送風空気を後席側乗員足元に向けて吹き出す後席側フット開口部(20)と、
暖房用熱交換器(12)の空気流れ下流側に設けられ、窓ガラス内面に向けて送風空気を吹き出すデフロスタ開口部(15)とを備え、
前席側フット開口部(19)からの吹出風量を後席側フット開口部(20)からの吹出風量よりも多くした第1フットモードと、
両開口部からの吹出空気の総量を第1フットモードと比較して減少し、デフロスタ開口部(15)から送風空気を所定量吹き出す第2フットモードとが少なくとも設定可能になっており、
窓ガラスの曇り発生状況と相関関係のある情報値が所定値以上のときは、窓ガラスが曇る状況に近い、または窓ガラスが曇っていると判定して、第2フットモードを実行し、情報値が所定値未満のときは第1フットモードを実行するようになっており、
さらに、第1フットモードおよび第2フットモードを車室内への吹出空気の目標吹出温度(TAO)が所定温度以上のときのみに実行することを特徴とする。
【0018】
これによると、窓ガラスの曇り発生状況と相関関係のある情報値が所定値未満のときは窓ガラスに曇りが発生しないと判定し、乗員足元を温める第1フットモードを実行する。また、窓ガラスの曇り発生状況と相関関係のある情報値が所定値以上のときは窓ガラスが曇る状況に近い、または曇りが発生していると判定する。この場合、第2フットモードを実行することで、デフロスタ開口部(15)から窓ガラスに向けて加熱された空気を自動的に吹き出すことにより、窓ガラス近傍の相対湿度が低下するので、曇りの防止または除去を自動的にできる。このため、乗員のマニュアル操作の煩わしさを抑制できる。また、乗員足元の吹出空気の風量も確保されるので乗員の暖房フィーリングの悪化を抑制できる。
【0020】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は本発明の一実施形態の全体構成図であり、空調装置1の空調ケース2は車室内前部の計器盤内側に配置され、車室内へ向けて流れる空気の通路を形成する。空調ケース2の空気流れ上流端には内外気切替箱3が設けられ、この内外気切替箱3内の内外気切替ドア4により内気吸入口5と外気吸入口6とを開閉することにより、車室内の空気(内気)または車室外の空気(外気)を切替導入する。なお、内外気切替ドア4は、サーボモータからなる電気駆動装置22により駆動される。
【0022】
内外気切替箱3の空気流れ下流側には送風機7が配置され、送風機7のケース8に遠心式のファン9が収納され、電動モータ10にてファン9が回転駆動される。電動モータ10に印加される電圧(以下、ブロワ電圧という)は駆動回路40により制御され、このブロワ電圧の制御により送風機7の回転速度、ひいては送風機7の風量が調整される。
【0023】
送風機7の空気流れ下流側には、冷房用熱交換器としての蒸発器11が配置されている。この蒸発器11は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機30を含む冷凍サイクルに設けられるものであって、蒸発器11に流入した低圧冷媒が送風機7の送風空気から吸熱して蒸発することにより送風空気を冷却する。
【0024】
なお、圧縮機30車両エンジン(図示せず)により駆動されるようになっており、圧縮機30は動力断続用の電磁クラッチ31が備えられ、電磁クラッチ31への電力供給は駆動回路41により断続される。
【0025】
空調ケース2内で蒸発器11の空気流れ下流側には、暖房用熱交換器としてのヒータコア12が配置されており、このヒータコア12は車両エンジンの温水(冷却水)を熱源として送風空気を加熱する。また、このヒータコア12の側方には、ヒータコア12をバイパスして送風空気を流すためのバイパス通路13が形成されている。
【0026】
蒸発器11とヒータコア12の間に板状ドアからなるエアミックスドア14が回動可能に配置されている。このエアミックスドア14は温度調節手段であり、ヒータコア12を通過する温風とバイパス通路13を通過する冷風との風量割合を調節することにより車室内へ吹き出す空気の温度を調節する。ヒータコア12からの温風とバイパス通路13からの冷風をヒータコア12下流側で混合させて所望温度の空気を作り出すことができる。なお、エアミックスドア14は、サーボモータからなる電気駆動装置23により駆動される。
【0027】
空調ケース2の空気流れ下流端部には、デフロスタ開口部15とフェイス開口部16とフット開口部17が開口している。そして、フット開口部17には前席側フット開口部19と後席側フット開口部20がそれぞれ開口している。デフロスタ開口部15は図示しないデフロスタダクトを介して車両フロント窓ガラス内面に向けて送風空気を吹き出すもので、回動自在な板状のデフロスタドア15aにより開閉される。
【0028】
フェイス開口部16は図示しないフェイスダクトを介して車室内乗員の上半身に向けて送風空気を吹き出すもので、回動自在な板状のフェイスドア16aにより開閉される。さらに、フット開口部17は回動自在な板状のフットドア17aにより開閉した後、前席側フット開口部19と後席側フット開口部20に分岐する。前席側フット開口部19は図示しないフット前席用ダクトを介して車室内前席側乗員足元に向けて送風空気を吹き出すものである。そして、後席側フット開口部20は図示しないフット後席用ダクトを介して車室内後席側乗員足元に向けて送風空気を吹き出すものである。なお、前席側フット開口部19と後席側フット開口部20との風量割合は回動自在な板状のフット前後配風ドア21の位置によって決定される。
【0029】
上記した吹出モード設定用の各ドア15a、16a、17aは、共通のリンク機構18に連結され、このリンク機構18を介してサーボモータからなる電気駆動装置24により駆動される。また、フット開口部17より前席側フット開口部19と後席側フット開口部20との分岐部分に設けられ、前席と後席との乗員足元に吹き出す空気の風量割合を変化させるフット前後配風ドア21はサーボモータからなる電気駆動装置25により駆動される。そして、各ドア15a、16a、17a、21の作動により、次に述べる6つの吹出モードが設定可能になっている。
【0030】
すなわち、フェイスモード時は、フェイス開口部16を全開し、デフロスタ開口部15およびフット開口部17を閉塞して、フェイス開口部16から送風空気を吹き出す。
【0031】
第1フットモード時は、図2に示すようにフット開口部17を全開すると共にデフロスタ開口部15を小開度だけ開口し、フェイス開口部16を全閉する。そして、フット前後配風ドア21の位置を前席側フット開口部19に分岐する通風路を後席側フット開口部20に分岐する通風路よりも大きくなる位置にする。例えば、前席側フット開口部19に送風空気の風量割合にして60%程度の送風空気を送風し、後席側フット開口部20に送風空気の風量割合にして40%程度の送風空気を送風し、少量だけデフロスタ開口部15に送風する。
【0032】
第2フットモード時は、図3に示すようにフット開口部17を全開すると共にデフロスタ開口部15を小開度だけ開口し、フェイス開口部16を全閉する。そして、フット前後配風ドア21の位置を前席側フット開口部19に分岐する通風路を後席側フット開口部20に分岐する通風路と等しくなる位置にする。具体的には、前席側フット開口部19と後席側フット開口部20との風量割合を50%程度にして送風し、少量だけデフロスタ開口部15に送風する。
【0033】
バイレベルモード時は、図4に示すようにフェイス開口部16とフット開口部17の両方を開口し、デフロスタ開口部15を閉塞する。そして、フット前後配風ドア21の位置を前席側フット開口部19と後席側フット開口部20との通風路を分岐する入り口の面積比がそれぞれ等しくなる位置にして、フットの前後風量割合を等しくする。例えば、フェイス開口部16に送風空気の風量割合にして40%程度の送風空気を送風し、前席側フット開口部19とフット後席側開口部には送風空気の風量割合にして30%程度ずつ送風空気を送風する。
【0034】
フットデフロスタモード時は、図5に示すようにデフロスタ開口部15をフット開口部17より大きく開口し、フェイス開口部16を半閉する。そして、フット前後配風ドア21の位置は前席側フット開口部19と後席側フット開口部20との通風路が等しくなる位置にする。これにより、第1、第2フットモード時に比較してフット開口部17からの吹出風量を減少させ、デフロスタ開口部15からの吹出風量を増加させる。具体的には、前席側フット開口部19と後席側フット開口部20との風量割合を30%程度ずつ送風し、40%程度だけデフロスタ開口部15に送風する。
【0035】
デフロスタモード時は、デフロスタ開口部15を全開し、フェイス開口部16およびフット開口部17を全閉して、デフロスタ開口部15から送風空気を吹き出す。
【0036】
因みに、図2〜図5における角度θ1はフット開口部17を全開にした角度である。また、角度θ2よりも角度θ3のほうが大きい角度である。このθ2、θ3は後席側フット開口部20を全閉にした点線位置よりフット前後配風ドア21を開いた角度である。
【0037】
次に、本実施形態における電気制御部の概要を説明すると、ECU50は、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータとその周辺回路にて構成されるもので、ECU50には、車両エンジンのイグニッションスイッチ60を介して車載バッテリ61から電源が供給される。
【0038】
ECU50には、空調制御のために、センサ群70から検出信号が入力される。これらのセンサとしては、エンジン冷却水温TWを検出する水温センサ71、内気温TRを検出する内気センサ72、外気温TAMを検出する外気センサ73、日射量TSを検出する日射センサ74、蒸発器11を通過した直後の空気温度(以下、蒸発器後温度という)TEを検出する蒸発気温度センサ75、車速SPDを検出する車速センサ76、車室内空気の相対湿度RHを検出する湿度センサ77が設けられている。なお、窓ガラス近傍の相対湿度%は車速SPD、外気温TAM、相対湿度RH等により、算出されるようになっている。
【0039】
さらに、車室内の計器盤周辺に配置される空調操作パネル80には、乗員により手動操作される下記のスイッチが備えられ、これらのスイッチの操作信号もECU50に入力される。
【0040】
空調操作パネル80のスイッチとしては、設定温度Tsetの信号を発生する温度設定スイッチ81、送風機7の風量切替信号を発生する風量スイッチ82、内外気切替信号を発生する内外気スイッチ83、吹出モード信号を発生する吹出モードスイッチ84、圧縮機30の電磁クラッチ31のオンオフ信号を発生するエアコンスイッチ85、空調の自動制御モード設定用のオート信号を発生するオートスイッチ86が設けられている。
【0041】
次に、上記構成における空調装置1の作動を説明する。図6のフローチャートはECU50のマイクロコンピュータにより実行される制御処理の概要を示し、図6の制御ルーチンは、車両エンジンのイグニッションスイッチがオンされてECU50に電源が供給された状態において、空調操作パネル80のオートスイッチ86が投入されるとスタートする。
【0042】
先ず、ステップS100ではフラグ、タイマー等の初期化がなされ、次のステップS110で、センサ群70からの検出信号、空調操作パネル80からの操作信号等を読み込む。この操作信号により、後席乗員足元に空調空気を送るか判定する。
【0043】
続いて、ステップS120にて、下記数式1に基づいて、車室内へ吹き出される空調風の目標吹出温度TAO(以下TAOという)を空調の熱負荷条件(内気温TR、外気温TAM、日射量TS)に応じて算出する。このTAOは車室内を温度設定スイッチ81の設定温度Tsetに維持するために必要な吹出温度である。
【0044】
【数1】
TAO=Kset×Tset−Kr×TR−Kam×TAM−Ks×TS+C但し、Kset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインで、Tset、TR、TAM、TSは前述の設定温度、内気温、外気温、日射量で、Cは補正用の定数である。
【0045】
次に、ステップS130に進み、TAO、蒸発器後温度TE、およびエンジン冷却水温TWに基づいて、エアミックスドア14の目標開度SWを算出し決定する。この目標開度SWは、車室内へ吹き出される送風空気の温度をTAOに維持するために必要な開度である。
【0046】
次に、ステップS140にて送風機ユニットの送風ファンにより送風される空気の目標送風量BLWを上記TAOに基づいて算出する。この目標送風量BLWの算出方法は周知であり、上記TAOの高温側(最大暖房側)および低温側(最大冷房側)で目標風量を大きくし、上記TAOの中間温度域で目標風量を小さくする。
【0047】
次に、ステップS150にて上記TAOに応じて吹出モードを決定する。この吹出モードの設定についての詳細は後述する。
【0048】
次に、ステップS160では、ステップS130〜S150にて算出した設定値に基づいて各種制御値を各電気駆動装置22〜25および駆動回路40、41に出力して空調制御を行う。
【0049】
まず、ステップS130で設定したエアミックスドア14の目標開度SWに基づいてアクチュエータ23によりエアミックスドア14を駆動する。
【0050】
そして、送風ファン駆動用モータ10はステップS140の目標風量BLWが得られるように印加電圧が制御されて回転数が制御される。
【0051】
続いて、各吹出モードドア15a、16a、17a、21をステップS150で設定した吹出モードになるようにアクチュエータ24、25によって駆動する。また、内外気切替用モータアクチュエータ22は内外気モードが得られるように内外気ドア4の操作位置を制御する。
【0052】
続いて、ステップS150の吹出モードの設定について図7の作動を示すフローチャートを図8を用いて詳述する。なお、図8はTAOに基づいて吹出モードが設定されることを示す説明図である。この図8の縦軸は吹出モードを示し、横軸はTAOを示す。この横軸は左に行くほどTAOが低く、右に行くほど高くなる。横軸に示すA、B、C、D、E、Fは吹出モード切替のしきい値である。なお、各しきい値は、例えば、Aは25℃程度、Bは28℃程度、Cは37℃程度、Dは40℃程度、Eは86℃程度、Fは89℃程度である。
【0053】
まず、ステップS201において、TAOモードがF以上であるか判定する。TAOモードがF以上の場合はステップS210に進み、第1フットモードを設定し、F以上でない場合はステップS202に進む。
【0054】
続いて、ステップS202において、TAOモードがE以下の場合はステップS203に進み、TAOモードがE以下でない場合はステップS204に進む。
【0055】
次に、ステップS204において、前回の吹出モード判定が第1フットモードである場合はステップS210に進み、第1フットモードの設定を継続する。また、前回の吹出モード判定が第1フットモードでない場合はステップS211に進み、第2フットモードを設定する。このように前回の吹出モードと比較することにより、制御のハンチング防止のヒステリシス幅を吹出モード判定に反映させることができる。
【0056】
次に、ステップS203において、TAOモードがD以上の場合はステップS211に進み第2フットモードを設定し、D以上でない場合はステップS205に進む。
【0057】
続いて、ステップS205において、TAOモードがC以下の場合はステップS206に進み、C以下でない場合はステップS207に進む。
【0058】
次に、ステップS207において、前回の吹出モード判定が第2フットモードであった場合はステップS211に進み、第2フットモードの設定を継続する。また、前回の吹出モード判定が第2フットモードでなかった場合はステップS212に進み、バイレベルモードを設定する。
【0059】
次に、ステップS206において、TAOモードがB以上の場合はステップS212に進みバイレベルモードを設定し、B以上でない場合はステップS208に進む。
【0060】
続いて、ステップS208において、TAOモードがA以下の場合はステップS213に進みフェイスモードを設定し、A以下でない場合はステップS209に進む。
【0061】
続いて、ステップS209において、前回の吹出モードがバイレベルモードのときはステップS212に進みバイレベルモードを継続し、前回の吹出モードがバイレベルモードでないときはフェイスモードを設定する。
【0062】
続いて、上述の吹出モード設定による作用効果について説明する。図7の吹出モード設定の作動を示すフローチャートでは、TAOモードに基づいて第1フットモードと第2フットモードとを設定することができる。これにより、車室内前席側の温度上昇を検出すると、後席側乗員足元に向けて吹き出す送風空気の風量割合を増加できるので後席側壁面からの冷輻射を抑制することができる。
【0063】
(第2実施形態)
第1実施形態においてTAOに基づいて、前席側と後席側の乗員足元に向けて吹き出す送風空気の風量割合が異なる2つのフットモードについて説明した。第2実施形態においては、この2つのフットモードとは異なる第1フットモードと第2フットモードとが設定可能になっており、TAOと窓ガラスの相対湿度とに基づいて吹出モードが設定される。
【0064】
第1フットモードは、図9に示すように、フット開口部17を全開し、フェイス開口部16とデフロスタ開口部15を全閉する。そして、フット前後配風ドア21の位置を前席側フット開口部19に分岐する通風路を後席側フット開口部20に分岐する通風路よりも大きくなる位置にする。例えば、前席側フット開口部19に送風空気の風量割合にして60%程度の送風空気を送風し、後席側フット開口部20との風量割合にして40%程度の送風空気を送風する。
【0065】
第2フットモードは、図10に示すように、第1実施形態のフットデフロスタモードと比較してデフロスタ開口部15を少し閉塞し送風空気の風量を減少させた吹出モードである。例えば、前席側フット開口部19に送風空気の風量割合にして40%程度の送風空気を送風し、後席側フット開口部20に送風空気の風量割合にして40%程度の送風空気を送風し、デフロスタ開口部15に送風空気の風量割合にして20%程度だけ送風空気を送風する。
【0066】
因みに、図10の角度θ6よりも図5の角度θ8は大きい角度である。このθ6、θ8はデフロスタ開口部15を全閉にした点線位置よりデフロスタドア15aを開いた角度である。そして、図10の角度θ7よりも図5の角度θ5は小さい角度である。このθ7、θ5はフット開口部17を全閉にした点線位置よりフットドア17aを開いた角度である。
【0067】
第2実施形態における第1フットモードと第2フットモードは図11に示す条件において設定される。具体的には、TAOがA以下になるまでは第1フットモードまたは第2フットモードのうちいずれか一方を曇り湿度推定によって設定する。例えば、図12から得られた曇り湿度推定がONのときは第2フットモードを設定し、OFFのときは第1フットモードを設定する。なお、図11は縦軸を吹出モード、横軸をTAOとし、横軸のA、Bは吹出モード設定を切り替えるためのしきい値である。このA、Bは例えば、Aは37℃程度、Bは40℃程度である。
【0068】
また、図11の曇り湿度推定とは図12の窓ガラス近傍の相対湿度C、Dによって決定されるしきい値である。なお、図12は縦軸を曇り湿度推定のONとOFFとし、横軸を窓ガラス近傍の相対湿度%C,Dとしている。横軸のC、Dは例えば、Cは90%程度、Dは95%程度である。
【0069】
次に、第2実施形態における作用効果について説明する。
【0070】
前席側と後席側の車室内の空調の状態をTAOと車室内の相対湿度により判定し、この判定に基づいて、前席側乗員足元と後席側乗員足元に向けて吹き出す吹出空気の風量割合と、窓ガラス内面に吹き出す吹出空気の風量割合とを切り替えることができる。このため、窓ガラスに曇りが発生する状態に近くなったときに第2フットモードを実行することで窓ガラスの曇りを自動的に取り除ける。また、第2フットモードではデフロスタモードまたは、フット/デフモードと比較して前席側、後席側双方ともに乗員足元の風量を増加させているので、吹出モード切り替えによる足元風量不足を改善できる。
【0071】
(第3実施形態)
第1実施形態では、図7の吹出モード設定の作動を示すフローチャートにおいて、ステップS210では第1フットモードを設定し、ステップS211では第2フットモードを設定した。本実施形態では、第1フットモードの風量割合と第2フットモードの風量割合とをそれぞれ次のように設定する。
【0072】
すなわち、第1フットモード時は、フット開口部17を全開すると共にデフロスタ開口部15を小開度だけ開口し、フェイス開口部16を閉塞する。そして、フット前後配風ドア21の位置を前席側フット開口部19に分岐する通風路を後席側フット開口部20に分岐する通風路と略同等にする。例えば、前席側フット開口部19に送風空気の風量割合にして50%程度の送風空気を送風し、後席側フット開口部20に送風空気の風量割合にして50%程度の送風空気を送風し、少量だけデフロスタ開口部15に送風する。
【0073】
第2フットモード時は、フット開口部17を全開すると共にデフロスタ開口部15を小開度だけ開口し、フェイス開口部16を閉塞する。そして、フット前後配風ドア21の位置を前席側フット開口部19に分岐する通風路を後席側フット開口部20に分岐する通風路より小さくなる位置にする。具体的には、前席側フット開口部19の風量割合を40%程度にし、後席側フット開口部20の風量割合を60%程度にして送風し、少量だけデフロスタ開口部15に送風する。
【0074】
そして、図13に示すようにステップS210では第2フットモードを設定し、ステップS211では第1フットモードを設定する。なお、図13は、図6のステップS150の吹出モード設定の作動を示すフローチャートであり、ステップS210およびステップS211に至るまでの処理は図7で説明したフローチャートと同一である。
【0075】
次に、第3実施形態における作用効果について説明する。
【0076】
車室内に向けて吹き出す吹出空気の温度が上昇する過程のウォームアップ制御時において、前席側乗員足元への送風空気の風量と比較して、後席側乗員足元への送風空気の風量を増加した第2フットモードを最初に実行することにより、前席と比較して後席の暖房フィーリングを優先して向上させることができる。
【0077】
(他の実施形態)
▲1▼ 第1実施形態において、前席側乗員足元と後席側乗員足元とに向けて吹き出す送風空気の風量割合を変化させる第1フットモードと第2フットモードについて説明した。また、第2実施形態において、前席側乗員足元と後席側乗員足元と窓ガラス内面とに向けて吹き出す送風空気の風量割合を変化させた第2フットモードについて説明した。第1実施形態における第1、第2フットモードをTAOモードによって設定しているときに第2実施形態における曇り湿度推定により第2実施形態の第2フットモードを設定しても良い。
▲2▼ 第1〜第3実施形態において、TAOによって吹出モードの設定を切り替えるようにしたが、エンジン冷却水温度によって吹出モードの設定を切り替えるようにしても良い。
▲3▼ 第1〜第3実施形態において、TAOによって吹出モードの設定を切り替えるようにしたが、車室内温度によって吹出モードの設定を切り替えるようにしても良い。
▲4▼ 第1実施形態において、フットドア17aおよびフット前後配風ドア21により前席側フット開口部19と後席側フット開口部20との風量割合を調節したが、前席側フット開口部19と後席側フット開口部20との風量割合を1つのドアにより調節しても良い。例えば、くの字状の配風ドアを使用して前席側フット開口部19と後席側フット開口部20との風量割合を調整しても良い。
▲5▼ 第1〜第3実施形態において、風量割合を一定の割合で維持する複数の吹出モードについて説明したが、各吹出モードの風量割合を滑らかに変化させるようにしても良い。
【0078】
具体的には、前席側フット開口部19からの吹出風量を時間の経過とともに減少させ、これとともに、後席側フット開口部20からの吹出風量を時間の経過とともに増加させるようにした第1リニアフットモードと、後席側フット開口部20からの吹出風量を時間の経過とともに減少させ、これとともに、前席側フット開口部19からの吹出風量を時間の経過とともに増加させるようにした第2リニアフットモードと、前席側フット開口部19からの吹出風量と後席側フット開口部20からの吹出風量とを時間の経過とともに減少させ、これとともに、デフロスタ開口部15からの吹出風量を時間の経過とともに増加させるようにした第3リニアフットモードとを実行しても良い。
▲6▼ 第1、第3実施形態において、前席側乗員足元と後席側乗員足元に空気を吹き出す第1、第2フットモードについて説明した。本実施形態においては、後席側フット開口部20を閉塞し、前席側フット開口部19のみから空気を吹き出す第3フットモードが少なくとも設定可能になっており、後席乗員判定手段により、後席に乗員が乗車していないときを判定し、後席側に乗員が乗車していないときで、かつ、目標吹出温度TAOが所定値以上のときは第3フットモードを実行するようにしても良い。
▲7▼ 第2実施形態において、前席側乗員足元と後席側乗員足元と窓ガラス内面に空気を吹き出す第1、第2フットモードについて説明した。本実施形態においては、後席側フット開口部20を閉塞し、前席側フット開口部19から所定風量以上の空気を吹き出し、デフロスタ開口部15から所定風量以下の空気を吹き出す第4フットモードが少なくとも設定可能になっており、後席乗員判定手段により、後席に乗員が乗車していないときを判定し、後席側に乗員が乗車していないときで、かつ、目標吹出温度TAOが所定値以上のときで、かつ、窓ガラスの曇り発生状況と相関関係のある情報値が所定値以上のときに第4フットモードを実行するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における車両用空調装置の構成を示す全体構成図である。
【図2】第1実施形態の空調ユニットにおける第1フットモード時の状態を示す概略断面図である。
【図3】第1実施形態の空調ユニットにおける第2フットモード時の状態を示す概略断面図である。
【図4】第1実施形態の空調ユニットにおけるバイレベルモード時の状態を示す概略断面図である。
【図5】第1実施形態の空調ユニットにおけるフット/デフモード時の状態を示す概略断面図である。
【図6】第1実施形態の作動を示すフローチャートである。
【図7】図6のステップS150の作動を示すフローチャートである。
【図8】TAOに基づいて吹出モードを設定することを示す説明図である。
【図9】第2実施形態の空調ユニットにおける第1フットモード時の状態を示す概略断面図である。
【図10】第2実施形態の空調ユニットにおける第2フットモード時の状態を示す概略断面図である。
【図11】第2実施形態における吹出モードをTAOと湿度判定とによって設定することを示す特性図である。
【図12】図11の湿度判定を相対湿度により設定していることを示す特性図である。
【図13】第3実施形態における吹出モード設定の作動を示すフローチャートである。
【符号の説明】
7…送風機、12…暖房用熱交換器、15…デフロスタ開口部、
16…フェイス開口部、19…前席側フット開口部、
20…後席側フット開口部、77…湿度センサ。
Claims (1)
- 車室内へ向けて空気を吹き出す送風機(7)と、
前記送風機(7)の送風空気を加熱する暖房用熱交換器(12)と、
前記暖房用熱交換器(12)の空気流れ下流側に設けられ、前記暖房用熱交換器(12)を通過した送風空気を前席側乗員足元に向けて吹き出す前席側フット開口部(19)と、
前記暖房用熱交換器(12)の空気流れ下流側に設けられ、前記送風空気を後席側乗員足元に向けて吹き出す後席側フット開口部(20)と、
前記暖房用熱交換器(12)の空気流れ下流側に設けられ、前記窓ガラス内面に向けて前記送風空気を吹き出すデフロスタ開口部(15)とを備え、
前記前席側フット開口部(19)からの吹出風量を前記後席側フット開口部(20)からの吹出風量よりも多くした第1フットモードと、
前記両フット開口部(19、20)からの吹出空気の総量を前記第1フットモードと比較して減少し、前記デフロスタ開口部(15)から前記送風空気を所定量吹き出す第2フットモードとが少なくとも設定可能になっており、
窓ガラスの曇り発生状況と相関関係のある情報値が所定値以上のときは、窓ガラスが曇る状況に近い、または窓ガラスが曇っていると判定して、前記第2フットモードを実行し、前記情報値が所定値未満のときは前記第1フットモードを実行するようになっており、
さらに、前記第1フットモードおよび前記第2フットモードを車室内への吹出空気の目標吹出温度(TAO)が所定温度以上のときのみに実行することを特徴とする車両用空調装置。
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