JP3691275B2 - 電子写真プリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真プリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、転写ベルトを使用した電子写真プリンタにおいては、印字起動が掛かると、印字媒体が、ホッピングローラ又は手差しによって給紙され、吸着部において転写ベルトに静電的に吸着され、その後、転写ベルトによって搬送されて感光体ドラムと転写ローラとの間、すなわち、転写部に送られる。
【0003】
そして、カラー印字を行うことができるように、前記転写ベルトに沿ってイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの複数の感光体ドラムが転写ベルトと接離自在に配設されるとともに、前記各感光体ドラムと対向させて転写ベルトを挟んで各転写ローラが配設される。また、転写ベルトを走行させることによって印字媒体を搬送し、各転写ローラに転写電圧を印加することによって、各感光体ドラム上に形成された各色のトナー像を印字媒体に転写することができるようになっている。
【0004】
なお、各感光体ドラムは、転写ベルトから離されたアップ状態、及び転写ベルトに接触させられたダウン状態を採り、必要なときだけダウン状態に置くことができるようになっている。したがって、感光体ドラムの耐久性を向上させることができる。そして、カラー印字を行う場合は、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各感光体ドラムがダウン状態に置かれ、ブラック印字を行う場合は、イエロー、マゼンタ及びシアンの各感光体ドラムがアップ状態に置かれ、ブラックの感光体ドラムがダウン状態に置かれる。
【0005】
また、すべてのトナー像の転写が終了すると、吸着されていた印字媒体は転写ベルトから分離させられて定着装置に送られ、該定着装置においてトナー像が印字媒体に定着される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の電子写真プリンタにおいて、前記転写電圧は、印字媒体が各転写部に存在しているときと存在していないときとで等しいので、低温低湿環境下において連続印字を行うと、転写ベルトが帯電させられ、過剰な帯電によって制御部が誤動作を起こしたり、搬送ジャムが発生したりしてしまう。
【0007】
図2は従来の電子写真プリンタの概念図である。
図において、11は感光体ドラム、16は転写ベルト、17は転写ローラ、19は印字媒体、Pは転写部である。
この場合、低温低湿環境下において連続印字を行うと、転写ベルト16が帯電させられ、過剰な帯電によって電子写真プリンタの図示されない制御部が誤動作を起こしてしまう。
【0008】
また、転写ベルト16が帯電させられると、静電気の作用によって印字媒体19が浮き上がったり、印字媒体19が転写部Pに到達したときに、印字媒体19の前端が感光体ドラム11又は図示されない筐(きょう)体に引っ掛かって折れたりして、搬送ジャムを発生させてしまう。
さらに、印字媒体19が浮き上がることによって、筐体と印字媒体19の印字面とが擦(こす)れて印字品位を低下させてしまう。
【0009】
本発明は、前記従来の電子写真プリンタの問題点を解決して、制御部が誤動作を起こしたり、搬送ジャムが発生したりすることがなく、印字品位が低下するのを防止することができる電子写真プリンタを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の電子写真プリンタにおいては、単色の印字モード及び複数の色による印字モードで印字を行うことができるようになっている。
そして、駆動手段によって走行させられ、印字媒体を搬送する転写ベルトと、該転写ベルトに沿って配設された複数の像担持体と、前記転写ベルトを挟んで前記各像担持体と対向させられる転写手段と、前記像担持体と転写手段との間に印字媒体が存在していない期間に、紙間電圧値を転写手段に印加する手段と、前記像担持体と転写手段との間に印字媒体が存在している期間に、転写時電圧値を転写手段に印加する手段と、単色の印字モードによる印字が行われるときに、前記像担持体と転写手段との間における印字媒体の有無に係わらず、該当する色以外の転写手段に前記紙間電圧値を印加する手段とを有する。
【0011】
そして、前記紙間電圧値は転写時電圧値より低く設定される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図3は本発明の第1の実施の形態における電子写真プリンタの画像形成部の概略図である。
図において、11は像担持体としての感光体ドラム、12は該感光体ドラム11を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ、13は帯電させられた前記感光体ドラム11の表面を照射して図示されない静電潜像を形成する露光手段としての露光装置、14は前記静電潜像に図示されないトナーを付着させることによって現像を行い、図示されないトナー像を形成する現像手段としての現像ローラ、15は該現像ローラ14にトナーを供給するトナー供給手段としてのトナー供給ローラである。なお、前記現像ローラ14及びトナー供給ローラ15によって現像装置が構成される。
【0013】
また、16は図示されない駆動手段によって走行させられ、走行に伴って図示されない印字媒体を搬送する転写ベルト、17は前記感光体ドラム11との間に転写部Pを形成し、感光体ドラム11上のトナー像を印字媒体に転写する転写手段としての転写ローラ、18は転写後に感光体ドラム11に残留したトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレードである。
【0014】
図4は本発明の第1の実施の形態における電子写真プリンタのカラー印字時の状態を示す図、図5は本発明の第1の実施の形態における電子写真プリンタのブラック印字時の状態を示す図である。
図において、11Yはイエローの感光体ドラム、11Mはマゼンタの感光体ドラム、11Cはシアンの感光体ドラム、11Kはブラックの感光体ドラムであり、該感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kはいずれも転写ベルト16を挟んで転写ローラ17と対向させられる。
【0015】
そして、カラー印字時において、図示されない像担持体駆動手段が駆動され、各色の感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kはダウン状態に置かれる。また、21は第1の吸着ローラ21a及び第2の吸着ローラ21bによって構成され、図示されない給紙部から矢印方向に給紙された図示されない印字媒体を転写ベルト16に吸着させる吸着部、22、23はアイドルローラ、25は図示されない駆動手段によって回転させられ、前記転写ベルト16を走行させる駆動ローラであり、該駆動ローラ25はすべての転写が終了したときに印字媒体を転写ベルト16から分離させるために接地され、分離させられた印字媒体は矢印方向に更に搬送されて図示されない定着器に送られる。
【0016】
そして、ブラック印字時において、前記像担持体駆動手段が駆動され、イエロー、マゼンタ及びシアンの感光体ドラム11Y、11M、11Cはアップ状態に、ブラックの感光体ドラム11Kはダウン状態に置かれる。
図1は本発明の第1の実施の形態における電子写真プリンタの制御ブロック図である。
【0017】
図において、31は上位装置としてのホストコンピュータ、32は電子写真プリンタの設定を行うためのオペレーションパネル、33は前記ホストコンピュータ31から印字データ、設定値等を受けて、電子写真プリンタの全体の制御を行う制御部、34は電子写真プリンタが置かれている環境の温度を検出し、センサ出力を前記制御部33に送る温度センサ、35は電子写真プリンタが置かれている環境の湿度を検出し、センサ出力を前記制御部33に送る湿度センサ、36は図示されない印字媒体の大きさ、搬送位置、搬送状態等を検出し、センサ出力を前記制御部33に送る用紙センサである。前記温度センサ34及び湿度センサ35によって、温度、湿度等の環境条件を検出する環境条件検出手段が構成される。
【0018】
また、37は前記制御部33内に配設され、前記温度センサ34及び湿度センサ35の各センサ出力に基づいて転写電圧を決定する高圧決定部であり、該高圧決定部37は、転写が行われている転写時の転写電圧の値、すなわち、転写時電圧値を決定するための転写時電圧テーブル37a、及び転写が行われていない紙間時の転写電圧の値、すなわち、紙間電圧値を決定するための紙間電圧テーブル37bを備える。
【0019】
そして、38は前記高圧決定部37によって決定された転写時電圧値及び紙間電圧値で、転写ローラ17(図3)に転写電圧を所定のタイミングで印加する転写電圧印加手段としての高圧出力部、39は図示されない駆動手段を駆動するためのタイミング信号を発生させるモータドライバである。
図6は本発明の第1の実施の形態における紙間電圧値シーケンスを示す図、図7は転写電圧と空気中の含水量との関係を示す図である。なお、図7において、横軸に空気中の含水量を、縦軸に転写電圧を採ってある。
【0020】
図6において、11は感光体ドラム、16は転写ベルト、17は転写ローラ、19は印字媒体、Pは転写時電圧値a及び紙間電圧値bの転写電圧の印加が行われる転写部である。
また、図7において、aは転写時電圧値を、bは本実施の形態における紙間電圧値を示す。該紙間電圧値bは転写時電圧値aを超えない一定の値にされる。
【0021】
この場合、空気中の含水量に基づいて、転写ローラ17に環境に適した転写電圧を印加することができる。そのために、前記高圧決定部37(図1)は、温度センサ34及び湿度センサ35の各センサ出力に対応させて紙間電圧値bを段階的に変化させ、含水量が少なく、各センサ出力が小さくなり、所定の閾(しきい)値以下になった場合、紙間電圧値bを、低くするか又はカットして0〔V〕にし、また、含水量が多く、各センサ出力が閾値より大きい場合、紙間電圧値bを、転写時電圧値aと同じ値にするか又は転写時電圧値aを超えない一定の値にする。そして、センサ出力が中程度である場合、紙間電圧値bは転写時電圧値aの約50〔%〕程度にされる。なお、各センサ出力が第1の閾値以下になったときに紙間電圧値bを低くし、各センサ出力が第2の閾値以下になったときに紙間電圧値bを0〔V〕にすることもできる。
【0022】
したがって、低温低湿環境下において連続印字を行っても、紙間電圧値bが低くされるので、転写ベルト16が帯電させられるのを抑制することができる。その結果、前記制御部33が誤動作を起こすことがなくなる。
また、転写ベルト16が帯電させられるのを抑制することができるので、静電気の作用によって印字媒体19が浮き上がったり、印字媒体19が転写部Pに到達したときに、印字媒体19の前端が感光体ドラム11又は図示されない筐体に引っ掛かって折れたりすることがなくなる。したがって、搬送ジャムが発生することがなくなる。
【0023】
さらに、印字媒体19が浮き上がらないので、筐体と印字媒体19の印字面とが擦れることがなくなる。したがって、印字品位が低下するのを防止することができる。
なお、前記転写時電圧値aは転写時電圧テーブル37aに、紙間電圧値bは紙間電圧テーブル37bにそれぞれ格納される。
【0024】
図8は本発明の第1の実施の形態における高圧決定部の動作を示すタイムチャートである。
まず、タイミングt0で印字起動が掛かると、高圧決定部37(図1)は、タイミングt1で吸着部21(図5)に印加される吸着電圧FiXをローレベル(L)にするとともに、イエローの転写ローラ17に印加される転写電圧Tr −Y、マゼンタの転写ローラ17に印加される転写電圧Tr −M、シアンの転写ローラ17に印加される転写電圧Tr −C、及びブラックの転写ローラ17に印加される転写電圧Tr −Kをいずれも紙間電圧値b(図7)によって与えられるローレベルにする。
【0025】
次に、タイミングt2で前記吸着電圧FiXをハイレベル(H)にするとともに、タイミングt3で転写電圧Tr −Yを転写時電圧値aによって与えられるハイレベルにする。
続いて、タイミングt4で転写電圧Tr −Mを転写時電圧値aによって与えられるハイレベルにし、タイミングt5で吸着電圧FiXをローレベルに、転写電圧Tr −Cを転写時電圧値aによって与えられるハイレベルにし、タイミングt6で転写電圧Tr −Yを紙間電圧値bによって与えられるローレベルに、転写電圧Tr −Kを転写時電圧値aによって与えられるハイレベルにする。
【0026】
そして、タイミングt7で転写電圧Tr −Mを紙間電圧値bによって与えられるローレベルにし、タイミングt8で転写電圧Tr −Cを紙間電圧値bによって与えられるローレベルにし、タイミングt9で転写電圧Tr −Kを紙間電圧値bによって与えられるローレベルにし、タイミングt10で吸着電圧FiXを0にするとともに、転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kをいずれも0にする。
【0027】
なお、説明の便宜上、タイミングt5で吸着電圧FiXをローレベルにし、かつ、転写電圧Tr −Cを転写時電圧値aによって与えられるハイレベルにしているが、実際は、吸着電圧FiXをローレベルにするタイミングと転写電圧Tr −Cをハイレベルにするタイミングとは異ならせられる。例えば、A4判の印字媒体19(図6)に対して印字を行う場合、転写電圧Tr −Cを転写時電圧値aによって与えられるハイレベルにした後、吸着電圧FiXをローレベルにする。
【0028】
次に、前記構成の電子写真プリンタの動作について説明する。
図9は本発明の第1の実施の形態における電子写真プリンタの動作を示すフローチャートである。
まず、制御部33(図1)がホストコンピュータ31から印字データを受信して印字起動が掛かると、高圧決定部37の図示されない紙間電圧値変更手段は、温度センサ34及び湿度センサ35のセンサ出力を読み取り、該センサ出力に基づいて環境を推定し、該環境に対応する転写電圧Tr −Y(図8)、Tr −M、Tr −C、Tr −Kを決定する。次に、制御部33は、印字データに基づいて、カラー印字であるかブラック印字であるかを判定し、カラー印字である場合は、すべての感光体ドラム11Y(図5)、11M、11C、11Kをダウン状態に置く。一方、ブラック印字である場合は、感光体ドラム11Y、11M、11Cをアップ状態に、ブラックの感光体ドラム11Kをダウン状態に置く。
【0029】
続いて、制御部33は、印字媒体19(図6)を転写ベルト16に吸着させ、搬送して転写を行う。この場合、各色の転写部Pに印字媒体19が存在している間に、転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kが転写時電圧値aにされ、転写ローラ17に順次印加される。実際は、各色の転写部Pに印字媒体19の前端が到達してから印字可能領域の前端が到達するまでの間に、転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kが転写時電圧値aにされ、転写ローラ17に順次印加される。そして、転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kが転写時電圧値aになるまでの間、及び各転写部Pに印字可能領域の後端が到達してから印字媒体19の後端が到達するまでの間に、転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kが紙間電圧値bにされ、転写ローラ17に印加される。この場合、各転写部Pに印字媒体19が存在しないときに転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kが転写時電圧値aにされないので、大量の転写電流が流れることはない。したがって、転写ベルト16、感光体ドラム11Y、11M、11C、11K等が劣化するのを防止することができるので、印字品位を向上させることができる。
【0030】
また、温度センサ34及び湿度センサ35のセンサ出力に基づいて、転写ベルト16、印字媒体19等が帯電しやすい環境下、例えば、低温低湿環境下であると判断された場合、紙間電圧値bを転写時電圧値aの約50〔%〕にするか、又は0〔V〕にする。
この場合、紙間電圧値bを転写時電圧値aの約50〔%〕にするか、又は0〔V〕にすると、転写時電圧値aの転写電圧の印加が行われている転写部P、又は吸着部21から、紙間電圧値bの転写電圧の印加が行われている転写部Pに向けて漏れ電流が流れることが考えられるが、低温低湿環境下においては、印字媒体19及び転写ベルト16のインピーダンスが高くなるので、漏れ電流は少ない。
【0031】
このようにして、各転写部Pにおける転写がすべて終了すると、印字媒体19は、転写ベルト16から分離させられて図示されない定着器に送られ、定着器においてトナー像が定着され、印字出力が行われる。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 印字起動が掛かる。
ステップS2 温度センサ34及び湿度センサ35のセンサ出力を読み取る。
ステップS3 転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kを決定する。
ステップS4 カラー印字であるかどうかを判断する。カラー印字である場合はステップS6に、カラー印字でない場合、すなわち、ブラック印字である場合はステップS5に進む。
ステップS5 ブラックの感光体ドラム11Kをダウン状態に置く。
ステップS6 すべての感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kをダウン状態に置く。
ステップS7 印字媒体19を搬送する。
ステップS8 各色の感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kと転写ベルト16との間に印字媒体19が有るかどうかを判断する。印字媒体19が有る場合はステップS10に、無い場合はステップS9に進む。
ステップS9 紙間電圧値bの転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kを印加する。
ステップS10 転写時電圧値aの転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kを印加する。
ステップS11 すべての転写が終了したかどうかを判断する。すべての転写が終了した場合はステップS12に進み、終了していない場合はステップS8に戻る。
ステップS12 定着を行う。
ステップS13 印字出力を行う。
【0032】
このように、低温低湿環境下において連続印字を行っても、紙間電圧値bが低くされるので、転写ベルト16が帯電させられるのを抑制することができる。その結果、前記制御部33が誤動作を起こしたり、搬送ジャムが発生したりすることがなくなる。
なお、本実施の形態においては、印字起動が掛かると、温度センサ34及び湿度センサ35のセンサ出力が読み取られ、転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kが決定され、続いて、カラー印字であるかブラック印字であるかが判定され、カラー印字である場合は、すべての感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kがダウン状態に置かれ、ブラック印字である場合は、感光体ドラム11Y、11M、11Cがアップ状態に、ブラックの感光体ドラム11Kがダウン状態に置かれるようになっているが、後述されるように、印字起動が掛かった直後に、カラー印字であるかブラック印字であるかを判定することもできる。
【0033】
その場合、カラー印字であるかブラック印字であるかが判定され、カラー印字である場合は、すべての感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kがダウン状態に置かれ、ブラック印字である場合は、感光体ドラム11Y、11M、11Cがアップ状態に、ブラックの感光体ドラム11Kがダウン状態に置かれる。その後、温度センサ34及び湿度センサ35のセンサ出力が読み取られ、転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kが決定される。
【0034】
そして、カラー印字である場合は、カラー印字モード転写処理が行われ、ブラック印字である場合は、ブラック印字モード転写処理が行われる。
ところで、高温高湿環境下においては、印字媒体19が空気中の水分を吸ってインピーダンスが低くなるので、本実施の形態における電子写真プリンタにおいては、紙間電圧値bの転写電圧の印加が行われている転写部Pから転写時電圧値aの転写電圧の印加が行われている転写部Pに向けて漏れ電流が流れる。その場合、感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kと印字媒体19との間に形成される電位が不安定になり、電界が不安定になって転写不良が発生してしまう。
【0035】
図10は電子写真プリンタのブラック印字時の漏れ電流の状態を示す第1の図である。なお、図5と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
図において、51Y、51M、51C、51Kはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各転写電源、52はヒートローラ、53はバックアップローラ、54はツェナーダイオード、55は印字媒体19の搬送路における転写ベルト16とヒートローラ52及びバックアップローラ53との間に配設されたガイド板金である。
【0036】
前記ツェナーダイオード54は、ガイド板金55及びヒートローラ52とグラウンドとの間に接続され、低温低湿環境下において、ガイド板金55を介して印字媒体19を除電する。したがって、印字媒体19が帯電させられることがなくなるので、印字媒体19の搬送不良を発生させたり、印字品位を低下させたりすることがなくなる。また、前記ツェナーダイオード54は、高温高湿環境下において、一定の電圧をクランプする。したがって、各転写部からヒートローラ52に向けて漏れ電流が流れるのを防止する。
【0037】
この場合、イエロー、マゼンタ、シアンの各感光体ドラム11Y、11M、11Cはアップ状態に置かれ、ブラックの感光体ドラム11Kだけがダウン状態に置かれる。
そして、前記イエロー、マゼンタ、シアンの各転写電源51Y、51M、51Cは、印字媒体19が存在するしないにかかわらず紙間電圧値bの転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −Cを各転写ローラ17に印加する。一方、ブラックの転写電源51Kは、印字媒体19が存在し転写が行われている場合は転写時電圧値aの転写電圧Tr −Kを、印字媒体19が存在せず転写が行われていない場合は紙間電圧値bの転写電圧Tr −Kをブラックの転写ローラ17に印加する。
【0038】
ところで、高温高湿環境下においては、印字媒体19が空気中の水分を吸ってインピーダンスが低くなるので、本実施の形態における電子写真プリンタにおいては、転写が行われている転写部に向けて他の転写部から印字媒体19を介して漏れ電流が流れる。例えば、図に示されるように、印字媒体19の後端がマゼンタの転写部を通過する状態においては、ブラックの転写部に向けてマゼンタ及びシアンの転写部から矢印方向に漏れ電流が流れる。
【0039】
その結果、ブラックの感光体ドラム11Kと印字媒体19との間の電位が高くなり、電界が強くなってしまうので、低温低湿環境下より転写が強くなる。
なお、ブラックの転写部を流れる転写電流の一部は、印字媒体19を介してヒートローラ52に向けて矢印方向に流れるが、前述されたように、ブラックの転写部とヒートローラ52との間にガイド板金55が配設されていて、ツェナーダイオード54によって一定の電圧がクランプされる。したがって、ヒートローラ52に向けて流れる電流の量は極めて少ない(1〔μA〕以下)ので、前記電流が転写に影響を与えることはない。
【0040】
次に、前記漏れ電流が流れたときの転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kについて説明する。
図11は転写電圧の第1の説明図、図12は転写電圧の第2の説明図である。
感光体ドラム11Y(図10)、11M、11C、11K上のトナー像を印字媒体19に転写する際の転写負荷は、印字媒体19の1ページに形成される画像の印字デューティによって異なる。そして、印字デューティが70〔%〕以上100〔%〕以下である印字のパターンをAとし、30〔%〕以上70〔%〕未満である印字のパターンをBとし、30〔%〕未満である印字のパターンをCとしたとき、各パターンA〜Cで印字を行うときに転写を良好に行うことができる転写電圧の範囲は、図11の矢印で示されるようになる。そこで、転写電圧の設定値は、図11の破線で示されるように、どのパターンA〜Cで印字を行っても転写を良好に行うことができる範囲AR1の真中の値V1に設定される。
【0041】
そして、例えば、ブラックの転写部に向けて漏れ電流が流れると、転写部において印字媒体19の表面と裏面との間に形成される電位差、すなわち、見かけ上の転写電圧Tr −Kは、漏れ電流の分だけ高くなる。ところが、高温高湿環境下においては、印字媒体19のインピーダンスが低くなるので、前記見かけ上の転写電圧Tr −Kは、インピーダンスが低くなる分だけ低くなる。
【0042】
したがって、高温高湿環境下において、転写が行われている転写部に向けて他の転写部から漏れ電流が流れる場合の見かけ上の転写電圧Tr −Kは、転写電源51Y、51M、51C、51Kによって各転写ローラ17に印加される前記設定値V1の転写電圧Tr −Kよりわずかに高くなり、図12に示されるように、前記範囲AR1内の値V2になる。その結果、ブラックの転写部における転写が強めになる。
【0043】
次に、転写が行われていない転写部から印字媒体19を介して転写が行われている転写部に向けて漏れ電流が流れない場合について説明する。
図13は電子写真プリンタのブラック印字時の漏れ電流の状態を示す第2の図、図14は転写電圧の第3の説明図である。なお、図10と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0044】
この場合、図13に示されるように、印字媒体19の後端がシアンの転写部から離れると、シアンの転写部からブラックの転写部に向けて漏れ電流は流れなくなるので、見かけ上の転写電圧Tr −Kが高くなることはない。そして、高温高湿環境下においては、印字媒体19のインピーダンスが低くなるので、設定値V1の転写電圧Tr −Kより見かけ上の転写電圧Tr −Kがその分低くなり、範囲AR1外の値V3になる。その結果、ブラックの転写部における転写が弱くなる。
【0045】
次に、カラー印字が行われる場合について説明する。
図15は電子写真プリンタのカラー印字時の漏れ電流の状態を示す図である。なお、図10と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
高温高湿環境下においては、前述されたように、印字媒体19のインピーダンスが低くなるので、印字媒体19を介して漏れ電流が流れやすくなるが、印字媒体19を介して隣接する転写部間で各漏れ電流は相殺される。ところが、印字媒体19がシアンの転写部から離れると、ブラックの転写部においてだけ転写が行われることになるので、ブラック印字時と同様に、印字媒体19のインピーダンスが低くなった分だけ見かけ上の転写電圧Tr −Kが低くなる。
【0046】
また、カラー印字においては、ブラックのトナー像が印字媒体19に転写される前にイエロー、マゼンタ及びシアンのトナー像が印字媒体19に転写されるので、ブラックの転写部においては、転写電流が印字媒体19内を厚さ方向に流れるのが、イエロー、マゼンタ及びシアンのトナー像によって抑制される。
したがって、ブラックの転写ローラ17に印加される見かけ上の転写電圧Tr −Kが更に低くなり、前記範囲AR1外の値V3(図14)になる。その結果、ブラックの転写部における転写が弱くなる。
【0047】
なお、カラー印字を行うときの転写電圧Tr −Kとブラック印字を行うときの転写電圧Tr −Kとは等しくされる。
このように、前記第1の実施の形態における電子写真プリンタにおいて、高温高湿環境下においてブラック印字又はカラー印字を行う場合に、印字媒体19の後端がシアンの転写部から離れると、見かけ上の転写電圧Tr −Kが低くなってブラックの転写部における転写が弱くなってしまうので、印字品位が低下してしまう。
【0048】
そこで、高温高湿環境下において印字を行う場合に印字品位が低下するのを防止することができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
図16は本発明の第2の実施の形態における電子写真プリンタの動作を示すメインフローチャート、図17は本発明の第2の実施の形態におけるブラック印字モード転写処理のサブルーチンを示す図、図18は本発明の第2の実施の形態におけるカラー印字モード転写処理のサブルーチンを示す図、図19は本発明の第2の実施の形態におけるイエロー印字転写処理のサブルーチンを示す図、図20は本発明の第2の実施の形態におけるブラック印字転写処理のサブルーチンを示す図である。
【0049】
この場合、制御部33(図1)は、ホストコンピュータ31からコマンド及び印字データを受信すると、前記コマンドを解析して前記ホストコンピュータ31による指示がカラー印字であるかどうかを判断する。そして、ホストコンピュータ31による指示がカラー印字である場合、図示されない像担持体駆動手段を駆動して、すべての像担持体としての感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kをダウン状態に置き、ホストコンピュータ31による指示がブラック印字である場合、前記像担持体駆動手段を駆動して、感光体ドラム11Y、11M、11Cをアップ状態に、ブラックの感光体ドラム11Kをダウン状態に置く。
【0050】
続いて、高圧決定部37が環境条件検出手段としての温度センサ34及び湿度センサ35のセンサ出力を読み取り、各センサ出力に対応させて転写時電圧値a及び紙間電圧値bを決定すると、前記制御部33はモータドライバ39に指示を送って図示されない印字媒体搬送部を駆動し、印字媒体19(図10)を搬送する。
【0051】
そして、前記制御部33は、前記ホストコンピュータ31による指示がカラー印字であるかどうかを判断し、ホストコンピュータ31による指示がカラー印字である場合、カラー印字モード転写処理を開始し、ブラック印字である場合、ブラック印字モード転写処理を開始する。
このようにして、各転写部における転写がすべて終了すると、印字媒体19は、転写ベルト16から分離させられて図示されない定着器に送られ、定着器においてトナー像が定着され、印字出力が行われる。
【0052】
次に、図16のフローチャートについて説明する。
ステップS21 印字データを受信する。
ステップS22 カラー印字であるかどうかを判断する。カラー印字である場合はステップS23に、ブラック印字である場合はステップS24に進む。
ステップS23 すべての感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kをダウン状態に置く。
ステップS24 ブラックの感光体ドラム11Kをダウン状態に置く。
ステップS25 温度センサ34及び湿度センサ35のセンサ出力を読み取る。
ステップS26 転写時電圧値a及び紙間電圧値bを決定する。
ステップS27 印字媒体19を搬送する。
ステップS28 カラー印字であるかどうかを判断する。カラー印字である場合はステップS30に、ブラック印字である場合はステップS29に進む。
ステップS29 ブラック印字モード転写処理を行う。
ステップS30 カラー印字モード転写処理を行う。
ステップS31 定着を行う。
ステップS32 印字出力を行う。
【0053】
次に、ブラック印字モード転写処理について説明する。
まず、転写電圧印加手段としての高圧出力部38は、紙間電圧値bの転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kをイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの転写手段としての各転写ローラ17に印加し、印字媒体19の前端がイエロー、マゼンタ及びシアンの各転写部を順に通過し、ブラックの転写部に到達すると、転写時電圧値aの転写電圧Tr −Kをブラックの転写ローラ17に印加する。
【0054】
続いて、印字媒体19の後端がシアンの転写部から離れると、高圧決定部37内の図示されない転写電圧補正手段は転写電圧Tr −Kを補正し、高圧出力部38は補正された転写電圧Tr −Kをブラックの転写ローラ17に印加する。そして、印字媒体19の後端がブラックの転写部から離れると、高圧出力部38は紙間電圧値bの転写電圧Tr −Kをブラックの転写ローラ17に印加する。
【0055】
次に、図17のフローチャートについて説明する。
ステップS29−1 紙間電圧値bの転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kを各転写ローラ17に印加する。
ステップS29−2 印字媒体19がイエローの転写部を通過する。
ステップS29−3 印字媒体19がマゼンタの転写部を通過する。
ステップS29−4 印字媒体19がシアンの転写部を通過する。
ステップS29−5 印字媒体19の前端がブラックの転写部に到達するのを待機する。
ステップS29−6 転写時電圧値aの転写電圧Tr −Kをブラックの転写ローラ17に印加する。
ステップS29−7 印字媒体19の後端がシアンの転写部から離れるのを待機する。
ステップS29−8 転写電圧Tr −Kを補正する。
ステップS29−9 印字媒体19の後端がブラックの転写部から離れるのを待機する。
ステップS29−10 紙間電圧値bの転写電圧Tr −Kをブラックの転写ローラ17に印加する。
【0056】
次に、カラー印字モード転写処理について説明する。
まず、高圧出力部38は、紙間電圧値bの転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kをイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各転写ローラ17に印加し、印字媒体19の前端がイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各転写部を順に通過するときに、それぞれイエロー印字転写処理、マゼンタ印字転写処理、シアン印字転写処理及びブラック印字転写処理を行い、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナー像を各転写ローラ17に転写する。
【0057】
次に、図18のフローチャートについて説明する。
ステップS30−1 紙間電圧値bの転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kを各転写ローラ17に印加する。
ステップS30−2 イエロー印字転写処理を行う。
ステップS30−3 マゼンタ印字転写処理を行う。
ステップS30−4 シアン印字転写処理を行う。
ステップS30−5 ブラック印字転写処理を行う。
【0058】
次に、イエロー印字転写処理、マゼンタ印字転写処理及びシアン印字転写処理について説明する。
まず、制御部33は、印字媒体検出手段としての用紙センサ36のセンサ出力を読み取り、印字媒体19の前端がイエローの転写部に到達したかどうかを判断する。そして、印字媒体19の前端がイエローの転写部に到達すると、転写時電圧値aの転写電圧Tr −Yをイエローの転写ローラ17に印加する。続いて、印字媒体19の後端がイエローの転写部から離れると、高圧出力部38は紙間電圧値bの転写電圧Tr −Yをイエローの転写ローラ17に印加する。
【0059】
同様に、印字媒体19の前端がマゼンタの転写部に到達したかどうかを判断する。そして、印字媒体19の前端がマゼンタの転写部に到達すると、転写時電圧値aの転写電圧Tr −Mをマゼンタの転写ローラ17に印加する。続いて、印字媒体19の後端がマゼンタの転写部から離れると、高圧出力部38は紙間電圧値bの転写電圧Tr −Mをマゼンタの転写ローラ17に印加する。
【0060】
さらに、印字媒体19の前端がシアンの転写部に到達したかどうかを判断する。そして、印字媒体19の前端がシアンの転写部に到達すると、転写時電圧値aの転写電圧Tr −Cをシアンの転写ローラ17に印加する。続いて、印字媒体19の後端がシアンの転写部から離れると、高圧出力部38は紙間電圧値bの転写電圧Tr −Cをシアンの転写ローラ17に印加する。
【0061】
次に、図19のフローチャートについて説明する。なお、マゼンタ印字転写処理及びシアン印字転写処理はイエロー印字転写処理と同様な手順で行われるので、フローチャートの説明を省略する。
ステップS30−2−1 印字媒体19の前端がイエローの転写部に到達するのを待機する。
ステップS30−2−2 転写時電圧値aの転写電圧Tr −Yをイエローの転写ローラ17に印加する。
ステップS30−2−3 印字媒体19の後端がイエローの転写部から離れるのを待機する。
ステップS30−2−4 紙間電圧値bの転写電圧Tr −Yをイエローの転写ローラ17に印加する。
【0062】
次に、ブラック印字転写処理について説明する。
まず、制御部33は、印字媒体検出手段としての用紙センサ36のセンサ出力を読み取り、印字媒体19の前端がブラックの転写部に到達したかどうかを判断する。そして、印字媒体19の前端がブラックの転写部に到達すると、転写時電圧値aの転写電圧Tr −Kをブラックの転写ローラ17に印加する。
【0063】
続いて、印字媒体19の後端がシアンの転写部から離れると、高圧決定部37は転写電圧Tr −Kを補正し、高圧出力部38は補正された転写電圧Tr −Kをブラックの転写ローラ17に印加する。そして、印字媒体19の後端がブラックの転写部から離れると、高圧出力部38は紙間電圧値bの転写電圧Tr −Kをブラックの転写ローラ17に印加する。
【0064】
次に、図20のフローチャートについて説明する。
ステップS30−5−1 印字媒体19の前端がブラックの転写部に到達するのを待機する。
ステップS30−5−2 転写時電圧値aの転写電圧Tr −Kをブラックの転写ローラ17に印加する。
ステップS30−5−3 印字媒体19の後端がシアンの転写部から離れるのを待機する。
ステップS30−5−4 転写電圧Tr −Kを補正する。
ステップS30−5−5 印字媒体19の後端がブラックの転写部から離れるのを待機する。
ステップS30−5−6 紙間電圧値bの転写電圧Tr −Kをブラックの転写ローラ17に印加する。
【0065】
続いて、高圧決定部37の動作について説明する。
図21は本発明の第2の実施の形態におけるブラック印字時の高圧決定部の動作を示すタイムチャート、図22は本発明の第2の実施の形態におけるカラー印字時の高圧決定部の動作を示すタイムチャート、図23は本発明の第2の実施の形態における環境変数テーブルを示す第1の図、図24は本発明の第2の実施の形態における環境変数テーブルを示す第2の図である。
【0066】
図21に示されるように、まず、タイミングt20で印字起動が掛かると、高圧決定部37(図1)は、タイミングt21で吸着部21(図5)に印加される吸着電圧FiXをローレベル(L)にするとともに、イエローの転写ローラ17に印加される転写電圧Tr −Y、シアンの転写ローラ17に印加される転写電圧Tr −M、シアンの転写ローラ17に印加される転写電圧Tr −C、及びブラックの転写ローラ17に印加される転写電圧Tr −Kをいずれも紙間電圧値b(図7)によって与えられるローレベルにする。
【0067】
次に、タイミングt22で前記吸着電圧FiXをハイレベル(H)にし、タイミングt23で吸着電圧FiXをローレベルにする。続いて、タイミングt24で転写電圧Tr −Kを転写時電圧値aによって与えられるハイレベルにする。
そして、タイミングt25で印字媒体19(図10)の後端がシアンの転写部から離れると、前記転写電圧Tr −Kを補正し、タイミングt26で転写電圧Tr −Kを紙間電圧値bによって与えられるローレベルにし、タイミングt27で吸着電圧FiXを0にするとともに、転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kをいずれも0にする。
【0068】
ところで、前記転写電圧Tr −Kを補正するために、前記転写時電圧値aに補正電圧が加算される。該補正電圧は、環境、印字媒体19の状態等によって異なるが、転写時電圧値aの1〜2割程度に設定される。本実施の形態においては、環境、すなわち、温度センサ34によって検出された温度及び湿度センサ35によって検出された湿度に基づいて空気中の含水量を推定し、図23に示されるように、高温高湿環境側から低温低湿環境側にかけて環境が8段階に分類され、環境変数1〜8が設定されるとともに、各環境変数1〜8に対応させて補正電圧が設定される。この場合、高温高湿環境側になるほど補正電圧が高くされ、低温低湿環境側においては、補正電圧が0〔V〕にされるか、低くされる。そして、図24に示されるように、温度及び湿度はいずれも9個の領域に区分され、各センサ出力のセンサ読値に対応させられる。
【0069】
次に、カラー印字モードについて説明する。
図22に示されるように、まず、タイミングt30で印字起動が掛かると、高圧決定部37は、タイミングt31で吸着部21に印加される吸着電圧FiXをローレベルにするとともに、転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kをいずれも紙間電圧値bによって与えられるローレベルにする。
【0070】
次に、タイミングt32で前記吸着電圧FiXをハイレベルにするとともに、タイミングt33で転写電圧Tr −Yを転写時電圧値aによって与えられるハイレベルにする。
続いて、タイミングt34で転写電圧Tr −Mを転写時電圧値aによって与えられるハイレベルにし、タイミングt35で転写電圧Tr −Cを転写時電圧値aによって与えられるハイレベルにし、タイミングt36で吸着電圧FiXをローレベルにする。
【0071】
そして、タイミングt37で転写電圧Tr −Kを転写時電圧値aによって与えられるハイレベルにし、タイミングt38で転写電圧Tr −Yを紙間電圧値bによって与えられるローレベルにする。
続いて、タイミングt39で転写電圧Tr −Mを紙間電圧値bによって与えられるローレベルにし、印字媒体19の後端がシアンの転写部から離れると、タイミングt40で転写電圧Tr −Kを補正し、転写電圧Tr −Cを紙間電圧値bによって与えられるローレベルにし、タイミングt41で転写電圧Tr −Kを紙間電圧値bによって与えられるローレベルにし、タイミングt42で吸着電圧FiXを0にするとともに、転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kをいずれも0にする。
【0072】
このように、本実施の形態においては、高温高湿環境下において印字媒体19に対して印字を行う際に、印字媒体19の後端がシアンの転写部から離れたときにブラックの転写電圧Tr −Kを1〜2割高くすることによって、印字媒体19の後端部において転写が弱くなるのを防止することができる。したがって、印字品位が低下するのを防止することができる。
【0073】
ところで、第2の実施の形態においては、高温高湿環境下において1枚の印字媒体19に対して印字を行う場合について説明したが、連続印字を行う場合には、現像装置内のトナーの状態によって転写不良が発生することがある。
図25は印字枚数とトナーの帯電量との関係図である。図において、横軸に印字枚数を、縦軸にトナーの帯電量を採ってある。
【0074】
現像装置内において、トナーは印字中に攪(かく)拌されるとともに、現像ローラ14(図3)及びトナー供給ローラ15の回転によって帯電させられる。したがって、印字枚数が増加するに従ってトナーの帯電量は多くなる。なお、ΔTは休止時間であり、該休止時間ΔTの間にトナーの攪拌、並びに現像ローラ14及びトナー供給ローラ15の回転が停止させられる。
【0075】
図に示されるように、印字枚数が増加するにつれてトナーの帯電量が多くなると、安定した転写を行うことができず、転写不良が発生してしまう。
そこで、連続印字を行う場合に転写不良が発生することがないようにした本発明の第3の実施の形態について説明する。
図26は本発明の第3の実施の形態における電子写真プリンタの制御ブロック図である。
【0076】
図において、61は印字起動が掛かったときの温度、湿度等の環境条件を検出する環境条件検出手段であり、該環境条件検出手段61は、温度センサ34(図1)、湿度センサ35等から成る。なお、温度センサ34、湿度センサ35等に代えて他の検出手段を使用することもできる。また、62はオペレーションパネル32からのマニュアル入力、ホストコンピュータ31からの印字媒体19(図10)の種類、サイズデータ等の受信、印字媒体19の搬送路に配設された用紙センサ36による検出等に基づいて、これから印字を行おうとする印字媒体19の種類を検出する印字媒体検出部である。
【0077】
そして、63は電子写真プリンタの印字起動が掛かってからの印字枚数をカウントする印字枚数検出部、64は印字が終了又は中断した後に次の印字が開始されるまでの時間τを検出するタイマ部である。なお、前記印字枚数検出部63及びタイマ部64によって、印字枚数、時間τ等の印字条件を検出する印字条件検出手段が構成される。
【0078】
そして、前記環境条件検出手段61、印字媒体検出部62、印字枚数検出部63及びタイマ部64からの情報は判別部65に送られ、該判別部65内の図示されない転写電圧補正手段は、前記情報に基づいて、イエロー、マゼンタ及びシアンの各転写ローラ17に印加する転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、並びにブラックの転写電圧Tr −Kを補正するための補正電圧を決定する。そのために、前記判別部65には、温度、湿度、印字媒体19の種類、印字枚数、印字が停止させられる時間、及び転写電圧Tr −Kと補正電圧との関係を示すテーブルが配設され、該テーブルは、環境、印字媒体等を変化させたときの実験結果に基づいて最適な転写制御を行うことができるように作成されている。なお、66は高圧出力部であり、該高圧出力部66は前記判別部65によって決定された転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kを各転写ローラ17に印加する。
【0079】
この場合、印字起動が掛かると、判別部65は、環境条件検出手段61によって検出された環境条件を読み込み、該環境条件に基づいて環境を推定し、該環境に対応する転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kを決定する。
そして、判別部65は、初期設定を行い、電子写真プリンタが常温常湿環境下又は低温低湿環境下に置かれていると推定すると、印字媒体19が比較的乾燥していて漏れ電流は発生しにくいと判断し、ブラックの転写電圧Tr −Kの補正電圧を0〔V〕にして補正電圧レベルを0にする。その結果、高圧出力部66は、印字媒体19の前端がブラックの転写部に到達してから後端がブラックの転写部から離れるまで一定の転写電圧Tr −Kを転写ローラ17に印加する。
【0080】
また、判別部65は、電子写真プリンタが高温高湿環境下に置かれていると推定すると、印字媒体19が空気中の水分を吸収していて、漏れ電流が発生しやすいと判断し、高温高湿環境に対応させて設定された補正電圧を決定し、補正電圧レベルを1〜4にする。その結果、高圧出力部66は印字媒体19の後端がシアンの転写部から離れると、ブラックの転写電圧Tr −Kを補正する。
【0081】
そして、連続印字が行われる場合は、判別部65は印字枚数が増加するのに従って前記補正電圧レベルを高く(1レベルアップ)する。
また、間欠印字が行われる場合、タイマ部64によって検出された時間τが経過すると、判別部65は一旦(たん)補正電圧レベルを低く(1レベルダウン)し、次の印字起動を待機する。そして、時間2τ以上が経過すると、判別部65は更に補正電圧レベルを低く(2レベルダウン)し、時間3τ以上経過しても印字起動が掛からないときは、再び環境条件を読み込み、初期状態の補正電圧レベルに戻す。
【0082】
なお、このような制御は、初期設定の際に補正レベルが1以上にされた場合に行われ、補正レベルが0にされた場合には、連続印字が行われても補正レベルは0のままにされる。
次に、前記構成の電子写真プリンタの動作について説明する。
図27は本発明の第3の実施の形態における電子写真プリンタの動作を示す第1のフローチャート、図28は本発明の第3の実施の形態における電子写真プリンタの動作を示す第2のフローチャート、図29は本発明の第3の実施の形態における高温高湿環境下において連続印字を行ったときの印字枚数と補正電圧レベルとの関係を示す図である。
【0083】
この場合、補正電圧レベル0は±0〔V〕であり、常温常湿環境下及び低温低湿環境下に適用される。また、補正電圧レベル1は+100〔V〕、補正電圧レベル2は+200〔V〕、補正電圧レベル3は+300〔V〕、補正電圧レベル4は+400〔V〕であり、高温高湿環境下に適用され、ブラックの転写ローラ17(図10)に印加される転写電圧Tr −K(図22)は、それぞれ補正電圧レベルに対応する補正電圧だけ加算され、高くされる。
【0084】
まず、電子写真プリンタの印字起動が掛かると、判別部65(図26)は、環境を推定し、転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −K及び転写電圧Tr −Kの補正電圧レベルを決定する。
そして、例えば、初期状態において補正電圧レベルが2であり、16枚の印字(連続印字12回+間欠印字4回)を行う場合、1枚目の印字においては、前記環境条件に基づいて決定された転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −Cでイエロー、マゼンタ及びシアンの印字が行われ、印字媒体19の後端がシアンの転写部から離れると同時にブラックの転写ローラ17に印加される転写電圧Tr −Kは補正電圧レベル2に対応する補正電圧、すなわち、+200〔V〕加算されてブラックの印字が行われる。
【0085】
続いて、連続印字で2枚目の印字が行われると、前記補正電圧レベルが3にされ、連続印字で3枚目以降の印字が行われると、補正電圧レベルが4にされる。そして、連続印字で10枚目の印字が行われた後に、一旦印字が停止させられて時間τが経過すると、補正電圧レベルは3にされる。その後、直ちに印字起動が掛かり、間欠印字で11枚目の印字が行われると、補正電圧レベル3で印字が行われ、続いて、連続印字で12枚目の印字が行われると、補正電圧レベルは4にされる。
【0086】
また、12枚目の印字が行われた後、再び印字が停止させられて時間τが経過すると、補正電圧レベルは3にされ、その後、直ちに印字起動が掛からず、更に時間τが経過して、印字が停止させられてから時間2τ以上が経過すると、補正電圧レベルは2にされる。
そして、再び印字起動が掛かり、間欠印字で13枚目の印字が行われると、補正電圧レベルは2にされ、連続印字で14枚目の印字が行われると、補正電圧レベルは3にされ、連続印字で15枚目の印字が行われると、補正電圧レベルは4にされる。
【0087】
さらに、15枚目の印字が行われた後、再び印字が停止させられて時間3τ以上が経過すると、前記補正電圧レベルは初期状態にされ、前記環境条件に基づいて決定された転写電圧Tr −Kで印字が行われる。
次に、図27及び28のフローチャートについて説明する。
ステップS41 印字起動が掛かる。
ステップS42 環境条件を読み込む。
ステップS43 転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kを決定する。
ステップS44 転写電圧Tr −Kの補正電圧レベルを決定する。
ステップS45 1枚目の印字を行う。
ステップS46 連続印字が行われるかどうかを判断する。連続印字が行われる場合はステップS47に、行われない場合はステップS54に進む。
ステップS47 補正電圧レベルを1レベルアップさせる。
ステップS48 2枚目の印字を行う。
ステップS49 連続印字が行われるかどうかを判断する。連続印字が行われる場合はステップS50に、行われない場合はステップS54に進む。
ステップS50 補正電圧レベルを1レベルアップさせる。
ステップS51 n枚目の印字(n≧3)を行う。
ステップS52 間欠印字が行われるかどうかを判断する。間欠印字が行われる場合はステップS55に、行われない場合はステップS53に進む。
ステップS53 印字が終了したかどうかを判断する。印字が終了した場合は処理を終了し、終了していない場合はステップS51に戻る。
ステップS54 間欠印字が行われるかどうかを判断する。間欠印字が行われる場合はステップS55に、行われない場合は処理を終了する。
ステップS55 時間τが経過したかどうかを判断する。時間τが経過した場合はステップS58に、経過していない場合はステップS56に進む。
ステップS56 補正電圧レベルを1レベルアップさせる。
ステップS57 印字起動を行い、ステップS48に戻る。
ステップS58 時間2τが経過したかどうかを判断する。時間2τが経過した場合はステップS59に、経過していない場合はステップS60に進む。
ステップS59 時間3τが経過したかどうかを判断する。時間3τが経過した場合はステップS42に戻り、経過していない場合はステップS61に進む。
ステップS60 補正電圧レベルを1レベルダウンさせ、ステップS57に戻る。
ステップS61 補正電圧レベルを2レベルダウンさせ、ステップS57に戻る。
【0088】
なお、本実施の形態においては、補正電圧レベルが4である場合、補正電圧レベルを高くする旨の指示が出ても補正電圧レベルは4のままにされ、補正電圧レベルが1である場合、補正電圧レベルを低くする旨の指示が出ても補正電圧レベルは1のままにされ、補正電圧レベルが0である場合、連続印字が行われても補正電圧レベルは0のままにされる。
【0089】
このように、本実施の形態においては、印字枚数、及び連続印字であるか間欠印字であるかの印字状態によって補正電圧を変化させることができるので、現像装置内のトナーの状態の変化に対応させて転写を行うことができ、連続印字を行うときに印字不良が発生するのを防止することができる。
ところで、前記第2の実施の形態においては、高温高湿環境下において印字媒体19に対して印字を行う際に、印字媒体19の後端がシアンの転写部から離れたときにブラックの転写電圧Tr −Kを1〜2割高くすることによって、印字媒体19の後端部において転写が弱くなるのを防止するようになっているが、漏れ電流が多くなると、印字媒体19の前端部において転写が強くなってしまう。
【0090】
そこで、印字媒体19の前端部において転写が強くなるのを防止することができる本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、ブラック印字モード転写処理について説明する。
図30は本発明の第4の実施の形態におけるブラック印字モード転写処理のサブルーチンを示す図、図31は本発明の第4の実施の形態におけるブラック印字時の高圧決定部の動作を示すタイムチャートである。
【0091】
図31に示されるように、まず、タイミングt51で印字起動が掛かると、高圧決定部37(図1)は、タイミングt52で吸着部21(図5)に印加される吸着電圧FiXをローレベル(L)にするとともに、転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kをいずれも紙間電圧値b(図7)によって与えられるローレベルにする。
【0092】
次に、タイミングt53で前記吸着電圧FiXをハイレベル(H)にし、タイミングt54で吸着電圧FiXをローレベルにする。続いて、タイミングt55で転写電圧Tr −Kを転写時電圧値aによって与えられるハイレベルにする。このとき、転写電圧Tr −Kはタイミングt55〜t58の間ハイレベルにされ、転写電圧Tr −Kの補正電圧は3段階に分けられる。
【0093】
まず、タイミングt55において、印字媒体19の後端がマゼンタの転写部に存在する。このとき、漏れ電流はマゼンタの転写部及びシアンの転写部からブラックの転写部に向けて流れるので、漏れ電流の電流値は最も大きい。そこで、ブラックのトナー像の転写において転写が強くならないように、タイミングt55で転写電圧Tr −Kが低めに設定される。
【0094】
次に、タイミングt56において、印字媒体19の後端がマゼンタの転写部から離れ、シアンの転写部に存在する。このとき、マゼンタの転写部からの漏れ電流はなくなり、シアンの転写部からだけ漏れ電流が流れる。そこで、タイミングt56で転写電圧Tr −Kはタイミングt55のときよりわずかに高く、かつ、前記転写時電圧値aより低く設定される。
【0095】
続いて、タイミングt57において、印字媒体19の後端がシアンの転写部から離れる。このとき、シアンの転写部からの漏れ電流がなくなる。そこで、タイミングt57で転写電圧Tr −Kは転写時電圧値aに設定される。
なお、イエローの転写部からも漏れ電流が流れるが、マゼンタの転写部及びシアンの転写部から流れる漏れ電流と比較して電流値は小さく、ブラックのトナー像の転写に与えられる影響が小さいこと、転写電圧Tr −Kを4段階に分けると制御が複雑になることから、転写電圧Tr −Kを3段階に分けるようにしている。
【0096】
そして、タイミングt58で転写電圧Tr −Kを紙間電圧値bによって与えられるローレベルにし、タイミングt59で吸着電圧FiXを0にするとともに、転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kをいずれも0にする。
ところで、カラー印字モードで印字が行われる場合、各色の感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kがダウン状態に置かれるので、隣接する転写部において各転写ローラ17に印加される転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kが等しく、印字媒体19を介して隣接する転写部間で各漏れ電流は相殺される。したがって、転写電圧Tr −Kを変化させても前述されたような効果は得られない。
【0097】
次に、前記構成の電子写真プリンタの動作について説明する。
まず、吸着部21において吸着された印字媒体19は、転写ベルト16の走行に伴ってイエロー、マゼンタ及びシアンの各転写部を順に搬送される。そして、ブラック印字が行われる場合はイエロー、マゼンタ及びシアンの感光体ドラム11Y、11M、11Cはアップ状態に置かれているので、印字媒体19の前端は感光体ドラム11Y、11M、11Cと各転写ローラ17との間の隙(すき)間を通過する。このとき、各転写ローラ17に印加される転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kは印字媒体19が各転写部に存在するしないにかかわらず常に紙間電圧値bにされる。
【0098】
続いて、印字媒体19の前端がブラックの転写部に到達すると、感光体ドラム11K上のトナー像を印字媒体19に転写するのに適当な転写電圧Tr −Kがブラックの転写ローラ17に印加される。このとき、印字媒体19はマゼンタの転写部及びシアンの転写部に存在しているので、マゼンタの転写部及びシアンの転写部からブラックの転写部に漏れ電流が流れるのを考慮して、転写電圧Tr −Kが補正され、転写時電圧値aより1〜2割低く設定される。
【0099】
そして、印字媒体19が更に搬送され、印字媒体19の後端がマゼンタの転写部から離れると、転写電圧Tr −Kは補正されてわずかに高くされ、転写時電圧値aより約1割低く設定される。
次に、印字媒体19の後端がシアンの転写部から離れるのと同時に転写電圧Tr −Kは転写電圧値aにされる。続いて、ブラックのトナー像の転写が終了して印字媒体19の後端がブラックの転写部から離れると、印字媒体19は定着器に送られトナー像が定着される。
【0100】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS71 各転写ローラ17に紙間電圧値bの転写電圧Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −Kを印加する。
ステップS72 印字媒体19がイエローの転写部を通過する。
ステップS73 印字媒体19がマゼンタの転写部を通過する。
ステップS74 印字媒体19がシアンの転写部を通過する。
ステップS75 印字媒体19の前端がブラックの転写部に到達するのを待機する。
ステップS76 転写電圧Tr −Kを補正して転写時電圧値aより低く設定する。
ステップS77 印字媒体19の後端がマゼンタの転写部から離れるのを待機する。
ステップS78 転写電圧Tr −Kを補正してわずかに高くする。
ステップS79 印字媒体19の後端がシアンの転写部から離れるのを待機する。
ステップS80 転写時電圧値aの転写電圧Tr −Kを印加する。
ステップS81 印字媒体19の後端がブラックの転写部から離れるのを待機する。
ステップS82 紙間電圧値bの転写電圧Tr −Kを印加する。
【0101】
このように、本実施の形態においては、高温高湿環境下におけるブラック印字を行う場合、他の転写部からの漏れ電流の電流値が大きい場合、転写電圧Tr −Kを低く設定し、漏れ電流の電流値が小さくなると、転写電圧Tr −Kを高く設定するようになっているので、印字媒体19の前端部において転写が強くなるのを防止することができる。したがって、印字不良が発生するのを防止することができる。
【0102】
ところで、前記転写ベルト16のインピーダンスが低くなると、転写時電圧値aの転写電圧が印加されている転写部から紙間電圧値bの転写電圧が印加されている転写部に向けて流れる漏れ電流が多くなってしまう。
図32は漏れ電流の状態を示す図である。
図において、11は感光体ドラム、16は転写ベルト、17は転写ローラ、19は印字媒体、P1、P2は転写時電圧値aの転写電圧が印加されている転写部、P3は紙間電圧値bの転写電圧が印加されている転写部である。
【0103】
この場合、転写時電圧値aと紙間電圧値bとの電位差が有ると、前記転写ベルト16のインピーダンスが低くなるのに伴って、図の矢印で示されるように、転写部P2から転写部P3に向けて流れる漏れ電流Iaが多くなってしまう。その結果、転写ベルト16と感光体ドラム11との間に十分な電界が発生しなくなるので、転写を良好に行うことができない。
【0104】
そこで、高温高湿環境下においても、転写を良好に行うことができるようにした本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
図33は本発明の第5の実施の形態における転写電圧の印加状態を示す図である。
【0105】
この場合、環境条件検出手段としての温度センサ34(図1)及び湿度センサ35のセンサ出力に基づいて、高温高湿環境下であると判断されると、転写部P3において印加される紙間電圧値bの転写電圧が低温低湿環境下である場合より高くされ、転写時電圧値aと紙間電圧値bとの電位差が小さくされる。
そして、前記紙間電圧値bは、感光体ドラム11を損傷させることがない範囲内においてできるだけ大きく、かつ、転写時電圧値a以下にされる。したがって、転写時電圧値aと紙間電圧値bとの間の電位差が小さくなるので、転写部P2から転写部P3に向けて流れる漏れ電流Ibを少なくすることができる。
【0106】
ところで、前記各実施の形態においては、感光体ドラム11及び転写ベルト16の摩耗を防止するために、使用されない感光体ドラム11はすべてアップ状態に置かれ、例えば、ブラック印字を行う場合、イエロー、マゼンタ及びシアンの各感光体ドラム11Y、11M、11Cはアップ状態に置かれるようになっている。そして、ブラックの感光体ドラム11Kは吸着部21(図5)から最も離れた位置に配設されるので、印字媒体19の種類、環境の変化等によっては、ブラックの転写部まで十分な吸着力を保持することができない場合がある。そこで、印字媒体19をブラックの転写部まで安定させて搬送することができるように、吸着部21における吸着電圧FiX(図8)は高く設定される。
【0107】
これに対して、カラー印字を行う場合、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kはダウン状態に置かれるが、イエローの感光体ドラム11Yが吸着部21から最も近い位置に配設されるだけでなく、各転写ローラ17に紙間電圧値bの転写電圧が印加されるので、前記吸着電圧FiXを低く設定しても、印字媒体19をイエローの転写部まで安定させて搬送することができ、更に、マゼンタ、シアン及びブラックの転写部まで安定させて搬送することができる。
【0108】
ところが、前記吸着電圧FiXはブラック印字を行う場合と同様に高く設定されるので、消費電力が多くなってしまうだけでなく、吸着電圧FiXを印加するための図示されない電源装置のコストが高くなってしまう。
そこで、ブラック印字を行う場合に、印字媒体19をブラックの転写部まで安定させて搬送することができ、消費電力が多くなることがなく、電源装置のコストを低くすることができる本発明の第6の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0109】
図34は本発明の第6の実施の形態における電子写真プリンタのブラック印字時の状態を示す図、図35は本発明の第6の実施の形態における電子写真プリンタのブロック図である。
図において、41は各色の印字データを保持する印字データ部、42はメンテナンスモードにおいて各色の感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kの回転数をドラムカウント値として検出するカウント手段としてのドラムカウント値格納部、43は印字データの色、及び各色の感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kの回転数によって、ダウン状態に置かれる感光体ドラムを選択する感光体ダウン選択部、44は各色の感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kをアップ状態及びダウン状態に置くための像担持体駆動手段としての感光体アップダウンドライバ部である。
【0110】
単色印字を行う場合、その色の感光体ドラムは無条件でダウン状態に置かれ、他の色の感光体ドラムの中からドラムカウント値の最も小さい感光体ドラムがダウン状態に置かれる。ドラムカウント値の最も小さい感光体ドラムが複数存在する場合は、無条件でダウン状態に置かれた感光体ドラムから一番離れた箇所にある感光体ドラムが優先的にダウン状態に置かれる。
【0111】
例えば、単色印字としてブラック印字を行う場合、ブラックの感光体ドラム11Kは無条件でダウン状態に置かれ、イエロー、マゼンタ、シアンの感光体ドラム11Y、11M、11Cのうち、ドラムカウント値が最も小さい感光体ドラム、例えば、感光体ドラム11Mがダウン状態に置かれる。ドラムカウント値の最も小さい感光体ドラムが、例えば、感光体ドラム11M及び感光体ドラム11Cである場合は、感光体ドラム11Mが優先的にダウン状態に置かれる。
【0112】
次に、前記構成の電子写真プリンタの動作について説明する。
図36は本発明の第6の実施の形態における電子写真プリンタの動作を示すフローチャートである。
まず、印字起動が掛かると、感光体ダウン選択部43(図35)は、印字データ部41内の印字データに基づいて、カラー印字が行われるかブラック印字が行われるかを判断する。そして、ブラック印字が行われる場合、感光体アップダウンドライバ部44は、ブラックの感光体ドラム11K(図34)を無条件でダウン状態に置く。
【0113】
次に、感光体ダウン選択部43は、ドラムカウント値格納部42内のイエロー、マゼンタ、シアンの感光体ドラム11Y、11M、11Cのドラムカウント値を読み込み、最も小さいドラムカウント値を検出し、検出されたドラムカウント値に対応する感光体ドラムを補助吸着用としてダウン状態に置く。最も小さいドラムカウント値が二つ以上存在する場合、又はイエロー、マゼンタ、シアンの感光体ドラム11Y、11M、11Cのドラムカウント値がすべて同じ場合は、ブラックの感光体ドラム11Kから最も離れた箇所にある感光体ドラムを優先的にダウン状態に置く。
【0114】
そして、各色の感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kのアップ状態及びダウン状態の選択が終了すると、印字媒体19(図33)は、転写ベルト16に吸着されてブラックの転写部に送られ、ブラックの転写部において転写が行われる。続いて、印字媒体19は、転写ベルト16から分離させられて図示されない定着器に送られ、定着器においてトナー像が定着され、印字出力が行われる。
【0115】
このように、ブラック印字を行う場合に、イエロー、マゼンタ、シアンの感光体ドラム11Y、11M、11Cのうちの一つ又は二つの感光体ドラムをダウン状態に置くことによって、補助吸着部を構成することができるので、吸着部21から前記補助吸着部までの間、及び補助吸着部からブラックの転写部までの間において、吸着力を維持することができる。したがって、印字媒体19をブラックの転写部まで安定させて搬送することができる。また、吸着部21の吸着電圧FiX(図8)を低くすることができるので、消費電力を少なくすることができるだけでなく、吸着電圧FiXを印加するための図示されない電源装置のコストを低くすることができる。
【0116】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS91 印字起動が掛かる。
ステップS92 ブラック印字であるかどうかを判断する。ブラック印字である場合はステップS94に、カラー印字である場合はステップS93に進む。
ステップS93 すべての感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kをダウン状態に置く。
ステップS94 ブラックの感光体ドラム11Kをダウン状態に置く。
ステップS95 感光体ドラム11Y、11M、11Cのドラムカウント値を読み込み、最も小さいドラムカウント値を検出する。
ステップS96 最も小さいドラムカウント値が二つ以上存在するかどうかを判断する。最も小さいドラムカウント値が二つ以上存在する場合はステップS97に進み、一つである場合はステップS98に進む。
ステップS97 感光体ドラム11Kから最も離れた箇所にある感光体ドラムをダウン状態に置く。
ステップS98 最も小さいドラムカウント値に対応する感光体ドラムをダウン状態に置く。
ステップS99 印字媒体19を搬送する。
ステップS100 転写を行う。
ステップS101 定着を行う。
ステップS102 印字出力を行う。
【0117】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0118】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、電子写真プリンタにおいては、単色の印字モード及び複数の色による印字モードで印字を行うことができるようになっている。
そして、駆動手段によって走行させられ、印字媒体を搬送する転写ベルトと、該転写ベルトに沿って配設された複数の像担持体と、前記転写ベルトを挟んで前記各像担持体と対向させられる転写手段と、前記像担持体と転写手段との間に印字媒体が存在していない期間に、紙間電圧値を転写手段に印加する手段と、前記像担持体と転写手段との間に印字媒体が存在している期間に、転写時電圧値を転写手段に印加する手段と、単色の印字モードによる印字が行われるときに、前記像担持体と転写手段との間における印字媒体の有無に係わらず、該当する色以外の転写手段に前記紙間電圧値を印加する手段とを有する。
【0119】
そして、前記紙間電圧値は転写時電圧値より低く設定される。
この場合、各転写手段に印加される転写電圧の電圧値が切り換えられるので、転写ベルトが帯電させられるのを抑制することができる。その結果、電子写真プリンタの制御部が誤動作を起こすことがなくなる。
【0120】
また、転写ベルトが帯電させられるのを抑制することができるので、静電気の作用によって印字媒体が浮き上がったり、印字媒体が転写部に到達したときに、印字媒体の前端が像担持体又は筐体に引っ掛かって折れたりすることがなくなる。したがって、搬送ジャムが発生することがなくなる。
また、印字媒体が浮き上がらないので、筐体と印字媒体の印字面とが擦れることがなくなる。したがって、印字品位が低下するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における電子写真プリンタの制御ブロック図である。
【図2】従来の電子写真プリンタの概念図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における電子写真プリンタの画像形成部の概略図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における電子写真プリンタのカラー印字時の状態を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における電子写真プリンタのブラック印字時の状態を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における紙間電圧値シーケンスを示す図である。
【図7】転写電圧と空気中の含水量との関係を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における高圧決定部の動作を示すタイムチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態における電子写真プリンタの動作を示すフローチャートである。
【図10】電子写真プリンタのブラック印字時の漏れ電流の状態を示す第1の図である。
【図11】転写電圧の第1の説明図である。
【図12】転写電圧の第2の説明図である。
【図13】電子写真プリンタのブラック印字時の漏れ電流の状態を示す第2の図である。
【図14】転写電圧の第3の説明図である。
【図15】電子写真プリンタのカラー印字時の漏れ電流の状態を示す図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態における電子写真プリンタの動作を示すメインフローチャートである。
【図17】本発明の第2の実施の形態におけるブラック印字モード転写処理のサブルーチンを示す図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態におけるカラー印字モード転写処理のサブルーチンを示す図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態におけるイエロー印字転写処理のサブルーチンを示す図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態におけるブラック印字転写処理のサブルーチンを示す図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態におけるブラック印字時の高圧決定部の動作を示すタイムチャートである。
【図22】本発明の第2の実施の形態におけるカラー印字時の高圧決定部の動作を示すタイムチャートである。
【図23】本発明の第2の実施の形態における環境変数テーブルを示す第1の図である。
【図24】本発明の第2の実施の形態における環境変数テーブルを示す第2の図である。
【図25】印字枚数とトナーの帯電量との関係図である。
【図26】本発明の第3の実施の形態における電子写真プリンタの制御ブロック図である。
【図27】本発明の第3の実施の形態における電子写真プリンタの動作を示す第1のフローチャートである。
【図28】本発明の第3の実施の形態における電子写真プリンタの動作を示す第2のフローチャートである。
【図29】本発明の第3の実施の形態における高温高湿環境下において連続印字を行ったときの印字枚数と補正電圧レベルとの関係を示す図である。
【図30】本発明の第4の実施の形態におけるブラック印字モード転写処理のサブルーチンを示す図である。
【図31】本発明の第4の実施の形態におけるブラック印字時の高圧決定部の動作を示すタイムチャートである。
【図32】漏れ電流の状態を示す図である。
【図33】本発明の第5の実施の形態における転写電圧の印加状態を示す図である。
【図34】本発明の第6の実施の形態における電子写真プリンタのブラック印字時の状態を示す図である。
【図35】本発明の第6の実施の形態における電子写真プリンタのブロック図である。
【図36】本発明の第6の実施の形態における電子写真プリンタの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11、11Y、11M、11C、11K 感光体ドラム
16 転写ベルト
17 転写ローラ
19 印字媒体
34 温度センサ
35 湿度センサ
36 用紙センサ
37 高圧決定部
38 高圧出力部
42 ドラムカウント値格納部
44 感光体アップダウンドライバ部
61 環境条件検出手段
63 印字枚数検出部
64 タイマ部
65 判別部
a 転写時電圧値
b 紙間電圧値
Tr −Y、Tr −M、Tr −C、Tr −K 転写電圧
Claims (8)
- 単色の印字モード及び複数の色による印字モードで印字を行うことができる電子写真プリンタにおいて、
(a)駆動手段によって走行させられ、印字媒体を搬送する転写ベルトと、
(b)該転写ベルトに沿って配設された複数の像担持体と、
(c)前記転写ベルトを挟んで前記各像担持体と対向させられる転写手段と、
(d)前記像担持体と転写手段との間に印字媒体が存在していない期間に、紙間電圧値を転写手段に印加する手段と、
(e)前記像担持体と転写手段との間に印字媒体が存在している期間に、転写時電圧値を転写手段に印加する手段と、
(f)単色の印字モードによる印字が行われるときに、前記像担持体と転写手段との間における印字媒体の有無に係わらず、該当する色以外の転写手段に前記紙間電圧値を印加する手段とを有するとともに、
(g)前記紙間電圧値は転写時電圧値より低く設定されることを特徴とする電子写真プリンタ。 - (a)前記転写手段に、前記転写時電圧値及び紙間電圧値で転写電圧を印加する転写電圧印加手段と、
(b)環境条件を検出する環境条件検出手段と、
(c)検出された環境条件に基づいて、前記紙間電圧値を変更する紙間電圧値変更手段とを有する請求項1に記載の電子写真プリンタ。 - 低温低湿環境下の紙間電圧値が高温高湿環境下の紙間電圧値より低くされる請求項1に記載の電子写真プリンタ。
- 高温高湿環境下の紙間電圧値が低温低湿環境下の紙間電圧値より高くされる請求項1に記載の電子写真プリンタ。
- 所定の色の転写部が他の色の転写部より転写ベルトの移動方向における下流側に形成された電子写真プリンタにおいて、
(a)駆動手段によって走行させられ、印字媒体を搬送する転写ベルトと、
(b)該転写ベルトに沿って配設された複数の像担持体と、
(c)前記転写ベルトを挟んで前記各像担持体と対向させられる転写手段と、
(d)印字媒体の位置を検出する印字媒体検出手段と、
(e)前記像担持体と転写手段との間に印字媒体が存在していない期間に、紙間電圧値を転写手段に印加する手段と、
(f)前記像担持体と転写手段との間に印字媒体が存在している期間に、転写時電圧値を転写手段に印加する手段と、
(g)所定の色の転写部における転写手段に印加される転写時電圧値を、印字媒体の後端が他の色の転写部から離れたときに増加補正する転写電圧補正手段とを有するとともに、
(h)前記紙間電圧値は転写時電圧値より低く設定されることを特徴とする電子写真プリンタ。 - (a)環境条件を検出する環境条件検出手段を有するとともに、
(b)前記転写電圧補正手段によって転写電圧を補正するための補正電圧は前記環境条件に対応させて変更される請求項5に記載の電子写真プリンタ。 - (a)印字条件を検出する印字条件検出手段を有するとともに、
(b)前記転写電圧補正手段によって転写電圧を補正するための補正電圧は前記印字条件に対応させて変更される請求項5に記載の電子写真プリンタ。 - 前記転写電圧補正手段によって転写電圧を補正するための補正電圧は、印字媒体の後端の位置によって異ならせて設定される請求項5に記載の電子写真プリンタ。
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