JP3684851B2 - 耐衝撃特性および強度−伸びバランスに優れた高強度高加工性熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
耐衝撃特性および強度−伸びバランスに優れた高強度高加工性熱延鋼板およびその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車用鋼板としての用途に用いて好適な耐衝撃特性および強度−伸びバランスに優れた高強度高加工性熱延鋼板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の軽量化が指向される中、成形性に優れる高強度薄鋼板に対する要求が殊の外強くなっている。
また、最近では、自動車の安全性も重視され、そのためには衝突時における安全性の目安となる耐衝撃特性の向上も要求されている。
さらに、経済性に対する配慮も必要とされ、かかる経済性を考慮した場合には、冷延鋼板に比べると熱延鋼板の方が有利である。
【0003】
上記の現状を背景として、これまでにも種々の高強度熱延鋼板が開発されている。
例えば、特公平6-41617号、特公平5-65566号および特公平5-67682号各公報には、高加工性高強度熱延鋼板として、フェライト、ベイナイトおよび5%以上の残留オーステナイトを含むいわゆる Transformation Induced Plasticity鋼(以下、TRIP鋼という)の製造方法が開示されている。
しかしながら、このTRIP鋼は、伸びが高く、成形性は良好ではある(TS×El≧ 24000 MPa・%)ものの、現在の厳しい耐衝撃特性を満足するまでにはいかないところに問題を残していた。
また、プレス成形時における加工硬化量(WH)およびその後の塗装焼付時における焼付硬化量(BH)が、70 MPa程度と低いという問題もあった。
この加工・焼付硬化量(WH+BH)が低いと、加工−塗装焼付後における強度保証の面での不利が大きい。
【0004】
一方、耐衝撃特性に優れた高強度熱延鋼板としては、特開平9−111396号公報に開示されているように、フェライトとマルテンサイトの2相組織になるいわゆるDual Phase鋼(以下DP鋼という)が開発されている。
しかしながら、このDP鋼は、耐衝撃特性には優れるものの、伸びが十分とはいえず、成形性の点に問題を残していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したとおり、現在までのところ、十分な成形性と厳しい安全性の両者を満足する熱延鋼板は見当たらず、その開発が望まれていた。
この発明は、上記の要望に有利に応えるもので、優れた成形性と耐衝撃特性を兼ね備え(具体的には、強度−伸びバランス(TS×El)が 27000 MPa・%以上、動的n値が0.35以上)、しかも加工・焼付硬化量(WH+BH)が 100 MPa以上の耐衝撃特性および強度−伸びバランスに優れた高強度高加工性熱延鋼板をその有利な製造方法と共に提案することを目的とする。
【0006】
ここに、動的n値とは、発明者らが耐衝撃特性の指標として新たに見出したもので、この動的n値を用いることによって、耐衝撃特性を従来よりも一層的確に評価することができる。
すなわち、従来、耐衝突安全性については、強度との関連で考察され、単に強度が大きければ耐衝突安全性も高いとされてきたが、強度と耐衝突安全性とは必ずしも一義的な関係にあるわけではないことが判明した。
そこで、この点につき、鋭意研究を重ねた結果、耐衝突安全性を向上させる、つまり高速での変形時(自動車の衝突時にはひずみ速度
【外1】
が2×103/s まで増加)におけるエネルギーを、鋼板でより多く吸収するためには、鋼板を
【外2】
の条件で引張変形させた時のn値(以下、動的n値という)を高くすることが有効であることが解明されたのである。
ここでは、伸び10%における瞬間n値を動的n値とする。
なお、この動的n値を高くすることは、高速変形時における強度向上にも有効であることが併せて見出された。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以下、この発明の解明経緯について説明する。
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく、まず従来鋼であるTRIP鋼について、その組織と特性との関係について調査した。
その結果、TRIP鋼においては、従来、成形性の向上に有利な残留オーステナイトを十分な量得るためには、ベイナイト相を生成させることが不可欠とされてきたが、このベイナイト相が耐衝撃特性を劣化させる原因になっていることが判明した。
【0008】
そこで、発明者らは、かようなベイナイト相とくに炭化物の生成を抑制したところ、すなわち、主相である初析フェライト以外の第2相を、従来のベイナイト+残留オーステナイトから、針状フェライト+マルテンサイト+残留オーステナイトの混合組織に変更したところ、所期した目的の達成に関し、望外の成果が得られたのである。
【0009】
上記の混合組織を得る手段として、発明者らは先に、特願平9−139794号公報および特願平9−139802号公報において、適量のCrを含有させることの有用性について開示した。
上記の開発技術により、成形性および耐衝撃特性に優れた熱延鋼板を得ることができるようになったが、強度や加工性を一層向上させることができれば、より有利である。
【0010】
そこで、発明者らは、この点に関しさらに研究を重ねた結果、製造工程中、仕上げ圧延の後段パスの圧下率を高めるいわゆる後段パス強圧下圧延、あるいは仕上げ圧延終了後、直ちに急冷を開始するいわゆる直近急冷処理を採用することによって、結晶粒が効果的に微細化し、引張強さひいては強度−伸びバランスの一層の向上が達成されることの知見を得た。
この発明は、上記の知見に立脚するものである。
【0011】
すなわち、この発明の要旨構成は次のとおりである。
1. C:0.05〜0.40mass%、 Si:1.0 〜3.0 mass%、
Mn:0.6 〜3.0 mass%、 Cr:0.2 〜2.0 mass%
を含有し、残部は実質的にFeの組成になり、初析フェライトを主相として、マルテンサイト、針状フェライトおよび残留オーステナイトからなる第2相を有し、かつ該初析フェライトの結晶粒径が5μm 以下であることを特徴とする耐衝撃特性および強度−伸びバランスに優れた高強度高加工性熱延鋼板。
【0012】
2.上記1において、鋼組成が、さらに
P:0.01〜0.2 mass%、 Al:0.01〜0.3 mass%
のうちから選んだ少なくとも一種を含有する組成になることを特徴とする耐衝撃特性および強度−伸びバランスに優れた高強度高加工性熱延鋼板。
【0013】
3.上記1または2において、鋼組成が、さらに
Ti:0.005 〜0.25mass%、 Nb:0.003 〜0.1 mass%
のうちから選んだ少なくとも一種を含有する組成になることを特徴とする耐衝撃特性および強度−伸びバランスに優れた高強度高加工性熱延鋼板。
【0014】
4. C:0.05〜0.40mass%、 Si:1.0 〜3.0 mass%、
Mn:0.6 〜3.0 mass%、 Cr:0.2 〜2.0 mass%
を含有する組成になる鋼スラブを、1000〜1300℃に加熱し、粗圧延後、最終パスの圧下率を15%以上とするか、または後段3パスの累積圧下率を50%以上とする後段パス強圧下条件下で仕上げ圧延を 780〜980 ℃の温度で終了し、ついで 620〜780 ℃まで冷却したのち、1〜10秒間の等温保持処理または冷却速度:20℃/s以下の徐冷処理を施し、ついで 350〜500 ℃まで冷却してから、コイルに巻き取ったのち、10〜100 ℃/hの冷却速度で 300℃以下まで冷却することを特徴とする耐衝撃特性および強度−伸びバランスに優れた高強度高加工性熱延鋼板の製造方法(製造法▲1▼)。
【0015】
5. C:0.05〜0.40mass%、 Si:1.0 〜3.0 mass%、
Mn:0.6 〜3.0 mass%、 Cr:0.2 〜2.0 mass%
を含有する組成になる鋼スラブを、1000〜1300℃に加熱し、粗圧延後、仕上げ圧延を 780〜980 ℃の温度で終了し、この仕上げ圧延終了直後1秒以内に強制冷却により50℃/s以上の冷却速度で 620〜780 ℃まで冷却したのち、1〜10秒間の等温保持処理または冷却速度:20℃/s以下の徐冷処理を施し、ついで強制冷却により50℃/s以上の冷却速度で 350〜500 ℃まで冷却してから、コイルに巻き取ったのち、10〜100 ℃/hの冷却速度で 300℃以下まで冷却することを特徴とする耐衝撃特性および強度−伸びバランスに優れた高強度高加工性熱延鋼板の製造方法(製造法▲2▼)。
【0016】
6. C:0.05〜0.40mass%、 Si:1.0 〜3.0 mass%、
Mn:0.6 〜3.0 mass%、 Cr:0.2 〜2.0 mass%
を含有する組成になる鋼スラブを、1000〜1300℃に加熱し、粗圧延後、最終パスの圧下率を15%以上とするか、または後段3パスの累積圧下率を50%以上とする後段パス強圧下条件下で仕上げ圧延を 780〜980 ℃の温度で終了し、この仕上げ圧延終了直後1秒以内に強制冷却により50℃/s以上の冷却速度で 620〜 780 ℃まで冷却したのち、1〜10秒間の等温保持処理または冷却速度:20℃/s以下の徐冷処理を施し、ついで強制冷却により50℃/s以上の冷却速度で 350〜 500 ℃まで冷却してから、コイルに巻き取ったのち、10〜100 ℃/hの冷却速度で 300℃以下まで冷却することを特徴とする耐衝撃特性および強度−伸びバランスに優れた高強度高加工性熱延鋼板の製造方法(製造法▲3▼)。
【0017】
7.上記4,5または6において、コイルに巻き取り後、10〜100 ℃/hの冷却速度で 300℃以下まで冷却する徐冷処理を、コイルに巻き取り後、2〜60分間の等温保持または冷却速度:50℃/h未満の緩冷却を施したのち、強制冷却により 50℃/h以上の冷却速度で 300℃以下まで冷却する等温保持(緩冷却)−強制冷却処理に変更することを特徴とする耐衝撃特性および強度−伸びバランスに優れた高強度高加工性熱延鋼板の製造方法(製造法▲1▼′、▲2▼′、▲3▼′)。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体的に説明する。
図1に、従来のTRIP鋼の代表的な連続冷却変態曲線図(CCT図)を示す。
同図に示したとおり、従来のTRIP鋼は、熱間圧延後、初析フェライト域に若干保持して初析フェライト(ポリゴナルフェライトともいう)を析出させ、同時に未変態オーステナイト相への固溶炭素の濃縮を促進して、オーステナイトの安定度を増したのち、ベイナイト域に導き、この領域を徐冷することによって、ベイナイト変態を生じさせつつ、所定量のオーステナイトを残留させていた。
しかしながら、このようにして製造されたTRIP鋼は、強度および加工性の面では優れるものの、十分な耐衝撃特性が得られないことは前述したとおりである。
【0019】
そこで、発明者らは、ベイナイトの生成を回避すべく数多くの実験と検討を重ねた結果、
(1) 鋼成分としてCrを少量含有させると、上記CCT図におけるベイナイト変態域のノーズが後退して、ベイナイトの析出(特に炭化物の析出)が抑制され、
代わりに針状フェライト(アシキュラーフェライトともいう)が析出する、
(2) かようにして形成された、針状フェライト、残留オーステナイトおよびマルテンサイトからなる第2相は、成形性を阻害することなしに、耐衝撃特性を格段に向上させる、
ことを究明したのである。
【0020】
図2に、この発明の成分系における代表的CCT図を示す。
同図に示したとおり、Crを少量添加することによってベイナイト変態域のノーズが後退し、代わりに針状フェライト域が顕著に出現するので、この針状フェライト域に短時間保持し、好ましくはその後に急冷することによって、第2相を針状フェライト、残留オーステナイトおよびマルテンサイトからなる混合組織とすることができ、かくして優れた成形性と耐衝撃特性とを兼ね備えた熱延鋼板を得ることができたのである。
【0021】
さらに、図2に示す仕上げ圧延工程において、最終パスの圧下率を15%以上とするか、または後段3パスの累積圧下率を50%以上とするいわゆる後段パス強圧下圧延を実施するか、あるいは仕上げ圧延終了後、直ちに急冷を開始するいわゆる直近急冷を実施すると、結晶粒が一層微細化して、引張強さひいては強度−伸びバランスがさらに向上することも併せて究明された。
【0022】
そこで、この発明では、上記の後段パス強圧下圧延または直近急冷処理を採用して、鋼中の初析フェライトの結晶粒径を5μm 以下に低減するものとした。
というのは、初析フェライトの結晶粒径を5μm 以下にすることによって、TS×El≧ 27000 MPa・%という優れた強度−伸びバランスが安定して得られるからである。
【0023】
また、この発明において、針状フェライトとは、結晶粒の長径が概ね5μm 以下、アスペクト比が1:1.5 以上、そしてセメンタイト析出量が5%以下のものをいう。
なお、従来のTRIP鋼のベイナイト中には、セメンタイトの析出が多く認められる(10%以上)ので、この発明の針状フェライトとTRIP鋼のベイナイトとは明確に区別されるものである。
【0024】
図3(a) に、この発明に従い得られる第2相の特徴的な相構成を、また図3(b) には、従来のTRIP鋼の第2相の相構成を、それぞれ模式で示す。
従来のTRIP鋼の第2相は、ベイナイト中に残留オーステナイトが点在する相構成になっているのに対し、この発明の第2相は、針状フェライトとマルテンサイトが層状にならび、その界面(マルテンサイト側)に残留オーステナイトが点在する形態になっている。
このように、第2相中に針状フェライトを析出させたことが、この発明の特徴の一つであり、この針状フェライト相がTS×Elを増加させると共に、動的n値を向上させるものと考えられる。
なお、発明者らの知見によれば、針状フェライトとマルテンサイトの界面面積率が大きくなるほど、動的n値は大きくなる傾向にあることが確認されている。
【0025】
この発明において、上記した第2相の鋼組織中に占める比率は3〜40%とすることが好ましい。
というのは、相比率が3%に満たないと十分な耐衝撃特性が得られず、一方40%を超えると伸びひいては強度−伸びバランスが低下するからである。より好ましい比率は10〜30%である。
なお、この発明において、相比率は、鋼試料を研磨後、2%硝酸+エチルアルコール溶液でエッチングし、顕微鏡写真を画像解析することにより算出した。
【0026】
また、第2相における各相の比率については、マルテンサイト:10〜80%(好ましくは30〜60%)、残留オーステナイト:8〜30%(好ましくは10〜20%)、針状フェライト:5〜60%(好ましくは20〜50%)とすることが望ましい。
というのは、マルテンサイトの比率が10%に満たないと十分な耐衝撃特性が得られず、一方80%を超えると伸びひいては強度−伸びバランスが低下するからである。
また、残留オーステナイトの比率が8%に満たないと十分な伸びが得られず、一方30%を超えると耐衝撃特性が低下するからである。
さらに、針状フェライトの比率が5%に満たないとやはり良好な耐衝撃特性が得られず、一方60%を超えると伸びが低下するからである。
【0027】
なお、鋼組織全体に占める各相の比率としては、マルテンサイトおよび針状フェライトはそれぞれ5〜15%、残留オーステナイトは2〜10%程度とするのが好適である。
また、この発明において、鋼組織は全て、主相である初析フェライトと、第2相であるマルテンサイト、針状フェライトおよび残留オーステナイトの混合相からなっているとは限らず、ベイナイト相などが若干析出する場合もあるが、かような第3相が混入しても、その比率が第2相全体の10%以下であれば特性上何ら問題はない。
【0028】
次に、この発明において、鋼板の成分組成を前記の範囲に限定した理由について説明する。
C:0.05〜0.40mass%
Cは、鋼の強化に有効に寄与するだけでなく、残留オーステナイトを得る上でも有用な元素である。しかしながら、含有量が0.05mass%未満では、その効果に乏しく、一方0.40mass%を超えると延性を低下させるので、C量は0.05〜0.40mass%の範囲に限定した。
【0029】
Si:1.0 〜3.0 mass%
Siは、残留オーステナイトの生成に不可欠な元素であり、そのためには少なくとも 1.0mass%の添加を必要とするが、 3.0mass%を超える添加は、延性の低下を招くだけでなく、スケール性状を低下させ表面品質上も問題となるので、Si含有量は 1.0〜3.0 mass%の範囲に限定した。
【0030】
Mn:0.6 〜3.0 mass%
Mnは、鋼の強化元素として有用なだけでなく、残留オーステナイトを得る上でも有用な元素である。しかしながら、含有量が 0.6mass%未満ではその効果に乏しく、一方 3.0mass%を超えると延性の低下を招くので、Mn量は 0.6〜3.0 mass%の範囲に限定した。
【0031】
Cr:0.2 〜2.0 mass%
このCr添加は、この発明の特徴の一つである。Crを添加することにより、前述したように、第2相が針状フェライト化する。そのためには、0.2 mass%以上の添加が必要であるが、 2.0mass%を超えて添加すると粗大なCr炭化物が生成して延性が阻害され、強度−伸びバランスおよび動的n値とも劣化するので、Cr量は0.2 〜2.0 mass%の範囲に限定した。好ましくは 0.3〜1.8 mass%である。
【0032】
図4および図5に、Cr量と強度−伸びバランスおよび動的n値との関係について調べた結果をそれぞれ示す。
図4,5より明らかなように、Cr含有量が 0.2mass%以上、 2.0mass%以下の範囲で、TS×El≧27000 (MPa・%)、動的n値≧0.35の優れた加工性および耐衝撃特性が得られている。なお初析フェライトの結晶粒径は5μm 以下であった。
【0033】
以上、基本成分について説明したが、この発明では、オーステナイト生成元素としてPやAl、また強度改善成分としてTiやNbを、以下の範囲で適宜含有させることができる。
P:0.01〜0.2 mass%
Pは、残留オーステナイト生成元素として有用であるが、含有量が0.01mass%に満たないとその添加効果に乏しく、一方 0.2mass%を超えると耐二次加工性が劣化するので、添加する場合には0.01〜0.2 mass%の範囲とすることが望ましい。
【0034】
Al:0.01〜0.3 mass%
Alも、Pと同様、残留オーステナイト生成元素として有用なものであるが、含有量が0.01mass%に満たないとその添加効果に乏しく、一方 0.3mass%を超えると延性の低下を招くので、添加する場合には0.01〜0.3 mass%の範囲とすることが望ましい。
【0035】
Ti:0.005 〜0.25mass%、Nb:0.003 〜0.1 mass%
TiおよびNbはいずれも、主相であるフェライトを細粒化させることによって、強度の向上に有効に寄与するので、必要に応じて添加することができる。特にTiを含有させると、針状フェライトのノーズが短時間側に移行し、コイルミドル部と比較して冷却速度が速くなるコイル端部においても十分針状フェライトが析出するので、歩留りが向上する効果もある。
しかしながら、含有量があまりに少ないとその添加効果に乏しく、一方過度の添加は延性の低下を招くので、それぞれ上記の範囲で含有させることが好ましい。
なお、その他の元素については、成形性を維持するために、Sは0.01mass%以下、Nは0.01mass%以下とすることが好ましい。
【0036】
次に、この発明の製造方法について具体的に説明する。
この発明では、基本的に、第2相としてマルテンサイト、針状フェライトおよび残留オーステナイトからなる混合組織を形成させれば良いのであるから、前掲図2に示した冷却曲線に沿って、冷却させれば良い。
そして、上記の製造過程において、後段パス強圧下圧延または直近急冷処理を採用して、結晶粒の微細化を図れば良い。
【0037】
まず、熱間圧延に先立って、スラブ加熱を行うが、この加熱温度は1000〜1300℃とする必要がある。
というのは、スラブ加熱温度が1000℃に満たないと鋼板の表面品質の劣化が著しく、一方1300℃を超えると鋼の結晶粒が粗大化して、材質の均質性および延性の劣化を招くからである。
なお、加熱時間については、特に限定されることはないが、あまりに長いと結晶粒が粗大化するので、60分以下程度とするのが好ましい。
【0038】
ついで、熱間圧延を施した後、冷却処理を施すわけであるが、この発明では、かような製造法として3つの方法があるので、以下、各製造法毎に説明する。
製造法▲1▼
この方法は、熱間圧延工程の後段で強圧下圧延を採用した場合である。
すなわち、粗圧延後の熱間仕上げ圧延に際し、最終パスの圧下率を15%以上とするか、または後段3パスの累積圧下率を50%以上とする後段パス強圧下条件の下で仕上げ圧延を 780〜980 ℃の温度で終了する方法である。
かかる後段パス強圧下圧延が有用である理由は、圧延工程の後段でかような強圧下を施すと、鋼中に歪が残存し、これが駆動力となって再結晶が促進される(再結晶の核が多数存在する中で再結晶が進行する)ため、結晶粒が効果的に微細化するからである。
しかしながら、最終パスの圧下率が15%に満たなかったり、後段3パスの累積圧下率が50%に満たないと、歪の蓄積が不十分なため、上述のような再結晶が十分には進行せず、この発明で目標とする5μm 以下の微細粒が得られないので、この発明では熱間圧延の後段パスについては、最終パスの圧下率:15%以上または後段3パスの累積圧下率:50%以上の条件下で行うものとした。
【0039】
図6(a), (b)に、熱間圧延の最終パス圧下率および後段3パスの累積圧下率とTS×Elとの関係について調べた結果を示す。
同図に示したとおり、最終パス圧下率を15%以上とするか、または後段3パスの累積圧下率を50%以上とすることにより、TS×El≧ 27000 MPa・%の優れた強度−伸びバランスを得ることができた。
なお、上記した強度−伸びバランスに優れた材料はすべて、結晶粒径が5μm 以下の微細粒となっていた。
【0040】
また、上記の仕上げ圧延における圧延終了温度は 780〜980 ℃とする必要がある。
というのは、仕上げ圧延終了温度が 780℃に満たないと鋼中に加工組織が残存して延性の劣化を招き、一方 980℃を超えると組織が粗大化し、フェライト変態の遅延に起因して成形性の低下を招くからである。
【0041】
ついで、 620〜780 ℃の初析フェライト域のノーズ近傍まで冷却したのち、この温度に1〜10秒間保持するかまたは20℃/s以下の速度で徐冷することにより、主相である初析フェライトを析出させる。
上記した 620〜780 ℃という温度範囲は、フェライト変態が最もスムーズに進行する温度範囲なので、1〜10秒間程度の短時間の保持処理または徐冷処理によって、所望量の初析フェライトを得ることができる。
なお、徐冷処理の場合、冷却停止温度が 600℃を下回るとパーライト変態が生じるおそれがあるので、冷却停止温度は 600℃以上とすることが好ましい。
ここに、 620〜780 ℃の温度域までの冷却速度は、フェライト変態を促進させる上からは30℃/s以上とすることが好ましい。しかしながら、300 ℃/sを超えると鋼板形状が害されるので好ましくない。
【0042】
ついで、 350〜500 ℃の針状フェライト域まで冷却し、この領域を10〜100 ℃/hの冷却速度で徐冷することにより、所望量の針状フェライトを析出させる。
上記の徐冷処理において、冷却速度が10℃/hに満たないとベイナイト変態が生じるおそれが大きく、一方 100℃/hを超えると所望量の針状フェライトが得難くなるので、冷却速度は10〜100 ℃/hの範囲に限定した。
なお、 350〜500 ℃の温度域までの冷却速度は、針状フェライトの析出を促進させる上からは30℃/s以上とすることが好ましい。しかしながら、300 ℃/sを超えるとやはり鋼板形状が害されるので好ましくない。
【0043】
そして、上記の徐冷処理によって、300 ℃以下まで冷却する間に、未変態のオーステナイトが、一部マルテンサイトに変態し、一部はそのままオーステナイトとして残留するわけである。
なお、かような徐冷処理における冷却停止温度を 300℃以下としたのは、やはりベイナイト変態が生じるおそれを回避するためである。
【0044】
上記した一連の処理によって、初析フェライト主相中に、針状フェライト、マルテンサイトおよび残留オーステナイトからなる第2相が存在する、所望の鋼組織とすることができるのである。
【0045】
製造法▲2▼
この方法は、熱間圧延後、直近急冷を採用した場合である。
すなわち、熱間圧延後、1秒以内に強制的に急冷を開始することによって結晶粒の微細化を図る方法である。
この時、急冷開始時間が1秒を超えると、満足いくほどの微細化が達成できずひいてはこの発明で所期したほど良好な強度−伸びバランスが得られないので、熱間圧延終了後の冷却開始時間は1秒以内に限定した。
図7に、熱間圧延終了後、急冷処理を開始するまでの時間がTS×Elバランスに及ぼす影響について調べた結果を示す。
同図に示したとおり、熱間圧延終了後、1.0 秒以内に急冷を開始することによってTS×El≧ 27000 MPa・%の優れた強度−伸びバランスを得ることができた。なお、上記した強度−伸びバランスに優れた材料はすべて、結晶粒径が5μm 以下の微細粒となっていた。
【0046】
また、その時の冷却速度が50℃/sに満たないと、やはり満足いくほどの微細化が達成できず、また板幅方向の組織が不均一となって材質の均一性が劣化するので、冷却速度は50℃/s以上とする必要がある。とはいえ、冷却速度が 300℃/sを超えると鋼板形状が害されるので、鋼板形状を良好に保つためには、冷却速度は300 ℃/s以下とすることが好ましい。
【0047】
上記の強制冷却により、 620〜780 ℃の初析フェライト域のノーズ近傍まで冷却したのち、この温度に1〜10秒間保持するかまたは20℃/s以下の速度で徐冷することによって、主相である初析フェライトを析出させるのは、製造法▲1▼の場合と同じである。
【0048】
ついで、 350〜500 ℃の針状フェライト域まで冷却するが、この際の冷却速度は50℃/s以上とする必要がある。
というのは、この時の冷却速度が50℃/hに満たないと、板幅方向の組織が不均一になるだけでなく、パーライト変態が生じて材質の均一性と延性が劣化するからである。しかしながら、冷却速度が 300℃/sを超えると、1次の急冷処理よりも低温とはいえ、やはり鋼板の形状が悪化するので、 300℃/sとすることが好ましい。
【0049】
その後、10〜100 ℃/hの冷却速度で 300℃以下まで徐冷することによって、針状フェライト、マルテンサイトおよび残留オーステナイトからなる第2相を形成させるのは、製造法▲1▼の場合と同じである。
【0050】
製造法▲3▼
この方法は、上記した熱間圧延後段での強圧下圧延と熱間圧延直後の直近急冷とを併用した場合であり、かような処理を施すことによって、結晶粒の一層の微細化ひいては強度−伸びバランスの一層の向上を図ることができる。
【0051】
製造法▲1▼′、▲2▼′、▲3▼′
この方法は、上記製造法▲1▼,▲2▼,▲3▼で述べた、コイルに巻き取り後、10〜100 ℃/hの冷却速度で 300℃以下まで冷却する徐冷処理(図2中▲1▼)に代えて、コイルに巻き取り後、2〜60分間の等温保持または冷却速度:50℃/h未満の緩冷却を施したのち、強制冷却により50℃/h以上の冷却速度で 300℃以下まで冷却する処理(図2中▲2▼)を採用した場合である。
【0052】
この等温保持(緩冷却)−強制冷却処理において、保持または緩冷時間を2〜60分に限定したのは、保持または緩冷時間が2分に満たないと十分な量の針状フェライトが得られず、一方60分を超えるとベイナイト変態の惹起が懸念されるからである。
また、緩冷却における冷却速度を50℃/h未満とした理由は、この速度があまりに大きいとやはり十分な量の針状フェライトが得られないからであり、さらに等温保持または緩冷却後の冷却速度を50℃/h以上とした理由は、この速度が小さいとベイナイト変態が生じるおそれが避けられないからである。
【0053】
【実施例】
実施例1
C:0.15mass%、Si:1.50mass%、Mn:1.0 mass%およびCr:0.4 mass%を含有し、残部は実質的にFeの組成になる鋼スラブ(S:0.0016mass%、N:0.0023mass%)を、図8(a), (b), (c) に示すパターン▲1▼、パターン▲2▼およびパターン▲3▼に従い、表1に示す条件で処理し、室温まで冷却した。なお、仕上げ圧延には、7スタンドの仕上げ圧延機を用いた。
図8中に示した各記号の意味はそれぞれ、次のとおりである。
T1 :熱延終了温度(℃)
T2 :初析フェライト域での停止温度(℃)
T3 :針状フェライト域での停止温度(℃)
t1 :熱延終了後、強制冷却を開始するまでの時間(秒)
t2 :初析フェライト域での滞留時間(秒)
t3 :針状フェライト域での滞留時間(分)
v1 :熱延終了後の冷却速度(℃/s)
v2 :初析フェライト域滞留時における冷却速度(℃/s)
v3 :初析フェライト域から針状フェライト域までの冷却速度(℃/s)
v4 :針状フェライト域から 300℃までの冷却速度(℃/h)
v5 :針状フェライト域滞留時における冷却速度(℃/h)
v6 :針状フェライト域滞留後、300 ℃までの冷却速度(℃/h)
【0054】
かくして得られた熱延板から、引張試験片を切り出し、それらの試験片について、ひずみ速度:2×10-2/sの条件で引張試験を実施し、降伏強さ(YS)、引張強さ(TS)および伸び(El)を求めた。
また、ホプキンソンプレッシャーバー試験材(材料とプロセス vol.9 (1996) P.1108〜1111)を用いて、ひずみ速度:2×103/s の条件で引張試験を実施し、伸びが10%の時の瞬間n値(動的n値)を求めた。
さらに、プレス成形時における加工硬化量(WH)およびその後の塗装焼付(170 ℃)後における焼付硬化量(BH)についても測定した。なお、WH,BHは、ひずみ速度:2×10-2/sの引張試験機を用い、図9により求めた。
各熱延鋼板の鋼組織、TS×Elバランス、WH+BHおよび動的n値について調べた結果を整理して表2に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
表2に示したとおり、この発明に従い、第2相として、マルテンサイト、針状フェライトおよび残留オーステナイトの混合組織を形成させ、かつ初析フェライトの結晶粒径を5μm 以下に制御したものはいずれも、TS×El≧ 27000 MPa・%の優れた強度−伸びバランスと動的n値≧0.35の優れた耐衝撃特性、さらにはWH+BH≧100 MPa という優れた加工・焼付硬化性を得ることができた。
【0058】
実施例2
表3に示す成分組成になる鋼スラブを、表4に示すパターン▲1▼−イ, ▲1▼−ロ、パターン▲2▼−イ, ▲2▼−ロおよびパターン▲3▼−イ, ▲3▼−ロに従って処理し、熱延鋼板とした。なお、各鋼とも、Sは0.0010〜0.0020mass%、Nは0.0020〜0.0030mass%の範囲内であった。
得られた熱延鋼板の鋼組織、強度−伸びバランス、WH+BH、動的n値およびYRについて調べた結果を、表5に示す。
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
この発明に従い得られた鋼板はいずれも、初析フェライトの結晶粒径が5μm 以下で、しかも第2相として、マルテンサイト、針状フェライトおよび残留オーステナイトの混合組織が形成されており、その結果、TS×El≧ 27000 MPa・%、動的n値≧0.35、WH+BH≧100 MPa の優れた強度−伸びバランス、耐衝撃特性および加工・焼付硬化性が得られている。
【0063】
【発明の効果】
かくして、この発明に従い、主相を初析フェライトとし、かつ第2相をマルテンサイト、針状フェライトおよび残留オーステナイトの混合組織にすると共に、結晶粒径を5μm 以下に制御することにより、格段に優れた成形性と耐衝撃特性とを兼ね備えた熱延鋼板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のTRIP鋼の代表的な連続冷却変態曲線図(CCT図)である。
【図2】この発明の成分系における代表的連続冷却変態曲線図(CCT図)である。
【図3】 (a) この発明に従い得られる第2相の特徴的な相構成および(b) 従来のTRIP鋼の第2相の相構成を示す模式図である。
【図4】 Cr量と強度−伸びバランスとの関係を示すグラフである。
【図5】 Cr量と動的n値との関係を示すグラフである。
【図6】熱間圧延の最終パス圧下率および後段3パスの累積圧下率とTS×Elとの関係を示したグラフである。
【図7】熱間圧延終了後、急冷処理を開始するまでの時間とTS×Elとの関係を示したグラフである。
【図8】この発明に従う圧延−冷却パターンの模式図である。
【図9】加工硬化量(WH)および焼付硬化量(BH)の説明図である。
Claims (7)
- C:0.05〜0.40mass%、 Si:1.0 〜3.0 mass%、
Mn:0.6 〜3.0 mass%、 Cr:0.2 〜2.0 mass%
を含有し、残部は実質的にFeの組成になり、初析フェライトを主相として、マルテンサイト、針状フェライトおよび残留オーステナイトからなる第2相を有し、かつ該初析フェライトの結晶粒径が5μm 以下であることを特徴とする耐衝撃特性および強度−伸びバランスに優れた高強度高加工性熱延鋼板。 - 請求項1において、鋼組成が、さらに
P:0.01〜0.2 mass%、 Al:0.01〜0.3 mass%
のうちから選んだ少なくとも一種を含有する組成になることを特徴とする耐衝撃特性および強度−伸びバランスに優れた高強度高加工性熱延鋼板。 - 請求項1または2において、鋼組成が、さらに
Ti:0.005 〜0.25mass%、 Nb:0.003 〜0.1 mass%
のうちから選んだ少なくとも一種を含有する組成になることを特徴とする耐衝撃特性および強度−伸びバランスに優れた高強度高加工性熱延鋼板。 - C:0.05〜0.40mass%、 Si:1.0 〜3.0 mass%、
Mn:0.6 〜3.0 mass%、 Cr:0.2 〜2.0 mass%
を含有する組成になる鋼スラブを、1000〜1300℃に加熱し、粗圧延後、最終パスの圧下率を15%以上とするか、または後段3パスの累積圧下率を50%以上とする後段パス強圧下条件下で仕上げ圧延を 780〜980 ℃の温度で終了し、ついで 620〜780 ℃まで冷却したのち、1〜10秒間の等温保持処理または冷却速度:20℃/s以下の徐冷処理を施し、ついで 350〜500 ℃まで冷却してから、コイルに巻き取ったのち、10〜100 ℃/hの冷却速度で 300℃以下まで冷却することを特徴とする耐衝撃特性および強度−伸びバランスに優れた高強度高加工性熱延鋼板の製造方法。 - C:0.05〜0.40mass%、 Si:1.0 〜3.0 mass%、
Mn:0.6 〜3.0 mass%、 Cr:0.2 〜2.0 mass%
を含有する組成になる鋼スラブを、1000〜1300℃に加熱し、粗圧延後、仕上げ圧延を 780〜980 ℃の温度で終了し、この仕上げ圧延終了直後1秒以内に強制冷却により50℃/s以上の冷却速度で 620〜780 ℃まで冷却したのち、1〜10秒間の等温保持処理または冷却速度:20℃/s以下の徐冷処理を施し、ついで強制冷却により50℃/s以上の冷却速度で 350〜500 ℃まで冷却してから、コイルに巻き取ったのち、10〜100 ℃/hの冷却速度で 300℃以下まで冷却することを特徴とする耐衝撃特性および強度−伸びバランスに優れた高強度高加工性熱延鋼板の製造方法。 - C:0.05〜0.40mass%、 Si:1.0 〜3.0 mass%、
Mn:0.6 〜3.0 mass%、 Cr:0.2 〜2.0 mass%
を含有する組成になる鋼スラブを、1000〜1300℃に加熱し、粗圧延後、最終パスの圧下率を15%以上とするか、または後段3パスの累積圧下率を50%以上とする後段パス強圧下条件下で仕上げ圧延を 780〜980 ℃の温度で終了し、この仕上げ圧延終了直後1秒以内に強制冷却により50℃/s以上の冷却速度で 620〜780 ℃まで冷却したのち、1〜10秒間の等温保持処理または冷却速度:20℃/s以下の徐冷処理を施し、ついで強制冷却により50℃/s以上の冷却速度で 350〜500 ℃まで冷却してから、コイルに巻き取ったのち、10〜100 ℃/hの冷却速度で 300℃以下まで冷却することを特徴とする耐衝撃特性および強度−伸びバランスに優れた高強度高加工性熱延鋼板の製造方法。 - 請求項4,5または6において、コイルに巻き取り後、10〜100 ℃/hの冷却速度で 300℃以下まで冷却する徐冷処理を、コイルに巻き取り後、2〜60分間の等温保持または冷却速度:50℃/h未満の緩冷却を施したのち、強制冷却により50℃/h以上の冷却速度で 300℃以下まで冷却する等温保持(緩冷却)−強制冷却処理に変更することを特徴とする耐衝撃特性および強度−伸びバランスに優れた高強度高加工性熱延鋼板の製造方法。
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