JP3674960B2 - プリント配線基板用ガラス織布およびプリント配線基板 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電子機器、コンピューター、通信機器に使用されるプリント配線基板、及びその基材として有用なガラス織布に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近プリント配線板の部品実装において自動化が進み、特に部品の表面実装技術が進歩し、プリント配線板の反りの低減、寸法安定性の改良が要求されている。プリント配線板のプリント配線板の反りの発生や、寸法安定性については種々の要因が影響するが、取り分け、ガラス織布の特性が大きな影響力を持っているといわれている。
プリント配線基板の中で、最近急速に生産量の増大しているものにコンポジット板がある。コンポジット板の場合、反り、ねじれが発生しやすいため、特に大きな問題になっている。
このような要求に対して、ガラス織布の経糸、緯糸の打ち込み本数を変えたり、織り縮み率を変えたり、糸の撚り数を小さくしたりするなどの提案がなされている。しかしながら、いずれも充分な効果は得られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、反りの少ない、寸法安定性の良好なプリント配線基板、及びそのようなプリント配線基板を可能とするガラス織布を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、経糸がEガラス繊維糸、緯糸がSガラス繊維糸で、緯糸と経糸の公称番手が等しく、緯糸と経糸の25mm当たりの打ち込み本数の比が0.65〜0.80であり、織り組織が平織りであるプリント配線基板用ガラス織布とすることにより、上記課題の解決が可能であることを見出だしたものである。又、前記ガラス織布に於いて、経糸にECG75 1/0のガラス糸を用い、緯糸にSガラス繊維で公称番手が67.5texのガラス糸を用いることにより、上記課題の解決が可能であることを見出だしたものであり、更に、前記ガラス織布を補強材として用いてプリント配線基板とすることにより課題の解決が可能であることを見出した。
本発明のガラス織布の経糸に用いられるEガラス繊維糸は、JIS R 3413に記載のEガラス繊維糸があげられるが、フィラメント径としては、5〜11μm、糸番手としては5〜100texのものが使用可能である。ECG751/0もJIS R 3413に記載のEガラス繊維糸であり、径が9μmのフィラメントを約400本引き揃え撚りをかけたものである。ECG75 1/0の公称番手は、67.5tex(1000m当たりの重量が67.5g)である。
【0005】
ECG75 1/0の記号について簡単に説明すると、
E ;電気絶縁用ガラス繊維
C ;連続繊維
G ;フィラメント径を表す(G;9μm,E;7μm,DE;6μm,D;5μm)
75 ;ガラス糸の呼びを表す(75の場合、糸の番手が67.5tex,37の場合135texを示す)
1/0;単糸を示す
【0006】
又、本発明のガラス織布の緯糸に使用されるガラス糸は、Sガラス繊維のガラス糸で、フィラメント径や糸番手は、経糸と同様の範囲のものが使用される。
本発明のガラス織布に用いられるガラス糸の撚り数は、0.1〜1.0回/25mmであるが、場合によっては、無撚りの糸も使用できる。
【0007】
上記した経糸用、緯糸用のガラス糸は、常法により紡糸され、巻き取られる。この際、糸の集束性を得るため、澱粉や油剤を成分とする集束剤が塗布される。巻き取られたガラスストランドは、一定の撚りをかけながら巻き返されガラス糸とされる。集束剤は、澱粉系の集束剤の他にプラスチック系の集束剤も使用することができる。
このようにして得られた経糸用、緯糸用ガラス糸を用いて織機で製織する。緯糸と経糸の25mm当たりの打ち込み本数の比を0.65〜0.80、織り組織が平織りとなるように製織する。
得られたガラス織布は、加熱脱油により、集束剤を除去した後、シランカップリング剤により表面処理され、本発明のプリント配線基板用ガラス織布とされる。この時のガラス織布の厚さは、約25〜200μm,質量は30〜240g/m2 の範囲である。
【0008】
表面処理に使用されるシランカップリング剤は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等をあげることができ、使用される樹脂の種類により適宜選択される。
【0009】
【作用】
プリント配線基板用のガラス織布として最も多く使用されているのは7628タイプといわれるガラス織布である。このガラス織布は、経糸、緯糸ともECG75 1/0のガラス糸を用い、経糸の25mm当たりの打ち込み本数が42〜44本、緯糸の打ち込み本数が32〜34本で、厚さが180μm、質量が205〜210g/m2 である。
このガラス織布は、経糸、緯糸の打ち込み本数、厚さ、質量などのバランスがとれているため、汎用のプリント配線基板に多用されており、又CEM−3タイプのコンポジット板の表面層用としても使用されている。
しかし、部品実装の自動化が進むにつれて、基板の反り、捩じれが問題となってきた。
【0010】
本発明者は、この問題が基板の経糸方向とと緯糸方向の熱膨張率の差にあるのではないかと気が付き、検討した結果、本発明のガラス織布を得た。
ガラス織布の緯糸をEガラス繊維より熱膨張率の小さいSガラス繊維とすることにより、基板の経方向と緯方向の熱膨張係数が似かよってき、且つ、小さくなることが判った。そしてこのような基板の反りは、7628タイプのガラス織布を用いた基板と比較し明らかに小さくなっていた。これは、ガラス織布の緯糸をSガラス繊維とすることにより、後工程での加熱処理をうけても、基板の経、緯の熱膨張係数がほぼ等しいため基板の反りの発生を抑えることができる。
【0011】
7628タイプのガラス織布は経、緯の打ち込み本数に差があるため、このガラス織布を用いた基板は、経、緯の熱膨張係数に差があり、後工程での熱処理による熱膨張に差が生じ、これが基板の反り、捩じれの大きな原因になっていると推定される。
一般にプリント配線基板用のガラス織布は、経糸の打ち込み本数にたいし緯糸の打ち込み本数が少なく設計されている。この理由ははっきりしないが織布製造時の生産性と、織布の特性のバランスをとった結果ではないかと考えられている。 本発明のガラス織布は、経糸、緯糸の番手と打ち込み本数を、例えば7628タイプと同じにすることができるため、生産性の点で7628タイプと同等とすることができ、基板を製造する場合の置換も容易に行うことができる。
【0012】
【実施例】
<実施例1>
ガラス織布として、経糸にECG75 1/0を44本/25mm、緯糸にTCG75 1/0[Sガラス繊維;日東紡績(株)]を32本/25mmで、平織りのガラス織布を製織した。加熱脱油後、シランカップリング剤、SZ−6032[東レダウコーニング・シリコーン(株)]の0.7wt%溶液で処理を行った。
次に、不飽和ポリエステル樹脂100重量部、スチレンモノマー40重量部、クメンハイドロパーオキサイド1重量部を混合しワニスを調合した。
ガラス織布2枚の間にガラスペーパー[EPM−4050;日本バイリーン(株)]4枚をはさみ、前記ワニスに含浸した。更に厚さ35μmの2枚の銅箔ではさみ、2分間脱泡したのち、150℃で1時間加熱し1.6mmの積層板を得た。
【0013】
<実施例2>
ガラス織布として、経糸にECG75 1/0を42本/25mm、緯糸にTCE75 1/0を32本/25mmで、平織りのガラス織布を製織した。以下実施例1と同様に積層板を成形した。
【0014】
<比較例>
ガラス織布として、経糸にECG75 1/0を44本/25mm、緯糸にECG75 1/0を32本/25mmで、平織りのガラス織布を製織した。以下実施例1と同様に積層板を成形した。
【0015】
実施例1,2と比較例の積層板について、反りと積層板の経糸方向及び緯糸方向の熱膨張係数をそれぞれ測定し、表1に示す。
反りの測定は、積層板をタテ400mmxヨコ340mmに切り出し、銅箔をエッチング後、130℃30分間乾燥させ、エッチング前と乾燥後の積層板の4角中の最大持ち上がり量を反り量として測定を行った。
熱膨張係数の測定は、60℃から130℃の熱膨張率の傾きから求め、セイコー電子工業(株)製のTMA/SS120Cを用いて測定を行った。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】
本発明のガラス織布を補強材として用いたプリント配線基板は、経糸方向と緯糸方向の熱膨張係数がほぼ近い値となり、且つ、従来の基板と比較してその値が小さくなるため、寸法変化の少ない基板を得ることができ、又、経糸方向と緯糸方向の熱膨張係数をほぼ近い値としたことにより、反りの少ないプリント配線基板を得ることが可能となった。更に、本発明の基板は、経、緯方向の熱膨張係数がほぼ等しいため、回路設計や基板の分割をする際に、基板の方向性を考慮する必要がなく、それだけ自由度の大きい基板を得ることができる。
又、本発明のガラス織布は、緯糸の打ち込み本数を7628タイプと同じにできるため製織効率を低下させずに特性の向上をはかることができる。
Claims (3)
- 経糸がEガラス繊維糸、緯糸がSガラス繊維糸で、緯糸と経糸の公称番手が等しく、緯糸と経糸の25mm当たりの打ち込み本数の比が0.65〜0.80であり、織り組織が平織りであることを特徴とするプリント配線基板用ガラス織布。
- 請求項1記載のガラス織布において、経糸がECG75 1/0であり、緯糸が公称番手が67.5texであるSガラス繊維糸であることを特徴とするプリント配線基板用ガラス織布。
- 請求項1又は2記載のガラス織布を補強材として用いたことを特徴とするプリント配線基板。
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