JP3673000B2 - 電解水製造用電解槽 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、長寿命を有しかつ高純度の電解水を製造できる電解水製造用電解槽に関し、より詳細には半導体デバイスや液晶パネル等の電子デバイスの洗浄に使用する高純度のアルカリ水及び酸性水を希塩水や純水を原料として製造するための電解水製造用電解槽に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】
半導体デバイスや液晶パネル等の電子部品の製造過程における洗浄には、従来から該用途のために特別に調製された有機溶剤や、硫酸、フッ酸、塩酸及び硝酸等の無機酸や、オゾン水及び過酸化水素等の酸化剤が使用されてきた。これらは今後も用途に応じて使用されるが、それぞれに応じた化学プロセスで製造された製品を特別に精製して得られたものであり、製造過程の触媒等から混入してくる金属成分の除去等を行なうための操作が煩雑で結果的に高価な製品となっている。又精製操作を丁寧に行なっても電子デバイスの高度化に伴う許容不純物量の低下に対しては必ずしも十分に対応できるものではなく、新たな代替手法が要請されている。
【0003】
更にこれらの薬品は危険な物が多いだけでなく、有機溶剤はオゾン層の破壊等の環境問題を引き起こす可能性があり、又他の無機酸や塩類ではその廃水処理に多くの手間とコストが掛かるという問題点がある。更にこれらの洗浄剤を使用して洗浄したデバイスは該洗浄剤除去のために多量の超純水を必要とするという欠点もある。
他の用途である医療や食品の分野でも同様に殺菌や洗浄にあたっては多量の洗浄剤が必要となるとともに該洗浄剤の除去のための水量が膨大になるという欠点がある。
これらの問題点を解決するために、イオン交換膜により陽極室と陰極室に区画された電解槽で、水、又あるいは塩酸、食塩又は塩化アンモニウム等の微量の電解質を添加した電解液を電解することにより、陽極側で酸化還元電位(ORP)の高い即ち酸化性の極めて高い弱酸性の酸性水を、又陰極側ではORPの低い即ち還元性の極めて高い弱塩基性のアルカリ水を得る方法が行なわれている。
【0004】
この電解における電極として一般に白金を被覆したチタン電極が使用されるが、該電極の消耗速度は1〜10μg/Ahであり、消耗した白金が電解液中に溶解すると標準的には1〜10ppb 程度の白金が電解液中に混入することになる。白金の代わりに酸化イリジウム等の白金族金属酸化物が使用されることがあるが、例えば100 ppm 程度の次亜塩素酸水溶液を製造する際の前記酸化イリジウムの消耗速度は白金の約10分の1であり大きく改良されるが、洗浄用としてはこの程度の混入でも問題であり、更に電極物質の混入量の低減が必要になる。
【0005】
本発明者らは、固体電解質としてイオン交換膜を使用しそれを電極に密着させることにより電極物質の消耗を約10分の1程度に減らすことに成功したが、やはり金属が電解液中に溶出することは避けられず、同様の問題点が生じている。
これを解決するために前述の酸性水の代わりにオゾン水の使用が提案されているが、オゾン水の製造には大きな設備が必要でコスト高になること、及び放電法でオゾンを製造するとオゾナイザーの電極物質のオゾン水中への混入を避けられないという問題点があり、根本的な解決とはなっていない。
【0006】
電極として非金属性物質を使用すれば金属の混入の問題はなくなり根本的な解決法となる。該非金属性物質として炭素があり、炭素電極は古くから電解用として使用されている。しかし通常の炭素は多孔性で比較的脆いため、電解の進行に伴って破壊したり溶解したりすることがある。又陽極として使用すると一部が酸化して炭酸ガスとなり消耗が早いという問題点もある。陰極として使用する場合は炭酸ガスとしての揮散はないものの生成する水素の気泡が陽極側で生成する酸素より小さく電極の破壊が進みやすくなるという問題点がある。
このように炭素電極を使用すると電解液中への金属成分の混入という問題は生じないものの、炭素の有する脆弱性が寿命の短縮化に繋がりやすく、特に大電流下ではその傾向が大きくなるため、満足できるORPを有する酸性水やアルカリ水が得られないという欠点がある。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、前述の従来技術の問題点を解決するために成されたもので、特に炭素電極の有する金属成分の溶出がないという特性を生かしながら該炭素電極の脆弱性という欠点を解消し、比較的長寿命で、例えば酸性水やアルカリ水の製造に使用した場合に、満足できるORPを高効率で実現できる電解水製造用電解槽を提供することを目的とする。
【0008】
【問題点を解決するための手段】
本発明は、イオン交換膜により陽極を有する陽極室と陰極を有する陰極室に区画された電解水製造用電解槽において、前記陽極及び陰極の少なくとも一方の電極物質を、その表面がフッ素樹脂処理したグラファイトで、またはその表面が硼フッ酸中で電解処理されたグラッシーカーボンで構成したことを特徴とする電解槽であり、該電解槽は2室型としても3室型としても良い。
【0009】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の特徴は、電解水製造用電解槽の複数の電極の少なくとも1つの電極として、例えば酸性水製造用電解槽の陽極として、又はアルカリ水製造用電解槽の陰極として、金属成分の溶出のない炭素電極を使用することにより得られる酸性水及び/又はアルカリ水が金属成分で汚染されておらず、電子部品の洗浄用等としてそのまま使用できる程度の純度を有する電解水を供給でき、更に前記炭素電極を非多孔性とすることにより、従来の炭素電極における脆弱性を改良し、前述の高純度電解水を長期間に渡って供給できる電解水製造用電解槽を構成した点にある。
【0009】
白金電極を使用して低濃度の塩化物イオンを含有する電解液を電解すると次亜塩素酸の生成効率が高くなり、白金電極の代わりに酸化イリジウム電極を使用すると、通常の水電解による酸素及び水素発生反応となり、満足できるORPは得られない。しかもいずれの場合でも金属成分の溶出が起こる。
これに対し、炭素電極を使用すると陽極電位は僅かに高くなるが、純水の場合でも低濃度の電解質を添加した電解液の場合でも、容易に高ORPの酸性水が得られ、これは炭素電極を使用して電解を行なうことにより、高電位電解によるオゾン生成が生ずるからであると推測できる。
このように炭素電極は金属成分の溶出がないこと、及びORPが十分高い酸性水を製造できるという利点があるが、その一方前述の通り脆弱性という欠点があり、本発明では該炭素電極として非多孔性炭素電極を使用して該欠点を解消することを意図している。
【0010】
本発明では、非多孔性炭素電極として、その表面がフッ素樹脂処理したグラファイト又はその表面が硼フッ酸中で電解処理されたグラッシーカーボンを使用する。
グラファイトは通常は多孔性であるが、本発明の炭素電極として使用する場合はポロシティー(多孔度)ができるだけ低い材料を選択し、更に多孔部分を樹脂などで閉塞して脆弱性を改良することが望ましい。閉塞剤は特に限定されないが極めて強い酸化性雰囲気で使用される可能性があるため、フッ素樹脂を使用することが好ましく、特に撥水性に優れたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂の使用が望ましい。
該閉塞剤を使用する多孔部分の閉塞は、例えばグラファイトマトリックスの表面にデュポン社のJ−30等のPTFE樹脂の水分散液を塗布し、室温で乾燥後、200 〜350 ℃で10〜30分間熱処理することにより達成できる。前記多孔部分の閉塞により破壊の起こりにくい非多孔性カーボンが生成する。
【0011】
グラッシーカーボンで代表される非晶質炭素は、グラファイトより導電性が劣るという欠点があるが、グラファイト(気孔率20〜30%)より開孔がはるかに少なく、換言するとポロシティーが低い(気孔率1〜5%)という特徴があり、グラファイト以上に安定に作用し、本発明の電極としてより有効に機能する。
該グラッシーカーボンは、その表面にフッ素や硼素を含浸してその特性を改質する。この改質処理の条件は特に限定されないが、例えば40重量%以上の硼フッ酸を電解浴とし、陽極として前記グラッシーカーボンを使用し、電流密度1〜10A/dm2 で1〜10時間程度電解することにより前記グラッシーカーボンの改質を行なえる。このように処理したグラッシーカーボンの電極電位はグラファイトのそれより1V程度高い。
【0012】
このような非多孔性炭素を電極物質とする電極を使用して電解を行なう。この炭素電極を好ましくは固体電解質として機能するイオン交換膜に密着させ通電を行なう。このような条件で電解を行なうと、前記炭素電極を陽極としその陽極反応が酸素発生反応である場合でも、1〜50A/dm2 といった高電流密度下でも電解を進行でき、その際の電極の消耗も5〜30μg/Ahという小さい値に維持できる。これは炭素電極が非多孔性であり脆弱度が改良されたこと、及び純水と比較してイオン交換膜の方がはるかに電気伝導度が高いため、電流分布が均一になり電極部分での電極部分での電流負荷が比較的小さくなるからであると推測できる。
前記炭素電極を陽極として使用する場合、消耗する炭素は液中に溶け出すのではなく大部分が酸素と化合し炭酸ガスとなって空気中に揮散し、陽極液中の固形分の増加や変色は観察されない。又当然金属成分の混入はない。
【0013】
前記グラッシーカーボン又はグラファイトを炭素電極として純水や低濃度の電解質を溶解した電解液を10A/dm2 以上の電流密度で電解すると、陽極室でORPが1000mV以上である酸性水が得られ、グラッシーカーボン電極とグラファイト電極を比較すると後者で得られる酸性水のORPの方が僅かに小さくなる。
なお純水に1000ppm 程度の塩化物イオンを塩化アンモニウムや塩酸の形で加えるといずれの場合もORPが容易に1100mVを越え、pHも容易に3を下回る極めて酸化性の高い酸性水が得られる。この場合の電極の消耗速度は塩化物イオンが存在しない場合とほぼ同等で10〜30μg/Ah程度である。
【0014】
又前記多孔性炭素電極を陰極として使用すると、陰極室で水素発生が生じてpH9〜11程度のアルカリ性でORPが400 mV以下であるアルカリ水が得られる。該炭素電極を陰極として電流密度10A/dm2 で1ヶ月間電解を継続しても電極の外観には全く変化が認められず、陰極液にも変色は生じない。
本発明では複数の電極を使用する電解水製造用電解槽の少なくとも1個の電極を前述した非多孔性炭素電極で構成するようにしている。従って例えば2室型電解槽の陽極のみを非多孔性炭素電極とし、陰極を金属電極として電解を行なうと、両極とも比較的長寿命を有し交換することなく長期間電解を継続できるが、得られる陽極液は金属成分の溶出のない電子デバイス等の洗浄用に適した高純度酸性水となるのに対し、得られる陰極液には金属が溶出し洗浄には適しないアルカリ水が得られる。従って当然、全ての電極を非多孔性炭素電極で構成することが最も望ましい。
【0017】
2室型電解槽で純水を電解して酸性水とアルカリ水を得る場合にはいずれの電解室に純水を供給しても良いが陽極室に純水を供給すると、陽極では
2H2 O → O2 + 4H+ + 4e 又は
3H2 O → O3 + 6H+ + 6e
の反応式に従って酸素やオゾンが生成し、
陰極では、
2H+ + 2e → H2 O + 2OH-
の反応式に従って水酸イオンが生成する。
又陰極に酸素を供給しながら電解を行なうと、陰極反応は、
O2 + H2 O + 2e → OH- + HO2 -
となる。これに塩化物イオンを添加すると、前記陽極反応に加えて陽極で、
2Cl- → Cl2 + 2e
の反応も起こり、生成した塩素ガスが電解液中に溶解し、pHにも依るが、通常は水と反応して次亜塩素酸を生成する。
3室型電解槽の場合は純水又は塩溶液を中間室に供給し、陽極室で高純度の酸性水を、陰極室で高純度のアルカリ水が生成する。
【0018】
図1は本発明に係わる2室型電解槽の一例を示す概略縦断面図、図2は同じく3室型電解槽の一例を示す概略縦断面図である。
図1において、2室型電解槽1はイオン交換膜2により陽極室3と陰極室4とに区画され、前記イオン交換膜2の陽極室3側に非多孔性炭素陽極5が陰極室4側に非多孔性炭素陰極6がそれぞれ密着している。
陽極室3の底面及び上面には純水又は塩溶液の供給口7及び酸性水取出口8が、陰極室4の底面及び上面には純水供給口9及びアルカリ水取出口10がそれぞれ設置されている。なお11はイオン交換膜2と周縁部間のパッキングである。
【0019】
図2において、3室型電解槽21は、陽イオン交換膜22により陽極室23及び中間室24に、又陽イオン交換膜25により前記中間室24と陰極室26に区画されている。前記陰イオン交換膜22の陽極室23側には非多孔性炭素陽極27が、又前記陽イオン交換膜22の陰極室26側には非多孔性炭素陰極28がそれぞれ密着している。
陽極23の底面及び上面には純水供給口29及び酸性水取出口30が、中間室24の底面及び上面には塩化アンモニウム等の塩溶液供給口31及び塩溶液取出口32が、陰極室26の底面及び上面には純水供給口33及びアルカリ水取出口34がそれぞれ設置されている。なお35はイオン交換膜22、25と周縁部間のパッキングである。
【0020】
図1及び図2のいずれの電解槽1、21でも、純水又は塩溶液供給口7又は塩溶液供給口31から純水や塩化アンモニウム水溶液や硫酸等の塩溶液を供給しながら両炭素電極5、6及び27、28間に通電すると、陽極室で酸性水が陰極室でアルカリ水がそれぞれ金属成分を含有することなく生成する。各電極が非多孔性炭素電極で構成されているため、炭素電極固有の脆弱性が解消され、消耗を最小限に抑制しつつ長期間の連続運転が可能になる。
【0021】
【実施例】
次に本発明に係わる電解水製造用電解槽を使用する酸性水及びアルカリ水の製造の実施例を記載するが、該実施例は本発明を限定するものではない。
【0022】
【実施例1】
イオン交換膜としてデュポン社のナフィオン117 陽イオン交換膜を使用し、陽極として厚さ1mmのグラファイト製の穴明板(2mmφ×3mmピッチ)を使用し、陰極として炭素とフッ素樹脂を混練して焼き付けた導電性のシートを使用して図1に示す電解槽を構成した。前記穴明板は、原板をロータリーポンプで減圧した雰囲気に置き、PTFE懸濁液(デュポン社製J30)を滴下して塗布し、60℃で乾燥後、370 ℃で15分間焼き付けて非多孔性の炭素電極である穴明板とした。
前記陽極及び陰極は両側から集電体を兼ねた純チタン製のメッシュで押さえ付けた。この電解槽の陽極室に純水を満たし、前記チタン製メッシュを通して3000クーロン/リットルの割合で通電し電解を行なった。電流密度を5〜50A/dm2 の範囲で変えて電解を行なった結果を表1に示した。
【0023】
【表1】
【0024】
【比較例1】
陽極として白金めっきチタンを使用したこと以外は実施例1と同一条件で電解を行なったところ、10A/dm2 を越える電流密度では白金の消耗が大きく、使用を継続できなかった。電流密度10A/dm2 での電解では、実施例1とほぼ同等のpH=3.2 、ORP=950 mVの酸性水が得られたが、該酸性水には約10ppt の白金が含有されていた。これは消耗速度が約10μgkA/hであり、消耗した白金が電解液中に溶出したことが判った。
【0025】
【実施例2】
2枚の陽イオン交換膜(デュポン社製ナフィオン115 )を使用して電解槽を陽極室−中間室−陰極室に区画した。厚さ1mmのグラッシーカーボンに3mmピッチで直径2mmの穴を千鳥状に開けた多孔板を準備し、陰極としては該多孔板をそのまま使用し、陽極としては該多孔板を予め40%の硼フッ酸中、40℃、1A/dm2 で10時間陽極酸化処理を行なったものを使用し、それぞれ陰極室内及び陽極室内に前記各陽イオン交換膜に密着圧3kg/cm2で密着するよう設置した。前記中間室にはデュポン社製のナフィオン粒子から成るイオン交換樹脂を充填した。
【0026】
陽極室及び陰極室には電導度18MΩcm以下のいわゆる超純水を満たし、電極投影面当たりの電流密度10A/dm2 で電解を行なった。温度は25℃とした。
陽極室ではpHが4.5 でORPが1150mV(vsAg/AgCl)である酸性水が、陰極室ではpHが9.4 でORPが−24mV(vsAg/AgCl)であるアルカリ水が得られた。陽極側で高いORPの酸性水が得られたのは、部分的なオゾン発生によるものであり、更に陰極側からの水素の透過が完全に阻止されているためであると考えられる。又陰極側では発生水素によるORPの十分な低下が生じたことが判った。両極室で得られた酸性水及びアルカリ水中の金属不純物はいずれも検出限界未満(ND)であり、電子デバイスの洗浄用として十分に使用できるレベルだった。
【0027】
【実施例3】
電解槽は実施例1と同じものを使用し、陽極としてはフッ素樹脂を含浸しながらPTFE樹脂を混練して作製した芯材であるPTFE繊維を実施例1の穴明板に塗布し、1kg/cm2の圧力を掛けながら370 ℃で15分間ホットプレスしたものを使用した。集電体は表面を600 ℃の酸化雰囲気中で熱処理し酸化物に変換した。塩化物イオンとして1000ppm になるように塩化アンモニウムを純水中に添加した水溶液を陽極室に供給しながら電流密度10A/dm2 で電解を行なった。
陽極室ではpHが3.2 でORPが1200mVである酸性水が、陰極室ではpHが9.5 でORPが330 mVであるアルカリ水が得られた。なお陽極の消耗速度は8μg/Ahに相当した。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、イオン交換膜により陽極を有する陽極室と陰極を有する陰極室に区画された電解水製造用電解槽において、前記陽極及び陰極の少なくとも一方の電極物質をその表面がフッ素樹脂処理したグラファイト又はその表面が硼フッ酸中で電解処理されたグラッシーカーボンで構成したことを特徴とする電解槽である。
従来の電解水製造用電解槽と異なり、本発明では金属電極ではなく炭素電極を使用することにより電解により得られる電解水中への金属成分の混入を防止し、電子デバイス洗浄用としても使用可能な金属不純物を殆ど含まない酸性水やアルカリ水を製造することを可能にしている。
【0031】
更に炭素電極として従来の炭素電極の脆弱性を有しない非多孔性炭素電極を使用しているため、消耗速度が非常に遅く、実用的な長寿命を有するとともに炭素の崩壊による電解水の汚染も殆ど生ずることのない電解水製造用電解槽を提供できる。
非多孔性炭素としてはグラファイトやグラッシーカーボン等があり、前記グラファイトは比較的多孔性であるため、ポロシティー(多孔度)ができるだけ低い材料を選択し、更にその表面の多孔部分をフッ素樹脂などで閉塞して脆弱性を改良することが望ましい。
【0032】
グラッシーカーボンはグラファイトと比較してポロシティーがはるかに低く、非多孔性炭素電極用として好ましい材料であり、本発明では、その表面を硼フッ酸中で電解処理して導電性と耐食性を向上させた後に使用する。
本発明に係わる電解水製造用電解槽は2室型電解槽の他に3室型電解槽とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる2室型の電解水製造用電解槽の一例を示す概略縦断面図。
【図2】本発明に係わる3室型の電解水製造用電解槽の一例を示す概略縦断面図。
【符号の説明】
1・・・2室型電解槽 2・・・イオン交換膜 3・・・陽極室 4・・・陰極室 5・・・非多孔性炭素陽極 6・・・非多孔性炭素陰極 7・・・純水又は塩溶液の供給口 8・・・酸性水取出口 9・・・純水供給口 10・・・アルカリ水取出口 11・・・パッキング
Claims (4)
- イオン交換膜により陽極を有する陽極室と陰極を有する陰極室に区画された電解水製造用電解槽において、前記陽極及び陰極の少なくとも一方の電極物質を、その表面がフッ素樹脂処理したグラファイトで構成したことを特徴とする電解槽。
- イオン交換膜により陽極を有する陽極室と陰極を有する陰極室に区画された電解水製造用電解槽において、前記陽極及び陰極の少なくとも一方の電極物質を、その表面が硼フッ酸中で電解処理されたグラッシーカーボンで構成したことを特徴とする電解槽。
- 陰イオン交換膜により陽極を有する陽極室及び中間室に、陽イオン交換膜により前記中間室及び陰極を有する陰極室にそれぞれ区画された3室型電解水製造用電解槽において、前記陽極及び陰極の少なくとも一方の電極物質を、その表面がフッ素樹脂処理したグラファイトで構成したことを特徴とする電解槽。
- 陰イオン交換膜により陽極を有する陽極室及び中間室に、陽イオン交換膜により前記中間室及び陰極を有する陰極室にそれぞれ区画された3室型電解水製造用電解槽において、前記陽極及び陰極の少なくとも一方の電極物質を、その表面が硼フッ酸中で電解処理されたグラッシーカーボンで構成したことを特徴とする電解槽。
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