JP3665005B2 - 固定子および固定子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電電動機の固定子および固定子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開2000−156943号公報に開示された固定子のように、固定子鉄心を、ティース鉄心部とコアバック鉄心部とに分割して、ティース鉄心部間のスロット部に固定子巻線を巻装した後、ティース鉄心部間にコアバック鉄心部を径方向の外側から押圧挿入してなる固定子が知られている。
このような固定子において、ティース鉄心部間のスロット部に固定子巻線を巻装する際に、例えば、複数本の電線を束ねてなる束線をティース鉄心部間を縫うようにして複数回に亘って周回させる方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術に係る固定子において、例えば複数の束線を周回させて固定子巻線を形成する場合には、ティース鉄心部間の内周側の束線の配線長に比べて、外周側の束線の配線長の方が長くなり、この配線長差に起因して抵抗値の差が生じる。このため、固定子巻線に所定電圧で通電を行うと、並列接続された複数の束線のうち、相対的に抵抗値が小さい内周側の束線ほど大きな電流が流れて発熱量が増大する。
ここで、固定子巻線には、所定の耐熱温度が設定されており、この耐熱温度に応じた所定の温度範囲内にて固定子巻線の温度変化が生じるように、電源等に対する所定の給電可能範囲が設定されている。しかしながら、束線の発熱量に大きなばらつきが生じると、固定子巻線に対する所定の温度範囲、つまり給電可能範囲が狭くなってしまい、固定子巻線の耐熱性能を有効利用して多様な通電制御を行うことが困難になる虞がある。
【0004】
例えば、抵抗値の変化と発熱による温度変化との関係を0.4%/℃とし、束線の抵抗値の差が14.3%の場合に、固定子巻線には局部的に14.3/0.4≒36℃の温度差が生じる。ここで、固定子巻線の雰囲気温度が80℃、耐熱温度が180℃の場合には、固定子巻線に対する所定の温度範囲、つまり給電可能範囲は180−80=100℃とされているが、局部的に36℃の温度差が生じていると、この温度範囲は100−36=64℃まで狭くなってしまう虞がある。
また、固定子巻線の温度が所定の耐熱温度(例えば、180℃)近傍の値になっているときに、このような温度差が生じた場合には、固定子巻線の温度が局部的に180+36=216℃となって、耐熱温度を超えてしまう虞がある。
【0005】
このような問題に対して、例えば、所定の複数本(例えば、80本)の電線が並列接続され、複数回(例えば、3回)周回させて固定子巻線を形成する場合には、これら複数本の電線を並列接続して一本の束線を構成し、この一本の束線を周回させる方法と、これら複数本の電線を所定本数(例えば、各20本)に分割して複数本(例えば、4本)の束線を構成し、各束線毎に複数回(例えば、3回)周回させ、各束線を並列接続する方法が知られている。
ここで、前者の方法においては、一本の束線を周回させる際に、所定の位置毎に束線を捻って、束線の内周側が外周側等となるように転移させることによって、束線を構成する電線の各配線長が等しくなるように設定する。
【0006】
しかしながら、このような固定子巻線では、例えば束線が捻られる位置において隣接する束線同士の間に隙間が生じ、占積率が低下してしまう虞がある。
また、後者の方法においては、各束線を周回させた後に、各束線からの引出線の長さを所定長に調整して並列接続することによって、引出線の長さを含めた束線の配線長が各束線同士で互いに等しくなるように設定する。例えばティース鉄心部間の内周側に配置された束線に比べて、外周側に配置された束線ほど引出線が短くなるように設定することで、束線の配線長差に起因する抵抗値の差が生じることを防止することができる。
しかしながら、このような固定子巻線では、内周側に配置された束線ほど、抵抗値を増大させるために引出線を長くする必要があり、固定子巻線の製作費用が嵩むと共に、引出線が長くなることでコイルエンドの高さが高くなり、固定子の寸法が増大してしまう虞がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、固定子の寸法や製作費用が増大することを防止しつつ、固定子巻線を構成する複数の電線の巻線温度に温度差が生じることを抑制することが可能な固定子および固定子の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の発明の固定子は、所定周方向に所定間隔をおいて配置された複数のティース鉄心(例えば、後述する実施の形態におけるティース鉄心11)と、隣り合う前記ティース鉄心間の外周側に設けられたコアバック鉄心(例えば、後述する実施の形態におけるコアバック鉄心12)と、前記ティース鉄心間に配置され、前記周方向に沿って周回し波巻きを行うと共に複数本の束線が並列接続されてなる固定子巻線(例えば、後述する実施の形態における固定子巻線25)とを備えた固定子であって、前記束線は複数本の電線が束ねられてなり、複数本の束線が複数のノズルにより同時にティース鉄心間を所定数毎に跨いで縫うようにして周方向に周回され、前記ティース鉄心間の内周側の前記束線は、外周側の前記束線に比べて、前記電線の本数が少なくされていることを特徴としている。
【0009】
上記構成の固定子によれば、隣り合うティース鉄心間の径方向の位置に応じて束線を構成する電線の本数を変化させることで、束線の断面積を調整することができる。これにより、束線の配線長差によって生じる抵抗値の差と、束線の断面積差によって生じる抵抗値の差とを相殺し、隣り合うティース鉄心間の径方向の位置に関わりなく、複数の束線の抵抗値を同等の値に設定することができる。
すなわち、隣り合うティース鉄心間の外周側に配置された束線では、内周側に配置された束線に比べて配線長が長いため、抵抗値がより大きくなっている。このため、例えば、外周側の束線を構成する電線の本数を、内周側の束線を構成する電線の本数よりも増加させ、束線の断面積を大きくすることによって、抵抗値を減少させ、外周側の束線の抵抗値と内周側の束線の抵抗値とを同等の値に設定する。あるいは、例えば、内周側の束線を構成する電線の本数を、外周側の束線を構成する電線の本数よりも減少させ、束線の断面積を小さくすることによって、抵抗値を増大させ、外周側の束線の抵抗値と内周側の束線の抵抗値とを同等の値に設定する。
これにより、隣り合うティース鉄心間の径方向の位置に関わりなく、複数の束線の抵抗値を同等の値に設定する際に、占積率の低下やコイルエンドの高さが高くなることを防止することができる。
【0010】
また、請求項2に記載の本発明の固定子の製造方法は、複数本の電線が束ねられてなる束線を、複数のノズルにより、所定周方向に所定間隔をおいて配置された複数のティース鉄心間を所定数毎に跨いで縫うようにして、前記周方向に沿って周回させ波巻きを行う第1のステップ(例えば、後述する実施の形態におけるステップS02)と、前記周方向に沿って周回する複数の前記束線を並列接続する第2のステップ(例えば、後述する実施の形態におけるステップS06)とを含む固定子の製造方法であって、前記ティース鉄心間の内周側の前記束線に対する前記電線の本数を、外周側の前記束線に比べて、少なくすることを特徴としている。
【0011】
このような固定子の製造方法によれば、束線を周回させる際に、ティース鉄心間の外周側に位置する束線ほど、より多くの本数の電線を束ねる、あるいは、ティース鉄心間の内周側に位置する束線ほど、より少ない本数の電線を束ねることによって、束線の配線長差によって生じる抵抗値の差と、束線の断面積差によって生じる抵抗値の差とを相殺し、ティース鉄心間の径方向の位置に関わりなく、複数の束線の抵抗値を同等の値に設定することができる。これにより、複数の束線の抵抗値を同等の値に設定する際に、占積率の低下やコイルエンドの高さが高くなることを防止することができると共に、製作に要する費用が増大することを防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の固定子の一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係る固定子10の斜視図であり、図2は図1に示す固定子10の平面図であり、図3は図1に示す固定子10のティース鉄心11の平面図であり、図4は図1に示す固定子10のコアバック鉄心12の平面図であり、図5は図2に示す固定子10の要部平面図であり、図6は所定間隔をおいて配置したティース鉄心11,…,11に固定子巻線25を巻き付ける工程を示す図であり、図7は図6に示す固定子10の要部断面図であり、図8は図6に示す固定子10の要部を径方向の外周側から見た図である。
本実施の形態による固定子10は、例えば図1および図2に示すように略円筒状に形成され、所定円周上に周方向に所定間隔をおいて配置された複数のティース鉄心11,…,11と、隣り合うティース鉄心11,…,11間の外周側に配置されたコアバック鉄心12,…,12とを備えて構成されている。
【0013】
ティース鉄心11は、例えば図3に示すように、珪素鋼鈑等の方向性を有する電磁鋼鈑が積層されてなり、例えば磁化容易方向が固定子10の径方向に設定されている。
ティース鉄心11は、固定子10の中心軸線と平行な方向に所定の厚さを有しており、内周側の巻線部21と、一対の突出部22,22と、一対の爪部23,23と、外周側の継鉄部24とを備えて構成されている。
【0014】
巻線部21は周方向に所定幅を有するように形成され、この巻線部21の外周側の端部には、周方向の外側に向かい突出する一対の突出部22,22が設けられ、内周側の端部には、周方向の外側に向かい突出する一対の爪部23,23が設けられている。
ここで、隣り合うティース鉄心11,11間で対向する2つの突出部22,22は、ティース鉄心11,11間に挿入されたコアバック鉄心12の内周側の端部12aに当接可能とされており、コアバック鉄心12の径方向内方に向かう移動を規制するようになっている。
また、巻線部21の一対の爪部23,23は、巻線部21に巻装される固定子巻線(図示略)の径方向内方への抜け落ちを防止するようになっている。
【0015】
継鉄部24は、周方向の幅が内周側から外周側に向かい大きくなるように形成され、例えばテーパ状の継鉄部側面24A,24Aを有している。すなわち、継鉄部側面24A,24A間の距離aは、内周側から外周側に向かい漸次大きくなるように設定されている。
そして、例えば図5に示すように、所定円周上に所定間隔をおいて配置された隣り合うティース鉄心11,11間で対向する2つの継鉄部側面24A,24A間の距離bは、内周側から外周側に亘って所定の値となるように、あるいは、内周側から外周側に向かい若干小さくなるように設定されている。
【0016】
コアバック鉄心12は、例えば図4に示すように、珪素鋼鈑等の方向性を有する電磁鋼鈑が積層されてなる略直方体状に形成され、例えば磁化容易方向が固定子10の周方向に設定されている。
コアバック鉄心12の厚さは、例えばティース鉄心11の厚さと同等に形成され、径方向の長さdは、例えばティース鉄心11の継鉄部24の径方向の長さcと同等に形成されている。
さらに、コアバック鉄心12の周方向の幅fは、内周側から外周側に亘って所定の値、例えば隣り合うティース鉄心11,11間で対向する2つの継鉄部側面24A,24A間の距離bと同等の値、あるいは、この距離bよりも若干大きな値となるように形成されている。
【0017】
ここで、継鉄部側面24A,24A間の距離bを内周側から外周側に向かい小さくなるように設定した場合には、隣り合うティース鉄心11,11間に圧入したコアバック鉄心12は継鉄部側面24A,24Aの特に外周部によって挟み込まれるようにして固定される。
また、継鉄部側面24A,24A間の距離bを内周側から外周側に亘って所定値となるように設定した場合には、コアバック鉄心12の両側面を継鉄部側面24A,24Aと面接触させ、コアバック鉄心12を継鉄部側面24A,24Aの全面によって両側から挟み込むようにして固定することができる。
【0018】
そして、例えば図5に示すように、各ティース鉄心11の巻線部21に巻き付けられるようにして固定子巻線25が巻装されている。
この固定子巻線25は、後述するように、所定の複数本の電線が束ねられてなる複数の束線が、並列接続されて構成されており、各束線は固定子10を一回だけ周回するように設定されている。そして、ティース鉄心11,11間の内周側に位置する束線ほど、外周側に位置する束線よりも、束線を構成する電線の本数が少なくなるように設定されている。
すなわち、周回する所定本数の電線を束ねてなる適宜の束線に対して、この束線よりも内周側の位置には、より少ない本数の電線を束ねてなる束線が配置されている。
【0019】
ここで、束線を構成する電線の本数は、例えば、束線の周長Lと断面積Aとに応じて設定されている。
例えば、各束線をティース鉄心11,…,11間を縫うようにして一回だけ周回させ、波巻きを行う場合において、1相の1周回あたりの束線Bの周長Lは、下記数式(1)に示すように、ティース鉄心11,11間の径方向の位置に応じて異なる束線の半径r(例えば、図7に示す内周側束線B1の半径r1、外周側束線B2の半径r2)と、極数Pと、積厚t1(例えば、図8に示すティース鉄心11の厚さt1)と、コイルエンド高さt2(例えば、図8に示すティース鉄心11の側面11Aと固定子巻線25との間の距離t2)とによって記述される。
【0020】
【数1】
【0021】
そして、上記数式(1)により算出された周長Lと断面積Aとの比(L/A)つまり束線の抵抗値に相当する値が、各束線毎に所定の許容範囲内の値となるように設定されている。
【0022】
本実施の形態による固定子10は上記構成を備えており、次に、この固定子10の製造方法について添付図面を参照しながら説明する。
【0023】
先ず、例えば図6に示すように、略円柱状のティース固定治具26の外周面上に、所定間隔をおいて複数のティース鉄心11,…,11を配置する(ステップS01)。
次に、ティース固定治具26に固定されたティース鉄心11,…,11の外周面に沿って周回移動可能、かつ、固定子10の軸線と平行な方向に揺動可能とされた適宜の巻線機(図示略)の複数あるノズル27、…、27から、各ノズル27毎に所定の複数本の電線を束ねてなる束線Bを供給し、各ティース鉄心11の巻線部21に束線Bを巻き付ける(ステップS02)。
【0024】
このとき、ノズル27を、隣り合うティース鉄心11,…,11を所定数毎に跨いで縫うようにして動かしてティース鉄心11に束線Bを巻き付けるようにして周回させ、各周回毎に同じ相の固定子巻線25が同じティース鉄心11,…,11間に巻装されるように設定する。
さらに、各周回毎にノズル27から供給される電線の本数を変更する。例えば、ティース鉄心11,…,11間の径方向において、内周側に配置される束線Bに比べて、外周側に配置される束線Bほど供給される電線の本数がより多くなるように設定する。
【0025】
なお、上記ノズル27は、固定子10に巻装される複数の相の固定子巻線25,…,25の相数と同じ数のノズル27,…,27を備えたものであり、例えば、3相モータの場合には、U相、V相、W相に対応して3個のノズル27,27,27を備えている。各ノズル27は、所定の複数本の電線を同時に束ねた状態で供給するように構成され、これら3個のノズル27,27,27を、同時にティース鉄心11,…,11間を縫うようにして周回させるようになっている。これにより、ノズル27,27,27の周回を複数回行うことによって、多相(例えば、U相、V相、W相)分の巻装が行われる。
【0026】
次に、例えば図5に示すように、各隣り合うティース鉄心11,11間に外周側からコアバック鉄心12を圧入し、コアバック鉄心12の内周側の端部12aに、隣り合うティース鉄心11,11間で対向する2つの突出部22,22を当接させる(ステップS03)。そして、ティース固定治具26を取り外す(ステップS05)。
次に、各相毎に、異なる本数の電線を束ねてなる複数の束線B1,…,Bn(nは任意の自然数)の各引出線(図示略)を並列接続して(ステップS06)、一連の工程を終了する。
【0027】
以下に、上述した実施の形態による固定子の製造方法により製造した固定子10の一例について説明する。
なお、以下において、固定子巻線25は、例えば3セットの束線C1,C2,C3により構成され、最も内周側を周回する束線C1の外周側に束線C2が配置され、さらに束線C2の外周側に束線C3が配置されている。また、各束線C1,C2,C3を構成する複数本の電線の一本あたりの断面積を、例えば0.0625mmとした。
【0028】
ここで、束線C1を構成する電線の本数を18本とし、束線C2の電線の本数を19本とし、束線C3の電線の本数を20本として固定子巻線25を形成した場合を実施例とした。また、各束線C1,C2,C3を、互いに等しい20本の電線により構成した場合を比較例とした。
表1には、実施例における束線C1,C2,C3の断面積A(各電線の断面積の合計)、周長L、周長Lと断面積Aの比(L/A)と、束線C3を基準としたときの束線C1,C2の断面積差による抵抗値の差、周長差の割合、束線の抵抗値の差(比(L/A)の差)を示した。
また、表2には、比較例における束線C1,C2,C3に対して、表1と同様に断面積A、断面積差による抵抗値の差、周長L、周長差、周長Lと断面積Aの比(L/A)、束線の抵抗値の差(比(L/A)の差)を示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
ここで、例えば、固定子巻線25への通電時の発熱による温度変化と抵抗値の変化との関係を0.4%/℃とし、固定子巻線25内に局所的に生じる温度差の許容範囲を10℃とすれば、固定子巻線25内の抵抗値の差を4%に設定する必要がある。
表2に示す比較例では、各束線C1,C2,C3を構成する電線の本数が互いに等しいため、断面積Aが等しくなり、各束線C1,C2,C3の周長差に応じた抵抗値の差が生じる。すなわち、最も外周側の束線C3を基準として、束線C2の抵抗値は束線C3よりも4.51%だけ小さくなり、さらに、最も内周側の束線C1の抵抗値は束線C3よりも9.01%だけ小さくなり、許容される抵抗値の差である4%を超えてしまっている。
【0032】
一方、表1に示す実施例では、内周側の束線ほど電線の本数が少なくされており、各束線C1,C2,C3の断面積Aに応じた抵抗値の差が生じる。すなわち、最も外周側の束線C3を基準として、束線C2の断面積Aに起因する抵抗値は束線C3よりも5%だけ大きくなり、さらに、最も内周側の束線C1の断面積Aに起因する抵抗値は束線C3よりも10%だけ大きくなっている。
さらに、上述した比較例と同様に、各束線C1,C2,C3の周長差に応じた抵抗値の差が生じており、最も外周側の束線C3を基準として、内周側の束線ほど、周長Lに起因する抵抗値は小さくなっている。
これにより、断面積Aに起因する抵抗値と、周長Lに起因する抵抗値とが相殺し、結局、最も外周側の束線C3を基準として、束線C2の抵抗値は束線C3よりも0.52%だけ大きくなり、さらに、最も内周側の束線C1の抵抗値は束線C3よりも1.09%だけ大きくなり、許容される抵抗値の差である4%未満の値となっている。
すなわち、ティース鉄心11,…,11間の径方向における位置に応じて、各束線C1,C2,C3の構成する電線の本数を変化させることで、束線C1,C2,C3の抵抗値の差を略1%以内に設定することができ、固定子巻線25に生じる局所的な温度差を所望の許容範囲内に収めることができる。
【0033】
上述したように、本実施の形態による固定子10によれば、固定子巻線25をなす複数本の束線に対し、束線の断面積に起因する抵抗値と、束線の周長に起因する抵抗値とを相殺して、ティース鉄心間11,…,11の径方向の位置に関わりなく、複数の束線の抵抗値を同等の値に設定することができる。これにより、複数の束線の抵抗値を同等の値に設定する際に、占積率の低下やコイルエンドの高さが高くなることを防止することができる。
【0034】
さらに、上述した本実施の形態による固定子の製造方法によれば、複数の束線の抵抗値を同等の値に設定する際に、占積率の低下やコイルエンドの高さが高くなることを防止することができると共に、内周側の束線に対する電線の本数を外周側の束線に比べて少なくすることによって、固定子10を製作する際に要する費用が増大することを防止することができる。
【0035】
なお、上述した本実施の形態においては、内周側の束線に対する電線の本数を外周側の束線に比べて少なくしたが、外周側の束線に対する電線の本数を内周側の束線に比べて多くしてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明の固定子によれば、隣り合うティース鉄心間の径方向の位置に関わりなく、複数の束線の抵抗値を同等の値に設定する際に、占積率の低下やコイルエンドの高さが高くなることを防止することができる。
【0037】
また、請求項2に記載の発明の固定子の製造方法によれば、隣り合うティース鉄心間の径方向の位置に関わりなく、複数の束線の抵抗値を同等の値に設定する際に、占積率の低下やコイルエンドの高さが高くなることを防止することができると共に、製作に要する費用が増大することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る固定子の斜視図である。
【図2】 図1に示す固定子の平面図である。
【図3】 図1に示す固定子のティース鉄心の平面図である。
【図4】 図1に示す固定子のコアバック鉄心の平面図である。
【図5】 図2に示す固定子の要部平面図である。
【図6】 所定間隔をおいて配置したティース鉄心に固定子巻線を巻き付ける工程を示す図である。
【図7】 図6に示す固定子の要部断面図である。
【図8】 図6に示す固定子の要部を径方向の外周側から見た図である。
【符号の説明】
10 固定子
11 ティース鉄心
12 コアバック鉄心
25 固定子巻線
Claims (2)
- 所定周方向に所定間隔をおいて配置された複数のティース鉄心と、隣り合う前記ティース鉄心間の外周側に設けられたコアバック鉄心と、前記ティース鉄心間に配置され、前記周方向に沿って周回し波巻きを行うと共に複数本の束線が並列接続されてなる固定子巻線とを備えた固定子であって、
前記束線は複数本の電線が束ねられてなり、複数本の束線が複数のノズルにより同時にティース鉄心間を所定数毎に跨いで縫うようにして周方向に周回され、前記ティース鉄心間の内周側の前記束線は、外周側の前記束線に比べて、前記電線の本数が少なくされていることを特徴とする固定子。 - 複数本の電線が束ねられてなる束線を、複数のノズルにより、所定周方向に所定間隔をおいて配置された複数のティース鉄心間を所定数毎に跨いで縫うようにして、前記周方向に沿って周回させ波巻きを行う第1のステップと、
前記周方向に沿って周回する複数の前記束線を並列接続する第2のステップとを含む固定子の製造方法であって、
前記ティース鉄心間の内周側の前記束線に対する前記電線の本数を、外周側の前記束線に比べて、少なくすることを特徴とする固定子の製造方法。
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