JP3664380B2 - 光学的ピックアップ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクや光磁気ディスクに情報信号を記録したり、光ディスクや光磁気ディスクに記録済みの情報信号を再生する光学的ピックアップ装置において、対物レンズから出射した光ビームを光ディスクや光磁気ディスクの信号面に垂直に入射させるためのチルト調整機構を備えた光学的ピックアップ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、光ディスクや光磁気ディスク(以下、総称して光ディスクと記す)に情報信号を記録したり、光ディスクに記録済みの情報信号を再生する光学的ピックアップ装置では、対物レンズから出射した書き込み用光ビームあるいは読み出し用光ビームを、光ディスクの信号面に焦点が合った状態で照射させ、且つ、この光ビームを光ディスクのトラック方向に追従させる必要から、対物レンズはその光軸方向であるフォーカス方向と、光ディスクのトラック方向とに揺動可能に支持されている。
【0003】
この際、光学的ピックアップ装置を構成する各構成部材の組み立て状態などに起因してレンズホルダに取り付けた対物レンズが光ディスクの信号面に対して傾いている場合とか、あるいは、対物レンズに収差がある場合とかにより、対物レンズから出射した光ビームが光ディスクの信号面に垂直に入射しないため、この光ビームが光ディスクの信号面に所定のスポット形状で集光できないので、レンズホルダと一体に対物レンズの傾きを調整する必要があり、この対物レンズの傾きを調整するためのチルト調整機構を光学的ピックアップ装置に備えたものを本出願人は先に特開平9−44879号公報にて提案している。
【0004】
図3は従来の光学的ピックアップ装置を説明するために分解して示した分解斜視図、
図4は従来の光学的ピックアップ装置の組み立て状態を示した斜視図、
図5は従来の光学的ピックアップ装置において、X軸チルト機構を模式的に示した図である。
【0005】
図3及び図4に示した従来の光学的ピックアップ装置は、上記した特開平9−44879号公報に開示されているものである。
【0006】
図3において、従来の光学的ピックアップ装置100では、基台となる固定ベース101は軟磁性金属材料を用いて剛性のある枠体に一体的に形成されている。この固定ベース101の上面101a上で長手方向前方部位(図示左側)には開口部101bが幅広く開口されており、この開口部101bは後述する対物レンズ104への光通路となっている。また、固定ベース101の上面101a上で開口部101bより後方側に長手方向に沿って一対のサスペンションベース支持部101c,101cが互いに対向して上方に向けて突設され、且つ、これら一対のサスペンションベース支持部101c,101cの上部中央部位にはV溝101d,101dが形成されており、これらのV溝101d,101dに後述のサスペンションベース111が支持されるようになっている。また、固定ベース101に開口した開口部101bを挟んで左右内側に立ち上げたヨーク101e,101eと、左右外側に立ち上げた101f,101fとが内側と外側同士で夫々互いに対向している。そして、上記した外側のヨーク101f,101fの内側に一対のマグネット102,102が固着され、且つ、これら一対のマグネット102,102も内側のヨーク101e,101eと対向している。
【0007】
更に、固定ベース101の前方に設けた壁101gと、左右側面に設けた外側のヨーク101f,101fとの間に一対の取付台101h,101hが互いに対向して上方に向けて突設され、且つ、これら一対の取付台101h,101hの上部外側部位には円弧状突起101i,101iが形成されており、これらの円弧状突起101i,101iは固定ベース101の回動支点となるものである。そして、上記した円弧状突起101i,101iを、図4に示した移動台Iの左右の側面に形成したV溝Iv,Iv上に載置した時に、固定ベース101がY軸回りに回動可能に支持されるようになっている。この際、上記したY軸は、後述するX軸と直交して対物レンズ104のレンズ中心を通る線上に設定したものである。
【0008】
次に、可動部103は、対物レンズ104と、対物レンズ104を取り付けるレンズホルダ105と、バランサー106と、レンズホルダ105の左右の側面に固着させた一対のフォーカシングコイル107,107と、これらのフォーカシングコイル107,107の外側に固着させた左右一対のトラッキングコイル108,108と、レンズホルダ105とバランサー106との間に設けられて上記各コイル107,108を結線すると共に上下2対4本の弾性変位自在なサスペンションワイヤ109の一端側をハ字状に固着するプリント配線基板110(下部側は図示を省略)とで一体的に構成されている。この際、可動部103は、固定ベース101に開口した開口部101bの上方に位置し、且つ、レンズホルダ105に固着させた左右一対のフォーカシングコイル107,107を固定ベース101から左右内側に立ち上げたヨーク101e,101e内に挿入している。
【0009】
次に、固定ベース101の後端側に設けた一対のサスペンションベース支持部101c,101cの上方には、上記した可動部103を上下2対4本のサスペンションワイヤ109を介して揺動自在に支持するためのサスペンションベース111が弾性変位自在な樹脂材などを用いて一体的に形成されており、このサスペンションベース111は可動部103に対して切り離されているものの、サスペンションベース111を一対のサスペンションベース支持部101c,101cに固定した時に、上下2対4本のサスペンションワイヤ109を介して可動部103を揺動自在に支持している。
【0010】
このサスペンションベース111は、幅方向中央部位に矩形状の基部111aが形成され、且つ、この基部111aの長手方向の前後下部に円弧状突起111b,(111b)が形成されており、こられの円弧状突起111b,(111b)はサスペンションベース111の回動支点となるものである。そして、上記した円弧状突起111b,(111b)を、固定ベース101に設けた一対のサスペンションベース支持部101c,101cに形成したV溝101d,101d上に載置した時に、サスペンションベース111がX軸回りに回動可能に支持されるようになっている。尚、上記したX軸は、対物レンズ104のレンズ中心と、サスペンションベース111の幅方向中央部位とを結ぶ線上に設定したものである。
【0011】
また、サスペンションベース111に形成した基部111aを挟んで基部111aの前方部位には、ハ字状溝111c,111c(下部は図示を省略)が上面及び下面に形成されて上下2対4本のサスペンションワイヤ109が挿通されている。
【0012】
また、サスペンションベース111に形成した基部111aを挟んで基部111aの後方部位には、基部111aの左右に連設して薄肉のワイヤ支持部111d,111dが形成され、これらのワイヤ支持部111d,111dの上下に形成した上下2対4つのV溝111eに上下2対4本のサスペンションワイヤ109の他端側が支持されている。
【0013】
また、固定ベース101の長手方向後方(図示右側)で、サスペンションベース111に形成した左右のワイヤ支持部111d,111dの下面近傍の下面と対応した部位に、一対のネジ孔101j,101jが形成されており、これらのネジ孔101j,101jに固定ベース101の裏面から調整ネジ112,112が挿入されようになっている。
【0014】
そして、可動部103を上下2対4本のサスペンションワイヤ109によりサスペンションベース111に揺動自在に支持した状態で、サスペンションベース111の基部1111aに形成した円弧状突起111b,(111b)を固定ベース101のサスペンションベース支持部101c,101cに形成したV溝101d,101d上に載置した後、U字状に屈曲形勢した板バネ113でサスペンションベース111の上面と固定ベース101の裏面を挟み込み、更に、可動部103の上方をレンズカバー114で覆うと図4に示した如くに光学的ピックアップ装置100が組み立てられる。
【0015】
ここで、板バネ113でサスペンションベース111の上面と固定ベース101の裏面を挟み込こむことによって、サスペンションベース111は円弧状突起111b,(111b)を中心として板バネ113が付勢された側に回動する方向に動くが、サスペンションベース111の左右に形成したワイヤ支持部111d,111dのいずれか一方のワイヤ支持部111dの下面近傍の下面を、固定ベース101の裏面からネジ孔101jに挿入した一方の調整ネジ112の上端部で押し上げることにより、サスペンションベース111は円弧状突起111b,(111b)を中心としてX軸回りの微妙な回動位置を容易に調整(X軸チルト調整)することができ、このサスペンションベース111に支持した可動部103も一体となってX軸回りに回動する。この際、X軸チルト調整は、可動部103を構成するレンズホルダ105と一体に対物レンズ104を光ディスクのトラックに対して直交する径方向に傾けることからラジアルチルト調整とも呼称されている。
【0016】
また、上記した固定ベース101は、X軸と直交するY軸回りにも調整(Y軸チルト調整)することもでき、これは前述したように、固定ベース101の一対の取付台101h,101hに形成した円弧状突起101i,101を、図4に示した移動台Iの左右の側面に形成したV溝Iv,Iv上に載置した時に固定ベース101をY軸回りに回動させている。この際、Y軸チルト調整は、可動部103を構成するレンズホルダ105と一体に対物レンズ104を光ディスクのトラックの接線方向に傾けることからタンジェンシャルチルト調整とも呼称されている。
【0017】
更に、光学的ピックアップ装置100のフォーカス制御動作とトラッキング制御動作とを簡略に説明する。
【0018】
まず、一対のフォーカシングコイル107,107にフォーカス制御信号が印加されると、固定ベース101に設けた2組のヨーク(101e,101e),(101f,101f)と、一対のマグネット102,102とによって形成された磁界によるフォーカス方向(上下方向)の電磁力を受けるので、サスペンションベース111を介して4本のサスペンションワイヤ109に支持された可動部103が上下に揺動し、これにより可動部103に取り付けた対物レンズ104が光軸方向にフオーカス制御され、対物レンズ104からの光スポットが光ディスクの記録トラック上に合焦点される。
【0019】
また、一対のトラッキングコイル108,108にトラッキング制御信号が印加されると、固定ベース101に設けた2組のヨーク(101e,101e),(101f,101f)と、一対のマグネット102,102とによって形成された磁界によるトラッキング方向(左右方向)の電磁力を受けるので、サスペンションベース111を介して4本のサスペンションワイヤ109に支持された可動部103が左右に揺動し、これにより可動部103に取り付けた対物レンズ104が光ディスクの記録トラックの径方向にトラッキング制御され、対物レンズ104からの光スポットが所望の記録トラックをトレースすることができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来の光学的ピックアップ装置100では、各構成部材の組み立て状態などに起因してレンズホルダ105に取り付けた対物レンズ104が光ディスクの信号面に対して傾いている場合とか、あるいは、対物レンズ104に収差がある場合とかに対応して、上記したX軸チルト調整及びY軸チルト調整が可能に構成されているので、対物レンズ104から出射した光ビームを光ディスクの信号面に垂直に入射できるものの、とくに、上記したX軸チルト調整機構は、固定ベース101側とサスペンションベース111側とに回動支点部を設けているのでX軸チルト調整機構が複雑となり、固定ベース101及びサスペンションベース111用の金型コストや、部品コストが上昇してしまう。
【0021】
また、図5(A),(B)に示した如く、上記したX軸チルト調整機構では、サスペンションベース111の基部111aに形成した円弧状突起111bを固定ベース101のサスペンションベース支持部101cに形成したV溝101d上に載置した状態で、回動支点となる円弧状突起111bの高さ位置が、固定ベース101の上面を基準位置とした時に対物レンズ104のレンズ中心Oよりも低く設定されているので、図5(A)に示したようにサスペンションベース111をX軸回りに傾けない場合には何等の支障がないものの、図5(B)に示したようにサスペンションベース111をX軸回りに傾けた場合には対物レンズ104のレンズ中心Oがレンズ中心O’の位置に移動してしまうため、対物レンズ104を理想的なレンズ中心Oを中心にして傾けることができないなどの問題が生じている。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、対物レンズを保持するレンズホルダと、前記レンズホルダに一端側を固定した2対のサスペンションワイヤと、前記2対のサスペンションワイヤの他端側を固定したサスペンションベースと、 前記サスペンションベースを固定した固定ベースとを備え、 前記レンズホルダを、前記固定ベースに対し、前記2対のサスペンションワイヤを介して揺動可能に構成した光学的ピックアップ装置において、
前記サスペンションベースを、前記固定ベースに固定した基部と、前記2対のサスペンションワイヤを各対毎に固定した1対のワイヤ支持部と、前記1対のワイヤ支持部を連結してなる上辺部と、可撓性を有し前記基部と前記上辺部とを連結する1対の脚部と、より構成し、前記一対の脚部を、該1対の脚部を仮想延長して交わった仮想交点を通り前記対物レンズの光軸と直交する線と前記光軸との交点が、前記対物レンズの略中心となるよう非平行に形成する一方、前記上辺部は、その両端部で前記ワイヤ支持部と連接すると共に中央部で前記一対の脚部と連結し、前記一対のワイヤ支持部と前記固定ベースとの間に間隙を設け、前記ワイヤ支持部を押圧して前記間隙の間隔を可変する可変手段を有する構成にしたことを特徴とする光学的ピックアップ装置である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る光学的ピックアップ装置の一実施例を図1及び図2を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1は本発明に係る光学的ピックアップ装置を示した斜視図、
図2は本発明に係る光学的ピックアップ装置において、X軸チルト機構を模式的に示した図である。
【0026】
本発明に係る光学的ピックアップ装置では、装置の組み立て状態とか対物レンズの収差などに起因して発生する対物レンズの傾きを、X軸回り(X軸チルト)及びY軸回り(Y軸チルト)に調整可能に構成した際、とくに、X軸回り(X軸チルト)調整を簡単な構造で精度良く確実に行うことができるものである。
【0027】
図1に示した如く、本発明に係る光学的ピックアップ装置10では、基台となる固定ベース11は軟磁性金属材料を用いて剛性のある枠体に一体的に形成されている。この固定ベース11の上面11a上で長手方向前方部位(図示左側)には開口部11bが幅広く開口されており、この開口部11bは後述する対物レンズ14への光通路となっている。また、固定ベース11の図示左端部位と開口部11bを挟んだ上面右中間部位には、一対のヨーク11c,11cが互いに対向して上方に向かって立ち上げられており、これら一対のヨーク11c,11cの内側に一対のマグネット12,12が互いに対向して固着されている。また、固定ベース11の図示左方の左右側面に一対の取付台11d,11dが互いに対向して上方に向けて突設され、且つ、これら一対の取付台11d,11dの上部外側部位には円弧状突起11e,11eが形成されており、これらの円弧状突起11e,11eは固定ベース11の回動支点となるものである。そして、上記した円弧状突起11e,11eを移動台Iの左右の側面に形成したV溝Iv,Iv上に載置した時に、固定ベース11がY軸回りに回動可能に支持されるようになっている。この際、上記したY軸は、後述するX軸と直交して対物レンズ14のレンズ中心を通る線上に設定したものである。
【0028】
次に、可動部13は、対物レンズ14と、対物レンズ14を取り付けると共に、左右側面に後述する上下2対4本のサスペンションワイヤ18の一端側を固着する各ワイヤ支持部15aを突出形成したレンズホルダ15と、レンズホルダ15に固着させたフォーカシングコイル16と、このフォーカシングコイル16の外側に固着させた前後一対のトラッキングコイル17,17とで一体的に構成されている。この際、可動部13は、固定ベース11の上面11aに開口した開口部11bの上方に位置し、且つ、固定ベース11から前後に立ち上げたヨーク11c,11cの内側に固着した一対のマグネット12,12間に挿入されている。 次に、固定ベース11の上面11a上で右側のヨーク11cより更に右側には、上記した可動部13を上下2対4本のサスペンションワイヤ18を介して揺動自在に支持するためのサスペンションベース19が設けられており、このサスペンションベース19は本発明の要部を構成する部材である。
【0029】
上記したサスペンションベース19は、弾性変位自在な樹脂平板材を用いて一体的に形成されており、幅方向中央部位に内部を肉抜きした等脚台形部19aが形成されている。この等脚台形部19aの底辺部19a1は剛性を持って形成されて弾性変形することなく固定ベース11の上面11a上にX軸と直交してネジ又は接着材もしくは焼きばめなどによりに固着されている。また、等脚台形部19aの左右の等脚部19a2,19a2は樹脂材の弾性力により可撓性を持って形成され、且つ、左右の等脚部19a2,19a2を上方に仮想的に延長して交じ合わせた仮想交点Pが固定ベース11の上面11aを基準にして対物レンズ14のレンズ中心O(図2)の高さ位置と略一致するように設定されている。そして、これら左右の等脚部19a2,19a2は後述するようにサスペンションベース19に上下2対4本のサスペンションワイヤ18を介して揺動自在に支持した可動部13を構成するレンズホルダ15と一体に対物レンズ14をX軸回りに傾ける機能を備えている。この際、上記したX軸は、対物レンズ14のレンズ中心と、サスペンションベース19の幅方向中央部位とを結ぶ線上に設定したものである。
【0030】
また、等脚台形部19aの上辺部19a3は剛性を持って形成され、更に上辺部19a3に連接して左右にワイヤ支持部19b,19bが剛性を持って門形状に下方に向かって形成され、これら左右のワイヤ支持部19b,19bに穿設した各孔19cに上下2対4本のサスペンションワイヤ18の他端側が固着されている。
【0031】
また、サスペンションベース19の左右に形成したワイヤ支持部19b,19bの下面は固定ベース11の上面11aから離れている。そして、これらのワイヤ支持部19b,19bの下面の下方で固定ベース11の上面11aの左右には一対のネジ孔11f,11fが形成されており、これらのネジ孔11f,11fに固定ベース11の裏面から調整ネジ20,20が挿入されようになっている。
【0032】
そして、対物レンズ14を取り付けたレンズホルダ15を上下2対4本のサスペンションワイヤ18を介してサスペンションベース19の幅方向の左右に形成したワイヤ支持部19b,19bに揺動可能に支持させて、且つ、サスペンションベース19の幅方向中央部位に内部を肉抜きした等脚台形部19aを固定ベース11上に固着した状態で、サスペンションベース19の左右に形成したワイヤ支持部19b,19bのいずれか一方のワイヤ支持部19bの下面を、固定ベース11の裏面からネジ孔11fに挿入した一方の調整ネジ20の上端部で押し上げることにより、等脚台形部19aの左右の等脚台形部19a2,19a2がX軸回りに可撓してレンズホルダ15と一体に対物レンズ14を光ディスクに対してX軸チルト調整可能となる。この際、前述したと同様に、X軸チルト調整は、可動部13を構成するレンズホルダ15と一体に対物レンズ14を光ディスクのトラックに対して直交する径方向に傾けることからラジアルチルト調整とも呼称されている。
【0033】
また、上記した固定ベース11は、X軸と直交するY軸回りにも調整(Y軸チルト調整)することもでき、これは前述したように、固定ベース11の一対の取付台11d,11dに形成した円弧状突起11e,11eを、移動台Iの左右の側面に形成したV溝Iv,Iv上に載置した時に固定ベース11をY軸回りに回動させている。この際、Y軸チルト調整は、可動部13を構成するレンズホルダ15と一体に対物レンズ14を光ディスクのトラックの接線方向に傾けることからタンジェンシャルチルト調整とも呼称されている。
【0034】
ここで、本発明の要部となるX軸チルト調整機構をより具体的に図2(A),(B)を用いて説明すると、図2(A)に示した如く、サスペンションベース19の左右に形成したワイヤ支持部19b,19bの下面が、固定ベース11の上面11aに対して左右同一高さで且つ平行になるように、固定ベース11の裏面からネジ孔11f,11fに挿入した調整ネジ20,20の上端部をワイヤ支持部19b,19bの下面に単に当接させれば、サスペンションベース19は等脚台形部19aの等脚部19a2,19a2がX軸回りに傾くことなく、ワイヤ支持部19b,19bは左右同一高さに保たれる。また、サスペンションベース19に形成した等脚台形部19aの等脚部19a2,19a2を上方に仮想的に延長して交じ合わせた仮想交点Pは、固定ベース11の上面11aを基準にして対物レンズ14のレンズ中心Oの高さ位置に略一致している。
【0035】
一方、図2(B)に示した如く、サスペンションベース19の左右に形成したワイヤ支持部19b,19bのうち一方のワイヤ支持部19bの下面を、一方の調整ネジ20の上端部で押し上げれば、等脚台形部19aの等脚部19a2,19a2がX軸回りに可撓するので、レンズホルダ15と一体に対物レンズ14を光ディスクに対してX軸チルト調整できる。また、サスペンションベース19に形成した等脚台形部19aの等脚部19a2,19a2を上方に仮想的に延長して交じ合わせた仮想交点Pは、固定ベース11の上面11aを基準にして対物レンズ14のレンズ中心Oの高さ位置に略一致させているので、対物レンズ14をレンズ中心Oを中心にしてX軸回りに精度良く確実に傾けることができる。この際、他方のワイヤ支持部19bの下面に他方の調整ネジ20の上端部を単に当接させれば、サスペンションベース19が調整済みの傾きに対して逆方向に傾くことを防止できる。
【0036】
尚、対物レンズ14を光ディスクのフォーカス方向及びトラッキング方向に制御する動作は従来と略同じであるので、この実施例での説明を省略する。また、対物レンズ14を光ディスクのフォーカス方向及びトラッキング方向に制御する場合に実施例ではフォーカシングコイル16と、一対のトラッキングコイル17,17とをレンズホルダ15に取り付けてムービングコイルタイプに構成したが、マグネットをレンズホルダ15に取り付けてムービングマグネットタイプに構成する方法もある。
【0037】
【発明の効果】
以上詳述した本発明に係る光学的ピックアップ装置によると、X軸チルト調整機構の構造が従来と比べて簡単となり、光学的ピックアップ装置の部品コストを低減できる。また、サスペンションベースに形成した等脚台形部の等脚部を仮想的に延長して交じ合わせ仮想交点を、対物レンズのレンズ中心高さ位置に略一致させたために、対物レンズをレンズ中心を中心にしてX軸回りに確実に傾けることができ、光学的ピックアップ装置の品質及び信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学的ピックアップ装置を示した斜視図である。
【図2】本発明に係る光学的ピックアップ装置において、X軸チルト機構を模式的に示した図である。
【図3】従来の光学的ピックアップ装置を説明するために分解して示した分解斜視図である。
【図4】従来の光学的ピックアップ装置の組み立て状態を示した斜視図である。
【図5】従来の光学的ピックアップ装置において、X軸チルト機構を模式的に示した図である。
【符号の説明】
10…光学的ピックアップ装置、
11…固定ベース、
13…可動部、14…対物レンズ、15…レンズホルダ、
18…サスペンションワイヤ、
19…サスペンションベース、19a…等脚台形部、19a1…底辺部、
19a2…等脚部、19a3…上辺部、19b…ワイヤ支持部、
20…調整ネジ、
O…対物レンズのレンズ中心、
P…等脚部19a2,19a2を仮想的に延長して交じ合わせ仮想交点。
Claims (1)
- 対物レンズを保持するレンズホルダと、
前記レンズホルダに一端側を固定した2対のサスペンションワイヤと、
前記2対のサスペンションワイヤの他端側を固定したサスペンションベースと、
前記サスペンションベースを固定した固定ベースとを備え、
前記レンズホルダを、前記固定ベースに対し、前記2対のサスペンションワイヤを介して揺動可能に構成した光学的ピックアップ装置において、
前記サスペンションベースを、前記固定ベースに固定した基部と、前記2対のサスペンションワイヤを各対毎に固定した1対のワイヤ支持部と、前記1対のワイヤ支持部を連結してなる上辺部と、可撓性を有し前記基部と前記上辺部とを連結する1対の脚部と、より構成し、
前記一対の脚部を、該1対の脚部を仮想延長して交わった仮想交点を通り前記対物レンズの光軸と直交する線と前記光軸との交点が、前記対物レンズの略中心となるよう非平行に形成する一方、
前記上辺部は、その両端部で前記ワイヤ支持部と連接すると共に中央部で前記一対の脚部と連結し、
前記一対のワイヤ支持部と前記固定ベースとの間に間隙を設け、前記ワイヤ支持部を押圧して前記間隙の間隔を可変する可変手段を有する構成にしたことを特徴とする光学的ピックアップ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000258606A JP3664380B2 (ja) | 2000-08-29 | 2000-08-29 | 光学的ピックアップ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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