JP3661103B2 - 電気錠の非常解錠装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、電気錠の非常解錠装置に係り、特に、モータ駆動の電気錠用に開発された新規な非常解錠装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気錠を制御する電磁アクチュエータは種々のものがあるが、特に直流マイクロモータを電磁アクチュエータとして用いる電気錠は、デッドボルトの操作力を大きくすることができ、作動が確実なので、重要な施設や部屋の扉口の電気錠として多用されている。
【0003】
しかして、電気錠は、停電や電池の消耗に備えて、シリンダ錠によっても施解錠できるように構成されているのが普通である。
【0004】
そこで、本出願人は先に、特願平4−277972号を以て、構造が簡単で作動が確実である新規なモータ駆動電気錠の制御機構(以下単に制御機構という)を提案した。
【0005】
この制御機構は、シリンダ錠の内筒に連結されたデッドカムと、このデッドカムに同軸且つ一体に結合されたセクターギアと、施、解錠時、施、解錠信号に応じて施錠方向、或いは反対方向の解錠方向に回転するマイクロモータと、このマイクロモータの出力軸に減速機を介して連結された差動歯車装置と、この差動歯車装置の遊星歯車の移動軌跡に沿い、遊星歯車を挟むような位置関係で、且つ遊星歯車が遊動できる間隔を保って配設された施錠用受け歯車及び解錠用受け歯車と、施錠用受け歯車とセクターギアとを連結する施錠用従動歯車列と、解錠用受け歯車とセクターギアとを連結する解錠用従動歯車列とを有し、上記施錠用受け歯車及び解錠用受け歯車のモジュール及び歯数を、これらの歯車の1回転以内でデッドボルトの施錠、及び解錠操作ができるように設定すると共に、施錠用受け歯車及び解錠用受け歯車のそれぞれに、施、解錠操作完了時差動歯車装置のスイングアームと係合して、遊星歯車との噛み合いを解く方向にスイングアームを押動する切離し片を結合したものである。
【0006】
この制御機構は、勿論所期の機能を発揮し、実用されていて、制御機構としての問題点は発生していない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、かかる構造の制御機構を有するモータ駆動電気錠を例えば劇場やデパートの非常口等に設置する場合、室内側にサムターンを設けてこれによりデッドカムを操作する通常の電気錠の構成態様にすると、悪意ではなくても悪戯によってサムターンを操作し、電気錠を内側から解錠してしまう人が居る。
【0008】
この場合、非常口が開いてしまい、電気錠に限らず錠前を設置する意味が無くなるので、多くの人が出入りする劇場やデパートの非常口の錠前は、内側にもシリンダ錠を設けて、サムターンによらず鍵により錠前を施解錠するのが普通である。
【0009】
しかしながら、非常口の錠前の内外にシリンダ錠を装着した場合、地震や火災の発生により建物内の大勢の人が非常口に殺到しても、内側のシリンダ錠を合鍵により解錠しなければ外に出られないことは当然であり、合鍵を管理している当該建物の管理者が適切に非常口を解錠できないときには、多数の死傷者の発生は必定である。
【0010】
かかる不都合を解消するため、通常、非常口の錠前には非常解錠装置が装着されており、この非常解錠装置は、例えば錠前から突出しているレバーを単に押動することにより、錠前が内側から合鍵無しで解錠できるように構成されている。
【0011】
そして、従来各種の非常解錠装置が提案され、非常解錠装置の存在は既に公知であるが、前記本出願人の提案によるモータ駆動電気錠用の非常解錠装置は従来存在しなかった。
【0012】
そこで、この発明は、本出願人の提案に係るモータ駆動電気錠用の新規な非常解錠装置を提案することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、錠箱の側板に回動可能に支承され、デッドボルトと係合してこれを錠箱のフロント板から出没させる作動アームを形成すると共に、シリンダ錠の内筒に連結されたデッドカムと、このデッドカムに同軸且つ一体に結合されたセクターギアと、施、解錠時、施、解錠信号に応じて施錠方向、或いは反対方向の解錠方向に回転するマイクロモータと、このマイクロモータの出力軸に減速機を介して連結された差動歯車装置と、この差動歯車装置の遊星歯車の移動軌跡に沿い、遊星歯車を挟むような位置関係で、かつ遊星歯車が遊動できる間隔を保って配設された施錠用受け歯車及び解錠用受け歯車と、施錠用受け歯車とセクターギアとを連結する施錠用従動歯車列と、解錠用受け歯車とセクターギアとを連結する解錠用従動歯車列とを有し、上記施錠用受け歯車及び解錠用受け歯車のモジュール及び歯数を、これらの歯車の1回転以内でデッドボルトの施錠、及び解錠操作ができるように設定すると共に、施錠用受け歯車及び解錠用受け歯車のそれぞれに、施、解錠操作完了時差動歯車装置のスイングアームと係合して、遊星歯車との噛み合いを解く方向にスイングアームを押動する切離し部を設けたものにおいて、施錠用受け歯車、解錠用受け歯車、施錠用従動歯車列を構成する歯車、及び解錠用従動歯車列を構成する歯車の何れか一つと噛み合い、その長さ方向に移動可能に案内されたラック板と、このラック板と平行に延在し、ラック板と同方向に移動可能に案内されると共に、外部操作部材に連結された解錠板とを設け、ラック板に第1係合部を、解錠板には第2係合部をそれぞれ形成し、これら第1及び第2係合部の形成位置を、施錠の為のラック板の前進終了時、かつ解錠板が外部操作部材によって操作されない待機時において、第1係合部が第2係合部に後方から係合可能に近接するように設定したことを特徴とする。
【0014】
【作用】
上記のように構成された請求項1に記載の発明は、施錠或いは解錠の為のモータ回動時、差動歯車装置の遊星歯車は施錠用受け歯車、或いは解錠用受け歯車等を介してセクターギアに連結されることになるが、図1に示すように、これら施錠用受け歯車、解錠用受け歯車、施錠用従動歯車列、及び解錠用従動歯車列は相互に連結されているので、施錠又は解錠の動作の種類に関係なく、モータが回動すれば全歯車がそれぞれ設定された方向に回動する。
【0015】
従って、これらの歯車の内の一つに噛み合っているラック板は、当該歯車が施錠の為に回動する場合も、或いは解錠の為に回動する場合も、それぞれ一定の方向に移動する。
【0016】
但し、施錠時と解錠時とはその移動方向が逆になる。ここで、施錠時ラック板が移動する方向を前進方向とし、逆に、解錠時にはラック板は後退するものと定義する。
【0017】
上記したように、ラック板に形成された第1係合部は、施錠の為に前進完了時、待機状態にある解錠板に形成された第2係合部に後方から係合するように構成されている。
【0018】
換言すれば、第2係合部は第1係合部に対して常に前方に位置すると共に、第1係合部の移動軌跡の延長上にある。
【0019】
したがって、解錠板が外部操作部材によって操作されない待機時においては、電気錠の施錠操作時、ラック板の第1係合部は後方から解錠板の第2係合部に係合可能に近接し、解錠操作時には第1係合部は後退して第2係合部から離間する。
【0020】
つまり、電気錠の通常の作動時には、待機状態にある解錠板は動かず、また、ラック板は施解錠操作時解錠板とは無関係に、つまり相互に干渉することなく前後に移動する。
【0021】
しかして、施錠時、即ちラック板が一杯に前進しているとき、非常解錠の目的で外部操作部材を非常解錠方向に操作すると、外部操作部材に連動して解錠板が後方に移動する。
【0022】
すると、解錠板に形成された第2係合部が前方からラック板の第1係合部と係合し、ラック板は解錠板と一体的に、後方、即ち解錠方向に移動する。
【0023】
このラック板の後方への移動は、ラック板と噛み合っている歯車を介してセクターギアに伝達され、これを解錠方向に移動させるのでデッドボルトが錠箱内に引込み、電気錠が解錠される。
【0024】
なお、施解錠完了時には、施錠用、或いは解錠用受け歯車に設けられた切離し部が、差動歯車装置のスイングアームを押動して歯車列とモータとの連結を切離しているので、ラック板が歯車列を解錠方向に駆動することは可能かつ容易である。
【0025】
【実施例】
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1において符号1は錠箱を示し、この錠箱1は扉の自由側端縁部に装着されている。
【0026】
上記錠箱1の下方には、デッドボルト2が配設されている。図示の実施例におけるデッドボルト2は、内端部に植設されたガイドピン2aを錠箱1の側板に形成されたガイド溝3に摺動可能に係合させ、且つ先端部をフロント板4に開口したデッドボルト開口4aと摺動可能に嵌合させることにより、フロント板4に垂直な前後方向(図1で左右方向)に移動可能に案内されている。
【0027】
このデッドボルト2には作動板5が一体的に結合されており、この作動板5の上端には衝止面付の係合切り欠き5aが形成されていることは従来のデッドボルトと同様である。
【0028】
上記デッドボルト2の上方にはデッドカム6が配設されている。このデッドカム6は錠箱1の側板に回動可能に支承されている。
【0029】
このデッドカム6は、中心に開口した異形の係合孔6aに挿通される図示しないテールピースを介してシリンダ錠の内筒に連結されると共に、上記作動板の係合切り欠き5aと係合し、半径方向に延伸した作動アーム6b、及び、デッドカム6と同軸のセクターギア6cを一体に結合している。
【0030】
一方、錠箱1内の上方には、マイクロモータ7が出力軸を下方にして配設されている。この出力軸には第1傘歯車8が装着されている。
【0031】
この第1傘歯車8は、これより大径の第2傘歯車9と噛み合っており、この第2傘歯車9には小径の平歯車である太陽歯車11が同軸且つ一体に結合されている。尚、第1傘歯車8と第2傘歯車9とは減速機を構成している。
【0032】
又、第2傘歯車9及び太陽歯車11の回転軸にスイングアーム12の一端部が回動自在に軸支されており、このスイングアーム12の他端部に回動自在に支承された遊星歯車13は太陽歯車11と噛み合っている。
【0033】
上記太陽歯車11、スイングアーム12及び遊星歯車13は公知の差動歯車装置14を構成している。
【0034】
上記遊星歯車13の太陽歯車11回りの回動軌跡に沿って、施錠用受け歯車15と解錠用受け歯車16とが配設されている。
【0035】
これら施錠用受け歯車15及び解錠用受け歯車16は、遊星歯車13を間に挟むようにして、かつ、相互の間に遊星歯車13が遊動できる間隔を保って、遊星歯車13と噛み合い可能に設けられている。
【0036】
また、施錠用受け歯車15及び解錠用受け歯車16は、それぞれ第1アイドルギア17a及び第2アイドルギア17bを介して、前記セクターギア6cと噛み合っている。
【0037】
ここで、施錠用受け歯車15からセクターギア6cに至る歯車列を施錠用従動歯車列18と、解錠用受け歯車16からセクターギア6cに至る歯車列を解錠用従動歯車列19とそれぞれ総称することにする。
【0038】
更に又、上記施錠用受け歯車15及び解錠用受け歯車16のモジュール及び歯数は、これらの歯車の1回転以内でデッドボルト2の施錠及び解錠操作が完了できるように設定されている。
【0039】
加えて、施錠用受け歯車15及び解錠用受け歯車16には、それぞれ切離し部が一体に形成されている。
【0040】
図1に示す実施例においては、図面を明瞭にするため切離し部の付番を省略するが、図1における施錠用受け歯車15及び解錠用受け歯車16の、スイングアーム12の側端縁に接している歯が紙面方向手前側に伸びていて、この延伸部が切離し部となっている。
【0041】
即ち、施錠用受け歯車15及び解錠用受け歯車16の、切離し部が形成された歯以外の歯は、スイングアーム12を潜るようにして遊星歯車13と噛み合い、マイクロモータ7からの動力をセクターギア6cに伝達するが、この切離し部を形成した歯が遊星歯車13と噛み合う角度位置に至る前に、切離し部がスイングアーム12の側端縁に当接し、これを受け歯車15(16)から離間する方向に押動するので、マイクロモータ7からの動力の伝達がこの時点で遮断される。
【0042】
一方、錠箱1内のフロント板4に近接した部分に、上下方向に延在するラック板21がその長さ方向に移動可能に案内されている。
【0043】
このラック板21は、図2に示すように、下端の内側端縁に解錠用受け歯車16と噛み合うラック部を形成した細長い板材で、その上下に開口した案内孔21a、21a(図2参照)と、錠箱1の側板に植設された案内ピン22、22(図1参照)との係合により、上下方向に移動可能に案内されている。
【0044】
上記ラック板21と重合するようにして、このラック板21と平行な解錠板23がその長さ方向である上下方向に移動可能に案内されている。
【0045】
この解錠板23は、図3に示すように、錠箱1内で上下方向に延在する細長い板状体で、その下方に開口した案内孔23a(図3参照)を上記一対の案内ピン22、22の内、上方の案内ピン22にラック板21と共通に係合させている。
【0046】
また、解錠板23の上部には、図3に示すように、本体部を手前側に折曲げて係合段部23bが一体に形成されており、この係合段部23bには、図1に示すように、全体の形状が略L字形の板状体である解錠レバー24の一端が下方から係合している。
【0047】
そして、上記解錠レバー24の他端には、図1に示すように、非常解錠杆25が結合されている。
【0048】
この非常解錠杆25は、図4及び図5に示すように、扉の自由側端縁部内面に装着された合成樹脂製の箱状のカバー26内に収納されており、その内端は扉面及び錠箱1の側板を貫通して、解錠レバー24の他端に螺着されている。
【0049】
一方、図1に示すように、ラック板21の中央部にはフランジ付きのピンが植設されており、このピンが第1係合部となっている。この第1係合部は解錠板23の下方に開口した案内孔23a(図3参照)に摺動可能に係合している。
【0050】
なお、後に明らかになるように、解錠板23に開口した案内孔23aの開口端縁の下端が前記解錠板の第2係合部となる。
【0051】
また、図1において符号28は捩りコイルばねの両端部を延伸させた開脚ばねを示し、この開脚ばね28の一端は解錠板23の上端に、他端は錠箱1内の固定ピンにそれぞれ回動可能に掛け回されている。
【0052】
この開脚ばね28は、解錠板23の非常解錠の為の移動の初期においては抵抗となるが、思案点を越えると反対に解錠板23を付勢し、解錠板23の作動にスナップアクション性を付与するものであるが、本発明の必須の構成要素ではないから、更に詳細な説明は省略する。
【0053】
更にまた、図5において符号29はシリンダ錠を示し、大勢の人が出入りする建物の非常口の電気錠は、その内側にもシリンダ錠が装着されていることを示している。
【0054】
上記した構成により、前記第1傘歯車8が図1の矢印A方向、即ち下方から見て時計方向に回動するときには、第2傘歯車9及びこれと一体の太陽歯車11は反時計方向に回動し、この太陽歯車11の反時計方向の回動により、スイングアーム12は反時計方向に回動し、遊星歯車13が施錠用受け歯車15と噛み合うに至る。
【0055】
即ち、マイクロモータ7の回転力が、差動歯車装置14を一種のクラッチとして、施錠用従動歯車列18に伝達される。その結果、セクターギア6cは図1で時計方向に回動し、作動アーム6bがデッドボルトの係合切り欠き5aと係合してデッドボルト2を外方に押動し、デッドボルトをフロント板4から突出させて電気錠を施錠する。
【0056】
同時に、施錠用受け歯車15に結合された切離し部がスイングアーム12を蹴るように押動する。その為遊星歯車13は施錠用従動歯車列18から機械的に切離される。
【0057】
施錠中は、図6に示すように、デッドボルト2がフロント板4から突出してストライク板のデッドボルト投入孔に係入しており、また、ラック板21は一杯に前進(図6では下降)していて、その第1係合部27が解錠板の案内孔23aの下端に到達していて、解錠板23に形成された第2係合部である上記案内孔23aの開口端縁下端部に係合可能に近接し、かつ、係合可能に臨んでいる。
【0058】
施錠中に解錠信号が発生すると、マイクロモータ7が上記とは反対方向に回転し、スイングアーム12を図1で時計方向に回動させる。その為マイクロモータ7の回転力は解錠用従動歯車列19に接続され、デッドカム6が反時計方向に回動してデッドボルト2を錠箱1内に引込めて電気錠を解錠する。
【0059】
同時に、解錠用受け歯車16に形成された切離し部がスイングアーム12を反時計方向に回動するように押動し、マイクロモータ7からの回転力の解錠用従動歯車列19への伝達が断たれる。以後、一定の時間の経過後マイクロモータ7への通電が断たれる。
【0060】
一方、施錠中に火災や地震が発生し、この電気錠を非常解除しなければならない事態に立ち至った場合には、図4及び図5に示すカバーを外し、或いは表面板を破壊して、内部の非常解錠杆25を図4の矢印B方向に押動する。
【0061】
すると、図6において解錠レバー24が時計方向に回動し、その一端が解錠板23を後方に(図示の実施例では上方に)押上げる。
【0062】
この解錠板23の上昇が第2係合部とラック板21の第1係合部との係合を介してラック板21に伝達され、ラック板21が解錠板23と共に後方(上方)に移動する。
【0063】
すると、このラック板21と噛み合っている解錠用受け歯車16が解錠方向に回動し、ついには、図1に示すように、デッドボルト2が錠箱1内に引込められてこの電気錠は解錠される。
【0064】
そして、この発明による非常解錠装置が作動するときには、図6に示すように、差動歯車装置14は歯車列から機械的に切離されているから、上記したラック板21による解錠動作は可能である。
【0065】
なお、この発明は図示の実施例に限定されることなく、種々に変形して実施することが可能である。
【0066】
例えば、図1に示す実施例では、施錠用或いは解錠用受け歯車15、16に設けられた切離し部は、歯車の歯の一つを歯車の厚さ方向に延長させることにより形成するものとしたが、図7に符号30で示すように、施錠用或いは解錠用受け歯車15、16に重合するようにして結合され、歯車の半径方向に突出した爪様のものであっても良い。
【0067】
また、解錠板23に連結され、非常解錠時これを後方に駆動する外部操作部材は、図示の実施例では解錠レバー24及びこれに結合された非常解錠杆25で構成するものとしたが、この発明における非常解錠装置の他の外部操作部材として、例えば図8及び図9に示すように、扉内面に装着されたカバー26内の外部操作レバー31の外部に露出した一端をカバー26を破壊した後押動する型式のものがある。
【0068】
この場合、全体の形状がL字形の外部操作レバー31の錠箱1内に係入している他端が、図9で上方に移動する。
【0069】
一方、図10に示すように、錠箱1内における前記解錠レバー24の上方に、スライダ32が上下方向に移動可能に案内されており、このスライダ32に植設された係合ピン32aが解錠レバー24に開口した長穴24aと係合している。
【0070】
また、スライダ32の上面にはその一部を切り起こす態様で折曲片32bが形成されており、上記外部操作レバー31(図9参照)の他端がこの折曲片32bに下側から係合している。
【0071】
したがって、図8及び図9に示す外部操作レバー31を押動することによりスライダ32が上昇し、このスライダ32の上昇は係合ピン32aを介して解錠レバーを時計方向に回動させ、結局解錠板23を後方(上方)に移動させて電気錠を解錠させる。
【0072】
また、図10に示すようにスライダ32に略T字形のワイア掛け片33を結合し、図11に示すように、これにワイア34を結合してワイアを引っ張ることにより遠隔解錠するようにしてもよい。
【0073】
更にまた、図示の実施例では、各構成部材の配置の関係上ラック板21を解錠用受け歯車16に噛み合わせるようにしたが、ラック板21を他の歯車に噛み合わせるようにしても良い。
【0074】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明は、簡単な差動歯車装置を利用して、スイングアームの揺動により遊星歯車と施錠用受け歯車或いは解錠用受け歯車との断続を行うようにして施錠中歯車列とマイクロモータとを機械的に切離し、一方、歯車群の一つに噛み合い係合をするラック板と、外部操作部材に連結された解錠板とを通常の施解錠動作においては相互に干渉しないように係合させ、施錠の為ラック板が一杯に前進したときには解錠板の第2係合部がラック板の第1係合部に前方から係合できるようにしたので、施錠中は無条件で外部操作部材及び解錠板を介してラック板を後方に移動させて電気錠を解錠する、という所期の目的を達成している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による非常解錠装置を装備したモータ駆動電気錠の一部断面側面図で、電気錠が解錠されている状態を示す。
【図2】ラック板の平面図。
【図3】解錠板の平面図。
【図4】本発明の一実施例による非常解錠装置を装備したモータ駆動電気錠の側面図。
【図5】本発明の一実施例による非常解錠装置を装備したモータ駆動電気錠の正面図。
【図6】本発明の一実施例による非常解錠装置を装備したモータ駆動電気錠の一部断面側面図で、電気錠が施錠されている状態を示す。
【図7】受け歯車の切離し部の他の実施例を示すモータ駆動電気錠の一部断面側面図。
【図8】本発明の他の実施例による非常解錠装置を装備したモータ駆動電気錠の側面図。
【図9】本発明の他の実施例による非常解錠装置を装備したモータ駆動電気錠の正面図。
【図10】本発明の他の実施例による非常解錠装置を装備したモータ駆動電気錠の一部断面側面図。
【図11】本発明の更に他の実施例による非常解錠装置を装備したモータ駆動電気錠の側面図。
【符号の説明】
1 錠箱
2 デッドボルト
4 フロント板
5a 係合切り欠き
6 デッドカム
6a 係合孔
6b 作動アーム
6c セクターギア
7 マイクロモータ
11 太陽歯車
12 スイングアーム
13 遊星歯車
14 作動歯車装置
15 施錠用受け歯車
16 解錠用受け歯車
18 施錠用従動歯車列
19 解錠用従動歯車列
21 ラック板
23 解錠板
27 第1係合部
30 切離し部
Claims (1)
- 錠箱の側板に回動可能に支承され、デッドボルトと係合してこれを錠箱のフロント板から出没させる作動アームを形成すると共に、シリンダ錠の内筒に連結されたデッドカムと、このデッドカムに同軸かつ一体に結合されたセクターギアと、施、解錠時、施、解錠信号に応じて施錠方向、或いは反対方向の解錠方向に回転するマイクロモータと、このマイクロモータの出力軸に減速機を介して連結された差動歯車装置と、この差動歯車装置の遊星歯車の移動軌跡に沿い、遊星歯車を挟むような位置関係で、且つ遊星歯車が遊動できる間隔を保って配設された施錠用受け歯車及び解錠用受け歯車と、施錠用受け歯車とセクターギアとを連結する施錠用従動歯車列と、解錠用受け歯車とセクターギアとを連結する解錠用従動歯車列とを有し、上記施錠用受け歯車及び解錠用受け歯車のモジュール及び歯数を、これらの歯車の1回転以内でデッドボルトの施錠、及び解錠操作ができるように設定すると共に、施錠用受け歯車及び解錠用受け歯車のそれぞれに、施、解錠操作完了時差動歯車装置のスイングアームと係合して、遊星歯車との噛み合いを解く方向にスイングアームを押動する切離し部を設けたものにおいて、施錠用受け歯車、解錠用受け歯車、施錠用従動歯車列を構成する歯車、及び解錠用従動歯車列を構成する歯車の何れか一つと噛み合い、その長さ方向に移動可能に案内されたラック板と、このラック板と平行に延在し、ラック板と同方向に移動可能に案内されると共に、外部操作部材に連結された解錠板とを設け、ラック板に第1係合部を、解錠板には第2係合部をそれぞれ形成し、これら第1及び第2係合部の形成位置を、施錠の為のラック板の前進終了時、かつ解錠板が外部操作部材によって操作されない待機時において、第1係合部が第2係合部に後方から係合可能に近接するように設定したことを特徴とする電気錠の非常解錠装置。
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JPH08303077A JPH08303077A (ja) | 1996-11-19 |
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