JP3658363B2 - 炊飯器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導加熱方式の炊飯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3に示すように、従来の誘導加熱方式の炊飯器100は、炊飯鍋101と、該炊飯鍋101を収容する炊飯器本体102と、該炊飯器本体102に回動可能に取り付けられる蓋体110とからなる。
【0003】
炊飯器本体は、有底筒形状をなす胴体103の内部に、前記炊飯鍋101を収容する非導電性材料からなる保護枠104および内胴105を備えている。また、胴体103と保護枠104との間には、誘導加熱コイル106、炊飯鍋用温度センサ107およびマイコンを実装した制御基板108が配設されている。さらに、内胴105の外周部には胴ヒータ109が配設されている。
【0004】
また、蓋体110は、内部に放熱板および蓋ヒータが配設されるとともに、炊飯鍋101と対向する下面に内蓋が配設されている。
【0005】
そして、制御基板108に実装したマイコンは、前記誘導加熱コイル106に高周波電流を通電することにより、該誘導加熱コイル106で高周波磁界を発生させる。その結果、この高周波磁界によって炊飯鍋101を誘導加熱し、炊飯鍋101内の米を炊飯するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記炊飯器100では、前記誘導加熱コイル106を炊飯鍋101の側面部から底面部にかけて誘導加熱するように配設している。そして、底面部に対応する領域は、略水平方向に位置するため、誘導加熱コイル106を渦巻き状に巻回する必要がある。そのため、誘導加熱コイル106は、保護枠104の外周面に対して直接巻回できず、専用の治具を用いる必要があるため、取付作業が繁雑であり、コスト高になるという問題がある。
【0007】
また、前記炊飯器100では、炊飯鍋101の側面部に位置する誘導加熱コイル106aと、底面部に位置する誘導加熱コイル106bにより、炊飯鍋101内では、図示のように、側面部からと底面部との両方から対流C1,C2が発生する。そして、これら対流C1,C2は、互いにその流れを打ち消すように作用することがある。その結果、炊飯鍋101の底面部から所定間隔をもって位置する領域R1のご飯は、硬い状態で炊き上がる。一方、炊飯鍋101の底面部に付着する領域R2のご飯は、米から流出する糠の沈殿も伴って焦げ付きが発生し易い。即ち、炊飯鍋101内において、炊きムラが生じるという問題がある。
【0008】
さらに、前記炊飯器100では、ステンレス製の流し台の上に載置している場合にはその台が誘導加熱され、熱くなるという問題がある。さらにまた、前記炊飯器100では、炊飯鍋101の上部を保温するために、胴ヒータ109が必要であり、コスト高になるという問題がある。
【0009】
また、前記炊飯器100では、炊飯鍋101の略下半分を誘導加熱するため、炊飯鍋は保護枠104と所定間隔をもって位置するように、保護枠104と連通する胴体103の開口部に引っ掛けて垂下させる構造となっている。そのため、保護枠や胴体103の取付誤差や製造誤差などにより、前記保護枠104と炊飯鍋101との距離が安定せず、各炊飯器毎に炊き上がり状態が若干異なるという不都合がある。
【0010】
さらに、炊飯鍋101を胴体103に設置させるため、この胴体103を高温に耐え得る樹脂で製造する必要があり、コスト高になるという問題がある。さらにまた、炊飯時には、浮いた状態の炊飯鍋101が振動し、共鳴音が発生するという問題がある。
【0011】
そこで、本発明では、組立作業性の向上、炊きムラの発生の防止、周辺部材の誘導加熱の防止、保温用の胴ヒータの削減などを図ることができる炊飯器を提供することを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の第1の炊飯器は、炊飯器本体の胴体内に非導電性材料からなる保護枠を配設し、該保護枠の内部に炊飯鍋を収容するとともに、前記保護枠の外面に高周波電流を通電することにより前記炊飯鍋を誘導加熱する誘導加熱コイルを配設した炊飯器において、前記保護枠を、前記胴体の肩部から下向きに延びるように配設するとともに、前記誘導加熱コイルを、前記炊飯鍋の底面部と対応する領域を除き、炊飯鍋の側面部と対応する上部から炊飯鍋の底面部に連続する湾曲部の範囲に配設し、かつ、前記保護枠の底面を金属からなる構成としている。
【0013】
前記構成の炊飯器によれば、誘導加熱コイルを炊飯鍋の底面部と対応する部分には配設していない。そのため、誘導加熱コイルは、保護枠の外周に螺旋状に巻回する部分だけであり、渦巻き状に巻回する部分はない。その結果、専用の治具を用いることなく、直接、保護枠に対して誘導加熱コイルを巻回して配設することができる。
【0014】
また、底面部からの対流は殆ど発生しないため、側面部からの対流を打ち消すような作用はなく、炊きムラが発生することを抑制できる。さらに、炊飯器をステンレス製流し台の上に置いていても、その台が誘導加熱されることはない。さらにまた、炊飯鍋における側面部の上部から誘導加熱コイルを配設しているため、内胴および保温専用の胴ヒータは不要である。そのため、部品点数の削減および組立作業性の向上を図ることができる。また、前記保護枠の底面は金属からなるため、設置強度を向上でき、安定性の向上を図ることができる。
【0015】
具体的には、第1の炊飯器では、前記保護枠は、下端を開口した非導電性樹脂からなる保護枠本体と、前記保護枠本体の開口を閉鎖するとともに側面を覆い磁気の通過を遮断する防磁部材とからなることを好ましい。このようにすれば、誘導加熱コイルから発した電磁波が漏出することを確実に防止できる。
【0016】
また、本発明の第2の炊飯器は、炊飯器本体の胴体内に非導電性材料からなる保護枠を配設し、該保護枠の内部に炊飯鍋を収容するとともに、前記保護枠の外面に高周波電流を通電することにより前記炊飯鍋を誘導加熱する誘導加熱コイルを配設した炊飯器において、前記保護枠を、前記胴体の肩部から下向きに延びるように配設するとともに、前記誘導加熱コイルを、前記炊飯鍋の底面部と対応する領域を除き、炊飯鍋の側面部と対応する上部から炊飯鍋の底面部に連続する湾曲部の範囲に配設し、かつ、前記炊飯鍋は、熱伝導率が高い金属からなる鍋母材の外面に、熱伝導率が低い金属からなる外面材を接合したもので、その底面部を、鍋母材と外面材との間に真空空間を形成した真空二重構造とした構成としている。
【0017】
この第2の炊飯器では、第1の炊飯器と同様に、専用の治具を用いることなく、直接、保護枠に対して誘導加熱コイルを巻回して配設することができる。また、炊きムラが発生することを抑制できるとともに、炊飯器をステンレス製流し台の上に置いていてもその台が誘導加熱されることはない。さらに、内胴および保温専用の胴ヒータは不要であるため、部品点数の削減および組立作業性の向上を図ることができる。しかも、第2の炊飯器では、熱伝導によってのみで加熱される炊飯鍋の底面部から炊飯鍋内の熱が放熱されることを防止できる。また、側面部からの熱が均一に伝熱されるため、均一な炊き上げ状態を確保できるとともに、焦げ付きを確実に防止できる。さらに、炊飯鍋自体を流し台の上に載置しても、その流し台が熱くなることを抑制できる。
【0018】
これらの炊飯器では、前記炊飯鍋を、前記保護枠の底面に載置することが好ましい。このようにすれば、誘導加熱コイルと炊飯鍋との距離の安定化を図ることができ、炊飯器毎の炊き上がり状態を安定できる。また、胴体には炊飯鍋が接触しないため、安価な耐熱性樹脂によって製造することができる。さらに、炊飯鍋が振動して共鳴音が発生することを防止できる。
【0019】
また、前記炊飯鍋の底面部を円弧状に隆起させることが好ましい。このようにすれば、側面部からの対流を渦巻き状に流動させ、より確実に炊きムラの発生を防止できる。
【0020】
また、前記誘導加熱コイルは、上部を粗く、下部を細かく巻回することが好ましい。このようにすれば、炊きムラなく均一な炊き上げ状態を確保できるとともに、確実な保温を行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る誘導加熱方式の炊飯器1を示す。この炊飯器1は、炊飯鍋2と、該炊飯鍋2を収容して誘導加熱する炊飯器本体6と、該炊飯器本体6に回動可能に取り付けられる蓋体19とからなる。
【0022】
前記炊飯鍋2は、図2に示すように、熱伝導率が高いアルミなどからなる鍋母材3の外面に、熱伝導率が低いステンレスなどからなる薄板からなる外面材4を接合したものである。この炊飯鍋2の底面部2aには、鍋母材3と外面材4との間に真空引きした空間5が形成され、真空二重構造とされている。また、この炊飯鍋2の底面部2aは、上方に向けて円弧状に隆起した形状とされるとともに、側面部2bと接円の一部からなる湾曲部2cにより連続する構成とされている。
【0023】
前記炊飯鍋2は、例えば、円盤状の鍋母材3と外面材4において、空間5を形成する中心部分の直径と同一直径のスペーサを配設する。そして、そのスペーサを除く位置を真空室などで圧着接合した後、真空引きして絞り加工を施すことにより形成される。
【0024】
なお、前記炊飯鍋2は、その開口部の直径が約19cmの5カップ用の場合、前記湾曲部2cの半径r1は約1cmから4cmの範囲であることが好ましい。そして、湾曲部2cの半径r1が約1cmから4cmの範囲である場合、隆起した底面部2aの半径r2は約5cmから10cmの範囲であることが好ましい。一方、炊飯鍋2の開口部の直径が約22cmの10カップ用の場合、前記湾曲部2cの半径r1は約2cmから5cmの範囲であることが好ましい。そして、湾曲部2cの半径r1が約2cmから5cmの範囲である場合、隆起した底面部2aの半径r2は約6cmから12cmの範囲であることが好ましい。
【0025】
即ち、炊飯鍋2の湾曲部2cは、開口部の直径に対して約15%の半径r1とすることが好ましい。そして、円弧状に隆起させる底面部2aは、湾曲部2cの半径r1に対して約40%の半径r2とすることが好ましい。このようにすれば、側面部2bから発生した対流C1を渦巻き状に流動させ、炊飯鍋2内でのご飯の炊きムラを防止できる。
【0026】
前記炊飯器本体6は、胴体7と該胴体7の底を閉鎖する底体8とからなる外装体を備えている。この外装体の内部には、前記炊飯鍋2を収容する保護枠9と、誘導加熱コイル13と、フェライトコア14と、炊飯鍋用温度センサ15と、マイコンを実装した制御基板16と、冷却手段であるファン17とが配設されている。
【0027】
前記胴体7は、上下を開口した略楕円筒状の樹脂ケースであり、保護枠9を一体的に取り付けるとともに、上端開口に蓋体19を回動可能に取り付け、その下端開口を底体8によって閉塞するものである。この胴体7および底体8は、約120℃の温度に耐え得る耐熱性樹脂によって形成される。
【0028】
前記保護枠9は、保護枠本体10と、防磁部材11とからなり、胴体7を上下逆向きとした状態で、保護枠本体10および防磁部材11を順次配置した後、底体8をネジ止めすることにより、これらを胴体7と底体8との間に挟持して固定するものである。
【0029】
前記保護枠本体10は、上下を開口し、炊飯鍋2の側面部2bの形状に沿った筒状のもので、約150℃の温度に耐え得るとともに非導電性を有する樹脂により形成されている。この保護枠本体10の上端には、前記胴体7の肩部7bの開口に設けたリブ7aに係合する段部10aが設けられ、前記胴体7から下向きに延びるように配設されている。また、保護枠本体10の下部には、炊飯鍋用温度センサ15の検出部を貫通させる貫通孔10bが設けられている。この貫通孔10bは、炊飯鍋2を構成する鍋母材3と外面材4とが密着した湾曲部2cに位置するように形成されている。
【0030】
前記防磁部材11は、前記保護枠本体10の下端開口を閉鎖するもので、磁気の通過を遮断するアルミなどの金属からなる。この防磁部材11には、前記炊飯鍋2を載置するための載置部12が円環状に隆起するように設けられている。この載置部12は、前記胴体7の肩部7bの上面と炊飯鍋2のフランジ2dの下面との間に所定の隙間Sが形成される突出量とされている。また、この防磁部材11の外周部は上向きに延び、前記保護枠本体10の側面を覆うように略U字形状に形成されている。
【0031】
前記誘導加熱コイル13は、高周波電流が通電されることにより、前記保護枠本体10を介して炊飯鍋2の外面材4を電磁誘導加熱するもので、フェライトコア14によって保護枠本体10との間に位置決めされている。この誘導加熱コイル13は、前記炊飯鍋2の底面部2aと対応する領域を除き、側面部2bと対応する上部から湾曲部2cの範囲に配設されている。この誘導加熱コイル13は、保護枠本体10の上部に対応する部分を粗く、下部を細かく巻回し、炊きムラなく均一な炊き上げ状態を確保できるようにするとともに、保温専用の胴ヒータの代わりに誘導加熱コイル13によって保温を行うように構成している。なお、この誘導加熱コイル13は、上部から下部にかけて全てが連続した1巻のものとしてもよく、また、2以上の巻数で複数設けてもよいが、炊飯や保温などの制御を考慮すると、上部と下部とは別体としてそれぞれを独立して制御可能とすることが好ましい。
【0032】
前記炊飯鍋用温度センサ15は、その先端の検出部を保護枠本体10の貫通孔に貫通させて炊飯鍋2の湾曲部2cの外側面に接触させ、該炊飯鍋2の温度を検出し、マイコンに出力するものである。
【0033】
前記制御基板16は、記憶されたプログラムに従って前記誘導加熱コイル13などの負荷部品を制御し、ユーザが希望する炊飯制御を実行するものである。この制御基板16は、冷却用のファン17とともに基板ホルダー18によって胴体7に取り付けられている。
【0034】
前記蓋体19は、上板と下板からなる外装体の底面に、前記炊飯鍋2の上端開口を密閉する内蓋を配設した周知のものである。
【0035】
このように、本実施形態の炊飯器1では、炊飯鍋2の底面部2aと対応する部分には誘導加熱コイル13を配設しない。即ち、誘導加熱コイル13は、略円筒状をなす保護枠本体10の外周に螺旋状に巻回するように配設するだけであり、底面部2aの領域に対応する渦巻き状の巻回部分はない。
【0036】
そのため、炊飯器1を製造する際には、専用の治具を用いることなく、保護枠本体10に対して誘導加熱コイル13を直接巻回して配設することができる。また、誘導加熱コイル13は、炊飯鍋2における側面部2bの上部と対応する位置から配設しているため、従来例に示す内胴105および保温専用の胴ヒータ109は不要である。そのため、部品点数の削減および組立作業性の向上を図ることができる。
【0037】
また、本実施形態では、保護枠本体10と防磁部材11とからなる保護枠9の底面に炊飯鍋2を載置し、肩部7bの上面と炊飯鍋2のフランジ2dの下面との間に所定の隙間Sを設けた構成としている。そのため、各構成部品の製造誤差や組立誤差により、各炊飯器毎に誘導加熱コイル13と炊飯鍋2との距離に誤差が生じることを抑制でき、その距離の安定化を図ることができる。その結果、各炊飯器毎の炊き上がり状態を安定できるうえ、載置する防磁部材11は金属製であるため、設置強度および安定性の向上を図ることができる。さらに、胴体7には炊飯鍋2が接触しないため、この胴体7を安価な耐熱性樹脂によって製造することができ、コストダウンを図ることができる。
【0038】
前記構成の炊飯器1では、誘導加熱コイル13に高周波電流を通電すると、保護枠本体10を介して炊飯鍋2の側面部2bおよび湾曲部2cに位置する外面材4が誘導加熱され、誘導加熱コイル13が配設されていない底面部2aと対応する領域は加熱されない。
【0039】
そのため、また、炊飯器1の底部に誘導加熱コイル13が配設されていないため、炊飯器の設置箇所がステンレス製流し台の上であっても、その台が誘導加熱されることはない。また、保護枠9は、保護枠本体10と防磁部材11とからなり、この防磁部材11は、保護枠本体10の側面、即ち、誘導加熱コイル13を覆うように構成されているため、誘導加熱コイル13から発した電磁波が漏出することを確実に防止できる。さらに、炊飯鍋2を前記防磁部材11に載置しているため、該炊飯鍋2が振動して共鳴音が発生することを防止できる。
【0040】
一方、炊飯鍋2において、誘導加熱により発生した熱は、熱伝導率が高い鍋母材3に伝熱され、内部に収容した水を介して米を加熱して炊飯する。また、前記発生した熱は、熱伝導率が高い鍋母材3により底面部2aに伝熱する。しかし、底面部2aにおいて熱伝導率が低い外面材4の部分には熱は伝わり難い。
【0041】
そのため、炊飯鍋2内では、底面部2aからの対流C2は殆ど発生せず、側面部2bから対流C1が多く発生する。そのため、これらの対流C1,C2は、互いに打ち消すような作用を生じない。その結果、図示のように、側面部2bからの対流C1が渦巻き状に流動し、炊飯鍋2内の全域において炊きムラが発生することを抑制できる。しかも、本実施形態では、前記炊飯鍋2の底面部2aを円弧状に隆起させているため、側面部2bからの対流C1を確実に渦巻き状に流動させることができる。
【0042】
また、炊飯鍋2の底面部2aは、真空二重構造とされているため、熱伝導のみで加熱される底面部2aから内部の熱が放熱されることを防止できる。さらに、側面部2bからの熱が均一に伝熱されるため、均一な炊き上げ状態を確保できるとともに、焦げ付きを確実に防止できる。さらにまた、底面部2aの外面側に位置する外面材4は、熱伝導率が低い金属材料からなるため、炊飯が完了し、炊飯鍋2を取り出して流し台の上に載置しても、その流し台が熱くなることを抑制できる。
【0043】
なお、炊飯鍋2の温度を検出する炊飯鍋用温度センサ15は、その検出部を二重構造にはなっていない湾曲部2cの外側面に接触させるため、確実に炊飯鍋2内の温度を検出することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の炊飯器は、炊飯鍋の底面部と対応する領域には誘導加熱コイルを配設していない。そのため、配設する誘導加熱コイルは、螺旋状に巻回する部分のみでよく、略水平方向に渦巻き状に巻回する部分は不要である。その結果、保護枠の外周面に直接巻回することができ、巻回専用の治具を不要とすることができる。また、誘導加熱コイルを保護枠の上部から巻回しているため、保温専用の胴ヒータが不要である。そのため、組付作業性の向上およびコストダウンを図ることができる。
【0045】
また、炊飯時には、炊飯鍋内において、誘導加熱時に底面部から発生する対流を殆どなくすことができるため、炊きムラの発生や底面部での焦げ付きを確実に防止できる。さらに、前記炊飯器をステンレス製の流し台の上に載置しても、その台が誘導加熱され、熱くなることを確実に防止できる。
【0046】
また、炊飯鍋を保護枠の下面に載置するため、誘導加熱コイルとの距離、炊飯器の収容状態、各炊飯器毎の炊き上げ状態の安定化を図ることができる。さらに、炊飯器本体の外装体を構成する胴体には炊飯鍋の熱は直接的に加わらないため、安価な耐熱性樹脂により製造することができ、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る炊飯器を示す断面図である。
【図2】 図1の部分拡大断面図である。
【図3】 従来の炊飯器を示す断面図である。
【符号の説明】
1…炊飯器、2…炊飯鍋、2a…底面部、2b…側面部、2c…湾曲部、3…鍋母材、4…外面材、5…空間、6…炊飯器本体、7…胴体、9…保護枠、10…保護枠本体、11…防磁部材、12…載置部、13…誘導加熱コイル、19…蓋体。
Claims (6)
- 炊飯器本体の胴体内に非導電性材料からなる保護枠を配設し、該保護枠の内部に炊飯鍋を収容するとともに、前記保護枠の外面に高周波電流を通電することにより前記炊飯鍋を誘導加熱する誘導加熱コイルを配設した炊飯器において、
前記保護枠を、前記胴体の肩部から下向きに延びるように配設するとともに、前記誘導加熱コイルを、前記炊飯鍋の底面部と対応する領域を除き、炊飯鍋の側面部と対応する上部から炊飯鍋の底面部に連続する湾曲部の範囲に配設し、かつ、
前記保護枠の底面を金属からなる構成としたことを特徴とする炊飯器。 - 前記保護枠は、下端を開口した非導電性樹脂からなる保護枠本体と、前記保護枠本体の開口を閉鎖するとともに側面を覆い磁気の通過を遮断する防磁部材とからなることを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
- 炊飯器本体の胴体内に非導電性材料からなる保護枠を配設し、該保護枠の内部に炊飯鍋を収容するとともに、前記保護枠の外面に高周波電流を通電することにより前記炊飯鍋を誘導加熱する誘導加熱コイルを配設した炊飯器において、
前記保護枠を、前記胴体の肩部から下向きに延びるように配設するとともに、前記誘導加熱コイルを、前記炊飯鍋の底面部と対応する領域を除き、炊飯鍋の側面部と対応する上部から炊飯鍋の底面部に連続する湾曲部の範囲に配設し、かつ、
前記炊飯鍋は、熱伝導率が高い金属からなる鍋母材の外面に、熱伝導率が低い金属からなる外面材を接合したもので、その底面部を、鍋母材と外面材との間に真空空間を形成した真空二重構造としたことを特徴とする炊飯器。 - 前記炊飯鍋を、前記保護枠の底面に載置するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の炊飯器。
- 前記炊飯鍋の底面部を円弧状に隆起させたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の炊飯器。
- 前記誘導加熱コイルは、上部を粗く、下部を細かく巻回していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の炊飯器。
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