JP3655352B2 - ディスクブレーキ - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はディスクブレーキに係り、特に、ピストンがシリンダ内へ引き込まれる際にブレーキパッドを追従させてブレーキの引き擦りを防止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両などに広く用いられているディスクブレーキは、一般に、(a)ディスクロータに向かってピストンを突き出し、引き込み駆動するシリンダと、(b)そのシリンダと前記ディスクロータとの間に配設され、前記ピストンによってそのディスクロータに押圧されるブレーキパッドとを備えて構成されており、上記ピストンは油圧によって突き出されるとともにシール部材の弾性によって引き込まれるようになっているのが普通である。また、ブレーキパッドとディスクロータとの引き擦り対策のため、例えば図4のように一対のブレーキパッド100,102に跨がってV字形状のスプリング104を取り付け、ディスクロータ106から離間する方向へ付勢するようにしたり、図5に示すようにブレーキパッド108の背面にスプリング110をかしめ等により固設し、ピストン112の円筒内に係止させたりすることが考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図4の場合には、ブレーキパッド100,102の上部すなわちディスクロータ106の外周側に位置する部分のみが離間させられ、下部において引き擦りを生じる恐れがある。また、図5の場合には、スプリング110がピストン112の円筒内に入り込んでいるため、摩耗などによりブレーキパッド108を交換する際には、ピストン112の中心線方向に大きなスペースが必要で、ピストン112が配設されるシリンダ更にはキャリパなどをマウンティングブラケット等の支持部材から完全に取り外す必要があり、メンテナンス性が悪い。
【0004】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、ブレーキパッドに取り付けたばね部材をピストンに係止させ、ブレーキパッドをピストンと一体的に移動させることによりブレーキの引き擦りを防止する場合に、ブレーキパッドをピストンに対して容易に着脱できるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための第1の手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a)ディスクロータに向かってピストンを突き出し、引き込み駆動するシリンダと、(b)そのシリンダと前記ディスクロータとの間に配設され、前記ピストンによってそのディスクロータに押圧されるブレーキパッドとを有するディスクブレーキにおいて、(c)前記ブレーキパッドに取り付けられるとともに、前記ピストンの外周面にそのピストンの中心線と直角な方向への離脱可能に係止され、ばね力によりそのピストンの先端にそのブレーキパッドを密着させて保持するばね部材を有し、且つ、そのばね部材は、(d−1)前記ピストンの外周面のうち該ピストンの中心線まわりにおいて前記ディスクロータの中心側の部分に180°より小さい角度範囲で係止されるピストン側係止部と、(d−2)前記シリンダが前記ディスクロータの軸心と平行な支持ピンまわりに回動させられることにより、前記ピストンの外周面と前記ピストン側係止部との係合,離脱を許容するように、そのピストン側係止部の両端部から延び出し、前記ブレーキパッドの周縁部のうち前記ディスクロータの外周側に位置するパッド外縁部に掛け止められる一対のパッド外縁係止部と、(d−3)前記ピストン側係止部に一体に設けられて前記ブレーキパッドの周縁部のうち前記ディスクロータの中心側に位置するパッド内縁部に掛け止められるパッド内縁係止部とを有することを特徴とする。
【0006】
【作用および第1発明の効果】
このようなディスクブレーキにおいては、パッド外縁係止部およびパッド内縁係止部がそれぞれブレーキパッドに掛け止められることにより、ばね部材がブレーキパッドに一体的に取り付けられ、ピストン側係止部がピストンの外周面に係止されることにより、そのピストンの先端にブレーキパッドがばね力によって密着させられる。ばね力を利用しているため、各部の寸法誤差などに拘らずブレーキパッドは確実にピストンの先端に密着させられる。これにより、ブレーキパッドはピストンと一体的に移動させられ、ブレーキの引き擦りが良好に回避される。
【0007】
また、上記ピストン側係止部は、ピストンの外周面のうち、ピストンの中心線まわりにおいてディスクロータの中心側の部分に180°より小さい角度範囲で係止されるとともに、パッド外縁係止部は、シリンダがディスクロータの軸心と平行な支持ピンまわりに回動させられることにより、上記外周面とピストン側係止部との係合,離脱を許容するように、そのピストン側係止部の両端部から延び出してパッド外縁部に係止されるようになっているため、ばね部材が取り付けられたブレーキパッドに対して、シリンダを支持ピンまわりにディスクロータの外周側へ回動させれば、ピストン側係止部からピストンを離脱させることができるし、ブレーキパッドに対してシリンダを支持ピンまわりにディスクロータの外周側から中心側へ向かって回動させれば、ばね部材のピストン側係止部にピストンの外周面を係止させることができる。これにより、シリンダをマウンティングブラケット等の支持部材に取り付ける支持ピンを取り外すことなく、ブレーキパッド交換などのメンテナンスを容易且つ迅速に行うことができる。
更に、ばね部材は、一対のパッド外縁係止部およびパッド内縁係止部を介してブレーキパッドに取り付けられるため、前記図5のようにスプリングをブレーキパッドにかしめ付ける場合に比較し、ブレーキパッドに対するばね部材の取付作業が容易である。
【0008】
【課題を解決するための第2の手段】
第2発明は、(a)ディスクロータに向かってピストンを突き出し、引き込み駆動するシリンダと、(b)そのシリンダと前記ディスクロータとの間に配設され、前記ピストンによってそのディスクロータに押圧されるブレーキパッドとを有するディスクブレーキにおいて、(c)前記ブレーキパッドに取り付けられるとともに、前記ピストンの外周面にそのピストンの中心線と直角な方向への離脱可能に係止され、ばね力によりそのピストンの先端にそのブレーキパッドを密着させて保持するばね部材を有し、且つ、(d)前記ピストンの外周面には円環形状の係合溝が設けられる一方、前記ばね部材はばね板材を所定形状に切断するとともに曲げ加工した一体物で、そのばね部材は、(e−1)前記係合溝のうち前記ピストンの中心線まわりにおいて前記ディスクロータの中心側の部分に180°より小さい角度範囲で係止される円弧形状のピストン側係止部と、(e−2)前記シリンダが前記ディスクロータの軸心と平行な支持ピンまわりに回動させられることにより、前記ピストンの係合溝と前記ピストン側係止部との係合,離脱を許容するように、そのピストン側係止部の両端部からV字状に拡開するように延び出し、前記ブレーキパッドの周縁部のうち前記ディスクロータの外周側に位置するパッド外縁部に掛け止められる一対のパッド外縁係止部と、(e−3)前記ピストン側係止部に一体に設けられて前記ブレーキパッドの周縁部のうち前記ディスクロータの中心側に位置するパッド内縁部に掛け止められるパッド内縁係止部とを有することを特徴とする。
【0009】
【作用および第2発明の効果】
このようなディスクブレーキにおいては、パッド外縁係止部およびパッド内縁係止部がそれぞれブレーキパッドに掛け止められることにより、ばね部材がブレーキパッドに一体的に取り付けられ、円弧形状のピストン側係止部がピストンの係合溝に係止されることにより、そのピストンの先端にブレーキパッドがばね力によって密着させられる。ばね力を利用しているため、各部の寸法誤差などに拘らずブレーキパッドは確実にピストンの先端に密着させられる。これにより、ブレーキパッドはピストンと一体的に移動させられ、ブレーキの引き擦りが良好に回避される。
【0010】
また、上記ピストン側係止部は円弧形状を成し、ピストンの外周面に形成された円環形状の係合溝のうち、ピストンの中心線まわりにおいてディスクロータの中心側の部分に180°より小さい角度範囲で係止されるとともに、パッド外縁係止部は、シリンダがディスクロータの軸心と平行な支持ピンまわりに回動させられることにより、上記係合溝とピストン側係止部との係合,離脱を許容するように、そのピストン側係止部の両端部からV字状に拡開するように延び出してパッド外縁部に係止されるようになっているため、ばね部材が取り付けられたブレーキパッドに対して、シリンダを支持ピンまわりにディスクロータの外周側へ回動させれば、ピストン側係止部からピストンを離脱させることができるし、ブレーキパッドに対してシリンダを支持ピンまわりにディスクロータの外周側から中心側へ向かって回動させれば、ばね部材のピストン側係止部にピストンの係合溝を係止させることができる。これにより、シリンダをマウンティングブラケット等の支持部材に取り付ける支持ピンを取り外すことなく、ブレーキパッド交換などのメンテナンスを容易且つ迅速に行うことができる。
【0011】
一方、本発明ではピストンの外周面に係合溝を設けてばね部材を係止させるようになっているため、ピストンの外周面に係合部として突起などを設けてばね部材を係止させる場合に比較し、従来のディスクブレーキに対しても容易に適用できる。また、ばね部材はばね板材を所定形状に切断するとともに曲げ加工した一体物であるため、プレス加工などにより簡単且つ安価に製造される。更に、そのばね部材は、一対のパッド外縁係止部およびパッド内縁係止部を介してブレーキパッドに取り付けられるため、前記図5のようにスプリングをブレーキパッドにかしめ付ける場合に比較し、ブレーキパッドに対するばね部材の取付作業が容易である。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は車両用ディスクブレーキの要部を示す車輪の軸心と平行な断面図で、図の左側が車体側である。図中、10はディスクロータ、12はキャリパ、14はマウンティングブラケットで、ディスクロータ10は図示しない車輪と一体的に回転させられるようになっている。キャリパ12は、ディスクロータ10の軸心と平行な軸心を有するシリンダ部16と、ディスクロータ10の外周側を跨ぐようにそのシリンダ部16から一体に延び出して設けられた連結部18と、ディスクロータ10を挟んでシリンダ部16と反対側に位置するように連結部18に一体に設けられた爪部20とを備えており、シリンダ部16内にはピストン22が軸方向の摺動可能に嵌合されている。ピストン22は、油圧室24にブレーキ油圧が作用させられることによりディスクロータ10に向かって突き出し駆動される一方、シール部材26の弾性復元力によって所定寸法だけシリンダ部16内に引き込み駆動される。また、シール部材26よりも外側にはダストブーツ28が設けられている。本実施例ではキャリパ12のシリンダ部16がシリンダに相当する。
【0013】
上記ピストン22とディスクロータ10との間にはインナパッド30が配設されているとともに、ディスクロータ10と爪部20との間には、そのディスクロータ10を挟んでインナパッド30と対向するようにアウタパッド32が配設されている。インナパッド30およびアウタパッド32は、それぞれディスクロータ10に押圧されて制動力を発生する摩擦材34と、その摩擦材34の裏側に固設された金属製の裏板36とから成り、その裏板36の背面側にはシム38が取り付けられている。そして、車両の制動時にシリンダ部16内へ供給されたブレーキ油圧によってピストン22がディスクロータ10に向かって突き出されると、インナパッド30がディスクロータ10の図1における左側面に押圧されるとともに、その反作用でキャリパ12が図1の左方向へ移動させられることにより、爪部20によってアウタパッド32がディスクロータ10の図1における右側面に押圧される。
【0014】
前記マウンティングブラケット14は、車両のナックル等に固設される支持部材に相当するもので、複数のスライドピンを介してキャリパ12をディスクロータ10の軸心方向の移動可能、且つディスクロータ10の回転平面と平行な方向の移動不能に支持している。また、マウンティングブラケット14には、前記インナパッド30およびアウタパッド32をそれぞれ所定の遊びを有してディスクロータ10の回転平面と平行な方向の移動不能に保持する一対のパッド保持部が一体に設けられており、それ等のインナパッド30およびアウタパッド32の制動トルクを受け止めるようになっている。
【0015】
ここで、前記ピストン22の先端近傍の外周面には、円環形状の係合溝40が設けられており、ブレーキパッドとしてのインナパッド30の裏板36に装着されたばね部材42が弾性変形させられた状態で係合溝40に係止されている。ばね部材42は、ばね板材をプレス加工によって所定形状に切断するとともに曲げ加工した一体物で、図1におけるII−II断面を示す図2から明らかなように、ピストン側係止部44,一対のパッド外縁係止部46,および一対のパッド内縁係止部48を備えている。なお、図2においては、シム38が省略されている。
【0016】
上記ピストン側係止部44は、ピストン22の外周と略同じ曲率の円弧形状を成しており、前記係合溝40のうちピストン22の中心線Oまわりにおいてディスクロータ10の中心側、すなわち図2における下側の部分に180°より小さい角度範囲で係止されるようになっている。また、一対のパッド外縁係止部46は、前記キャリパ12を支持している複数のスライドピンのうちの1本、すなわち図2に一点鎖線で示すスライドピン56まわりにキャリパ12が回動させられ、一点鎖線の矢印で示すようにピストン22が回動させられることにより、係合溝40とピストン側係止部44との係合,離脱を許容するように、そのピストン側係止部44の両端部からV字状に拡開するように延び出すとともに、先端部がコの字状に折り曲げられ、インナパッド30の周縁部のうちディスクロータ10の外周側に位置するパッド外縁部50に掛け止められるようになっている。上記スライドピン56は支持ピンに相当する。また、一対のパッド内縁係止部48は、ディスクロータ10の周方向すなわち図2の左右方向に離間してピストン側係止部44に一体に設けられているとともに先端部がコの字状に折り曲げられ、インナパッド30の周縁部のうちディスクロータ10の中心側に位置するパッド内縁部52に掛け止められるようになっている。パッド外縁部50およびパッド内縁部52には、それぞれ係止部46,48が掛け止められる部分に僅かな凹みが設けられ、それ等の係止部46,48を位置決めするようになっている。
【0017】
上記ばね部材42は、ピストン側係止部44が係合溝40に係止させられる前の図3(a)に示す自然状態では、パッド内縁係止部48の先端爪部48aおよびピストン側係止部44は先端縁に向かう程互いに接近するように傾斜しているが、図3(b)に示すようにピストン側係止部44がピストン22の係合溝40に係止された状態では、パッド内縁係止部48の先端爪部48aとピストン側係止部44とが略平行となり、この弾性変形に基づくばね力によりインナパッド30がピストン22の先端に密着させられる。係合溝40は、ピストン22の先端側すなわち図3における右側の壁面が開口側程先端側へ向かう傾斜面とされており、図2に一点鎖線の矢印で示すようにピストン22がディスクロータ10の外周側から中心側へ向かって回動させられる際に、ピストン側係止部44の先端縁が係合溝40の傾斜面に沿ってその係合溝40内へ押し込まれるとともに、上記のようにピストン側係止部44およびパッド内縁係止部48が弾性変形させられるようになっている。なお、図示は省略するが、パッド外縁係止部46についても、パッド内縁係止部48と同様に弾性変形させられる。
【0018】
以上のように構成されたディスクブレーキにおいては、パッド外縁係止部46およびパッド内縁係止部48がそれぞれインナパッド30に掛け止められることにより、ばね部材42がインナパッド30に一体的に取り付けられ、円弧形状のピストン側係止部44がピストン22の係合溝40に係止されることにより、そのピストン22の先端にインナパッド30がばね力によって密着させられる。ばね力を利用しているため、各部の寸法誤差などに拘らずインナパッド30は確実にピストン22の先端に密着させられる。これにより、インナパッド30はピストン22と一体的に移動させられ、ブレーキの引き擦りが良好に回避される。
【0019】
また、上記ピストン側係止部44は円弧形状を成し、ピストン22の外周面に形成された円環形状の係合溝40のうち、ピストン22の中心線Oまわりにおいてディスクロータ10の中心側の部分に180°より小さい角度範囲で係止されるとともに、パッド外縁係止部46は、キャリパ12がスライドピン56まわりに回動させられることにより、上記係合溝40とピストン側係止部44との係合,離脱を許容するように、そのピストン側係止部44の両端部からV字状に拡開するように延び出してパッド外縁部50に係止されるようになっているため、ばね部材42が取り付けられるとともにマウンティングブラケット14に保持されたインナパッド30に対して、キャリパ12をスライドピン56まわりにディスクロータ10の外周側へ回動させれば、ピストン側係止部40からピストン22を離脱させることができるし、インナパッド30に対してキャリパ12をスライドピン56まわりにディスクロータ10の外周側から中心側へ向かって回動させれば、ばね部材42のピストン側係止部44にピストン22の係合溝40を係止させることができる。これにより、キャリパ12をマウンティングブラケット14から完全に取り外すことなく、パッド交換などのメンテナンスを容易且つ迅速に行うことができる。
【0020】
一方、ピストン22の外周面に係合溝40を設けてばね部材42を係止させるようになっているため、ピストン22の外周面に突起などを設けてばね部材42を係止させる場合に比較し、従来のディスクブレーキに対しても容易に適用できる。また、ばね部材42はばね板材をプレス加工によって所定形状に切断するとともに曲げ加工した一体物であるため、簡単且つ安価に製造される。更に、そのばね部材42は、一対のパッド外縁係止部46およびパッド内縁係止部48を介してインナパッド30に取り付けられるため、前記図5のようにスプリングをインナパッド30にかしめ付ける場合に比較し、インナパッド30に対するばね部材42の取付作業が容易である。
【0021】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することもできる。
【0022】
例えば、前記実施例のばね部材42は一対のパッド内縁係止部48を備えていたが、パッド内縁部52の略中央に掛け止められる単一のパッド内縁係止部を設けるだけでも良い。
【0023】
また、前記実施例ではピストン22の係合溝40に傾斜面が設けられていたが、ばね部材に傾斜部を設けてピストン22の中心線Oと直角な方向への相対移動時にピストン22と係合させられることにより、そのばね部材が弾性変形させられるようにすることもできる。ブレーキパッドに取り付けられたばね部材を工具等により弾性変形させた状態でピストン22に係合させ、その後、ばね部材を解放してピストン22に係止させるようにしても良い。
【0024】
また、前記実施例はシリンダ部16に一体に設けられた爪部20によってアウタパッド32を押圧するものであったが、マウンティングブラケット14などに位置固定に配設された一対のシリンダによってディスクロータ10の両側に配設された一対のブレーキパッドをそれぞれ押圧するものなど、前述のディスクブレーキとは異なるタイプのディスクブレーキに対しても本発明は同様に適用され得る。
【0025】
その他一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるディスクブレーキの要部を示す断面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】インナパッドに取り付けられたばね部材がピストンの係合溝に係止させられる際に弾性変形させられる状態を説明する図である。
【図4】従来のディスクブレーキにおけるブレーキの引き擦り対策の一例を説明する図である。
【図5】従来のディスクブレーキにおけるブレーキの引き擦り対策の別の例を説明する図である。
【符号の説明】
10:ディスクロータ
16:シリンダ部(シリンダ)
22:ピストン
30:インナパッド(ブレーキパッド)
40:係合溝
42:ばね部材
44:ピストン側係止部
46:パッド外縁係止部
48:パッド内縁係止部
50:パッド外縁部
52:パッド内縁部
56:スライドピン(支持ピン)
O:ピストンの中心線
【産業上の利用分野】
本発明はディスクブレーキに係り、特に、ピストンがシリンダ内へ引き込まれる際にブレーキパッドを追従させてブレーキの引き擦りを防止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両などに広く用いられているディスクブレーキは、一般に、(a)ディスクロータに向かってピストンを突き出し、引き込み駆動するシリンダと、(b)そのシリンダと前記ディスクロータとの間に配設され、前記ピストンによってそのディスクロータに押圧されるブレーキパッドとを備えて構成されており、上記ピストンは油圧によって突き出されるとともにシール部材の弾性によって引き込まれるようになっているのが普通である。また、ブレーキパッドとディスクロータとの引き擦り対策のため、例えば図4のように一対のブレーキパッド100,102に跨がってV字形状のスプリング104を取り付け、ディスクロータ106から離間する方向へ付勢するようにしたり、図5に示すようにブレーキパッド108の背面にスプリング110をかしめ等により固設し、ピストン112の円筒内に係止させたりすることが考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図4の場合には、ブレーキパッド100,102の上部すなわちディスクロータ106の外周側に位置する部分のみが離間させられ、下部において引き擦りを生じる恐れがある。また、図5の場合には、スプリング110がピストン112の円筒内に入り込んでいるため、摩耗などによりブレーキパッド108を交換する際には、ピストン112の中心線方向に大きなスペースが必要で、ピストン112が配設されるシリンダ更にはキャリパなどをマウンティングブラケット等の支持部材から完全に取り外す必要があり、メンテナンス性が悪い。
【0004】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、ブレーキパッドに取り付けたばね部材をピストンに係止させ、ブレーキパッドをピストンと一体的に移動させることによりブレーキの引き擦りを防止する場合に、ブレーキパッドをピストンに対して容易に着脱できるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための第1の手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a)ディスクロータに向かってピストンを突き出し、引き込み駆動するシリンダと、(b)そのシリンダと前記ディスクロータとの間に配設され、前記ピストンによってそのディスクロータに押圧されるブレーキパッドとを有するディスクブレーキにおいて、(c)前記ブレーキパッドに取り付けられるとともに、前記ピストンの外周面にそのピストンの中心線と直角な方向への離脱可能に係止され、ばね力によりそのピストンの先端にそのブレーキパッドを密着させて保持するばね部材を有し、且つ、そのばね部材は、(d−1)前記ピストンの外周面のうち該ピストンの中心線まわりにおいて前記ディスクロータの中心側の部分に180°より小さい角度範囲で係止されるピストン側係止部と、(d−2)前記シリンダが前記ディスクロータの軸心と平行な支持ピンまわりに回動させられることにより、前記ピストンの外周面と前記ピストン側係止部との係合,離脱を許容するように、そのピストン側係止部の両端部から延び出し、前記ブレーキパッドの周縁部のうち前記ディスクロータの外周側に位置するパッド外縁部に掛け止められる一対のパッド外縁係止部と、(d−3)前記ピストン側係止部に一体に設けられて前記ブレーキパッドの周縁部のうち前記ディスクロータの中心側に位置するパッド内縁部に掛け止められるパッド内縁係止部とを有することを特徴とする。
【0006】
【作用および第1発明の効果】
このようなディスクブレーキにおいては、パッド外縁係止部およびパッド内縁係止部がそれぞれブレーキパッドに掛け止められることにより、ばね部材がブレーキパッドに一体的に取り付けられ、ピストン側係止部がピストンの外周面に係止されることにより、そのピストンの先端にブレーキパッドがばね力によって密着させられる。ばね力を利用しているため、各部の寸法誤差などに拘らずブレーキパッドは確実にピストンの先端に密着させられる。これにより、ブレーキパッドはピストンと一体的に移動させられ、ブレーキの引き擦りが良好に回避される。
【0007】
また、上記ピストン側係止部は、ピストンの外周面のうち、ピストンの中心線まわりにおいてディスクロータの中心側の部分に180°より小さい角度範囲で係止されるとともに、パッド外縁係止部は、シリンダがディスクロータの軸心と平行な支持ピンまわりに回動させられることにより、上記外周面とピストン側係止部との係合,離脱を許容するように、そのピストン側係止部の両端部から延び出してパッド外縁部に係止されるようになっているため、ばね部材が取り付けられたブレーキパッドに対して、シリンダを支持ピンまわりにディスクロータの外周側へ回動させれば、ピストン側係止部からピストンを離脱させることができるし、ブレーキパッドに対してシリンダを支持ピンまわりにディスクロータの外周側から中心側へ向かって回動させれば、ばね部材のピストン側係止部にピストンの外周面を係止させることができる。これにより、シリンダをマウンティングブラケット等の支持部材に取り付ける支持ピンを取り外すことなく、ブレーキパッド交換などのメンテナンスを容易且つ迅速に行うことができる。
更に、ばね部材は、一対のパッド外縁係止部およびパッド内縁係止部を介してブレーキパッドに取り付けられるため、前記図5のようにスプリングをブレーキパッドにかしめ付ける場合に比較し、ブレーキパッドに対するばね部材の取付作業が容易である。
【0008】
【課題を解決するための第2の手段】
第2発明は、(a)ディスクロータに向かってピストンを突き出し、引き込み駆動するシリンダと、(b)そのシリンダと前記ディスクロータとの間に配設され、前記ピストンによってそのディスクロータに押圧されるブレーキパッドとを有するディスクブレーキにおいて、(c)前記ブレーキパッドに取り付けられるとともに、前記ピストンの外周面にそのピストンの中心線と直角な方向への離脱可能に係止され、ばね力によりそのピストンの先端にそのブレーキパッドを密着させて保持するばね部材を有し、且つ、(d)前記ピストンの外周面には円環形状の係合溝が設けられる一方、前記ばね部材はばね板材を所定形状に切断するとともに曲げ加工した一体物で、そのばね部材は、(e−1)前記係合溝のうち前記ピストンの中心線まわりにおいて前記ディスクロータの中心側の部分に180°より小さい角度範囲で係止される円弧形状のピストン側係止部と、(e−2)前記シリンダが前記ディスクロータの軸心と平行な支持ピンまわりに回動させられることにより、前記ピストンの係合溝と前記ピストン側係止部との係合,離脱を許容するように、そのピストン側係止部の両端部からV字状に拡開するように延び出し、前記ブレーキパッドの周縁部のうち前記ディスクロータの外周側に位置するパッド外縁部に掛け止められる一対のパッド外縁係止部と、(e−3)前記ピストン側係止部に一体に設けられて前記ブレーキパッドの周縁部のうち前記ディスクロータの中心側に位置するパッド内縁部に掛け止められるパッド内縁係止部とを有することを特徴とする。
【0009】
【作用および第2発明の効果】
このようなディスクブレーキにおいては、パッド外縁係止部およびパッド内縁係止部がそれぞれブレーキパッドに掛け止められることにより、ばね部材がブレーキパッドに一体的に取り付けられ、円弧形状のピストン側係止部がピストンの係合溝に係止されることにより、そのピストンの先端にブレーキパッドがばね力によって密着させられる。ばね力を利用しているため、各部の寸法誤差などに拘らずブレーキパッドは確実にピストンの先端に密着させられる。これにより、ブレーキパッドはピストンと一体的に移動させられ、ブレーキの引き擦りが良好に回避される。
【0010】
また、上記ピストン側係止部は円弧形状を成し、ピストンの外周面に形成された円環形状の係合溝のうち、ピストンの中心線まわりにおいてディスクロータの中心側の部分に180°より小さい角度範囲で係止されるとともに、パッド外縁係止部は、シリンダがディスクロータの軸心と平行な支持ピンまわりに回動させられることにより、上記係合溝とピストン側係止部との係合,離脱を許容するように、そのピストン側係止部の両端部からV字状に拡開するように延び出してパッド外縁部に係止されるようになっているため、ばね部材が取り付けられたブレーキパッドに対して、シリンダを支持ピンまわりにディスクロータの外周側へ回動させれば、ピストン側係止部からピストンを離脱させることができるし、ブレーキパッドに対してシリンダを支持ピンまわりにディスクロータの外周側から中心側へ向かって回動させれば、ばね部材のピストン側係止部にピストンの係合溝を係止させることができる。これにより、シリンダをマウンティングブラケット等の支持部材に取り付ける支持ピンを取り外すことなく、ブレーキパッド交換などのメンテナンスを容易且つ迅速に行うことができる。
【0011】
一方、本発明ではピストンの外周面に係合溝を設けてばね部材を係止させるようになっているため、ピストンの外周面に係合部として突起などを設けてばね部材を係止させる場合に比較し、従来のディスクブレーキに対しても容易に適用できる。また、ばね部材はばね板材を所定形状に切断するとともに曲げ加工した一体物であるため、プレス加工などにより簡単且つ安価に製造される。更に、そのばね部材は、一対のパッド外縁係止部およびパッド内縁係止部を介してブレーキパッドに取り付けられるため、前記図5のようにスプリングをブレーキパッドにかしめ付ける場合に比較し、ブレーキパッドに対するばね部材の取付作業が容易である。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は車両用ディスクブレーキの要部を示す車輪の軸心と平行な断面図で、図の左側が車体側である。図中、10はディスクロータ、12はキャリパ、14はマウンティングブラケットで、ディスクロータ10は図示しない車輪と一体的に回転させられるようになっている。キャリパ12は、ディスクロータ10の軸心と平行な軸心を有するシリンダ部16と、ディスクロータ10の外周側を跨ぐようにそのシリンダ部16から一体に延び出して設けられた連結部18と、ディスクロータ10を挟んでシリンダ部16と反対側に位置するように連結部18に一体に設けられた爪部20とを備えており、シリンダ部16内にはピストン22が軸方向の摺動可能に嵌合されている。ピストン22は、油圧室24にブレーキ油圧が作用させられることによりディスクロータ10に向かって突き出し駆動される一方、シール部材26の弾性復元力によって所定寸法だけシリンダ部16内に引き込み駆動される。また、シール部材26よりも外側にはダストブーツ28が設けられている。本実施例ではキャリパ12のシリンダ部16がシリンダに相当する。
【0013】
上記ピストン22とディスクロータ10との間にはインナパッド30が配設されているとともに、ディスクロータ10と爪部20との間には、そのディスクロータ10を挟んでインナパッド30と対向するようにアウタパッド32が配設されている。インナパッド30およびアウタパッド32は、それぞれディスクロータ10に押圧されて制動力を発生する摩擦材34と、その摩擦材34の裏側に固設された金属製の裏板36とから成り、その裏板36の背面側にはシム38が取り付けられている。そして、車両の制動時にシリンダ部16内へ供給されたブレーキ油圧によってピストン22がディスクロータ10に向かって突き出されると、インナパッド30がディスクロータ10の図1における左側面に押圧されるとともに、その反作用でキャリパ12が図1の左方向へ移動させられることにより、爪部20によってアウタパッド32がディスクロータ10の図1における右側面に押圧される。
【0014】
前記マウンティングブラケット14は、車両のナックル等に固設される支持部材に相当するもので、複数のスライドピンを介してキャリパ12をディスクロータ10の軸心方向の移動可能、且つディスクロータ10の回転平面と平行な方向の移動不能に支持している。また、マウンティングブラケット14には、前記インナパッド30およびアウタパッド32をそれぞれ所定の遊びを有してディスクロータ10の回転平面と平行な方向の移動不能に保持する一対のパッド保持部が一体に設けられており、それ等のインナパッド30およびアウタパッド32の制動トルクを受け止めるようになっている。
【0015】
ここで、前記ピストン22の先端近傍の外周面には、円環形状の係合溝40が設けられており、ブレーキパッドとしてのインナパッド30の裏板36に装着されたばね部材42が弾性変形させられた状態で係合溝40に係止されている。ばね部材42は、ばね板材をプレス加工によって所定形状に切断するとともに曲げ加工した一体物で、図1におけるII−II断面を示す図2から明らかなように、ピストン側係止部44,一対のパッド外縁係止部46,および一対のパッド内縁係止部48を備えている。なお、図2においては、シム38が省略されている。
【0016】
上記ピストン側係止部44は、ピストン22の外周と略同じ曲率の円弧形状を成しており、前記係合溝40のうちピストン22の中心線Oまわりにおいてディスクロータ10の中心側、すなわち図2における下側の部分に180°より小さい角度範囲で係止されるようになっている。また、一対のパッド外縁係止部46は、前記キャリパ12を支持している複数のスライドピンのうちの1本、すなわち図2に一点鎖線で示すスライドピン56まわりにキャリパ12が回動させられ、一点鎖線の矢印で示すようにピストン22が回動させられることにより、係合溝40とピストン側係止部44との係合,離脱を許容するように、そのピストン側係止部44の両端部からV字状に拡開するように延び出すとともに、先端部がコの字状に折り曲げられ、インナパッド30の周縁部のうちディスクロータ10の外周側に位置するパッド外縁部50に掛け止められるようになっている。上記スライドピン56は支持ピンに相当する。また、一対のパッド内縁係止部48は、ディスクロータ10の周方向すなわち図2の左右方向に離間してピストン側係止部44に一体に設けられているとともに先端部がコの字状に折り曲げられ、インナパッド30の周縁部のうちディスクロータ10の中心側に位置するパッド内縁部52に掛け止められるようになっている。パッド外縁部50およびパッド内縁部52には、それぞれ係止部46,48が掛け止められる部分に僅かな凹みが設けられ、それ等の係止部46,48を位置決めするようになっている。
【0017】
上記ばね部材42は、ピストン側係止部44が係合溝40に係止させられる前の図3(a)に示す自然状態では、パッド内縁係止部48の先端爪部48aおよびピストン側係止部44は先端縁に向かう程互いに接近するように傾斜しているが、図3(b)に示すようにピストン側係止部44がピストン22の係合溝40に係止された状態では、パッド内縁係止部48の先端爪部48aとピストン側係止部44とが略平行となり、この弾性変形に基づくばね力によりインナパッド30がピストン22の先端に密着させられる。係合溝40は、ピストン22の先端側すなわち図3における右側の壁面が開口側程先端側へ向かう傾斜面とされており、図2に一点鎖線の矢印で示すようにピストン22がディスクロータ10の外周側から中心側へ向かって回動させられる際に、ピストン側係止部44の先端縁が係合溝40の傾斜面に沿ってその係合溝40内へ押し込まれるとともに、上記のようにピストン側係止部44およびパッド内縁係止部48が弾性変形させられるようになっている。なお、図示は省略するが、パッド外縁係止部46についても、パッド内縁係止部48と同様に弾性変形させられる。
【0018】
以上のように構成されたディスクブレーキにおいては、パッド外縁係止部46およびパッド内縁係止部48がそれぞれインナパッド30に掛け止められることにより、ばね部材42がインナパッド30に一体的に取り付けられ、円弧形状のピストン側係止部44がピストン22の係合溝40に係止されることにより、そのピストン22の先端にインナパッド30がばね力によって密着させられる。ばね力を利用しているため、各部の寸法誤差などに拘らずインナパッド30は確実にピストン22の先端に密着させられる。これにより、インナパッド30はピストン22と一体的に移動させられ、ブレーキの引き擦りが良好に回避される。
【0019】
また、上記ピストン側係止部44は円弧形状を成し、ピストン22の外周面に形成された円環形状の係合溝40のうち、ピストン22の中心線Oまわりにおいてディスクロータ10の中心側の部分に180°より小さい角度範囲で係止されるとともに、パッド外縁係止部46は、キャリパ12がスライドピン56まわりに回動させられることにより、上記係合溝40とピストン側係止部44との係合,離脱を許容するように、そのピストン側係止部44の両端部からV字状に拡開するように延び出してパッド外縁部50に係止されるようになっているため、ばね部材42が取り付けられるとともにマウンティングブラケット14に保持されたインナパッド30に対して、キャリパ12をスライドピン56まわりにディスクロータ10の外周側へ回動させれば、ピストン側係止部40からピストン22を離脱させることができるし、インナパッド30に対してキャリパ12をスライドピン56まわりにディスクロータ10の外周側から中心側へ向かって回動させれば、ばね部材42のピストン側係止部44にピストン22の係合溝40を係止させることができる。これにより、キャリパ12をマウンティングブラケット14から完全に取り外すことなく、パッド交換などのメンテナンスを容易且つ迅速に行うことができる。
【0020】
一方、ピストン22の外周面に係合溝40を設けてばね部材42を係止させるようになっているため、ピストン22の外周面に突起などを設けてばね部材42を係止させる場合に比較し、従来のディスクブレーキに対しても容易に適用できる。また、ばね部材42はばね板材をプレス加工によって所定形状に切断するとともに曲げ加工した一体物であるため、簡単且つ安価に製造される。更に、そのばね部材42は、一対のパッド外縁係止部46およびパッド内縁係止部48を介してインナパッド30に取り付けられるため、前記図5のようにスプリングをインナパッド30にかしめ付ける場合に比較し、インナパッド30に対するばね部材42の取付作業が容易である。
【0021】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することもできる。
【0022】
例えば、前記実施例のばね部材42は一対のパッド内縁係止部48を備えていたが、パッド内縁部52の略中央に掛け止められる単一のパッド内縁係止部を設けるだけでも良い。
【0023】
また、前記実施例ではピストン22の係合溝40に傾斜面が設けられていたが、ばね部材に傾斜部を設けてピストン22の中心線Oと直角な方向への相対移動時にピストン22と係合させられることにより、そのばね部材が弾性変形させられるようにすることもできる。ブレーキパッドに取り付けられたばね部材を工具等により弾性変形させた状態でピストン22に係合させ、その後、ばね部材を解放してピストン22に係止させるようにしても良い。
【0024】
また、前記実施例はシリンダ部16に一体に設けられた爪部20によってアウタパッド32を押圧するものであったが、マウンティングブラケット14などに位置固定に配設された一対のシリンダによってディスクロータ10の両側に配設された一対のブレーキパッドをそれぞれ押圧するものなど、前述のディスクブレーキとは異なるタイプのディスクブレーキに対しても本発明は同様に適用され得る。
【0025】
その他一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるディスクブレーキの要部を示す断面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】インナパッドに取り付けられたばね部材がピストンの係合溝に係止させられる際に弾性変形させられる状態を説明する図である。
【図4】従来のディスクブレーキにおけるブレーキの引き擦り対策の一例を説明する図である。
【図5】従来のディスクブレーキにおけるブレーキの引き擦り対策の別の例を説明する図である。
【符号の説明】
10:ディスクロータ
16:シリンダ部(シリンダ)
22:ピストン
30:インナパッド(ブレーキパッド)
40:係合溝
42:ばね部材
44:ピストン側係止部
46:パッド外縁係止部
48:パッド内縁係止部
50:パッド外縁部
52:パッド内縁部
56:スライドピン(支持ピン)
O:ピストンの中心線
Claims (2)
- ディスクロータに向かってピストンを突き出し、引き込み駆動するシリンダと、
該シリンダと前記ディスクロータとの間に配設され、前記ピストンによって該ディスクロータに押圧されるブレーキパッドと
を有するディスクブレーキにおいて、
前記ブレーキパッドに取り付けられるとともに、前記ピストンの外周面に該ピストンの中心線と直角な方向への離脱可能に係止され、ばね力により該ピストンの先端に該ブレーキパッドを密着させて保持するばね部材を有し、
且つ、該ばね部材は、
前記ピストンの外周面のうち該ピストンの中心線まわりにおいて前記ディスクロータの中心側の部分に180°より小さい角度範囲で係止されるピストン側係止部と、
前記シリンダが前記ディスクロータの軸心と平行な支持ピンまわりに回動させられることにより、前記ピストンの外周面と前記ピストン側係止部との係合,離脱を許容するように、該ピストン側係止部の両端部から延び出し、前記ブレーキパッドの周縁部のうち前記ディスクロータの外周側に位置するパッド外縁部に掛け止められる一対のパッド外縁係止部と、
前記ピストン側係止部に一体に設けられて前記ブレーキパッドの周縁部のうち前記ディスクロータの中心側に位置するパッド内縁部に掛け止められるパッド内縁係止部とを有する
ことを特徴とするディスクブレーキ。 - ディスクロータに向かってピストンを突き出し、引き込み駆動するシリンダと、
該シリンダと前記ディスクロータとの間に配設され、前記ピストンによって該ディスクロータに押圧されるブレーキパッドと
を有するディスクブレーキにおいて、
前記ブレーキパッドに取り付けられるとともに、前記ピストンの外周面に該ピストンの中心線と直角な方向への離脱可能に係止され、ばね力により該ピストンの先端に該ブレーキパッドを密着させて保持するばね部材を有し、
且つ、前記ピストンの外周面には円環形状の係合溝が設けられる一方、前記ばね部材はばね板材を所定形状に切断するとともに曲げ加工した一体物で、
該ばね部材は、
前記係合溝のうち前記ピストンの中心線まわりにおいて前記ディスクロータの中心側の部分に180°より小さい角度範囲で係止される円弧形状のピストン側係止部と、
前記シリンダが前記ディスクロータの軸心と平行な支持ピンまわりに回動させられることにより、前記ピストンの係合溝と前記ピストン側係止部との係合,離脱を許容するように、該ピストン側係止部の両端部からV字状に拡開するように延び出し、前記ブレーキパッドの周縁部のうち前記ディスクロータの外周側に位置するパッド外縁部に掛け止められる一対のパッド外縁係止部と、
前記ピストン側係止部に一体に設けられて前記ブレーキパッドの周縁部のうち前記ディスクロータの中心側に位置するパッド内縁部に掛け止められるパッド内縁係止部とを有する
ことを特徴とするディスクブレーキ。
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