JP3648201B2 - 非複屈折性の光学樹脂材料 - Google Patents
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Description
本発明は、光学樹脂材料に関し、特に実質的に複屈折性を示さないか、または複屈折性を示してもそれが実用上で影響を与えない程度に小さくて済む非複屈折性の光学樹脂材料及びその応用に関する。
背景技術
近年、眼鏡レンズや透明板などの一般光学部品はもとよりオプトエレクトロニクス用の光学部品、例えば音響、映像、文字情報等を記録する光ディスク装置のようなレーザ関連機器に用いる光学部品の材料などとして、従来のガラス系材料に代えて、高分子樹脂を用いる傾向が強まっている。これは、高分子樹脂からなる光学材料つまり光学樹脂材料がガラス系光学材料に比べ、一般に、軽量であること、また耐衝撃性に優れていること、さらに射出成形や押出し成形のような成形技術を容易に適用できることなどから加工性や量産性に優れているからである。
このような特性は、上述したような各種の光学部品にとって有用であることは勿論として、液晶ディスプレイの主要構成要素である液晶素子を構成する各種部材に光学樹脂材料を用いる場合にもさらに有用である。すなわち液晶ディスプレイは、各種電子機器における表示要素として広く用いられるようになってきているが、このように用途が拡大するのに伴ってより一層の軽量化や薄型化が求められ、また耐衝撃性などの強度面での性能向上も求められるようになっており、これらの要求には高分子樹脂材料が持つ上記特性を有効に活かすことで応えることができるからである。
このように光学樹脂材料は、光学部品として優れた特性を発揮する可能性を持ち、また光学部品への広い用途が期待されている。しかし現実には期待された程の利用がなされていない。その大きな要因としては、光学樹脂材料に上記のような成形技術を適用して得られる製品が少なからず複屈折性を示し、この複屈折性が光学部品としての機能性を損なう場合があるということに求められる。
高分子樹脂材料における複屈折性の存在自体は、その原因を含めて広く知られている。すなわち、光学材料として通常使用される高分子樹脂材料の殆どすべてについて、そのポリマーを形成するモノマーが屈折率に関し光学的異方性を有しており、このモノマーの光学的異方性がポリマーの一定方向への配列つまり配向により発現することで高分子樹脂材料に複屈折性を生じる。より具体的には以下の通りである。
先ず、重合反応により生成した状態のままのポリマーであるがこれは、その結合鎖がランダムに絡み合った状態となっている。つまりポリマーの結合鎖に配向を生じていない。この状態では各モノマーの光学的異方性が相互に打ち消し合い、したがってポリマーは複屈折性を示さない。ところが、射出成形や押出し成形のような成形工程を経ると、その際に加わる外力により、ランダムであったポリマー結合鎖が配向し、この結果ポリマーは複屈折性を示すようになる。図1はこの状態を模式的に説明するための図である。同図に示したように、外力を伴う成形工程を経た高分子樹脂材料は、ポリマーの結合鎖を形成する多数の単位(モノマー)1が体積的に特定の配向方向をもって結合した状態にある。そして上記のように、光学材料として通常使用される高分子樹脂材料の殆どすべてについて、各単位1は屈折率に関し光学的異方性を有している。すなわち、配向方向に平行な方向の偏波成分に関する屈折率nprと配向方向に垂直な方向の偏波成分に関する屈折率nvtが異なっている。
このような光学的異方性は、よく知られているように、屈折率楕円体で表現することが出来る。図1において、各結合単位1に付記されている楕円マーク2は屈折率楕円体を示す。例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)の場合、各単位(メチルメタクリレート)1の屈折率は、配向方向について相対的に小さく、配向方向と垂直な方向について相対的に大きい。したがって、マクロスケールでみた時の屈折率楕円体3は、図示されているように縦長となる。すなわち、ポリメチルメタクリレートの場合、npr<nvtである。配向方向に平行な方向の偏波成分に関する屈折率nprから配向方向に垂直な方向の偏波成分に関する屈折率nvtを引いた差Δn=npr・nvtを配向複屈折値と呼ぶ。以下の表1には、代表的な光学樹脂材料について固有複屈折値を示した。
固有複屈折値とは、上述のポリマーが一定方向に完全に配向したときに生じる複屈折の値である。実際には、ポリマーの配向度合いに応じ、ゼロから固有複屈折値の間の値となる。
例えば、図1に示したポリメチルメタクリレートではΔn=−0.0043〜0であり、ポリスチレンでは、Δn=−0.100〜0である。また、ポリエチレンではΔnが正の値を示し、Δn=0〜+0.044である。以後、上記Δnの符号が正(Δn>0)であることを「複屈折性の符号が正」、同時に負(Δn<0)であることを「複屈折性の符号が負」などと表現することとする。
このような配向複屈折は、偏光特性が重要となるアプリケーションにおいて特に問題となる。例えば近年開発された書込/消去型の光磁気ディスクにおける光学部品がその例である。すなわち、書込/消去型の光磁気ディスクでは、読み取りビームあるいは書き込みビームに偏光ビームを用いているので、光路中に複屈折性の光学要素(デイスク自体、レンズ等)が存在すると、読取りあるいは書込みの精度に悪影響を及ぼすことになる。
また使用する部材における複屈折性がさらに重要になるものとして液晶素子が挙げられる。液晶素子はよく知られているように、直交ニコル又は平行ニコルとした偏光子と検光子の間で液晶層により偏光の偏波面を回転させることで光の透過・不透過を制御する構造となっており、したがって液晶素子にあってはそれを構成する各部材の複屈折性が大きな問題となり、このことが液晶素子への光学樹脂材料の広汎な利用を阻んでいる。
以上のような配向複屈折性に関しては、これをなくすための種々の工夫が以前よりなされている。その代表的な一つが本発明者によるPCT/JP95/01635号(国際公開番号WO96/06370)に開示されている。この技術は、透明な高分子樹脂からなるマトリックスに、このマトリックスにおける高分子樹脂の結合鎖が外力により配向するのに伴ってこの結合鎖の配向方向と同じ方向に配向可能な低分子有機物質を添加し、そしてこの低分子有機物質が有する複屈折性により高分子樹脂における配向複屈折性を打ち消すことで非複屈折性の光学樹脂材料を得ている。
より具体的には、マトリックスを形成する高分子樹脂が符号の正又は負である配向複屈折性を持つ一方で、これに添加された低分子有機物質が高分子樹脂における配向複屈折性とは逆の符号の複屈折性を示し、これら両複屈折性の相殺関係により高い非複屈折性を得ている。つまりこの非複屈折性光学樹脂材料は、成形加工などの際に応力等の作用を外部から受けると、それによってその高分子結合鎖が配向を起こす際に、添加されている低分子有機物質も高分子結合鎖の配向に連れて配向を起こす。そしてこの高分子結合鎖の配向に関連した配向をとる低分子有機物質における屈折率楕円体の長軸方向が高分子における屈折率楕円体の長軸方向と直交する方向となることにより、全体としての配向複屈折性を実質的に無くすか、あるいは薄めて非複屈折性を得ているものである。
このような技術には多くの利点がある。例えば組み合わされる高分子樹脂と低分子有機物質の種類に応じて、添加量を調整するだけで、複屈折性を0に近づけることが出来る。低分子有機物質がマトリックス用の高分子樹脂の重合反応には実質的な関与を生じない、つまり高分子樹脂を与えるモノマーに対し反応性を有しないため、高分子樹脂と低分子有機物質の組み合わせに対する制約が少ない。つまり高分子樹脂の種類についての選択の自由度が高い。低分子有機物質は、高分子樹脂を形成する各単位分子に比べ、屈折率に関してより大きな光学的異方性を持つのが一般であり、このため比較的少ない添加量で済ませることができ、マトリックス用の高分子樹脂が持つ特性をより有効に光学樹脂材料に活かすことができる。ポリマーに配向を生じさせないようにする配慮を必要とせず、その加工に射出成形や押出し成形などのような加工性や量産性に優れた成形技術を自由に適用することができる。
しかしこの優れた技術にも、これで得られた光学樹脂材料を利用する分野に応じては無視することのできない一つの欠点がある。それはポリマーの配向複屈折性を打ち消すための物質として低分子の有機化合物を用いるため、この低分子の有機化合物の添加に起因して耐熱性が低下するという問題である。すなわち、その程度は様々であるものの、添加する低分子有機化合物が必ずマトリックス用の高分子樹脂に対し可塑効果を持ち、このためにガラス転移温度が低下する。このような低分子物質による可塑効果は、可塑剤による柔軟性付与を必要とする材料の場合には利点になるものの、一定以上の耐熱性を要求される分野では大きな欠点となる。
本発明は、上記のような事情を背景になされたものであり、上記従来技術における耐熱性の問題を解消できる技術の提供を目的としている。より具体的には、上記従来技術における種々の利点をそのまま活かすことができ、しかも耐熱性の低下という問題を解消できる技術の提供を目的としている。
発明の開示
このような目的のために、本発明の一側面では、透明な高分子樹脂と;この高分子樹脂の結合鎖が外力により配向するのに伴ってこの結合鎖の配向方向と同じ方向に配向し、かつ、複屈折性を有する微細な無機物質と;を含み、この無機物質が有する複屈折性により前記配向した高分子樹脂における配向複屈折性を打ち消すことを特徴とする光学樹脂材料を提供する。
ここにおいて、「配向複屈折性を打ち消す」とは、配向複屈折性を0に近づけることを意味する。すなわち、配向複屈折性が正を示す高分子樹脂については、これを減少させて0に近づけ、あるいは、配向複屈折性が負を示す高分子樹脂については、これを増加させて0に近づけることである。また、配向複屈折性の絶対値を小さくすることを意味する。配向複屈折性は必ずしも0にする必要はなく、実用上で影響を与えない程度に0に近づければよい。
本発明は、前記国際公開WO96/06370における考え方を基本にしているが、従来技術とは異なり、無機物質を添加することに特徴がある。このような無機物質は、低分子物質つまり低分子有機化合物では避けられないベアリング効果による可塑効果を実質的に生じることがない。そのため高分子樹脂が固有に持つ耐熱性を低下させることがないという利点を有する。
また無機物質は、その代表的なものである鉱物の結晶にみられるように、有機化合物に比べ格段に大きな複屈折性を持つ場合が多い。結晶内部では、結晶を構成する原子が立体的に規則正しく配置されており、特に複屈折を示す結晶では、その配列に異方性がある。ポリマーのように延伸等により配向させることにより初めて複屈折が生じるのではなく、本来の結晶構造により複屈折を示す。複屈折を示す結晶中を光が進む時に、直交するそれぞれの偏光面を有する2つの光に関する屈折率が等しい方向が存在する。通常、この方向に沿った軸を光学軸と呼び、この光学軸を軸として、屈折率楕円体を定義できる。この屈折率楕円体の長軸方向と短軸方向の屈折率の差が複屈折を示す結晶における複屈折値となる。例えば方解石(CaCO3)は-0.17、ルチル(TiO2)は+0.287、マグネサイト(MgCO3)は−0.191、スミソナイト(ZnCO3)は−0.227、ロードクサイト(MnCO3)は−0.219、コバルトカルサイト(CoCO3)は−0.255などである。これらの複屈折値は、有機化合物のそれに比べ一桁以上大きい値である。したがって無機物質を添加物質として用いることには、極めて僅かな添加量で必要な非複屈折性を得られるという大きな利点がさらに加わる。
無機物質は、正方晶系、三方晶系、六方晶系、斜方晶系、単斜晶系、又は、三斜晶系に属する結晶構造を有することが好ましい。さらに、かかる単結晶構造のみならず、多結晶体またはこれらの凝集体であってもよい。これらの構造の場合に、複屈折を起こすからである。
また、無機物質としては、鉱物に限られず、セラミックスも用いることもできる。セラミックスは結晶性であることが好ましい。もっとも、複屈折を示す限り、多数の結晶粒を含む焼結体を用いることもできる。
無機物質を高分子樹脂に添加するには、分散性に問題を伴う場合が多い。この分散性の問題は、高分子樹脂に対する分散性の高いバインダーを無機物質に応じて選択し、このバインダーで予め表面処理を施した無機物質を用いることで効果的に解消することができる。
本発明では、無機物質を微細な粒体として用いる。粒体は実効的な複屈折性を高分子樹脂中で現わす必要があることなどから、通常、針状や棒状(円柱状)あるいは細長い板状の形状であることが好ましい。その大きさには、光の散乱との関係、したがって光の波長(光学樹脂材料に透過させられる光の波長)との関係で上限がある。一般的には波長程度以下であるのがより好ましいが、実用的には波長の数倍〜数十倍程度までを許容できる。特に光学樹脂材料が薄いフィルム状にして用いられる場合にはある程度の散乱があっても実用上での透明性には問題のない場合が多く、そのような場合には100倍を若干程度超えることも可能である。一例を挙げると、ウイスカーと呼ばれる針状体の場合で、光が可視光であれば、その太さは数〜1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であるのがさらに好ましい。一方その長さは数十μm以下であることが好ましく、数μm以下であるのがさらに好ましい。
また、この散乱に関しては、無機物質と高分子樹脂との屈折率差の問題がある。つまり無機物質と高分子樹脂との屈折率差が大きいほど散乱を生じやすくなるという関係がある。本発明者の知見によると、無機物質の平均屈折率と高分子樹脂の屈折率との差が0.5以下であれば実用上でほぼ問題なく、0.3以下とするのがより好ましい条件である。ここで無機物質の平均屈折率とは、無機物質の屈折率異方性における各方向の屈折率の平均値を意味している。
光学樹脂材料として一般的に用いられる高分子樹脂の主なものには例えばポリメチルメタクリレート(屈折率1.49)、ポリカーボネート(屈折率1.59)、ノルボルネン系樹脂、例えばアートン(ARTON、JSR(株)、屈折率1.51)などがある。これらの高分子樹脂の屈折率は何れも1.5〜1.6程度である。このような高分子樹脂の屈折率に対し屈折率差が0.3以下という平均屈折率を有する無機物質、特に鉱物の代表的な例には炭酸カルシウム(CaCo3)がある。そしてこの炭酸カルシウムには、本発明で特に好ましいものとする形状異方性微粒子を、他の鉱物に比べて得やすいという大きな利点もある。そのため本発明では無機物質として炭酸カルシウムを特に好ましいものとする。
また添加する無機物質がその複屈折性により高分子樹脂における配向複屈折性を打ち消すには、高分子樹脂の結合鎖の配向に伴って無機物質の微粒の軸方向が結合鎖と平行になるような状態で配向する必要がある。この無機物質の配向は、例えば高分子樹脂における結合鎖に配向を生じさせる外部からの成形力などにより生じさせることができる。このような配向は、無機物質の微粒が細長い形状、例えば、円筒形、円柱形、針状形、回転楕円形などの形状を有している場合に生じる。尚、「高分子樹脂の結合鎖の配向に伴って無機物質の微粒の軸方向が結合鎖と平行に配向する」とは、必ずしも全ての無機物質の微粒の軸方向が高分子樹脂の結合鎖と平行に配向することを意味するものではなく、統計的な見地から、軸方向が平行に配向している無機物質が多数であるということを含むものである。高分子樹脂の結合鎖の配向に応じてその軸方向が配向するものであれば、如何なる無機物質の微粒であってもよいが、その軸方向の長さと軸方向に垂直な直径とのアスペクト比が1.5以上であることが好ましく、2以上であることが更に好ましく、3以上であることが更に好ましい。
以上のような本発明による光学樹脂材料の製造については、透明な高分子樹脂を合成する重合反応の開始前あるいは重合反応開始後で且つ終了前に、無機物質を混入する方法を採ることができる。すなわち、高分子樹脂を与えるモノマーに、添加剤である無機物質を混入して十分に分散させた後、重台反応を進行させ、光学樹脂材料を得るようにする。この重合過程にあっては、上記した従来技術における低分子物質におけると同様に、無機物質もモノマーの重合反応に関与しない。
本発明による光学樹脂材料の他の製造方法としては、高分子樹脂材料の加熱溶融物に対して無機物質を添加し、これを混練する過程を通してマトリックス中に無機物質を分散させる方法も可能である。本方法に基づいて十分な混練がなされた材料は、製品化に備え、適当な手段によってペレット化されることが好ましい。ペレット化された混練生成物は、射出成形あるいは押し出し成形等、通常の成形技術によって所望の形状に成形加工される。
この手法の要点は、加熱溶融された状態にある高分子樹脂材料に対して配向複屈折性を相殺する無機物質が添加される点にあり、このような混練工程を含んでいれば、前後にいかなる成形方法が用いられていても、得られた光学樹脂材料は高い非複屈折性を示す。
さらに、上述したように加熱溶融工程で配向複屈折性を相殺する無機物質を添加・混練する方法に代えて、高分子樹脂材料を適当な溶媒中に溶解させ、その中に配向複屈折性を相殺する無機物質を添加して均一に混練し、その後に溶媒を蒸発工程等によって除去するプロセスを利用することも出来る。この方法によって得られた組成物を射出成形あるいは押出し成形によって所望の形状に加工すれば、非複屈折性の光学樹脂材料が得られる。
以上のような本発明による光学樹脂材料は、その上記のような諸特性において、各種の光学部品に利用することができ、またこれらの光学部品を必要とする機器に利用することができる。特に本発明による光学樹脂材料は、液晶素子用の部材としての有用性が高い。例えば液晶層と偏光板との間に介在する液晶素子用の基板がその例で、この基板を本発明による光学樹脂材料で形成することにより、上記したようなガラス系光学材料との比較における光学樹脂材料の利点を有効に活用して液晶デバイスの各種性能を向上させることが可能となる。
また液晶素子用の偏光板は、偏光子の両面に透明樹脂シートを接合させて形成されるが、この透明樹脂シートに本発明による光学樹脂材料を用いるのも特に適した利用方法であり、上記と同様に液晶デバイスの各種性能を向上させることが可能となる。
さらに液晶素子を形成する各要素の接着に用いる接着剤として本発明による光学樹脂材料を用いるのもその高い非複屈折性や材料選択の自由度を有効に活かすこのできる好ましい利用方法である。すなわち従来の液晶素子では、非複屈折性の高い接着剤用の樹脂材料がなかったために、例えばモノクロタイプのようにそれほど高い非複屈折性が要求されない場合を除いて、各要素の接合を粘着剤でなすようにしているが、この粘着剤に代えて本発明による光学樹脂材料を応用した接着剤を用いることで、耐久性や耐熱性などの点で液晶素子の性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、高分子樹脂の結合鎖の配向に伴う複屈折性を説明するための模式図である。図1中、1はモノマー単位、2はモノマー単位の屈折率楕円体、そして3はマクロスケールの屈折率楕円体をそれぞれ表す。
図2は、本発明による光学樹脂材料を用いた液晶素子の一実施態様の断面図である。図2中、10は液晶層、11a、11bは基板、12a、12bは偏光板、そして14は透明樹脂シートをそれぞれ表す。
図3は、本発明による光学樹脂材料を用いた液晶素子の他の実施態様の断面図である。図3中、15a、15bは基板、そして16a、16bは偏光板をそれぞれ表す。
図4は、炭酸カルシウムを添加したアートンの延伸倍率と延伸後の樹脂の複屈折を表したグラフ図である。
図5は、炭酸カルシウムを添加したポリメチルメタクリレートの延伸倍率と延伸後の複屈折を表したグラフ図である。
図6は、ポリメチルメタクリレートフィルム(延伸前)中の炭酸カルシウム針状結晶粒子の配向状態を示す顕微鏡写真である。
図7は、ポリメチルメタクリレートフィルム(延伸後)中の炭酸カルシウム針状結晶粒子の配向状態を示す顕微鏡写真である。
発明を実施するための最良の形態
本発明の実施に用いることのできる高分子樹脂は、上記のように反応性比などの制約条件を受けることがなく、それ自体光学樹脂材料としての例えば透明性などについて一般的適性を有していればよく、特別な特性は要求されない。したがって、高分子樹脂材料に関する選択の自由度が極めて大きく、上記表1に示したものをはじめとして、光学樹脂材料としての一般的適性の他に例えば耐熱性や機械強度などを用途に応じて考慮しながら、ノルボルネン系樹脂(例えばアートン[JSR]、ゼオノア、ゼオネックス[日本ゼオン])、ポリアリレート、ポリエーテルスルフオン、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルペンテン−1、及び脂環式ポリオレフィン(例えば、ジシクロペンタジエン系ポリオレフィンやノルボルネン系ポリオレフインなど)、さらには脂環式(メタ)アクリレート(例えば、トリシクロデカニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレートなど)とメチルメタクリレート(MMA)などの(メタ)アクリレートとの共重合体など広範な材料の中から自由な選択が可能である。
また本発明の実施に用いることのできる無機物質についても広範な材料の中から自由な選択が可能であり、例えば針状結晶性の鉱物の他に、各種の鉱物を用いることができる。ただこれらの無機物質からの選択には、高分子樹脂との関係で一定の条件が課される。それは上記のことから明らかなように、高分子樹脂における配向複屈折性を打ち消すことのできる複屈折性を有することである。つまり高分子樹脂における配向複屈折性が正であれば、負の複屈折性を示す無機物質の微粒を選択し、高分子樹脂における配向複屈折性が負であれば、正の複屈折性を示す無機物質の微粒を選択する。ここで述べる無機物質の示す複屈折性とは、前述したような細長い形状を有する微粒の方向に対して決められるものである。すなわち、ここにおいて前記細長い形状を細長い円柱形にたとえて説明すると、微粒の円柱軸方向の偏波成分に関する屈折率が円柱軸に垂直な方向の偏波成分に関する屈折率よりも大きいものを「正の複屈折性を示す無機物質の微粒」といい、逆に微粒の円柱軸方向の偏波成分に関する屈折率が円柱軸に垂直な方向の偏波成分に関する屈折率よりも小さいものを「負の複屈折性を示す無機物質の微粒」ということとする。
前述の通り、配向したポリマー中で、微粒は統計的に円柱の軸をポリマー鎖の配向方向に向けることになる。この円柱の内部で無機物質の結晶系、凝集系がどのような向きになっているかは、その微粒の組成や製造方法によるところである。例えば、方解石(CaCO3)は-0.17の複屈折値を有するが、結晶の光学軸が円柱軸方向になっているのか、円柱軸に垂直な方向になるかにより、ここでいう微粒の示す複屈折性の正負は異なることになる。つまり、正の複屈折値を有する無機物質からは、ここでいう「正の複屈折性を示す無機物質の微粒」だけでなく「負の複屈折性を示す無機物質の微粒」を製造することも可能であり、逆に負の複屈折値を有する無機物質からは、ここでいう「負の複屈折性を示す無機物質の微粒」だけでなく「正の複屈折性を有する無機物質の微粒」を製造することもまた可能である。
さらに微粒は、単結晶、多結晶のほかこれらの凝集体のいずれの形態でもよく、これらを構成する小さな単結晶部分の統計的な方向が、ここでいう微粒の示す複屈折性の正負を決めることとなる。例えば、微粒が方解石の多結晶またはより小さな微粒の凝集体としてなっている場合は、これらを構成する小さな単結晶部分の統計的な方向が、ここでいう微粒の示す複屈折性の正負を決めることとなるのである。
本発明の好ましい第1の実施形態では、高分子樹脂を与えるモノマーに無機物質を混入する。この無機物質には予めマトリックス用の高分子樹脂に対する分散性の高いバインダーを用いて予め表面処理を施してあるものを用いる。バインダーによる処理は一連の工程として行うようにしてもよく、またその種の加工を専門とするメーカーからバインダー処理済の製品を購入し用いることもできる。混入した無機物質を十分に分散させたら、次いで適宜に重合開始剤及び連鎖移動剤を添加した後、加熱や紫外線照射等のエネルギ供給を行なうことによって重合反応を進行させ、光学樹脂材料を得る。この場合、上記のように無機物質はモノマーの重合反応に関与しない。
重合開始剤及び連鎖移動剤の種類と量は、通常の重合反応の場合と同様の基準にしたがって選択すれば良い。例えば、熱重合による場合であれば熱重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド(BPO)等の過酸化物が使用出来る。また、紫外線照射による場合には、紫外線ラジカル重合開始剤であるベンゾインメチルエーテル(BME)が使用出来る。連鎖移動剤としては、いずれの場合にも、ノルマルブチルメルカプタン(nBM)が使用可能である。
モノマーに無機物質を混入する方法については、上記のような重合開始剤を用いて重合反応を開始させる逐次重合ではなく、重合開始剤を使用せずに重合反応を起こさせる方法とすることもできる。この場合にも無機物質を重合に関与させずに共存させることが出来る。例えば、官能基間の反応に基づく段階重合、開環重合及び閉環重合においても無機物質を重合に関与させずに共存させて非複屈折性の高分子樹脂材料を得ることが可能である。一般に、任意の公知の重合過程について、本発明の製造方法を適用することができる。
本発明の好ましい第2の実施形態では、高分子樹脂材料を加熱して溶融物とし、この溶融物に対して無機物質を混入し、これを混練する過程を通して高分子樹脂中に無機物質を分散させる。
本発明の好ましい第3の実施形態では、高分子樹脂材料を適当な溶媒により溶液状態とし、この溶液に対して無機物質を混入し、これを混練する過程を通して高分子樹脂中に無機物質を分散させる。
これらの第2の実施形態と第3の実施形態における混入や混練には公知の方法を用いることができる。またこれらの方法により得られる光学樹脂材料は、一連の連続工程を経て最終的な製品とすることもできるし、また射出成形や押出し成形等の通常の成形技術による成形加工に適するようにペレット状にした製品とすることもできる。
本発明の好ましい第4の実施形態は、本発明による光学樹脂材料をその幾つかの要素に用いた液晶素子についての例である。その構成は図2に示してある。この実施形態では、液晶層10の上下に配される各基板11a、11bを本発明による光学樹脂材料で形成すると共に、上下の各偏光板12a、12bにおける偏光子13の両面に接合される透明樹脂シート14を本発明による光学樹脂材料で形成し、さらに各基板11a、11bと各偏光板12a、12bとの接合に本発明による光学樹脂材料を原材料とする接着剤を用いている。
本発明の好ましい第5の実施形態は、同じく本発明による光学樹脂材料を用いた液晶素子についての例である。第4の実施形態との大きな相違は,図3に示すように、各基板15a、15bを第4の実施形態における液晶層10側の透明樹脂シート14と兼用させ、各偏光板16a、16bを各基板15a、15bと一体化させた構造とした点である。
産業上の利用の可能性
本発明によれば、従来の各種方法に見られるような制約条件を受けることなく光学樹脂材料の複屈折性を除去することができる。この結果、非複屈折性の光学樹脂材料の原料についての選択範囲を大幅に広げることが可能となり、またこのように自由に選択された原料の持つ光学的特性や機械的特性をそのまま活かすことができ、優れた光学特性及び機械的特性、特に高い耐熱性を有する非複屈折性の光学樹脂材料を低コストで提供することが可能となる。また本発明によれば、上記のような光学樹脂材料をその各種部材などに用いることで光学的要素を含む機器、例えば液晶デバイスの各種性能を向上させることが可能となる。
実施例
(実施例1)
本実施例は、配向複屈折性が正の樹脂に、負の複屈折性を示す粒子(炭酸カルシウム針状結晶)を添加した樹脂を延伸して、結晶を配向させることにより、樹脂の配向複屈折性を打ち消すことができることを示すものである。
ガラス製のサンプル管にテトラヒドロフラン(純正化学(株))と炭酸カルシウムの針状結晶微粒子(丸尾カルシウム(株))を入れ、超音波を約10分間照射することにより均一に分散させた。さらにポリマーとしてペレット状のアートン(JSR(株))を加え、約24時間振とうし、溶解させた。より均一に分解させるため、さらに超音波を約10分間照射した後、攪拌器HYBRID MIXER HM-500(キーエンス(株))により攪拌および脱泡を行った。試薬の混合比は、テトラヒドロフランはアートンに対し重量比で4倍、炭酸カルシウムはアートンに対し1wt%、3wt%とした。また参照用として、炭酸カルシウムを添加しないものも調製した。このようにして得られたポリマー溶液をガラス板上にナイフコーターを用いて展開し、気密性の低い容器中で放置することで、穏やかに溶媒を蒸発させた。ガラス板よりフィルム状の試料(厚さ約50μm)をはがし、さらに乾燥させるためにデシケーター中で約50時間減圧乾燥を行った。乾燥後の試料をテンシロン万能試験機(ORIENTEC(株)製)を用い、一軸延伸を行った。延伸温度は240℃、延伸速度は4mm/mim、延伸倍率は1.5,1.75,2.0倍とした。延伸後の試料の複屈折を、傾斜型自動複屈折計KOBRA-21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて測定した。結果を以下の表2および図4に示す。
アートンのみの場合は正の配向複屈折を示すが、負の配向複屈折性を示す炭酸カルシウムを1wt%添加することにより、相殺されたことがわかる。さらに炭酸カルシウムの濃度を高く(3wt%)した場合、負の配向複屈折を示した。このことから、適切な濃度で添加することにより、ポリマーの配向複屈折を打ち消すことができることがわかった。
(実施例2)
本実施例も、配向複屈折性が正の樹脂に、負の複屈折性を示す粒子(炭酸カルシウム針状結晶)を添加した樹脂を延伸して、結晶を配向させることにより、樹脂の配向複屈折性を打ち消すことができることを示すものである。
ガラス製のサンプル管にジクロロメタン(東京化成工業(株))と炭酸カルシウムの針状結晶微粒子(丸尾カルシウム(株))を入れ、超音波を約10分間照射することにより均一に分散させた。さらにポリマーとしてペレット状のポリカーボネート(分子量22,000)を加え、約24時間振とうし、溶解させた。より均一に分散させるため、さらに超音波を約10分間照射した後、攪拌器HYBRID MIXER HM-500(キーエンス(株)製)により攪拌および脱泡を行った。試薬の混合比は、ジクロロメタンはポリカーボネートに対し重量比で6倍、炭酸カルシウムはポリカーボネートに対し3wt%とした。また参照用として、炭酸カルシウムを添加しないものも調製した。このようにして得られたポリマー溶液をガラス板上にナイフコーターを用いて展開し、気密性の低い容器中で放置することで、穏やかに溶媒を蒸発させた。ガラス板よりフィルム状の試料(厚さ約55μm)をはがし、さらに乾燥させるためにデシケーター中で約50時間減圧乾燥を行った。乾燥後の試料をテンシロン万能試験機(ORIENTEC(株)製)を用い、一軸延伸を行った。延伸温度は190℃、延伸速度は2.5mm/mim、延伸倍率は1.5倍とした。延伸後の試料の複屈折を、傾斜型自動複屈折計KOBRA-21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて測定した。結果を表3に示す。
ポリカーボネートのみの場合、15.0×10-4の正の複屈折を示したが、炭酸カルシウムを3wt%添加することによって、複屈折はほぼ半減した。
(実施例3)
本実施例は、炭酸カルシウム針状結晶を添加した樹脂を延伸することによって、添加した炭酸カルシウム針状結晶が樹脂の延伸方向に配向していることを実際に示すものであり、さらにそれに伴い、樹脂の配向複屈折性を変化させることができることを示すためのものである。また、炭酸カルシウム針状結晶を樹脂に添加することによって高分子鎖の配向が乱れたために、単に見かけ上樹脂の配向複屈折性が打ち消されているのではなく、かかる炭酸カルシウム針状結晶が樹脂中で配向するが故に樹脂の配向複屈折性が変化するということを、証明するためのものである。
ガラス製のサンプル管に酢酸エチル(純正化学(株))と炭酸カルシウムの針状結晶微粒子(丸尾カルシウム(株))を入れ、超音波を約10分間照射することにより均一に分散させた。さらにポリマーとしてペレット状のポリメチルメタクリレート(PMMA)(和光純薬工業(株))を加え、約24時間振とうし、溶解させた。より均一に分散させるため、さらに超音波を約10分間照射した後、攪拌器HYBRID MIXER HM-500(キーエンス(株))により攪拌および脱泡を行った。試薬の混合比は、酢酸エチルはポリメチルメタクリレートに対し重量比で4倍、炭酸カルシウムはポリメチルメタクリレートに対し0.5wt%とした。また参照用として、炭酸カルシウムを添加しないものも調製した。このようにして得られたポリマー溶液をガラス板上にナイフコーターを用いて展開し、気密性の低い容器中で放置することで、穏やかに溶媒を蒸発させた。ガラス板よりフィルム状の試料(厚さ約50μm)をはがし、さらに乾燥させるためにデシケーター中で約50時間減圧乾燥を行った。乾燥後の試料をテンシロン万能試験機(ORIENTEC(株)製)を用い、一軸延伸を行った。延伸温度は100℃、延伸速度は4mm/mim、延伸倍率は1.7〜2.3倍とした。延伸後の試料の複屈折を、傾斜型自動複屈折KOBRA-21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて測定した。結果を図5に示す。ポリメチルメタクリレートのみの場合は、およそ-1×10-4の負の複屈折を示した。これに炭酸カルシウムを0.5wt%添加したものは、-2〜2.5×10-4程度の負の複屈折を示した。この事実および実施例1および2の結果と比較すると、炭酸カルシウム針状結晶は、いずれの樹脂(アートン、ポリカーボネートおよびポリメチルメタクリレート)中においても、負の配向複屈折効果を有することが確認できた。すなわち、かかる炭酸カルシウム針状結晶の添加によって高分子鎖の配向が乱れたために、単に見かけ上樹脂の配向複屈折性が相殺されたように見えたのではなく、かかる結晶が樹脂の延伸方向に配向したために、負の配向複屈折効果を発揮しているということが証明できた。
図6、図7に顕微鏡により観察した、ポリメチルメタクリレートフィルム中における、炭酸カルシウム針状結晶粒子の挙動を示す。図6は延伸前であり、図7は延伸後である。延伸方向は写真の左右方向である。延伸前には、ポリマーフィルムの作製過程における溶媒の蒸発に伴う対流に沿った配向を示しているが、延伸を受けると炭酸カルシウムの針状結晶粒子が延伸方向へ配向していることがわかる。
(実施例4)
本実施例は、樹脂の配向複屈折性を打ち消すために添加する無機物質として、単結晶だけでなく、多結晶を使用することも可能であることを示すものである。
メチルメタクリレートとベンジルメタクリレートを82対18の重量比で共重合させることにより得られるフィルムは、モノマーレベルで光学的異方性が相殺されており、延伸配向させても全く配向複屈折が生じないことが知られている(公知文献APPLIED OPTICS Vol.36,No.19.pp.4549-4555,1997などを参照)。この比率よりもメチルメタクリレートの比率を高くすれば負の配向複屈折が生じ、逆にベンジルメタクリレートの比率を高くすれば正の配向複屈折が生じる。
メチルメタクリレート(和光純薬(株))とベンジルメタクリレート(東京化成工業(株))を84対16の重量比でガラス製の試験管へ入れ、さらに開始剤として過酸化ベンゾイル(ナカライテスク(株))を0.5wt%、連鎖移動剤としてノルマルブチルメルカプタン(和光純薬(株))を0.2wt%を加え、70℃で24時間加熱し、重合した。得られたポリマーを精製するため、重量比で10倍量の酢酸エチルに入れ、溶解させた。このポリマー溶液を大過剰のメタノール中に滴下し、ポリマーを析出させた。メンブランフィルターを用い、ポリマーを濾別し、溶媒を完全に蒸発させるためにデシケーター中で約100時間減圧乾燥することにより、純度の高いポリマーを得た。
次に、実施例1〜3で使用した炭酸カルシウム針状結晶とは異なる、炭酸カルシウム多結晶を準備した。準備した炭酸カルシウム多結晶は、平均粒径500nm(宇部マテリアルズ(株))のものであり、単結晶が凝集した多結晶体粒子である。本実施例で使用した炭酸カルシウム多結晶は、その多結晶内での各構成単結晶部分の統計的な方向により、本明細書でいう「正の複屈折性を有する微粒」になっていることが示唆された。そこで、このことを確かめるために、以下のようなフィルムを作成して検討した。
上記精製されたポリマーをまず乾燥させて酢酸エチルに加え、振盪機で攪拌し、均一な約15wt.%ポリマー溶液を調製した。この溶液を2つに分け、一方に上記0.5wt%の炭酸カルシウム多結晶を加え、均一になるように攪拌した。この2つのポリマー溶液を、それぞれ水平なガラス板上にナイフコーターを用いて展開し、蓋をかぶせて放置することで穏やかに溶媒を蒸発させた。ガラス板よりフィルム状のサンプル(厚さ約100μm)をはがし、サンプルをさらに乾燥させるために、デシケーター中で約50時間減圧乾燥を行った。
得られたポリマーフィルムは、テンシロン万能試験機RTC-1210A(株式会社エー・アンド・デイ製)を用い、90℃の温度条件下、一定の延伸速度6mm/min.で2倍に延伸した。延伸によって配向したサンプルの複屈折を、東芝精密歪計SVP-30-II(東芝硝子(株)製)を用いて直交鋭敏色板法によって測定した。得られた結果を表4に示す。
ポリマーのみの場合は、配向複屈折が相殺される組成よりもメチルメタクリレートの比率が高いため負の配向複屈折が生じているが、炭酸カルシウム多結晶を0.5wt%添加したポリマーフィルムでは、配向複屈折が相殺された。従って、本実施例に使用した炭酸カルシウム多結晶は、負の配向複屈折性を有する樹脂に添加することにより、その配向複屈折性を打ち消すことができるものである、すなわち、正の配向複屈折効果を有するものであることがわかった。
本実施例の結果より、炭酸カルシウムのように、本来その単結晶が負の複屈折性を有する無機物質であっても、結晶の形状を種々変化させることにより、正負いずれの複屈折性を示す微粒をも調製することが可能であることがわかった。すなわち、使用する樹脂の配向複屈折の正負や、その絶対値の大きさ等に応じて、種々の結晶微粒を調製することにより、あらゆる樹脂の配向複屈折性をも打ち消すことが可能であることが示唆された。
Claims (12)
- 透明な高分子樹脂と;
この高分子樹脂の結合鎖が外力により配向するのに伴ってこの結合鎖の配向方向と同じ方向に配向し、かつ、複屈折性を有する微細な無機物質と;
を含み、
この無機物質が有する複屈折性により前記配向した高分子樹脂における配向複屈折性を打ち消すことを特徴とする光学樹脂材料。 - 無機物質が鉱物又はセラミックスである請求項1に記載の光学樹脂材料。
- 無機物質が炭酸カルシウムである請求項1に記載の光学樹脂材料。
- 高分子樹脂に対する分散性の高いバインダーを用いて予め表面処理を施してある無機物質を用いた請求項1〜請求項3の何れかに記載の光学樹脂材料。
- 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の光学樹脂材料の製造方法であって、高分子樹脂を合成する重合反応の開始前あるいは重合反応開始後で且つ終了前に、無機物質を添加する段階を含んでなる製造方法。
- 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の光学樹脂材料の製造方法であって、高分子樹脂材料に無機物質を混練する段階を含んでなる製造方法。
- 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の光学樹脂材料を用いた光学部品。
- 請求項7に記載の光学部品を光学要素に用いた機器。
- 光学部品の接合に用いる接着剤において、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の光学樹脂材料を用いてなることを特徴とする接着剤。
- 液晶層と偏光板との間に介在する液晶素子用の基板において、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の光学樹脂材料を用いて形成したことを特徴とする液晶素子用の基板。
- 偏光子の両面に透明樹脂シートを接合させて形成した液晶素子用の偏光板において、透明樹脂シートとして請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の光学樹脂材料を用いたことを特徴とする液晶素子用の偏光板。
- 液晶素子を形成する各要素の接合に用いる接着剤において、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の光学樹脂材料を用いてなることを特徴とする接着剤。
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