JP3641046B2 - 後輪舵角規制装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、四輪操舵車における後輪が必要以上に転舵されないようにした後輪舵角規制装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のものとして、実開昭61−31972号に記載された装置が従来から知られている。
この従来の装置は、両端を後輪に連係した支持ロッドに、ラックを形成している。そして、このラックに、減速機の出力軸に設けたピニオンをかみ合わせるとともに、この減速機を電動モータに連係している。
そして、上記減速機に舵角規制装置を設けている。すなわち、減速機の減速ギヤに円弧状の長孔を形成するとともに、この長孔に対して出入するストッパーピンを設けている。
このようにしたストッパーピンを、ソレノイドによって駆動している。そして、小舵角モードのときに、ストッパーピンを長孔に突入させて、後輪の舵角を長孔の範囲内に規制している。それに対して、大舵角モードのときには、ストッパーピンをこの長孔から抜き、後輪舵角の規制を解除している。
なお、上記小舵角モードでは、前後輪が同一方向に転舵される同相モードとなり、大舵角モードでは、前後輪が逆方向に転舵される逆相モードとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の装置では、例えば、ストッパーピンが抜けた状態でソレノイドが作動不良になると、ストッパーピンが抜けたままとなり、後輪舵角の規制がまったくきかなくなってしまう。
また、大舵角モードのときにストッパーピンを長孔から抜いて、後輪を前輪とは逆方向に転舵している(逆相モード)が、このときに制御装置などが故障して、逆相モードから同相モードに切り替わったりすると、同相モードのもとで後輪が大きく切れてしまう。そして、本来期待している逆相モードとは異なる同相モードで後輪が大きく転舵されてしまうと、ドライバーの運転感覚が狂ってしまい、正確な車両コントロールが難しくなる。
この発明の目的は、後輪舵角を常に規制することができ、また、逆相かつ大舵角モードで後輪が転舵されるべきときに、センサーやコントローラ等の誤作動で同相モードに不本意にも切換えられたとしても、同相方向への舵角規制ができる後輪舵角規制装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前輪の操舵状態に関連して、後輪を前輪と同相モードで転舵したり逆相モードで転舵したりする四輪操舵車における後輪蛇角を、同相モードで小舵角に規制し、逆相モードで大舵角に規制する後輪舵角規制装置を前提とする。
そして、第1の発明は、両端を後輪に連係した支持ロッドと、この支持ロッドに設けた一対の規制溝と、支持ロッドをその軸方向に移動自在に支持する支持部材と、規制溝に出入自在にした一対のストッパー部材と、両ストッパー部材が規制溝内に位置するニュートラル状態を保つスプリングと、このスプリングに抗してストッパー部材を規制溝から退避させる駆動手段とを備え、しかも、支持ロッドが中立位置にあるとき、一方のストッパー部材から、このストッパー部材が位置する規制溝の一方向側の側面までの距離をL1、他方向側の側面までの距離L2とし、また、他方のストッパー部材から、このストッパー部材が位置する規制溝の一方向側の側面までの距離をL2、他方向側の側面までの距離L1とし、距離L1を距離L2よりも小さくする一方、両ストッパー部材が規制溝内に位置するニュートラル状態では、支持ロッドのストロークを距離L1で規制する小舵角モードとし、かつ、いずれかのストッパー部材を規制溝から退避させた状態では、支持ロッドのストロークを距離L2で規制する大舵角モードとする構成とした点に特徴を有する。
【0005】
第2の発明は、第1の発明において、ハンドルの操舵方向及び操舵角を検出する操舵角検出手段を設けるとともに、この操舵角検出手段で検出した操舵方向及び操舵角に応じて、ストッパーピンをニュートラル状態に保ったり、駆動手段を駆動していずれかのストッパー部材を退避させたりする点に特徴を有する。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、操舵角検出手段と、少なくともこの操舵角検出手段に関連して駆動手段を駆動する駆動回路とを備えた点に特徴を有する。
第4の発明は、第1〜3の発明において、一対の規制溝を、支持ロッドの外周面に軸方向に並べて形成するとともに、支持ロッドが中立位置にあるとき、両ストッパー部材を規制溝内で互いに接近する位置関係に偏って配置し、しかも、各ストッパー部材から規制溝の内側面までの距離をL1とし、また、各ストッパー部材から規制溝の外側面までの距離をL2とした点に特徴を有する。
第5の発明は、第1〜3の発明において、一対の規制溝を、支持ロッドの外周面に軸方向に並べて形成するとともに、支持ロッドが中立位置にあるとき、両ストッパー部材を規制溝内で互いに離れる位置関係に偏って配置し、しかも、各ストッパー部材から規制溝の外側面までの距離をL1とし、また、各ストッパー部材から規制溝の内側面までの距離をL2とした点に特徴を有する。
【0006】
第6の発明は、第1〜5の発明において、駆動手段は、各ストッパー部材に連係させた一対のソレノイドからなり、これらソレノイドは、励磁状態でストッパー部材をスプリングに抗して規制溝から退避させる点に特徴を有する。
第7の発明は、第1〜5の発明において、駆動手段は、軸方向に往復移動自在としたプランジャと、このプランジャを移動させるソレノイドと、プランジャに連係させたリンク部材あるいはカム部材とからなり、しかも、リンク部材あるいはカム部材にストッパー部材を連係させるとともに、ソレノイドを励磁してプランジャを移動させると、その方向に応じて、上記リンク部材あるいはカム部材がいずれか一方のストッパー部材を規制溝から退避させ、かつ、いずれか他方のストッパー部材を規制溝にさらに挿入する構成にした点に特徴を有する。
第8の発明は、第1〜3の発明において、一対の規制溝を支持ロッドの円周方向に180度ずらして配置する一方、駆動手段は、軸方向に往復移動自在としたプランジャと、このプランジャを移動させるソレノイドと、プランジャに連係してスライドあるいは揺動するプレート部材と、このプレート部材に設け、支持ロッドを跨がせた二股部とからなり、しかも、二股部に互いに対向させて一対のストッパー部材を設けるとともに、ソレノイドを励磁してプランジャを移動させると、その方向に応じて、上記プレート部材がスライドあるいは揺動し、いずれか一方のストッパー部材を規制溝から退避させ、かつ、いずれか他方のストッパー部材を規制溝にさらに挿入する構成にした点に特徴を有する。
【0007】
第9の発明は、第7又は第8の発明において、ストッパー部材に補助ストッパー部を設けるとともに、この補助ストッパー部は、ニュートラル状態のときに規制溝から退避した状態を保ち、かつ、ニュートラル状態からストッパー部材を規制溝にさらに挿入したときに規制溝内に位置する構成とし、しかも、補助ストッパー部が規制溝内に位置した状態では、補助ストッパー部から、距離L1とした規制溝の側面までの距離L3が、距離L1よりもよりも小さくなっている点に特徴を有する。
第10の発明は、第7又は第8の発明において、距離L1とした規制溝の側面に補助ストッパー部を設けるとともに、この補助ストッパー部は、ニュートラル状態のときにストッパー部材と対向せず、かつ、ニュートラル状態からストッパー部材を規制溝にさらに挿入したときにこのストッパー部材と対向する構成とし、しかも、ストッパー部材と対向した状態では、この補助ストッパー部からストッパー部材までの距離L3が、距離L1よりもよりも小さくなっている点に特徴を有する
第11の発明は、第1〜10の発明において、後輪を転舵するメインモータとは別に設けたフェール用のサブモータと、このサブモータの出力軸を支持ロッドに連係したり、その連係を遮断したりする電磁クラッチとを備え、メインモータに異常が発生した場合、サブモータは電磁クラッチを介して駆動力を付与し、支持ロッドを中立位置に戻す構成にした点に特徴を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1〜図3に、この発明の第1実施例を示す。
まず、第1実施例のうち、図2に示した後輪操舵機構の具体例を説明する。
筒状の支持ケース1に支持ロッド2を挿入するとともに、この支持ロッド2を、支持ケース1の両端に設けたベアリング3で摺動可能に支持している。そして、この支持ロッド2の両端には、図1に示すようにナックルアーム2aを介して後輪rを連係している。
上記支持ロッド2にはラック4を形成するとともに、このラック4にピニオン5をかみ合わせている。そして、このピニオン5を、減速機6を介して電動モータ7に連係している。
したがって、電動モータ7が駆動するとピニオン5が回転し、その回転方向に応じて支持ロッド2が移動して、後輪rを転舵することになる。
【0009】
上記のようにした支持ロッド2には、一対の規制溝8、9を形成している。そして、支持ケース1の、規制溝8、9に対応する位置に軸受10、11を設けるとともに、これら軸受10、11でストッパーピン12、13を摺動自在に支持している。
上記ストッパーピン12、13は、それぞれソレノイド14、15のロッド16、17に連結している。そして、これらロッド16、17にスプリング18、19の弾性力を作用させ、通常は、両ストッパーピン12、13が規制溝8、9内に位置するニュートラル状態を保っている。
ただし、ソレノイド14、15を励磁すると、これらソレノイド14、15は、スプリング18、19に抗してロッド16、17及びストッパーピン12、13を引き上げ、ストッパーピン12、13を規制溝8、9から退避させる。
【0010】
上記のようにして規制溝8、9に出入自在としたストッパーピン12、13は、支持ロッド2が図2に示す中立位置にあるとき、互いに接近する位置関係に偏って配置している。そして、ストッパーピン12、13から規制溝8、9の内側面までの距離L1を、ストッパーピン12、13から規制溝8、9の外側面までの距離L2よりも小さくしている。
そして、双方のソレノイド14、15が非励磁状態にあれば、ストッパーピン12、13が規制溝8、9内に位置するので、支持ロッド2は図の左右(矢印21及び矢印20)いずれの方向にも、距離L1の小ストロークでしか移動できない。
【0011】
それに対して、いずれかのストッパーピン、例えば、ストッパーピン13を規制溝9から退避させた状態では、矢印20方向に、ストッパーピン12から規制溝8の外側面までの距離L2分だけ、支持ロッド2を移動させることができる。ただし、矢印21方向には、ストッパーピン12から規制溝8の内側面までの距離L1でしか、支持ロッド2を移動させることができない。
同様に、ストッパーピン12を規制溝8から退避させた状態では、矢印21方向に、ストッパーピン13から規制溝9の外側面までの距離L2分だけ、支持ロッド2を移動させることができる。ただし、矢印20方向には、ストッパーピン13から規制溝9の内側面までの距離L1でしか、支持ロッド2を移動させることができない。
なお、図中符号22、23は、ストッパーピン12、13の位置を検出する位置センサーである。
【0012】
次に、図1に示した全体的な構造を説明する。
操舵ロッド24の両端に、ナックルアーム24aを介して前輪fを連係している。そして、操舵ロッド24にはラック25を形成するとともに、このラック25に、図示していないハンドルに連係したピニオン26をかみ合わせている。
上記ピニオン26の先端には、カム板27を設けている。そして、このカム板27には、図3に示すようにカム部27aを設けている。
さらに、上記カム板27の両側にはスイッチ機構28、29を設けるが、このスイッチ機構28、29の接点は、上記カム部27aの回転軌跡内に位置している。そして、ハンドルの操舵角が小さければ、スイッチ機構28、29をオフの状態に保つが、ハンドルの操舵角が大きくなると、カム板27のカム部27aがスイッチ機構28あるいは29に接触し、それをオンにする。
【0013】
したがって、いずれかのスイッチ機構28あるいは29がオンになることで、その操舵方向を検出でき、しかも、それが大舵角であることも検出することができる。
なお、上記カム板27及びスイッチ機構28、29が相まって、操舵角検出手段を構成するものである。
いま、例えば、スイッチ機構28がオンになると、ソレノイド14が励磁して、ストッパーピン12を規制溝8から退避させる。それに対して、スイッチ機構29がオンすると、ソレノイド15が励磁して、ストッパーピン13を規制溝9から退避させる。
これらスイッチ機構28、29のそれぞれは、電源回路30及びドライバ31、32を介してソレノイド14、15に接続している。なお、これら電源回路30及びドライバ31、32によって、駆動回路を構成する。
【0014】
また、コントローラーCを設けているが、このコントローラーCで、図示していない前輪用の電動モータの出力と、前述した後輪用の電動モータ7の出力を制御している。ただし、ここでは、コントローラCが持つ前輪側の制御機能の説明は省略する。
コントローラCには、ハンドルの転舵方向を検出する転舵方向検出回路33、前輪舵角センサー34、後輪舵角センサー35、及び前記位置センサー22、23のそれぞれの出力信号が入力する。そして、このコントローラCから出力された信号は、モータドライバー36を介して電動モータ7に伝達され、電動モータ7の出力とその回転方向とが制御される。
なお、図中符号Bは、電源であるバッテリーである。
【0015】
次に、この第1実施例の作用を説明する。
例えば、ハンドルを左に転舵すると、それを前輪舵角センサー34で検出して、コントローラCに伝達する。この信号により、コントローラCは、図示していない前輪用の電動モータを制御してアシスト力を付与し、操舵ロッド24を図1の右方向に移動させて、前輪fを左方向に転舵する。
このとき、ハンドルの操舵角が小さければ、カム板27がスイッチ機構28に接触しないので、このスイッチ機構28がオフの状態を保ち、ソレノイド14は非励磁状態にある。また、当然、他方のスイッチ機構29もオフの状態を保つので、ソレノイド15も非励磁状態を保つ。
そして、このときには、コントローラCが後輪rを前輪fと同方向に転舵させるべく電動モータ7を駆動し、支持ロッド2を矢印20方向に移動して、前輪fと同様に後輪rを左に転舵する。
【0016】
このように、ハンドルの操舵角が小さいときには、ソレノイド14、15のいずれも非励磁状態を維持するので、ストッパーピン12、13が規制溝8、9内に位置するニュートラル状態にある。したがって、支持ロッド2が矢印20方向に移動するときは、ストッパーピン13側における距離L1の範囲内で、そのストロークが規制されることになる。そして、この状態が、左転舵時の同相・小舵角モードということになる。
また、ハンドルを右に切った場合にも、その操舵角が小さければ、同様に両ソレノイド14、15が非励磁状態に保たれ、ストッパーピン12、13が規制溝8、9内に位置することになる。したがって、支持ロッド2が矢印21方向に移動するときは、ストッパーピン12側における距離L1の範囲内で、そのストロークが規制されることになる。そして、この状態が、右転舵時の同相・小舵角モードということになる。
以上述べたように、ハンドルの舵角が小さければ、両ストッパーピン12、13が規制溝8、9内に位置するので、支持ロッド2のストロークは距離L1の範囲内で規制されることになる。
【0017】
それに対して、ハンドルの操舵角が大きいと、カム板27のカム部27aがスイッチ機構28あるいは29に機械的に接触する。
例えば、ハンドルを左に切ったときには、スイッチ機構28がオンになって、ソレノイド14を励磁し、ストッパーピン12を規制溝8から退避させる。
同時に、前輪舵角センサー34が、大舵角を検出してコントローラCに伝達する。コントローラCは、大舵角の信号を受けると、支持ロッド2を操舵ロッド24とは反対方向である矢印21方向に移動させるように電動モータ7を制御し、後輪rを前輪fとは逆相方向に転舵する。
したがって、このときの支持ロッド2のストロークは、ストッパーピン13側の距離L2の範囲内で規制されることになる。そして、この状態が、左転舵時の逆相・大舵角モードということになる。
【0018】
また、ハンドルを右に切ったときには、スイッチ機構29がオンになってソレノイド15を励磁し、ストッパーピン13を規制溝9から退避させる。
同時に、コントローラーCは、左転舵の場合と同様に、支持ロッド2を前輪fの操舵ロッド24とは逆相方向である矢印20方向に移動させるように電動モータ7を制御し、後輪rを前輪fとは反対方向に転舵する。
したがって、このときの支持ロッド2のストロークは、ストッパーピン12側の距離L2の範囲内で規制されることになる。そして、この状態が、右転舵時の逆相・大舵角モードということになる。
以上述べたように、ハンドルの操舵角が大きければ、ストッパーピン12、13のいずれかが規制溝8、9から退避するので、支持ロッド2のストロークは、距離L2の範囲内に規制されることになる。
【0019】
以上述べた第1実施例によれば、例えば、ソレノイド14、15やスイッチ機構28、29が故障して作動不良になったとしても、スプリング18、19によって、ストッパーピン12、13が規制溝8、9内に位置するニュートラル状態を保つことができる。したがって、支持ロッド2のストロークを距離L1の範囲で規制することができ、もしコントローラーCが誤動作しても、後輪が必要以上に転舵されることがなく、通常の2WS感覚に近い状態を維持できる。
また、いずれかのストッパーピンを規制溝から退避させた逆相・大舵角モードのときに、センサーやコントローラ等が誤作動を起こし、不本意にも同相モードに切り替わったとしても、その最大舵角は、ストッパーピンが挿入している側の距離L1で規制されることになる。したがって、従来のように、舵角規制がないまま同相モードのもとで後輪が大きく切れてしまうことがなく、ドライバーの運転感覚が狂ってしまうのを防止できる。
なお、この第1実施例では、ストッパーピン12、13を移動させる駆動手段としてソレノイド14、15を用いたが、電動モータなど電気的に制御可能なその他の駆動手段であってもかまわない。また、規制溝8、9についても、ストロークを規制できる、例えば長孔や凸片等を、所定間隔の下に配置してもよいこと勿論である。
【0020】
図4に示す第2実施例は、規制溝8、9に対するストッパーピン12、13の位置を第1実施例と相違させたものである。すなわち、この第2実施例では、支持ロッド2が中立位置にあるときに、ストッパーピン12、13を互いに離れる位置関係に偏らせて配置している。そして、ストッパーピン12、13から規制溝8、9の外側面までの距離L1を、その内側面までの距離L2よりも小さくしている。
ただし、この場合、前記した一方のスイッチ機構28をソレノイド15に接続し、他方のスイッチ機構29をソレノイド14に接続するというように、第1実施例とは、その接続を逆になければならない。ただし、その作用は、第1実施例と全く同様であり、ここではその説明を省略する。
【0021】
図5、6に示す第3実施例では、第1実施例と比べて、電動モータ7とは別にフェール用のサブモータ37を設けている。
この第3実施例では、一対のストッパーピン12、13、ソレノイド14、15、及び位置センサー22、23等の取付位置を変えている。
つまり、規制溝8、9を、第1実施例で形成した場所ではなく、そこから支持ロッド2の円周方向に約90度ずらした場所に形成している。そして、それにともなって、ストッパーピン12、13、ソレノイド14、15、及び位置センサー22、23等の取付位置も、第1実施例の取り付け位置から、支持ケース1の円周方向に約90度ずらした位置に取り付けている。
そして、このようにして取付位置を変えることで、電動モータ7に対向する位置にサブモータ37を設けることが可能となった。
【0022】
図5からも分かるように、電動モータ7とは別にサブモータ37を設け、その出力軸を、電磁クラッチ38を介して減速器6に連係させている。
そして、このサブモータ37をコントローラーCに接続する。つまり、コントローラーCの出力信号は、モータドライバー39を介してサブモータ37に伝達されるとともに、サブモータ37の出力とその回転方向が制御される。
また、電磁クラッチ38もコントローラーCに接続され、コントローラーCからの出力信号によってオン・オフする構成になっている(図6参照)。
次に、この第3実施例の作用を説明する。
通常は、第1実施例と同様に、電動モータ7が後輪rを転舵している。このとき、電磁クラッチ38がオフとなっており、サブモータ37と減速器6の連係を遮断している。また、モータドライバー39もオフ状態となっており、サブモータ37は駆動していない。
【0023】
そして、電動モータ7に発生したなんらかの異常に気付いたときに、運転手は、図示しない手動スイッチをオンにすればよい。
この手動スイッチをオンにすると、モータドライバー36がオフ状態となるので、電動モータ7に出力信号が送られなくなる。
同時に、コントローラーCは電磁クラッチ38をオンにして、サブモータ37と減速器6を接続する。そして、例えば、ストロークセンサなどで支持ロッド2のストロークを検出するとともに、それに応じて、コントローラーCからサブモータ37に出力信号を送ると、サブモータ37が駆動力を付与し、支持ロッド2を中立位置に戻すことになる。
このように、サブモータ37を設けることで、万一メインモータである電動モータ7に異常が発生したとしても、支持ロッド2を中立位置に戻すことができ、通常の2WS感覚を維持することが可能となる。
【0024】
図7、8に示す第4実施例では、第1実施例と比べて、ストッパーピン12、13を駆動する駆動手段を変更している。そして、その他の構成については、第1実施例と全く同じなので、その詳細な説明を省略する。
第4実施例では、駆動手段が、次のようにして構成されている。
つまり、ソレノイド39、40を設けたケーシング100内に、摺動自在にプランジャ41を組み込んでいる。そして、このプランジャ41は、例えばソレノイド39を励磁すると、それに吸引されてこのソレノイド39側に移動する。逆に、ソレノイド40を励磁すると、プランジャ41はこのソレノイド40側に移動することになる。
【0025】
上記プランジャ41の両端部には第1連結部材42、43を設けるとともに、その先端にそれぞれリンク部材44、45を回動自在に組み付けている。さらに、これらリンク部材44、45には、ストッパー部材12、13を連結した第2連結部材46、47を回動自在に組み付けている。
なお、これらリンク部材44、45は、それ自体が支点44a、45aを中心として回動自在になっている。
このようにした駆動手段を規制溝8、9の間に設置するとともに、スプリング18、19を設けて、その弾性力を上記ストッパーピン12、13に作用させている。したがって、これらスプリング18、19によって、ストッパーピン12、13が規制溝8、9内に位置するニュートラル状態を保つ。そして、このときに、第1連結部材42、43と第2連結部材46、47とが直角に位置することになる。
なお、ストッパーピン12、13から規制溝8、9の側面までの距離L1、L2については、第1実施例と同じであり、その説明を省略する。
【0026】
次に、この第4実施例の作用を説明する。
例えば、ハンドルを左に切ると、コントローラーCが図示しない前輪用の電動モータを制御して、支持ロッド1にアシスト力を付与する。
このとき、ハンドルの操舵角が小さければ、第1実施例と同様、スイッチ機構28、29がオフであり、ソレノイド39、40は非励磁状態を維持する。したがって、ストッパーピン12、13が、それぞれ規制溝8、9内に位置している。
そして、コントローラーCが後輪rを前輪fと同方向にさせるべく電動モータ7を駆動し、支持ロッド2を矢印20方向に移動して、後輪rを左に転舵することは、第1実施例と同様である。。
このように、ハンドルの操舵角が小さければ、両ストッパーピン12、13が規制溝8、9内に位置するので、支持ロッド2のストロークを距離L1の範囲で規制する、同相・小舵角モードとなっている。
【0027】
それに対して、ハンドルを左に切ったときにその操舵角が大きければ、第1実施例と同様、カム板27のカム部27aがスイッチ機構28に接触してオンにする。そして、スイッチ機構28がオンになると、ソレノイド40が励磁状態となり、プランジャ41が図7の右方向に移動することになる。
プランジャ41が図7の右方向に移動すると、リンク部材44が第1連結部材42を介して引っ張られ、かつ、リンク部材45が第1連結部材43を介して押されることになる。
したがって、リンク部材44は、支点44aを中心に矢印48方向に回動して、ストッパーピン12をスプリング18に抗して規制溝8から退避させる。同時に、リンク部材45は、支点45aを中心に矢印49方向に回動して、ストッパーピン13をさらに規制溝9内に押し込むことになる
そして、コントローラーCが、前輪舵角センサー34から大舵角の信号を受け、後輪rを前輪fと反対方向に転舵することは、第1実施例と同様である。
このように、ハンドルを左に大きく切ったときには、ストッパーピン12が規制溝8から退避するので、支持ロッド2のストロークをストッパーピン13側の距離L2の範囲内で規制する、逆相・大舵角モードとなっている。
なお、ここではハンドルを左に切ったときについて説明したが、ハンドルを右に切ったときも同様である。
【0028】
以上述べた第4実施例によれば、第1実施例と同様、ソレノイド39、40やスイッチ機構28、29が故障して作動不良になったときにも、スプリング18、19によって、ニュートラル状態を保つ。したがって、コントローラーCが誤動作しても、支持ロッド2のストロークが距離L1の範囲で規制され、通常の2WS感覚に近い状態を維持できる。
また、いずれかのストッパーピンを退避させた逆相・大舵角モードのときに、万一センサーやコントローラ等が誤作動を起こし、不本意にも同相モードに切り替わったとしても、その最大舵角は、小舵角モードの規制範囲である距離L1に規制される。したがって、従来のように、舵角規制がないまま同相モードのもとで後輪が大きく切れてしまうことがなく、ドライバーの運転感覚が狂うのを防止できる。
しかも、この第4実施例では、プランジャ41が移動して、いずれか一方のストッパーピンを規制溝から退避させたときに、いずれか他方のストッパーピンを積極的に規制溝内に押し込むことになる。したがって、少なくとも一本のストッパーピンを規制溝内に確実に位置させることができ、さらに信頼性を高めることができる。
【0029】
図9に示す第5実施例は、第4実施例において、リンク部材44、45をカム部材50、51に変更した例である。
つまり、プランジャ41に設けた第1連結部材42、43の先端に、カム部材50、51を連係させている。そして、このカム部材50、51のカム部50b、51bに、ストッパーピン12、13が連結する第2連結部材46、47を引っ掛けている。このとき、スプリング18、19により、ストッパーピン12、13が規制溝8、9内に位置するニュートラル状態を保っている。
いま、例えば、ソレノイド40を励磁して、プランジャ41が図9の右方向に移動すると、カム部材50が支点50aを中心に矢印48方向に回動する。そして、そのカム部50bが第2連結部46を押し上げて、ストッパーピン12をスプリング18に抗して規制溝8から退避させる。
同時に、カム部材51も、支点51aを中心に矢印49方向に回動する。そして、そのカム部51bが下がるので、それにともなって、ストッパーピン13がスプリング19の弾性力でさらに規制溝9内に挿入することになる。
なお、その他の構成、及び作用・効果については、第4実施例と全く同じであり、ここではその詳細な説明を省略する。
【0030】
図10に示す第6実施例では、一つのカム部材52で、ストッパーピン12、13を規制溝8、9に出入りさせている。
つまり、一対のカム部53、54を有するカム部材52に、レバー部55を設け、そのレバー部55を第1連結部材56に連結している。そして、一対のカム部53、54に、それぞれ第2連結部材46、47を引っ掛けている。このとき、スプリング18、19により、ストッパーピン12、13が規制溝8、9内に位置するニュートラル状態を保っている。
いま、例えば、ソレノイド40を励磁して、プランジャ41が図10の右方向に移動すると、カム部材52が支点52aを中心に矢印57方向に回動する。
したがって、そのカム部53が第2連結部46を押し上げて、ストッパーピン12をスプリング18に抗して規制溝8から退避させる。同時に、カム部54が下がるので、それにともなって、ストッパーピン13がスプリング19の弾性力でさらに規制溝9内に挿入することになる。
なお、その他の構成、及び作用・効果については、第4実施例と全く同じであり、ここではその詳細な説明を省略する。しかも、この第6実施例では、カム部材52を一つにできるので、部品数を少なくでき、省スペース化、及びコストダウンが可能となる。
【0031】
図11に示す第7実施例では、カム部材の形状を変更している。つまり、カム部材をスライド部材58から構成し、このスライド部材58を、プランジャ41に第1連結部材59を介して連結している。そして、このスライド部材58に形成した一対のカム部60、61に、第2連結部材62、63を連係させている。このとき、スプリング18、19により、ストッパーピン12、13が規制溝8、9内に位置するニュートラル状態を保っている。
いま、例えば、ソレノイド40を励磁して、プランジャ41が図11の右方向に移動すると、スライド部材58も右方向にスライドする。
したがって、そのカム部61が第2連結部63を押し上げて、ストッパーピン13をスプリング19に抗して規制溝9から退避させる。同時に、カム部60に沿って第2連結部材62が下がるので、ストッパーピン12がスプリング18の弾性力でさらに規制溝9内に挿入することになる。
ここでも、その他の構成、及び作用・効果については、第4実施例と全く同じであり、その詳細な説明を省略する。しかも、この第7実施例では、回転機構をなくすことができ、その構造が簡単になる。
なお、この第6実施例では、ピン12、13を出入させるときのプランジャ41の移動方向が、第4〜6実施例と比べて逆になるので、スイッチング機構28、29との接続を逆にするなどしなければならない。
なお、これら第4から第7実施例では、規制溝8、9を第1実施例に基づいて配置しているが、もちろん第2実施例のように配置してもかまわない。
【0032】
図12に示す第8実施例では、一対の規制溝8、9を、支持ロッド2の円周方向に180度ずらして配置している。
また、プレート部材64に二股部を形成し、この二股部の各片をストッパー片66、67として、それぞれ規制溝8、9内に挿入している。
このとき、ストッパー辺66から、規制溝8の図12(a)の右側における側面までの距離をL1とし、左側の側面までの距離をL2としている。また、ストッパー片67から規制溝9の右側の側面までの距離をL2とし、左側の側面までの距離をL1としている。なお、これらL1及びL2については、上記各実施例と同じであり、その説明を省略する。
さらに、ソレノイド39、40を有するケーシング100内に、摺動自在にプランジャ41を組み込んでいる。ここでは、このプランジャ41は、支持ロッド2の軸方向に対して垂直方向に移動することになる。
このようにしたプランジャ41の両端に、第1連結部材42、43を介して、上記プレート部材64を連係させている。そして、プレート部材64にスプリング18、19の弾性力を作用させ、ストッパー片66、67が規制溝8、9内に位置するニュートラル状態を保っている。
【0033】
いま、例えば、ソレノイド40を励磁して、プランジャ41が図12(a)の下方向に移動すると、プレート部材64が矢印68方向にスライド移動する。
したがって、ストッパー片67が、規制溝9から退避する。同時に、ストッパー片66が、さらに規制溝8内に挿入することになる。
なお、その他の構成、及び作用・効果については、第4実施例と全く同じであり、ここではその詳細な説明を省略する。しかも、この第8施例では、規制溝8、9及び駆動手段の取付箇所を、支持ロッド2の円周方向に任意に決めることができ、取り付けの自由度を高めることができる。
また、この第8実施例では、プレート部材64をスライド移動させているが、揺動させて、ストッパー片66、67を規制溝8、9に出入りさせてもかまわない。
【0034】
図13に示す第9実施例では、第4実施例におけるストッパーピン12、13に補助ストッパー部69を設けている。
つまり、ストッパーピン12、13を、先端部と、この先端部よりも上側で、かつ、径を大きくした基端部とから構成している。そして、先端部をストッパーピンそのものとし、また、基端部を補助ストッパー部69としている。ただし、先端部を、基端部に対して規制溝8、9の外側面方向にずらしている。
このようにした補助ストッパー部69は、図13に示すニュートラル状態で、は、規制溝8、9から退避した状態を保っている。そして、このときは、ストッパーピン12、13の先端部のみが規制溝8、9内に挿入し、支持ロッド2を距離L1の範囲で規制している。
それに対して、上記ニュートラル状態からプランジャ41が移動すると、いずれかのストッパーピン12あるいは13が、規制溝8あるいは9にさらに挿入する。したがって、このストッパーピン12あるいは13側の補助ストッパー部69が規制溝内に位置し、規制溝8あるいは9の内側面に対向することになる。
ここで、この補助ストッパー部69が規制溝8あるいは9内に位置するときに、支持ロッド2が中立位置にあれば、補助ストッパー部69から規制溝8あるいは9の内側面までの距離L3が、距離L1よりも小さくなる。
【0035】
以上述べた第9実施例では、いずれか一方のストッパーピンが退避している逆相・大舵角モードのときに、いずれか他方のストッパーピンに設けた補助ストッパー部69が規制溝内に位置する。したがって、不本意に同相モードに切り替わったとしても、同相方向への支持ロッド2のストロークは、距離L3の範囲で規制されることになる。そして、例えば、この距離L3をゼロにしておけば、後輪が同相に切られることがなく、操舵感覚が狂うのをより効果的に防止できる。
なお、ここでは、ストッパーピン12、13の基端部を補助ストッパー部69としたが、例えば、ストッパーピン12、13に、別部材として補助ストッパー部69を設けてもかまわない。
また、補助ストッパー部69は、第4実施例に限らず、第5〜8実施例のいずれに用いてもよい。例えば、図14には、第9実施例のストッパー片66、67に、板状の補助ストッパー部69を設けた例を示す。
いずれにしろ、補助ストッパー部69は、それが規制溝内に位置したときに、距離L1とした規制溝8、9の側面に対向するように設けなければならない。
【0036】
図15に示す第10実施例では、第4実施例における規制溝8、9に補助ストッパー部69を設けている。
つまり、規制溝8、9の内側面に段部を形成し、その底面側を補助ストッパー部69としている。
そして、図15に示すニュートラル状態では、ストッパーピン12、13の先端のみが規制溝8、9内に位置するので、ストッパーピン12、13の先端が段部にまで達せず、支持ロッド2は距離L1の範囲で移動できることになる。
それに対して、上記ニュートラル状態からプランジャ41が移動すると、いずれかのストッパーピン12あるいは13が規制溝にさらに挿入する。したがって、このストッパーピン12あるいは13の先端が段部よりさらに下方に位置し、補助ストッパー部69に対向することになる。
ここで、ストッパーピン12あるいは13が補助ストッパー部69に対向したときに、支持ロッド2が中立位置にあれば、補助ストッパー部69からストッパーピン12あるいは13までの距離L3が、距離L1よりも小さくなる。
【0037】
この第10実施例でも、第9実施例と同様、この距離L3をゼロにしておけば、万が一同相モードに切り替わったとしても、後輪が同相方向に転舵されてしまうことがない。
なお、ここでも、補助ストッパー部69は第5〜8実施例のいずれに設けてもよく、一例として、図16に第9実施例に補助ストッパー部69を設けた例を示す。
また、いずれにしろ、補助ストッパー部69は、規制溝8、9の距離L1とした側面に設けなければならない。例えば、第2実施例のように規制溝8、9を配置すれば、補助ストッパー部69は規制溝8、9の外側面に設けなければならない。
以上述べた第1〜第10実施例では、ストッパーピン12、13あるいはストッパー片66、67が、それぞれストッパー部材を構成しているものとする。
【0038】
【発明の効果】
第1の発明によれば、ソレノイドなどが故障して作動不良になったときにも、スプリングによって、ストッパー部材が規制溝内に位置するニュートラル状態を保つ。したがって、支持ロッドのストロークが距離L1の範囲内で規制され、もしコントローラーが誤動作しても、後輪が必要以上に転舵されることがなく、通常の2WS感覚に近い状態を保障することができる。
また、いずれか一方のストッパー部材を規制溝から退避させた逆相・大舵角モードのときに、センサーやコントローラ等が誤作動を起こして不本意にも同相モードに切り替わったとしても、支持ロッドの同相方向へのストロークは、ストッパー部材が挿入している側の規制溝までの距離L1で規制されることになる。したがって、従来のように、舵角規制がないまま同相モードのもとで後輪が大きく切れてしまうことがなく、ドライバーの運転感覚を狂わせることがない。
第2、3の発明によれば、コントローラーとは別の系統で駆動手段を制御するので、コントローラーの誤動作などに影響を受けず、さらに信頼性を高めることができる。
第4、5の発明によれば、規制溝を支持ロッドの外周面に軸方向に並べて形成するので、寸法の管理などを簡単にすることができる。
第6の発明によれば、駆動手段は、ストッパー部材にそれぞれ設けた一対のソレノイドからなるので、駆動手段の構成を簡単することができる。
【0039】
第7、8の発明によれば、いずれか一方のストッパー部材を規制溝から退避させたときに、いずれか他方のストッパー部材を積極的に規制溝に挿入することとなる。したがって、少なくとも一本のストッパーピンを確実に規制溝内に位置させることができ、信頼性を高めることができる。
第9、10の発明によれば、いずれか一方のストッパー部材を規制溝から退避させた逆相・大舵角モードのときに、不本意にも同相モードに切り替わったとしても、支持ロッドの同相方向へストロークは距離L3で規制されることになる。そして、この距離L3を距離L1よりも小さく、例えばほぼゼロにしておけば、逆相・大舵角モードのときに同相方向へ後輪が切れてしまうことがなく、ドライバーの運転感覚が狂うといった不都合をより効果的に防止することができる。
第11発明によれば、メインモータに異常が発生した場合、サブモータによって支持ロッドを中立位置に保つことができるので、通常の2WS感覚を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の全体機構を示す回路図である。
【図2】第1実施例の後輪舵角規制機構の断面図である。
【図3】第1実施例のカム板とスイッチ機構との関係を示した説明図である。
【図4】第2実施例のストッパーピンと規制溝との関係を示した部分図である。
【図5】第3実施例の後輪舵角規制機構の断面図である。
【図6】第3実施例の全体機構を示す回路図である。
【図7】第4実施例の後輪舵角規制機構で、駆動手段を示す断面図である。
【図8】第4実施例の後輪舵角規制機構の作用を示したフローチャート図である。
【図9】第5実施例の後輪舵角規制機構で、駆動手段を示す断面図である。
【図10】第6実施例の後輪舵角規制機構で、駆動手段を示す断面図である。
【図11】第7実施例の後輪舵角規制機構で、駆動手段を示す断面図である。
【図12】第8実施例を後輪舵角規制機構を示す図であり、図(a)が駆動手段を示す断面図であり、図(b)が図(a)のb方向から見た断面図である。
【図13】第9実施例を示す図であり、第4実施例の後輪舵角規制装置のストッパーピンに、補助ストッパー部を設けた一部拡大図である。
【図14】第8実施例の後輪舵角規制装置で、ストッパー片に補助ストッパー部を設けた例を示す図である。
【図15】第10実施例を示す図であり、第4実施例の後輪舵角規制装置の規制溝に、補助ストッパー部を設けた一部拡大図である。
【図16】第8実施例の後輪舵角規制装置で、規制溝に補助ストッパー部を設けた例を示す図である。
【符号の説明】
1 支持ケース
2 支持ロッド
7 電動モータ
8 、9 規制溝
12、13 ストッパーピン
14、15 ソレノイド
18、19 スプリング
r 後輪
f 前輪
28、29 舵角検出手段としてのスイッチ機構
37 サブモータ
38 電磁クラッチ
39、40 ソレノイド
41 プランジャ
44、45 リンク部材
50、51、52 カム部材
64 プレート部材
66、67 ストッパー片
69 補助ストッパー部
Claims (11)
- 前輪の操舵状態に関連して、後輪を前輪と同相モードで転舵したり逆相モードで転舵したりする四輪操舵車における後輪蛇角を、同相モードで小舵角に規制し、逆相モードで大舵角に規制する後輪舵角規制装置において、両端を後輪に連係した支持ロッドと、この支持ロッドに設けた一対の規制溝と、支持ロッドをその軸方向に移動自在に支持する支持部材と、規制溝に出入自在にした一対のストッパー部材と、両ストッパー部材が規制溝内に位置するニュートラル状態を保つスプリングと、このスプリングに抗してストッパー部材を規制溝から退避させる駆動手段とを備え、しかも、支持ロッドが中立位置にあるとき、一方のストッパー部材から、このストッパー部材が位置する規制溝の一方向側の側面までの距離をL1、他方向側の側面までの距離L2とし、また、他方のストッパー部材から、このストッパー部材が位置する規制溝の一方向側の側面までの距離をL2、他方向側の側面までの距離L1とし、距離L1を距離L2よりも小さくする一方、両ストッパー部材が規制溝内に位置するニュートラル状態では、支持ロッドのストロークを距離L1で規制する小舵角モードとし、かつ、いずれかのストッパー部材を規制溝から退避させた状態では、支持ロッドのストロークを距離L2で規制する大舵角モードとする構成としたことを特徴とする後輪舵角規制装置。
- ハンドルの操舵方向及び操舵角を検出する操舵角検出手段を設けるとともに、この操舵角検出手段で検出した操舵方向及び操舵角に応じて、ストッパーピンをニュートラル状態に保ったり、駆動手段を駆動していずれかのストッパー部材を退避させたりすることを特徴とする請求項1に記載の後輪舵角規制装置。
- 操舵角検出手段と、少なくともこの操舵角検出手段に関連して駆動手段を駆動する駆動回路とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の後輪舵角規制装置。
- 一対の規制溝を、支持ロッドの外周面に軸方向に並べて形成するとともに、支持ロッドが中立位置にあるとき、両ストッパー部材を規制溝内で互いに接近する位置関係に偏って配置し、しかも、各ストッパー部材から規制溝の内側面までの距離をL1とし、また、各ストッパー部材から規制溝の外側面までの距離をL2としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一の請求項に記載の後輪舵角規制装置。
- 一対の規制溝を、支持ロッドの外周面に軸方向に並べて形成するとともに、支持ロッドが中立位置にあるとき、両ストッパー部材を規制溝内で互いに離れる位置関係に偏って配置し、しかも、各ストッパー部材から規制溝の外側面までの距離をL1とし、また、各ストッパー部材から規制溝の内側面までの距離をL2としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一の請求項に記載の後輪舵角規制装置。
- 駆動手段は、各ストッパー部材に連係させた一対のソレノイドからなり、これらソレノイドは、励磁状態でストッパー部材をスプリングに抗して規制溝から退避させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一の請求項に記載の後輪舵角規制装置。
- 駆動手段は、軸方向に往復移動自在としたプランジャと、このプランジャを移動させるソレノイドと、プランジャに連係させたリンク部材あるいはカム部材とからなり、しかも、リンク部材あるいはカム部材にストッパー部材を連係させるとともに、ソレノイドを励磁してプランジャを移動させると、その方向に応じて、上記リンク部材あるいはカム部材がいずれか一方のストッパー部材を規制溝から退避させ、かつ、いずれか他方のストッパー部材を規制溝にさらに挿入する構成にしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一の請求項に記載の後輪舵角規制装置。
- 一対の規制溝を支持ロッドの円周方向に180度ずらして配置する一方、駆動手段は、軸方向に往復移動自在としたプランジャと、このプランジャを移動させるソレノイドと、プランジャに連係してスライドあるいは揺動するプレート部材と、このプレート部材に設け、支持ロッドを跨がせた二股部とからなり、しかも、二股部に互いに対向させて一対のストッパー部材を設けるとともに、ソレノイドを励磁してプランジャを移動させると、その方向に応じて、上記プレート部材がスライドあるいは揺動し、いずれか一方のストッパー部材を規制溝から退避させ、かつ、いずれか他方のストッパー部材を規制溝にさらに挿入する構成にしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一の請求項に記載の後輪舵角規制装置。
- ストッパー部材に補助ストッパー部を設けるとともに、この補助ストッパー部は、ニュートラル状態のときに規制溝から退避した状態を保ち、かつ、ニュートラル状態からストッパー部材を規制溝にさらに挿入したときに規制溝内に位置する構成とし、しかも、補助ストッパー部が規制溝内に位置した状態では、補助ストッパー部から、距離L1とした規制溝の側面までの距離L3が、距離L1よりもよりも小さくなっていることを特徴とする請求項7又は8記載の後輪舵角規制装置。
- 距離L1とした規制溝の側面に補助ストッパー部を設けるとともに、この補助ストッパー部は、ニュートラル状態のときにストッパー部材と対向せず、かつ、ニュートラル状態からストッパー部材を規制溝にさらに挿入したときにこのストッパー部材と対向する構成とし、しかも、ストッパー部材と対向した状態では、この補助ストッパー部からストッパー部材までの距離L3が、距離L1よりもよりも小さくなっていることを特徴とする請求項7又は8記載の後輪舵角規制装置。
- 後輪を転舵するメインモータとは別に設けたフェール用のサブモータと、このサブモータの出力軸を支持ロッドに連係したり、その連係を遮断したりする電磁クラッチとを備え、メインモータに異常が発生した場合、サブモータは電磁クラッチを介して駆動力を付与し、支持ロッドを中立位置に戻す構成にしたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一の請求項に記載の後輪舵角規制装置。
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