JP3594349B2 - 後輪操舵装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、四輪操舵車における後輪が前輪の操舵角に応じて操舵し、必要以上に転舵されないようにした後輪操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両が高速で走行し、かつ、前輪が小舵角操舵であるのにもかかわらず、誤動作等により、後輪が大舵角操舵されると車両の尻振り等を起こさないよう、後輪の操舵角を制限する後輪操舵制限装置があった。
この種のものとして、実開昭61−31972号に記載された装置が従来から知られている。
この従来の装置は、両端を後輪に連係した支持ロッドにラックを形成し、このラックに、減速機の出力軸に設けたピニオンをかみ合わせるとともに、この減速機を電動モータに連係している。
そして、上記減速機にストッパーピンを用いた舵角規制装置を設けている。すなわち、減速機の減速ギヤに円弧状の長孔を形成するとともに、この長孔に対して出入するストッパーピンを設けている。
このストッパーピンは、上記スプリングに抗して長孔に突入したとき、後輪の舵角を長孔の範囲内に規制し、小舵角モードとなる。また、ストッパーピンがこの長孔から抜けたときに規制が解除され、大舵角モードとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにした従来の装置では、ストッパーピンが長孔から抜けて、その規制が解除される大舵角モードとなるが、本来、小舵角モードであるべき時に、電気的誤動作や、機械的故障によってストッパーピンが抜けてしまったような場合には、全く規制が効かない状態となってしまう。
この発明の目的は、小舵角モードで後輪が転舵されるべきときには、常に小舵角モードの範囲内での規制が働き、センサーやコントローラ等の誤作動が発生しても、後輪が大舵角操舵とならないようにすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、車両の走行状態および前輪の操舵状態に関連して作動する電動モーターの駆動力で減速機を介して連結するピニオンシャフトを回転させ、この回転力によって移動するロッドの両端に連係した後輪を操舵する後輪操舵装置において、電動モーターとして、ロッドを左右に大ストローク移動させる際に用いる大舵角用モーターと、小ストローク移動させる際に用いる小舵角用モーターとを減速機を共用して直列に設け、小舵角用モーターには第1ストローク規制装置を接続し、小舵角用モーターと減速機との間に電磁クラッチを設けるとともに、上記ロッドに形成した規制溝にストッパーピンを出入させてロッドのストローク量を規制する第2ストローク規制装置を備え、第1ストローク規制装置により規制されるストローク範囲を第2ストローク規制装置によるものよりも小さくしたものである。
第2の発明は、第1の発明を前提とし、ステアリングの回転角度があらかじめ設定した基準値を越えた場合にオンまたはオフするスイッチと、このスイッチと、電磁クラッチ、および第2ストローク規制装置用ストッパーピンの出入機構を駆動する駆動回路を設け、上記駆動回路が上記スイッチが出力する信号によって制御されることを特徴とする。
第3の発明は、上記発明を前提とし、第1ストローク規制装置が、小舵角用モーターの駆動軸と同軸のシャフトに形成したネジ部に螺合し、回転を規制し軸方向のみに移動可能にしたストッパー部材と、ストッパー部材の移動ストロークを規制するケースストッパー面と、ストッパー部材の位置検出センサとからなり、電磁クラッチが切れた状態の時には、ストッパー部材を中立位置に復帰させる機構を備えるとともに、第2ストローク規制装置は、ロッドに形成した一対の規制溝と、この溝に出入される一対のストッパーピンを備え、大ストローク移動時にはロッドの移動方向に応じてどちらか一方のストッパーピンを対応する溝から退出させる機構を備えたものである。
【0005】
【作用】
小舵角操舵時と大舵角操舵時には、それぞれ別の電動モーターを用いて、後輪操舵を行う。小舵角用モーターには、第1ストローク規制装置が設置されていて、この第1規制装置は、小舵角用モーターを使用するときには、いつでも作動する。そして、小舵角用モーター側の電磁クラッチを連結状態とすることにより、小舵角用モーターの駆動力をロッドに伝達して、後輪を操舵する。この際、大舵角用モーターはフリー回転状態なので、小舵角用モーターの駆動によって回転する。
一方、大舵角操舵時には、小舵角用モーター及び第1ストローク規制装置と、減速機との間の連結を電磁クラッチによって、切り離すので、大舵角用モーターが、第1ストローク規制装置の規制を受けないで、後輪を操舵することができる。
しかし、ロッドに設置した第2ストローク規制装置は、一方のピンを溝に挿入しているため、モーターの暴走等の故障時に、このストッパーピンが機械的ストッパーとなる。
ステアリングに接続したスイッチにより、前輪の操舵角が小舵角である時には、電磁クラッチを連結状態とするので、第1ストローク規制装置が作動する。
ストローク規制装置内のストッパー部材は、小舵角用モーターが駆動するとシャフト上を軸方向に移動し、ケースストッパー面に突き当たったときが、小舵角操舵のフルストローク時である。
また、小舵角用モーターを切り離したときには、ストッパー部材を中立位置に復帰させる。
【0006】
【実施例】
図1〜図4に示す第1実施例は、車両の走行状態、つまり車速や、前輪fの操舵角に応じて、後輪rを操舵する後輪アクチュエータ27と、この後輪アクチュエータ27を駆動する駆動回路29と、後輪rの操舵情報をフィードバックしながら電動モーター7、12を制御するコントローラCと、バッテリー26とを備えている。図中、39、40はストッパーピン位置センサである。
駆動回路29は、電源回路19と、電磁クラッチ8を作動する電磁クラッチドライバ20と、ソレノイドドライバ37、38とを備えている。
後輪アクチュエータ27の主要部は、図2に示すように、小舵角用モーター7→第1ストローク規制装置31→電磁クラッチ8→減速機6→大舵角モーター12が直列に連結され、減速機6のピニオンシャフト5が、ロッド2に形成したラック4と噛み合っている。
また、第1ストローク規制装置31は、小舵角用モーター7の回転軸と同軸のシャフト1に形成したネジ部10にねじ合わせたストッパー部材9と両側のケースストッパー面30とからなり、ストッパー部材9はシャフト1の回りに回転しないようにガイド棒35が設けられている。このため、シャフト1が回転すると、ストッパー部材9は軸方向に移動し、ケースストッパー面30に衝突すると、この回転を止める。
【0007】
第2ストローク制御装置32は、図4に示すように、ロッド2に形成した制御溝41、42と、ストッパーピン33、34と、これらのピン33、34を移動させるソレノイド35、36と、ストッパーピン位置センサ39、40とで構成されている。
図4は、一対のストッパーピン33、34が両方とも制御溝41、42に挿入された状態であり、この時のストッパーピン33、34は、制御溝41、42に対して、偏った位置である。低速大舵角操舵時にロッド2が逆相に移動するためには、その移動方向に応じて、どちらか一方のストッパーピン33または34が、制御溝より抜けている必要がある。
【0008】
次に本装置の動作を説明する。
まず、前輪を操舵するためにハンドルを回転させると、その回転角度に応じて、前輪アクチュエータ28に接続したカム板16が回転する。このカム板16は、ステアリングの回転角度が大の時、回転方向によって、スイッチ17または、スイッチ18をオンする。このカム板16とスイッチ17、18によって、大舵角操舵であるか否かが、また、ハンドル方向検出回路22によってハンドルの操舵方向の検出ができる。
ステアリングの回転角度が設定値を越える低速大舵角操舵、右操舵の場合は、ロッド13は左に移動し、前輪fは右切りとなる。このとき、ピニオン15はロッド13に形成したラック14により左回転し、カム板16によりスイッチ17をオン状態となり、電磁クラッチドライバ20はオフ、ソレノイドドライバ38がオンとなる。
【0009】
クラッチドライバ20がオフとなると、電磁クラッチ8が切れて、小舵角用モーター7と第1ストローク規制装置31は、減速機6から切り離されるので、大舵角用モーター12が、コントローラCの信号により回転する。この回転力は、減速機6→ピニオンシャフト5→ラック4と伝達され、ロッド2は右に移動し逆相の低速大舵角制御が可能になる。
ソレノイドドライバ38がオンとなると、ソレノイド36によりストッパーピン33が制御溝42より退出するので、ロッド2の右方向移動の妨げとはならないが、ストッパーピン33が制御溝41に挿入されているので、機械的ストッパーとなる。
左切りの場合は、ロッド13は右に移動し、カム板16がスイッチ18をオンするが、他の動きは同様である。ロッド2は左に移動し、ストッパーピン34が機械的ストッパーの役目を果たしながら、後輪rを操舵する。
【0010】
小舵角操舵時は、ハンドルが左右どちらに回転しても、カム板16がスイッチ17、18をオンすることが無く、両スイッチ17、18ともにオフ状態である。そのため、クラッチドライバ20の電源はオンとなり、電磁クラッチ8は接続状態となる。また、ソレノイドドライバ37、38は両方共にオフとなり、ストッパーピン33、34は制御溝41、42に挿入状態でとなる。
コントローラCにより、モータードライバ21は電源オフとなる。大舵角用モーター12は、電源が切れてフリー状態となる。また、モータードライバ25に駆動信号が入力されると、小舵角用モーター7はコントローラCのプログラム通りに、ロッド2を移動する。コントローラCは、車速センサ3、前輪操舵角センサ23、後輪操舵角センサ24の信号に応じて、小舵角用モーター7を制御する。
この時、第1ストローク規制装置31内のストッパー部材9は、両ケースストッパー面30の間隔を限度として、軸方向に移動する。つまり、電磁クラッチ8が接続されている状態であれば、何が起こっても、ロッド2のストロークは第1ストローク規制装置31で、規制される量(通常は非常に小さい)を越えないので、誤って、後輪が大舵角操舵されることはない。
【0011】
また、第1ストローク規制装置31が、機能しないようなことが起こったとしても、第2ストローク規制装置32のストッパーピン33、34が制御溝41、42に挿入されているので、異常な大舵角操舵となることはない。
ストッパー部材9は、図3に示す位置センサ11によってその位置を確認し、クラッチドライバ20がオフの時には、いつでも中立位置つまり、左右のケースストッパー面30に突き当たるまでの距離が等しくなる位置を確保している。位置センサ11は、ストッパ部材9の位置を測定し、コントローラーCに信号を送るものであれば、どのような方式のものでもかまわない。本実施例では、ストッパ部材9に傾斜面を形成し、この面に位置センサ11の退出自在の先端を接触させることによって位置を測定している。
ストッパ部材11が中立位置から移動していた場合には、コントローラCにより、モータードライバ25をオンし、小舵角用モーター7を駆動してストッパ部材9を中立位置まで移動させる。
【0012】
図5、図6に示す第2実施例は、第2ストローク規制装置32以外は、第1実施例と同様のものである。
第1実施例のソレノイド35、36を防水ソレノイド43、44に変更したので、ストッパーピン33、34の部分にカバーが不要で、小型化できる。
なお、第1、第2実施例とも、電磁クラッチ8と、大舵角モーター12を駆動する駆動回路29をコントローラCの外部に設けたので、他の回路での故障の影響を受け難い。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、小舵角操舵時に使用するモーターと大舵角操舵時用モーターとを分け、小舵角用モーター駆動時には、常に後輪を連結したロッドのストローク規制が行われる機構を2重に設けたため、高速小舵角制御時に、大舵角操舵されることがない。
また、低速大舵角操舵時にも、機械的にストローク規制する機構を設けたので、さらに安全である。
電磁クラッチと、ソレノイドを駆動する駆動回路をコントローラの外部に設けたので、他の回路での故障の影響を受け難い。
さらに、小舵角操舵時の規制用のストッパ部材が、中立位置を確保する機構を備えているため、規制されるストローク範囲が正確である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施例の後輪アクチュエータの断面図である。
【図3】図2の一部を矢印A方向から見た図である。
【図4】第1実施例の第2ストローク規制装置部分の断面図である。
【図5】第2実施例の後輪アクチュエータの断面図である。
【図6】第2実施例の第2ストローク規制装置部分の断面図である。
【符号の説明】
f 前輪
r 後輪
2 ロッド
5 ピニオンシャフト
6 減速機
7 小舵角用モーター
8 電磁クラッチ
9 ストッパー部材
10 ネジ部
11 位置センサ
12 大舵角用モーター
17 スイッチ
18 スイッチ
29 駆動回路
30 ケースストッパー面
31 第1ストローク規制装置
32 第2ストローク規制装置
33 ストッパーピン
34 ストッパーピン
35 ソレノイド
36 ソレノイド
41 制御溝
42 制御溝
43 ソレノイド
44 ソレノイド
【産業上の利用分野】
この発明は、四輪操舵車における後輪が前輪の操舵角に応じて操舵し、必要以上に転舵されないようにした後輪操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両が高速で走行し、かつ、前輪が小舵角操舵であるのにもかかわらず、誤動作等により、後輪が大舵角操舵されると車両の尻振り等を起こさないよう、後輪の操舵角を制限する後輪操舵制限装置があった。
この種のものとして、実開昭61−31972号に記載された装置が従来から知られている。
この従来の装置は、両端を後輪に連係した支持ロッドにラックを形成し、このラックに、減速機の出力軸に設けたピニオンをかみ合わせるとともに、この減速機を電動モータに連係している。
そして、上記減速機にストッパーピンを用いた舵角規制装置を設けている。すなわち、減速機の減速ギヤに円弧状の長孔を形成するとともに、この長孔に対して出入するストッパーピンを設けている。
このストッパーピンは、上記スプリングに抗して長孔に突入したとき、後輪の舵角を長孔の範囲内に規制し、小舵角モードとなる。また、ストッパーピンがこの長孔から抜けたときに規制が解除され、大舵角モードとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにした従来の装置では、ストッパーピンが長孔から抜けて、その規制が解除される大舵角モードとなるが、本来、小舵角モードであるべき時に、電気的誤動作や、機械的故障によってストッパーピンが抜けてしまったような場合には、全く規制が効かない状態となってしまう。
この発明の目的は、小舵角モードで後輪が転舵されるべきときには、常に小舵角モードの範囲内での規制が働き、センサーやコントローラ等の誤作動が発生しても、後輪が大舵角操舵とならないようにすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、車両の走行状態および前輪の操舵状態に関連して作動する電動モーターの駆動力で減速機を介して連結するピニオンシャフトを回転させ、この回転力によって移動するロッドの両端に連係した後輪を操舵する後輪操舵装置において、電動モーターとして、ロッドを左右に大ストローク移動させる際に用いる大舵角用モーターと、小ストローク移動させる際に用いる小舵角用モーターとを減速機を共用して直列に設け、小舵角用モーターには第1ストローク規制装置を接続し、小舵角用モーターと減速機との間に電磁クラッチを設けるとともに、上記ロッドに形成した規制溝にストッパーピンを出入させてロッドのストローク量を規制する第2ストローク規制装置を備え、第1ストローク規制装置により規制されるストローク範囲を第2ストローク規制装置によるものよりも小さくしたものである。
第2の発明は、第1の発明を前提とし、ステアリングの回転角度があらかじめ設定した基準値を越えた場合にオンまたはオフするスイッチと、このスイッチと、電磁クラッチ、および第2ストローク規制装置用ストッパーピンの出入機構を駆動する駆動回路を設け、上記駆動回路が上記スイッチが出力する信号によって制御されることを特徴とする。
第3の発明は、上記発明を前提とし、第1ストローク規制装置が、小舵角用モーターの駆動軸と同軸のシャフトに形成したネジ部に螺合し、回転を規制し軸方向のみに移動可能にしたストッパー部材と、ストッパー部材の移動ストロークを規制するケースストッパー面と、ストッパー部材の位置検出センサとからなり、電磁クラッチが切れた状態の時には、ストッパー部材を中立位置に復帰させる機構を備えるとともに、第2ストローク規制装置は、ロッドに形成した一対の規制溝と、この溝に出入される一対のストッパーピンを備え、大ストローク移動時にはロッドの移動方向に応じてどちらか一方のストッパーピンを対応する溝から退出させる機構を備えたものである。
【0005】
【作用】
小舵角操舵時と大舵角操舵時には、それぞれ別の電動モーターを用いて、後輪操舵を行う。小舵角用モーターには、第1ストローク規制装置が設置されていて、この第1規制装置は、小舵角用モーターを使用するときには、いつでも作動する。そして、小舵角用モーター側の電磁クラッチを連結状態とすることにより、小舵角用モーターの駆動力をロッドに伝達して、後輪を操舵する。この際、大舵角用モーターはフリー回転状態なので、小舵角用モーターの駆動によって回転する。
一方、大舵角操舵時には、小舵角用モーター及び第1ストローク規制装置と、減速機との間の連結を電磁クラッチによって、切り離すので、大舵角用モーターが、第1ストローク規制装置の規制を受けないで、後輪を操舵することができる。
しかし、ロッドに設置した第2ストローク規制装置は、一方のピンを溝に挿入しているため、モーターの暴走等の故障時に、このストッパーピンが機械的ストッパーとなる。
ステアリングに接続したスイッチにより、前輪の操舵角が小舵角である時には、電磁クラッチを連結状態とするので、第1ストローク規制装置が作動する。
ストローク規制装置内のストッパー部材は、小舵角用モーターが駆動するとシャフト上を軸方向に移動し、ケースストッパー面に突き当たったときが、小舵角操舵のフルストローク時である。
また、小舵角用モーターを切り離したときには、ストッパー部材を中立位置に復帰させる。
【0006】
【実施例】
図1〜図4に示す第1実施例は、車両の走行状態、つまり車速や、前輪fの操舵角に応じて、後輪rを操舵する後輪アクチュエータ27と、この後輪アクチュエータ27を駆動する駆動回路29と、後輪rの操舵情報をフィードバックしながら電動モーター7、12を制御するコントローラCと、バッテリー26とを備えている。図中、39、40はストッパーピン位置センサである。
駆動回路29は、電源回路19と、電磁クラッチ8を作動する電磁クラッチドライバ20と、ソレノイドドライバ37、38とを備えている。
後輪アクチュエータ27の主要部は、図2に示すように、小舵角用モーター7→第1ストローク規制装置31→電磁クラッチ8→減速機6→大舵角モーター12が直列に連結され、減速機6のピニオンシャフト5が、ロッド2に形成したラック4と噛み合っている。
また、第1ストローク規制装置31は、小舵角用モーター7の回転軸と同軸のシャフト1に形成したネジ部10にねじ合わせたストッパー部材9と両側のケースストッパー面30とからなり、ストッパー部材9はシャフト1の回りに回転しないようにガイド棒35が設けられている。このため、シャフト1が回転すると、ストッパー部材9は軸方向に移動し、ケースストッパー面30に衝突すると、この回転を止める。
【0007】
第2ストローク制御装置32は、図4に示すように、ロッド2に形成した制御溝41、42と、ストッパーピン33、34と、これらのピン33、34を移動させるソレノイド35、36と、ストッパーピン位置センサ39、40とで構成されている。
図4は、一対のストッパーピン33、34が両方とも制御溝41、42に挿入された状態であり、この時のストッパーピン33、34は、制御溝41、42に対して、偏った位置である。低速大舵角操舵時にロッド2が逆相に移動するためには、その移動方向に応じて、どちらか一方のストッパーピン33または34が、制御溝より抜けている必要がある。
【0008】
次に本装置の動作を説明する。
まず、前輪を操舵するためにハンドルを回転させると、その回転角度に応じて、前輪アクチュエータ28に接続したカム板16が回転する。このカム板16は、ステアリングの回転角度が大の時、回転方向によって、スイッチ17または、スイッチ18をオンする。このカム板16とスイッチ17、18によって、大舵角操舵であるか否かが、また、ハンドル方向検出回路22によってハンドルの操舵方向の検出ができる。
ステアリングの回転角度が設定値を越える低速大舵角操舵、右操舵の場合は、ロッド13は左に移動し、前輪fは右切りとなる。このとき、ピニオン15はロッド13に形成したラック14により左回転し、カム板16によりスイッチ17をオン状態となり、電磁クラッチドライバ20はオフ、ソレノイドドライバ38がオンとなる。
【0009】
クラッチドライバ20がオフとなると、電磁クラッチ8が切れて、小舵角用モーター7と第1ストローク規制装置31は、減速機6から切り離されるので、大舵角用モーター12が、コントローラCの信号により回転する。この回転力は、減速機6→ピニオンシャフト5→ラック4と伝達され、ロッド2は右に移動し逆相の低速大舵角制御が可能になる。
ソレノイドドライバ38がオンとなると、ソレノイド36によりストッパーピン33が制御溝42より退出するので、ロッド2の右方向移動の妨げとはならないが、ストッパーピン33が制御溝41に挿入されているので、機械的ストッパーとなる。
左切りの場合は、ロッド13は右に移動し、カム板16がスイッチ18をオンするが、他の動きは同様である。ロッド2は左に移動し、ストッパーピン34が機械的ストッパーの役目を果たしながら、後輪rを操舵する。
【0010】
小舵角操舵時は、ハンドルが左右どちらに回転しても、カム板16がスイッチ17、18をオンすることが無く、両スイッチ17、18ともにオフ状態である。そのため、クラッチドライバ20の電源はオンとなり、電磁クラッチ8は接続状態となる。また、ソレノイドドライバ37、38は両方共にオフとなり、ストッパーピン33、34は制御溝41、42に挿入状態でとなる。
コントローラCにより、モータードライバ21は電源オフとなる。大舵角用モーター12は、電源が切れてフリー状態となる。また、モータードライバ25に駆動信号が入力されると、小舵角用モーター7はコントローラCのプログラム通りに、ロッド2を移動する。コントローラCは、車速センサ3、前輪操舵角センサ23、後輪操舵角センサ24の信号に応じて、小舵角用モーター7を制御する。
この時、第1ストローク規制装置31内のストッパー部材9は、両ケースストッパー面30の間隔を限度として、軸方向に移動する。つまり、電磁クラッチ8が接続されている状態であれば、何が起こっても、ロッド2のストロークは第1ストローク規制装置31で、規制される量(通常は非常に小さい)を越えないので、誤って、後輪が大舵角操舵されることはない。
【0011】
また、第1ストローク規制装置31が、機能しないようなことが起こったとしても、第2ストローク規制装置32のストッパーピン33、34が制御溝41、42に挿入されているので、異常な大舵角操舵となることはない。
ストッパー部材9は、図3に示す位置センサ11によってその位置を確認し、クラッチドライバ20がオフの時には、いつでも中立位置つまり、左右のケースストッパー面30に突き当たるまでの距離が等しくなる位置を確保している。位置センサ11は、ストッパ部材9の位置を測定し、コントローラーCに信号を送るものであれば、どのような方式のものでもかまわない。本実施例では、ストッパ部材9に傾斜面を形成し、この面に位置センサ11の退出自在の先端を接触させることによって位置を測定している。
ストッパ部材11が中立位置から移動していた場合には、コントローラCにより、モータードライバ25をオンし、小舵角用モーター7を駆動してストッパ部材9を中立位置まで移動させる。
【0012】
図5、図6に示す第2実施例は、第2ストローク規制装置32以外は、第1実施例と同様のものである。
第1実施例のソレノイド35、36を防水ソレノイド43、44に変更したので、ストッパーピン33、34の部分にカバーが不要で、小型化できる。
なお、第1、第2実施例とも、電磁クラッチ8と、大舵角モーター12を駆動する駆動回路29をコントローラCの外部に設けたので、他の回路での故障の影響を受け難い。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、小舵角操舵時に使用するモーターと大舵角操舵時用モーターとを分け、小舵角用モーター駆動時には、常に後輪を連結したロッドのストローク規制が行われる機構を2重に設けたため、高速小舵角制御時に、大舵角操舵されることがない。
また、低速大舵角操舵時にも、機械的にストローク規制する機構を設けたので、さらに安全である。
電磁クラッチと、ソレノイドを駆動する駆動回路をコントローラの外部に設けたので、他の回路での故障の影響を受け難い。
さらに、小舵角操舵時の規制用のストッパ部材が、中立位置を確保する機構を備えているため、規制されるストローク範囲が正確である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施例の後輪アクチュエータの断面図である。
【図3】図2の一部を矢印A方向から見た図である。
【図4】第1実施例の第2ストローク規制装置部分の断面図である。
【図5】第2実施例の後輪アクチュエータの断面図である。
【図6】第2実施例の第2ストローク規制装置部分の断面図である。
【符号の説明】
f 前輪
r 後輪
2 ロッド
5 ピニオンシャフト
6 減速機
7 小舵角用モーター
8 電磁クラッチ
9 ストッパー部材
10 ネジ部
11 位置センサ
12 大舵角用モーター
17 スイッチ
18 スイッチ
29 駆動回路
30 ケースストッパー面
31 第1ストローク規制装置
32 第2ストローク規制装置
33 ストッパーピン
34 ストッパーピン
35 ソレノイド
36 ソレノイド
41 制御溝
42 制御溝
43 ソレノイド
44 ソレノイド
Claims (3)
- 車両の走行状態および前輪の操舵状態に関連して作動する電動モーターの駆動力で減速機を介して連結するピニオンシャフトを回転させ、この回転力によって移動するロッドの両端に連係した後輪を操舵する後輪操舵装置において、電動モーターとして、ロッドを左右に大ストローク移動させる際に用いる大舵角用モーターと、小ストローク移動させる際に用いる小舵角用モーターとを減速機を共用して直列に設け、小舵角用モーターには第1ストローク規制装置を接続し、小舵角用モーターと減速機との間に電磁クラッチを設けるとともに、上記ロッドに形成した規制溝にストッパーピンを出入させてロッドのストローク量を規制する第2ストローク規制装置を備え、第1ストローク規制装置により規制されるストローク範囲を第2ストローク規制装置によるものよりも小さくした後輪操舵装置。
- ステアリングの回転角度があらかじめ設定した基準値を越えた場合にオンまたはオフするスイッチと、このスイッチと、電磁クラッチ、大舵角用モーターおよび第2ストローク規制装置との間に電磁クラッチ、ストッパーピンの出入機構を駆動する駆動回路を設け、上記駆動回路が上記スイッチが出力する信号によって制御されることを特徴とする請求項1に記載の後輪操舵装置。
- 第1ストローク規制装置が、小舵角用モーターの駆動軸と同軸のシャフトに形成したネジ部に螺合し、回転を規制し軸方向のみに移動可能にしたストッパー部材と、ストッパー部材の移動ストロークを規制するケースストッパー面と、ストッパー部材の位置を検出する位置センサとからなり、電磁クラッチが切れた状態の時には、ストッパー部材を中立位置に復帰させる機構を備えるとともに、第2ストローク規制装置は、ロッドに形成した一対の規制溝と、この溝に出入される一対のストッパーピンを備え、大ストローク移動時にはロッドの移動方向に応じてどちらか一方のストッパーピンを対応する溝から退出させる機構を備えた請求項1又は2に記載の後輪操舵装置。
Priority Applications (1)
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JP3446895A JP3594349B2 (ja) | 1995-01-31 | 1995-01-31 | 後輪操舵装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP3446895A JP3594349B2 (ja) | 1995-01-31 | 1995-01-31 | 後輪操舵装置 |
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1995
- 1995-01-31 JP JP3446895A patent/JP3594349B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08207817A (ja) | 1996-08-13 |
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