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JP3625547B2 - 蛍光インク組成物およびこの蛍光インク組成物で形成される蛍光マ−ク - Google Patents

蛍光インク組成物およびこの蛍光インク組成物で形成される蛍光マ−ク Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は蛍光インク組成物およびこの蛍光インク組成物で形成される蛍光マ−クに関し、さらに詳しくは、滲みが生ぜず、分散安定性、耐光性、耐熱性および耐水性に優れた蛍光インク組成物と、この蛍光インク組成物で形成される滲みがなくて、耐光性、耐熱性および耐水性に優れた高濃度の蛍光マ−クに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、物品についての製造業者・商品名などの情報をバ−コ−ド等で表示し、その縞模様を光学的検出法により読みとって、商品の売り上げ集計や、流通の分析などに利用することが行われている。この種のバ−コ−ドは、通常、インクジェットプリンタ−などを用いて印刷され、多種多様の商品を扱う販売店等での商品の分類、識別に適している。このため、最近ではかかるバ−コ−ドシステムを利用した商品が多く見られるのみならず、このシステムをファイル管理等に応用したものがあり、たとえば、コ−ド管理による区分けによって物品を分配するシステムを適用する郵便物等にも利用されている。
【0003】
しかしながら、従来、バ−コ−ドを印刷する方法としては、白地に対して黒色のバ−コ−ドを印刷する方法が採用されており、該方法は白地と黒字との反射率の差を利用しているため、物品に汚れが生じた場合、極端に読みとりが困難になるという欠点を有しており、さらに、この方法では可視領域の反射光を必然的に使用するため、物品の外観を損ねてしまう可能性もある。
【0004】
このため、このような白黒バ−コ−ドの改良タイプとして、紫外光によって励起し、可視光を発光する蛍光マ−クを利用したり、あるいは、赤外光によって励起し、赤外光を発光する赤外蛍光バ−コ−ド(特表平6−500590)などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、紫外光によって励起し可視光を発光する蛍光体は、本質的に可視領域でみるものであるため、物品の外観を損ねるだけでなく、白黒バ−コ−ドと同様、マ−ク上での汚れ等により読み取りが困難になるという問題がある。
【0006】
また、赤外光によって励起し赤外光を発光する赤外蛍光体を用いた場合には可視光での発光を有さないため、バ−コ−ドの存在により物品の外観を損ねることなく、またマ−ク上の汚れにもさほど影響されず、マ−クを検出することが可能であるが、これらの赤外蛍光体は赤外領域の波長に吸収および発光する赤外蛍光染料からなるため、被マ−ク物が例えば和紙のようなインクを吸収しやすいものである場合に、この染料をインク化し、インクジェットプリンタ−等で印刷すると、フェザ−リング現象と呼ばれるインクの滲みが発生し、これにより読み取り率が低下し、誤操作することがある。さらに、バ−コ−ドの記録は高密度化する傾向にあるが、この場合バ−コ−ドの間隔が狭くなるため、この現象は致命的な欠点となり、実用上問題がある。
また、これら従来のインクは染料本来の性質である被マ−ク物を染色する性質を持っているため、被マ−ク物が赤外光を吸収するもの、たとえば、黒い場合に読みとることが困難となり、さらに、このインクに使用する有機染料は耐光性および耐水性が悪く、形成されたマ−クが解読できなくなるという問題がある。
また、赤外蛍光体として、ネオジム、イットリウムなどを含有する無機化合物を用いた例もある(米国特許公報4202491号、特公昭54−22326号、特開昭53−9607号等)が、これらの無機蛍光体は赤外光を発光する立ち上がり速度が遅いため、バ−コ−ド等のマ−クを高速で読み取る場合に、隣接するマ−クと出力が重なりマ−クの判別ができないという問題がある。
【0007】
この発明はかかる現状に鑑み種々検討を行った結果なされたもので、滲みが生ぜず、分散安定性、耐光性、耐熱性および耐水性に優れた蛍光インク組成物を提供し、インクジェットプリンタ−などのプリント機器を用いて蛍光マ−クを形成する場合、滲みがなくて、耐光性、耐熱性および耐水性に優れた高濃度の蛍光マ−クが得られるようにしたものである。
また、赤外吸収を有する被マ−ク物の上に赤外蛍光マ−クを設けた場合でも良好な読み取りができ、被マ−ク物の限定をされることなく、バ−コ−ドの高密度化に適した赤外蛍光マ−クが得られるようにしたものである。
さらに、沈降がなくて保存安定性がよく、インクの凝集がなくて乾燥固化した場合においても再分散性に優れた実用上問題のないインクジェットプリンタ−用インク組成物を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の蛍光インク組成物は、ガラス転移温度が30℃以上で、粒子径が30nm以上の有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子を含み、可視光領域で蛍光を示し、また、ガラス転移温度が30℃以上で、粒子径が30nm以上の有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子を含み、波長700nm以上の赤外光を吸収するとともに赤外領域に発光を示す。
【0009】
また、この発明のインクジェットプリンタ−用蛍光インク組成物は、粘度(mPa・s)/ノズル口径(μm)の関係が0.01〜1で、レイノルズ数が10.5〜2100、Weber数が38.2〜3360で、粘度(mPa・s)/表面張力の関係が0.03〜1.0となるようにしている。
【0010】
さらに、この発明の蛍光マ−クは、ガラス転移温度が30℃以上で、粒子径が30nm以上の有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子を含み、可視光領域で蛍光を示し、また、ガラス転移温度が30℃以上で、粒子径が30nm以上の有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子を含み、波長700nm以上の赤外光を吸収するとともに赤外領域に発光を示し、さらに赤外光を照射したときの発光最大出力の10〜90%の立ち上がり時間が10μsec以内となるようにしている。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明の蛍光インク組成物に含まれる有機微粒子は、ガラス転移温度が30℃以上で、粒子径が30nm以上のものであることが好ましく、ガラス転移温度が30℃以上の有機微粒子は、例えばインクジェットプリンタ−で印刷される場合、印刷物の安定性がよく、最近のようにインクの乾燥性を早める目的で40℃付近までインクを加温して用いられ、熱に対する安定性が求められるときも良好な安定性が得られる。
【0012】
特に、プリント機器の系内ではインクの温度が30℃付近まで上昇することがあり、なかでも夏場インクを保存した場合、有機微粒子はその原料の性質に起因して粘着性を示すようになり、インクの凝集を生ずる。また、有機微粒子の粘着性は画像を形成した後もみられるため、例えば紙に画像を形成した場合など、接触物に画像が転写することがあるが、有機微粒子のガラス転移温度が30℃以上であれば、インクが高温となっても粘度上昇を起こすことなく、また画像形成後でも転写することのない、保存安定性、耐熱性に優れるインクが得られる。
なお、有機微粒子のガラス転移温度は30℃以上であれば、上記特性が十分に発現するため、30℃以上であれば特に制限されないが、有機微粒子の材質上30℃以上400℃以下が好ましく、30℃以上350℃以下がより好ましい。
【0013】
また、この発明の有機微粒子は粒子径が30nm以上であれば、染料と同等の分散安定性が得られるとともに、充分な印字濃度が得られ、さらに、30nm以上となると、有機微粒子中に色素を内包することが可能となるため、インクの滲みを良好に抑制することができる。また、30nm以上であった場合、製造における粒子径のコントロールが容易であるとともに、インクジェットプリンタ用に用いる場合にはインクの再分散性が要求されるため、造膜しないことが必要であるが、この発明の有機微粒子を用いたインクでは溶剤とのぬれ性が良好であるためかかる点でも好適なインクを得ることができる。
【0014】
なお、有機微粒子は粒子径が大きくなるほど隠蔽性が向上するため、粒子径が大きければ大きいほど画像がより鮮明となり好ましいが、汎用性の点から30nm以上2μm以下が好ましく、30nm以上0.8μm以下がより好ましい。
以上のように、この発明のインク組成物は、有機微粒子が30nm以上でかつ30℃以上であった場合、インクの熱安定性、再分散性がよく、転写性のない画像を得ることができる。
【0015】
また、これらの有機微粒子を使用する場合、有機微粒子の中でも中空粒子を用いることがより好ましく、一部が中空粒子である有機微粒子も好ましく使用される。このような中空粒子は粒子中に溶媒を内包しているため、粒子径が大きくなっても比重が大きくならず、インク濃度を高くした場合でも、インクが造膜することなく再分散性に優れたインクを得ることができる。また、画像形成後では、中空粒子は光を照射したときの屈折率が粒子表面と内部で相違するため、隠蔽性をより向上することができる点からも好ましい。
【0016】
このようなガラス転移温度が30℃以上で、粒子径が30nm以上の有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子を、蛍光染料および/または白色蛍光増白剤とともに使用すると、ガラス転移温度が30℃以上で、粒子径が30nm以上の有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子を含み、可視光領域で蛍光を示すインク組成物が得られ、耐熱性および分散安定性に優れるとともに滲みが生ぜず、耐光性および耐水性に優れた蛍光インク組成物が得られる。
【0017】
また、ガラス転移温度が30℃以上で、粒子径が30nm以上の有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子に、蛍光染料および/または白色蛍光増白剤を、塊状樹脂粉砕法、乳化重合法、樹脂析出法などで処理すると、遊離した有色の蛍光染料が有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子中に取り込まれて強固に含浸結合され、蛍光染料および/または白色蛍光増白剤の性質をそのまま持続した蛍光有機顔料が得られ、このような蛍光有機顔料を使用して、蛍光インク組成物が得られる。このような蛍光有機顔料を使用した蛍光インク組成物は、顔料としての性質を有し、蛍光染料とは違って、紙などにマ−クを形成するときなどに使用しても滲みが生ぜず、分散安定性、耐光性、耐水性、発色性に優れ、さらに顔料であるため隠蔽性を付与することができ、印刷時の下地の影響を受けにくくすることができる。
【0018】
ここで、塊状樹脂粉砕法は、蛍光染料および/または白色蛍光増白剤を有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子とともに溶融混合し、冷却した後得られた固形物を粉砕する方法であり、乳化重合法は、乳化重合して得られた前記有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子の懸濁液に前記の蛍光染料および/または白色蛍光増白剤を吸着染色する方法であって、樹脂析出法は、前記の有機微粒子および蛍光染料および/または白色蛍光増白剤を溶解した水溶液に金属塩の水溶液を加えて反応させ、必要に応じて液を酸性にし、溶存する有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子を蛍光染料および/または白色蛍光増白剤を吸着したまま金属塩として析出させ、次いで、これをろ過、乾燥する方法である。
【0019】
この発明のガラス転移温度が30℃以上で、粒子径が30nm以上の有機微粒子としては、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン樹脂、アルキド樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、芳香族スルホンアミド樹脂などが好適なものとして使用され、具体例としては、日本ペイント社製;マイクロジェル、ローム&ハース社製;アクリルエマルション、日本合成ゴム社製;有機微粒子、三井石油化学社製;ケミパールなどが挙げられる。
【0020】
また、中空粒子としては、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステルなどが好適なものとして使用され、具体例としては、日本合成ゴム社製;中空粒子、ローム&ハース社製;中空粒子などが挙げられる。
【0021】
さらに、ガラス転移温度が30℃以上で、粒子径が30nm以上の有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子と併用したり、これらの有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子から蛍光有機顔料を得るため使用する蛍光染料としては、いかなる構造のものでも使用でき、たとえば、酸性染料、直接染料、カチオン染料、媒染染料、酸性媒染染料、分散染料、反応性染料、酸化染料などが好ましく使用される。また、白色蛍光増白剤も単独でまたはこれらの蛍光染料とともに好ましく使用される。
【0022】
蛍光染料の具体例としては、カラ−インデックスナンバ−(C・I)で示されるACID YELLOW3、ACID YELLOW7、ACID RED52、ACID RED77、ACID RED87、ACID RED92、ACID BLUE9、BACIC YELLOW1、BACIC YELLOW40、BACIC RED1、BACIC RED13、BACIC VIOLET7、BACIC VIOLET10、BACIC ORANGE22、BACIC BLUE7、BACIC GREEN1、DISPERSE YELLOW121、DISPERSE YELLOW82、DISPERSE ORANGE11、DISPERSE RED58、DISPERSE BLUE7、DIRECT YELLOW85、DIRECT ORANGE8、DIRECT RED9、DIRECT BLUE22、DIRECT GREEN6、FLUORESCENT BRIGHTENING AGENT55、FLUORESCENT BRIGHTENING WHITEX WS52、FLUORESCENT162、FLUORESCENT112、SOLVENT YELLOW44、SOLVENT RED49、SOLVENT BLUE5、SOLVENT PINK、SOLVENT GREEN7、PIGMENT BLUE15、PIGMENT GREEN7、PIGMENT RED53、PIGMENT RED57、PIGMENT YELLOW1などが挙げられる。
【0023】
また、白色蛍光増白剤の具体例としては、Fluoresent Brightening Agent85,86,22,174,166,90,134,84,24,87,175,176,169,,167,173,14,32,30,177,153,168,37,104,45,55,52,54,56,171,170,135,162,163,164,112,121,172,91などが挙げられる。
【0024】
蛍光有機顔料を得るとき、有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子中に含浸結合される蛍光染料および/または白色蛍光増白剤の含有割合は、有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子に対して0.001〜10重量%の範囲内であることが好ましく、これより少なければ充分な色彩が得られず、また、多すぎても充分な色彩が得られない。
【0025】
また、ガラス転移温度が30℃以上で、粒子径が30nm以上の有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子を、700nm以上の赤外波長領域に蛍光を示す有機染料またはこの有機染料と白色蛍光増白剤とともに使用すると、ガラス転移温度が30℃以上で、粒子径が30nm以上の有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子を含み、700nm以上の赤外波長を吸収するとともに赤外領域に発光を示すインク組成物が得られ、耐熱性および分散安定性に優れるとともに滲みが生ぜず、耐光性および耐水性に優れた蛍光インク組成物が得られる。
【0026】
さらに、ガラス転移温度が30℃以上で、粒子径が30nm以上の有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子に、700nm以上の赤外波長領域に蛍光を示す有機染料またはこの有機染料と白色蛍光増白剤を、塊状樹脂粉砕法、乳化重合法、樹脂析出法などで処理すると、遊離した有色の赤外波長領域に蛍光を示す有機染料またはこの有機染料と白色蛍光増白剤が有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子中に取り込まれて強固に含浸結合され、赤外波長領域に蛍光を示す有機染料またはこの有機染料と白色蛍光増白剤の性質をそのまま持続した赤外蛍光有機顔料が得られ、このような赤外蛍光有機顔料を使用して、赤外蛍光インク組成物が得られる。このような赤外蛍光有横顔料を使用した蛍光インク組成物は、顔料としての性質を有し、蛍光染料とは違って、紙などにマークを形成するときなどに使用しても滲みが生ぜず、分散安定性、耐光性、耐水性、発色性に優れ、さらに顔料であるため隠蔽性を付与することができ、印刷時の下地の影響を受けにくくすることができる。
【0027】
700nm以上の赤外波長領域に蛍光を示す有機染料としては、いかなる構造のものでも使用でき、たとえば、ポリメチン系色素、アントラキノン系色素、ジチオ−ル金属塩系色素、フタロシアニン系色素、インドフェノ−ル系色素、アミニウム系色素、ジイモニウム系色素、アゾ系色素などが好ましく用いられ、耐候性の点からポリメチン系色素がより好ましく使用される。また、白色蛍光増白剤としては、前記の蛍光インク組成物に使用されるものと同じものが好ましく用いられ、さらに有色染料を混合しても良い。
【0028】
ポリメチン系色素の具体例としては、コダックラボラトリ−ズケミカル社製;IR−140、日本化薬社製IR−820Bなどが挙げられ、アントラキノン系色素の具体例としては、日本化薬社製IR−750などが挙げられる。また、ジチオ−ル金属塩系色素の具体例としては、三井東圧社製;テトラブチルホソホニウム(1,2−ベンゼンチオラ−ト)ニコレ−ト(III)などが挙げられ、フタロシアニン系色素の具体例としては、Zn−ナフタロシアニンなどが挙げられる。また、白色蛍光増白剤の具体例としては、日本化薬社製;ミカホワイトACR、Kayapor3BSなどが挙げられる。
【0029】
赤外蛍光有機顔料を得るとき、有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子中に含浸結合される700nm以上の赤外波長領域に蛍光を示す有機染料またはこの有機染料と白色蛍光増白剤の含有割合は、有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子に対して0.001〜15重量%の範囲内であることが好ましく、これより少なければ充分な色彩および蛍光作用が得られない。また、多すぎても色が濃くなりすぎ充分な色彩が得られず、濃度消光を起こして蛍光作用が得られない。
【0030】
このように、ガラス転移温度が30℃以上で、粒子径が30nm以上の有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子を、蛍光染料および/または白色蛍光増白剤とともに併用するか、あるいはガラス転移温度が30℃以上で、粒子径が30nm以上の有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子に、蛍光染料および/または白色蛍光増白剤を含浸結合した蛍光有機顔料を使用したインク組成物、およびガラス転移温度が30℃以上で、粒子径が30nm以上の有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子を、700nm以上の赤外波長領域に吸収を持つ有機染料またはこの有機染料と白色蛍光増白剤とともに併用するか、あるいはガラス転移温度が30℃以上で、粒子径が30nm以上の有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子に、700nm以上の赤外波長領域に吸収を持つ有機染料またはこの有機染料と白色蛍光増白剤を有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子に含浸結合させた赤外蛍光有機顔料を使用したインク組成物は、これら有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子と蛍光染料および/または白色蛍光増白剤あるいは蛍光有機顔料、また有機微粒子もしくは一部または全部が中空粒子である有機微粒子と700nm以上の赤外波長領域に吸収を持つ有機染料またはこの有機染料と白色蛍光増白剤あるいは赤外蛍光有機顔料を、結合剤樹脂および必要な場合溶剤とともに混合分散して調製される。
【0031】
ここで、結合剤樹脂としては、従来一般に使用されるものがいずれも使用され、たとえば、ポリビニルアルコ−ル、アクリル樹脂、ポリエチレンオキサイド、デンプン、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、カルボキシメチルセルロ−スなどが使用される。
【0032】
また、必要に応じて使用される溶剤としては、水、アルコ−ル、ケトン、エステル、エ−テル、芳香族炭化水素系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤などが単独でもしくは混合して使用される。
【0033】
このようにして調製される蛍光インク組成物および赤外蛍光インク組成物は、インクジェットプリンタ−用、スクリ−ン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷、タンポン印刷用等種々の印刷方式に使用され、種々の印刷方式に適用する場合に応じて、分散剤、消泡剤、界面活性剤、保湿剤および電導性付与剤などが使用される。
【0034】
特に、インクジェットプリンタ−用の蛍光インク組成物および赤外蛍光インク組成物は、粘度(mPa・s)/ノズル口径(μm)の関係が0.01〜1の範囲内にあり、レイノルズ数が10.5〜2100の範囲内で、Weber数が38.2〜3360の範囲内、さらに粘度(mPa・s)/表面張力の関係が0.04〜1.0の範囲内にあることが好ましく、粘度(mPa・s)/ノズル口径(μm)の関係が0.03〜1の範囲内にあると、良好なマ−クを形成することができるが、この範囲から外れると良好なマ−クを形成することができない。
【0035】
ここで、インクジェットプリントの中心となる原理は、ジェット流の分裂による液滴の形成および液滴の飛行方向における電磁制御にあると考えられている。そして、液滴の形成は、Raileighの運動方程式で表され、最適なインクの流体力学特性はその解から得られるが、装置の設計条件からも各種の無次元数の構成指標として誘導される〔A.Kinoshita,印刷・情報記録研修会講座 講演要旨集(1987)〕。このような無次元数は種々あるが、インクに関するものとしてはレイノルズ数およびWeber数がある。
【0036】
そこで、この発明のインク組成物を用いてレイノルズ数の検討を行ったところ、レイノルズ数はR=ρνlη−1〔但し、ρ:密度(g/cm)、ν:流速(m/s)l:ノズル口径(μm)η:粘性率(mPa・s)である。〕で表され、液滴の形成が可能で、インクが流動する範囲をレイノルズ数で示すと、10.5〜2100の範囲内である必要があり、本発明のインク組成物は、レイノルズ数が前記の範囲を外れるとサテライト滴(メインインク滴ではない小粒径のインク滴)が不規則に形成されるとともに、インクの飛び散りなどが生じ、目的とする画像が形成されにくかった。
【0037】
また、インクジェットプリンタのノズル口径を種々選択し、バ−コ−ドを印字してバ−コ−ドの出力を判読するための検討を行ったところ、口径80μmが最も鮮明な画像を形成でき、高出力の印字が可能であることが明らかとなった。このためノズル口径を80μmとし、流速と粘度を変化させて印字実験を行ったところ、流速は10〜20m/sまで変化させることができ、粘度は2〜20mPa・sまで変化させることができた。これを図示すると、図1に示されるように曲面で表され、この場合、レイノルズ数は42〜840であることがわかる。
【0038】
次に、Weber数について調べたところ、Weber数はW=ρν2lγ−1〔但し、ρ:密度(g/cm)、ν:流速(m/s)l:ノズル口径(μm)γ:表面張力(mN・m−1)である。〕で表され、インクの液滴形成や泡立ちを考慮するとWeber数は38.2〜3360の範囲内である必要があり、本発明のインク組成物は、Weber数が前記の範囲をはずれるとインクの泡立ちがひどく印字できなかったり、印字可能であっても目的の画像形成が困難であった。また、バ−コ−ド印字を行う場合のより好ましいWeber数の範囲として、先のレイノルズ数と同様にノズル口径を80μmに固定して検討を行ったところ、流速を10〜20m/s、表面張力を25〜55mN・m−1まで変化させることができた。これを図示すると、図2のように曲面で示され、この場合のWeber数は、152〜1360.8まで変化していることがわかる。
【0039】
また、インクジェットプリンタ−でインクを押し出して印刷するときの泡立ちは、表面エネルギ−だけで一義的に決まるものでなく、粘性と表面張力の関数を考慮する必要があり、この発明のインク組成物では粘度(mPa・s)/表面張力(mN・m−1)の関係が0.03〜1.0の範囲内にあると良好な印字が行えた。このため、この発明のインク組成物をインクジェットプリンタ−用インクとして使用する場合には、粘度(mPa・s)/表面張力の関係が0.03〜1.0の範囲内にあるようにするのが好ましい。
【0040】
このような、蛍光インク組成物および赤外蛍光インク組成物で形成される蛍光マ−クは、可視光領域で蛍光を示すか、あるいは波長700nm以上の赤外光を吸収するとともに赤外領域に発光を示し、特に波長700nm以上の赤外光を吸収しかつ赤外領域に発光を示す赤外蛍光マ−クは、可視領域の吸収、発光がないため、物品の外観を損ねることがなく、被マ−ク物の材質、形状等、さらにはマ−ク上の汚れに影響されることのない赤外蛍光マ−クを形成することが可能となる。
【0041】
ここで、700nm以上の赤外波長領域に蛍光を示すマ−クを、波長700nm以上の赤外光の反射率が50%以上の白色の被マ−ク物に付するとき、被マ−ク物の反射出力(標準白、標準色紙研究所製:標準白No.18)をCとし、赤外蛍光マ−クに赤外光を照射して測定したときの出力をCとすると、C/Cの比が4%以下であることが好ましく、C/Cの比が4%以下の場合、読み取り操作をしても、誤操作しない読み取り率を確保することができる。
【0042】
また、赤外蛍光マ−クを波長700nm以上の赤外光の反射率が10%以下の黒色の被マ−ク物に付するときは、この赤外蛍光マ−クに赤外光を照射して測定したときの出力をCとすると、このCと前記の赤外蛍光マ−クに赤外光を照射して測定したときの出力Cとの比C/Cが5%以上であることが好ましく、C/Cが5%以上であると、標準白上で赤外蛍光体を検知して赤外蛍光マ−クを誤操作することなく読み取ることができると同時に、黒色の被マ−ク物上にあっても、赤外蛍光マ−クを問題なく読み取ることができる。
【0043】
一方、単に標準白上での出力比C/Cを4%以下とした場合には問題なく700nm以上の赤外波長領域に蛍光を示すマ−クをを検知することができても、下地が着色されている場合、例えば黒色、特にカ−ボンブラックの入った被マ−ク物上に赤外蛍光体のマ−クを設けた場合は、充分な出力を得ることができず、読みとりエラ−となって誤操作する。
【0044】
また、被マ−ク物上に付した赤外蛍光マ−クを高速読み取りで行う場合は、赤外蛍光マ−クからの応答速度の高速化が必要とされるが、この発明の赤外蛍光マ−クを用いた場合には、最大出力の10〜90%の立ち上がり時間が10μsec以内とすることが可能であり、4m/s以上の高速読み取り時でも十分な励起光を得ることができる。
【0045】
このようにして形成される赤外蛍光マ−クは、マ−ク上の汚れやインクの滲みの影響を受けにくくすることができるとともに、被マ−ク物の下地の影響を受けにくくすることができ、従って、被マ−ク物の限定をされることなく、さらに赤外吸収を有する被マ−ク物の上に赤外蛍光マ−クを設けた場合でも良好な読み取りができ、バ−コ−ドの高密度化に適した赤外蛍光マ−クが得られる。
【0046】
このようにして得られるこの発明の赤外波長領域に蛍光を示すマ−クと組み合わせて使用できるリ−ダ−としては、赤外光を照射し、赤外蛍光を検出できる機能を有するリ−ダ−であれば特に問題なく使用することができ、たとえば、図3に示すリ−ダ−が使用される。
【0047】
以下、図3に示すリ−ダ−について説明すると、図3に示すリ−ダ−は、リ−ダ−光学系と読み取り回路とから構成され、リ−ダ−光学系は、半導体レ−ザ駆動回路1と、半導体レ−ザ2と、レンズ3と、全反射ミラ−4と、平凸レンズ5,6と、スリット7と、フィルタ8と、フォトダイオ−ド9とから構成されている。
【0048】
そして、前記半導体レ−ザ2から照射された励起光10は、レンズ3で直径1mmに集束され、ミラ−4の中央に開設された透孔41を通り、レンズ5を介して赤外蛍光マ−ク担持体11の平面に対して垂直に照射される。このとき、励起光10を集束しないでミラ−4側に出射すると、励起光10の一部が前記透光41の外周部によってカットされ、そのため赤外蛍光マ−ク側に到達する励起光10の光量(励起エネルギ−)が実質的に減少し、結果的に発光出力が小さくなるから、励起光10を集束径を前記透光41の直径以下に規制する必要がある。
【0049】
赤外蛍光マ−ク12は、赤外蛍光マ−ク担持体11上を高速で搬送され、この赤外蛍光マ−ク12に励起光10が照射され、赤外蛍光体が励起されて、蛍光が第1平凸レンズ5で受光される。受光された光はミラ−4で反射されて、第2平凸レンズ6で集束され、スリット部材7ならびにフィルタ8を透過して、フォトダイオ−ド9で受光される。
【0050】
読み取り回路は、増幅回路とフィルタ回路を備えた検出回路13と、二値化処理回路14と、デコ−ド回路15と、シリアルインタフェイス16と、デ−タ処理用のパソコン17とから構成されている。
【0051】
【実施例】
次に、この発明の実施例について説明する。なお、この発明はこれら実施例に限定されるものでないことはいうまでもない。
なおまた、以下に記載される「実施例1〜7」のうち、「実施例2〜7」が、本発明の特許請求の範囲に含まれるインク組成物および蛍光マークの例を示したものであり、「実施例1」は、本発明の特許請求の範囲には含まれない、参考例としてのインク組成物および蛍光マークの例を示したものである。
実施例1
スチレン・アクリル酸エステル系樹脂の中空粒子分散液(固形分20重量%、粒子径0.3ミクロン、ガラス転移温度30℃)100重量部に対して、ローダミンB(住友化学社製)0.3重量部をエタノール6重量部に溶解した溶液を添加し、撹拌、混合して、桃色の蛍光有機顔料を得た。
これに、ジョンクリル61(ジョシソンポリマー社製;アクリルースチレン樹脂、固形分30重量%)を10重量部、水を20重量部添加し、ボールミルで3時間混合分散したのち、1ミクロンのフィルターを通してインク組成物を調製した。このインク組成物のレイノルズ数は560、Weber数は1018、粘度/ノズル口径は0.0375、粘度/表面張力は0.09であった。
そして、このようにして得られたインク組成物を用いて、インクジェットプリンターで紙上に印字した。
【0052】
実施例2
スチレン・アクリル酸エステル系樹脂の乳化重合溶液(固形分30重量%、粒子径50nm、ガラス転移温度50℃)100重量部に対して、ロ−ダミンB(住友化学社製)0.3重量部をエタノ−ル6重量部に溶解した溶液を添加し、攪拌、混合して、桃色の蛍光有機顔料を得た。
これに、ジョンクリル61(ジョンソンポリマ−社製;アクリルースチレン樹脂、固形分30重量%)を10重量部、水を20重量部添加し、ボ−ルミルで3時間混合分散したのち、1ミクロンのフィルタ−を通してインク組成物を調製した。このインク組成物のレイノルズ数は400、Weber数は842、粘度/ノズル口径は0.05、粘度/表面張力は0.1であった。
そして、このようにして得られたインク組成物を用いて、インクジェットプリンタ−で紙上に印字した。
【0053】
実施例3
スチレン・アクリル酸エステル系樹脂の乳化重合溶液(固形分30重量%、粒子径50nm、ガラス転移温度50℃)100重量部に対して、アストラゾンレッド6B(バイエル社製)0.2重量部をエタノ−ル4重量部に溶解した溶液を添加し、攪拌、混合して、桃色の蛍光有機顔料を得た。
これに、ジョンクリル61(ジョンソンポリマ−社製;アクリルースチレン樹脂、固形分30重量%)を10重量部、水を20重量部添加し、ボ−ルミルで3時間混合分散したのち、1ミクロンのフィルタ−を通してインク組成物を調製した。このインク組成物のレイノルズ数は315、Weber数は473、粘度/ノズル口径は0.05、粘度/表面張力は0.1であった。
そして、このようにして得られたインク組成物を用いて、インクジェットプリンタ−で紙上に印字した。
【0054】
実施例4
スチレン・アクリル酸エステル系樹脂の乳化重合溶液(固形分30重量%、粒子径50nm、ガラス転移温度50℃)100重量部に対して、ソ−ラ−ピュアイエロ−8G(住友化学社製)0.2重量部をエタノ−ル4重量部に溶解した溶液を添加し、攪拌、混合して、桃色の蛍光有機顔料を得た。
これに、ジョンクリル61(ジョンソンポリマ−社製;アクリルースチレン樹脂、固形分30重量%)を10重量部、水を20重量部添加し、ボ−ルミルで3時間混合分散したのち、1ミクロンのフィルタ−を通してインク組成物を調製した。このインク組成物のレイノルズ数は236、Weber数は405、粘度/ノズル口径は0.067、粘度/表面張力は0.11であった。
そして、このようにして得られたインク組成物を用いて、インクジェットプリンタ−で紙上に印字した。
【0055】
実施例5
スチレン・アクリル酸エステル系樹脂の乳化重合溶液(固形分30重量%、粒子径30nm、ガラス転移温度40℃)100重量部に対して、IR−820(日本化薬社製;ポリメチン系色素、吸収波長のピ−ク:820nm、発光波長のピ−ク:900nm)0.15重量部をアセトン5重量部に溶解させた溶液を攪拌しながら添加し、赤外蛍光有機顔料を得た。
これに、ジョンクリル61(ジョンソンポリマ−社製;アクリルースチレン樹脂、固形分30重量%)を10重量部、水を10重量部添加し、ボ−ルミルで3時間分散してインク組成物を調製した。このインク組成物のレイノルズ数は475、Weber数は1008、粘度/ノズル口径は0.0438、粘度/表面張力は0.11であった。
このようにして得られたインク組成物をインクジェットプリンタ−を用いて800nmの赤外光の反射率が70%の部分と5%の部分に分けた1つの和紙にバ−コ−ド印刷した。
【0056】
実施例6
スチレン・アクリル酸エステル系樹脂の乳化重合溶液(固形分30重量%、粒子径40nm、ガラス転移温度40℃)100重量部に対して、IR−140(コダックラボラトリ−ズケミカルズ社製;ポリメチン系色素、吸収波長のピ−ク:826nm、発光波長のピ−ク:870nm)0.1重量部をジメチルスルホキシド5重量部に溶解させた溶液を、攪拌しながら添加し、赤外蛍光有機顔料を得た。
これに、ジョンクリル61(ジョンソンポリマ−社製;アクリルースチレン樹脂、固形分30重量%)を10重量部、水を10重量部添加し、ボ−ルミルで3時間分散してインク組成物を調製した。このインク組成物のレイノルズ数は216.3、Weber数は463.5、粘度/ノズル口径は0.0714、粘度/表面張力は0.14であった。
このようにして得られたインク組成物を、インクジェットプリンタ−を用いて800nmの赤外光の反射率が60%の部分と3%の部分に分けた1つの和紙にバ−コ−ド印刷した。
【0057】
実施例7
スチレン・アクリル酸エステル系樹脂の乳化重合溶液(固形分30重量%、粒子径30nm、ガラス転移温度40℃)100重量部に対して、IR−820(日本化薬社製;ポリメチン系色素、吸収波長のピ−ク:820nm、発光波長のピ−ク:900nm)0.15重量部をアセトン5重量部に溶解させた溶液を攪拌しながら添加し、赤外蛍光有機顔料を得た。
これに、ジョンクリル61(ジョンソンポリマ−社製;アクリルースチレン樹脂、固形分30重量%)を10重量部、水を10重量部添加し、ボ−ルミルで3時間分散してインク組成物を調製した。このインク組成物のレイノルズ数は288、Weber数は721、粘度/ノズル口径は0.0714、粘度/表面張力は0.13であった。
このようにして得られたインク組成物をインクジェットプリンタ−を用いて800nmの赤外光の反射率が70%の部分と5%の部分に分けた1つの和紙にバ−コ−ド印刷した。
【0058】
比較例1
スチレン・アクリル酸エステル系樹脂の有機微粒子(固形分20重量%、粒子径20nm、ガラス転移温度40℃)の乳化重合溶液100重量部に対して、ロ−ダミンB(住友化学社製)0.15重量部をアセトン4重量部に溶解した溶液を攪拌しながら添加し、赤色の蛍光有機顔料を得た。
これに、水20重量部を添加し、ボ−ルミルで3時間混合分散したのち、1ミクロンのフィルタ−を通してインク組成物を調製した。
そして、このようにして得られたインク組成物を用いて、インクジェットプリンタ−で紙上に印字した。
【0059】
比較例2
ブチルアクリレ−トの乳化重合溶液(固形分30重量%、粒子径3ミクロン、ガラス転移温度30℃以下)100重量部に対して、アストラゾンレッド6B(バイエル社製)0.3重量部をアセトン6重量部に溶解した溶液を攪拌しながら添加し、黄色の蛍光有機顔料を得た。
これに、水20重量部を添加し、ボ−ルミルで3時間混合分散したのち、5ミクロンのフィルタ−を通してインク組成物を調製した。
そして、このようにして得られたインク組成物を用いて、インクジェットプリンタ−で紙上に印字した。
【0060】
比較例3
ロ−ダミンB(住友化学社製)2重量部、水80重量部、グリセリン15重量部、エチレングリコ−ル15重量部を攪拌混合し、1ミクロンのフィルタ−を通してインク組成物を調製した。
そして、このようにして得られたインク組成物を用いて、インクジェットプリンタ−で紙上に印字した。
【0061】
比較例4
IR820B(日本化薬社製;ポリメチン系色素、吸収波長のピ−ク:820nm、発光波長のピ−ク:900nm)0.15重量部をアセトン2重量部に溶解させた溶液を、ジョンクリル61(ジョンソンポリマ−社製;アクリルースチレン樹脂、固形分30重量%)30重量部と水90重量部とを混合した溶液に混合しながら添加し、インク組成物を調製した。
このようにして得られたインク組成物を、インクジェットプリンタ−を用いて800nmの赤外光の反射率が70%の部分と5%の部分に分けた1つの和紙にバ−コ−ド印刷した。
【0062】
比較例5
IR140(コダックラボラトリ−ズケミカルズ社製;ポリメチン系色素、吸収波長のピ−ク:826nm、発光波長のピ−ク:870nm)0.05重量部をジメチルスルホキシド5重量部に溶解させた溶液を、ジョンクリル61(ジョンソンポリマ−社製;アクリルースチレン樹脂、固形分30重量%)30重量部と、水90重量部とを混合した溶液に混合しながら添加し、インク組成物を調製した。
このようにして得られたインク組成物を、インクジェットプリンタ−を用いて800nmの赤外光の反射率が60%の部分と3%の部分に分けた1つの和紙にバ−コ−ド印刷した。
【0063】
比較例6
無機蛍光体LiNd0.5 Yb0.5 128重量部と、ジョンクリル61(ジョンソンポリマ−社製;アクリルースチレン樹脂、固形分30重量%)6重量部と、水40重量部とをボ−ルミルで分散し、インク組成物を調製した。
このようにして得られたインク組成物を、インクジェットプリンタ−を用いて800nmの赤外光の反射率が70%の部分と5%の部分に分けた1つの和紙にバ−コ−ド印刷した。
【0064】
実施例1〜4および比較例1〜3で得られたインク組成物および印刷物について、貯蔵安定性、耐光性、滲み性、再溶解性および転写特性を下記の方法で試験した。なお、本実施例および比較例ではインクジェットプリンタ−として、日立製作所社製インクジェットプリンタ−;GX−PA(ノズル口径:80μm)を用いて、印字を行い、また有機微粒子のガラス転移温度は、Perkin−Elmer社製示差走査熱量計(DSC−7)を用い、有機微粒子の溶液を80℃で24時間乾燥固化した試料を、−20℃から5℃/minで昇温させて測定したものである。
【0065】
<貯蔵安定性>
各インク組成物を、50℃の恒温槽中に100時間保存して、蛍光顔料の沈降を調べ、沈降がない場合を(○)、沈降がある場合を(×)として評価した。
【0066】
<耐光性>
各印刷物をフェ−ドメ−タ−で5時間照射し、変色を目視で観察して、変色のないものを(○)、変色のある場合を(×)として評価した。
【0067】
<滲み性>
各印刷物の印字面の滲みを観察し、滲みがない場合を(○)、滲みがある場合を(×)として評価した。
【0068】
<再溶解性>
各インク組成物をPETフィルム上に滴下し、24時間温室で乾燥固化させて、これにpH11のアルカリ水を滴下し、再分散するものを(○)、再分散しないものを(×)として評価した。
【0069】
<転写特性>
各印刷物を20枚重ね、これに5kgの加重をかけ、30℃の恒温槽に600時間保存し、転写しないものを(○)、転写するものを(×)とした。
下記表1はその結果である。
【0070】
Figure 0003625547
【0071】
また、実施例5、6および比較例4、5で得られた印刷物の印刷面の発光スペクトルをユニソク製スペクトル測定装置を用いて測定した。図4および図5はその結果を示したものであり、図4は実施例5および比較例4で得られた印刷物の印刷面の発光スペクトルを示し、図5は実施例6および比較例5で得られた印刷物の印刷面の発光スペクトルを示す。
この図4および図5から明らかなように、原料として使用した赤外蛍光染料から数十nm長波長側にシフトしているが、もとの赤外蛍光染料の性質を保持していることがわかる。
【0072】
次に、実施例5〜7および比較例4〜6で得られた和紙のバ−コ−ド印刷について、下地の反射出力およびバ−コ−ドの赤外蛍光マ−クの出力を図3に示す検出器で4m/sの高速読みとりの条件で測定した。この測定において、反射率50%のところでの反射出力をCとし、また、反射率50%のところでの赤外蛍光マ−クの出力をCとし、反射率10%の部分の赤外蛍光マ−クの出力をCとしたときのCとCの比率、およびCとCの比率を測定した。また、各バ−コ−ドの読みとりを100個の試料について行い、読みとり率が95%以上の場合を(〇)、95%未満の場合を(×)として評価した。さらに、印字物を目視で観察し、滲んでいる場合を(×)、滲んでいない場合を(〇)として評価した。
下記表2はその結果である。
【0073】
表2
Figure 0003625547
【0074】
【発明の効果】
上記表1から明らかなように、実施例1〜4で得られた蛍光有機顔料を使用したインク組成物は、分散安定性がよく、また、実施例1〜4で得られた蛍光有機顔料を使用したインク組成物で印字されたものは、いずれも比較例1〜3の蛍光染料を使用したインク組成物で印字および印刷されたものに比し、滲みがなく、耐光性および耐水性が良好で、この発明によれば、滲みがなく、分散安定性、耐光性および耐水が性に優れた蛍光インク組成物が得られることがわかる。
【0075】
また、上記表2から明らかなように、この発明で和紙に印刷されたバ−コ−ドからなる赤外蛍光マ−ク(実施例5ないし7)は、従来の和紙に印刷されたバ−コ−ドからなる赤外蛍光マ−ク(比較例4および5)に比し、滲みがなくて、読み取り率がよく、このことからこの発明による赤外蛍光マ−クは、マ−ク上の汚れやインクの滲みの影響を受けにくく、また被マ−ク物の下地の影響を受けにくくて、被マ−ク物を選ばない安定した高濃度の赤外蛍光マ−クであることがわかる。
【0076】
さらに、この発明で和紙に印刷されたバ−コ−ドからなる赤外蛍光マ−ク(実施例5ないし7)は、比較例6の無機蛍光体からなる赤外蛍光マ−クに比し、高速読み取りにおいても、誤操作を起こすことなく良好な読み取りが可能であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の蛍光インク組成物のレイノルズ数の解析図である。
【図2】この発明の蛍光インク組成物のWeber数の解析図である。
【図3】赤外蛍光を検出するリ−ダ−の一例を示す概略説明図である。
【図4】実施例5および比較例4で得られた印刷物の印刷面の発光スペクトルである。
【図5】実施例6および比較例5で得られた印刷物の印刷面の発光スペクトルである。

Claims (13)

  1. ガラス転移温度が30℃以上で、粒子径が30nm以上、50nm以下の有機微粒子と、蛍光染料および/または白色蛍光増白剤とを含み、可視光領域で蛍光を示す蛍光インク組成物
  2. ガラス転移温度が30℃以上で、粒子径が30nm以上、50nm以下の有機微粒子と、700nm以上の赤外波長領域に蛍光を示す有機染料またはこの有機染料と白色蛍光増白剤とを含み、波長700nm以上の赤外光を吸収し、赤外領域に発光を示す赤外蛍光インク組成物
  3. 請求項1記載の有機微粒子の一部または全部が中空粒子であることを特徴とする蛍光インク組成物
  4. 請求項2記載の有機微粒子の一部または全部が中空粒子であることを特徴とする赤外蛍光インク組成物
  5. 粘度(mPa・s)/ノズル口径(μm)の関係が0.01〜1のインクジェットプリンタ−用蛍光インク組成物である請求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載の蛍光インク組成物
  6. レイノルズ数が10.5〜2100のインクジェットプリンタ−用蛍光インク組成物である請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5記載の蛍光インク組成物
  7. Weber数が38.2〜3360のインクジェットプリンタ−用蛍光インク組成物である請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6記載の蛍光インク組成物
  8. 粘度(mPa・s)/表面張力の関係が0.03〜1.0のインクジェットプリンタ−用蛍光インク組成物である請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6または請求項7記載の蛍光インク組成物
  9. ガラス転移温度が30℃以上で、粒子径が30nm以上、50nm以下の有機微粒子と、蛍光染料および/または白色蛍光増白剤とを含み、可視光領域で蛍光を示す蛍光マーク
  10. 請求項9記載の有機微粒子の一部または全部が中空粒子であることを特徴とする蛍光マーク
  11. ガラス転移温度が30℃以上で、粒子径が30nm以上、50nm以下の有機微粒子と、700nm以上の赤外波長領域に蛍光を示す有機染料またはこの有機染料と白色蛍光増白剤とを含み、波長700nm以上の赤外光を吸収し、赤外領域に発光を示す赤外蛍光マーク
  12. 請求項11記載の有機微粒子の一部または全部が中空粒子であることを特徴とする赤外蛍光マーク
  13. 赤外蛍光マ−クに赤外光を照射したときの発光最大出力の10〜90%の立ち上がり時間が10μsec以内である請求項11または請求項12記載の赤外蛍光マ−ク
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