JP3624920B2 - 露光方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体素子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等を製造するためのリソグラフィ工程でマスクパターンを感光基板上に転写するための露光方法に関し、特に1つの感光基板上に異なる複数の露光装置を用いて所謂ミックス・アンド・マッチ方式で重ね合わせ露光を行う場合に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体素子等を製造するためのリソグラフィ工程において、縮小投影型露光装置(ステッパー等)等の露光装置が使用されている。一般に、例えば超LSI等の半導体素子は、ウエハ上に多数層の回路パターンを積み重ねて形成される。そして、最近の超LSI等の製造工場では、製造工程のスループット(単位時間当りのウエハの処理枚数)を高めるため、1種類の超LSI等の製造プロセス中で異なる層間の露光を別々の露光装置を使い分けて行うことが多くなって来ている。このように、同一のウエハ上で第1の露光装置によって露光された層の上に、別の第2の露光装置を用いてアライメントを行って重ね合わせ露光を行う方式は、ミックス・アンド・マッチ方式と呼ばれている。
【0003】
図8は、露光フィールドの大きさが同一の2台の露光装置を用いてミックス・アンド・マッチ方式で露光を行う場合の従来例の説明図であり、先ず第1の露光装置によって図8(a)に示すように、ウエハW上の点線で示す第1層目のショット領域29A,29B,…,29Iに対して、それぞれ図8(b)のレチクルRAのパターン像が転写される。この場合、第1の露光装置のウエハステージの移動位置を規定する座標系(ステージ座標系)をX1軸、Y1軸として、Y1軸はX1軸に垂直な理想的なY1* 軸から時計回りに角度ωだけ傾斜しているものとする。また、レチクルRAのパターン領域2A内には同一の2個の回路パターン12A,12Bが形成され(所謂2個取り)、露光時には回路パターン12A,12BがX1軸に垂直な方向に沿って配列されるようにレチクルRAの回転角が設定されている。
【0004】
この結果、第1層目のショット領域29A〜29Iは、X1軸及びY1軸に沿って所定ピッチで配列され、そのショット配列には直交度誤差ωが生じている。また、各ショット領域29A〜29Iには、それぞれX1軸に垂直な方向に2個の同一の回路パターン像が転写される。
次に、第2の露光装置によって、ウエハW上の第2層目のショット領域にそれぞれ図8(c)のレチクルRCのパターン像を転写する。この場合、第2の露光装置のステージ座標系をX2軸、Y2軸として、第2の露光装置でのプリアライメントによって、ウエハW上の第1層目のX1軸に対応する方向がX2軸に平行に設定されているものとする。なお、説明の便宜上、図8(a)における座標系(X1,Y1)、及び座標系(X2,Y2)の原点はそれぞれウエハWの中心に設定されているが、原点の位置は任意である。また、レチクルRCのパターン領域2C内にも同一の2個の回路パターン27A,27Bが形成され、レチクルRAのパターン領域2Aのウエハ上での投影像(露光フィールド)と、レチクルRCのパターン領域2Cのウエハ上での投影像(露光フィールド)とは同じ大きさである。
【0005】
この場合、第2の露光装置では、例えば特開昭61−44429号公報で開示されているエンハンスト・グローバル・アライメント(以下、「EGA」という)方式でアライメントを行う。即ち、ウエハW上の第1層目から選択された所定個数のショット領域(サンプルショット)に付設されたウエハマーク(不図示)の配列座標を計測することにより、全ショット領域のステージ座標系(X2,Y2)での配列座標を算出する。これによって、第2の露光装置では第1層目のショット配列に直交度誤差ωが存在することを認識できる。
【0006】
そこで、第2の露光装置では、図8(c)に示すように2個の回路パターン27A,27BがX2軸に垂直な方向に沿って配列されるようにレチクルRCの回転角を設定した後、直交度誤差ωを考慮して第2層目のショット配列を設定して露光を行う。この結果、図8(a)に示すように、ウエハW上の実線で示す第2層目のショット領域30A,30B,…,30Iに対して、それぞれレチクルRCの回路パターン像が転写され、第1層目のショット配列と第2層目のショット配列とは正確に重なっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、2台の露光装置の露光フィールド(ショット領域)の大きさが同一である場合には、第1層目のショット配列に直交度誤差が生じていても、例えばEGA方式でアライメントを行うことによって、2層間の重ね合わせ精度を高精度に維持できる。
【0008】
しかしながら、2台の露光装置の露光フィールドの大きさが異なる場合に、第1層目のショット配列に直交度誤差が生じていると、従来の露光方法では2層間の重ね合わせ精度を或る程度以上に改善できないという不都合があった。
図9は、露光フィールドの大きさが異なる2台の露光装置を用いてミックス・アンド・マッチ方式で露光を行う従来例の説明図であり、先ず第1の露光装置によって図9(b)に示すように、2個取りのレチクルRAのパターン像がウエハ上の第1層目の各ショット領域に露光され、次に第2の露光装置によって図9(c)に示すように、3個取りのレチクルRBのパターン像がウエハ上の第2層目の各ショット領域に露光される。この場合、レチクルRBのパターン領域2Bには、3個の同一の回路パターン13A〜13Cが描画されており、レチクルRBのウエハ上への投影像は、レチクルRAの投影像に対して横方向の幅が同じで、縦方向の幅が3/2倍となっている。
【0009】
この場合も、第1の露光装置のステージ座標系を(X1,Y1)、第2の露光装置のステージ座標系を(X2,Y2)として、X1軸に対してX2軸を合わせてアライメント及び露光を行うものとする。また、第1の露光装置でレチクルRAを2個の回路パターンがX1軸に垂直な方向に沿って配列されるように設定して露光を行うと、図9(a)に示すように、ウエハW上の点線で示す第1層目のショット領域29A,29B,…,29Iに対して露光が行われ、図8の例と同様にショット領域29A〜29Iの配列には直交度誤差が生じる。
【0010】
その後、第2の露光装置によってウエハWをEGA方式でアライメントした後、レチクルRBを3個の回路パターンがX2軸に垂直な方向に沿って配列されるようにして露光を行うと、図9(a)に実線で示すように、ウエハW上の第2層目のショット領域31A〜31Fに対して露光が行われる。ところが、第1層目のショット領域は2個取りで、第2層目のショット領域は3個取りであるため、第1層目のショット配列と第2層目のショット配列とはX1軸にほぼ垂直な方向での行数が異なってしまう。その結果、ショット配列の行、又は列の間で発生する誤差である直交度誤差の影響を除去しきれないという不都合が生ずる。例えば図9(a)では、ショット領域29Aとショット領域31AとをX1方向(X2方向)で合わせると、ショット領域29Bとショット領域31Aとの間にX1方向への大きな重ね合わせ誤差が生ずる。
【0011】
本発明は斯かる点に鑑み、感光基板上での露光フィールド(ショット領域)の大きさの異なる複数の露光装置を用いてミックス・アンド・マッチ方式で露光を行う場合に、第1層目のショット配列に直交度誤差が残存している際の重ね合わせ誤差を低減できる露光方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による露光方法は、例えば図1に示すように、所定形状の第1の露光フィールド(4A)を有し、基準となる第1方向の座標軸(X1)とこの第1方向の座標軸に対して実質的に直交度誤差を生じている第2方向の座標軸(Y1)とを持つ第1の露光装置(1A)を用いて感光基板(W)上に第1のマスクパターンを所定配列で露光し、第1の露光フィールド(4A)に比べて所定方向(Y2)に長さの異なる第2の露光フィールド(4B)を有する第2の露光装置(1B)を用いて、感光基板(W)上に第2のマスクパターンを重ねて露光する露光方法において、その第1のマスクパターン(2A)は互いに同一の複数の第1の部分パターンを第3方向に配列したパターンであり、その第2のマスクパターン(2B)は互いに同一の複数の第2の部分パターンを第4方向に配列したパターンであり、第1の露光装置(1A)を用いてその第1のマスクパターンを感光基板(W)上に露光する際に、例えば図2に示すように、その第1のマスクパターンの前記第3方向がその第1方向に対応する方向に平行になるようにその第1のマスクパターンの回転角を設定して露光を行い、第2の露光装置(1B)を用いてその第2のマスクパターンを感光基板(W)上に露光する際に、その第2のマスクパターンのその第4方向がその所定方向に平行になるようにその第2のマスクパターンの回転角を設定して露光を行うものである。
【0013】
斯かる本発明によれば、例えば図2に示すように、その第1のマスクパターンが露光される複数のショット領域(21A〜21I)の配列は、その第2の露光フィールドと長さが異なる方向に対応する方向をX1方向とすると、X1方向に隣接するショット領域(21A,21B,21C)の中心を通る直線(図2ではX1軸に平行な直線)がX1方向に平行になる。その結果、例えば図2の感光基板(W)を90°回転させた図4(a)に示すように、第1層目のショット領域(21A,21B,21C)上に第2の露光装置(1B)による第2層目のショット領域(26A,26B)を配列することにより、その第1層目のショット配列に直交度誤差(ω)が存在する場合でも重ね合わせ誤差が最小になる。
【0014】
本発明において、その第2の露光装置のその所定方向(Y2)は、その第2の露光装置の基準となる座標軸(X2)に対して実質的に90°で交差していてもよい。
この場合、その図2に示す方法は、第1の露光装置(1A)を用いてその第1のマスクパターンを感光基板(W)上に露光する際に、感光基板(W)及びその第1のマスクパターンをそれぞれ通常の状態(その第1の部分パターンの配列方向である第3方向をその基準となる第1方向の座標軸に直交させるようにした状態)から90°回転しておくものである。これにより、その第1層目のショット配列に直交度誤差(ω)が存在しても、その第1層目のショット配列を第2の露光フィールド(4B)と長さが異なる方向に対応する方向(X1方向)に沿って直線状に配列できる。
【0015】
また、第2の露光装置(1B)の一例は走査露光型の露光装置であり、この場合、その所定方向が走査方向であることが望ましい。走査露光型では、容易に走査方向に対して露光フィールドを長くできるためである。
また、本発明による別の露光方法は、所定形状の第1の露光フィールドを有し、基準となる第1方向の座標軸(X1)とこの第1方向の座標軸に対して実質的に直交度誤差を生じている第2方向の座標軸(Y1)とを持つ第1の露光装置(1A)を用いて感光基板(W)上に第1のマスクパターンを所定配列で露光し、その後に、その第1の露光フィールドに比べて所定方向(Y2)に長さの異なる第2の露光フィールドを有する第2の露光装置(1B)を用いて、その感光基板上に第2のマスクパターンを重ねて露光する露光方法において、その感光基板上の複数のショット領域のエッジを結んで得られる直線がその第1方向と平行となるように、その複数のショット領域のそれぞれにその第1のマスクパターンを露光し、その第1の露光装置で露光された複数のショット領域のエッジを結んで得られる直線をその第2の露光装置のその所定方向と平行にして、その第2のマスクパターンをその感光基板上に重ねて露光するものである。
また、本発明による更に別の露光方法は、所定形状の第1の露光フィールドを有する第1の露光装置(1A)を用いて第1のマスクパターンが露光された感光基板(W)上に、その第1の露光フィールドに比べて走査方向(Y2)に長さの異なる第2の露光フィールドを有する走査型の第2の露光装置(1B)を用いて第2のマスクパターンを重ねて露光する露光方法において、その第1の露光装置は、基準となる第1方向の座標軸(X1)とこの第1方向の座標軸に対して実質的に直交度誤差を生じている第2方向の座標軸(Y1)とを有し、その第1の露光装置を用いてその第1のマスクパターンが露光されたその感光基板上の複数のショット領域は、それぞれ同一パターン像が露光される部分ショット領域を有し、その部分ショット領域の配列方向はその複数のショット領域のエッジを結んで得られる直線と平行で、かつその複数のショット領域のエッジを結んで得られる直線はその第1のマスクパターンの露光時にその第1方向と平行であり、その複数のショット領域のエッジを結んで得られる直線をその走査方向と平行にして、その第1の露光装置を用いてその第1のマスクパターンが露光されたその感光基板上にその第2の露光装置を用いてその第2のマスクパターンを重ねて露光するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による露光方法の実施の形態の第1の例につき図1〜図4を参照して説明する。この例では、2台の露光装置として、縮小倍率が1/5倍の一括露光方式の投影露光装置(ステッパー)と、縮小倍率が1/4倍のステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置とを使用する。また、本例では前者の投影露光装置で露光される各ショット領域からはそれぞれ2個のチップパターンが切り出され(2個取り)、後者の投影露光装置で走査露光される各ショット領域からはそれぞれ3個のチップパターンが切り出される(3個取り)場合を扱う。
【0017】
図1は、本例の露光システムを示し、この図1において、一括露光方式の投影露光装置であるステッパー1Aと、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(以下、「走査型露光装置」と呼ぶ)1Bとが設置されている。本例では、ステッパー1Aは高解像度、走査型露光装置1Bは低解像度であり、ステッパー1Aを用いて、ウエハ上で高い解像度が必要なクリティカルレイヤへの露光を行い、走査型露光装置1Bを用いて、ウエハ上で比較的低解像度でもよいミドルレイヤへの露光を行う。但し、製造する半導体素子の種類等に応じて、ステッパー1Aを低解像度用としたり、又は走査型露光装置1Bを高解像度用とする場合も有り得る。
【0018】
先ず、ステッパー1Aにおいて、レチクルRA上のパターン領域2Aが不図示の照明光学系からの露光光により照明され、パターン領域2A内のパターンが投影光学系3Aにより1/5倍に縮小されて、ウエハW上の矩形の露光フィールド4Aに投影露光される。その投影光学系3Aの光軸に平行にZ1軸を取り、Z1軸に垂直な平面の直交座標をX1軸及びY1軸とする。レチクルRA上のパターン領域2Aは、所定方向(図1ではY1方向)に同一の大きさの部分パターン領域12A及び12Bに分かれ、部分パターン領域12A及び12Bには同一の配列で回路パターン、及びアライメントマークの原画パターンが描画されている。
【0019】
ウエハWはウエハステージ5A上に保持され、ウエハステージ5Aは、Z1軸方向にウエハWの露光面をベストフォーカス位置に設定するZステージ、並びにX1軸及びY1軸方向にウエハWを位置決めするXYステージ等から構成されている。ウエハステージ5A上には直交するように2枚の移動鏡6A及び8Aが固定され、外部に設置されたレーザ干渉計7A,9A及び移動鏡6A,8Aによりウエハステージ5AのX1方向、Y1方向の座標が計測されている。レーザ干渉計7A及び9Aにより計測された座標は、装置全体の動作を統轄制御する制御装置10Aに供給され、制御装置10Aは、不図示の駆動部を介してウエハステージ5AをX1方向及びY1方向にステッピング駆動することにより、ウエハWの位置決めを行う。この場合、ウエハWのステッピング駆動は、ウエハWの露光面に設定されたショット領域(パターン領域2Aのパターン像が投影露光される単位となる領域)の配列、即ちクリティカルレイヤ用のショットマップに従って行われ、このショットマップは制御装置10A内のコンピュータよりなるマップ作成部により作成される。また、本例のステッパー1Aのウエハステージ5Aの移動位置を規定する座標系(ステージ座標系)(X1,Y1)には所定の直交度誤差ωが残存しているものとする。
【0020】
更に、本例のステッパー1Aには、オフ・アクシス方式で且つ撮像方式(FIA方式)のアライメント系11Aが備えられている。アライメント系11Aでは、ウエハW上のアライメントマーク(ウエハマーク)を撮像し、得られる撮像信号を処理してそのウエハマークのX1座標、及びY1座標を検出する。検出された座標は制御装置10Aに供給される。
【0021】
なお、アライメント系としては、TTR(スルー・ザ・レチクル)方式のアライメント系、又は投影光学系3Aを介してマークの位置を検出するTTL(スルー・ザ・レンズ)方式のアライメント系等を使用してもよく、マークの検出方式としては、スリット状のレーザビームとマークとを相対走査するレーザ・ステップ・アライメント方式(LSA方式)、又は2光束を回折格子状のマークに照射して平行に発生する1対の回折光の干渉信号から位置検出を行う所謂2光束干渉方式(LIA方式)等を使用してもよい。
【0022】
次に、本例の走査型露光装置1Bにおいて、レチクルRBのパターン領域2Bの一部が不図示の照明光学系からの露光光で照明され、その一部のパターン像は、投影光学系3Bを介して1/4倍に縮小されて、ウエハステージ5B上に保持されるウエハW上のスリット状の露光領域14に投影露光される。ここで、投影光学系3Bの光軸に平行にZ2軸を取り、Z2軸に垂直な平面の直交座標系をX2軸及びY2軸とする。この状態でレチクルRBを−Y2方向(又は+Y2方向)に走査するのと同期して、ウエハWを+Y2方向(又は−Y2方向)に走査することにより、ウエハW上の露光フィールド4BにレチクルRBのパターン領域2B内のパターン像が逐次投影される。
【0023】
この場合、レチクルRBのパターン領域2Bは走査方向であるY2方向に同一の大きさの3個の部分パターン領域13A〜13Cに分割され、露光フィールド4Bの大きさは走査方向にステッパー1Aの露光フィールド4Aに対して3/2倍で、非走査方向に等しく(1倍に)なっている。即ち、露光フィールド4Bは露光フィールド4Aに対してY2方向に長くなっている。
【0024】
走査型露光装置1BのレチクルRBを走査する不図示のレチクルステージの位置は不図示のレーザ干渉計により計測され、ウエハステージ5BのX2座標は、移動鏡6B及びレーザ干渉計7Bにより計測され、ウエハステージ5BのY2座標は、移動鏡8B及びレーザ干渉計9Bにより計測され、これらの計測結果が制御装置10Bに供給されている。本例ではX2軸とY2軸とは直交しているものとする。制御装置10Bが不図示のレチクルステージ、及びウエハステージ5Bの同期駆動を制御する。また、ウエハステージ5Bの走査露光は、ウエハWの露光面に設定されたミドルレイヤ用のショットマップに従って行われ、このショットマップは制御装置10B内のコンピュータよりなるマップ作成部により作成される。
【0025】
この場合、制御装置10A内のマップ作成部と、制御装置10B内のマップ作成部とは互いに作成したショットマップ情報を供給する機能を有している。そして、例えばクリティカルレイヤ上にミドルレイヤの露光を行うときには、ステッパー1Aに備えられた制御装置10Aで作成されたクリティカルレイヤ用のショットマップ情報が、他方の制御装置10Bに送信され、制御装置10B内のマップ作成部は、供給されたショットマップ情報に基づいてミドルレイヤ用のショットマップを作成する。逆に、ミドルレイヤ上にクリティカルレイヤの露光を行う際には、制御装置10Bで作成されたミドルレイヤのショットマップ情報が制御装置10Aに供給される。
【0026】
また、走査型露光装置1Bにも、オフ・アクシス方式で且つ撮像方式(FIA方式)のアライメント系11Bが投影光学系3Bの側面に設けられ、このアライメント系11BによりウエハW上のウエハマークのX2座標及びY2座標が検出される。
次に、本例においてステッパー1Aで第1層目のパターンの露光を行った後、走査型露光装置1Bで第2層目のパターンの露光を行う際の露光動作の一例につき第1工程、及び第2工程に分けて説明する。
【0027】
[第1工程]
この第1工程では、図2(a)に示すように、図1のステッパー1Aの不図示のレチクルステージ上にレチクルRAを通常の状態から90°回転させて固定する。その結果、レチクルRAのパターン領域2A内の2個の部分パターン領域12A及び12BがX1方向に沿って配列されるようになる。次に、図1のステッパー1Aのウエハステージ5A上に、図2(b)に示すようにフォトレジストが塗布されたウエハWを通常の状態から90°回転させて固定する。この結果、ウエハWの外周部の切り欠き部(オリエンテーションフラット部)が+X1方向に向くように配列される。なお、説明の便宜上、図2(b)ではX1軸、及びY1軸の原点をウエハWの中心に設定しているが、図2(a)ではそれら2軸の原点をレチクルの外部に設定している。また、図2(a)のレチクルRAの大きさはウエハW上に投影された大きさで示されている。本例では、図2(b)に示すように、X1軸に直交する仮想的な軸Y1* に対してY1軸は時計回りに角度ωだけ回転し、その角度ωが直交度誤差となっている。
【0028】
次に、ステッパー1Aを用いて、ウエハW上の第1層目の露光領域をX1方向、及びY1方向にそれぞれ所定ピッチで分割して得られるショット領域21A,21B,…,21Iに、順次ステップ・アンド・リピート方式でレチクルRAのパターン像を投影露光する。一例として、その第1層目のショット領域21A〜21Iは、X1方向に3列、Y1方向に3行配列されている。この際に、X1軸とY1軸との間には直交度誤差ωが存在しているため、ショット領域21A〜21Iの配列にも直交度誤差ωが生じている。
【0029】
但し、本例ではレチクルRA及びウエハWをそれぞれ90°回転させて露光したため、図2(b)において、ウエハW上の第1番目のショット領域21Aは、X1方向に沿って2個の部分ショット領域22A,22Bに分かれ、これらの部分ショット領域22A,22Bに互いに同一のパターン像が露光されている。他のショット領域21B〜21Iも同様であり、それらの部分ショット領域22A,22Bの配列方向に平行な第1行目のショット領域21A〜21Cのエッジを結ぶことにより、段差の無い直線25が得られる。
【0030】
その後、そのウエハWの現像を行って、各ショット領域内の回路パターン像、及びアライメントマークの像をそれぞれ凹凸の回路パターン、及びウエハマークとして現出させる。本例では第1番目のショット領域21Aの第1番目の部分ショット領域22A内にそれぞれライン・アンド・スペースパターンよりなるX軸のウエハマーク23X、及びY軸のウエハマーク23Yが形成され、第2番目の部分ショット領域22B内にもX軸のウエハマーク24X、及びY軸のウエハマーク24Yが形成される。これらのウエハマーク23X,23Y,24X,24Yは、何れも撮像方式のアライメントセンサで検出されるマークである。なお、ウエハマークの配列は図2(b)の例に限定されず、例えば各ショット領域21A〜21I内に1対のウエハマークを配置してもよく、各ショット領域21A〜21I内に1対を超えるウエハマークを配置してもよい。また、ウエハマークとして2次元のマークを使用してもよい。
【0031】
[第2工程]
第1工程で回路パターン及びウエハマークの形成されたウエハW上にフォトレジストを塗布し、このウエハWを図1の走査型露光装置1Bのウエハステージ5B上に通常の回転角で固定する。これにより、図3に示すように、ウエハWは切り欠き部が−Y2方向に向くように配置される。同様に、図1に示すように、第2層目用のレチクルRBの回転角も通常の回転角、即ち部分パターン領域13A〜13CがY2方向に沿って配列される角度に設定する。
【0032】
この際に、ステッパー1Aの制御装置10Aから、走査型露光装置1Bの制御装置10Bに第1層目のショット配列のデータを供給し、制御装置10Bではそのショット配列のデータ、及び後述のアライメントデータに基づいて第2層目のショット配列を決定する。
その後、走査型露光装置1Bにおいて、露光対象のウエハWに対してEGA方式でアライメントが行われる。
【0033】
図3は、露光対象のウエハWを示し、この図3において、走査型露光装置1Bのステージ座標系(X2,Y2)の原点を便宜上ウエハWの中心に取ってある。また、第1層目に露光を行った際のステッパー1Aのステージ座標系(X1,Y1)も原点を同じにして示してある。この場合、ウエハWの回転角は通常であるため、例えばショット領域21A内の2個の部分ショット領域22A,22BはY2方向に沿って配列され、他のショット領域21B〜21Iでも内部の2つの部分ショット領域の配列方向はY2方向である。そして、EGA方式のアライメントを行うために、ウエハW上の9個のショット領域21A〜21I中より3個以上のショット領域をサンプルショットとして選択し、図1のアライメント系11Bを用いてそれらサンプルショット内のウエハマークのステージ座標系(X2,Y2)での座標を計測する。例えばショット領域21Aがサンプルショットとして選択されたときには、ショット領域21A内の第1の部分ショット領域22A内のウエハマーク23X,23Yの座標が計測され、他のサンプルショットでもそれぞれ1対のウエハマークの座標が計測される。
【0034】
次に、それらサンプルショット内のウエハマークの座標の計測値と、それらウエハマークの設計上の配列座標とを統計処理することにより、第1層目のショット配列のローテーション(ウエハ・ローテーション)θ1 、そのショット配列の直交度誤差ω1 、及びX2方向、Y2方向のオフセットOx1 ,Oy1 よりなるEGAパラメータの値を求める。この場合、本例のウエハWは第1層目の露光の際に90°回転されていたと共に、第2層目のX2軸とY2軸とは直交していると仮定されているため、ローテーションθ1 は第1層目のショット配列のY1軸と、第2層目のステージ座標系のX2軸とがなす角度であり、直交度誤差ω1 は、Y1軸とX1軸を反転した軸(−X1軸)とがなす角度からπ/2(90°)を差し引いて得られる角度、即ち図2(b)における直交度誤差ωと等しい。
【0035】
そのようにEGAパラメータを求めた後、図1の走査型露光装置1BではウエハWの回転角を、X2軸に対して第1層目のショット配列のY1軸が時計回りに直交度誤差ω1(即ち、ω)と同じ角度だけ回転した状態となるように設定する。これはショット配列のローテーション(ウエハ・ローテーション)の目標値に、直交度誤差ω1 と同じ角度のオフセットを加えることを意味する。その結果、例えばショット領域21Aの部分ショット領域22A,22Bの配列方向に平行な第1列目のショット領域21A〜21Cの右端のエッジを結んで得られる直線25が、走査型露光装置1Bの走査方向であるY2方向に平行となる。その状態で、EGAパラメータ中のオフセットOx1 ,Oy1 を考慮して第2層目のショット配列を決定する。
【0036】
図4(a)はそのようにして第1層目上に設定された第2層目のショット配列を示し、この図4(a)において、例えば第1層目のショット領域21A〜21C上に第2層目のショット領域26A,26Bが設定され、同様に第2層目の他のショット領域26C〜26Fが設定されている。この場合、例えばショット領域26Aは、Y2方向に沿って3個の部分ショット領域27A〜27Cに分割され、これらの部分ショット領域27A〜27Cにそれぞれ図4(b)に示すレチクルRBの部分パターン領域13C〜13A内のパターン像が露光される。また、第2層目のショット領域26A内の部分ショット領域27A〜27Cの大きさは、それぞれ図4(c)に示す第1層目のショット領域21A内の部分ショット領域22A,22Bの大きさと同じであり、第2層目の他のショット領域26B〜26Fも同じ形状である。そのようにして定めたショット領域26A〜26Fに対して、それぞれ走査露光方式でレチクルRBのパターン像が露光され、その後に現像等の処理を施すことにより第2層目の各ショット領域のパターンが現出する。
【0037】
この場合、本例では図4(a)に示すように、第1層目のショット領域21A〜21Cの右端のエッジを結ぶ直線25は、第2層目の走査方向であるY2方向に平行であるため、第1層目のショット領域21A〜21Cと第2層目のショット領域26A,26BとはX2方向、及びY2方向にほぼ完全に重なっており、第1層目のショット配列の直交度誤差の影響は除去されている。
【0038】
なお、上述の例では図3に示すように、走査型露光装置1Bのステージ座標系におけるX2軸とY2軸とは直交しているものとしたが、X2軸とY2軸とは必ずしも直交している必要はない。X2軸とY2軸とが直交していない場合には、走査方向であるY2方向に対して第1層目のショット配列のX1軸が平行になるようにウエハWを回転すればよい。
【0039】
次に、本発明による実施の形態の第2の例につき図5及び図6を参照して説明する。
本例でも図1に示す2台の投影露光装置(ステッパー1A、及び走査型露光装置1B)を使用し、先ず図2に示すように、ステッパー1AにおいてレチクルRA及びウエハWをそれぞれ通常の状態に対して90°回転させた状態で、ウエハWに露光を行い、図3に示すように、走査型露光装置1BにおいてウエハWを通常の回転角に戻してアライメント用の計測を行うまでは、第1の例とほぼ同じである。但し、本例ではサンプルショット内のウエハマークの座標計測を行う際に、各サンプルショットの回転角の計測も行う。即ち、例えばショット領域21Aがサンプルショットである場合には、一例として1対のウエハマーク23X,23Yの座標の他に、別のX軸用のウエハマーク24XのX2座標を計測し、ウエハマーク23XのX2座標とウエハマーク24XのX2座標との差分をそれら2個のウエハマーク23X,24XのY2方向への間隔の概算値で除してショット領域21Aの回転角を求める。同様に他のサンプルショットについても回転角を求め、得られた回転角の平均値をショット回転θS とする。このように、各サンプルショット内で1対(2次元マークでは1個)を超える個数のウエハマークの座標を計測するアライメント方法は、ショット内多点EGA方式のアライメント方法と呼ばれている。
【0040】
次に、本例ではショット配列のローテーション(ウエハ・ローテーション)の目標値にオフセットを加算することなく、ウエハWの回転角を設定する。
図5は、図1の走査型露光装置1Bのウエハステージ5B上でそのように回転角が設定されたウエハWを示し、この図5において、走査型露光装置1Bのステージ座標系のX2軸に対して第1層目のショット配列の1つの配列方向を示すY1軸が平行に設定されている。この結果、例えば第1層目のショット領域21A内の2個の部分ショット領域の配列方向に平行なショット領域21A,21B,21Cの右端のエッジは、走査方向であるY2方向に対して直交度誤差ωと同じ角度だけ傾斜している。また、その直交度誤差ωは、図3の状態で求めたショット配列のローテーションθ1 からショット内多点EGA方式で求めたショット回転θS を差し引くことにより求められる値である。そして、単に図5の状態で走査露光方式で露光を行うとすると、第2層目のショット領域は2点鎖線で示すように、X2方向及びY2方向に平行なエッジを有するショット領域26A〜26Fとなり、第1層目のショット領域との間に重ね合わせ誤差が生ずる。
【0041】
それを避けるため本例では、第2層目のショット領域26A〜26FをそれぞれウエハWに対してその直交度誤差ωと等しい角度だけ反時計方向に回転して露光を行うこととした。具体的に、走査型露光装置1Bにおいて走査露光時の走査方向を微調整できる場合には、図1でレチクルRBを直交度誤差ωと等しい角度だけ反時計方向に回転した後、レチクルRBをY2方向から直交度誤差ωだけ回転した方向に沿って走査するのと同期して、図5のウエハWをレチクルRBの走査方向に平行に走査する。そのようにレチクルRBの走査方向を微調整するには、例えばレチクルRBの位置を微調整する機構を用いて、走査位置に応じて次第にレチクルRBをX2方向にシフトさせればよい。この結果、図6に実線で示すように、第2層目のショット領域26A〜26Fはそれぞれ直交度誤差ωだけ反時計方向に回転し、第1層目のショット領域と第2層目のショット領域との間の重ね合わせ誤差が最小になる。
【0042】
なお、第2層目に露光を行う露光装置が一括露光方式の投影露光装置(ステッパー等)である場合には、図6に示すように各ショット領域26A〜26Fの回転角(ショット回転)を補正するためには、単にレチクルを回転させるのみでよい。
次に、本発明による実施の形態の第3の例につき図7を参照して説明する。
【0043】
本例でも図1に示す2台の投影露光装置(ステッパー1A、及び走査型露光装置1B)を使用し、先ず図2に示すように、ステッパー1AにおいてレチクルRA及びウエハWをそれぞれ通常の状態に対して90°回転させた状態で、ウエハWに露光を行うまでは第1の例と同じである。但し、本例ではその後に第2層目の露光を行う際にも、図1の走査型露光装置1BでレチクルRB及びウエハWを通常の状態から90°回転させた状態にしておく。また、本例の走査型露光装置1Bでは走査露光時の走査方向をX2方向に沿った方向とする。このためには、走査型露光装置1Bとして走査方向がX2方向である露光装置を使用するか、又は走査方向をX2方向、又はY2方向の何れかに任意に切り換えできる露光装置を使用すればよい。以下、本例での第2層目の露光方法につき説明する。
【0044】
図7(a)は、第1層目への露光及び現像が終わり、図1の走査型露光装置1Bのウエハステージ5B上に載置されたウエハWを示し、この図7(a)において、走査型露光装置1Bのステージ座標系のX2軸に対して第1層目のショット領域21A,21B,…,21Iの1つの配列方向を示すX1軸がほぼ平行に設定されている。この場合、第1層目への露光に際しては、図7(c)に示すようにレチクルRAは2つの部分パターン領域12A,12BがX1方向に沿って配列されるように設定されている。また、第1層目のショット配列には直交度誤差ωが生じている。
【0045】
本例でも図7(a)のウエハWに対してEGA方式でアライメントを行うことにより、ショット配列のローテーション(ウエハ・ローテーション)θ2 、そのショット配列の直交度誤差ω2 、及びX2方向、Y2方向のオフセットOx2 ,Oy2 よりなるEGAパラメータの値を求める。その後、ローテーションθ2 に基づいて、X2軸に対してX1軸が正確に平行になるようにウエハWの回転角を設定した後、図7(b)に示すように、レチクルRBの回転角を部分パターン領域13A〜13Cの配列方向がX2方向となるように設定する。そして、走査型露光装置1BによりレチクルRBを+X2方向(又は−X2方向)に走査するのと同期して、ウエハWを−X2方向(又は+X2方向)に走査することにより、図7(a)の第2層目のショット領域26A,26B,…,26Fに対して走査露光方式で順次レチクルRBのパターン像を露光する。その結果、第1層目のショット領域21A,21B,21Cに対して第1層目のショット領域26A,26Bはほぼ完全に重なり、第1層目の直交度誤差ωの影響は除去される。
【0046】
なお、上述の実施の形態では最初に小さな露光フィールドのステッパー1Aで露光を行った後に、大きな露光フィールドの走査型露光装置1Bで露光を行っているが、逆に大きな露光フィールドの走査型露光装置1Bで露光を行った後に、小さな露光フィールドのステッパー1Aで露光を行う場合にも本発明を適用することにより、第1層目の直交度誤差の影響を軽減できる。また、上述の実施の形態では2台の露光装置の組み合わせとしてステッパー1Aと走査型露光装置1Bとが使用されているが、2台ともステッパーとしてもよく、又は2台とも走査型露光装置としてもよい。
【0047】
このように、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、第1の露光装置を用いて第1のマスクパターンを感光基板上に露光する際に、その第1のマスクパターンの部分パターンの配列方向(又は複数のショット領域のエッジを結んで得られる直線の方向)を基準となる第1方向に平行にして、第2の露光装置を用いて第2のマスクパターンをその感光基板上に露光する際に、その第2のマスクパターンの部分パターンの配列方向(又はその第1のマスクパターンの露光時に複数のショット領域のエッジを結んで得られる直線の方向)を露光フィールドの長さの異なる所定方向(又は走査方向)に平行にしているため、第1層目の複数のショット領域をその長さが異なる方向に対して直線状に配列できる。従って、第1層目のショット配列に直交度誤差が生じていても、その長さが異なる方向に沿って第2層目のショット領域を重ねて配置することにより、2層間の重ね合わせ誤差を低減できる利点がある。これにより、感光基板上で所定方向の長さが異なることにより、互いに大きさの異なる露光フィールド(ショット領域)を有する複数の露光装置を用いてミックス・アンド・マッチ方式で露光を行う場合に、異なる層間での重ね合わせ誤差を低減できる。
【0049】
また、その第1の露光装置を用いてその第1のマスクパターンをその感光基板上に露光する際に、その感光基板及びその第1のマスクパターンをそれぞれ通常の状態から90°回転しておく場合には、特に第1の露光装置が一括露光方式の露光装置(ステッパー等)である場合に、2つの露光装置に特別な機構を設けることなく容易に第1層目のショット配列の直交度誤差の影響を除去できる利点がある。
【0050】
また、第2の露光装置が走査露光型の露光装置であり、その所定方向(露光フィールドの長さが異なる方向)が走査方向である場合には、特にその所定方向に対してその第2の露光装置の露光フィールド(第2の露光フィールド)の長さが長くなり易い。従って、本発明が特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による露光方法の実施の形態で使用される露光システムの概略を示す斜視図である。
【図2】(a)はその実施の形態の第1の例において、ウエハ上の第1層目への露光を行う際のレチクルの配置を示す平面図、(b)はその第1層目への露光を行う際のウエハの配置を示す平面図である。
【図3】その実施の形態の第1の例において、ウエハ上の第2層目に露光を行う前のアライメント方法の説明に供給する平面図である。
【図4】(a)はその実施の形態の第1の例において、ウエハ上の第2層目に露光を行う際のショット配列を示す平面図、(b)はその第2層目に露光を行う際のレチクルの配置を示す平面図、(c)はウエハ上の第1層目のショット領域を示す平面図である。
【図5】本発明の実施の形態の第2の例において、第1層目への露光が終わったウエハを走査型露光装置のウエハステージ上に載置した状態を示す平面図である。
【図6】その実施の形態の第2の例において、ウエハ上の第2層目のショット配列を示すを示す平面図である。
【図7】(a)は本発明の実施の形態の第3の例において、ウエハ上の第1層目及び第2層目のショット配列を示す平面図、(b)はその第2層目に露光を行う際のレチクルの配置を示す平面図、(c)はその第1層目に露光を行う際のレチクルの配置を示す平面図である。
【図8】従来のミックス・アンド・マッチ方式で露光を行う場合の一例の説明図である。
【図9】従来のミックス・アンド・マッチ方式で露光を行う場合で重ね合わせ誤差が生ずる場合を示す説明図である。
【符号の説明】
1A ステッパー
1B 走査型露光装置
3A,3B 投影光学系
4A,4B 露光フィールド
5A,5B ウエハステージ
11A,11B アライメント系
RA,RB レチクル
W ウエハ
21A,21B,…,21I 第1層目のショット領域
23X,24X X軸のウエハマーク
23Y,24Y Y軸のウエハマーク
26A,26B,…,26F 第2層目のショット領域
Claims (7)
- 所定形状の第1の露光フィールドを有し、基準となる第1方向の座標軸と該第1方向の座標軸に対して実質的に直交度誤差を生じている第2方向の座標軸とを持つ第1の露光装置を用いて感光基板上に第1のマスクパターンを所定配列で露光し、前記第1の露光フィールドに比べて所定方向に長さの異なる第2の露光フィールドを有する第2の露光装置を用いて、前記感光基板上に第2のマスクパターンを重ねて露光する露光方法において、
前記第1のマスクパターンは互いに同一の複数の第1の部分パターンを第3方向に配列したパターンであり、前記第2のマスクパターンは互いに同一の複数の第2の部分パターンを第4方向に配列したパターンであり、
前記第1の露光装置を用いて前記第1のマスクパターンを前記感光基板上に露光する際に、前記第1のマスクパターンの前記第3方向が前記第1方向に対応する方向に平行になるように前記第1のマスクパターンの回転角を設定して露光を行い、
前記第2の露光装置を用いて前記第2のマスクパターンを前記感光基板上に露光する際に、前記第2のマスクパターンの前記第4方向が前記所定方向に平行になるように前記第2のマスクパターンの回転角を設定して露光を行うことを特徴とする露光方法。 - 前記第2の露光装置の前記所定方向は、前記第2の露光装置の基準となる座標軸に対して実質的に90°で交差していることを特徴とする請求項1に記載の露光方法。
- 前記第2の露光装置は走査露光型の露光装置であり、前記所定方向が走査方向であることを特徴とする請求項1又は2に記載の露光方法。
- 所定形状の第1の露光フィールドを有し、基準となる第1方向の座標軸と該第1方向の座標軸に対して実質的に直交度誤差を生じている第2方向の座標軸とを持つ第1の露光装置を用いて感光基板上に第1のマスクパターンを所定配列で露光し、その後に、前記第1の露光フィールドに比べて所定方向に長さの異なる第2の露光フィールドを有する第2の露光装置を用いて、前記感光基板上に第2のマスクパターンを重ねて露光する露光方法において、
前記感光基板上の複数のショット領域のエッジを結んで得られる直線が前記第1方向と平行となるように、前記複数のショット領域のそれぞれに前記第1のマスクパターンを露光し、
前記第1の露光装置で露光された複数のショット領域のエッジを結んで得られる直線を前記第2の露光装置の前記所定方向と平行にして、前記第2のマスクパターンを前記感光基板上に重ねて露光することを特徴とする露光方法。 - 前記複数のショット領域は、それぞれ同一パターン像が露光される部分ショット領域を有し、その部分ショット領域の配列方向は、前記複数のショット領域のエッジを結んで得られる直線と平行であることを特徴とする請求項4に記載の露光方法。
- 前記第2露光装置は走査型露光装置であって、前記複数のショット領域のエッジを結んで得られる直線は、前記走査型露光装置の走査方向と平行になることを特徴とする請求項5に記載の露光方法。
- 所定形状の第1の露光フィールドを有する第1の露光装置を用いて第1のマスクパターンが露光された感光基板上に、前記第1の露光フィールドに比べて走査方向に長さの異なる第2の露光フィールドを有する走査型の第2の露光装置を用いて第2のマスクパターンを重ねて露光する露光方法において、
前記第1の露光装置は、基準となる第1方向の座標軸と該第1方向の座標軸に対して実質的に直交度誤差を生じている第2方向の座標軸とを有し、
前記第1の露光装置を用いて前記第1のマスクパターンが露光された前記感光基板上の複数のショット領域は、それぞれ同一パターン像が露光される部分ショット領域を有し、その部分ショット領域の配列方向は前記複数のショット領域のエッジを結んで得られる直線と平行で、かつ前記複数のショット領域のエッジを結んで得られる直線は前記第1のマスクパターンの露光時に前記第1方向と平行であり、
前記複数のショット領域のエッジを結んで得られる直線を前記走査方向と平行にして、前記第1の露光装置を用いて前記第1のマスクパターンが露光された前記感光基板上に前記第2の露光装置を用いて前記第2のマスクパターンを重ねて露光することを特徴とする露光方法。
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