JP3621989B2 - レーダー信号処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はレーダー信号処理装置に関し、特に、レーダー信号処理等のディジタル信号処理において、高速演算処理を必要とするレーダー信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にレーダーの受信信号には、本来検出すべき目標から反射される信号以外に、地面、海面、雨、雲などから反射された信号(クラッタ)や、外部から入射された妨害信号やノイズなどの雑音信号が含まれる場合があり、高い検出率で目標を検出するためにはこれらの不要信号を抑圧する必要がある。図12は、例えば特開平5−223918号公報に示された従来のレーダー信号処理装置の構成を示したブロック図である。図12において、41は受信信号のクラッタを抑圧するクラッタ抑圧回路、42は信号対雑音電力比(S/N比)および検出確率の改善を行う積分回路、43は所定のレベル以上の信号を目標と判断して目標の検出を行う目標検出回路、44はパラメータ設定部、45は状況判定部である。状況判定部45は、クラッタ抑圧回路41、積分回路42および目標検出回路43の入出力に基づき、クラッタ等の不要信号を観測してその周波数分布、時間変化または空間分布の特徴(周囲状況)を抽出する動作を行う。また、パラメータ設定部44は、状況判定部45によって判断されたレーダーの周囲状況に対応して信号処理パラメータ等を決定し、信号処理を調整する動作を行う。
【0003】
次に動作について説明する。この従来の信号処理装置では、状況判定部45に対して、クラッタ抑圧回路41の効果を確認するためのクラッタ抑圧回路41の入力及び出力と、クラッタの周波数領域までの特徴量を抽出するための積分回路42の出力と、検出された目標の位置等を確認するための目標検出回路43の出力とが入力される。受信信号に大電力を持つ狭帯域なクラッタ信号が重畳されている場合、状況判定部45では、積分回路42の出力に基づいて周波数領域での分布を観測し、クラッタ等の特徴量を抽出し、それらの時間的な変化について判断する。そして、状況判定部45では、周囲状況を判断した後、パラメータ設定部44に、当該状況に応じた信号処理パラメータを、予め用意しておいた制御ルールに従って設定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来の信号処理装置は、オペレータが追従しきれない周囲状況の変化に適応して信号処理パラメータを設定・変更することにより、オペレータの負担を軽減し、操作の習熟度に関係なく安定した性能が得られるが、そのために処理演算量が増大してしまうため、多数のプロセッサを用意しなければならないという問題点があった。
【0005】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、レーダーの受信環境あるいは領域によって信号処理内容を変更し、処理負荷の分割と割り当てを行うことによって、目標の検出率を低下させることなく、目標の検出処理のために必要となるプロセッサの数を削減することが可能なレーダー信号処理装置を得ることを目的とする。
【0006】
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、レーダー受信信号のパルスを圧縮するパルス圧縮手段と、上記パルス圧縮手段によりパルス圧縮された信号をレンジ積分するレンジ積分手段と、上記レンジ積分手段によりレンジ積分された信号から目標を検出する処理を行う目標検出手段と、上記目標検出手段による検出結果に基づいて、目標追尾における次スキャンの目標位置を予測する追尾予測手段と、目標の有無、クラッタの有無、追尾対象となる領域の距離の少なくともいずれかに応じて上記レンジ積分手段または上記目標検出手段の処理内容を変更させる処理内容制御手段とを備え、上記処理内容制御手段が、上記追尾対象となる領域の距離に応じて、上記領域毎に上記レンジ積分手段が行うレンジ積分数を制御するレーダー信号処理装置である。
【0008】
また、目標検出手段が複数の演算モジュールから構成されており、演算モジュールの故障状況を認識する故障状況認識手段と、故障状況認識手段からの故障状況結果に基づいて、複数の演算モジュールへの負荷分散を行う負荷分散制御手段とをさらに備えている。
【0010】
また、レンジ積分手段及び目標検出手段からの出力結果に基づいて、クラッタの有無を認識するクラッタ状況認識手段をさらに備え、処理内容制御手段が、クラッタの有無に応じて追尾対象となる領域毎にレンジ積分手段が行うレンジ積分数を制御する。
【0011】
また、目標検出手段及び追尾予測手段からの出力結果に基づいて、目標の有無を認識する目標状況認識手段をさらに備え、処理内容制御手段が、目標の有無に応じて追尾対象となる領域毎にレンジ積分手段が行うレンジ積分数を制御する。
【0012】
また、処理内容制御手段が、追尾対象となる領域の信号対クラッタ+雑音電力比(S/(C+N)比)の値に応じて領域毎にレンジ積分手段が行うレンジ積分数を制御する。
【0022】
また、追尾対象となる領域を小単位毎にまとめることにより、処理負荷を少なくする。
【0023】
また、小単位毎にまとめた領域において目標の存在する領域とそれに隣接する領域のみを処理対象にする。
【0024】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1において、1は、空中線(アンテナ)の動作の制御を行い、空中線により受信された受信信号の周波数変換、帯域制限、検波、増幅およびA/D変換等を行う空中線制御部、2は空中線制御部1で処理された信号を処理して、目標の検出および追尾予測を行う信号処理部、3は信号処理部2の出力データの表示及び記憶などを行うデータ処理部である。信号処理部2内には、図のように、空中線制御部1から入力されたレーダーの受信信号をパルス圧縮するパルス圧縮手段4と、パルス圧縮手段4からの出力をレンジ積分するレンジ積分手段5と、レンジ積分手段5からの出力に対してエリアSTC処理を行うエリアSTC手段6と、エリアSTC手段6からの出力に基づいて、目標(物体)を検出する処理を行う目標検出手段7と、目標追尾において次スキャンの目標位置を予測する追尾予測手段8と、対象領域の距離に応じてレンジ積分数の制御を行うレンジ積分数制御手段9とが設けられている。なお、目標検出手段7は、内部にプロセッサやメモリを有している。
【0025】
次に動作について説明する。まず、レーダーの受信信号は空中線制御部1から信号処理部2に送られて、パルス圧縮手段4でパルス圧縮処理され、さらにレンジ積分手段5でレンジ積分される。なお、ここで、レンジ積分とは、信号を距離方向に積分するものであり、すなわち、信号を距離方向(=時間方向)に所定の単位で区切り(=レンジ・ビンと言う)、隣接のレンジ・ビンのレベルを加算したものが、レンジ積分である。図2(a)に、レンジ積分数が「2」の場合の例を示す。レンジ積分手段5では、レンジ積分数制御手段9による対象領域の距離に応じたレンジ積分数制御結果にしたがったレンジ積分数でのレンジ積分が行われる。図2(b)は、レンジ積分数制御手段9がレンジ積分数を決定する際に用いるデータベースに格納されているレンジ積分数の設定例の一例を示したものである。本実施の形態においては、図2(b)に示すように、目標信号レベルの高い近距離か目標信号レベルの低い遠距離かを考慮することにより、目標信号レベルの高い対象領域(近距離域)ではレンジ積分数を多くし、目標信号レベルの低い対象領域(遠距離域)ではレンジ積分数を少なくするように、レンジ積分数制御手段9が制御する。なお、補足ながら、レンジ積分数制御手段9は、各領域のレンジ積分数を設定する際に、所定の検出率が得られるようにレンジ積分数を設定する。所定の検出率が得られるかどうかは、受信信号の信号対雑音電力比によって定まり、受信信号の信号対雑音電力比は、レーダの送信性能、受信性能、信号対雑音電力比改善性能及び目標の大きさと距離により決定される。従って、レンジ積分数は、レーダの種類、対象とする目標、設定する検出率に基づいて設定されるが、但し、受信信号の信号対雑音電力比は、目標距離の4乗に反比例するので、この関係を考慮して設定される。次に、レンジ積分手段5によりレンジ積分された信号は、エリアSTC手段6でSTC処理された後、目標検出手段7に送られる。ここで、エリアSTC処理とは、領域ごとに信号を減衰させる処理のことであり、何らかの理由(クラッタ(=不要信号)が重畳されている等)でその領域の信号レベルが高い場合に、所定のレベルまでその領域(=時間間隔)の信号を減衰させて、誤警報の発生を抑えるための処理である。また、目標検出手段7は、内部にプロセッサやメモリを有しており、エリアSTC手段6からの出力に基づいて、目標の検出を行う。次に、検出された目標データが追尾予測手段8に入力され、目標追尾における次スキャンの目標位置の予測が行われる。目標検出手段7及び追尾予測手段8からの出力がデータ処理部3に入力される。
【0026】
以上のように、本実施の形態では、目標の検出率を確保して、演算負荷を減らすために、対象となる領域の距離に応じたレンジ積分数を制御している。レンジ積分数を多く設定した場合、多くの信号がまとめられるため、以降の演算処理の負荷は減少するが、レンジ積分すると、信号対雑音電力比が低下し目標の検出率も悪くなる。逆に、レンジ積分数を少なく設定すると、信号処理の負荷は増加するが、レンジ積分後の信号対雑音電力比の低下が抑えられるため目標の検出率は下がらない。このことを、例えば、図2(a)の例で説明すれば、圧縮後のパルス幅が、受信信号のサンプリング幅程度に設定されるとすると、レンジ積分した場合、目標信号がサンプリングされた距離での信号対雑音電力比は高い(図のb点)が、その両隣のレンジ・ビン(図のa点もしくはc点)での信号のレベルは低いため、信号対雑音電力比はb点に比べ低くなる。従って、これらの信号(例えば、b点とc点の信号)を加算すれば、b点の信号対雑音電力比より低いものとなる。すなわち、レンジ積分数を増やせば、信号対雑音電力比の劣化が生じることになる。したがって本実施の形態では、図2(b)に示すように、目標信号レベルの高い近距離か目標信号レベルの低い遠距離かを考慮することにより、目標信号レベルの高い対象領域ではレンジ積分数を多くし、目標信号レベルの低い対象領域ではレンジ積分数を少なくするよう制御することによって、目標の検出率を所定のレベルに確保しながら、全体としての演算負荷を抑えることができる。
【0027】
実施の形態2.
上述の実施の形態1において説明した目標検出手段7を複数の演算モジュールから構成した場合について説明する。図3は、本実施の形態におけるレーダー信号処理装置の構成を示したブロック図である。図において、11は、目標検出手段7を構成している演算モジュール71の故障状況を認識するための故障状況認識手段であり、10は、故障状況認識手段11からの出力結果に基づいて、各演算モジュール71への負荷分散の制御を行う負荷分散制御手段である。なお、符号1〜9は、図1と同一であるため、ここでは説明を省略する。
【0028】
動作について説明する。基本的な動作は上述の実施の形態1と同様であるが、本実施の形態においては、故障状況認識手段11が演算モジュール71の動作状況を監視しており、各演算モジュール71が正常に動作しているか否かを認識している。いずれかの演算モジュール71で故障が発生すると、直ちに、その旨を負荷分散制御手段10に知らせる。負荷分散制御手段10は、故障状況認識手段11からの出力結果に基づいて、正常に動作している演算モジュール71に対して負荷を当配分するように負荷分散の制御を行う。
【0029】
以上のように本実施の形態においては、上述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、演算モジュール71の故障状況認識手段11からの出力結果に基づいて、負荷分散制御を実施することによって、各演算モジュール71に対する負荷を等配分できるため、全体としての演算モジュール数を削減することができる。
【0030】
実施の形態3.
上述の実施の形態1及び2においては、レンジ積分数を制御するための情報として、対象とする領域の距離を使用したが、本実施の形態においては、距離だけでなく、クラッタ状況にも応じたレンジ積分数の制御を実施する例について説明する。すなわち、図4に示すように、レンジ積分手段5及び目標検出手段7からの出力が入力され、クラッタの有無を認識するクラッタ状況認識手段12を設け、レンジ積分数制御手段9が、目標信号レベルの高い近距離か目標信号レベルの低い遠距離かを考慮した上で、クラッタ状況認識手段12の結果から、クラッタのある対象領域についてはレンジ積分数を少なくするように制御する。図5は、本実施の形態において、レンジ積分数制御手段9がレンジ積分数を決定する際に用いるデータベースに格納されているレンジ積分数の設定例の一例を示したものである。図4中、図3と同一又は相当部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0031】
以上のように、本実施の形態においては、目標信号レベルの高い近距離か目標信号レベルの低い遠距離かを考慮した上で、クラッタ状況認識手段12の結果から、クラッタのある対象領域については、レンジ積分数を少なくして信号対クラッタ+雑音電力比S/(N+C)の損失を抑えて目標検出率を確保するが、クラッタのない領域では、レンジ積分数を多くして演算負荷を抑えるよう制御することによって、目標の検出率を所定のレベルに確保しながら、全体としての演算負荷を抑えることができる。さらに、実施の形態2と同様に、演算モジュールの負荷分散制御により、演算モジュール間の負荷の偏りをなくし、演算モジュールを削減する事ができる。
【0032】
実施の形態4.
上述の実施の形態3ではクラッタ状況に応じて対象領域のレンジ積分数を制御しているが、クラッタ状況のかわりに目標検出状況に応じてレンジ積分数を制御しても同様の効果を奏する。すなわち、本実施の形態においては、クラッタ状況認識手段12の代わりに、図6に示すように、データ処理部3からの出力が入力され、目標の有無を認識する目標検出状況認識手段13が設けられている。なお、ここで、目標検出状況認識手段13においては、追尾している目標の次スキャンでの予測位置も考慮した目標検出状況のデータを出力する。レンジ積分数制御手段9は、対象となる領域の距離だけでなく、目標検出状況認識手段13から出力される目標検出状況のデータに基づいて、レンジ積分数を決定する。図7は、本実施の形態において、レンジ積分数制御手段9がレンジ積分数を決定する際に用いるデータベースに格納されているレンジ積分数の設定例の一例を示したものである。図6中、図4と同一又は相当部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0033】
以上のように、本実施の形態においては、目標のある領域では距離精度及び分解能を上げるためにレンジ積分数を少なくする(例えば1)が、目標のない対象領域ではレンジ積分数を多くして演算負荷を抑えるように制御することによって、目標の検出率を所定のレベルに確保しながら、全体としての演算負荷を抑えることができる。さらに、演算モジュールの負荷分散制御により、演算モジュール間の負荷の偏りをなくし、演算モジュールを削減する事ができる。
【0034】
実施の形態5.
上述の実施の形態3ではクラッタ状況、実施の形態4では目標検出状況にそれぞれ応じてレンジ積分数制御を行っているが、クラッタ状況と目標検出状況の両方のデータを組み合わせてレンジ積分数制御を実施しても同様の効果を奏する。すなわち、図8に示すように、クラッタ状況認識手段12及び目標検出状況認識手段11の両方を設けておき、レンジ積分数制御手段9により、図9に示すように、目標信号レベルの高い近距離か目標信号レベルの低い遠距離かを考慮した上で、信号対クラッタ+雑音電力比(S/(C+N)比)の小さい対象領域ではレンジ積分数を少なくし、信号対クラッタ+雑音電力比の大きい対象領域ではレンジ積分数を多くするように制御する。図8中、図6と同一又は相当部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0035】
以上のように、本実施の形態においては、目標信号レベルの高い近距離か目標信号レベルの低い遠距離かを考慮した上で、信号対クラッタ+雑音電力比の小さい対象領域ではレンジ積分数を少なくして目標検出率を確保するが、信号対クラッタ+雑音電力比(S/(C+N)比)の大きい対象領域ではレンジ積分数を多くして演算負荷を抑えるように制御することによって、目標の検出率を所定のレベルに確保しながら、全体としての演算負荷を抑えることができる。さらに、演算モジュールの負荷分散制御により、演算モジュール間の負荷の偏りをなくし、演算モジュールを削減する事ができる。
【0048】
実施の形態6.
図10に示すように、各実施の形態において、信号処理対象領域を所定の方位幅、距離域に囲まれた小単位毎にまとめることによっても、全体としての演算負荷を抑えることができる。さらに、演算モジュールの負荷分散制御により、演算モジュール間の負荷の偏りをなくし、演算モジュールを削減する事ができる。
【0049】
実施の形態7.
上述の実施の形態6で区切った小単位の領域について、図11に示すように、信号処理の領域を目標のある領域とそれに隣接する領域のみに限定することによってさらに演算負荷を抑えることができ、演算モジュール数もさらに削減することができる。
【0050】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
【0051】
【発明の効果】
この発明は、レーダー受信信号のパルスを圧縮するパルス圧縮手段と、パルス圧縮手段によりパルス圧縮された信号をレンジ積分するレンジ積分手段と、レンジ積分手段によりレンジ積分された信号から目標を検出する処理を行う目標検出手段と、目標検出手段による検出結果に基づいて、目標追尾における次スキャンの目標位置を予測する追尾予測手段と、目標の有無、クラッタの有無、追尾対象となる領域の距離の少なくともいずれかに応じて上記レンジ積分手段または上記目標検出手段の処理内容を変更させる処理内容制御手段とを備えたレーダー信号処理装置であるので、検出処理の内容自体を追尾結果や装置の状況にあわせて変更できるため、データの重要度の低い部分の処理負荷を軽減できるという効果がある。
【0052】
また、目標検出手段が複数の演算モジュールから構成されており、演算モジュールの故障状況を認識する故障状況認識手段と、故障状況認識手段からの故障状況結果に基づいて、複数の演算モジュールへの負荷分散を行う負荷分散制御手段とをさらに備えている場合、検出処理の内容自体を追尾結果や装置の状況にあわせて変更できるため、データの重要度の低い部分の処理負荷を軽減でき、装置が持つ演算モジュール数を削減できるという効果がある。
【0053】
また、処理内容制御手段が、追尾対象となる領域の距離に応じて、領域毎にレンジ積分手段が行うレンジ積分数を制御する場合、目標信号レベルの高い近距離ではレンジ積分数を多くし、目標信号レベルの低い遠距離ではレンジ積分数を少なくするように制御することによって、目標検出率を所定のレベルに確保しながら、全体としての演算負荷を抑えることができるという効果がある。
【0054】
また、レンジ積分手段及び目標検出手段からの出力結果に基づいて、クラッタの有無を認識するクラッタ状況認識手段をさらに備え、処理内容制御手段が、クラッタの有無に応じて追尾対象となる領域毎にレンジ積分手段が行うレンジ積分数を制御する場合、クラッタのある対象領域ではレンジ積分数を少なくして目標検出率を確保し、クラッタのない対象領域ではレンジ積分数を多くして演算負荷を抑えるように制御することによって、目標検出率を所定のレベルに確保しながら、全体としての演算負荷を抑えることができるという効果がある。
【0055】
また、目標検出手段及び追尾予測手段からの出力結果に基づいて、目標の有無を認識する目標状況認識手段をさらに備え、処理内容制御手段が、目標の有無に応じて追尾対象となる領域毎にレンジ積分手段が行うレンジ積分数を制御するようにした場合、目標のある対象領域ではレンジ積分数を少なくして目標検出率を確保し、目標のない対象領域ではレンジ積分数を多くして演算負荷を抑えるように制御することによって、目標検出率を所定のレベルに確保しながら、全体としての演算負荷を抑えることができるという効果がある。
【0056】
また、処理内容制御手段が、追尾対象となる領域の信号対クラッタ+雑音電力比(S/(C+N)比)の値に応じて領域毎にレンジ積分手段が行うレンジ積分数を制御するようにした場合、信号対クラッタ+雑音電力比の小さい対象領域ではレンジ積分数を少なくして目標検出率を確保し、信号対クラッタ+雑音電力比の大きい対象領域ではレンジ積分数を多くして演算負荷を抑えるように制御することによって、目標検出率を所定のレベルに確保しながら、全体としての演算負荷を抑えることができるという効果がある。
【0066】
また、追尾対象となる領域を小単位毎にまとめる場合には、処理負荷を少なくすることができるという効果がある。
【0067】
また、小単位毎にまとめた領域において目標の存在する領域とそれに隣接する領域のみを処理対象にするようにした場合、さらに演算負荷を抑えることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係わるレーダー信号処理装置の構成を示したブロック図である。
【図2】レンジ積分を説明した説明図及び本発明の実施の形態1に係わるレーダー信号処理装置におけるレンジ積分数の設定例の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係わるレーダー信号処理装置の構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態3に係わるレーダー信号処理装置の構成を示したブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係わるレーダー信号処理装置におけるレンジ積分数の設定例の一例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態4に係わるレーダー信号処理装置の構成を示したブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態4に係わるレーダー信号処理装置におけるレンジ積分数の設定例の一例を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態5に係わるレーダー信号処理装置の構成を示したブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態5に係わるレーダー信号処理装置におけるレンジ積分数の設定例の一例を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態6に係わるレーダー信号処理装置の信号処理領域を示した説明図である。
【図11】本発明の実施の形態7に係わるレーダー信号処理装置の信号処理領域を示した説明図である。
【図12】従来のレーダー信号処理装置の構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
1 空中線制御部
2 信号処理部
3 データ処理部
4 パルス圧縮手段
5 レンジ積分手段
6 エリアSTC手段
7 目標検出手段
8 追尾予測手段
9 レンジ積分数制御手段
10 負荷分散制御手段
11 故障状況認識手段
12 クラッタ状況認識手段
13 目標検出状況認識手段
Claims (7)
- レーダー受信信号のパルスを圧縮するパルス圧縮手段と、
上記パルス圧縮手段によりパルス圧縮された信号をレンジ積分するレンジ積分手段と、
上記レンジ積分手段によりレンジ積分された信号から目標を検出する処理を行う目標検出手段と、
上記目標検出手段による検出結果に基づいて、目標追尾における次スキャンの目標位置を予測する追尾予測手段と、
目標の有無、クラッタの有無、追尾対象となる領域の距離の少なくともいずれかに応じて上記レンジ積分手段または上記目標検出手段の処理内容を変更させる処理内容制御手段とを備え、
上記処理内容制御手段が、上記追尾対象となる領域の距離に応じて、上記領域毎に上記レンジ積分手段が行うレンジ積分数を制御することを特徴とするレーダー信号処理装置。 - 上記目標検出手段が複数の演算モジュールから構成されており、
上記演算モジュールの故障状況を認識する故障状況認識手段と、
上記故障状況認識手段からの故障状況結果に基づいて、上記複数の演算モジュールへの負荷分散を行う負荷分散制御手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のレーダー信号処理装置。 - 上記レンジ積分手段及び上記目標検出手段からの出力結果に基づいて、クラッタの有無を認識するクラッタ状況認識手段をさらに備え、
上記処理内容制御手段が、上記クラッタの有無に応じて上記追尾対象となる領域毎に上記レンジ積分手段が行うレンジ積分数を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のレーダー信号処理装置。 - 上記目標検出手段及び上記追尾予測手段からの出力結果に基づいて、目標の有無を認識する目標状況認識手段をさらに備え、
上記処理内容制御手段が、上記目標の有無に応じて上記追尾対象となる領域毎に上記レンジ積分手段が行うレンジ積分数を制御することを特徴とする請求項1,2または3に記載のレーダー信号処理装置。 - 上記処理内容制御手段が、上記追尾対象となる領域の信号対クラッタ+雑音電力比(S/(C+N)比)の値に応じて上記領域毎に上記レンジ積分手段が行うレンジ積分数を制御することを特徴とする請求項4に記載のレーダー信号処理装置。
- 上記追尾対象となる領域を小単位毎にまとめることにより、処理負荷を少なくすることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5に記載のレーダー信号処理装置。
- 上記小単位毎にまとめた領域において目標の存在する領域とそれに隣接する領域のみを処理対象にすることを特徴とする請求項6に記載のレーダー信号処理装置。
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