JP3621288B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、空間フィルタを用いて画像処理を行う画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術の画像作成装置は、スキャナで実現される画像入力装置と、空間フィルタを備えた画像処理装置と、画像出力装置とによって構成されている。前記画像入力装置は、原稿を読取って、画像のデータを生成する。前記画像処理装置は、空間フィルタを用いて、画像のデータに、画像の品位改善のための処理を施す。前記画像出力装置は、画像処理後の画像のデータに基づき、画像を出力する。空間フィルタを用いた画像処理の1つは、網点を用いて表示される画像内に生じるモアレを除去する処理である。
【0003】
モアレを除去する処理は、空間フィルタの1種類である平滑フィルタを用いた平滑化処理で実現される。モアレは、網点を用いた画像が有する濃淡パターンの濃度変化の周期と、中間調表示法を用いて出力された画像に生じる濃淡パターンの周期との干渉に起因して生じる。網点には線密度が相互に異なる複数の種類があるので、網点の種類の変化に応じて、モアレの原因となる空間周波数が変化する。単一の画像(原稿)に複数の種類の網点が含まれている場合、または画像毎に異なる網点が含まれる場合、単一の空間フィルタを用いて、画像のデータからモアレの原因となる空間周波数の成分だけをそれぞれ減衰することは、極めて難しい。平滑フィルタが、複数種類の網点に対応し得るような、空間周波数帯域全域に渡って強い減衰特性を有する場合、該平滑フィルタは、モアレの原因となる空間周波数の成分だけでなく、モアレ除去のために減衰する必要がない空間周波数の成分も減衰させてしまう。
【0004】
濃淡パターンの濃度変化の周期の干渉に起因するモアレの除去のための従来技術が、特開平4−104576号公報に開示されている。前記公報の画像読取り装置は、該装置内にある撮像素子の後段に、カットオフ周波数が可変のローパスフィルタを備える。前記ローパスフィルタのカットオフ周波数は、該画像読取り装置における読取り解像度、または該装置の読取り対象の原稿の種類に応じて切換えられている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、特開平4−104576号公報の画像読取り装置におけるモアレ除去のためのローパスフィルタは、読取り解像度に合わせてカットオフ周波数を設定する。処理対象の画像内の網点の空間周波数は種類に応じて異なり、常に一定ではないので、読取り解像度だけによって平滑フィルタのカットオフ周波数が切換えられた場合、モアレの除去の効果が薄く、良好な平滑フィルタ処理が困難になる。また前記ローパスフィルタは、カットオフ周波数以上の空間周波数の周波数成分を減衰させるので、モアレの原因となる空間周波数だけでなく、出力される画像の画像品位の維持に必要な空間周波数の成分も共に減衰させてしまう。この結果、再生される画像の画像品位が低下する。
【0014】
本発明の目的は、モアレを効果的に抑制することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)処理対象の画像のデータに基づき、画像内の網点領域を抽出する網点領域抽出手段と、
(b)網点領域抽出手段によって抽出された網点領域の空間周波数の成分を制限する処理を、画像のデータ内の網点領域に対応する部分に施すモアレ除去用の空間フィルタ手段であって、
第1マトリクスと、第2マトリクスとを、コンボリューション演算して得られる第3マトリクスによって定められる特性を有し、
第1マトリクスは、モアレが生じ得る予め定める複数の各空間周波数における空間周波数特性がそれぞれ極小値になっているバンドカットフィルタの特性を定める各バンドカットフィルタ用マトリクスを、相互にコンボリューション演算して得られるマトリクスであり、
第2マトリクスは、画像に含まれ得る全空間周波数の成分を減衰させて平滑化させる平滑フィルタの特性を定め、この第2マトリクスを構成する全フィルタ係数が、相互に等しいモアレ除去用の空間フィルタ手段とを含むことを特徴とする画像処理装置である。
また本発明は、(a)処理対象の画像のデータに基づき、画像内の網点領域を抽出する網点領域抽出手段と、
(b)網点領域抽出手段によって抽出された網点領域の空間周波数の成分を制限する処理を、画像のデータ内の網点領域に対応する部分に施すモアレ除去用の空間フィルタ手段であって、
第1マトリクスと、第2マトリクスとを、コンボリューション演算して得られる第3マトリクスによって定められる特性を有し、
第1マトリクスは、モアレが生じ得る予め定める複数の各空間周波数における空間周波数特性がそれぞれ極小値になっているバンドカットフィルタの特性を定める各バンドカットフィルタ用マトリクスを、相互にコンボリューション演算して得られるマトリクスであり、
第2マトリクスは、画像に含まれ得る全空間周波数の成分を減衰させて平滑化させる平滑フィルタの特性を定め、この第2マトリクスを構成する全フィルタ係数のうち、第2マトリクスの中央にあるフィルタ係数は、該中央にあるフィルタ係数以外の係数よりも大きいモアレ除去用の空間フィルタ手段とを含むことを特徴とする画像処理装置である。
【0016】
本発明に従えば、画像処理装置において、モアレ除去用の空間フィルタ手段は、モアレが生じ易い空間周波数の成分に対して、特に効果的な平滑処理を施すことができ、同時に、モアレが生じ易い空間周波数以外の空間周波数の成分に対して、適切な平滑処理を施すことができる。これによって空間フィルタ手段は、画像が含み得る全空間周波数にわたって、モアレの発生要因を軽減することができる。したがって画像処理装置は、従来技術のモアレ除去のための装置よりも、空間フィルタ処理が施された画像の品位をさらに向上することができる。
【0018】
画像処理装置内のモアレ除去用の空間フィルタ手段の特性は、単一の第3マトリクスで定められるので、モアレ除去用の空間フィルタ手段は単一のデジタルフィルタで実現される。これによってモアレ除去用の空間フィルタ手段の処理速度が向上し、モアレ除去用の空間フィルタ手段の回路構成が簡略化される。
【0020】
画像処理装置において、第1のフィルタは、バンドカットフィルタの特性を定める。これによってモアレ除去用の空間フィルタ手段は、モアレが生じ得る空間周波数の成分を効果的に減衰させることができるので、モアレの発生要因をより一層効果的に軽減することができる。したがって画像処理装置は、従来技術のモアレ除去のための装置よりも、空間フィルタ処理が施された画像の品位をさらに向上することができる。
【0021】
画像処理装置において、モアレが生じ得る空間周波数が複数設定される場合、バンドカットフィルタの特性を定める第1マトリクスは、複数の各バンドカットフィルタの特性を定めるバンドカットフィルタ用マトリクスを、相互にコンボリューション演算して得られる。これによって、網点領域のモアレを好適に除去可能である空間フィルタ手段が容易に得られる。
【0022】
画像処理装置において、平滑フィルタの特性を定める第2マトリクスは、全てのフィルタ係数が相互に等しいマトリクスで実現される。これによってモアレ除去用の空間フィルタ手段の特性を、画像に含まれ得る全空間周波数の成分を減衰させることができる特性にすることができる。
【0024】
画像処理装置において、平滑フィルタの特性を定める第3マトリクスは、中央にあるフィルタ係数が他のフィルタ係数よりも大きいマトリクスで実現される。これによってモアレ除去用の空間フィルタ手段の特性を、画像に含まれ得る全空間周波数の成分を減衰させることができる特性にすることができる。
【0027】
画像処理装置は、画像が画素によって構成され、前記画像のデータが、各画素の輝度データおよび色差データによって構成される場合、前記モアレ除去用の空間フィルタ手段は、各画素の輝度データだけに処理を施すことを特徴とする。
【0028】
画像処理装置内のモアレ除去用の空間フィルタ手段は、画像のデータが画素の輝度データおよび色差データによって構成される場合、好ましくは、輝度データだけに処理を施す。これは以下の理由からである。
【0029】
本明細書において、モアレ除去用の空間フィルタ手段は、画像の品位を向上させることを主目的としており、処理対象の画像の空間周波数の特性を、所望の特性になるように変換している。処理対象の画像の空間周波数の特性を変換した結果、画像の色の見え方が変わってしまうならば、空間周波数特性変換後の画像の品位は変換前の画像の品位よりも低下している。ゆえに、モアレ除去用の空間フィルタ手段は、処理対象の画像の色の見え方がそのまま保たれるように、処理対象の画像の空間周波数の特性を変換することが好ましい。
【0030】
画像処理装置内のモアレ除去用の空間フィルタ手段は、画素の濃淡を表す輝度データだけに処理を施し、画素の色を表す色差データには施さない。これによってモアレ除去用の空間フィルタは、画像の品位の低下を招来することなく、空間周波数の成分を制限する処理を画像のデータに対して良好に施すことができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の参考例に係る画像処理装置が備えられた画像形成装置11の構成を示す正面断面の略図である。画像形成装置11はデジタルカラー複写機で実現される。画像形成装置1の本体内部には、画像入力手段である画像入力装置13と、画像処理装置14と、画像出力手段である画像出力装置15とが設けられる。画像形成装置11の本体の上面には、透明な原稿台311と、操作装置16とが設けられる。
【0044】
原稿台311の上面には、両面自動原稿送り装置(RADF:Reversing Automatic Document Feeder)312が装着されている。両面自動原稿送り装置312は、原稿台311に対して開閉可能な状態で支持され、かつ原稿台311の面に対して所定の位置関係を有する。両面自動原稿送り装置312は、まず原稿の一方の面が原稿台311の所定位置において画像入力装置13に対向するように、原稿を搬送し、該一方の面についての読取りが終了した後に、原稿の他方の面が原稿台311の所定位置において画像入力装置13に対向するように、原稿の表裏を反転させつつ原稿台311に向かって搬送する。両面自動原稿送り装置312における原稿の搬送動作および表裏反転の動作は、画像形成装置11全体の動作に関連して制御される。
【0045】
画像入力装置13は、両面自動原稿送り装置312によって原稿台311上に搬送された原稿の画像を読取るために、原稿台311の下方に配置されている。画像入力装置13は、原稿台311の下面に平行に往復移動する原稿走査体と、光学レンズ315と、光電変換素子であるCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサ316とを有している。
【0046】
前記原稿走査体は、第1の走査ユニット313と第2の走査ユニット314とから構成される。第1の走査ユニット313は、原稿表面を露光する露光ランプと、原稿からの反射光像を所定の第1の方向に向かって偏向する第1ミラーとを有する。第1の走査ユニット313は、原稿台311の下面に対して所定の距離を保ちながら、原稿台311の下面に平行に、往復移動する。第2の走査ユニット314は、第1の走査ユニット313の第1ミラーによって偏向された原稿からの反射光像を、所定の第2の方向に向かってさらに偏向するために、第2ミラーおよび第3ミラーを有する。第2の走査ユニット314は、第1の走査ユニット313と所定の速度関係を保ちつつ、原稿台311の下面に平行に、往復移動する。
【0047】
光学レンズ315は、第2の走査ユニットの第3ミラーによって偏向された反射光像を縮小し、縮小された反射光像をCCDラインセンサ316上の所定位置に結像させる。CCDラインセンサ316は、結像された反射光像を順次光電変換して、電気信号であるアナログ画像信号を出力する。画像形成装置11に備えられるCCDラインセンサ316は、具体的には3ラインのカラーCCDラインセンサである。3ラインカラーCCDラインセンサは、白黒画像またはカラー画像を読取り、反射光像を赤(R)、緑(G)、および青(B)の色成分の像に色分解して、これら3つの色成分の像に対応する信号から成る反射率信号を出力する。CCDラインセンサ316によって生成された反射率信号は、画像処理装置14に与えられる。なお以後の説明において、赤・緑および青の3色を「RGB」と総称する。
【0048】
画像処理装置14は、与えられたRGBの反射率信号に、後述する所定の処理を施す。この結果、RGBの反射率信号は、シアン(C)、マゼンタ(M)、黄(Y)、および黒(K)の色成分の像にそれぞれ対応する信号から成るデジタル画像信号(以後「画像データ」と称する)に変換される。なお以後の説明において、シアン・マゼンタ・黄・および黒の4色を「CMYK」と総称する。
【0049】
画像出力装置15の下方には、用紙トレイを備えた給紙機構211が設けられる。本実施の形態の画像形成装置11では、記録媒体であるカットシート状の紙が、用紙Pとして用いられる。給紙機構221は、概略的には、前記用紙トレイ内の用紙Pを1枚ずつ分離して、画像出力装置15に向かって供給する。また両面印刷が行われる場合、給紙機構211は、片面に画像が形成された用紙Pを、画像出力装置15の画像形成タイミングに合わせて画像出力装置15に再供給されるように、搬送する。給紙機構221において、用紙トレイから送り出された用紙Pが給紙機構221内の給紙搬送経路のガイド内に用紙Pが供給されると、給紙搬送経路内に設けられるセンサが、用紙Pの先端部分を検知して、検知信号を出力する。
【0050】
画像出力装置15の手前には、一対のレジストローラ212が、配置される。レジストローラ212は、給紙搬送経路内のセンサからの検知信号に基づいて、搬送される用紙Pを一旦停止させる。分離供給された用紙Pは、レジストローラ212によって制御される供給タイミングで、画像出力装置15に搬送される。
【0051】
画像出力装置15内には、第1画像形成部Paと、第2画像形成部Pbと、第3画像形成部Pcと、第4画像形成部Pdと、転写搬送ベルト機構213と、定着装置217とが設けられる。転写搬送ベルト機構213は、画像出力装置15内の下方部に配置される。転写搬送ベルト機構213は、駆動ローラ214と、従動ローラ215と、これらローラ214,215の間に略平行に伸びるように張架された転写搬送ベルト216とを有する。転写搬送ベルト216の下側に近接して、パターン画像検出ユニット232が設けられている。
【0052】
第1画像形成部Pa、第2画像形成部Pb、第3画像形成部Pc、および第4画像形成部Pdは、画像出力装置15内の転写搬送ベルト216の上方に、転写搬送ベルト216に近接して、用紙搬送経路の上流側から順に並設される。定着装置217は、用紙搬送路における転写搬送ベルト機構213の下流側に配置される。第1画像形成部Paと給紙機構21との間に、用紙吸着用帯電器228が設けられる。第4画像形成部Pdと定着装置217との間でありかつ駆動ローラ214のほぼ真上の位置に、用紙剥離用の除電器229が設けられる。
【0053】
転写搬送ベルト機構213は、概略的には、レジストローラ212によって供給された用紙Pを、転写搬送ベルト216に静電吸着させつつ搬送する構成になっており、具体的には以下のように動作する。用紙吸着用帯電器228は、転写搬送ベルト216の表面を帯電させる。転写搬送ベルト216は、駆動ローラ214によって、図1において矢印Zで示す方向に駆動される。ゆえに転写搬送ベルト216は、給紙機構211を通じて給送される用紙Pを担持しつつ、第1画像形成部Pa、第2画像形成部Pb、第3画像形成部Pc、および第4画像形成部Pdに、用紙Pを順次搬送する。転写搬送ベルト216の表面が用紙吸着用帯電器228によって帯電されているので、転写搬送ベルト機構213は、給紙機構211から供給された用紙Pを転写搬送ベルト216に確実に吸着させた状態で、第1画像形成部Paから第4画像形成部Pdまでの間、用紙Pを位置ずれを起こさないように、安定して搬送することができる。静電吸着されている用紙Pを転写搬送ベルト216から分離するために、用紙剥離用の除電器229には交流電流が印加されている。
【0054】
第1画像形成部Pa、第2画像形成部Pb、第3画像形成部Pc、および第4画像形成部Pdは、実質的には、相互に等しい構成を有している。各画像形成装置Pa.Pb,Pc,Pdは、図1において矢印Fで示す方向に回転駆動される感光体ドラム222a,222b,222c,222dをそれぞれ含む。感光体ドラム222a〜222dの周辺には、帯電器223a,223b,223c,223dと、現像装置224a,224b,224c,224dと、転写部材225a,225b,225c,225dと、クリーニング装置226a,226b,226c,226dとが、感光体ドラム222a〜222dの回転方向Fに沿って順次配置されている。
【0055】
感光体ドラム222a〜222dの上方には、レーザビームスキャナユニット227a,227b,227c,227dがそれぞれ設けられている。レーザビームスキャナユニット227a〜227dは、半導体レーザ素子と、偏向装置であるポリゴンミラー240a,240b,240c,240dと、fθレンズ241a,241b,241c,241dと、2つのミラー242a,242b,242c,242d;243a,243b,243c,243dとをそれぞれ有している。なお図1において、半導体レーザ素子は図示されていない。
【0056】
第1画像形成部Paのレーザビームスキャナユニット227aには、画像処理装置14からの画像データ内の、カラー原稿画像の黒の色成分像に対応する信号が入力される。第2画像形成部Pbのレーザビームスキャナユニット227bには、画像データ内のカラー原稿画像のシアンの色成分像に対応する信号が入力される。第3画像形成部Pcのレーザビームスキャナユニット227cには、画像データ内のカラー原稿画像のマゼンタの色成分像に対応する信号が入力される。第4画像形成部Pdのレーザビームスキャナユニット227dには、画像データ内のカラー原稿画像の黄の色成分像に対応する信号が入力される。
【0057】
帯電器223a〜223dは、感光体ドラム222a〜222dをそれぞれ一様に帯電させる。レーザビームスキャナユニット227a〜227dの半導体レーザ素子は、該ユニットに与えられた信号に応じて変調されたレーザ光を発する。ポリゴンミラー240a〜240dは、半導体レーザ素子からのレーザ光を、予め定める主走査方向に偏向させる。fθレンズ241a〜241dおよびミラー242a〜242d;243a〜243dは、ポリゴンミラー240a〜240dによって偏向されたレーザ光を、帯電された感光体ドラム222a〜222d表面に結像させる。これによってカラー原稿画像の4つの色成分に対応する静電潜像が、感光体ドラム222a〜222d上に形成される。
【0058】
第1画像形成部Paの現像装置224aには、黒色のトナーが収容されている。第2画像形成部Pbの現像装置224bには、シアン色のトナーが収容されている。第3画像形成部Pcの現像装置224cには、マゼンタ色のトナーが収容されている。第4画像形成部Pdの現像装置224dには、黄色のトナーが収容されている。現像装置224a〜224dは、感光ドラム222a〜222d上の静電潜像を、収容されているトナーによって現像する。これによって画像出力装置15において、原稿画像が、黒、シアン、マゼンタ、および黄色のトナー像として再現される。
【0059】
転写部材225a〜225dは、転写搬送ベルト216によって搬送される用紙Pの一方面に、感光体ドラム222a〜222d上のトナー像を転写する。クリーニング装置226a〜226dは、転写後の感光体ドラム222a〜222d上に残留するトナーを、それぞれ除去する。
【0060】
第4画像形成部Pdにおいてトナー像の転写が完了した後、用紙Pは、除電器229によって、先端部分から順次、転写搬送ベルト219から剥離され、定着装置217へ導かれる。定着装置217は、用紙P上に転写されたトナー像を、用紙P上に定着させる。
【0061】
定着装置217が備える定着ローラ間のニップを通過した用紙Pは、搬送方向切換えゲート218を通過する。搬送方向切換えゲート218は、トナー像定着後の用紙Pの搬送経路を、画像形成装置11本体の外へ用紙Pを排出するための第1の経路と、画像出力装置15に向かって用紙Pを再供給するための第2の経路との間で選択的に切換える。搬送方向切換えゲート218によって搬送経路が第1の経路に切換えられた場合、用紙Pは、排出ローラによって、画像形成装置11の本体の外壁に取付けられている排紙トレイ220上に排出される。搬送方向切換えゲート218によって搬送経路が第2の経路に切換えられた場合、用紙Pはスイッチバック搬送経路221に搬送され、スイッチバック搬送経路221によって表裏が反転された後、給紙機構211を経由して画像出力装置15に再度供給される。
【0062】
上述の説明では、レーザビームスキャナユニット227a〜227dによってレーザ光を走査し露光することによって、感光体222a〜222dへの光書込みを行っている。レーザビームスキャナユニット227a〜227dの代わりに、発光ダイオードアレイと結像レンズアレイとからなる書込み光学系であるLED(Light Emitting Diode)ヘッドが用いられても良い。LEDヘッドは、レーザビームスキャナユニットと比べてサイズが小さく、かつ可動部分がないために無音である。ゆえに複数の光書込みユニットを必要とするタンデム方式のデジタルカラー画像形成装置では、LEDヘッドが好適に用いられる。
【0063】
上述の説明では、画像処理装置14からCMYKの画像のデータが出力されているので、画像出力装置15は、電子写真方式の印刷機で実現されている。画像出力装置15は、電子写真方式の印刷機に限らず、他の装置、たとえばインクジェット方式の印刷機で実現されてもよい。
【0064】
また画像処理装置14は、CMYKの画像のデータに限らず、他の画像のデータ、たとえばRGBの画像のデータ、またはL*a*b*の画像のデータを出力しても良い。この場合、画像出力装置15の構成および画像形成装置11の構成は、画像出力装置から出力される画像のデータの構成に応じたものになっている。以後、図2〜図22の説明は、画像処理装置14からRGBのデータが出力される構成の例になっている。RGBのデータが出力される場合、画像出力装置15は、たとえば、表示装置で実現されている。
【0065】
図2は、本発明の参考例である画像処理装置14を備えた画像形成装置11の構成を示すブロック図である。画像形成装置11は、画像処理装置14の他に、画像入力装置13と、画像出力装置15と、操作装置16とを含む。画像入力装置13は、処理対象の画像を入力する。画像処理装置14は、入力された画像に、予め定める処理を施す。画像出力装置15は、画像処理装置14によって処理が施された画像を出力する。操作装置16は、画像形成装置11の使用者が画像形成装置11に対して指示を与える際に用いられる。画像入力装置13における画像の入力解像度と、画像出力装置15における画像の出力解像度とは、予め定められている。本実施の形態では、画像入力装置13を、カラー画像が読取り可能なスキャナ装置として説明する。スキャナ装置は、読取り対象の原稿表面を予め定める入力解像度で読取り、原稿上の画像を示すアナログ画像信号としてRGBの反射率信号を生成し、画像処理装置14に与えている。
【0066】
画像処理装置14は、アナログ/デジタル(以後「A/D」と略称する)変換部21・シェーディング補正部22・入力階調補正部23・色補正部24・像域分離処理部25・フィルタ制御部26・空間フィルタ処理部27・および中間調出力階調処理部28を含む。
【0067】
A/D変換部21は、画像入力装置13から与えられるRGB表色系の反射率信号を、デジタル信号に変換する。シェーディング補正部は、A/D変換された反射率信号に対して、シェーディング補正処理を施す。シェーディング補正処理は、画像入力装置13の照明系・結像系・および撮像系の構成に起因して画像信号に生じる各種の歪みを取除くために行われる。入力階調補正処理部23は、シェーディング補正処理が施された反射率信号に、入力階調処理を施す。入力階調補正処理は、反射率信号を、濃度信号等であるような画像処理装置14が扱いやすい信号に変換する処理である。入力階調補正部23は、反射率信号に、カラーバランス処理をさらに施しても良い。色補正部24は、画像出力装置15における色再現の忠実化実現のために、入力階調補正部23から出力される濃度信号に、色補正処理を施す。以後の説明では、A/D変換、シェーディング補正処理、入力階調補正処理、および色補正処理を「前処理」と総称する。前処理が施された画像の濃度信号は、画像を構成する各画素の赤、緑、および青(以後「RGB」と称する)のデータによって構成されるデジタル信号であり、以後「画像のデータ」と称する。画素のRGBのデータは、画素をRGBの3色に色分解して得られる。画像のデータは、像域分離処理部25と空間フィルタ処理部27とに与えられる。
【0068】
像域分離処理部25は、画像のデータに基づき、領域分離処理を行う。領域分離処理は、文字、写真および網点の判別を行い、文字領域、写真領域および網点領域に分離する処理である。像域分離処理部25は、画像内の網点領域を抽出するための網点領域抽出手段に相当する。網点領域は、原稿上の画像において、網点を用いて中間調表示された部分に相当する。網点には、線密度が相互に異なる複数の種類がある。画像内の任意の領域が網点領域であるか否かを判断するには、該任意の領域内の濃淡パターンに周期性があるか否かを、たとえばフーリエ変換法を用いて判断すれば良い。領域の空間周波数の分布をフーリエ変換法を用いて測定した場合、分布が特定の帯域に偏っているならば、領域内の濃淡パターンに周期性があるので、該領域は網点領域であると判断される。像域分離処理部25の処理結果は、フィルタ制御部26と中間調出力階調処理部28とに与えられる。像域分離処理部25の処理結果は、画像出力装置15にさらに与えられても良い。
【0069】
フィルタ制御部26は、像域分離処理部25の処理結果と前処理後の画像のデータとに基づき、空間フィルタ処理部27の特性を、画像内の領域毎に調整する。空間フィルタ処理部27は、前処理後の画像のデータに対して、調整された特性に基づいて、画像内の領域の空間周波数の成分を制限するための空間フィルタ処理を施す。空間フィルタ処理部27の詳細は後述する。
【0070】
中間調出力階調処理部28は、空間フィルタ処理部27から出力された画像のデータに対して、階調補正処理および中間調生成処理を施す。中間調生成処理は、画像を複数の画素に分割して各画素の階調を再現できるようにする処理である。また中間調出力階調処理部28は、画像データの濃度値を、画像出力装置15の特性値である網点面積率に変換する処理を行っていも良い。以後の説明では、階調補正処理および中間調生成処理を「後処理」と総称する。後処理が施された画像のデータが、画像出力装置15に与えられる。
【0071】
図3は、図2の画像形成装置11において、画像の入力から画像の出力までのプロセスを説明するための図である。使用者が操作装置16を操作して原稿複写を指示すると、ステップS1の処理として、画像入力装置13は、原稿を読取り、読取り結果を画像処理装置14に与える。ステップS2の処理として、画像処理装置14のA/D変換部21から色補正部24までの部分は、前処理を行う。ステップS3の処理として、像域分離処理部25は、領域分離処理を行う。
【0072】
空間フィルタ処理部27は、ステップS4の処理として、前処理が施された画像のデータの網点領域に対応する部分(以後「網点部分」と称する)に対して、網点領域のモアレを除去するための空間フィルタ処理を施す。空間フィルタ処理は、RGBの各データに対して、個別に行われる。RGBの各データを処理する際の空間フィルタ処理部27の特性は、相互に等しい。空間フィルタ処理部27は、画像のデータの網点部分以外の部分を、空間フィルタ処理を何ら施さずに出力してもよく、画像の網点領域以外の領域の空間周波数特性に応じた空間フィルタ処理を施した後に出力してもよい。中間調出力階調処理部28は、ステップS5の処理として、空間フィルタ処理が施された画像のデータに後処理を施し、画像出力装置15に与える。画像出力装置15は、ステップS6の処理として、後処理が施された画像のデータに基づき、画像を出力する。
【0073】
画像処理装置14は、空間フィルタ処理部27を用いて、網点領域に生じるモアレを抑制することを目的としている。網点領域のモアレの主たる発生要因は、画像入力装置13の入力解像度と画像出力装置15の出力解像度との組合わせに伴う周期の干渉に起因するものである。入力解像度と出力解像度とが相互に異なっている場合、網点の形成の周期が干渉するので、モアレが形成される。画像形成装置11において、入力解像度と出力解像度とは予め決定されている。ゆえに、画像入力装置13における網点の形成の周期と画像出力装置15における網点の形成の周期との組合わせに基づいたモデルによって、モアレが最も生じ易い空間周波数を、予め求めることができる。
【0074】
図4は、65線網点を用いた網点領域(以後「65線網点の網点領域」と略称する)の空間周波数特性を概略的に示すグラフである。図5は、133線網点を用いた網点領域(以後「133線網点の網点領域」と略称する)の空間周波数特性を概略的に示すグラフである。図4および図5は、入力解像度が600dpiであり、出力解像度が600dpiであり、かつ画像が3×3のディザマトリクスを用いたディザ方式の中間調表示法によって表されている場合を例としている。なお図4および図5のグラフにおいて、「主走査空間周波数」は画像入力装置13の走査方向と同一の方向の網点の空間周波数を示し、「副走査空間周波数」は画像入力装置13の走査方向と直交する方向の網点の空間周波数を示している。主走査および副走査空間周波数軸で定義される平面を、空間周波数平面とする。空間周波数の単位は、1mmあたりのラインの本数[本/mm]、すなわち線密度[lpi]である。グラフの縦軸は、MTF(Modulation Transfer Function)である。
【0075】
図4の65線網点の網点領域では、空間周波数平面内の主走査および副走査空間周波数がそれぞれ4本/mmである点PF1のMTFが最大になっており、該点PF1を中心として±1本/mm分の帯域WF1内の点のMTFが山状になっていることが分かる。また図5の133線網点の網点領域では、空間周波数平面内の主走査および副走査空間周波数がそれぞれ8本/mmである点PF2のMTFが最大になっており、該点PF2を中心として±1本/mm分の帯域WF2内の点のMTFが山状になっていることが分かる。なお図4および図5において、上記の帯域WF1,WF2に相当する空間周波数平面内の部分に斜線を付して示している。以後の説明では、図4および図5に示す網点領域の空間周波数特性のグラフを、図6および図7に示すように、空間周波数平面を1次元の空間周波数軸に置換えることによって、簡略化して示す。
【0076】
画像処理装置14は、モアレ除去のための空間フィルタ処理を行う際の空間フィルタ処理部27の特性に特徴がある。以下に、65線網点の網点領域と133線網点の網点領域を例として、モアレ除去の際の空間フィルタ処理部27の特性について詳細に説明する。本明細書では、処理対象の画像が含み得る全空間周波数を含む空間周波数帯域を「許容空間周波数帯域」と称している。画像が含み得る最小の空間周波数は0である。
【0077】
モアレ除去のための空間フィルタ処理を行う際の空間フィルタ処理部27の特性は、画像に含まれ得る全ての空間周波数の成分を減衰させ、かつモアレが生じ得る予め定める空間周波数(以後「モアレ周波数」と称する)の成分をさらに減衰または除去させる特性になっている。このような特性が設定された状態の空間フィルタ処理部27が、モアレ除去用の空間フィルタ手段に相当する。網点領域では、モアレ周波数の成分だけでなく、モアレ周波数の近傍の空間周波数の成分もモアレの発生要因になり得る。モアレ周波数およびモアレ周波数の近傍の空間周波数からなり、モアレが生じ易い空間周波数の帯域を「モアレ周波数域」と略称する。
【0078】
図8は、空間フィルタ処理部27の65線網点用の理想の特性GA1のグラフである。図9は、空間フィルタ処理部27の133線網点用の理想の特性GB1のグラフである。図8において、「FMA」は65線網点におけるモアレ周波数を示し、図9において、「FMB」は、133線網点におけるモアレ周波数を示している。本明細書のフィルタの特性のグラフにおいて、横軸は空間周波数平面を1次元の空間周波数軸に置換えたものであり、縦軸はMTFである。MTFが1.0未満である場合、フィルタの特性は減衰傾向になっており、MTFが1.0を越える場合、フィルタの特性は強調傾向になっている。
【0079】
理想の空間フィルタ処理部27の特性GA1,GB1は、基本的に減衰傾向の特性であり、かつモアレが特に発生しやすい空間周波数の帯域が抑制された特性になっている。このために理想の空間フィルタ処理部27の特性GA1,GB1におけるMTFは、許容空間周波数帯域全域において、空間周波数が0の場合のMTF(以後「基準MTF」と記す)よりも減衰し、かつモアレ周波数FMA,FMBにおいて極小値となっている。基準MTFは、1.0である。
【0080】
空間フィルタ処理部27は、好ましくは、デジタルフィルタで実現される。デジタルフィルタで構成された空間フィルタ処理部27の特性は、複数のフィルタ係数から構成されるマトリクスによって定められる。マトリクスは、任意の1つの画素(以後「注目画素」と称する)を元に画像内に設定されるブロックを構成する画素のデータに対して、空間フィルタ処理のための演算を行う際に用いられる。空間フィルタ処理のための演算は、注目画素を変えつつ、複数回行われる。フィルタ係数は、画素のデータに対する重み付け係数になっている。
【0081】
モアレ除去のための空間フィルタ処理部27の特性を定めるマトリクスは、モアレ周波数の空間周波数の成分を減衰または除去させる特性を有するフィルタ(以後「第1フィルタ」と称する)の特性を定めるマトリクスと、平滑フィルタの特性を定めるマトリクスとを、コンボリューション演算して得られる。以後の説明では、モアレ除去のための空間フィルタ処理部27の特性を定めるマトリクスを「空間フィルタマトリクス」と称し、第1フィルタの特性を定めるマトリクスを「第1フィルタマトリクス」と称し、平滑フィルタの特性を定めるマトリクスを「平滑フィルタマトリクス」と称する。
【0082】
図10は、図8に示す65線網点用の理想の空間フィルタ処理部27の特性の規定に用いられる第1フィルタの理想の特性GA3を示すグラフである。図11は、図9に示す133線網点用の理想の空間フィルタ処理部27の特性の規定に用いられる第1フィルタの理想の特性GB3を示すグラフである。第1フィルタの理想の特性GA3,GBにおいて、モアレ周波数FMA,FMBのMTFが極小値になっており、かつモアレ周波数域のMTFが1.0未満になっている。
【0083】
第1フィルタは、好ましくは、モアレ周波数においてMTFが極小値となっているバンドカットフィルタで実現される。このようなバンドカットフィルタの遮断周波数は、モアレ周波数と一致する。なお第1フィルタの特性は、モアレ周波数の成分を減衰または除去させる特性を有するフィルタの特性であり、バンドカットフィルタの特性で実現される。
【0084】
平滑フィルタの特性は、画像に含まれ得る全空間周波数の成分を減衰させるものになっている。図12は、図8に示す65線網点用の理想の空間フィルタ処理部27の特性の規定に用いられる平滑フィルタの理想の特性GA4を示すグラフである。図13は、図9に示す133線網点用の理想の空間フィルタ処理部27の特性の規定に用いられる平滑フィルタの理想の特性GB4を示すグラフである。理想の平滑フィルタの特性GA4,GB5では、許容空間周波数帯域内の全空間周波数のMTFが1.0以下になっている。平滑フィルタのMTFは、常に1.0以下であるならば、空間周波数の変化に伴ってどのように変化してもよい。
【0085】
空間フィルタ処理部27の特性が図8および図9で説明した特性になっているのは、以下の理由からである。網点領域に65線網点が用いられる場合、65線網点のモアレ周波数を予め求めることによって、図6に示すような65線網点の空間周波数特性が得られる。得られた65線網点の空間周波数特性において、MTFが山状に強調されている帯域がモアレ周波数域に相当するので、空間フィルタ処理部27は、モアレ周波数域の空間周波数の成分を減衰させるようにする。モアレ周波数域の空間周波数成分の減衰には、図10に示すような、モアレ周波数域の空間周波数成分を減衰または除去する第1フィルタが用いられる。
【0086】
網点領域において、モアレ周波数域の空間周波数に起因するモアレの他に、モアレ周波数域以外の他の帯域内の空間周波数に起因するモアレが発生している。他の帯域の空間周波数に起因するモアレは、モアレ周波数域の空間周波数に起因するモアレよりも視覚的に目立たない。65線網点の網点領域の空間周波数の成分の減衰処理に図10の第1フィルタだけが用いられる場合、モアレ周波数域の空間周波数に起因するモアレの発生だけが抑制され、他の帯域の空間周波数に起因するモアレは元どおり発生する。この結果、減衰処理後の網点領域全体のモアレの抑制状態が統一されていないので、網点領域の品位が低下する。ゆえに、他の帯域の空間周波数に起因するモアレの抑制のために、他の帯域の空間周波数の成分に対して平滑処理を施す必要がある。他の帯域の空間周波数成分の平滑化には、図12に示すように、許容空間周波数帯域全域の空間周波数の成分を減衰させる平滑フィルタが用いられる。
【0087】
以上説明した理由に基づき、65線網点用の理想の空間フィルタ処理部27の特性は、図8に示すように、図10の第1フィルタの特性と図12の平滑フィルタの特性とを組合わせて得られるバンドパスフィルタの特性になっている。これによって空間フィルタ処理部27は、モアレ周波数域の空間周波数の成分を特に減衰させる処理を行いつつ、モアレ周波数域以外の残余の帯域の全空間周波数の成分を減衰させる平滑処理を行うことができる。図8の特性を有する空間フィルタ処理部27が用いられる場合、許容空間周波数帯域全域に渡って、モアレが視覚上充分に目立たない程度に抑制される。これによって空間フィルタ処理部27は、モアレ周波数域の空間周波数の成分だけに減衰処理を施すバンドカットフィルタよりも、空間フィルタ処理後の画像の品位を一層向上させることができる。
【0088】
網点領域に用いられる網点が133線網点である場合、網点が65線網点である場合と同様に、最初に、図7に示すように、入力解像度と出力解像度とに基づいてモアレ周波数域が求められる。次いで、許容空間周波数帯域全域の空間周波数の成分を減衰させ、かつ求められたモアレ周波数域の空間周波数の成分をさらに減衰または除去させるフィルタの特性を、図11の第1フィルタの特性と図13の平滑フィルタの特性とを組合わせて求める。図9の特性を有する空間フィルタ処理部27を用いて空間フィルタ処理が行われるならば、網点領域のモアレの発生要因が視覚上、全波長域に渡って軽減される。これによって、空間フィルタ処理部27を用いた空間フィルタ処理後の画像の品位は、バンドカットフィルタだけを用いた空間フィルタ処理後の画像の品位よりも、より一層向上される。
【0089】
以上説明した理由に基づき、空間フィルタマトリクスの設定は、入力解像度と出力解像度との組合わせに応じて求められたモアレ周波数域に基づいて行われる。空間フィルタマトリクスのフィルタ係数は、モアレ周波数域に応じてフィルタ係数が設定された第1フィルタマトリクスと、平滑フィルタマトリクスとのコンボリューション演算によって設定される。これによって、モアレ周波数域に対して特に効果的でありつつ、残余の空間周波数帯域に対してほどよい効果を有するフィルタを提供することができる。
【0090】
図3のステップS4の空間フィルタ処理に際して、本実施の形態の空間フィルタ処理の処理対象となるのは網点領域であり、空間フィルタ処理部27の特性は網点の種類に応じて変化する。ゆえに空間フィルタ処理の実行に先立ち、網点の種類に応じた空間フィルタマトリクスが、予め定められている。定められた空間フィルタマトリクスは、空間フィルタ処理部27またはフィルタ制御部26に備えられる記憶部に記憶される。空間フィルタマトリクスが2つ以上準備されている場合、フィルタ制御部26は、網点の種類に応じて、空間フィルタ処理部27が用いる空間フィルタマトリクスを適宜切換えることが好ましい。
【0091】
図14は、フィルタ制御部26において、空間フィルタ部27の特性を制御する処理を説明するための図である。図14は、65線網点用の空間フィルタマトリクスと133点用の空間フィルタマトリクスとが、既に設定されている場合を例とする。使用者が操作装置16を操作して原稿複写を指示すると、フィルタ制御部26は、画像入力装置13が原稿を読取った後に処理を開始する。フィルタ制御部26は、ステップS11の処理として、画像のデータの網点部分を空間フィルタ処理部27に与えると共に、65線網点用の空間フィルタマトリクスおよび133点網点用の空間フィルタマトリクスのうちのどちらか一方を、空間フィルタ処理部27に与える。2つの空間フィルタマトリクスのうちのどちらを与えるかは、網点領域に用いられる網点が65線網点であるか133線網点であるかに応じて選択させることが好ましい。フィルタ制御部26は、ステップS12で、空間フィルタ処理部分27に、空間フィルタ処理を開始させる。
【0092】
図14の処理の結果、空間フィルタ処理部27に単一の空間フィルタマトリクスと網点部分とが与えられているので、空間フィルタ処理部27は、モアレ除去のための空間フィルタ処理を行う。なお図14の例では、空間フィルタマトリクスは2つ準備されているとしたが、これに限らず、3つ以上準備されていてもよい。また空間フィルタマトリクスは1つだけ準備されていて、空間フィルタ処理部27が常に同じ空間フィルタマトリクスを用いる構成であってもよい。
【0093】
実際の空間フィルタ処理部27の特性は、画像入力装置13および画像出力装置15の特性の変化に伴い変化する。実際の空間フィルタ処理部27の特性は、以下に示す方法で最適化される。最初に、図2の構成を有する画像形成装置11に試験用の原稿を複写させ、その結果出力される画像内の網点領域のモアレの有無を、たとえば目視によって確認する実験を行う。前記実験は、空間フィルタ処理部27の特性を相互に変えて複数回行われる。複数回の実験の結果モアレの発生が最も少ない画像が出力された時の空間フィルタ処理部27の特性を、最適な特性とすればよい。空間フィルタ処理部27の実際の特性は、デジタルフィルタの構成に規制されるので、理想の特性と一致しない場合がある。この場合は、最適化のための実験に用いられた複数の特性のうち、理想の特性に最も類似する特性が選ばれればよい。
【0094】
空間フィルタ処理部27の特性において、MTFが極小値となる空間周波数は、空間フィルタマトリクスのコンボリューション演算に用いられる第1フィルタの中央画素に対する重み付けを変化させることによって、変化させることができる。空間フィルタ処理部27の特性全体のMTFは、空間フィルタマトリクスのコンボリューション演算に用いられる平滑フィルタの中央画素に対する重み付けを変化させることによって、変化させることができる。平滑フィルタの中央画素に対応する重み付けが大きいほど、空間フィルタ処理部27の特性全体のMTFが強くなる。
【0095】
最適な空間フィルタマトリクスについて、65線網点および133線網点を例として、以下に説明する。以下の説明では、第1フィルタマトリクスおよび平滑フィルタマトリクスがどちらも3行3列(3×3)のマトリクスで実現され、空間フィルタマトリクスは、5行5列(5×5)のマトリクスで実現されている場合を例としている。3×3のマトリクス、および5×5のマトリクスでは、注目画素はブロックの中央にあり、注目画素に対応するフィルタ係数はマトリクスの中央にある。ブロック内の全画素のうち、前記注目画素以外の残余の画素を、「周辺画素」と称する。空間フィルタマトリクスを得るために用いられる平滑フィルタマトリクスは、好ましくは、全フィルタ係数が相互に等しい平滑フィルタマトリクスで実現される。また空間フィルタマトリクスを得るために用いられる平滑フィルタマトリクスとしては、さらに好ましくは、注目画素のフィルタ係数が周辺画素のフィルタ係数よりも大きい平滑フィルタマトリクスで実現される。
【0096】
まず、全フィルタ係数が相互に等しい平滑フィルタマトリクスを用いて定められる最適な空間フィルタマトリクスについて、図15〜図18を用いて説明する。本実施の形態では、平滑フィルタマトリクス内の全フィルタ係数は、1になっている。全フィルタ係数が相互に等しい平滑フィルタマトリクスを用いた空間フィルタ処理の演算は、ブロック内の全画素のデータの相加平均を求める演算に相当する。
【0097】
図15は、65線網点用の最適な空間フィルタマトリクスを定めるための行列式を示す図である。図15の行列式の左辺第1項は、65線網点用の最適の第1フィルタマトリクスMA1であり、図15の行列式の左辺第2項は、65線網点用の最適の平滑フィルタマトリクスMA2である。図15の行列式の右辺は、65本網点用の最適の空間フィルタマトリクスMA3であり、65線網点用の最適の第1フィルタマトリクスMA1と65線網点用の最適の平滑フィルタマトリクスMA2とのコンボリューション演算によって得られる。
【0098】
図16(A)は、65線網点用の最適の第1フィルタの特性GA5のグラフである。最適の第1フィルタの特性GA5は、図15の最適の第1フィルタマトリクスMA1によって定められる。最適の第1フィルタの特性は、遮断周波数が6.5本/mmであるバンドカットフィルタの特性になっている。
【0099】
図16(B)は、65線網点用の最適の平滑フィルタの特性GA6のグラフである。最適の平滑フィルタの特性GA6は、図15の最適の平滑フィルタマトリクスMA2によって定められる。最適の平滑フィルタの特性GA6では、基準MTFが1.0であり、0より大きくかつ予め定める上限空間周波数FFA未満の帯域内では空間周波数が増大するほどMTFが0に近付き、かつ上限空間周波数FFA以上の空間周波数のMTFが0になっている。上限空間周波数FFAはモアレ周波数FMA以上の空間周波数であり、図16の例では11本/mmになっている。
【0100】
図16(C)は、65本網点用の最適の空間フィルタ処理部27の特性GA7のグラフである。最適の空間フィルタ処理部27の特性GA7は、図15の最適の空間フィルタマトリクスMA3によって定められる。最適の空間フィルタ処理部27の特性GA7は、65線網点のモアレ周波数FMAのMTFの代わりに6.75本/mmの空間周波数のMTFが極小値になっており、かつ11本/mm以上の空間周波数の成分のMTFが0になっており、他の構成は図8の65線網点用の理想の空間フィルタ処理部27の特性GA1と等しい。
【0101】
図17は、133線網点用の最適な空間フィルタマトリクスを定めるための行列式を示す図である。図17の行列式の右辺は、133本網点用の最適の空間フィルタマトリクスMB3であり、左辺第1項である最適の第1フィルタマトリクスMB1と、左辺第2項である平滑フィルタマトリクスMB2とを、コンボリューション演算して得られる。図17の左辺第2項には、図15の65線網点用の最適の平滑フィルタマトリクスMA2と同じマトリクスが用いられている。
【0102】
図18(A)は、133線網点用の最適の第1フィルタの特性GB5のグラフである。最適の第1フィルタの特性GB5は、図17の第1フィルタマトリクスMB1によって定められる。最適の第1フィルタの特性GB5は、遮断周波数が9.2本/mmであるバンドカットフィルタの特性になっている。図18(B)は、133線網点用の最適の平滑フィルタの特性GB6のグラフである。最適の平滑フィルタの特性GB6は、図17の平滑フィルタマトリクスMB2によって定められる。最適の平滑フィルタの特性GB6は、図16(B)の平滑フィルタの特性GA6と等しい。
【0103】
図18(C)は、133線網点用の最適の空間フィルタ処理部27の特性GB7のグラフである。最適の空間フィルタ処理部27の特性GB7は、図17の最適の空間フィルタマトリクスMB3によって定められる。最適の空間フィルタ処理部27の特性GB7は、133線網点のモアレ周波数FMBのMTFの代わりに9.2本/mmの空間周波数のMTFが極小値になっており、かつ22本/mm以上の帯域の空間周波数のMTFが0になっており、他の構成は図9の133線網点用の理想の空間フィルタ処理部27の特性GB1と等しい。
【0104】
以上図15〜図18で説明したように、全フィルタ係数が相互に等しい平滑フィルタマトリクスを用いて空間フィルタマトリクスが定められた場合、空間フィルタ処理部27の特性を、モアレ除去のための空間フィルタ処理により適した特性にすることができる。
【0105】
次いで、注目画素のフィルタ係数が周辺画素のフィルタ係数よりも大きい平滑フィルタマトリクスを用いて定められる最適な空間フィルタマトリクスについて、図19〜図22を用いて説明する。フィルタ係数が相互に異なるマトリクスを用いた行列演算は、注目画素を含むブロック内の全画素のデータの重み付け平均を求める演算に相当する。
【0106】
図19は、65線網点用の最適な空間フィルタマトリクスMA5を定めるための行列式を示す図である。図19の行列式の右辺は、65本網点用の最適の空間フィルタマトリクスMA5であり、左辺第1項である最適の第1フィルタマトリクスMA1と、左辺第2項である最適の平滑フィルタマトリクスMA4とを、コンボリューション演算して得られる。図19の行列式内の左辺第1項には、図15の65点網点用の最適の第1フィルタマトリクスMA1が用いられている。図19の最適の平滑フィルタマトリクスMA4において、注目画素のフィルタ係数は4である。また注目画素の上下左右に位置する画素のフィルタ係数は、2である。注目画素の対角線上にある残余の4つの周辺画素のフィルタ係数は、該周辺画素がブロック内で注目画素に最も遠い位置にあるので、全フィルタ係数のうちの最小値、すなわち1としている。
【0107】
図20(A)は、65線網点用の最適の第1フィルタの特性GA5のグラフであり、図16(A)と同じものである。図20(B)は、65線網点用の最適の平滑フィルタの特性GA8のグラフである。最適の平滑フィルタの特性GB8は、図19(B)の最適の平滑フィルタマトリクスによって定められる。最適の平滑フィルタの特性GA8は、上限空間周波数FFAが16本/mmになっており、他の構成は図16(B)の最適の平滑フィルタの特性GA4と等しい。
【0108】
図20(C)は、65線網点用の最適の空間フィルタ処理部27の特性GA9のグラフである。最適の空間フィルタ処理部27の特性GA9は、図19の空間フィルタマトリクスMA5によって定められる。最適の空間フィルタ処理部27の特性GA9は、65線網点のモアレ周波数FMAのMTFの代わりに6.5本/mmの空間周波数のMTFが極小値になっており、かつ16本/mm以上の帯域の空間周波数の周波数成分のMTFが0になっており、他の構成は図8の65線網点用の理想の空間フィルタ処理部27の特性GA1と等しい。
【0109】
図21は、133線網点用の最適な空間フィルタマトリクスMB5を定めるための行列式を示す図である。図21の行列式の右辺は、133本網点用の最適の空間フィルタマトリクスMB5であり、左辺第1項である最適の第1フィルタマトリクスMB1と、左辺第2項である最適の平滑フィルタマトリクスMB4とを、コンボリューション演算して得られる。図21の行列式内の左辺第1項には、図17の133点網点用の最適の第1フィルタマトリクスMB1が用いられている。図21の133本網点用の最適の平滑フィルタマトリクスMB4は、図19の65点網点用の最適の平滑フィルタマトリクスMB4と等しい。
【0110】
図22(A)は、133線網点用の最適の第1フィルタの特性GB5のグラフであり、図18(A)と同じものである。図22(B)は、133線網点用の最適の平滑フィルタの特性GB8のグラフである。最適の平滑フィルタの特性GB8は、図21の平滑フィルタマトリクスMB4によって定められる。最適の平滑フィルタの特性GB8は、図20(B)の平滑フィルタの特性GA8と等しい。
【0111】
図22(C)は、133線網点用の最適の空間フィルタ処理部27の特性GB9のグラフである。最適の空間フィルタ処理部27の特性GB9は、図21の空間フィルタマトリクスMB5によって定められる。最適の空間フィルタ処理部27の特性GB9は、133線網点のモアレ周波数FMBのMTFの代わりに9.2本/mmの空間周波数のMTFが極小値になっており、かつ16本/mm以上の帯域の空間周波数の周波数成分のMTFが0になっており、他の構成は図9の133点用の理想の空間フィルタ処理部27の特性GB1と等しい。
【0112】
以上説明したように、注目画素のフィルタ係数が周辺画素のフィルタ係数よりも大きい平滑フィルタマトリクスを用いて空間フィルタマトリクスが定められた場合、空間フィルタ処理部27の特性を、空間フィルタ処理により適した特性にすることができる。注目画素のフィルタ係数が周辺画素のフィルタ係数よりも大きい平滑フィルタマトリクスを用いることがさらに好ましいのは、以下の理由からである。画像からモアレを除去する場合、画像内の注目画素の特徴を残したまま、モアレが除去されることが理想的である。注目画素の特徴とは、たとえば注目画素の色と注目画素の周辺の画素の色との差である。注目画素のフィルタ係数が周辺画素のフィルタ係数よりも大きい場合、平滑フィルタは、注目画素の特徴をより多く残すことができる。ゆえに平滑化フィルタマトリクスにおいて、注目画素のフィルタ係数が周辺画素のフィルタ係数よりも大きくなっているのである。注目画素のフィルタ係数が周辺画素のフィルタ係数よりも大きい平滑フィルタマトリクスにおいて、好ましくは、周辺画素のフィルタ係数と注目画素のフィルタ係数との距離が大きいほど、該周辺画素のフィルタ係数が小さくなっている。これによって平滑フィルタは、注目画素の特徴をさらに多く残すことができる。
【0113】
図4〜図22では、像域分離処理部25によって抽出された網点領域において、モアレ周波数域が1つだけある場合を例として説明している。網点領域のモアレ周波数は、実際には、1つとは限らず、複数ある場合もある。本発明の実施の一形態では、網点領域にモアレ周波数が複数あり、第1フィルタマトリクスが、各モアレ周波数の成分をそれぞれ減衰または除去させる特性を有するフィルタ(以後「第2フィルタ」と称する)の特性を定めるマトリクス(以後「第2フィルタマトリクス」と称する)を相互にコンボリューション演算して得られるマトリクスになっている。第2フィルタは、各モアレ周波数のMTFが極小値となっているバンドカットフィルタで実現される。
【0114】
網点領域にモアレ周波数が複数ある場合の空間フィルタ処理部27の特性GX1について、図23を用いて説明する。以下の説明は、図23(A)に示すように、網点領域の空間周波数特性が3つのモアレ周波数域A1,A2,A3を有している場合を例としている。空間フィルタ処理部27の特性GX1は、図23(B)に示すように、基本的に減衰傾向になっており、かつモアレ周波数域A1,A2,A3の部分が抑制された特性を示している。このために基準MTFが1.0であり、3つのモアレ周波数域A1,A2,A3のモアレ周波数FM1,FM2,FM3のMTFがそれぞれ極小値となり、かつ許容空間周波数帯域の全空間周波数のMTFが1.0未満になっている。
【0115】
理想の空間フィルタ処理部27の特性GX1を定めるマトリクスは、3つの第2フィルタの特性GX2,GX3,GX4を定めるマトリクスと、平滑フィルタの特性を定めるマトリクスとをコンボリューション演算して得られる。図23(C)・図23(D)・および図23(E)は、第2フィルタの特性GX2,GX3,GX4をそれぞれ示すグラフである。第2フィルタの特性GX2,GX3,GX4は、基準MTFが1.0であり、モアレ周波数FM1,FM2,FM3のMTFが極小値になっている。3つの第2フィルタにおいてMTFが極小値になる空間周波数は、相互に異なる。図23(F)は、平滑フィルタの特性GX5の特性を示すグラフである。図23(F)の平滑フィルタの特性GX5は、図4〜図22の説明で用いられた平滑フィルタの特性と等しい。
【0116】
空間フィルタ処理部27は、網点領域にモアレ周波数が複数ある場合、図23(B)の特性を定めるための空間フィルタマトリクスを用いて、空間フィルタ処理を行う。これによって空間フィルタ処理部27は、網点領域に対して好適な空間フィルタ処理を施すことができる。なお図23では、網点領域のモアレ周波数域は3つであるとしているが、これに限らず、モアレ周波数域が複数あればよい。本発明の実施の一形態のそのほかの構成は、前述の図1〜図22に示される参考例と同様である。
【0117】
空間フィルタ処理部27の処理対象の画像がカラー画像である場合、画像のデータは、各画素の輝度のデータと各画素の色差のデータとによって構成されていてもよい。輝度のデータと色差のデータとが分離している画像のデータとしては、L*a*b*表色系の画像のデータが挙げられる。L*a*b*表色系は、1976年に国際照明委員会(CIE)で規格化された表色系であり、印刷業界の標準色空間である。L*a*b*表色系の画像のデータは、画素を、明度指数L*と2種類の知覚色度a*,b*との組合わせで表す。明度指数L*が輝度のデータに相当し、2種類の知覚色度a*,b*が色差のデータに相当する。画像処理装置14において空間フィルタ処理部27にL*a*b*表色系の画像のデータを与えるには、色補正部24が、RGB表色系の画像のデータをL*a*b*表色系の画像のデータに変換するための色変換部を備えていればよい。
【0118】
空間フィルタ処理部27は、L*a*b*表示系の画像のデータが与えられるならば、輝度のデータL*だけに処理を施し、色差のデータa*,b*には処理を施さないことが好ましい。この理由は以下のとおりである。本実施の形態において、空間フィルタ処理は、画像の品位の向上を主目的として、処理対象の画像の空間周波数の特性を、所望の空間周波数特性になるように変換する。画像のデータが画素の輝度のデータと画素の色差のデータとによって構成される場合、色差のデータに対して空間フィルタ処理を施すと、空間フィルタ処理前の画像と空間フィルタ処理後の画像とで色の見え方が変わってしまう。ゆえに色差のデータに対して空間フィルタ処理が施されると、画像の品位の向上が難しくなるので、好ましくない。空間フィルタ処理部27は、L*a*b*表色系の画像のデータが与えられる場合、画素の濃淡を表す輝度のデータL*だけに処理を施し、画素の色を表す色差のデータa*,b*には処理を施さない。これによって空間フィルタ処理部27は、空間フィルタ処理に伴う画像品位の低下を招来することなく、良好な空間フィルタ処理を施すことができる。
【0119】
図24は、空間フィルタ処理部27がL*a*b*表色系の画像のデータを処理対象とする場合、図2の画像形成装置11において、画像の入力から画像の出力までのプロセスを説明するための図である。図24において、図3のステップとと同じ処理を行うステップには同じ符号を付し、説明は省略する。ステップS2の前処理が終了した後、画像処理装置14の色補正部24内の色変換部は、ステップS21の処理として、前処理が施されたRGB表色系の画像のデータを、L*a*b*表色系の画像のデータに変換する。L*a*b*表色系の画像のデータと、RGB表色系の画像のデータとは、計算によって相互に変換することができる。
【0120】
画像処理装置14の空間フィルタ処理部27は、ステップS24の処理として、L*a*b*表色系の画像のデータ内の輝度データL*だけに、空間フィルタマトリクスを用いた空間フィルタ処理を施す。ステップS24で用いられる空間フィルタマトリクスは、図4〜図22の説明と同様に、第1フィルタマトリクスと平滑フィルタマトリクス*とをコンボリューション演算して得られる。L*a*b*表色系の画像のデータ内の色差のデータa*,b*は、空間フィルタ処理が施されないまま、中間調出力階調処理部28に与えられる。
【0121】
輝度のデータL*だけに空間フィルタ処理が施される場合、網点の種類に応じて、空間フィルタ処理部27に用いられる空間フィルタマトリクスに違いがある。ゆえに輝度のデータL*だけに空間フィルタ処理が施される場合、65点網点用の空間フィルタマトリクスと133点網点用の空間フィルタマトリクスとを、適宜切換えて用いるようにしてもよい。空間フィルタマトリクスの切換え処理は、図13で説明した処理と等しい。
【0122】
また空間フィルタ処理部27の処理対象の画像がカラー画像である場合、画像のデータは、各画素の色を表す複数の色のデータと、各画素の濃淡を表す黒のデータとから、構成されていてもよい。この画像のデータとしては、CMYKの画像のデータが挙げられる。CMYKの画像のデータは、各画素のデータをシアン(C)・マゼンタ(M)・黄(Y)・および黒(K)の4色に色分解して得られるデータによって構成されている。
【0123】
図25は、処理対象の画像のデータがCMYKの画像のデータで実現される場合の画像処理装置14の構成を示す図である。図25の例では、色補正部24が、色変換部41と墨生成下色除去部42とを備えている。色変換部41は、RGB表色系の画像のデータを、CMY表色系の画像のデータに変換する。墨生成下色除去部42は、CMY表色系の画像のデータに基づいて画素の濃淡を表す黒のデータを生成し、さらにCMY表色系の画像のデータに対して下色除去処理を施す。これによってRGB表色系の画像のデータは、CMYKの画像のデータに変換され、空間フィルタ処理部27に与えられる。空間フィルタ処理部27は、CMYKの画像のデータが与えられた場合、CMYKの各色のデータに対して、それぞれ空間フィルタ処理を施す。CMYKの各データに対する空間フィルタ処理に用いられる空間フィルタマトリクスは、図4〜図22の説明と同様に、第1フィルタマトリクスと平滑フィルタマトリクスとをコンボリューション演算して得られる。空間フィルタ処理部27は、CMYKの画像のデータが与えられた場合、画素の濃淡を表す黒のデータだけに空間フィルタ処理を施し、画像の色を表すCMYの各データを、空間フィルタ処理を施さないまま出力する構成であってもよい。これによって空間フィルタ処理部27は、網点領域からモアレを充分に除きつつ、画像の色の変化を防止することができる。
【0124】
画像処理装置14は、単独で利用してもよく、画像入力装置13だけと組合わされてもよく、画像出力装置15とだけ組合わされても良い。また第1の実施の形態の画像処理装置14は、少なくとも空間フィルタ処理部27と像域分離処理部25とを備えていればよく、他の処理部は適宜省略されてもよい。画像出力装置15は、画像処理装置14がRGB表色系の画像のデータを出力する場合、たとえば陰極線管を用いた表示装置または液晶表示素子を用いた表示装置で実現される。画像処理装置14がCMYKの画像のデータを出力する場合、たとえば電子写真方式を用いた印刷装置またはインクジェット方式を用いた印刷装置で実現される。また画像処理装置14がCMYKの画像のデータを出力する場合、画像形成装置11は、複写機で実現される。図1の画像形成装置1は、本発明の画像形成装置の例示であり、画像形成装置の具体的な構成は図1の構成に限定されない。第1の実施の形態において、空間フィルタ特性が設定された網点の種類として65線網点と133線網点との2つを挙げたが、これに限らず、たとえば100線網点または150線網点であるような他の網点に応じた空間フィルタ特性が設定されてもよい。
【0162】
以上説明した実施の形態の画像処理装置14は、本発明の画像処理装置の例示であり、主要な動作が等しければ、他の様々な形で実施することができる。特に画像処理装置内部の各処理部の詳細な動作は、同じ処理結果が得られれば、これに限らず他の動作によって実現されてもよい。
【0163】
実施の形態の画像処理装置14において、処理対象となる画像は、カラー画像に限らず、白黒画像でもよい。処理対象の画像がカラー画像である場合、処理対象の画像のデータは、RGB表色系の画像のデータ、L*a*b*表色系の画像のデータ、およびCMYKの画像のデータに限らず、画素毎に、カラーの画素を出力するために必要な成分のデータによって構成されていればよい。画素毎に色を表すデータと黒のデータとにより構成される画像のデータは、CMYKの画像のデータに限らず、他の構成のデータであってもよい。画素毎に輝度のデータと色差のデータとにより構成される画像のデータは、L*a*b*表色系の画像のデータに限らず、他の形式のデータ、たとえばいわゆるL*u*v*表色系の画像のデータまたはYIQ表色系の画像のデータでもよい。
【0165】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、画像処理装置のモアレ除去用の空間フィルタ手段の特性は、画像に含まれ得る全空間周波数の成分を減衰させつつ、モアレが生じ得る予め定める空間周波数の成分をさらに減衰または除去する特性になっている。これによって前記画像処理装置は、モアレ除去のための空間周波数の成分の減衰を最小限に抑え、かつ画像が含み得る全空間周波数にわたって、モアレの発生要因を軽減することができる。したがって画像処理装置から出力される画像の品位が向上する。
【0166】
モアレ除去用の空間フィルタ手段の特性を定めるマトリクスは、モアレが生じ得る予め定める空間周波数の成分を減衰または除去するバンドカットフィルタの特性を有する第1マトリクスと、平滑フィルタの特性を定めるための第2マトリクスとを、コンボリューション演算して得られる。これによってモアレ除去用の空間フィルタ手段は、単一のデジタルフィルタで実現されるので、該空間フィルタ手段の処理速度が向上し、回路構成が簡略化される。
【0167】
バンドカットフィルタは、モアレが生じ得る予め定める空間周波数の空間周波数特性が極小値になっているバンドカットフィルタで実現される。これによってモアレ除去用の空間フィルタ手段は、モアレが生じ得る空間周波数の成分を効果的に減衰させることができるので、モアレの発生要因をより一層効果的に軽減することができる。
モアレが生じ得る空間周波数が複数設定され、バンドカットフィルタの特性を定める第1マトリクスは、モアレが生じ得る各空間周波数の成分を減衰または除去する特性をそれぞれ有するバンドカットフィルタの特性を定めるマトリクスを相互にコンボリューション演算して得られる。これによって網点領域のモアレを好適に除去可能である空間フィルタ手段が、容易に得られる。
【0168】
平滑フィルタの特性を定めるマトリクスの全フィルタ係数は、相互に等しい。これによってモアレ除去用の空間フィルタ手段の特性を、画像に含まれ得る全空間周波数の成分を減衰させることができる特性にすることができる。
【0169】
さらにまた本発明によれば、平滑フィルタの特性を定めるマトリクスは、中央にあるフィルタ係数が他のフィルタ係数よりも大きいマトリクスで実現される。これによってモアレ除去用の空間フィルタ手段の特性を、画像に含まれ得る全空間周波数の成分を減衰させることができる特性にすることができる。
【0171】
さらにまた本発明によれば、モアレ除去用の空間フィルタ手段は、画像のデータが画素の輝度データおよび色差データによって構成される場合、輝度データだけに処理を施す。これによって画像の色の変化が防止されるので、モアレ除去用の空間フィルタは、画像の品位の低下を招来することなく、空間周波数の成分を制限する処理を画像のデータに対して良好に施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例に係る画像処理装置を備えた画像形成装置の構成を示す正面断面図である。
【図2】本発明の参考例である画像処理装置を備えた画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】RGB表色系の画像のデータを処理対象とする場合の図2の画像形成装置のプロセスを説明するための図である。
【図4】65線網点の網点領域の空間周波数特性を示すグラフである。
【図5】133線網点の網点領域の空間周波数特性を示すグラフである。
【図6】65線網点の網点領域の空間周波数特性を示すグラフである。
【図7】133線網点の網点領域の空間周波数特性を示すグラフである。
【図8】理想の65線網点用の空間フィルタ処理部の特性のグラフである。
【図9】理想の133線網点用の空間フィルタ処理部の特性のグラフである。
【図10】理想の65線網点用の空間フィルタ処理部の特性を定めるための第1フィルタの理想の特性を示すグラフである。
【図11】理想の133線網点用の空間フィルタ処理部の特性を定めるための第1フィルタの理想の特性を示すグラフである。
【図12】理想の65線網点用の空間フィルタ処理部の特性を定めるための平滑フィルタの理想の特性を示すグラフである。
【図13】理想の133線網点用の空間フィルタ処理部の特性を定めるための平滑フィルタの理想の特性を示すグラフである。
【図14】空間フィルタ部の特性を制御する処理を説明するための図である。
【図15】全フィルタ係数が相互に等しい平滑フィルタマトリクスを用いて最適の65線網点用の空間フィルタマトリクスを定めるための行列式を示す図である。
【図16】図15の行列式のマトリクスによって定められる特性を示すグラフである。
【図17】全フィルタ係数が相互に等しい平滑フィルタマトリクスを用いて最適の133線網点用の空間フィルタマトリクスを定めるための行列式を示す図である。
【図18】図17の行列式のマトリクスによって定められる特性を示すグラフである。
【図19】中央のフィルタ係数が大きい平滑フィルタマトリクスを用いて最適の65線網点用の空間フィルタマトリクスを定めるための行列式を示す図である。
【図20】図19の行列式のマトリクスによって定められる特性を示すグラフである。
【図21】中央のフィルタ係数が大きい平滑フィルタマトリクスを用いて最適の133線網点用の空間フィルタマトリクスを定めるための行列式を示す図である。
【図22】図21の行列式のマトリクスによって定められる特性を示すグラフである。
【図23】本発明の実施の一形態における網点領域にモアレが生じ得る空間周波数が複数ある場合の空間フィルタ処理部の特性を説明するためのグラフである。
【図24】L*a*b*表色系の画像のデータを処理対象とする場合の図2の画像形成装置のプロセスを説明するための図である。
【図25】CMYKの画像のデータを処理対象とする場合の図2の画像処理装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
13 画像入力装置
14 画像処理装置
15 画像出力装置
25 像域分離処理部
26 フィルタ制御部
27 空間フィルタ処理部
Claims (3)
- (a)処理対象の画像のデータに基づき、画像内の網点領域を抽出する網点領域抽出手段と、
(b)網点領域抽出手段によって抽出された網点領域の空間周波数の成分を制限する処理を、画像のデータ内の網点領域に対応する部分に施すモアレ除去用の空間フィルタ手段であって、
第1マトリクスと、第2マトリクスとを、コンボリューション演算して得られる第3マトリクスによって定められる特性を有し、
第1マトリクスは、モアレが生じ得る予め定める複数の各空間周波数における空間周波数特性がそれぞれ極小値になっているバンドカットフィルタの特性を定める各バンドカットフィルタ用マトリクスを、相互にコンボリューション演算して得られるマトリクスであり、
第2マトリクスは、画像に含まれ得る全空間周波数の成分を減衰させて平滑化させる平滑フィルタの特性を定め、この第2マトリクスを構成する全フィルタ係数が、相互に等しいモアレ除去用の空間フィルタ手段とを含むことを特徴とする画像処理装置。 - (a)処理対象の画像のデータに基づき、画像内の網点領域を抽出する網点領域抽出手段と、
(b)網点領域抽出手段によって抽出された網点領域の空間周波数の成分を制限する処理を、画像のデータ内の網点領域に対応する部分に施すモアレ除去用の空間フィルタ手段であって、
第1マトリクスと、第2マトリクスとを、コンボリューション演算して得られる第3マトリクスによって定められる特性を有し、
第1マトリクスは、モアレが生じ得る予め定める複数の各空間周波数における空間周波数特性がそれぞれ極小値になっているバンドカットフィルタの特性を定める各バンドカットフィルタ用マトリクスを、相互にコンボリューション演算して得られるマトリクスであり、
第2マトリクスは、画像に含まれ得る全空間周波数の成分を減衰させて平滑化させる平滑フィルタの特性を定め、この第2マトリクスを構成する全フィルタ係数のうち、第2マトリクスの中央にあるフィルタ係数は、該中央にあるフィルタ係数以外の係数よりも大きいモアレ除去用の空間フィルタ手段とを含むことを特徴とする画像処理装置。 - 画像が画素によって構成され、前記画像のデータが、各画素の輝度データおよび色差データによって構成される場合、前記モアレ除去用の空間フィルタ手段は、各画素の輝度データだけに処理を施すことを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
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