JP3621135B2 - 一成分系加熱硬化型ポリウレタン樹脂組成物及びポリウレタン樹脂の製造方法 - Google Patents
一成分系加熱硬化型ポリウレタン樹脂組成物及びポリウレタン樹脂の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は一成分系加熱硬化型ポリウレタン樹脂組成物(以下、一成分系PU組成物という。)及びポリウレタン樹脂(以下、PU樹脂という。)の製造方法に関する。本発明の一成分系PU組成物は、注型による成形が可能であり、大型製品の成形も容易であり、注型の他、射出成形、押出成形、ブロー成形等の成形加工法により、フィルム、パイプ、ホース、パッキング材、ローラー及びベルト等、各種製品の製造に利用できる。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性ポリウレタン樹脂(以下、TPUという。)は、従来、長鎖ポリエステルジオール及び/又はポリエーテルジオール、ジイソシアネート、架橋剤としてのグリコール類等の他、酸化防止剤、加水分解防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤及び充填剤等を、ニーダー或いは二軸押出機などを用いて、所定のイソシアネート基と活性水素基の当量比の下、90〜120℃で混練、反応させて得られており、末端活性水素基のみを有する完全TPUの他、末端活性水素基と末端イソシアネート基いずれをも有する部分架橋TPUがある。これらはペレットとされ、押出、射出、ブロー等の成形加工法により上記各種製品の製造に利用されている。
【0003】
完全TPUは射出成形、押出成形等の成形技術において、寸法精度に優れた成形品を得ることができ、熱硬化性ポリウレタン樹脂に比べて成形品のバリが少ないという特長がある。一方、部分架橋型TPUは貯蔵安定性に劣り、一年以上の貯蔵では、ゲル化することもある。その他、完全TPU、部分架橋型TPUともに、他の熱可塑性エラストマーに比べて成形時の粘度の温度依存性が著しく大きく、そのため、注型、圧縮成形等が困難であり、射出成形及び押出成形にしても容易ではない。特に、大型で複雑な形状を有する製品の成形においては、他の熱可塑性エラストマーに比べて多くの問題点を有しており適当な素材であるとは言えない。
【0004】
また、完全TPUは一般に架橋構造を有しておらず、たとえ有していても僅かであるため、耐熱性、圧縮永久歪等に劣る。特に低硬度TPUでは、軟化点が低く、耐熱性に乏しく、とりわけJIS硬度Aが60以下では、成形品の表面にベとつきを生じ汚染性を有することもある。一方、高硬度TPU、特にJIS硬度Dが45以上では、弾性及び伸び特性が低下して、剛直な樹脂製品になり易く、ゴム的性質が乏しくなる。これらを改善するため、可塑剤及び/又はPVC、ABS等の樹脂を配合して変性したTPUも市販されているが、それらは何れもTPUそのものの反応性、分子構造等の変化などを伴うものではなく、性能の向上は不十分である。
【0005】
他方、熱硬化性ポリウレタン樹脂は、二成分(特殊なものは多成分)の液を混合、撹拌した後、注型法にて型取りし、通常90〜150℃で数分〜数時間以上加熱して架橋、硬化させるものである。熱硬化性ポリウレタン樹脂は、架橋構造を有するため、一般にTPUでは発現し難い高いゴム弾性、反発弾性及び軟化点を有し、耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性並びに機械的強度等に優れ、圧縮永久歪の小さい製品が得られる。また、二成分系システムは常態で粘度が低く、混合撹拌、吐出及び注型が容易で、特に大型の注型が可能であり、経済的にも優れているが、押出成形、射出成形等には通常採用し難い。
【0006】
更に、二成分系システムは二成分混合後の可使時間に限度があるとともに、特定の設備により成形しなければならない。即ち、二成分系システムでは均一な混合を必要とするのみならず、各成分の計量配合を正確に行わなければならず、この計量精度が不正確になると物性が低下し、満足なものは得られない。また、ジアミン化合物を硬化剤として用いる二成分系システムでは、得られる製品の性能は優れているものの、健康及び環境上の問題に対して充分な配慮を必要とする。更に、熱硬化性ポリウレタン樹脂は、系内に僅かではあるが未反応のポリイソイアネートモノマーを含有し、成形加工時の条件によっては作業現場に悪影響があるため局所排気装置等の設置が必要な場合が多い。また、硬化時間が著しく短かく、且つ室温で成形でき、通常吹付工法によって床材等として広く利用されているものもあるが、反応が極端に早すぎ、注型には適用し難い。
【0007】
このようにTPU、熱硬化性ポリウレタン樹脂ともに各々欠点を有しながらも、耐薬品性、耐摩耗性及びゴム弾性等に優れるため、それぞれの特長を生かしてゴム分野、特に電気・電子機器、工作機械、印刷機、建材、スポーツ用品及び医用機器等のローラー、ベルト、ブレード、スキージ、パッキング材、パイプ、コーティング材、ブラシ等に広く用いられている。しかし、それら各々の欠点をどのように解決するかが今後の大きな課題となっている。
尚、ウレトジオン基を有するポリイソシアネートを原料化合物の一つとするポリウレタン樹脂組成物は下記の文献等により知られている(岩田敬治著「ポリウレタン樹脂」日刊工業新聞社、昭和44年初版、Kunststoffhandbuch Volum VII 、1966、特公昭57−46447号公報、特開昭58−37022号公報等)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のTPU組成物が有する長所は維持しつつ、各問題点を解決し、以下に示すように作業性等に優れた一成分系PU組成物及び物性等に優れたPU樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
(1) 従来のTPU組成物の成形法、即ち、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧縮成形等の成形技術に加えて、熱硬化性ポリウレタン樹脂において採用されている注型の他、回転成形、真空成形等にも適用できる。
(2) 配合、加熱等の操作時に未反応のポリイソシアネートの発生、飛散がなく、環境汚染がない。
【0009】
(3) 低硬度のPU樹脂であっても、特に60℃以上の高温時にも、その耐汚染性が熱硬化性ポリウレタン樹脂と同等以上であり、べとつきが発生しない。
(4) 加熱成形加工時の硬化反応で形成される架橋、鎖延長構造等のウレタン特有のネットワークの形成によって、TPUに比べて物性が大きく改良され、特にゴム弾性、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性、耐摩耗性及び圧縮永久歪等が向上したPU樹脂を得られる。
(5) 従来のTPUに比べて、同じ硬度の製品、特にJIS硬度Aが60以下の製品において、成形時の粘度の温度依存性が著しく改善される。
(6) 加熱硬化型であっても、完全TPU樹脂と同等の半永久的な貯蔵安定性を有する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1発明の一成分系PU組成物は、ポリウレタン前駆体と、分子量が18〜20000であって、分子内に少なくとも2個の活性水素基を有する化合物と、ポリイソシアネート化合物(b)と、を含有させ、開環触媒として1,5−ジアザ−ビシクロ(4,3,0)ノネン−5及び/又はその塩を添加して反応させてなるポリウレタン樹脂組成物であって、上記ポリウレタン前駆体は、少なくともウレトジオン基を有するポリイソシアネートを含むポリイソシアネート化合物(a)と、分子量が18〜20000であって、分子内に少なくとも2個の活性水素基を有する化合物とからなり、上記ポリイソシアネート化合物(a)のイソシアネート基に対する上記活性水素基を有する化合物の活性水素基の当量比が1.0を越える条件で反応され、且つ上記ポリウレタン前駆体中及び上記ポリウレタン樹脂組成物中の活性水素基に対するウレトジオン基の当量比が、いずれも0.25〜1.0であり、上記ポリイソシアネート化合物(b)は少なくとも2個のイソシアネート基を有し、上記ポリウレタン前駆体と、上記活性水素基を有する化合物と、上記ポリイソシアネート化合物(b)とは、上記ポリウレタン前駆体と上記活性水素基を有する化合物の活性水素基の合計量に対する上記ポリイソシアネート化合物(b)のイソシアネート基の当量比が、1.06以下の範囲で反応されることを特徴とする。
【0011】
また、第2発明は、熱可塑性ポリウレタン樹脂に、上記ポリウレタン前駆体を配合して一成分系PU組成物とすることを特徴とし、第3発明は、第2発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂は、上記ポリウレタン前駆体製造時に使用する特定の活性水素基を有する化合物とポリイソシアネートとを、特定の量比で反応させて得られるものであることを特徴とする。
更に、第4発明は、第1〜2発明において、上記ポリイソシアネート化合物(a)が、イソシアネート基から誘導されるウレトジオン基及びイソシアヌレート基を有するものであることを特徴とする。
【0012】
第5発明は、一成分系PU組成物に発泡剤を配合したことを特徴とする。また、第6〜7発明は、第1〜5発明の一成分系PU組成物を用いて、PU樹脂を製造する方法に関するものであり、第6発明は、一成分系PU組成物を、ウレトジオン基が開環する温度未満で加熱した後、開環温度以上に加熱して反応、硬化させることを特徴とし、第7発明は、ウレトジオン基が開環する温度以上に加熱した後成形することを特徴とする。
【0013】
上記「ポリイソシアネート化合物(b)」は、分子内に少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートである。ポリイソシアネート化合物(b)としては1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、「ポリイソシアネート化合物(a)」は、分子内に少なくともウレトジオン基を有するポリイソシアネートの1種又は2種以上を含むポリイソシアネート化合物であり、例えばウレトジオン基を有するポリイソシアネート、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基を有するポリイソシアネート、又はこれらの混合物を含むものである。また、これに更に実質的にイソシアネート基のみを含む、例えばポリイソシアネート化合物(b)と同様のものを併用してもよい。
【0014】
また、所望によりポリイソシアネート化合物(b)及び/又はポリイソシアネート化合物(a)は、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートモノマーの1種又は2種以上を含んでいてもよい。尚、このポリイソシアネートモノマーは後記の二量化反応において反応せずそのまま残るものの他に、ポリイソシアネート化合物の平均官能基数を低下させ、活性水素基を有する化合物との反応によるポリウレタン前駆体製造時のゲル化を更に抑えるため、適宜追加添加されたものであっても良い。
【0015】
上記各ポリイソシアネート化合物を構成するポリイソシアネートは、ポリイソシアネートモノマーの他にそのポリメリック体を含む。ポリイソシアネートモノマーとしては、2,4−トリレンジイソシアネート(以下、TDIという)、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIという)、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIという)、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添化トリレンジイソシアネート、水添化キシレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等のジイソシアネートが挙げられる。また、これらジイソシアネートの重合体や2官能以上のポリオール等と上記のジイソシアネート或いはそのポリメリック体との反応で得られるポリイソシアネートも使用できる。
【0016】
本発明において必須成分であるウレトジオン基を有するポリイソシアネート、及び併用しても良いイソシアヌレート基等他の基をも有するポリイソシアネートは、一般に、ウレトジオン化触媒を使用したポリイソシアネートモノマーの二量化反応(ウレトジオン化反応)、或いは三量化反応(イソシアヌレート化反応)等によって得られ、具体的には例えば以下のようにして製造できる。
【0017】
ウレトジオン化触媒、例えばトリエチルホスフィン、ジブチルエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリアミルホスフィン、トリベンジルメチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類或いはピリジン等の存在下、通常0〜90℃の反応温度で、溶剤不存在下或いは不活性溶剤、例えばトルエン、キシレンその他の芳香族系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル系溶剤等の存在下、及び場合によっては、上記反応温度において液状のポリオール又はジオクチルフタレート等の可塑剤存在下に製造することができる。
【0018】
上記反応は、20〜50モル%のイソシアネート基が反応した時点で、反応液に例えばリン酸、パラトルエンスルホン酸メチル、硫黄等の溶液を加えてウレトジオン化触媒を不活性化し停止させる。使用するポリイソシアネートの種類によっては、この反応過程で結晶となり析出するものもある。特に、芳香族ポリイソシアネートは結晶化し易く、反応系から分離する。このような方法によって、ウレトジオン基を有するポリイソシアネート(即ち、二量体及びポリウレトジオン体)、及びウレトジオン基とイソシアヌレート基両者、場合によっては更に他の基をも有するポリイソシアネート、並びに原料であるポリイソシアネートモノマーを含む混合物が生成する。この混合物をこのまま用いても良いし、混合物から未反応のモノマーを薄膜蒸留等により除去したものを用いても良い。
【0019】
上記の二量化反応においては、製造時の反応温度が高いほど、また、反応停止時にポリイソシアネートモノマーの含量が少ないほど、イソシアヌレート基の生成比率が高くなる。更に、トリエチルホスフィン等の触媒量が多いほど、ウレトジオン基の生成比率が高くなる。これらの反応条件を制御することにより、特定比率のウレトジオン基とイソシアヌレート基とを有するポリイソシアネートを得ることもできる。また、市販のウレトジオン基及び/又はイソシアヌレート基を有するポリイソシアネートを所要量配合して、ポリイソシアネート化合物(a)とすることもできる。
【0020】
本発明で使用するポリイソシアネート化合物(a)中に、ウレトジオン基の他に、一定比率のイソシアヌレート基及び/又はその他の重合体を含む場合は、従来のポリウレタン樹脂に比較して耐熱性、耐溶剤性や圧縮永久歪特性が更に向上し、低硬度においてもブリード性の少ない良質の樹脂が得られる。
即ち、本発明の一成分系PU組成物において、ポリイソシアネート化合物(a)中にウレトジオン基の他に、一定比率のイソシアヌレート基及び/又はその他の重合体を含む場合には、このイソシアヌレート基等によりポリウレタン前駆体にゲル化には達しない程度の分岐点を導入できる。そのため、従来公知のウレトジオン基含有ポリウレタン組成物から得られる樹脂に比較して、短時間かつ低反応率でより優れた物性のものが得られる。
【0021】
上記「活性水素基を有する化合物」は、分子内に少なくとも2個の活性水素基を有する、分子量18〜20000のものである。活性水素基を有する化合物としては、水の他に、ポリオール、アミノ基等を有するポリアミン、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂及びポリビニルアルコール等の中から選択した1種または2種以上を使用することができる。尚、ポリオール以外の化合物を用いる場合、ウレタン結合を有しない一成分系PU組成物或いはPU樹脂が生成し得るが、本願では、このような組成物、樹脂もポリウレタン樹脂組成物又はポリウレタン樹脂に含める。
【0022】
上記ポリオールとしては公知のポリオール類を用いることができ、ポリイソシアネート化合物(a)のイソシアネート基が2官能以上であるため、ポリウレタン前駆体製造時のゲル化防止のうえで、2官能等の低官能基数のポリオール類が適している。ポリオールの例としては、ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテル・エステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
【0023】
ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオールとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、乳酸、リンゴ酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等のジカルボン酸、それらの酸エステル及び酸無水物等と、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール(以下、1,2−PGという。)、1,4−ブチレングリコール(以下、1,4−BGという。)、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサングリコール(以下、1,6−HGという。)、3−メチル−1,5−ペンタングリコール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタングリコール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、トリメチロールプロパン(以下、TMPという。)、グリセリン、ヘキサントリオール、N,N,N’N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン或いはビスフェノールAのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物等のグリコール、ヘキサメチレンジアミン、キシレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミン、イソプロパノールトリアミン等のジアミン、トリアミン又はアミノアルコール等単独、或いはこれらの混合物との脱水縮合反応で得られるポリエステルポリオール及びポリエステルアミドポリオールが挙げられる。更に、ε−カプロラクトン、アルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アルキル置換δ−バレロラクトン等の環状エステル(即ち、ラクトン)モノマーの開環重合により得られるラクトン系ポリエステルポリオール等のポリエステルポリオールも使用できる。
【0024】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレンエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール等が挙げられる。また、ポリエーテル・エステルポリオールとしては、上記のポリエーテルポリオールとジカルボン酸又は酸無水物とから製造されるポリエーテル・エステルポリオールが挙げられる。更に、ポリカーボネートポリオールは、例えば、1,6−HG、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等とジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネートとの反応から得られ、具体的な商品としては、日本ポリウレタン工業株式会社製の商品名「N−980」、「N−981」等が挙げられる。
【0025】
また、前記ポリエステルポリオールの原料として挙げた単分子ジオール及びトリオール類、即ちエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−PG、1,4−BG、1,5−ペンタングリコール、1,6−HG、3−メチル−1,5−ペンタングリコール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタングリコール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、TMP、グリセリン、ヘキサントリオール、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン或いはビスフェノールAのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物等も上記ポリオールとして本発明において用いることができる。
【0026】
更に、アミノ基等含有ポリアミンとしては、単分子ジアミン、トリアミン、芳香族ジアミン、及びポリエーテルの末端がアミノ基となったポリエーテルポリアミン等が挙げられ、また、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール等は、少なくとも2個の活性水素基を有するものであれば、本発明の活性水素基を有する化合物の全部又は一部として使用できる。
【0027】
以上例示した活性水素基を有する化合物の分子量は、18〜20000、特に、水(分子量18)と400〜12000のものが好ましい。分子量が20000を越えると、ウレトジオン基、イソシアヌレート基、ウレタン基等を含むことによる効果が減殺されて、得られるPU樹脂の強靭性や強い凝集力が減少し好ましくない。また、鎖延長剤等として用いられる水及び低分子量グリコール等を除いて、分子量が400未満では、樹脂が脆くなるため好ましくない。
【0028】
上記分子量は用途により適当に選択する必要があり、低分子量化合物と高分子量化合物を併用してもよい。PU樹脂の耐熱性や凝集エネルギーを高めるには低分子量のものを用いることが好ましいが、熱可塑性に重点をおいた樹脂を得る際には、ある程度高分子量のものを用いてもよい。また、良質のPU樹脂を得るためには、分子量分布の狭いものが好ましい。尚、活性水素基を有する化合物として水、ポリアミン等を使用した場合は、尿素結合を持った化合物が生成する。
【0029】
上記「ポリウレタン前駆体」は、上記のポリイソシアネート化合物(a)と活性水素基を有する化合物とを、イソシアネート基に対する活性水素基の当量比が1.0を越える活性水素基過剰条件で反応させて得られ、且つ活性水素基に対するウレトジオン基の当量比が0.25〜1.0、好ましくは0.35〜0.75の範囲の前駆体である。この反応系では活性水素基が過剰であるため、得られるポリウレタン前駆体中にイソシアネート基は実質的に残存せず、活性水素基のみを有するものが得られる。
上記活性水素基に対するウレトジオン基の当量比は重要であり、この比が0.25未満であると鎖延長、架橋の量が減少し、得られるPU樹脂の物性が低下する。また。、1.0を越えるとポリウレタン前駆体製造時、ゲル化し易くなるため好ましくない。
【0030】
活性水素基に対するウレトジオン基の当量比を上記の範囲とするためには、イソシアヌレート基等の含有量を考慮したポリイソシアネート化合物(a)の平均官能基数と、トリオール導入等を考慮した活性水素基を有する化合物の平均官能基数、及びそれら官能基の反応性等を勘案した配合比とし、ウレトジオン基が開環する温度以下に保持し反応させればよい。それによって前駆体はゲル化することなく製造できる。
尚、上記前駆体には、使用するポリイソシアネート化合物によりウレトジオン基及び活性水素基以外に、イソシアヌレート基、ウレタン基、ウレア基、カルボジイミド基、ウレトンイミン基、オキサゾリドン基、ヒダントイン基等のイソシアネート基から誘導される基が存在してもよい。
【0031】
次に、ポリウレタン前駆体の製造について詳しく述べる。
ポリウレタン前駆体は、溶融状態、バルク状態、または必要に応じて不活性溶剤、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、及びジメチルホルムアミド、ジメチルアセトン、N−メチルピロリドン、フルフラール等の極性溶剤の1種または2種以上を使用して、ウレトジオン基が開環しない温度、好ましくは100℃以下(例えば90℃以下、好ましくは25〜90℃)で、上記の配合範囲で各成分を均一に混合し前記の条件に従って反応させて製造することができる。
【0032】
上記の溶剤を用いた系では、反応終了後、薄膜蒸留により溶剤等を分離、回収し、ポリウレタン前駆体を得ることができる。上記反応温度は、より好ましくは60〜90℃であり、この場合は、ウレトジオン基の開環を生じさせないとともに、十分な反応を短時間に行わせることができる。尚、イソシアネート化合物のダイマーからなるウレトジオン化合物の、ウレトジオン基の開環開始温度は約100℃である。
反応装置としては、上記の均一反応が達成できればいかなる装置でも使用でき、例えば撹拌装置の付いた反応釜やニーダー、一軸又は多軸押出反応機等の混合混練装置が挙げられる。また、反応速度を高めるため、ジブチル錫ジラウレート等の金属触媒やトリエチルアミン等の三級アミン触媒を用いてもよい。
【0033】
上記「一成分系PU組成物」は、第1発明では、前駆体、前記特定の活性水素基を有する化合物及びポリイソシアネート化合物(b)を、前駆体と特定の活性水素基を有する化合物との活性水素基の合計量に対するイソシアネート基の当量比が、1.06を越えない条件で反応させて得られ、上記前駆体を、例えば架橋剤、鎖延長剤、活性水素化合物の一部または全部として用いるものであり、前駆体の他に更に特定の活性水素基を有する化合物を配合することにより、広範囲の硬度及びその他物性を有するPU樹脂を得ることができる。
【0034】
上記第1発明及び熱可塑性ポリウレタン樹脂に前駆体を配合した第2発明いずれの場合も、一成分系PU組成物中の活性水素基に対するウレトジオン基の当量比が、前駆体と同様0.25〜1.0、好ましくは0.35〜0.75の範囲の組成物であり、活性水素基に対するウレトジオン基の当量比を上記のように特定する意味は、良好なPU樹脂の物性及び加工性(合成時ゲル化しない範囲)を両立させる点にある。また、活性水素基に対するウレトジオン基の当量比を上記の範囲とするためには、前駆体の組成及びポリイソシアネート化合物(b)の平均官能基数、更にはそれら官能基の反応性等を勘案した配合比とし、上述の前駆体製造時と同様に、ウレトジオン基の開環温度以下の温度で反応させればよい。それによってゲル化することなく一成分系PU組成物が得られる。
【0035】
第1発明の一成分系PU組成物は、分子量800〜20000のポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、カプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール等の2個の活性水素基を含有するポリオール系成分及び/又は特殊な場合にゲル化しない範囲で3個以上の活性水素基を含有するポリオール系成分と、前記の前駆体の他、鎖延長剤として分子量18〜800の少なくとも2個の活性水素基を有する単量体のポリオール系成分と、ポリイソシアネート化合物(b)の1種又は2種以上とを、前駆体中の活性水素基に対するイソシアネート基の当量比が1.06を越えない条件で、ウレトジオン基が開環しない温度、好ましくは60℃〜90℃に加熱し混合、反応して得られる。本発明では、このように高分子量のポリオール系成分と、鎖延長剤として作用する低分子量のポリオール系成分とを併用することができ、このような組成とすることが好ましい。
【0036】
尚、ウレトジオン基の開環触媒、例えばDBN及び/又はその塩類等を添加している場合は、その許容される上限温度以下で、加熱し混合、反応することが必要である。
また、第2発明では、熱可塑性ポリウレタン樹脂に前駆体を配合して一成分系PU組成物とする。この熱可塑性ポリウレタン樹脂と前駆体とは、通常、そのままでは反応しないものであるが、ある程度反応するものであってもよい。この場合も、活性水素基とイソシアネート基との当量比、及びウレトジオン基が開環しない温度に加熱して混合、反応せさる等の製造条件は第1発明の場合と同様である。
【0037】
こうして得られた一成分系PU組成物は、そのまま又はペレット、粉末或いは粒状にして、公知の成形法、即ち射出成形、押出成形、ブロー成形等の方法によって成形される。
上記反応温度が60℃以下の場合は、反応完結のために長時間を要し、90℃以上の場合は、ウレトジオン基が開環してしまうことがある。また、バッチ混合、ニーダー混合、押出混練等の混合方法、その手段、条件及び使用した原料の配合条件等によって最適温度を見いだすことが必要である。また、反応中は湿分を避け、必要に応じ機器、原料何れも乾燥窒素パージすることが好ましい。
【0038】
本発明の一成分系PU組成物は常態で液体、固体または粉体等何れであってもよい。また、生成後、60〜90℃の乾燥空気中で24〜48時間熟成した後、再度ペレタイザーによって粒状に仕上げるか、或いは熟成生成物を液体窒素を用いて凍結後粉砕し粉状に仕上げる。特に微粉砕の場合は、上記固体操作の代わりに、原材料に水に相溶する溶剤例えば、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン等を加えて、溶液状態としたものを水中に投入して分散させ、樹脂分を分離析出させて微粉とすることもできる。この溶液操作の場合はイソシアネート基が完全に消失していることを確認しておく必要がある。
【0039】
更に、第2発明の一成分系TPU組成物は、例えば市販のTPUペレット等を押出機に投入して加熱溶融して押出す際、このTPUペレット等に前駆体を添加混合して製造することもできる。この場合、双方の溶融温度と溶融粘度が近似しているほど混合は容易である。また、第7発明のように、ウレトジオン基の開環温度以上に加熱し、混合する場合は、吐出物を直接金型に注入し、成形加工して製品を得ることもできる。
これらの混合の際、ウレトジオン基の開環温度を下げる開環触媒、貯蔵時のゲル化を防止するエステル・ウレタン交換反応防止剤等のゲル化防止剤、その他酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、着色剤、充填剤、強化剤、難燃剤、粘度調製剤、流れ改良剤、可塑剤、導電性付与剤、及び揺変剤等を加え、一成分系PU組成物に仕上げてもよい。
【0040】
また、第1〜2発明の一成分系PU組成物に、塩化メチレン、空気、窒素、フロン化合物、ペンタン等の物理発泡剤、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等の有機発泡剤及び重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニアム、水素化ホウ素ナトリウム等の無機発泡剤を単独使用或いは併用し、またはフロス法によって発泡させ、発泡PUを得ることもできる。尚、発泡PUを得るために、必要に応じて発泡促進剤、整泡剤、シリコーン、有機界面活性剤等を使用することができる。更に、ステアリン酸アルミニウム、シリコン離型剤等を添加して、自己離型性のあるものとして用いることもできる。
【0041】
上記一成分系PU組成物からPU樹脂を得る方法は、成形製品のデザイン、性能特性、硬化条件等によって選択すればよい。本発明の特徴である注型による成形の他に、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧縮成形、真空成形、プリプレグ成形等によって、注入した後又は金型に散布、塗布等によってコーティングした後、加熱して反応、硬化させるか、加熱した後、これを金型に注型他上記の成形法等によって注入し、反応、硬化させるか、何れの方法であってもよい。
【0042】
上記加熱温度及び時間はウレトジオン基が開環する条件であることが必要であり、160℃〜220℃で数分〜数十分が適当であるが、製品の形状、デザイン等により異なる。この温度が160℃未満では、十分に開環及び反応しないし、220℃を越える場合は、得られるPU樹脂の物性低下が顕著となる。尚、ウレトジオン基を有するポリマーの、ウレトジオン基の開環開始温度は約160℃である。また、PU樹脂は、必要に応じて90℃〜120℃で数時間熟成することによって、より強度の大きい製品とすることもでき、最終的に鎖延長、架橋が完了し弾性を有するPU樹脂が得られる。
【0043】
尚、一成分系PU組成物は、活性水素基に対するウレトジオン基の当量比が0.5を越え1.0までの範囲ではウレトジオン基が過剰となり、組成物は環境中の水分との反応による鎖延長、架橋やウレタン基、ウレア基との反応によるアロファネートやビューレット化反応、及びイソシアネート単独での重合反応、例えばカルボジイミド化、イソシアヌレート化等により鎖延長及び/又は架橋させることもでき、組成物は熱硬化的に挙動する。尚、得られるPU樹脂の物性等が良好であれば、全てのウレトジオン基を開環させる必要はない。また、当量比が0.25以上、0.5未満では、活性水素基が過剰となり、組成物は熱可塑的に挙動する。
【0044】
【作用】
本発明の一成分系PU組成物には、常温では未反応のポリイソシアネートモノマーを含めてイソシアネート基が実質的に存在せず、所定温度以上に加熱された時にウレトジオン基の開環によって複数の活性なイソシアネート基が再生される。そのため所定温度以下では、二成分系ポリウレタン組成物のような可使時間の制限がなく、半永久的な貯蔵安定性を有している。また、再生されたイソシアネート基は、開環した分子の末端に付いているため、未反応のポリイソシアネートモノマーの発生及び飛散がなく、作業環境上取り扱いが安全である。
【0045】
また、一成分系であるにもかかわらずウレトジオン基が開環する温度以上では、あたかも二成分系ポリウレタン樹脂組成物のごとく、再生されたイソシアネート基と末端活性水素基との反応により鎖延長及び/又は架橋が進んで硬化し、均一な反応生成物を得ることができる。
更に、TPUは通常他の熱可塑性樹脂に比べて粘度の温度依存性が大きいため、注型法によって大型成形品を成形することが難しく、主に小型製品の成形に向けられているが、本発明の一成分系PU組成物の場合、加熱時、樹脂の流動する温度範囲が広く、ウレトジオン基が開環する温度以下に保って、金型に注型する注型法によって成形することが可能である。
【0046】
また、本発明の一成分系PU組成物はウレトジオン基の開環、鎖延長及び/又は架橋反応により硬化するため、低分子量の未反応化合物等が製品上に析出(ブルーム)して結晶化したり、にじみ出たり(ブリード)することがなく、汚染性のない製品として幅広く用いることができる。特にJIS硬度Aが60以下の低硬度製品でも、従来のTPUに比べて耐汚染性に優れ、且つべとつきのない、更に、良好な機械的強度、耐摩耗性、耐候性、耐薬品性等を有する製品が得られる。特に、従来のTPUに比べて良好な圧縮永久歪特性を有するものが得られ、OA機器、医療機材、精密機械用部品等の用途向けのローラー類、ベルト類、ブレード類、バックアップ材、コネクター、プロテクター、パッキン等、また、防振材、吸音材シート、フィルム、パイプ、ホース、スポーツ・アスレチック用品、コーティング処理材等の他、緩衝材、防振材、吸音材等に幅広く応用することができる。
【0047】
【実施例】
以下、実施例等により本発明を更に詳細に説明する。
以下の実施例等において「部」はすべて「重量部」を意味し、「%」はすべて「重量%」を意味する。
(1) ウレトジオン基を有するポリイソシアネート化合物の合成
攪拌機、温度計及び冷却器の付いた反応器に、HDI(日本ポリウレタン工業株式会社製、イソシアネート基含量=49.9%、固形分=100%)3000部と、触媒としてトリオクチルホスフィン6.0部を仕込み、攪拌しながら65〜70℃に加熱し同温度で6時間反応させ、その後、リン酸3.5部を加えて反応を停止し、イソシアネート基含量が31.0%の淡黄色の反応生成液を得た。この反応生成液から、未反応HDIを120℃、0.1Torrで薄膜蒸留により除去した。
【0048】
生成物のイソシアネート含量は21.1%であり、FT−IR(赤外線吸収スペクトル)及びC13−NMR(核磁気共鳴スペクトル)から、この生成物にはイソシアネート基、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基が存在することが確認された。高沸点溶剤であるプロピレングリコールメチルエーテルアセテートの沸点でジブチルアミンと反応させ、塩酸水溶液で逆滴定して求めたイソシアネート基含量は37.5%であり、よってウレトジオン基の開環で生成するイソシアネート基含量は16.4%であった。また、イソシアヌレート基含量は24.6%であった。
【0049】
(2) ポリウレタン前駆体の合成例
撹拌機、温度計及び冷却器の付いた反応器に、上記(1) で合成したウレトジオン基を有するポリイソシアネート化合物100部と、ポリ(ブチレンアジペート)ジオール(分子量=500)176部とを仕込み、80℃で5時間反応させた。
反応が進むにつれて粘度が高くなったが液状を保ったままであった。反応生成物のFT−IRを測定したところ、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基の吸収は反応開始時と変化なく、イソシアネート基の吸収は消滅しウレトン化の終了が確認された。
【0050】
ポリウレタン前駆体である反応生成物は常温において高粘度液体であり、70℃加熱下でB型粘度計で測定した粘度は10600cpsであった。反応生成物中には未反応のポリイソシアネートモノマーは検出されず、水酸基価=73.5mgKOH/g、ウレトジオン基含量=5.94%であり、ウレトジオン基と活性水素基との当量比は0.54であった。
【0051】
(3) 一成分系PU組成物の製造
実施例1
撹拌機、温度計、加熱装置、窒素導入装置及び減圧装置の付いた反応器に、ポリ(ブチレンアジペート)ジオール(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「N−4009」、分子量=1000)100部と、上記(2) で合成した前駆体20.0部を仕込み、70℃で混合した後同温度を保ったまま18mmHgに減圧し、2.5時間脱泡、乾燥した。その後、1,4−BG、9.01部と酸化防止剤(チバガイギー社製、商品名「イルガノックス1010」)0.5部を加え、乾燥窒素を導入しながら撹拌、混合した。次いで、4,4’−MDI(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「ミリオネートMT」)50.5部を仕込み、撹拌しながら65℃で30分反応させた。
【0052】
反応が進むにつれて粘度が高くなった。その後、減圧して反応生成物中の空気等を除去した後、反応生成物を適当な容器に流し込み、65℃に設定された加熱オーブン中で30分間加熱し、更に90℃で未反応のポリイソシアネートモノマーが検出されなくなるまで24時間反応させた。
反応生成物のFT−IRを測定したところ、ウレトジオン基とイソシアヌレート基の吸収は反応開始時と変化がなかった。
一成分系PU組成物である反応生成物は、常温において固体状であった。反応生成物中のウレトジオン基と活性水素基の当量比は0.51であった。
【0053】
実施例2
1,4−BGを6.76部、4,4’−MDIを44.5部とした以外は実施例1と同様にした反応させた。
反応生成物のFT−IRを測定したところ、ウレトジオン基とイソシアヌレート基の吸収は反応開始時と変化がなく、未反応のポリイソシアネートモノマーは検出されなかった。
一成分系PU組成物である反応生成物は、常温において固体状であった。反応生成物中のウレトジオン基と活性水素基の当量比は0.52であった。
【0054】
実施例3
1,4−BGを4.50部、4,4’−MDIを38.0部とした以外は実施例1と同様にした反応させた。
反応生成物のFT−IRを測定したところ、ウレトジオン基とイソシアヌレート基の吸収は反応開始時と変化がなく、未反応のポリイソシアネートモノマーは検出されなかった。
一成分系PU組成物である反応生成物は、常温において固体状であった。反応生成物中のウレトジオン基と活性水素基の当量比は0.53であった。
【0055】
実施例4
1,4−BGを2.70部、4,4’−MDIを33.0部とした以外は実施例1と同様にした反応させた。
反応生成物のFT−IRを測定したところ、ウレトジオン基とイソシアヌレート基の吸収は反応開始時と変化がなく、未反応のポリイソシアネートモノマーは検出されなかった。
一成分系PU組成物である反応生成物は、常温において固体状であった。反応生成物中のウレトジオン基と活性水素基の当量比は0.54であった。
【0056】
実施例5
前駆体を30部、1,4−BGを2.25部及び4,4’−MDIを31.5部とした以外は実施例1と同様にした反応させた。
反応生成物のFT−IRを測定したところ、ウレトジオン基とイソシアヌレート基の吸収は反応開始時と変化がなく、未反応のポリイソシアネートモノマーは検出されなかった。
一成分系PU組成物である反応生成物は、常温において固体状であった。反応生成物中のウレトジオン基と活性水素基の当量比は0.55であった。
【0057】
実施例6及び製造例6(第3発明)
撹拌機、温度計、加熱装置、窒素導入装置及び減圧装置の付いた反応器に、ポリ(ブチレンアジペート)ジオール(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「N−4009」、分子量=1000)100部を入れ、70℃で混合した後、18mmHgに減圧し、70℃で2.5時間脱泡、乾燥した。その後、酸化防止剤(チバガイギー社製、商品名「イルガノックス1010」)0.5部及び1,4−BG4.5部を加え、乾燥窒素を導入しながら撹拌、混合した。次いで、4,4’−MDI(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「ミリオネートMT」)38.0部を仕込み、90℃で30分反応させた。
【0058】
反応が進むにつれて粘度が高くなった。その後、減圧して反応生成物中の空気等を除去した。次いで、反応生成物を適当な容器に流し込み、65℃に設定した加熱オーブン中で30分間加熱し、更に120℃で未反応のポリイソシアネートモノマーが検出されなくなるまで24時間反応させた。
次に、生成物を60℃の乾燥空気中で30時間熟成し、ペレタイザーによって粒状にした。得られたペレットを押出機に投入し加熱、溶融、押出す一方、押出しの途中において上記(2) で合成したポリウレタン前駆体を、ペレット7.0部に対して1.0部投入、190℃で10分間混練した。得られた混合物を直接金型に注入し、成形した。この成形物を、更に200℃で10分間キュアしポリウレタン樹脂の成形物を得た。
【0059】
また、比較例1〜4として下記の製品(比較品1〜4)に上記の酸化防止剤(イルガノックス1010)を0.5部配合したものを用いた。
比較品1 後記比較製造例1の二成分系組成物
比較品2 後記比較製造例2の二成分系組成物
比較品3 後記比較製造例3の二成分系組成物
比較品4 後記比較製造例4の熱可塑性エラストマー
【0060】
(4) PUシートの製造
上記実施例1〜5の一成分系PU組成物を用いて、下記のようにしてPUシートを製造した。
製造例1〜4
実施例1〜4の組成物を用い、ラボプレスを用いた圧縮成形により、200℃で、5〜25分間キュアして、厚さ1mmのPUシートを作製した。
製造例5
実施例5の組成物を用い、注型法によりシートを成形し、200℃で、20分間キュアし、厚さ1mmのポリウレタン樹脂シートを作製した。
【0061】
比較製造例1[上記比較品1を用いた比較例1の組成物を使用]
TDI−ポリエステル系NCO末端プレポリマー(イソシアネート基含量=4.2%、粘度=1600cSt/75℃)100部を80℃に加熱し、これに120℃に加熱した3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(以下、MOCAという)を10.7部添加して良く混合した。この混合液を金型に注入し、120℃で6時間硬化させ、厚さ1mmのポリウレタン樹脂シートを作製した。
【0062】
比較製造例2[上記比較品2を用いた比較例2の組成物を使用]
TDI−ポリエステル系NCO末端プレポリマー(イソシアネート基含量=3.8%、粘度1400cSt/75℃)100部を80℃に加熱し、これに120℃に加熱したMOCAを11.2部添加して良く混合した。この混合液を金型に注入し、120℃で10時間硬化させ、厚さ1mmのシートを作製した。
【0063】
比較製造例3[上記比較品3を用いた比較例3の組成物を使用]
MDI−ポリエステル系NCO末端プレポリマー(イソシアネート基含量=6.2%、粘度1600cSt/75℃)100部を80℃に加熱し、これに1,4−ブタンジオールを6.3部添加して良く混合した。この混合液を金型に注入し、120℃において10時間硬化させ、厚さ1mmのシートを作製した。
【0064】
比較製造例4
市販の熱可塑性ポリウレタン樹脂(日本ミラクトラン株式会社製、商品名「ミラクトランE394POTA」)を用い、ラボプレスを用いた圧縮成形により、200℃で成形して、厚さ1mmのTPUシートを作製した。
【0065】
(5) 一成分系PU組成物及び得られたPUシートの性能評価
(a)一成分系PU組成物の安定性
時間の経過とともにゲル化していく様子を目視で観察し、次の判定基準により評価した。
<判定基準>
×:1日以内にゲル化
○:21日以上安定
【0066】
(b)作業環境
組成物の成形加工時の雰囲気を同一条件でサンプリングし、雰囲気中に含まれるフリーのポリイソシアネートモノマーの量をガスクロマトグラフィーによって測定し、評価した。
(c)物性
硬さ、引張強度、破断伸び、引裂強度並びに25%圧縮永久歪(70℃、22時間加熱後)はJIS K6301に、メルトインデックス(MI)はJIS
K7210に準じて測定した。実施例1〜6及び比較例1〜4の一成分系PU組成物他の性能を表1に示す。更に、製造例1〜6及び比較製造例1〜4のTPU等の物性を表2に示す。また、実施例5及び比較例4のTPUの各温度におけるMIを表3に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
表1の結果から、本発明の一成分系PU組成物は25℃では勿論のこと、50℃というかなり高温においてもゲル化することなく極めて貯蔵安定性に優れており、また、組成物の硬化時において未反応のポリイソシアネートモノマーはまったく検出されず、作業環境の面からも優れたものであることが分かる。更に、表2の結果によれば、得られるPU樹脂の物性は、二成分系組成物から得られるエラストマーには及ばない点もあるものの、十分な実用物性を備えたものであることが分かる。
【0071】
一方、比較例1〜3の組成物では、物性的には25%圧縮永久歪においてやや劣っている他は優れているものの、すべて1日以内にゲル化を生じ貯蔵安定性に劣り、更にフリーのイソシアネートモノマーも検出され、作業環境の点においても劣っていることが分かる。また、比較例4では、貯蔵安定性及び作業環境の面では何ら問題はないものの、25%圧縮永久歪において大きく劣っている。更に、表3の結果から、本発明の一成分系PU組成物は加熱時の安定性においても問題ないが、比較例4の市販のTPUでは、加熱時の安定性も非常に劣っていることが分かる。
【0072】
尚、本発明においては、目的、用途に応じて本発明の範囲内で、種々変更したものとすることができ、例えば、実施例1等においては、分子内に少なくとも2個の活性水素基を有する化合物として、分子量1000のジオールと1,4−BGとを併用しているが、反応条件等を適宜調整することにより、長鎖の活性水素基を有する化合物(例えば、分子量1000のジオール)と、短鎖の活性水素基を有する化合物(例えば、1,4−BG)のいずれか一方のみを使用し、前駆体と反応させて鎖延長することにより、同様の優れた性能を有する一成分系PU組成物を製造することができる。
【0073】
また、ポリウレタンの製法としては、一般によく知られているように、ワンショット法とプレポリマー法とがあるが、前記各実施例では、ワンショット法に近い方法が採られている。しかし、ポリウレタン前駆体と活性水素基を有する化合物の活性水素基の合計量に対するポリイソシアネート化合物(b)のイソシアネート基の当量比が、1.06以下の範囲で反応されるとの、条件が満たされる限り、プレポリマー法的な合成も可能である。
【0074】
例えば、先ず、ポリ(ブチレンアジペート)ジオール及び前駆体の半分量と、4,4’−MDIの全量を反応させ(上記活性水素基の合計量に対するポリイソシアネート基の当量比は1.06を越える。)、その後、残りのジオールと前駆体とを反応させる(上記当量比は1.06以下となる。)ことにより、前記各実施例と同等の性能を有する一成分系PU組成物を得ることもできる。
以上述べたように、本発明の各成分及びその当量比等の要件が満たされる限り、具体的な合成方法は、要求される物性或いは用途等によって種々変更することができる。
【0075】
本発明では、前駆体、分子内に少なくとも2個以上の活性水素基を有する化合物及びポリイソシアネートの、3成分を必須として、特定の優れた性能を有する一成分系PU組成物を得ているが、この分子内に少なくとも2個以上の活性水素基を有する化合物を含有しない場合であっても、各成分の調製方法或いは反応条件等を広く調整することにより、本発明の一成分系PU組成物と同等の性能を有する組成物を得ることができる。例えば、実施例1において、ポリ(ブチレンアジペート)ジオール及び1,4−BGを使用しない場合、前駆体そのものが適宜結合して鎖延長されたものと、ポリイソシアネートとの反応により、同様の性能を有する一成分系PU組成物が得られ、この組成物を用いて本発明の方法により同様の優れた性能を有するPU樹脂を得ることができる。
【0076】
【発明の効果】
本第1〜3発明の一成分系PU組成物は、熱可塑性ポリウレタン樹脂が持つ使用時の取り扱い易さとポットライフ或いは貯蔵安定性等の長所を有し、また、得られるPU樹脂は、従来の二成分系ポリウレタン樹脂の長所である強靭な物性を備えたものであり、従来のTPUに比べて粘度の温度依存性が小さく、注型、射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、プリプレグ成形等の幅広い成形法を選ぶことができ、フリーのイソシアネートモノマーの発生が実質的になく、良好な作業環境で安全に取り扱うことができる。更に、ウレトジオン基の開環触媒を使用することにより、PU樹脂成形の温度を低下させることができる。
【0077】
また、第4発明のウレトジオン基の他にイソシアヌレート基をも有するポリイソシアネートを使用すれば、より優れた物性のPU樹脂が得られ、第5発明のように発泡剤を配合すれば上記各発明の優れた性質を有する発泡PU樹脂を得ることができる。更に、第6及び第7発明のように、成形後加熱或いは加熱後成形いずれの方法によっても優れた性能のPU樹脂成形品を得ることができる。
Claims (7)
- ポリウレタン前駆体と、分子量が18〜20000であって、分子内に少なくとも2個の活性水素基を有する化合物と、ポリイソシアネート化合物(b)と、を含有させ、開環触媒として1,5−ジアザ−ビシクロ(4,3,0)ノネン−5及び/又はその塩を添加して反応させてなるポリウレタン樹脂組成物であって、
上記ポリウレタン前駆体は、少なくともウレトジオン基を有するポリイソシアネートを含むポリイソシアネート化合物(a)と、分子量が18〜20000であって、分子内に少なくとも2個の活性水素基を有する化合物とからなり、上記ポリイソシアネート化合物(a)のイソシアネート基に対する上記活性水素基を有する化合物の活性水素基の当量比が1.0を越える条件で反応され、且つ上記ポリウレタン前駆体中及び上記ポリウレタン樹脂組成物中の活性水素基に対するウレトジオン基の当量比が、いずれも0.25〜1.0であり、
上記ポリイソシアネート化合物(b)は少なくとも2個のイソシアネート基を有し、上記ポリウレタン前駆体と、上記活性水素基を有する化合物と、上記ポリイソシアネート化合物(b)とは、上記ポリウレタン前駆体と上記活性水素基を有する化合物の活性水素基の合計量に対する上記ポリイソシアネート化合物(b)のイソシアネート基の当量比が、1.06以下の範囲で反応されることを特徴とする一成分系加熱硬化型ポリウレタン樹脂組成物。 - 熱可塑性ポリウレタン樹脂にポリウレタン前駆体を配合してなるポリウレタン樹脂組成物において、
上記ポリウレタン前駆体は、少なくともウレトジオン基を有するポリイソシアネートを含むポリイソシアネート化合物(a)と、分子量が18〜20000であって、分子内に少なくとも2個の活性水素基を有する化合物とからなり、開環触媒として1,5−ジアザ−ビシクロ(4,3,0)ノネン−5及び/又はその塩が添加され、上記ポリイソシアネート化合物(a)のイソシアネート基に対する上記活性水素基を有する化合物の活性水素基の当量比が1.0を越える条件で反応され、且つ上記ポリウレタン前駆体中及び上記ポリウレタン樹脂組成物中の活性水素基に対するウレトジオン基の当量比が、いずれも0.25〜1.0であることを特徴とする一成分系加熱硬化型ポリウレタン樹脂組成物。 - 上記熱可塑性ポリウレタン樹脂は、分子量が18〜20000であって、分子内に少なくとも2個の活性水素基を有する化合物と、少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(b)とからなり、上記活性水素基を有する化合物の活性水素基に対する上記ポリイソシアネート化合物(b)のイソシアネート基の当量比が1.06以下の範囲で反応されるものである請求項2記載の一成分系加熱硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
- 上記少なくともウレトジオン基を有するポリイソシアネートが、イソシアネート基から誘導されるウレトジオン基及びイソシアヌレート基を有するものである請求項1又は2記載の一成分系加熱硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
- 発泡剤を配合した請求項1又は2記載の一成分系加熱硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の一成分系加熱硬化型ポリウレタン樹脂組成物を、ウレトジオン基が開環する温度未満で成形した後、ウレトジオン基が開環する温度以上に加熱して反応、硬化させることを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の一成分系加熱硬化型ポリウレタン樹脂組成物を、ウレトジオン基が開環する温度以上に加熱した後、成形することを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。
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