JP3620863B2 - インターロイキン1の産生誘導方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、特定の材料と血液とを接触させることによりインターロイキン1の産生を効果的に誘導し得るインターロイキン1の産生誘導方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のごとく、生体の悪性腫瘍に対する免疫監視機構を担う抗腫瘍性細胞としては、キラー細胞、NK細胞、LAK細胞及び、活性化マクロファージ等が重要な役割を果たしている。また、これらの細胞から分泌されるインターロイキン、インターフェロン、TNF等のサイトカインは、生体の持つ抗腫瘍性に大きく関与している因子である。近年、外科手術、放射線療法、化学療法と併用して、生体の持つ免疫監視機構を賦活することを目的とした免疫療法が、悪性腫瘍の治療法として盛んに行われてきている。このような、免疫療法剤として、例えば、レンチナンやシゾフィランの様な薬剤があるが、癌患者は免疫抑制状態にあり、かかる状態の中で抗腫瘍免疫に関係する上記の細胞や因子を誘導することはなかなか困難である。
【0003】
このような困難を克服するために、最近、抗腫瘍免疫に関係する上記の細胞や因子を体外で誘導したり、直接体外から投与しようという試みがある。例えば、癌患者からリンパ球と腫瘍細胞とを体外に取りだし、遺伝子組み替えヒト・インターロイキンを加えて培養し、腫瘍を特異的に攻撃するリンパ球(LAK細胞)を誘導した後に、癌患者体内に戻して、抗腫瘍効果を発揮する養子免疫療法が行われている。(Rosenberg,S.A.,Lotze,M.T.,Muul,L.M.et al.:A Progress report on the treatment of 157 patients with advanced cancer using lymphokine−activated killer cells and interleukin 2 or high−dose interleukin 2 alone. N.Engl.J.Med.316:889−897,1987)。
【0004】
しかしながら、癌患者から大量のリンパ球を取り出し、無菌的に長期間、インターロイキンの存在下で培養した後に、癌患者に注入するという操作を行うため、非常に手間がかかること並びに、培養に長時間を要すること及び高価なインターロイキンが必要であることなどの多くの問題があった。
【0005】
また、遺伝子組み替え技術により、抗腫瘍免疫に関係する上記の種々のサイトカインを大量に得ることができるようになり、これらのサイトカインの直接投与(高久史麿 編集、南江堂、サイトカイン療法、1992)が行われている。しかしながら、遺伝子組み替え技術により得られたサイトカインは、その蛋白質分子内に糖鎖を持たなかったり、翻訳後修飾を受けていないものであり、本来患者体内で作られるサイトカインと異なっている。そのため、患者に直接投与しても血液中での寿命が短く、本来の効果が発揮できなかったり、様々な副作用が伴うという欠点を有している。
【0006】
近年、上記欠点を克服するために、癌患者が本来持っている抗腫瘍免疫機能を体外循環システム等を利用して、体外で産生を誘導しようという試みがある。例えば、グラム陰性菌細胞壁由来のリポ多糖(特開昭59−21145号公報)やレクチン(特開昭63−33339号公報)の様な生理活性物質を不溶性担体に固定化し、体外に取り出した血液および血液成分と接触させることによって抗腫瘍免疫機能を誘導することが開示されている。しかしながら、これらの生理活性物質は、体内にはいった場合に、強い毒性を示す物質であり、不溶性担体からの脱離の可能性が皆無である保証がない。また、特開平3−236790号公報、特開平3−240485号公報には、それぞれグルクロン酸やN−アセチルノイラミン酸のような酸性糖を不溶性材料に固定化し、サイトカインを誘導する血液処理剤が開示されている。これらは不溶性担体から脱離しても生体に対する毒性はないが、このようなリガンドであっても、不溶性担体に固定化するための反応を行わねばならず、煩雑な過程が必要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した従来技術の諸欠点を解消し、抗腫瘍免疫機能を賦活するサイトカインであるインターロイキン1を、血液からより簡便に、かつより安全に産生誘導し得る方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
血液中の単球や好中球などの白血球は微生物のような異物と反応すると、種々の酵素、メディエーターを放出し、炎症反応を引き起こす。これらの反応は、材料と接触するときにも同様に引き起こされる。これは、材料が異物とみなされて起こるものであるが、この反応は材料の性質によって大きく変わってくる。一方、インターロイキン1は1940年代に白血球が産生する発熱物質として古くから知られている物質であるが、種々の生理活性を持ち、炎症反応においても産生される。そこで、本発明者らは、材料の性質を制御することによって、インターロイキン1の白血球からの産生を制御できるのではないかと考え、種々の材料と血液との接触によるインターロイキン1の産生誘導について、鋭意研究をおこなった。その結果、汎用の高分子材料である、ナイロン−66、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン等の材料と血液との接触によって、インターロイキン1は、ほとんど産生誘導されなかったのに比較して、アガロースゲルまたはそれを修飾したアガロース誘導体ゲルと血液との接触によって、インターロイキン1が効率的に誘導されることを発見し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明によるインターロイキン1の産生誘導方法は、アガロースゲルまたはアガロース誘導体ゲルからなる材料と血液とを温度15〜42℃で接触させることを特徴とするものである。
【0010】
本発明で使用されるアガロースは、紅藻類から抽出される天然多糖類である。アガロースはゲル化能を持ち、加熱したアガロース溶液を冷却すると、自然にゲル形成が起こる。それぞれの糖鎖は2本鎖となり、ついで凝集して束になり安定なゲルを形成する。このアガロースゲルのビーズは、血液と接触させると、著しく多くのインターロイキン1の産生を誘導した。
【0011】
本発明で使用されるアガロース誘導体としては、アガロースに2,3−ジブロモプロパノールを強アルカリ条件下で作用させて架橋させ強度を高めた架橋型アガロースや、それにジエチルアミノエチル基等のイオン交換基をエーテル結合させたもの、4級アミン等で修飾したものなどが挙げられる。このアガロース誘導体からなるゲルのビーズは、血液と接触させると、著しく多くのインターロイキン1の産生を誘導した。
【0012】
本発明において、アガロースゲルまたはアガロース誘導体ゲルからなる材料と血液とを接触させる方法については、血液と上記材料とが十分に接触され得る限り、任意の方法を用いることができる。例えば、繊維状の上記材料をカラムに充填し、該カラムに血液を循環させる方法や、粒径50μm〜5mmのビーズ状の上記材料をカラムに充填し、血液を循環させる方法を用いることができる。さらに、血液中に種々の形状の上記材料を浮遊させることにより、血液と上記材料を接触させてもよい。
【0013】
上記材料と血液とを接触させる際の温度は、15℃〜42℃の範囲であり、好ましくは、30℃〜40℃の範囲である。接触温度が15℃よりも低い場合、42℃よりも高い場合には、インターロイキン1の産生誘導は低下する。
【0014】
本発明では、上記材料と血液とを接触させることにより、上記材料と細胞との相互作用により、インターロイキン1の産生誘導が行われる。このインターロイキン1産生細胞とは、抹消血中の細胞に限らず、リンパ管、リンパ節または脾臓等から得られる細胞も含まれる。血液中には、インターロイキン1を産生するこれらの細胞が多く含まれている。血液中のこれらの細胞が、上記材料と作用し、インターロイキン1が産生誘導されるが、直接作用せずとも、上記材料と血液中の何らかの因子とが作用して誘導された別の因子を介して上記細胞により、インターロイキン1の産生が誘導されてもよい。
【0015】
本発明では、アガロースゲルまたはアガロース誘導体ゲルからなる材料が、血液と接触されてインターロイキン1の産生誘導が行われるため、癌患者等の血液からインターロイキン1を産生誘導することができるため、本発明は癌などの治療に好適に用いることができる。また、本発明の方法によってインターロイキン1が産生誘導された血液を癌患者に戻すことにより、癌患者内因性のインターロイキン1を患者に与えることができるため、患者の体内において優れた抗腫瘍効果を発揮させることができる。
【0016】
本発明を用いた癌治療法について以下に例示する。癌患者の血液を血液回路等を用いて連続的に体外に導き、繊維状またはビーズ状の上記インターロイキン1誘導材料を充填したカラム部にて、好ましくは体温付近の温度にて血液を上記材料と接触させ、血液内にインターロイキン1を産生誘導する。しかる後、この癌患者内因性のインターロイキン1を多量に含む血液および血液成分を癌患者体内に連続的に返血する。上記治療方法に用いられる装置としては、市販の体外循環システム等の上記操作過程を可能にする装置であれば任意のものを用いることができる。
【0017】
また、本発明を用いた別の癌治療法としては、あらかじめ癌患者の血液を採血し、上記材料を内部に含有する血液バッグ内で上記材料と癌患者血液とを接触させ、インターロイキン1を産生誘導し、遠心分離等の手段を用いて血漿等を分離後、患者に投与する方法が挙げられる。また、上記方法によって得た癌患者内因性のインターロイキン1を多量に含む癌患者自身の血漿等を冷凍保存し、しかる後に、必要に応じて患者に投与することも可能である。
【0018】
また、アガロースゲルまたはアガロース誘導体ゲルからなる材料を用いて簡便にインターロイキン1を誘導することができるため、その誘導活性を測定することにより、患者のインターロイキン1産生能力を調べることが可能である。即ち、患者の病態を反映する免疫学的パラメーターとして、このインターロイキン1産生能を利用することが可能である。
【0019】
また、本発明によれば血液から内因性の天然型インターロイキン1を含有する血清または血漿を簡便に入手することが可能となり、これらの血清または血漿は、天然型インターロイキン1を得るための原材料として種々の用途に利用できる。
【0020】
【作用】
本発明では、アガロースゲルまたはアガロース誘導体ゲルからなる材料が血液と接触されるため、血液中のインターロイキン1を産生する細胞と該材料との相互作用が促進されることにより、あるいは上記材料と何らかの因子とが相互作用し、それによって誘導された別の因子により、インターロイキン1の産生が効率よく誘導され得る。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を詳細に説明する。
まず、下記の実施例1〜6及び比較例1〜6に記載する方法にて、アガロースゲルまたはアガロース誘導体ゲルからなる材料、および各種比較材料を作製し、次いで得られた材料を用いて、インターロイキン1の産生誘導実験を行った。
【0022】
実施例1
アガロース(ナカライ化学社製、電気泳動用特製試薬 GP−36)を5重量%濃度で蒸留水に溶解させ、121℃で20分間オートクレーブ処理を行った。この溶液を60℃に保温しておき、冷蒸留水中にマイクロシリンジを用いて滴下して、アガロースゲルビーズ(粒径5mm)を作製した。
このビーズを注射用生理食塩水(大塚製薬社製)で洗浄後、同じく注射用生理食塩水で洗浄した2ml用ポリプロピレンチューブ(eppendorf 社製)に充填した。充填量はアガロースビーズ20個とした。
【0023】
実施例2
約2重量%濃度のアガロースよりなる、Sepharose 2B(Pharmacia LKB Biotechnology 社製)の懸濁液3mlを15ml用ポリプロピレンチューブ(岩城硝子社製)に入れた。これを1000rpmで5分間遠心分離して、上澄みを吸引して捨てた。この洗浄操作を3回行い、一晩4℃にて放置した。
このゲル担体500μl(かさ体積)を実施例1と同様に、注射用生理食塩水(大塚製薬社製)で洗浄後、同じく注射用生理食塩水で洗浄した2ml用ポリプロピレンチューブ(eppendorf 社製)に充填した。
【0024】
実施例3
実施例2において、約2重量%濃度のアガロースよりなる、Sepharose 2Bの代わりに、約6重量%濃度の架橋型アガロースよりなる、Sepharose CL−6B (Pharmacia LKB Biotechnology 社製)を用いたことの他は、実施例2と同様に操作した。
【0025】
実施例4
実施例2において、約2重量%濃度のアガロースよりなる、Sepharose 2Bの代わりに、約6重量%濃度の、架橋型アガロースにジエチルアミノエチル基をエーテル結合で導入したDEAE Sepharose CL−6B(Pharmacia LKB Biotechnology 社製)を用いたことの他は、実施例2と同様に操作した。
【0026】
実施例5
実施例2において、約2重量%濃度のアガロースよりなる、Sepharose 2Bの代わりに、約4重量%濃度の、架橋型アガロースにエーテル結合を介してフェニル基を導入したPhenyl Sepharose CL−4B(Pharmacia LKB Biotechnology 社製)を用いたことの他は、実施例2と同様に操作した。
【0027】
実施例6
実施例2において、約2重量%濃度のアガロースよりなる、Sepharose 2Bの代わりに、約6重量%濃度の、架橋型アガロースに4級アミンをQ Sepharose FF(Pharmacia LKB Biotechnology 社製)を用いたことの他は、実施例2と同様に操作した。
【0028】
比較例1
注射用生理食塩水(大塚製薬社製)で洗浄した2ml用ポリプロピレンチューブ(eppendorf 社製)。
比較例2
ナイロン66のビーズ(粒径2.5mm)を射出成形により作製した。これらをメタノールで洗浄後乾燥した。
このビーズを注射用生理食塩水(大塚製薬社製)で洗浄後、同じく注射用生理食塩水で洗浄した2ml用ポリプロピレンチューブ(eppendorf 社製)に充填した。充填量はビーズ70個とした。
【0029】
比較例3
比較例2におけるナイロン66のかわりに、ポリスチレンを使用したことの他は、比較例2と同様に操作した。
比較例4
比較例2におけるナイロン66のかわりに、ポリメチルメタクリレートを使用したことの他は、比較例2と同様に操作した。
比較例5
比較例2におけるナイロン66のかわりに、ポリエチレンテレフタレートを使用したことの他は、比較例2と同様に操作した。
比較例6
比較例2におけるナイロン66のかわりに、ポリテトラフルオロエチレンプロピレン共重合体を使用したことの他は、比較例2と同様に操作した。
【0030】
インターロイキン1の産生誘導試験
実施例1〜6及び比較例1〜6で得られた材料を用いて、インターロイキン1の産生誘導実験を行った。
インターロイキン1の産生誘導実験とその測定方法は以下のように行った。
(1)ビーズによるインターロイキン1産生誘導実験
各ゲルビーズを充填したポリプロピレンチューブにヘパリン採血した健常人新鮮血1.6m1を加えて回転円盤に取り付けて、37℃にて2時間、回転数26rpmで転倒混和した。しかる後、血液を回収し、以下の方法で血漿中のインターロイキン1の濃度を測定した。
【0031】
(2)血漿中インターロイキン1濃度測定方法
インターロイキン1産生誘導試験後の血液を遠心分離して血漿を採取し、血漿中のインターロイキン1−βの濃度をインターロイキン1−βモノクローナル抗体を用いて、免疫酵素抗体法(Madgenix社製、商品名;IL1−β−EASIAR )にて測定した。この測定方法の検出限界濃度は10pg/mlであった。
【0032】
また、採血直後の血液を遠心分離して血漿を採取して、血漿中のインターロイキン1−βの濃度を同様にして測定した。採血直後の血液の血漿中インターロイキン1−β濃度は何れも検出限界以下であった。
インターロイキン1の産生誘導実験の結果を表1に示す。
なお、表1および後述の表2において、IL1−βは、インターロイキン1−βを示す。
【0033】
【表1】
【0034】
実施例7
実施例2と同様に調製したSepharose 2Bゲル担体を充填したポリプロピレンチューブにヘパリン採血した健常人新鮮血1.6m1を加えて回転円盤に取り付けて、15℃にて2時間、回転数26rpmで転倒混和した。
実施例8
実施例2と同様に調製したSepharose 2Bゲル担体を充填したポリプロピレンチューブにヘパリン採血した健常人新鮮血1.6m1を加えて回転円盤に取り付けて、30℃にて2時間、回転数26rpmで転倒混和した。
実施例9
実施例2と同様に調製したSepharose 2Bゲル担体を充填したポリプロピレンチューブにヘパリン採血した健常人新鮮血1.6m1を加えて回転円盤に取り付けて、40℃にて2時間、回転数26rpmで転倒混和した。
実施例10
実施例2と同様に調製したSepharose 2Bゲル担体を充填したポリプロピレンチューブにヘパリン採血した健常人新鮮血1.6m1を加えて回転円盤に取り付けて、42℃にて2時間、回転数26rpmで転倒混和した。
【0035】
比較例7
実施例2と同様に調製したSepharose 2Bゲル担体を充填したポリプロピレンチューブにヘパリン採血した健常人新鮮血1.6m1を加えて回転円盤に取り付けて、10℃にて2時間、回転数26rpmで転倒混和した。
比較例8
実施例2と同様に調製したSepharose 2Bゲル担体を充填したポリプロピレンチューブにヘパリン採血した健常人新鮮血1.6m1を加えて回転円盤に取り付けて、45℃にて2時間、回転数26rpmで転倒混和した。
【0036】
インターロイキン1の産生量の測定
実施例7〜10及び比較例7、8のインターロイキン1の産生誘導実験で得られた血液を回収し、前述の方法と同様にして血漿中のインターロイキン1の濃度を測定した。
結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、アガロースゲルまたはアガロース誘導体ゲルからなる材料と血液とが接触されるため、インターロイキン1の産生が効果的に誘導される。従って、癌患者の血液を用いることにより、癌患者由来の内因性インターロイキン1を患者に与えることが出来、新規な癌治療方法を提供することが可能となる。
【0039】
また、アガロースゲルまたはアガロース誘導体ゲルからなる材料を用いて簡便にインターロイキン1を誘導することができるため、その誘導活性を測定することにより、患者のインターロイキン1産生能力を調べることが可能であるから、患者の病態を反映する免疫学的パラメーターとして、このインターロイキン1産生能を利用することが可能である。
【0040】
また、本発明によれば血液から内因性の天然型インターロイキン1を含有する血清または血漿を簡便に入手することが可能となり、これらの血清または血漿は、天然型インターロイキン1を得るための原材料として種々の用途に利用できる。
【0041】
また、本発明では、従来の生理活性物質固定化材料のように、固定化された生理活性物質等の脱離が発生しないため、安全性の点においても優れており、かつ特定の固定化リガンドも必要ないため効率的である。
Claims (1)
- アガロースゲルまたはアガロース誘導体ゲルからなる材料と血液とを温度15〜42℃で接触させることにより、インターロイキン1の産生を誘導することを特徴とするインターロイキン1の産生誘導方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP24273793A JP3620863B2 (ja) | 1993-09-29 | 1993-09-29 | インターロイキン1の産生誘導方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP24273793A JP3620863B2 (ja) | 1993-09-29 | 1993-09-29 | インターロイキン1の産生誘導方法 |
Publications (2)
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JPH0796031A JPH0796031A (ja) | 1995-04-11 |
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ID=17093505
Family Applications (1)
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JP24273793A Expired - Lifetime JP3620863B2 (ja) | 1993-09-29 | 1993-09-29 | インターロイキン1の産生誘導方法 |
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Families Citing this family (1)
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EP1449540A4 (en) * | 2001-11-02 | 2007-01-10 | Sekisui Chemical Co Ltd | CYTOKIN INDUCING MATERAIL AND CYTOKIN INDUCTIVE INSTRUMENT |
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1993
- 1993-09-29 JP JP24273793A patent/JP3620863B2/ja not_active Expired - Lifetime
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