JP3619944B2 - ディスクブレーキ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や自動二輪車等の走行車両を始め、航空機や鉄道車両、各種の産業機械に用いられるディスクブレーキに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の走行車両に用いられるディスクブレーキは、車輪と一体に回転するディスクロータにキャリパボディを跨いで配設し、ディスクロータの両側部に配設されるキャリパボディの作用部や反作用部に、一対の摩擦パッドがディスクロータを挟んで対向配置される。この摩擦パッドは、ディスクロータの側面に摺接するライニングを金属製の裏板に固着して構成されており、裏板のディスク回入側及び回出側に突出する耳片をキャリパボディのパッド吊下げ部に掛止するか、キャリパボディに架設されるハンガーピンを裏板の吊下げ部に穿設したピン孔に挿通し、裏板をディスクロータの側部でディスク回入側と回出側とに対向するキャリパボディのトルク受け面の間に挟んで、ディスク軸方向へ移動可能に吊持される。
【0003】
キャリパボディのディスク回入側及び回出側のトルク受け面の間隔は、摩擦パッドの着脱性や構成部品の製造誤差を考慮して、裏板の横幅よりもやや広く設定されている。このため、ハンガーピンを用いて摩擦パッドを吊持する形式では、裏板のピン孔を長孔状に形成し、このピン孔を裏板のディスク回入側端面と回出側端面に直交する裏板の幅方向に配設して、制動時の摩擦パッドを、ディスクロータの引摺りによってディスク回出方向へ移動し、裏板のディスク回出側端面をキャリパボディのトルク受け面に当接させて制動力を得るようにしている。
【0004】
しかしながら、上述の構成では、裏板のディスク回出側面がキャリパボディのトルク受け面に当接するまでの時間が初期制動力の立ち遅れとなり、また耳障りな当接音の発生を招くため、例えば特開昭57−1832公報に示されるディスクブレーキには、摩擦パッドの浮き上がりを抑制するパッドスプリングにディスク回出方向の弾発部を設け、該弾発部にて非作動時の摩擦パッドをディスク回出方向へ付勢して、裏板のディスク回出側面を、予めキャリパボディのトルク受け面に当接させた構成が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成にあっては、摩擦パッドをディスク半径方向へ弾発する基本構造のパッドスプリングに、上記したディスク回出方向の弾発部のほか、キャリパボディやハンガーピンと当接して、その反力を上述の弾発部にディスク回出方向の弾発力として付与するための係止部を必須とするため、パッドスプリングの形状が複雑となる。またパッドスプリングには、ディスク半径方向とディスク回出方向の弾発力が設定されるが、直交する双方の弾発力を設定通りに発揮するには高い精度が要求される。
【0006】
そこで本発明は、ディスクブレーキを作動する前の摩擦パッドを、パッドスプリングの構造を複雑とすることなく、予めキャリパボディのディスク回出寄りに組付けしておくことのできるディスクブレーキ構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明を図面の符号の一部を括弧書きで付記して説明すると、ディスクロータの側部に配設されるキャリパボディの作用部や反作用部の車両前進時のディスク回入側及び回出側のそれぞれにトルク受け部を対向して設け、ディスクロータを挟んで配設される一対の摩擦パッドの車両前進時のディスク回入側及び回出側のそれぞれの吊り下げ片に穿設した各ピン孔に、ディスク回入側及び回出側の一対のハンガーピンを挿通して両摩擦パッドを前記ディスク回入側及び回出側のトルク受け部の間にディスク軸方向へ移動可能に吊持するディスクブレーキにおいて、第1の構成は、各ピン孔は、長孔状に形成されていると共に、両摩擦パッドをキャリパボディに組み付けた際に、ディスク回出側端が回入側端よりもディスク外径方向内方に位置すべく同一角度で傾斜しており、ディスク回出側のハンガーピンとディスク回入側のハンガーピンとは、ディスクロータの回転中心とシリンダ孔の中心(O1)とを結ぶディスク半径方向線(L1)から車両前進時のディスク回出側の前記ハンガーピン中心までの距離(L2)と前記ディスク半径方向線(L1)から車両前進時のディスク回入側の前記ハンガーピン中心までの距離(L3 )とがL2>L3の不等距離にあり、且つ車両前進時のディスク回出側のハンガーピンの中心と車両前進時のディスク回入側のハンガーピンの中心とは、前記ディスク半径方向線(L1)において距離(L4)分車両前進時のディスク回出側のハンガーピンがディスク半径方向外方に偏位して設けられ、また、各ピン孔も、車両前進時のディスク回出側が車両前進時のディスク回入側よりも前記L2>L3の不等距離にあり、且つ距離(L4)分偏位して設けられ、両摩擦パッドをパッドスプリングにてディスク半径方向内方へ弾発し、この弾発力とハンガーピンとの案内にて両摩擦パッドを車両前進時のディスク回出方向へ移動して、非作動時の摩擦パッドを、車両前進時のディスク回出側のトルク受け面に支承される位置に配設したことを特徴とし、第2の構成は、各ピン孔は、長孔状に形成されていると共に、両摩擦パッドをキャリパボディに組み付けた際に、ディスク回出側端が回入出側端よりもディスク外径方向外方方に位置すべく同一角度で傾斜しており、前記各トルク受け部と両摩擦パッドの車両前進時のディスク回入側及び回出側の端面との間に、それぞれリテーナ兼パッドスプリングのリテーナ片を配設し、該リテーナ片の内側端から延出するパッドスプリング部にて両摩擦パッドをディスク半径方向外方へ弾発し、この弾発力とハンガーピンとの案内にて両摩擦パッドを車両前進時のディスク回出方向へ移動して、非作動時の摩擦パッドを、車両前進時のディスク回出側のトルク受け面にリテーナ片を介して支承される位置に配設したことを特徴としている。なお、本明細書において、ディスク回入側及び回出側は、車両前進時についてである。
【0008】
ハンガーピンを裏板のピン孔に挿通して吊持される上述の摩擦パッドは、ピン孔の形状と裏板のディスク回入及び回出側端面に対する傾斜配置から、パッドスプリングの弾発力をディスク半径方向へ付与することによって、ディスク半径方向の弾発力の一部がディスク回出方向の分力として作用し、傾斜形状のピン孔がハンガーピンを滑って、ディスク半径方向内側または外側へ押されながらディスク回出方向へも移動し、裏板のディスク回出側端面がディスク回出側のトルク受け面に支承される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の形態例を図面に基づいて説明する。図1乃至図3の第1形態例に示すディスクブレーキ1は、四輪自動車等に用いる走行車両用で、図示しない車輪と共に矢印A方向へ回転するディスクロータ2と、該ディスクロータ2の上部位置に配設されるキャリパボディ3と、該キャリパボディ3の作用部3a,3bの間に、ディスクロータ2を挟んで配設される一対の摩擦パッド4,4とよりなっており、キャリパボディ3は、一方の作用部3aに設けられた車体取付け孔を車体(いずれも図示せず)にねじ止めして固定される。
【0010】
キャリパボディ3は、2分割のキャリパ半体3d,3eを2本の連結ボルト5,5を用いて一体に連結し、ディスクロータ2の両側に配設された上述の作用部3a,3bにシリンダ孔6,6を対向して設け、これらシリンダ孔6,6にそれぞれ角シール7を介してピストン8を液密且つ移動可能に収容したピストン対向型で、ピストン8とシリンダ孔6の底部との間には、それぞれ液圧室9が画成される。
【0011】
作用部3a,3bのディスクロータ側には、シリンダ孔6を挟んだディスク回入側と回出側にトルク受け面3f,3gが突設され、またディスクロータ2の外側を跨いで作用部3a,3bをつなぐブリッジ部3cの中央に、矩形の天井開口部10が内外に貫通して設けられており、前記摩擦パッド4,4は、天井開口部10をディスク軸方向に貫通してブリッジ部3cのディスク回入側及び回出側に架設される一対のハンガーピン11,11にて、ディスク軸方向へ移動可能に吊持されると共に、パッドスプリング12にてディスク内方向に付勢されている。
【0012】
各作用部3a,3bのトルク受け面3f,3gは、天井開口部10のディスク回入側面と回出側面から一直線上に連続して設けられており、天井開口部10のディスク回入側面と回出側面との間隔、即ちディスク回入側のトルク受け面3fとディスク回出側のトルク受け面3gとの間隔は、摩擦パッド4の裏板14のディスク周方向の幅よりもやや広く設定されていて、摩擦パッド4,4を、天井開口部10からトルク受け面3f,3gの間へ配設できるようにしている。
【0013】
各摩擦パッド4は、ディスクロータ2の側面に摺接するライニング13を、金属製の裏板14の本体部14aに固着して構成されており、本体部14aのディスク外径方向外方へ突出する一対の吊下げ片14b,14bには、ピン孔14c,14cがそれぞれ穿設されている。各ピン孔14cは、摩擦パッド4,4をディスクロータ2を挟んでキャリパボディ3に組み付けた際に、相対向する吊下げ片14b,14bの同位置に同形状で設けられている。また、各ピン孔14cは、両端を半円形に丸めた長孔であって、該長孔は摩擦パッド4,4をキャリパボディ3に組み付けた際に、ディスク周方向一端を他端よりもディスク外径方向内方に位置するように同一角度で傾斜している。摩擦パッド4,4は、ピン孔14cの長孔一端をディスク回出側に向けながら、裏板14の吊下げ片14b,14bを天井開口部10内に、ライニング13と裏板14の本体部14aとをトルク受け面3f,3gの間にそれぞれ収容し、ピン孔14c,14cにハンガーピン11,11を差し込んでディスク軸方向へ移動可能に吊持される。
【0014】
ディスク回出側のハンガーピン11とディスク回入側のハンガーピン11とは、ディスクロータ2の回転中心とシリンダ孔6の中心O1とを結ぶディスク半径方向線L1からディスク回出側の前記ハンガーピン中心までの距離L2と前記ディスク半径方向線L1からディスク回入側の前記ハンガーピン中心までの距離L3とがL2>L3の不等距離にあり、且つディスク回出側のハンガーピンの中心とディスク回入側のハンガーピンの中心とは、前記ディスク半径方向線L1において距離L4分ディスク回出側のハンガーピンがディスク半径方向外方に偏位して設けられている。また、各摩擦パッド4でも、吊下げ片14b及びピン孔14cは、ハンガーピン11,11と同様に、ディスク回出側がディスク回入側よりもディスク半径方向線L1からディスク周方向へL2>L3の不等距離で、且つピン孔14cは、ディスク回出側がディスク回入側よりもディスク半径方向にL4分偏位して設けられている。
【0015】
パッドスプリング12は、天井開口部10の中央でディスク回入側と回出側の4つの吊下げ片14bの間に配設され、各裏板14の上面中央に突出するスプリング受け部14fに弾接する断面V字状の連結部12aと、該連結部12aの両側縁中央からディスクロータ2の外側を周方向に延びて、ハンガーピン11,11のディスク内周側に弾接する一対のピン当接片12b,12bと、連結部12aの両側縁側部の4箇所からディスク外方向へ立ち上がり、摩擦パッド4,4の4つの吊下げ片14bの外側を覆う4枚のカバー片12cとを持っている。
【0016】
ハンガーピン11,11にて吊持された摩擦パッド4,4には、パッドスプリング12の連結部12aをスプリング受け部14f,14fに当接し、ピン当接片12b,12bをハンガーピン11,11のディスク内周側に弾接させることによってディスク半径方向内側への弾発力が付与され、ピン孔14c,14cの形状及び傾斜配置から、パッドスプリング12のディスク半径方向内側への弾発力の一部が、摩擦パッド4,4にディスク回出方向の分力として作用する。これにより、摩擦パッド4,4は、傾斜形状のピン孔14c,14cがハンガーピン11,11を滑って、ディスク半径方向内方へ押されながらディスク回出方向へ平行移動し、裏板14のディスク回出側端面14eがディスク回出側のトルク受け面3gに隙間なく支承される位置へ強制的に付勢され、同時に裏板14のディスク回入側端面14dとディスク回入側のトルク受け面3fとの間にC1分の間隙を生じる。なお、ハンガーピン11,11は、ディスク半径方向線L1からディスク周方向へ長 さL2>L3の不等距離にあり、且つディスク半径方向にも偏位しているから、パッドスプリング12のピン当接片12b,12bは、ハンガーピン11,11のディスク内周側にやや傾いて弾接されている。
【0017】
以上のように構成される本形態例のディスクブレーキ1は、運転者の制動操作によって、別途の図示しない液圧マスタシリンダに発生した液圧が、双方の作用部3a,3bの液圧室9,9に入ってピストン8,8を押動し、更にピストン8,8が、裏板14のディスク回出側端面14eをディスク回出側のトルク受け面3gに支承される摩擦パッド4,4を押動して、双方のライニング13,13をディスクロータ2の両側面に摺接させることにより、制動作用が行なわれる。
【0018】
ハンガーピン11,11に吊持される摩擦パッド4,4は、ディスクブレーキ1が作動する前の非作動状態において、パッドスプリング12の弾発力を利用してディスク回出側へ強制的に付勢され、裏板14のディスク回出側端面14eが予めキャリパボディ3のディスク回出側のトルク受け面3gに隙間なく支承されているので、初期制動力をタイムラグなく俊敏に立ち上げることができ、耳障りな当接音の発生もなくなる。また、パッドスプリング12には、ディスク回出方向の弾発部や反力を発生するための係止部が不要で、パッドスプリング12を、余分な構成を排した簡単な構造にできるので、材料取りと加工性並びに経済性に優れており、しかも弾発力の設定がディスク半径方向内側だけで済むので、パッドスプリング12を容易に製作することができる。さらに、ハンガーピン11,11と裏板14の吊下げ片14b,14b及びピン孔14c,14cとを、それぞれディスク周方向とディスク半径方向へオフセットしたことにより、ピン孔14c,14cの傾斜方向が異なる作用部3c,3dの摩擦パッド4,4が、他方へ誤組されることがないようにしている。
【0019】
また、パッドスプリング12に設けたカバー部12cが、摩擦パッド4,4の4つの吊下げ片14bの外側を覆うので、土砂や雨水がピン孔14c内に侵入したりピン孔近傍のハンガーピン11の表面に付着することがなくなり、摩擦パッド4,4のスライド性を良好に維持することができる。
【0020】
尚、一方の作用部3aの摩擦パッド4と他方の作用部3bの摩擦パッド4とでは、ピン孔14c,14cが逆方向へ傾斜する対称形状となるが、これら摩擦パッド4,4は、ライニング13を裏板14の本体部14aに表裏逆に固着することによって形成することができ、同一形状の裏板14を共通して用いることができるので、格別なコスト高とはならない。
【0021】
図4の第2形態例に示す走行車両用のディスクブレーキ20は、摩擦パッド4,4をディスク軸方向へ案内するリテーナ部21aに、パッドスプリング部21bを一体化した一対のリテーナ兼パッドスプリング21,21を用いており、また、長孔状のピン孔14cは、第1形態例とは逆に、摩擦パッド4,4をキャリパボディ3に組み付けた際に、ディスク回出側端部が回入側端部よりもディスク外径方向外方に位置すべく同一角度で傾斜している。なお、ハンガーピン11,11、吊下げ片14b,14b及びピン孔14c,14cは、ディスク回入側と回出側とでディスク周方向及びディスク半径方向へオフセットされていない。
【0022】
各リテーナ兼パッドスプリング21のうち、リテーナ部21aは、天井開口部10の開口縁に係止される係止片21cと、該天井開口部10のディスク回入側面または回出側面に敷設される連結片21dと、該連結片21dの内側縁両側からディスクロータ2を挟んでディスク回入側のトルク受け面3f又はディスク回出側のトルク受け面3gに沿って連続し、さらに、ディスク半径方向内方へ一直線状に突出するリテーナ片21e,21eと を持っている。
【0023】
また、パッドスプリング部21bは、ディスクロータ2の側部で、一方のリテーナ片21eの内側端から他方のリテーナ片21e方向へ波形に突出する形状に形成されており、ディスクロータ2の各側部でディスク回入側と回出側に対向する2つのパッドスプリング部21b,21bは、裏板14の本体部14aのディスク半径方向内側面に弾接され、ハンガーピン11,11にて吊持された摩擦パッド4,4のそれぞれをディスク半径方向外方へ弾発している。この弾発力の一部は、ピン孔14c,14cの形状と傾斜配置によって、摩擦パッド4,4にディスク回出方向の分力として作用し、摩擦パッド4,4は、傾斜形状のピン孔14c,14cがハンガーピン11,11を滑って、ディスク半径方向内側へ押されながらディスク回出方向へ平行に移動し、裏板14のディスク回出側端面14eがディスク回出側のトルク受け面3gに隙間なく支承される位置へ強制的に付勢され、同時に裏板14のディスク回入側端面14dとディスク回入側のトルク受け面3fとの間にC2分の間隙を生じている。
【0024】
尚、本発明のディスクブレーキは、第1及び第2形態例で示したピストン対向型のキャリパボディ以外に、制動及び制動解除時のキャリパボディをスライドピンにてディスク軸方向へ案内するピンスライド型のキャリパボディにも適用が可能であり、また走行車両以外に、航空機や鉄道車両、各種産業機械のディスクブレーキとして幅広く適用が可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のディスクブレーキは、摩擦パッドの裏板のピン孔を長孔状に形成して、該ピン孔を裏板のディスク回入側端面とディスク回出側端面に対して傾斜して配設し、前記摩擦パッドをパッドスプリングにてディスク半径方向へ弾発し、前記裏板をパッドスプリングの弾発力とハンガーピンの案内にてディスク回出方向へ移動して、非作動時の摩擦パッドを、裏板のディスク回出側端面がディスク回出側のトルク受け面に支承される位置に配設したことにより、初期制動力をタイムラグなく俊敏に立ち上げるとができ、更に制動時における当接音の発生と、車体或いは機械本体の振動に起因する摩擦パッドのガタ付とを有効に防止することができる。
【0026】
また、パッドスプリングには、ディスク回出方向の弾発部や反力を発生するための係止部が不要となり、パッドスプリングを余分な構成を排した簡単な基本構造にできるので、材料取りと加工性並びに経済性に優れており、しかも弾発力の設定がディスク半径方向だけで済み、パッドスプリングに高精度を要しないので製作が容易に行なえる。
【0027】
煩しい弾発力の設定がディスク半径方向のみで済み、更にパッドスプリングが、摩擦パッドをディスク半径方向内側へ弾発するだけの簡単な構造となるので、材料取りと加工性並びに経済性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1形態例を示す図2のI−I断面図
【図2】本発明の第1形態例を示すディスクブレーキの一部断面平面図
【図3】本発明の第1形態例を示す図1のIII −III 断面図
【図4】本発明の第2形態例を示すディスクブレーキの断面正面図
【符号の説明】
1,20…ディスクブレーキ、2…ディスクロータ、3…キャリパボディ、3a,3b…キャリパボディ3の作用部、3c…作用部3a,3bをつなぐブリッジ部、3f,3g…トルク受け面、4…摩擦パッド、10…天井開口部、11…ハンガーピン、12…パッドスプリング、13…摩擦パッド4のライニング、14…摩擦パッド4の裏板、14a…裏板14の本体部、14b…裏板14の吊下げ片、14c…ピン孔、14d…裏板14のディスク回入側端面、14e…裏板14のディスク回出側端面、21…リテーナ兼パッドスプリング、A…ディスクロータ2の回転方向、O1…シリンダ孔6の中心、L1…ディスクロータ2の回転中心とシリンダ孔6の中心O1とを結ぶディスク半径方向線、L2,L3…ディスク半径方向線からの距離、L4…ハンガーピン11,11のディスク半径方向の偏位量
Claims (2)
- ディスクロータの側部に配設されるキャリパボディの作用部や反作用部の車両前進時のディスク回入側及び回出側のそれぞれにトルク受け部を対向して設け、ディスクロータを挟んで配設される一対の摩擦パッドの車両前進時のディスク回入側及び回出側のそれぞれの吊り下げ片に穿設した各ピン孔に、ディスク回入側及び回出側の一対のハンガーピンを挿通して両摩擦パッドを前記ディスク回入側及び回出側のトルク受け部の間にディスク軸方向へ移動可能に吊持するディスクブレーキにおいて、
各ピン孔は、長孔状に形成されていると共に、両摩擦パッドをキャリパボディに組み付けた際に、ディスク回出側端が回入側端よりもディスク外径方向内方に位置すべく同一角度で傾斜しており、
ディスク回出側のハンガーピンとディスク回入側のハンガーピンとは、ディスクロータの回転中心とシリンダ孔の中心(O1)とを結ぶディスク半径方向線(L1)から車両前進時のディスク回出側の前記ハンガーピン中心までの距離(L2)と前記ディスク半径方向線(L1)から車両前進時のディスク回入側の前記ハンガーピン中心までの距離(L3)とがL2>L3の不等距離にあり、且つ車両前進時のディスク回出側のハンガーピンの中心と車両前進時のディスク回入側のハンガーピンの中心とは、前記ディスク半径方向線(L1)において距離(L4)分車両前進時のディスク回出側のハンガーピンがディスク半径方向外方に偏位して設けられ、また、各ピン孔も、車両前進時のディスク回出側が車両前進時のディスク回入側よりも前記L2>L3の不等距離にあり、且つ距離(L4)分偏位して設けられ、
両摩擦パッドをパッドスプリングにてディスク半径方向内方へ弾発し、この弾発力とハンガーピンとの案内にて両摩擦パッドを車両前進時のディスク回出方向へ移動して、非作動時の摩擦パッドを、車両前進時のディスク回出側のトルク受け面に支承される位置に配設したことを特徴とするディスクブレーキ。 - ディスクロータの側部に配設されるキャリパボディの作用部や反作用部の車両前進時のディスク回入側及び回出側のそれぞれにトルク受け部を対向して設け、ディスクロータを挟んで配設される一対の摩擦パッドの車両前進時のディスク回入側及び回出側のそれぞれの吊り下げ片に穿設した各ピン孔に、ディスク回入側及び回出側の一対のハンガーピンを挿通して両摩擦パッドを前記ディスク回入側及び回出側のトルク受け部の間にディスク軸方向へ移動可能に吊持するディスクブレーキにおいて、
各ピン孔は、長孔状に形成されていると共に、両摩擦パッドをキャリパボディに組み付けた際に、ディスク回出側端が回入出側端よりもディスク外径方向外方方に位置すべく同一角度で傾斜しており、
前記各トルク受け部と両摩擦パッドの車両前進時のディスク回入側及び回出側の端面との間に、それぞれリテーナ兼パッドスプリングのリテーナ片を配設し、
該リテーナ片の内側端から延出するパッドスプリング部にて両摩擦パッドをディスク半径方向外方へ弾発し、この弾発力とハンガーピンとの案内にて両摩擦パッドを車両前進時のディスク回出方向へ移動して、非作動時の摩擦パッドを、車両前進時のディスク回出側のトルク受け面にリテーナ片を介して支承される位置に配設したことを特徴とするディスクブレーキ。
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