JP3608986B2 - シュリンクフィルム用ポリオレフィン樹脂組成物およびそのシュリンクフィルム - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、シュリンクフィルム用ポリオレフィン樹脂組成物およびそのシュリンクフィルムに関し、さらに詳しくは、70〜100℃という高温における熱収縮率が急激に増加し、かつ20〜40℃という低温での後収縮率が小さいシュリンク(延伸)フィルムを成形できるポリオレフィン樹脂組成物、およびそのシュリンクフィルム(シュリンクラベルなどの収縮性フィルムを含む)に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
シュリンクフィルムは、熱可塑性樹脂たとえばポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂から形成される延伸フィルムであり、加熱により収縮する性質を利用して、工業用品、日用品、食料品等を密着包装する、いわゆるシュリンク(収縮)包装に広く用いられている。
【0003】
従来より、ポリプロピレン樹脂に石油樹脂などを混合して延伸成形することにより、得られるフィルムの高温での熱収縮率を増加させることができることは、よく知られている。しかしながら、このようにして得られるフィルムは、室温下での後収縮(自然収縮)が大きいため、フィルム寸法が変化したり、ロール巻きした状態では変形などが起きたりして包装時や二次加工時にトラブルが生じる場合がある。フィルムの後収縮を抑えるには、製膜時に熱固定を施せばよいが、熱固定を施したフィルムは、高温での熱収縮特性が損なわれてしまい、使用に耐えられない。ポリオレフィン、特にポリプロピレン製のシュリンクフィルムでは、高温での熱収縮性を維持しながら、後収縮を小さくすることは極めて困難であり、この問題を解決することが技術的課題として掲げられていた。
【0004】
ポリオレフィン、特にポリプロピレン系のシュリンクフィルム(シュリンクラベルを含む)では、高温で熱収縮率が急激に増加し、かつ低温での後収縮率が小さいシュリンク(延伸)フィルムを成形できる、比重が1以下のシュリンクフィルム用ポリオレフィン樹脂組成物、およびそのシュリンクフィルムの出現が望まれている。
【0005】
なお、シュリンクフィルム用ポリオレフィン樹脂組成物およびそのシュリンクフィルムの比重を1以下としたのは、ポリオレフィンの特徴である「軽量」という利点を維持するためである。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、高温で熱収縮率が急激に増加し、かつ低温での後収縮率が小さいシュリンク(延伸)フィルムを成形できる、比重が1以下のシュリンクフィルム用ポリオレフィン樹脂組成物特にポリプロピレン樹脂組成物、およびそのシュリンクフィルムを提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】
本発明に係るシュリンク用ポリオレフィン樹脂組成物は、
プロピレンと、2〜20モル%の他のα - オレフィンとをランダム共重合した二元ない
し三元プロピレン・α - オレフィンランダム共重合体(A1)99〜60重量部と、
90℃未満かつ20℃を超えるガラス転移点(Tg)を有し、GPC法により測定される数平均分子量(Mn)が1,000を超える非晶質樹脂(B)1〜40重量部[成分(A1)および(B)の合計量は100重量部とする]と
からなることを特徴としている。
【0008】
本発明において、Tgが20℃以下の非晶質樹脂を使用すると、シュリンクフィルムの保管時の温度に相当する20℃以上の雰囲気下では、分子の収縮運動が起き、後収縮の増加につながるため、Tgが20℃以下の非晶質樹脂は実用に適さない。一方、Tgが90℃以上の非晶質樹脂を使用すると、シュリンクフィルムの熱収縮時の温度に相当する90℃以下のシュリンクトンネル中では、分子の収縮運動が極めて小さく、シュリンクフィルム全体の熱収縮の阻害につながるため、Tgが90℃以上の非晶質樹脂もまた実用に適さない。したがって、本発明で使用する非晶質樹脂は、Tgが20℃を超え、かつ、90℃未満であることが望ましい。
【0009】
本発明に係る第1のシュリンクフィルムは、
プロピレンと、2〜20モル%の他のα - オレフィンとをランダム共重合した二元ない
し三元プロピレン・α - オレフィンランダム共重合体(A1)99〜60重量部と、
90℃未満かつ20℃を超えるガラス転移点(Tg)を有し、GPC法により測定される数平均分子量(Mn)が1,000を超える非晶質樹脂(B)1〜40重量部[成分(A1)および(B)の合計量は100重量部とする]と
からなるポリオレフィン樹脂組成物から形成された単層構造の延伸フィルムであることを特徴としている。
【0010】
前記ポリオレフィン樹脂組成物は、成分(A1)と(B)とをドライブレンドして調製してもよいし、またメルトブレンドして調製してもよい。
また、本発明に係る第2のシュリンクフィルムは、
90℃未満かつ20℃を超えるガラス転移点(Tg)を有し、GPC法により測定される数平均分子量(Mn)が1,000を超える非晶質樹脂(B)からなる層[I]と、
ポリオレフィン樹脂(A)からなる層[II]と
が積層された多層構造の延伸フィルムであり、
該ポリオレフィン樹脂(A)が、
プロピレンと、2〜20モル%の他のα - オレフィンとをランダム共重合した二元ない
し三元プロピレン・α - オレフィンランダム共重合体(A1)、または
エチレンと、2〜20モル%の他のα - オレフィンとからなり、密度 (ASTM D 1505) が
0.85〜0.94g/cm 3 である二元ないし三元エチレン・α - オレフィンランダム共重合体(A2)であり、
該ポリオレフィン樹脂(A)層[ II ]あるいは非晶性樹脂(B)層[I]中に、または双方の層中に石油樹脂がブレンドされている
ことを特徴としている。
前記第2のシュリンクフィルムは、
前記多層構造が
前記非晶質樹脂(B)層[I]/前記ポリオレフィン樹脂(A)層[ II ]/前記非晶質樹脂(B)層[I]の3層構造、または
前記ポリオレフィン樹脂(A)層[ II ]/前記非晶質樹脂(B)層[I]/前記ポリオレフィン樹脂(A)層[ II ]の3層構造
であることが好ましい。
また、前記多層構造が、前記非晶質樹脂(B)層[I]/前記ポリオレフィン樹脂(A)層[ II ]/前記非晶質樹脂(B)層[I]の3層構造であり、
該非晶質樹脂(B)層[I]の厚みが1〜30μmの範囲に、該ポリオレフィン樹脂(A)層[ II ]の厚みが10〜100μmの範囲にあり、
比重が1以下である
ことが好ましい。
【0011】
上記のような、本発明に係るシュリンクフィルムは、通常、TD方向における90℃での熱収縮率が25%以上であり、かつ、25℃での後収縮率が0.7%以下である。
【0013】
また、前記非晶質樹脂(B)としては、90℃未満かつ20℃を超えるガラス転移点(Tg)を有し、GPC法により測定される数平均分子量(Mn)が1,000を超える、環状オレフィン系樹脂(B1)、ポリスチレン系樹脂(B2)またはポリエチレンテレフタレート樹脂(B3)が好ましく用いられる。
【0014】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るシュリンクフィルム用ポリオレフィン樹脂組成物およびそのシュリンクフィルムについて具体的に説明する。
【0015】
シュリンクフィルム用ポリオレフィン樹脂組成物
本発明に係るシュリンクフィルム用ポリオレフィン樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂(A)と、非晶性樹脂(B)とからなる。
【0016】
[ポリオレフィン樹脂(A)]
本発明では、通常、プロピレンと、20モル%以下の他のα− オレフィンとをランダム共重合したプロピレン・α− オレフィンランダム共重合体、好ましくは二元ないし三元プロピレン・α− オレフィンランダム共重合体(A1)、またはエチレンと、20モル%以下の他のα−オレフィンとからなり、密度(ASTM D 1505)が0.85〜0.94g/cm3 であるエチレン・α− オレフィンランダム共重合体、好ましくは二元ないし三元エチレン・α− オレフィンランダム共重合体(A2)が用いられる。
【0017】
このようなプロピレン・α− オレフィンランダム共重合体は、プロピレンと、エチレンおよび炭素原子数4〜20のα− オレフィンから選ばれた1種または2種以上のα− オレフィンとからなるランダム共重合体である。
【0018】
このプロピレン・α− オレフィンランダム共重合体のコモノマーとしては、エチレンまたは炭素原子数4〜20のα−オレフィン、具体的には、エチレンの他、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1− ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどが挙げられる。これらのα− オレフィン(エチレンも含む)は、コモノマーとして1種単独で、または2種以上組み合わせて用いられる。
【0019】
上記のようなα− オレフィン含有量は、プロピレン・α− オレフィンランダム共重合体100モル%に対して、20モル%以下、通常2〜20モル%、好ましくは3〜10モル%、さらに好ましくは3〜5モル%の範囲にある。上記のようなα− オレフィン含有量は、赤外線分光法、NMR分光法などの常法によって測定される値である。
【0020】
本発明で用いられるプロピレ・α− オレフィンランダム共重合体のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)は、通常0.1〜20g/10分、好ましくは1〜10g/10分、さらに好ましくは1〜5g/10分である。
【0021】
また、プロピレン・α− オレフィンランダム共重合体の密度(ASTM D 1505、23℃)は、通常0.85〜0.93g/cm3 、好ましくは0.88〜0.92g/cm3 であることが望ましい。
【0022】
また、上記のエチレン・α− オレフィンランダム共重合体は、エチレンと、炭素原子数3〜10のα− オレフィンから選ばれた1種または2種以上のα− オレフィンとからなるランダム共重合体である。
【0023】
このエチレン・α− オレフィンランダム共重合体のコモノマーとしては、炭素原子数3〜10のα− オレフィン、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1− ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどが挙げられる。これらのα− オレフィンは、コモノマーとして1種単独で、または2種以上組み合わせて用いられる。
【0024】
エチレン・α− オレフィンランダム共重合体のα− オレフィン含有量は、ランダム共重合体100モル%に対して、20モル%以下、通常2〜20モル%、好ましくは2〜10モル%の範囲にある。上記のようなα− オレフィン含有量は、赤外線分光法、NMR分光法などの常法によって測定される値である。
【0025】
本発明で用いられるエチレン・α− オレフィンランダム共重合体のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)は、通常0.1〜20g/10分、好ましくは1〜10g/10分、さらに好ましくは2〜5g/10分である。
【0026】
また、エチレン・α− オレフィンランダム共重合体の密度(ASTM D 1505、23℃)は、通常0.85〜0.94g/cm3 、好ましくは0.88〜0.94g/cm3 、さらに好ましくは0.88〜0.92g/cm3 であることが望ましい。
【0027】
上記のようなポリオレフィン樹脂(A)を製造する際に使用される重合触媒は、チタン系またはバナジウム系のチーグラー・ナッタ触媒や、チタン系、ジルコニウム系、ハフニウム系のメタロセン触媒、クロム系のフィリップス触媒、その他のいかなるオレフィン重合用触媒でもよい。
【0028】
上記のようなプロピレン・α− オレフィンランダム共重合体(A1)、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(A2)等のポリオレフィン樹脂(A)は、ポリオレフィン樹脂(A)および非晶性樹脂(B)の合計量100重量部に対して、99〜50重量部、好ましくは80〜50重量部の割合で用いられる。
【0029】
[非晶性樹脂(B)]
本発明で用いられる非晶性樹脂(B)は、90℃未満かつ20℃を超えるガラス転移点(Tg)、好ましくは80〜50℃のガラス転移点(Tg)を有し、GPC法により測定される数平均分子量(Mn)が1,000を超える樹脂である。このような非晶性樹脂(B)としては、たとえば90℃未満かつ20℃を超えるガラス転移点(Tg)、好ましくは80〜50℃のガラス転移点(Tg)を有し、GPC法により測定される数平均分子量(Mn)が1,000を超える好ましくは1,000を超え100万以下の、環状オレフィン系樹脂(B1)、ポリスチレン系樹脂(B2)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(B3)などが好ましく用いられる。本発明において、数平均分子量(Mn)が1,000以下である非晶質樹脂を用いると、積層フィルム化することが困難であるため、非晶質樹脂の数平均分子量(Mn)は1,000を超えていることが良い。
【0030】
<環状オレフィン系樹脂(B1)>
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂(B1)としては、たとえば
(b−1) エチレンと下記一般式(I)または(II)で表わされる環状オレフィンとを共重合させて得られるエチレン・環状オレフィンランダム共重合体、
(b−2) 下記一般式(I)または(II)で表わされる環状オレフィンの開環重合体または共重合体、
(b−3) 上記(b−2)の開環重合体または共重合体の水素化物、または
(b−4) 上記(b−1) 、(b−2) または(b−3) のグラフト変性物
であって、90℃未満かつ20℃を超えるガラス転移点(Tg)を有し、GPC法により測定される数平均分子量(Mn)が1,000を超える樹脂が挙げられる。
【0031】
まず本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂を調製するために使用される単量体である一般式(I)または(II)で表わされる環状オレフィンについて説明する。
【0032】
環状オレフィン系樹脂の調製で使用される環状オレフィンは、下記一般式(I)または(II)で表わすことができる。
【0033】
【化1】
【0034】
上記一般式(I)中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、kは0または1である。なお、kが1の場合には、Ra およびRb は、それぞれ独立に、下記の原子または炭化水素基であり、kが0の場合には、それぞれの結合手が結合して5員環を形成する。
【0035】
R1 〜R18ならびにRa およびRb は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基である。
ここでハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。
【0036】
また、炭化水素基としては、それぞれ独立に、通常炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基を挙げることができる。より具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基などを挙げることができ、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基などを挙げることができ、芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基などを挙げることができる。これらの炭化水素基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0037】
さらに上記式(I)において、R15〜R18がそれぞれ結合して(互いに共同して)単環または多環を形成していてもよく、しかもこのようにして形成された単環または多環は二重結合を有していてもよい。ここで形成される単環または多環の具体例を下記に示す。
【0038】
【化2】
【0039】
なお、上記例示において、1または2の番号が付された炭素原子は、上記一般式(I)においてそれぞれR15(R16)またはR17(R18)が結合している炭素原子を示している。
【0040】
また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい。このようなアルキリデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキリデン基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例としては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプロピリデン基を挙げることができる。
【0041】
【化3】
【0042】
上記一般式(II)中、pおよびqは0または正の整数であり、rおよびsは0、1または2である。
またR21〜R39は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基またはアルコキシ基である。
【0043】
ハロゲン原子は、上記式(I)におけるハロゲン原子と同じ意味である。
また、炭化水素基としては、それぞれ独立に炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または芳香族炭化水素基を挙げることができる。より具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基などを挙げることができ、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基などを挙げることができ、芳香族炭化水素基としては、アリール基およびアラルキル基、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基およびフェニルエチル基などを挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基およびプロポキシ基などを挙げることができる。
【0044】
これらの炭化水素基およびアルコキシ基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換されていてもよい。
ここでR29およびR30が結合している炭素原子と、R33が結合している炭素原子またはR31が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわち上記二個の炭素原子がアルキレン基を介して結合している場合には、R29およびR33で表わされる基が、またはR30およびR31で表わされる基が互いに共同して、メチレン基(−CH2−) 、エチレン基(−CH2CH2−)またはプロピレン基(−CH2CH2CH2−) のうちのいずれかのアルキレン基を形成している。
【0045】
さらに、r=s=0のとき、R35とR32またはR35とR39とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。この場合の単環または多環の芳香族環として、たとえば下記のようなr=s=0のときR35とR32がさらに芳香族環を形成している基を挙げることができる。
【0046】
【化4】
【0047】
ここで、qは一般式(II)におけるqと同じ意味である。
上記のような一般式(I)または(II)で示される環状オレフィンを、より具体的に下記に例示する。
【0048】
環状オレフィン系樹脂(B1)を形成する環状オレフィンの例としては、
【0049】
【化5】
【0050】
で示されるビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン(=ノルボルネン)(上記式中において、1〜7の数字は、炭素の位置番号を示す。)およびこの化合物に炭化水素基が置換した誘導体を挙げることができる。
【0051】
この炭化水素基としては、5−メチル、5,6−ジメチル、1−メチル、5−エチル、5−n−ブチル、5−イソブチル、7−メチル、5−フェニル、5−メチル−5−フェニル、5−ベンジル、5−トリル、5−(エチルフェニル)、5−(イソプロピルフェニル)、5−(ビフェニリル)、5−(β−ナフチル)、5−(α−ナフチル)、5−(アントリル)、5,6−ジフェニルのような基を例示することができる。
【0052】
さらに他の誘導体としては、シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物、
1,4−メタノ−1,4,4a,9a− テトラヒドロフルオレン、
1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンなどのビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン誘導体を例示することができる。
【0053】
この他、
トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、
2−メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、
5−メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセンなどのトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン誘導体、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
10−メチルトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセンなどのトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン誘導体、
【0054】
【化6】
【0055】
で示されるテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(上記式中において、1〜12の数字は、炭素の位置番号を示す。)およびこれに炭化水素基が置換した誘導体ならびに水素原子の少なくとも一部が他の原子で置換された化合物を挙げることができる。
【0056】
ここで炭化水素基または置換原子として、8−メチル、8−エチル、8−プロピル、8−ブチル、8−イソブチル、8−ヘキシル、8−シクロヘキシル、8−ステアリル、5,10−ジメチル、2,10−ジメチル、8,9−ジメチル、8−エチル−9−メチル、11,12−ジメチル、2,7,9−トリメチル、2,7−ジメチル−9−エチル、9−イソブチル−2,7−ジメチル、9,11,12−トリメチル、9−エチル−11,12−ジメチル、9−イソブチル−11,12−ジメチル、5,8,9,10−テトラメチル、8−エチリデン、8−エチリデン−9−メチル、8−エチリデン−9−エチル、8−エチリデン−9−イソプロピル、8−エチリデン−9−ブチル、8−n−プロピリデン、8−n−プロピリデン−9−メチル、8−n−プロピリデン−9−エチル、8−n−プロピリデン−9−イソプロピル、8−n−プロピリデン−9−ブチル、8−イソプロピリデン、8−イソプロピリデン−9−メチル、8−イソプロピリデン−9−エチル、8−イソプロピリデン−9−イソプロピル、8−イソプロピリデン−9−ブチル、8−クロロ、8−ブロモ、8−フルオロ、8,9−ジクロロ、8−フェニル、8−メチル−8−フェニル、8−ベンジル、8−トリル、8−(エチルフェニル)、8−(イソプロピルフェニル)、8,9−ジフェニル、8−(ビフェニリル)、8−(β−ナフチル)、8−(α−ナフチル)、8−(アントリル)、5,6−ジフェニル等の基または原子を例示することができる。
【0057】
さらには、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン誘導体、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセンおよびその誘導体、
ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセンおよびその誘導体、
ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセンおよびその誘導体、
ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセンおよびその誘導体、
ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセンおよびその誘導体、
ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−−5− エイコセンおよびその誘導体、
ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイコセンおよびその誘導体、
ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセンおよびその誘導体、
オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセンおよびその誘導体、
ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.02,10.03,8.012,21.014,19]−5−ペンタコセンおよびその誘導体などを挙げることができる。
【0058】
本発明で使用することができる一般式(I)または一般式(II)で示される環状オレフィンの具体例は上記の通りであるが、これら化合物のより具体的な構造については、本出願人の出願に係る特開平7−145213号公報の段落番号[0032]〜[0054]に示されており、本発明においてもここに例示されるものを本発明における環状オレフィンとして使用することができる。
【0059】
上記のような一般式(I)または(II)で表わされる環状オレフィンは、シクロペンタジエンと対応する構造を有するオレフィン類とのディールス・アルダー反応により製造することができる。
【0060】
これらの環状オレフィンは、単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、上記のような一般式(I)または(II)で表わされる環状オレフィンを用いて、たとえば特開昭60−168708号、同61−120816号、同61−115912号、同61−115916号、同61−271308号、同61−272216号、同62−252406号および同62−252407号などの公報において本出願人が提案した方法に従い、適宜条件を選択することにより製造することができる。
【0061】
(b−1) エチレン・環状オレフィンランダム共重合体は、エチレンと上記環状オレフィンとがランダムに結合した共重合体であり、エチレンから誘導される構成単位を通常は20〜95モル%、好ましくは30〜90モル%の割合で、そして、環状オレフィンから誘導される構成単位を通常は5〜80モル%、好ましくは10〜70モル%の割合で含有している。なお、エチレンから誘導される構成単位および環状オレフィンから誘導される構成単位の組成比は、13C−NMRによって測定される。
【0062】
この(b−1) エチレン・環状オレフィンランダム共重合体では、上記のようなエチレンから誘導される構成単位と環状オレフィンから誘導される構成単位とが、ランダムに配列して結合し、実質的に線状構造を有している。この共重合体が実質的に線状であって、実質的にゲル状架橋構造を有していないことは、この共重合体が有機溶媒に溶解した際に、この溶液に不溶分が含まれていないことにより確認することができる。たとえば極限粘度[η]を測定する際に、この共重合体が135℃のデカリンに完全に溶解することにより確認することができる。
【0063】
本発明で用いられる(b−1) エチレン・環状オレフィンランダム共重合体において、上記一般式(I)または(II)で表わされる環状オレフィンの少なくとも一部は、下記一般式(III)または(IV)で示される繰り返し単位を構成していると考えられる。
【0064】
【化7】
【0065】
上記一般式(III)において、n、m、kおよびR1 〜R18ならびにRa およびRb は一般式(I)と同じ意味である。
【0066】
【化8】
【0067】
上記一般式(IV)において、p、q、r、sおよびR21〜R39は、一般式(II)と同じ意味である。
また、本発明で用いられる(b−1) エチレン・環状オレフィンランダム共重合体は、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて他の共重合可能なモノマーから誘導される構成単位を有していてもよい。
【0068】
このような他のモノマーとしては、上記のようなエチレンまたは環状オレフィン以外のオレフィンを挙げることができ、具体的には、
プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンおよび1−エイコセンなどの直鎖状または分岐状の炭素原子数3〜20のα−オレフィン;
シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセンおよびシクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン;
1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエンおよび5−ビニル−2−ノルボルネンなどの非共役ジエン類を挙げることができる。
【0069】
これらの他のモノマーは、単独であるいは組み合わせて用いることができる。 (b−1) エチレン・環状オレフィンランダム共重合体において、上記のような他のモノマーから誘導される構成単位は、通常は20モル%以下、好ましくは10モル%以下の量で含有されていてもよい。
【0070】
本発明で用いられる(b−1) エチレン・環状オレフィンランダム共重合体は、エチレンと前記一般式(I)または(II)で表わされる環状オレフィンとを用いて上記公報に開示された製造方法により製造することができる。これらのうちでも、この共重合を炭化水素溶媒中で行ない、触媒として該炭化水素溶媒に可溶性のバナジウム化合物および有機アルミニウム化合物から形成される触媒を用いて(B−1) エチレン・環状オレフィンランダム共重合体を製造することが好ましい。
【0071】
また、この共重合反応では固体状4族メタロセン系触媒を用いることもできる。ここで固体状4族メタロセン系触媒とは、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む遷移金属化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物と、必要により配合される有機アルミニウム化合物とからなる触媒である。ここで4族の遷移金属としては、ジルコニウム、チタンまたはハフニウムであり、これらの遷移金属は少なくとも1個のシクロペンタジエニル骨格を含む配位子を有している。ここで、シクロペンタジエニル骨格を含む配位子の例としては、アルキル基が置換していてもよいシクロペンタジエニル基またはインデニル基、テトラヒドロインデニル基、フロオレニル基を挙げることができる。これらの基は、アルキレン基など他の基を介して結合されてもよい。また、シクロペンタジエニル骨格を含む配位子以外の配位子は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン等である。
【0072】
さらに有機アルミニウムオキシ化合物および有機アルミニウム化合物は、通常オレフィン系樹脂の製造に使用されるものを用いることができる。このような固体状4族メタロセン系触媒については、例えば特開昭61−221206号、同64−106号および特開平2−173112号公報等に記載されている。
【0073】
(b−2) 環状オレフィンの開環重合体または開環共重合体において、上記一般式(I)または(II)で表わされる環状オレフィンの少なくとも一部は、下記一般式(V)また(VI)で表わされる繰り返し単位を構成していると考えられる。
【0074】
【化9】
【0075】
上記一般式(V)において、n、m、kおよびR1 〜R18ならびにRa およびRb は前記一般式(I)と同じ意味である。
【0076】
【化10】
【0077】
上記一般式(VI)において、p、q、r、sおよびR21〜R39は、前記一般式(II)と同じ意味である。
このような開環重合体または開環共重合体は、前記公報に開示された製造方法により製造することができ、例えば、上記一般式(I)で表わされる環状オレフィンを開環重合触媒の存在下に、重合または共重合させることにより製造することができる。
【0078】
このような開環重合触媒としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、インジウムまたは白金のような金属の、ハロゲン化物、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒、あるいは、チタン、パラジウム、ジルコニウムまたはモリブテンのような金属の、ハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いることができる。
【0079】
本発明で用いられる(b−3) 開環重合体または共重合体の水素化物は、上記のようにして得られる開環重合体または共重合体(b−2) を、従来公知の水素添加触媒の存在下に水素化して得られる。
【0080】
この(b−3) 開環重合体または共重合体の水素化物において、前記一般式(I)または前記一般(II)で表わされる環状オレフィンのうち少なくとも一部は、下記一般式(VII)または(VIII)で表わされる繰り返し単位を有していると考えられる。
【0081】
【化11】
【0082】
上記一般式(VII)において、n、m、kおよびR1 〜R18ならびにRa およびRb は、前記一般式(I)と同じ意味である。
【0083】
【化12】
【0084】
上記一般式(VIII)において、p、q、r、s、R21〜R39は前記一般式(II)と同じ意味である。
(b−4) 環状オレフィン系樹脂のグラフト変性物は、上記エチレン・環状オレフィンランダム共重合体(b−1) のグラフト変性物、上記環状オレフィンの開環重合体または共重合体(b−2) のグラフト変性物、あるいは上記開環重合体または共重合体の水素化物(b−3) のグラフト変性物である。
【0085】
この変性剤としては、通常は不飽和カルボン酸類が用いられる。ここで使用される不飽和カルボン酸類の例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸およびエンドシス−ビシクロ[2.2.1] ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸(ナジック酸TM)などの不飽和カルボン酸、ならびに、これらの不飽和カルボン酸の誘導体、たとえば不飽和カルボン酸無水物、不飽和カルボン酸ハライド、不飽和カルボン酸アミド、不飽和カルボン酸イミドおよび不飽和カルボン酸のエステル化合物などを挙げることができる。
【0086】
上記不飽和カルボン酸の誘導体の具体的な例としては、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、塩化マレニル、マレイミド、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートなどを挙げることができる。
これらの変性剤うちでも、α,β−不飽和ジカルボン酸およびα,β−不飽和ジカルボン酸無水物、たとえばマレイン酸、ナジック酸およびこれら酸の無水物が好ましく用いられる。これらの変性剤は、2種以上を組合わせて用いることもできる。
【0087】
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂のグラフト変性物における変性率は、10モル%以下であることが望ましい。
このような環状オレフィン系樹脂のグラフト変性物は、所望の変性率になるように環状オレフィン系樹脂に変性剤を配合してグラフト重合させて製造することもできるし、予め高変性率の変性物を調製し、次いでこの変性物と未変性の環状オレフィン系樹脂とを混合することにより製造することもできる。
【0088】
環状オレフィン系樹脂と変性剤とから環状オレフィン系樹脂のグラフト変性物を得るには、従来公知のポリマーの変性方法を広く適用することができる。たとえば溶融状態にある環状オレフィン系樹脂に変性剤を添加してグラフト重合(反応)させる方法、あるいは環状オレフィン系樹脂の溶媒溶液に変性剤を添加してグラフト反応させる方法などによりグラフト変性物を得ることができる。
【0089】
このようなグラフト反応は、通常60〜350℃の温度で行なわれる。
またグラフト反応は、有機過酸化物およびアゾ化合物などのラジカル開始剤の共存下に行なうことができる。
【0090】
本発明では、環状オレフィン系樹脂(B1)として、上記のような(b−1) 、(b−2) 、(b−3) および(b−4) のいずれかを単独で用いることができ、またこれらを組み合わせて用いることもできる。これらのうち、エチレン・環状オレフィンランダム共重合体(b−1) が好ましく用いられる。
【0091】
このような環状オレフィン系樹脂(B1)は、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,260℃、2.16kg荷重)は、通常0.1〜60g/10分、好ましくは2〜50g/10分、より好ましくは10〜30g/10分の範囲にあることが望ましい。
【0092】
<ポリスチレン系樹脂(B2)>
本発明で非晶性樹脂(B)として用いられるポリスチレン系樹脂(B2)は、スチレンまたはその誘導体からなり、90℃未満かつ20℃を超えるガラス転移点(Tg)、好ましくは80〜50℃のガラス転移点(Tg)を有し、GPC法により測定される数平均分子量(Mn)が1,000を超える樹脂、好ましくは数平均分子量(Mn)が1,000を超え100万以下の樹脂である。スチレンの誘導体としては、具体的には、α− メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4− ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンなどが挙げられる。
【0093】
本発明で用いられるポリスチレン系樹脂(B2)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)は、通常0.1〜30g/10分、好ましくは1〜20g/10分、より好ましくは2〜10g/10分の範囲にある。
【0094】
<ポリエチレンテレフタレート樹脂(B3)>
本発明で非晶性樹脂(B)として用いられるポリエチレンテレフタレート樹脂(B3)は、80℃未満かつ50℃を超えるガラス転移点(Tg)を有し、GPC法により測定される数平均分子量(Mn)が1,000を超えるポリエチレンテレフタレート(PET)、好ましくは数平均分子量(Mn)が1,000を超え100万以下のポリエチレンテレフタレート(PET)である。
【0095】
ポリエチレンテレフタレート樹脂(B3)は、テレフタル酸成分単位を含むジカルボン酸構成単位とエチレングリコール成分単位を含むジヒドロキシ構成単位とから形成されている。
【0096】
このポリエチレンテレフタレート樹脂(B3)は、テレフタル酸とエチレングリコールとを原料として製造されるが、このポリエチレンテレフタレート樹脂(B3)には5モル%以下の他のジカルボン酸および/または他のジヒドロキシ化合物が共重合されていてもよい。
【0097】
テレフタル酸以外に共重合に用いられるジカルボン酸としては、具体的には、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;
アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;
シクロヘキサンジカルボン酸、シクロプロパンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂環族ジカルボン酸などが挙げられる。
【0098】
また、エチレングリコール以外に共重合に用いられるジヒドロキシ化合物としては、具体的には、
トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコール等の脂肪族グリコール;
シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール;
ビスフェノール類;
ハイドロキノン、2,2− ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオール類などが挙げられる。
【0099】
また、本発明で用いられるポリエチレンテレフタレート樹脂は、トリメシン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン、ペンタエリスリトールなどの多官能化合物から導かれる構成単位を少量、たとえば2モル%以下の量で含んでいてもよい。
【0100】
さらに、本発明で用いられるポリエチレンテレフタレート樹脂(B3)は、ベンゾイル安息香酸、ジフェニルスルホンモノカルボン酸、ステアリン酸、メトキシポリエチレングリコールなどの単官能化合物から導かれる構成単位を少量、たとえば2モル%以下の量で含んでいてもよい。
【0101】
このようなポリエチレンテレフタレート樹脂(B3)は、エチレンテレフタレート成分単位単独で、あるいは該エチレンテレフタレート成分単位およびジオキシエチレンテレフタレート成分単位がランダムに配列してエステル結合を形成することにより実質上線状のポリエステルを形成している。「実質上線状である」とは、ポリエチレンテレフタレート樹脂(B3)が直鎖状の鎖状構造あるいは分岐鎖を有する鎖状構造を有することを意味し、ゲル状架橋構造(網状構造)を有しないことを意味する。そして、上記ポリエチレンテレフタレート樹脂(B3)が実質上の線状であることは、ポリエチレンテレフタレート樹脂が o−クロロフェノールに溶解することによって確認される。
【0102】
このようなポリエチレンテレフタレート樹脂で(B3)は、極限粘度[η](o− クロロフェノール中25℃で測定した値)は、通常1〜5dl/g、好ましくは2〜3dl/gであることが望ましい。また、融点は通常220〜280℃、好ましくは230〜275℃であることが望ましく、ガラス転移点(Tg)は90℃未満かつ20℃を超える温度範囲、好ましくは80〜50℃の範囲内にある。
【0103】
上記のような環状オレフィン系樹脂(B1)、ポリスチレン系樹脂(B2)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(B3)等の非晶性樹脂(B)は、ポリオレフィン樹脂(A)および非晶性樹脂(B)の合計量100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは20〜50重量部の割合で用いられる。ポリオレフィン樹脂(A)に、非晶性樹脂(B)を上記のような割合で混合することにより、80℃以上では熱収縮が起こり、室温では収縮を抑えることができるシュリンクフィルムを得ることができる。このように、室温で収縮を抑えることができるのは、シュリンクフィルムの一形成成分である非晶性樹脂(B)のガラス転移点(Tg)が室温よりも高温であるためである。
【0104】
<シュリンクフィルム用ポリオレフィン樹脂組成物の調製>
本発明に係るシュリンクフィルム用ポリオレフィン樹脂組成物の調製方法については、特に制限されないが、たとえば以下のような調製方法を挙げられる。
【0105】
すなわち、本発明に係るシュリンクフィルム用ポリオレフィン樹脂組成物は、上記のポリオレフィン樹脂(A)と非晶性樹脂(B)とを特定割合で、ヘンシェルミキサーまたはタンブラーミキサー等により、溶融混練する前に適度に配合成分を分散させた後、単軸または二軸混練機にて溶融混合し、ペレット化することにより得られる。
【0106】
また、本発明に係るシュリンクフィルム用ポリオレフィン樹脂組成物中に、必要に応じて、従来公知の酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、核剤等の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲内で含有させることができる。
【0107】
シュリンクフィルム
本発明に係る第1のシュリンクフィルムは、単層構造の一軸または二軸延伸フィルムである。また、本発明に係る第2のシュリンクフィルムは、2層、3層等の多層構造の一軸または二軸延伸フィルムである。
【0108】
[第1のシュリンクフィルム]
本発明に係る第1のシュリンクフィルムは、上述した本発明に係るシュリンクフィルム用ポリオレフィン樹脂組成物から形成された単層構造の一軸または二軸延伸フィルムである。
【0109】
このシュリンクフィルムは、ポリオレフィン樹脂(A)に、90℃未満かつ20℃を超えるガラス転移点(Tg)を有し、数平均分子量(Mn)が1,000を超える非晶性樹脂(B)を特定割合でブレンドした組成物からなるので、TD方向における高温たとえば90℃での熱収縮率が通常25%以上と大きく、しかも、低温たとえば25℃での後収縮率(自然収縮率)が通常0.7%以下と小さい。その結果、このシュリンクフィルムは、室温でロール巻き状態になっていても、後収縮が起こりにくく変形がほとんど起こらない。
【0110】
本発明に係るシュリンクフィルムの厚さは、具体的用途によって異なり、特に制限されないが、通常8〜40μmである。
上記シュリンクフィルムは、上記のようにして得られた、本発明に係るシュリンクフィルム用ポリオレフィン樹脂組成物のペレットを再度溶融混練し、インフレーション成形法またはT−ダイ成形法によりフィルム成形した後、一軸または二軸延伸することによって得ることができる。
【0111】
上記フィルムの延伸方法としては、従来より通常に行なわれているポリオレフィン樹脂フィルムの延伸方法、たとえば二軸延伸方法については、同時二軸延伸法や逐次二軸延伸法等を採用することができる。好ましい二軸延伸方法は、縦、横をバランス良く延伸することができる同時二軸延伸法である。この同時二軸延伸法には、テンター法(フラット法)とブローン法(チューブ法)があるが、いずれの方法でもよい。
【0112】
また、延伸倍率は、特に決まっているわけではないが、シュリンク包装後の仕上がりにおいて皺および弛みが無くなる程度の倍率に延伸しておく必要がある。
[第2のシュリンクフィルム]
本発明に係る第2のシュリンクフィルムは、上述した非晶質樹脂(B)からなる層[I]と、上述したポリオレフィン樹脂(A)からなる層[II]とを積層した構造を含む多層構造の一軸または二軸延伸フィルムである。層構造の例として[I]/[II]/[I]の3層構造、[II]/[I]/[II]の3層構造などが挙げられる。
【0113】
この層[I]を形成している非晶質樹脂(B)にラバー、ポリエチレン、石油樹脂などが添加されていてもよい。また、層[II]を形成しているポリオレフィン樹脂(A)がエチレン・α− オレフィンランダム共重合体である場合には、この共重合体にラバー、石油樹脂などが添加されていてもよく、ポリオレフィン樹脂(A)がエチレン・α− オレフィンランダム共重合体以外のポリオレフィン樹脂である場合には、ラバー、石油樹脂、ポリエチレン樹脂などが添加されていてもよい。
【0114】
非晶質樹脂(B)およびポリオレフィン樹脂(A)に添加されるラバーとしては、具体的には、エチレン・プロピレンゴム(EPR)、エチレン・1−ブテン共重合体ゴム(EBR)、エチレン・1−オクテン共重合体ゴム(EOR)、プロピレン・エチレンゴム(PER)などが挙げられる。
【0115】
非晶性樹脂(B)層[I]に添加されるラバーは、非晶性樹脂(B)の種類およびラバーの種類により異なるが、通常は、非晶性樹脂(B)100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは10〜30重量部の割合で用いられる。ラバーを上記のような割合で用いると、層間の剥離強度が向上し、成形性も良好になる。
【0116】
ポリオレフィン樹脂(A)層[II]に添加されるラバーは、ポリオレフィン樹脂(A)の種類およびラバーの種類により異なるが、通常は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、1〜60重量部、好ましくは20〜40重量部の割合で用いられる。ラバーを上記のような割合で用いると、層間の剥離強度が向上する。
【0117】
非晶質樹脂(B)、およびエチレン・α− オレフィンランダム共重合体以外のポリオレフィン樹脂(A)に添加されるポリエチレンとしては、上述した二元ないし三元のエチレン・α− オレフィンランダム共重合体(A2)が好ましく用いられる。
【0118】
非晶性樹脂(B)層[I]に添加されるポリエチレンは、非晶性樹脂(B)の種類およびポリエチレンの種類により異なるが、通常は、非晶性樹脂(B)100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは10〜30重量部の割合で用いられる。ポリエチレンを上記のような割合で用いると、耐層間剥離性と成形性に優れたシュリンクフィルムが得られる。
【0119】
層[II]形成用のエチレン・α− オレフィンランダム共重合体以外のポリオレフィン樹脂(A)に添加されるポリエチレンは、このポリオレフィン樹脂(A)の種類およびポリエチレンの種類により異なるが、通常は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、1〜60重量部、好ましくは20〜40重量部の割合で用いられる。ポリエチレンを上記のような割合で用いると、耐層間剥離性に優れたシュリンクフィルムが得られる。
【0120】
非晶質樹脂(B)およびポリオレフィン樹脂(A)に添加される石油樹脂としては、従来公知の石油樹脂を用いることができ、たとえばC9系水添石油樹脂、C5系水添石油樹脂、テルペン樹脂などが用いられる。
【0121】
非晶性樹脂(B)層[I]に添加される石油樹脂は、非晶性樹脂(B)の種類および石油樹脂の種類により異なるが、通常は、非晶性樹脂(B)100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは5〜25重量部の割合で用いられる。石油樹脂を上記のような割合で用いると、耐層間剥離性に優れたシュリンクフィルムが得られる。
【0122】
ポリオレフィン樹脂(A)層[II]に添加される石油樹脂は、ポリオレフィン樹脂(A)の種類および石油樹脂の種類により異なるが、通常は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、1〜100重量部、好ましくは30〜80重量部の割合で用いられる。石油樹脂を上記のような割合で用いると、熱収縮性に優れたシュリンクフィルムが得られる。
【0123】
また、上記層[I]を形成する非晶性樹脂(B)中に、必要に応じて、従来公知の酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、核剤等の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲内で含有させることができる。
【0124】
上記層[II]を形成するポリオレフィン樹脂(A)中に、必要に応じて、従来公知の酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、核剤等の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲内で含有させることができる。
【0125】
本発明に係る第2のシュリンクフィルムは、各層で使用する樹脂成分(ポリオレフィン樹脂(A)または非晶性樹脂(B))および上述した添加剤等の成分をそれぞれ混合し、バンバリーミキサーまたはロールミル、押出機等で溶融混合し、次いで、共押出しフィルム成形法たとえばT−ダイ成形法またはインフレーション成形法により、たとえば層[I]/層[II]/層[I]、あるいは層[II]/層[I]/層[II]からなる3層フィルム等の多層フィルムを製造し、得られた多層フィルムを一軸または二軸延伸することによって得ることができる。
【0126】
上記多層フィルムの延伸方法については、上述した、本発明に係る第1のシュリンクフィルムの調製の際に行なわれる延伸方法と同様である。
多層フィルムの延伸倍率は、本発明に係る第1のシュリンクフィルムの場合と同様、特に決まっているわけではないが、シュリンク包装後の仕上がりにおいて皺および弛みが無くなる程度の倍率に延伸しておく必要がある。
【0127】
上記のようにして得られる多層フィルムたとえば非晶質樹脂(B)層[I]/ポリオレフィン樹脂(A)層[II]/非晶質樹脂(B)層[I]からなるシュリンクフィルムの厚みについては、具体的用途により異なるが、通常は、層[I]の厚みが1〜30μm、好ましくは5〜13μmの範囲にあり、層[II]の厚みが10〜100μm、好ましくは40〜70μmの範囲にある。フィルムとして比重が1以下となればよい。
【0128】
上記のような、本発明に係る第2のシュリンクフィルムは、ポリオレフィン樹脂(A)層[II]と、90℃未満かつ20℃を超えるガラス転移点(Tg)を有し、数平均分子量(Mn)が1,000を超える非晶性樹脂(B)層[I]とがが積層された多層構造であるので、TD方向における高温たとえば90℃での熱収縮率が通常25%以上と大きく、しかも、低温たとえば25℃での後収縮率(自然収縮率)が通常0.7%以下と小さい。その結果、このシュリンクフィルムは、室温でロール巻き状態になっていても、変形がほとんど起こらない。
【0129】
【発明の効果】
本発明に係るシュリンクフィルム用ポリオレフィン樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂(A)に、90℃未満かつ20℃を超えるガラス転移点(Tg)を有し、数平均分子量(Mn)が1,000を超える非晶性樹脂(B)を特定割合でブレンドしているので、TD方向における高温での熱収縮率が大きく、しかも、後収縮が抑制されたシュリンクフィルムを提供することができる。
【0130】
本発明に係る第1のシュリンクフィルムは、上記の本発明に係るシュリンクフィルム用ポリオレフィン樹脂組成物から形成されているので、TD方向における後収縮率が小さく、室温でロール巻き状態になっていても、寸法の変化、変形がほとんど起こらない。
【0131】
また、本発明に係る第2のシュリンクフィルムは、ポリオレフィン樹脂(A)層[II]と、90℃未満かつ20℃を超えるガラス転移点(Tg)を有し、数平均分子量(Mn)が1,000を超える非晶性樹脂(B)層[I]とからなる多層構造になっているので、後収縮率が小さく、室温でロール巻き状態になっていても、寸法の変化、変形がほとんど起こらない。
【0132】
したがって、これらのシュリンクフィルムは、室温下での保管が可能で取り扱い易く、シュリンク包装の作業性を向上させることができる。また、これらのシュリンクフィルムは、比重が1以下となるポリオレフィン系のフィルムであるので、軽量である特徴は保持される。その結果として、たとえばシュリンクラベルの水中分離回収法といったリサイクルにも適している。
【0133】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0134】
なお、実施例および比較例で用いたフィルム原料成分は、次の通りである。
ポリオレフィン樹脂(A)
○プロピレン・エチレンランダム共重合体
・エチレン含量=4.5モル%
・MFR(ASTM D 1238,230℃、2.16kg)=2.5g/10分
・密度(ASTM D 1505) =0.90g/cm3
非晶性樹脂(B)
○エチレン−テトラシクロドデセン共重合体
(テトラシクロ[4.4.0. 12,5.17,10]−3−ドデセンを、単に「テトラシクロドデセン」と記載する。)
・MFR(ASTM D 1238,260℃、2.16kg)=30g/10分
・Tg=80℃
ポリエチレン
○ポリエチレン
・MFR(ASTM D 1238,190℃、2.16kg)=10g/10分
・密度(ASTM D 1505) =0.92g/cm3
石油樹脂
○荒川化学社製の石油樹脂(商品名 P140)
また、実施例および比較例で得られた延伸フィルムの収縮率試験は、次の方法に従って、行なった。
(1)収縮率試験(A)
延伸フィルムを1cm(MD方向)×12cm(TD方向)にスリットして得られた試験片を所定温度(60℃、80℃、90℃、100℃)のオーブンに15分入れ、この熱処理前後の延伸フィルムの寸法からTD方向における熱収縮率を求めた。
【0135】
また上記試験片と同じサイズの別の試験片を40℃のオーブンに5日間入れ、この熱処理前後の延伸フィルムの寸法からTD方向における熱収縮率を求めた。(2)収縮率試験(B)
延伸フィルムを1cm(MD方向)×12cm(TD方向)にスリットして得られた試験片を室温(25℃)下に5日間放置し、TD方向における後収縮率(自然収縮率)を求めた。
【0136】
【実施例1】
上記プロピレン・エチレンランダム共重合体(PP)80重量部と、上記エチレン−テトラシクロドデセン共重合体(E−TCD)20重量部とを、(株)神戸製鋼所製のKTX二軸混練機を用いてブレンドし、造粒した。
【0137】
次いで、上記のようにして得られたペレットを230℃で加熱プレスして、厚み0.4mmのシートを作製し、そのシートを8cm角にカットした。
次いで、このカットしたシートを、卓上二軸延伸機で延伸し、厚み66μmの一軸延伸フィルムを作製した。一軸延伸は、シートを95℃で2分間予熱した後、10mm/secの延伸速度で延伸倍率が6倍になるようにして行なった。
【0138】
上記のようにして得られた一軸延伸フィルムについて、収縮率試験を上記方法に従って行なった。その結果を第1表に示す。
【0139】
【実施例2】
実施例1において、プロピレン・エチレンランダム共重合体(PP)およびエチレン−テトラシクロドデセン共重合体(E−TCD)の配合量をそれぞれ60重量部、40重量部とした以外は、実施例1と同様にして、厚み66μmの一軸延伸フィルムを作製した。
【0140】
得られた一軸延伸フィルムについて、収縮率試験を上記方法に従って行なった。その結果を第1表に示す。
【0141】
【実施例3】
表層[I]および裏層[III]形成用樹脂として、上記エチレン−テトラシクロドデセン共重合体(E−TCD)、およびコア層[II]形成用樹脂として、上記プロピレン・エチレンランダム共重合体(PP)50重量部とポリエチレン(PE)15重量部と上記石油樹脂35重量部とのブレンド物から、65mmφの3層Tダイ成形機を用い、ダイス温度230℃、チルロール温度30℃、シート引き取り速度2.0m/分の条件で、厚み0.4mmの3層シート原反を作製し、その原反を8mm角にカットした。
【0142】
次いで、このカットした3層シート原反を、(株)岩本製作所製の卓上二軸延伸機で延伸し、厚み70μmの一軸延伸フィルムを作製した。一軸延伸は、シートを95℃で2分間予熱した後、10mm/secの延伸速度で延伸倍率が6倍になるようにして行なった。
【0143】
上記のようにして得られた一軸延伸フィルムは、全体の厚みが70μmであり、表層[I]の厚みが6μmであり、コア層[II]の厚みが58μmであり、裏層の厚みが6μmであった。
【0144】
この一軸延伸フィルムについて、収縮率試験を上記方法に従って行なった。その結果を第1表に示す。
【0145】
【実施例4】
表層[I]および裏層[III]形成用樹脂として、上記エチレン−テトラシクロドデセン共重合体(E−TCD)、およびコア層[II]形成用樹脂として、上記プロピレン・エチレンランダム共重合体(PP)50重量部と上記石油樹脂35重量部と上記ポリエチレン(PE)15重量部とのブレンド物から、65mmφの3層Tダイ成形機を用い、ダイス温度230℃、チルロール温度30℃、シート引き取り速度2.0m/分の条件で、厚み0.4mmの3層シート原反を作製し、その原反を8mm角にカットした。
【0146】
次いで、このカットした3層シート原反を、(株)岩本製作所製の卓上二軸延伸機で延伸し、厚み66μmの一軸延伸フィルムを作製した。一軸延伸は、シートを95℃で2分間予熱した後、10mm/secの延伸速度で延伸倍率が6倍になるようにして行なった。
【0147】
上記のようにして得られた一軸延伸フィルムは、全体の厚みが66μmであり、表層[I]の厚みが11μmであり、コア層[II]の厚みが44μmであり、裏層[III]の厚みが11μmであった。
【0148】
この一軸延伸フィルムについて、収縮率試験を上記方法に従って行なった。その結果を第1表に示す。
【0149】
【実施例5】
実施例3において、表層[I]および裏層[III]形成用樹脂として、上記エチレン−テトラシクロドデセン共重合体(E−TCD)95重量部と上記ポリエチレン(PE)5重量部とのブレンド物を用いた以外は、実施例3と同様にして、70μmの一軸延伸フィルムを得た。
【0150】
得られた一軸延伸フィルムは、全体の厚みが70μmであり、表層[I]の厚みが6μmであり、コア層[II]の厚みが58μmであり、裏層の厚みが6μmであった。
【0151】
この一軸延伸フィルムについて、収縮率試験を上記方法に従って行なった。その結果を第1表に示す。
【0152】
【比較例1】
表層[I]、コア層[II]および裏層[III]形成用樹脂として、上記プロピレン・エチレンランダム共重合体(PP)から、65mmφの3層Tダイ成形機を用い、ダイス温度230℃、チルロール温度30℃、シート引き取り速度2.0m/分の条件で、厚み0.4mmの3層シート原反を作製し、その原反を8mm角にカットした。
【0153】
次いで、このカットした3層シート原反を、(株)岩本製作所製の卓上二軸延伸機で延伸し、厚み70μmの一軸延伸フィルムを作製した。一軸延伸は、シートを95℃で2分間予熱した後、10mm/secの延伸速度で延伸倍率が6倍になるようにして行なった。
【0154】
上記のようにして得られた一軸延伸フィルムは、全体の厚みが70μmであり、表層[I]の厚みが6μmであり、コア層[II]の厚みが58μmであり、裏層の厚みが6μmであった。
【0155】
この一軸延伸フィルムについて、収縮率試験を上記方法に従って行なった。その結果を第1表に示す。
【0156】
【比較例2】
表層[I]、コア層[II]および裏層[III]形成用樹脂として、上記プロピレン・エチレンランダム共重合体(PP)50重量部と上記石油樹脂35重量部と上記ポリエチレン(PE)15重量部とのブレンド物から、65mmφの3層Tダイ成形機を用い、ダイス温度230℃、チルロール温度30℃、シート引き取り速度2.0m/分の条件で、厚み0.4mmの3層シート原反を作製し、その原反を8mm角にカットした。
【0157】
次いで、このカットした3層シート原反を、(株)岩本製作所製の卓上二軸延伸機で延伸し、厚み70μmの一軸延伸フィルムを作製した。一軸延伸は、シートを95℃で2分間予熱した後、10mm/secの延伸速度で延伸倍率が6倍になるようにして行なった。
【0158】
上記のようにして得られた一軸延伸フィルムは、全体の厚みが70μmであり、表層[I]の厚みが6μmであり、コア層[II]の厚みが58μmであり、裏層の厚みが6μmであった。
【0159】
この一軸延伸フィルムについて、収縮率試験を上記方法に従って行なった。その結果を第1表に示す。
【0160】
【表1】
Claims (8)
- プロピレンと、2〜20モル%の他のα - オレフィンとをランダム共重合した二元ない
し三元プロピレン・α - オレフィンランダム共重合体(A1)99〜60重量部と、
90℃未満かつ20℃を超えるガラス転移点(Tg)を有し、GPC法により測定される数平均分子量(Mn)が1,000を超える非晶質樹脂(B)1〜40重量部[成分(A1)および(B)の合計量は100重量部とする]と
からなることを特徴とするシュリンクフィルム用ポリオレフィン樹脂組成物。 - 前記非晶質樹脂(B)が、90℃未満かつ20℃を超えるガラス転移点(Tg)を有し、GPC法により測定される数平均分子量(Mn)が1,000を超える、環状オレフィン系樹脂(B1)、ポリスチレン系樹脂(B2)またはポリエチレンテレフタレート樹脂(B3)であることを特徴とする請求項1に記載のシュリンクフィルム用ポリオレフィン樹脂組成物。
- プロピレンと、2〜20モル%の他のα - オレフィンとをランダム共重合した二元ない
し三元プロピレン・α - オレフィンランダム共重合体(A1)99〜60重量部と、
90℃未満かつ20℃を超えるガラス転移点(Tg)を有し、GPC法により測定される数平均分子量(Mn)が1,000を超える非晶質樹脂(B)1〜40重量部[成分(A1)および(B)の合計量は100重量部とする]と
からなるポリオレフィン樹脂組成物から形成された単層構造の延伸フィルムであることを特徴とするシュリンクフィルム。 - 90℃未満かつ20℃を超えるガラス転移点(Tg)を有し、GPC法により測定される数平均分子量(Mn)が1,000を超える非晶質樹脂(B)からなる層[I]と、
ポリオレフィン樹脂(A)からなる層[II]と
が積層された多層構造の延伸フィルムであり、
該ポリオレフィン樹脂(A)が、
プロピレンと、2〜20モル%の他のα - オレフィンとをランダム共重合した二元ない
し三元プロピレン・α - オレフィンランダム共重合体(A1)、または
エチレンと、2〜20モル%の他のα - オレフィンとからなり、密度 (ASTM D 1505) が
0.85〜0.94g/cm 3 である二元ないし三元エチレン・α - オレフィンランダム共重合体(A2)であり、
該ポリオレフィン樹脂(A)層[ II ]あるいは非晶質樹脂(B)層[I]中に、または双方の層中に石油樹脂がブレンドされている
ことを特徴とするシュリンクフィルム。 - 前記多層構造が
前記非晶質樹脂(B)層[I]/前記ポリオレフィン樹脂(A)層[ II ]/前記非晶質樹脂(B)層[I]の3層構造、または
前記ポリオレフィン樹脂(A)層[ II ]/前記非晶質樹脂(B)層[I]/前記ポリオレフィン樹脂(A)層[ II ]の3層構造
であることを特徴とする請求項4に記載のシュリンクフィルム。 - 前記多層構造が、前記非晶質樹脂(B)層[I]/前記ポリオレフィン樹脂(A)層[ II ]/前記非晶質樹脂(B)層[I]の3層構造であり、
該非晶質樹脂(B)層[I]の厚みが1〜30μmの範囲に、該ポリオレフィン樹脂(A)層[ II ]の厚みが10〜100μmの範囲にあり、
比重が1以下である
ことを特徴とする請求項4または5に記載のシュリンクフィルム。 - 前記非晶質樹脂(B)が、90℃未満かつ20℃を超えるガラス転移点(Tg)を有し、GPC法により測定される数平均分子量(Mn)が1,000を超える、環状オレフィン系樹脂(B1)、ポリスチレン系樹脂(B2)またはポリエチレンテレフタレート樹脂(B3)であることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のシュリンクフィルム。
- TD方向における90℃での熱収縮率が25%以上であり、かつ、25℃での後収縮率が0.7%以下であることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載のポリオレフィンを主成分とするシュリンクフィルム。
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