JP3602471B2 - 溶接性に優れた高張力鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶接性(大入熱HAZ靭性および耐溶接割れ性)に優れた590MPa以上780MPa未満の鋼板(以下、単に「590MPa級鋼板」と称す)およびその製造方法に関するものである。本発明の高張力鋼板は、特に建築構造物や橋梁などの大型構造物に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
590MPa級鋼板では、母材強度の確保という観点から合金成分を多量に添加するため、冷却速度の速い小入熱溶接条件ではHAZ(溶接熱影響部)が硬化して溶接割れ(低温割れ)が生じやすく、かかる溶接割れの防止を目的として、溶接施工時に75℃程度の予熱を行う必要がある。従って、この予熱工程を省略できれば施工効率が大幅に向上し、且つコストダウンにもつながるため、耐溶接割れ性に優れた590MPa級鋼板の提供が切望されている。
【0003】
ところで、耐溶接割れ性の指標としては下式で定義されるPcm(%)というパラメーターが一般に用いられている。
Pcm=[C]+[Si]/30+[Mn]/20+[Cu]/20+[Ni]/60+[Cr]/20+[Mo]/15+[V]/10+5×[B]
《式中、[ ]は各元素の含有量(質量%)を示す》
例えば、特開平10‐68045号公報に、このPcmを0.20以下に制限することで耐溶接割れ性を改善することが開示されている。
【0004】
一方、同じ590MPa級鋼板において、大入熱溶接時にHAZ靭性が劣化する問題がある。これは、入熱が大きくなるとHAZ部の冷却速度が遅くなり、それに伴いHAZ部の焼入れ性が低下し、粗大な島状マルテンサイトを生成することに基づく。この問題は厚物、薄物いずれにおいても発生し、実際の溶接施工時に入熱制限が行われ、溶接効率が悪かった。
【0005】
大入熱溶接時のHAZ靭性の改善に当たっては、上記特開平10‐68045号公報の他、特開平10‐121191号公報において、下式で表される炭素当量(Ceq)を0.35〜0.40と低く制限することが開示されている。
Ceq=[C]+[Mn]/6+[Si]/24+[Ni]/40+[Cr]/5+[Mo]/4+[V]/14
《式中、[ ]は各元素の含有量(質量%)を示す》。
【0006】
このように、従来はPcmを低値に制御することにより小入熱溶接時の耐溶接割れ性を改善したり、あるいはCeqを制御することにより大入熱HAZ靭性を改善すると共に、合金成分の含有量制限に伴う母材強度低下を、製造プロセスを改良するなどして補っていた。これにより、590MPa級鋼板において、母材製造時の焼入れにおける冷却速度が比較的速い薄物では溶接時の予熱フリーを達成できたが、冷却速度が遅い厚物では溶接時の予熱フリーと母材強度の両立を達成することが困難であった。また、Cuの析出を利用して母材強度を確保する方法も開示されているが、冷却速度が遅い厚物では充分な母材強度が得られなかった。
【0007】
このように、小入熱溶接においてHAZ部は高温に加熱された後の冷却速度が速いため、硬化して溶接割れ(低温割れ)を起こしやすい。一方、母材は板厚が厚くなるほど冷却速度が遅くなるため、圧延後の焼入れ効果による強度確保が難しくなる。従って、590MPa級鋼板の厚物では、小入熱溶接時の溶接割れを防止するため冷却速度が速くなっても硬くならないようにした上で、鋼板製造時の冷却速度が遅く、焼入れ効果が得難い場合であっても如何に強度を確保するかが重要課題となる。
【0008】
また、厚物、薄物いずれにおいても、大入熱溶接においては、HAZ部の冷却速度が遅くなり、それに伴いHAZ部の焼入れ性が低下し、粗大な島状マルテンサイト組織を生成して靭性が低下するが、このHAZ靭性を改善するには、冷却速度が遅い場合であっても島状マルテンサイト組織の生成を如何なる方法で抑制するかが重要課題となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に着目してなされたものであり、その目的は、溶接性(大入熱HAZ靭性および耐溶接割れ性)に優れた590MPa級鋼板を提供すること、およびこのような溶接性に優れた590MPa級鋼板を、必要により、低降伏比(以下、「低YR」と称す)、あるいは高降伏比(以下、「高YR」と称す)のいずれかに造り分けることを可能とする製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し得た本発明に係る溶接性に優れた高張力鋼板とは、C:0.010〜0.06%(質量%の意味、以下同じ),Si:1%以下,Mn:1.25〜2.5%,Cr:0.1〜2.0%,Mo:1.5%以下(0%を含む),V:0.04%以下(0%を含む),Ti:0.005〜0.03%,B:0.0006〜0.005%,P:0.020%以下,S:0.010%以下,N:0.0030〜0.010%を満たし、残部Feおよび不可避不純物よりなる鋼からなり、下記(1)式で表されるKPが2.4≦KP≦4.5を、下式(2)で表されるKVがKV≦0.040を夫々満足すると共に、引張強さが590MPa以上780MPa未満であるところに要旨を有するものである。
KP=[Mn]+1.5×[Cr]+2×[Mo] ・・・ (1)
KV=[V]+[Nb] ・・・ (2)
《式中、[ ]は各元素の含有量(質量%)を意味する》。
【0011】
本発明において、さらにNi:5%以下および/またはCu:1.2%以下を含有する高張力鋼板、あるいは上記のMn含有量が1.25〜1.8%であるとき、さらにCu:1.2%を超え、2.0%以下を含有する高張力鋼板や、これらのMn量およびCu量を満たし、さらにNi:5%以下を含有する高張力鋼板は、さらに溶接性が高められるので好ましい。また、さらにCa:0.005%以下を含有する高張力鋼板や、さらにAl:0.2%以下に抑えられている高張力鋼板は、溶接性が一層高められるので好ましい態様である。
【0012】
また、本発明の高張力鋼板は、肉厚が80mm以上のものでも良好な溶接性と母材強度を有するものである。
【0013】
上記の高張力鋼板は、以下の製造方法により製造できる。
(1)Ac3点〜1300℃に加熱して、圧延仕上げ温度700℃以上で熱間圧延を行った後冷却する工程と
720〜900℃に再加熱して冷却する工程
を含む方法。
(2)Ac3点〜1300℃に加熱して、圧延仕上げ温度700℃以上で熱間圧延を行った後冷却し、その後
Ac1点以下の温度で焼戻しする方法。
(3)Ac3点〜1300℃に加熱し、圧延仕上げ温度700℃以上で熱間圧延を行った後冷却し、引き続き
Ac3点〜1000℃に再加熱した後冷却し、その後必要によりAc1点以下の温度で焼戻しする方法。
(4)Ac3点〜1300℃に加熱し、圧延仕上げ温度700℃以上で熱間圧延を行い、その後冷却する方法。
【0014】
上記(1)の製造方法は、熱間圧延→冷却後に720〜900℃の(α+γ)二相域温度での熱処理を含むものであり、これにより低YR(YR≦80%)の高張力鋼板を製造することができる。また、(2)〜(4)の製造方法は、(α+γ)二相域温度での熱処理を含まないものであり、このうち、(2)および(3)の製造方法により高YR(YR>80%)の高張力鋼板の製造が可能である。(4)の製造方法では、化学組成などの影響により、低YRあるいは高YRの高張力鋼板が得られるが、(1)〜(3)の製造方法に比べて少ない工程で本発明の高張力鋼板を製造できる方法である。
【0015】
なお、本発明に係る上記高張力鋼板では、その他の化学成分についても、本発明の効果を阻害しない範囲内で含有されていてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
前記の通り、490MPa級の鋼板では、Pcmの制御によって耐溶接割れ性の改善と母材強度の確保を両立することができたが、590MPa級鋼板ではPcmによる成分制御を行ったとしても、特に厚物において両特性の満足を図ることは困難であった。
【0017】
また、一般に、大入熱溶接時に上部ベイナイトを生成させると島状マルテンサイトが生成し、鋼のHAZ靭性が劣化するため、490MPa級の鋼板では、HAZにおいてフェライトを積極的に生成させるべく、Ceqを制御して大入熱HAZ靭性の改善が試みられてきたが、これは高強度化・厚肉化とは相反することであり、590MPa級鋼板での大入熱HAZ靭性の改善と厚肉化の両立を図ることも困難であった。
【0018】
そこで、本発明では成分設計に当たり、これまで耐溶接割れ性の指標とされてきたPcmおよび大入熱HAZ靭性確保の指標とされてきたCeqはなく、全く別のパラメーターにより耐溶接割れ性および大入熱HAZ靭性を制御できないか鋭意検討した。その結果、鋼組織を考慮した上式(1)で表されるKPおよび上式(2)で表されるKVを用い、さらにC量を極低減化し、Bを添加することにより良好な耐溶接割れ性、大入熱HAZ靭性と母材強度を達成できることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0019】
まず、本発明において耐溶接割れ性および大入熱HAZ靭性を改善する技術について説明する。上記の通り、本発明では、Cを極低Cに制限した上で、焼入れ性向上元素であるMnおよびCr、場合によってはさらにMoを積極的に添加し、該焼入れ向上元素の含有量によって定められるKP値を適切に制御すると共に、さらにBを添加し、大入熱HAZ靭性低下元素であるVおよびNbの添加をKV値を適切に制御することで抑制したところにポイントがある。これらの成分を適切に添加することにより、ベイナイトの連続冷却曲線(図4のCCT線図を参照)が短時間側且つ低温度側に移動すると共に、フェライトのCCT線が長時間側に移動する(実線から破線へ移動)。
【0020】
従って、従来は、高冷却速度ではマルテンサイト、低冷却速度ではフェライトまたは上部ベイナイトを生成するために、硬さの冷却速度感受性が大きく、小入熱溶接時のHAZ部の硬さ低減(耐溶接割れ性の改善)と母材強度の確保が両立できず、予熱フリーの達成が困難であったが、本発明によれば、高冷却速度、低冷却速度のいずれにおいても低温変態ベイナイトを生成し、硬さの冷却速度感受性が低下し、溶接時のHAZ部の硬さ低減(耐溶接割れ性の改善)と母材強度確保を両立ならしめたのである。
【0021】
一方、大入熱溶接の場合、HAZの冷却速度が遅くなるため、従来はフェライトまたは上部ベイナイトを生成し、それに伴い粗大且つ塊状の島状マルテンサイト組織が生成してHAZ靭性が劣化していたが、本発明では、冷却速度が遅くても低温変態ベイナイトが生成するため塊状ではなくフィルム状のマルテンサイト組織になると同時に、極低Cであるため生成するマルテンサイト組織が微細となり、HAZ靭性を確保できたのである。
【0022】
なお、上述した耐溶接割れ性と大入熱HAZ靭性の向上に対するアプローチについては既に出願を済ませている(特願平10−336268、特願平11−356606)。これらの先願発明は、780MPa級以上の高張力鋼板における耐溶接割れ性と大入熱HAZ靭性の向上を目的として出願されたものである。従って、上記先願発明も本願発明も、共に耐溶接割れ性と大入熱HAZ靭性の向上を目的とする点では共通するが、本願発明は、先願発明が対象としていない「590MPa以上780MPa未満」の高張力鋼板を対象とする点でこれらの先願発明と異なるものである。
【0023】
以下、耐溶接割れ性および大入熱HAZ靭性向上に寄与する成分およびKP値、KV値について説明する。
【0024】
C:0.010〜0.06%
Cは、溶接時におけるHAZ部の耐溶接割れ性と母材強度を両立させ、且つ大入熱HAZ靭性を改善するために重要な元素である。Cが0.06%を超えると高冷却速度側で低温変態ベイナイトでなくマルテンサイトが生成するようになり、耐溶接割れ性および大入熱HAZ靭性が改善されない。好ましくは0.055%以下である。なお、0.010%未満では必要最小限の母材強度が得られない。好ましくは0.020%以上である。
【0025】
Mn:1.25〜2.5%
Cr:0.1〜2.0%
Mo:1.5%以下(0%を含む)
これらの元素は焼入れ性を改善する作用を有し、高冷却速度〜低冷却速度で低温変態ベイナイトを生成しやすくすると共に、上記の通り、極低Cとし、同時に所定のB量を添加することにより小入熱溶接時におけるHAZ部の耐溶接割れ性と母材強度確保を両立させ、且つ大入熱HAZ靭性を改善できる点で有用である。
【0026】
まず、MnおよびCrの含有量は、夫々1.25%以上、0.1%以上であることが必要である。これらの含有量に満たないと所望の焼入れ性改善作用が発揮されず、母材強度が不足する。好ましくはMn:1.3%以上、Cr:0.3%以上である。Cr:0.5%超であると一層好ましい。但し、Mn,CrおよびMoの含有量が、夫々2.5%、2.0%、1.5%を超えると母材の靭性が低下する。好ましくはMn:2.2%以下、Cr:1.5%以下、Mo:1.3%以下である。
【0027】
さらに、これらの元素で定められるKP値は2.4以上4.5以下であることが必要である。KP値が2.4未満では上記作用を有効に発揮させることができず、上部ベイナイトまたはフェライトが生成するようになり、590MPa以上の母材強度が得られなくなる(後記する図1参照)。好ましくは2.7以上である。但し、KP値が4.5を超えると大入熱HAZ靭性が低下する。好ましくは4.3以下である。
【0028】
V:0.04%以下(0%を含む)
Nb:0.04%以下(0%を含む)
Vは少量の添加により焼入れ性および焼戻し軟化抵抗を高める作用がある。但し、0.04%を超えて添加すると大入熱HAZ靭性が低下する。好ましくはV:0.03%以下である。Nbはγ粒径を微細化し、これにより変態後のベイナイトブロックサイズが微細化されるため母材靭性の向上に寄与する。但し、Nbの添加量が0.04%を超えると大入熱HAZ靭性が低下する。好ましくはNb:0.03%以下である。
【0029】
さらにこれらの元素で定められるKV値は0.040以下であることが必要である。上記の通り、これらの元素はどちらも添加量が多すぎると大入熱HAZ靭性を低下させるからである。好ましくは0.035以下である。
【0030】
B:0.0006〜0.005%
Bは焼入れ性改善元素で、低冷却速度で低温変態ベイナイトを生成しやすくすると共に、上記の通り、極低Cとし、同時に適量のMn,Cr,Moを添加することにより小入熱溶接時におけるHAZ部の耐溶接割れ性と母材強度確保を両立させることができる点で有用である。Bが0.0006%未満では焼入れ性改善効果が期待できず、母材強度が不足してしまう。好ましくは0.0007%以上、さらに好ましくは0.0010%以上である。但し、Bが0.005%を超えるとかえって焼入れ性が低下し、母材強度が不足する。好ましくは0.003%以下である。
【0031】
Ti:0.005〜0.03%
TiはNと窒化物を形成して大入熱溶接時におけるHAZ部のγ粒を微細化し、HAZ靭性改善に寄与する点で有用である。但し、Tiが0.03%を超えると逆にHAZ靭性が低下する。好ましくは0.02%以下である。なお、0.005%未満では大入熱HAZ靭性改善の効果が十分でない。好ましくは0.007%以上である。
【0032】
N:0.0020〜0.010%
Nは上記の通り、Tiと窒化物を形成して大入熱溶接時におけるHAZ靭性改善に寄与する点で有用である。但し、NはBと結合して固溶Bを減少させ、Bの焼入れ性向上作用を阻害し、母材の靭性および大入熱HAZ靭性を低下させる作用も有しており、Nの含有量が0.010%を超えるとその作用が顕著になる。好ましくは0.008%以下である。なお、0.0020%未満ではTiとの窒化物形成による大入熱HAZ靭性改善の効果が十分でない。好ましくは0.0030%以上である。
【0033】
さらに本発明では、溶接性の一層の向上を目指して、下記の元素を積極的に添加すること、あるいはその含有量を抑制することが推奨される。
【0034】
Ni:5%以下
Niは母材靭性向上に有用な元素であるが、5%を超えて添加するとスケール疵が発生しやすくなるため、その上限を5%とすることが好ましい。より好ましくは4%以下である。
【0035】
Cu:1.2%以下
Cuは固溶強化および析出強化により母材強度を向上させると共に、焼入れ性向上作用も有する元素である。但し、1.2%を超えて添加すると大入熱HAZ靭性が低下するため、その上限を1.2%とすることが好ましい。より好ましくは1.0%以下である。
【0036】
ただし、Mn量が1.25〜1.8%の範囲にある場合は、Cuによる大入熱HAZ靭性の低下を抑制することが可能であるため、Cu量が1.2%を超えて添加しても大入熱HAZ靭性を確保できる。しかし、この場合でもCu量が2.0%を超えると大入熱HAZ靭性が低下するため、その上限を2.0%とすることが好ましい。より好ましくは1.5%以下である。
【0037】
Ca:0.005%以下
CaはMnSを球状化するので、介在物の異方性を低減する効果を有する元素である。このような作用を発揮させるためには0.0005%以上添加することが好ましい。より好ましくは0.0010%以上である。但し、0.005%を超えて過剰に添加すると母材靭性が低下するのでその上限を0.005%とすることが好ましい。より好ましくは0.004%以下である。
【0038】
Si:1%以下
Siは脱酸剤として有用な元素であるが、1%を超えて添加すると溶接性および母剤靭性が低下するのでその上限を1%とすることが好ましい。より好ましくは0.6%以下である。
【0039】
P:0.020%以下,S:0.010%以下
PおよびSは不純物元素である。よって夫々0.020%以下、0.010%以下に抑えられていることが好ましい。
【0040】
Al:0.2%以下
Alは脱酸元素であると共に、Nを固定し、固溶Bを増加させることによりBに基づく焼入れ性向上作用を高める元素であるが、0.2%を超えて添加すると母材の靭性が低下するので、その上限を0.2%とすることが好ましい。より好ましくは0.1%以下である。
【0041】
次に、本発明の鋼板を製造する方法について説明する。本発明の鋼板は、上記化学組成を満足する鋼を用い、通常用いられる高張力鋼板の製造工程、および条件(温度、時間など)を適宜採用して製造できる。
【0042】
また、上述したように、(1)〜(3)の製造方法を採用することにより、使用目的に応じた降伏比を有する高張力鋼板の造り分けが可能である。例えば、耐震性が特に要求される構造材に用いる場合は、低YRの高張力鋼板であることが好ましく、(1)の方法により製造すればよい。他方、耐力や強度重視の構造材(橋梁用など)に用いる場合は、高YRの高張力鋼板とすればよく、化学組成や要求特性に応じて(2)あるいは(3)の製造方法を適宜選択すればよい。
【0043】
このように本発明の高張力鋼板は、(1)〜(3)の方法により低YRのものと、高YRのものを造り分けることが可能である他、熱間圧延後冷却するだけの(4)の製造方法を用いれば、化学組成の影響などにより低YRとなったり高YRとなったりするものの、少ない工程数で本発明の高張力鋼板を製造することができる。
【0044】
また、(1)の製造方法においては、熱間圧延後冷却する工程と、(α+γ)二相域温度で熱処理を施す工程(720〜900℃に再加熱して冷却する工程)の間に、必要によりAc3点〜1000℃に再加熱した後冷却する工程を含めることができ、該工程により組織の微細化により鋼板の高靭性化が可能となる。また、(α+γ)二相域温度で熱処理を施す工程の後に、必要によりAc1点以下の温度で焼戻しする工程を含めてもよく、該工程によって鋼板中に残留する応力を除去して安定化を図ることができる。必要により含められるこれらの工程は、鋼の化学組成や得られる鋼板の要求特性などに応じて適宜行うこととすればよい。
【0045】
なお、本発明の製造方法において、熱間圧延後、Ac3点〜1000℃の再加熱後、および(α+γ)二相域温度での熱処理後の各冷却方法は特に限定されるものではなく、空冷や水冷など公知の冷却方法が採用でき、化学組成や要求特性などに応じて適宜選択すればよい。
【0046】
具体的な一例を示すと、950〜1300℃で2時間以上加熱した後、熱間圧延を行い、850〜950℃で圧延を完了し、その後冷却する。次いで720〜900℃の(α+γ)二相域温度で30分以上保持した後、水冷することで本発明の高張力鋼板が得られる。また、焼戻し工程をする場合、450〜650℃で10〜40分保持して行うことが推奨される。
【0047】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。但し、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0048】
実験1
表1および2に示す化学組成の鋼を通常の溶製法により溶製し、スラブとした後、通常の加熱、熱間圧延を行った後、850℃から直接焼入れを行い、その後表3および4に示す条件で焼入れ、焼戻しを行い、所定の板厚からなる高張力鋼板を製造した。
【0049】
このようにして得られた各鋼板について、下記の要領で母材特性[強度および靭性(vE−40)]を評価し、本発明で基準とする母材レベル(590MPa≦引張強さ<780MPa、vE−40≧47J)をクリアしたものについては、さらに溶接性(耐溶接割れ性および大入熱HAZ靭性)を評価した。
【0050】
[母材特性試験]
▲1▼引張試験:各鋼板の板厚1/4部位からJIS4号試験片を採取し、引張試験を行うことにより0.2%耐力および引張強さを測定した。590MPa≦引張強さ<780MPaを合格とした。
▲2▼衝撃試験:各鋼板の板厚1/4部位からJIS4号試験片を採取し、シャルピー衝撃試験をおこなうことにより吸収エネルギー(vE−40)を得た。vE−40≧47Jを合格とした。
【0051】
[溶接性試験]
▲1▼HAZ靭性:入熱100あるいは120kJ/mm(エレクトロスラグ溶接法)で溶接を行い、図3に示す部位からJIS4号試験片を採取してシャルピー衝撃試験を行い、ボンド部の吸収エネルギー(vE−10)を求めた。vE−10≧100Jを合格とした。
▲2▼耐溶接割れ性:JIS Z 3158に記載のy形溶接割れ試験法に基づいて、入熱1.7kJ/mmで被覆アーク溶接を行い、ルート割れ防止予熱温度を測定した。25℃以下を合格とした。
【0052】
これらの結果を表3および4に併記する。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
表3および4より以下のように考察することができる。
【0058】
まず、表1の鋼板は本発明の要件を満足する実施例であり、表3に示す通り、いずれの鋼板も母材特性および溶接性に優れていた。
【0059】
これに対し、表2の鋼板は本発明の要件を満足しない比較例、または一部満足しない参考例であるが、これらは表4に示す不具合を有している。
【0060】
まず、No.25はC量が本発明の下限値を下回る例であり、所望の母材強度が得られなかった。また、No.26はC量が本発明の上限値を超える例であり、耐溶接割れ性が低下した。
【0061】
No.27およびNo.28はKP値が本発明の下限値を下回る例であり、所望の母材強度が得られなかった。
【0062】
No.29はKP値が本発明の上限値を超える例であり、大入熱HAZ靭性が低下した。
【0063】
No.30はMn量が本発明の下限値を下回る例であり、所望の母材強度が得られなかった。また、No.31はMn量が本発明の上限値を超える例であり、所望の母材靭性が得られなかった。
【0064】
No.32はCr量が本発明の下限値を下回る例であり、所望の母材強度が得られなかった。また、No.33はCr量が本発明の上限値を超える例であり、所望の母材靭性が得られなかった。
【0065】
No.34はMo量が本発明の上限値を超える例であり、所望の母材靭性が得られなかった。
【0066】
No.35はV量およびKV値が本発明の上限値を超える例であり、大入熱HAZ靭性が低下した。
【0067】
No.36はNb量およびKV値が本発明の上限値を超える例であり、大入熱HAZ靭性が低下した。
【0068】
No.37はKV値が本発明の上限値を超える例であり、大入熱HAZ靭性が低下した。
【0069】
No.38はB値が本発明の下限値を下回る例であり、所望の母材強度が得られなかった。また、No.39はB値が本発明の上限値を超える例であり、所望の母材強度が得られなかった。
【0070】
No.40はTi量が本発明の下限値を下回る例であり、大入熱HAZ靭性が低下した。また、No.41はTi量が本発明の上限値を超える例であり、大入熱HAZ靭性が低下した。
【0071】
No.42はCa量が本発明の上限値を超える例であり、所望の母材靭性が得られなかった。
【0072】
No.43はN量が本発明の下限値を下回る例であり、大入熱HAZ靭性が低下した。また、No.44はN量が本発明の上限値を超える例であり、大入熱HAZ靭性が低下した。
【0073】
No.45は、Mn量とCu量のバランスが悪く、本発明の上限値を超える例であり、大入熱HAZ靭性が低下した。
【0074】
図1は、上記結果に基づき、母材強度(引張強さ)とKP値の関係をグラフ化したものであるが、KP値を2.4よりも大きく制御することで590MPa以上の引張強さが得られていることがわかる。
【0075】
図2は、上記結果に基づき、入熱100あるいは120kJ/mmの溶接時のHAZ靭性(vE−10)とKV値の関係をグラフ化したものであるが、KV値を0.040以下に制御することにより100J以上のHAZ靭性が得られることがわかる。
【0076】
実験2
表5に示す化学組成の鋼(No.46)を通常の溶製法により溶製し、スラブとした後、表6に示す条件で熱間圧延を行い、引き続き、表6に記載の条件で熱処理を行って、所定の板厚からなる高張力鋼板を製造した。なお、「熱処理条件2」の熱処理は、「熱処理条件1」の熱処理の後に行った。
【0077】
得られた各鋼板について、実験1と同様にして各評価を行った。なお、「降伏比」については、引張試験の際に測定した。これらの結果を表6に示す。
【0078】
【表5】
【0079】
【表6】
【0080】
表6から分かるように、熱間圧延→冷却後に(α+γ)二相域温度である720〜900℃で熱処理を施したNo.46−1〜12の鋼板では、低降伏比(YR≦80%)となっており、他方、該二相域温度で熱処理を施していないNo.46−13〜16の鋼板では、高降伏比(YR>80%)となっている。また、熱間圧延→冷却後に何ら熱処理を施していないNo.46−17の鋼板では、他の鋼板に比べて母材特性がやや低いものの、すべての特性で合格値である。
【0081】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されており、溶接性(耐溶接割れ性および大入熱HAZ靭性)に優れた、590MPa以上780MPa未満の鋼板を提供することができた。本発明によれば板厚が80mm以上の厚物であっても、上記の特性を備えた高張力鋼板を提供できる。
【0082】
また、上記(1)〜(3)の製造方法を採用することにより、使用目的に応じた降伏比を有する本発明の高張力鋼板が製造できる他、工程数の少ない上記(4)の製造方法によっても、本発明の高張力鋼板を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】母材強度とKP値の関係を示すグラフである。
【図2】大入熱HAZ靭性とKV値の関係を示すグラフである。
【図3】エレクトロスラグ溶接時のボンド靭性の試験片採取位置を示す概略説明図である。
【図4】本発明の成分設計の考え方を説明するための模式的なCCT線図である。
Claims (11)
- C :0.010〜0.06%(質量%の意味、以下同じ),
Si:1%以下,
Mn:1.25〜2.5%,
Cr:0.1〜2.0%,
Mo:1.5%以下(0%を含む),
V :0.04%以下(0%を含む),
Ti:0.005〜0.03%,
B :0.0006〜0.005%,
P :0.020%以下,
S :0.010%以下,
N :0.0030〜0.010%
を満たし、残部Feおよび不可避不純物よりなる鋼からなり、
2.4≦KP≦4.5
を満足すると共に、引張強さが590MPa以上780MPa未満であることを特徴とする溶接性に優れた高張力鋼板。
但し、
KP=[Mn]+1.5×[Cr]+2×[Mo]
《式中、[ ]は各元素の含有量(質量%)を意味する。》 - さらにNi:5%以下および/またはCu:1.2%以下を含有するものである請求項1に記載の高張力鋼板。
- 請求項1に記載の高張力鋼板であって、Mn含有量が1.25〜1.8%であるとき、さらにCu:1.2%を超え、2.0%以下を含有するものである高張力鋼板。
- さらにNi:5%以下を含有するものである請求項3に記載の高張力鋼板。
- さらにCa:0.005%以下を含有するものである請求項1〜4のいずれかに記載の高張力鋼板。
- Al:0.2%以下に抑えられている請求項1〜5のいずれかに記載の高張力鋼板。
- 肉厚が80mm以上である請求項1〜6のいずれかに記載の高張力鋼板。
- 請求項1〜7に記載の高張力鋼板を製造する方法であって、
Ac3点〜1300℃に加熱して、圧延仕上げ温度700℃以上で熱間圧延を行った後冷却する工程と
720〜900℃に再加熱して冷却する工程
を含むことを特徴とする溶接性に優れた低降伏比高張力鋼板の製造方法。 - 請求項1〜7に記載の高張力鋼板を製造する方法であって、
Ac3点〜1300℃に加熱して、圧延仕上げ温度700℃以上で熱間圧延を行った後冷却し、その後
Ac1点以下の温度で焼戻しすることを特徴とする溶接性に優れた高降伏比高張力鋼板の製造方法。 - 請求項1〜7に記載の高張力鋼板を製造する方法であって、
Ac3点〜1300℃に加熱して、圧延仕上げ温度700℃以上で熱間圧延を行った後冷却し、引き続き
Ac3点〜1000℃に再加熱した後冷却し、その後
必要によりAc1点以下の温度で焼戻しすることを特徴とする溶接性に優れた高降伏比高張力鋼板の製造方法。 - 請求項1〜7に記載の高張力鋼板を製造する方法であって、
Ac3点〜1300℃に加熱して、圧延仕上げ温度700℃以上で熱間圧延を行い、その後冷却することを特徴とする溶接性に優れた高張力鋼板の製造方法。
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