JP3601333B2 - 車両の緊急事態発生位置特定方法および緊急通報システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に緊急事態が発生したときに、車両との通信によって緊急通報センタが迅速かつ正確に緊急事態発生位置を求める方法に関する。また、本発明は、緊急通報システム、そのシステムを構成する緊急通報センタおよび車載緊急通報器に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に緊急事態が発生したときには、緊急事態発生位置に緊急車両を向かわせるなどの迅速な措置が必要である。車両が自分の居場所を緊急通報センタに知らせるために、車載の無線機および現在位置検出装置を利用することが好適である。車両は、緊急事態が発生したファイナルポイントの位置データを現在位置検出装置で検出し、無線機を使って緊急通報センタに送る。このようなシステムは、例えば、特開平8−287386号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、車両の現在位置の検出精度には、ある程度の限界がある。周知のようにGPS装置には100m程度の誤差があり、D−GPS装置にも20m程度の誤差がある。従って、高架自動車道と一般道の並走区間に車両が居るときは、ファイナルポイントの位置データが送られてきても、緊急通報センタは、どちらの道路上に車両が居るのかを判別できない。水平方向にも、また高さ方向にも、位置検出誤差を下回る距離しか両道路が離れていないからである。ここでは、高架自動車道と一般道の例を取り上げたが、その他の状況、例えば碁盤の目状の市街地などにおいても同様の問題が発生する。そしてこのような状況でも位置検出の確実性と迅速さを確保することが望まれる。
【0004】
参考技術として、特開平5−5626号公報においては、車両に事故が発生したときに走行軌跡データが送信されるが、この走行軌跡は、通信相手側で緊急事態発生位置の特定に用いられるわけではない。また走行軌跡データは、ファイナルポイントの位置データと比較してデータ量が多く、比較的長い通信時間を必要とする。しかし、緊急通報センタは多数の車両と通信で接続されており、通信データの増大はセンタおよびシステム全体にとって非常に不利である。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、迅速かつ正確に緊急事態発生位置を特定できる方法およびシステムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、車両に緊急事態が発生したときに、車両との通信によって緊急通報センタで緊急事態発生位置を求める方法であって、緊急事態が発生した車両の車載緊急通報器が、ファイナルポイントの位置データおよび走行軌跡データのうち、ファイナルポイントの位置データを送信するステップと、緊急通報センタが、車両より受信したファイナルポイントの位置データから緊急事態発生位置を特定できるか否かを判断するステップと、緊急通報センタが、前記ファイナルポイントの位置データから緊急事態発生位置を特定できないときに、緊急事態発生前の走行軌跡データを前記車両に要求するステップと、前記要求を受けた車両の車載緊急通報器が、走行軌跡データを送信するステップと、緊急通報センタが、前記ファイナルポイントの位置データおよび前記走行軌跡データに基づいて緊急事態発生位置を特定するステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、緊急事態が発生したとき、緊急通報センタは、まずファイナルポイントの位置データを使って緊急事態発生位置を特定する。そして、ファイナルポイントから緊急事態発生位置が特定できないとセンタ側が判断した場合には、センタは走行軌跡も送信するように車両に要求する。走行軌跡を用いることで、車両がどの道路に居るのかが分かり、位置特定を精度よく行える。
【0008】
このように、まずはデータ量の少ないファイナルポイントのみが通信され、必要に応じて走行軌跡データも通信される。センタ側で必要なデータを適切に判断することにより、確実な位置特定を可能としつつ、位置特定のためのデータ通信量および処理量を少なく抑えて、これにより通信時間および処理時間を短く抑え、さらに緊急通報システム全体としての負荷軽減が図れる。
【0009】
好ましくは、緊急通報センタは、車両から受信したファイナルポイントの周囲に複数の道路が存在する場合に、前記ファイナルポイントの位置データから緊急事態発生位置を特定不能と判断する。好ましくは、緊急通報センタは、車両側の位置検出精度に基づいて定められる所定距離の範囲内に複数の道路が存在するか否かを判断する。並走道路や市街地などでは、GPS装置等の誤差より狭い範囲に複数の道路があるために、緊急事態発生位置の特定が困難になる。本態様に示す如く、このような場合に特定して走行軌跡データの通信を行うことが好適である。
【0010】
また好ましくは、緊急通報センタが、前記走行軌跡データを車両に要求するとき、前記複数の道路の形状に基づいて、より具体的には並走区間長に基づいて、前記複数の道路から車両が位置する道路を判別するのに必要な走行軌跡の長さを指定する。例えば並走道路を考えると、並走区間の長さより短い軌跡を入手しても位置特定ができず、逆に並走区間よりも大幅に長い軌跡を入手しても、データ通信の無駄である。本発明によれば、車両に要求する走行軌跡の長さを指定することで、少ないデータ量で必要な情報を得ることができる。
【0011】
また好ましくは、緊急通報センタが、前記必要な走行軌跡の長さとして、その長さをポイント間距離で割ったポイント数を指定し、前記ポイント間距離おきの前記ポイント数の過去の位置データを車両から入手する。これにより、車両からセンタに送る走行軌跡のデータ量を少なくすることができる。
【0012】
また好ましくは、緊急通報センタが、前記複数の道路の形状に応じて、より具体的には並走区間長に応じて前記ポイント間距離を調整する。例えば、並走道路の並走区間が長ければ、ポイント間距離を長くしても正確な位置判断ができる。道路形状に応じたポイント間距離の調整をすれば、より少ないデータ通信で必要な情報を取得することが可能となる。
【0013】
本発明は、上記の緊急事態位置特定方法とは別の態様で実現されてもよい。例えば、緊急通報センタ、車載緊急通報器、両構成を含む緊急通報システムであってもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、実施形態という)について、図面を参照し説明する。
【0015】
図1は、全体構成を示すブロック図である。本発明の緊急通報システムは、車載緊急通報器1と緊急通報センタ21を含む。
【0016】
車載緊急通報器1では、メーデーECU2が装置全体を制御している。事故検知センサ3は、事故発生を検出する機能をもち、例えば、エアバッグ関連のセンサである。緊急スイッチ5は、事故や急病時に乗員に手動操作されるスイッチで、操作情報はメーデーECU2に入力される。無線機7は、救援機関としての緊急通報センタ21との連絡用のメディアを構成し、例えば携帯電話が好適である。そして通報先番号記憶部9には、緊急通報センタ21の電話番号が記憶されている。
【0017】
位置評定装置11は、車両の位置を検出する装置であり、例えばGPS装置を適用することが好適である。周知のように、GPS装置は人工衛星からの受信電波を利用して現在位置を求める。GPS誤差情報を用いて現在位置を補正するD−GPSを適用することも好適である。また、ジャイロセンサ等の出力信号および地図データを用いて現在位置を求めることも好適である。位置評定装置11が検出した位置データは、メーデーECU2の指示に従って、位置履歴記憶部13に記憶され、また、緊急通報センタ21に送信される。
【0018】
その他、車載緊急通報器1には、マイク15およびスピーカ17が設けられている。これらは、車両の乗員が緊急通報センタ21のオペレータと会話するために用いられる。好ましくはハンドフリー通話が可能な構成が設けられる。
【0019】
なお、上記の車両側の構成要素の一部または全部が、車両の他の機器、例えばナビゲーション装置と一体化されてもよい。位置評定装置11は、ナビゲーション装置用のものと兼用されてもよい。また、メーデーECU2がナビゲーションコンピュータに組み込まれてもよい。
【0020】
一方、緊急通報センタ21では、無線機23が車両との通信を行う。このセンタ側の無線機23としても電話が適当である。無線機23には、センタ側のオペレータが通報者との会話に使うスピーカ25およびマイク27が接続されている。さらに、無線機23には、コンピュータである位置特定装置29が接続され、位置特定装置29には地図データベース記憶部31が接続されている。位置特定装置29は、地図データを使って、車両から受信した位置データより緊急事態発生位置を特定する。特定された位置は表示装置33にてデジタル地図上に表示される。
【0021】
次に、図1のシステムの全体的な動作を説明する。事故検知センサ3が事故発生を検出したとき、または緊急スイッチ5が乗員に押されたとき、メーデーECU2は、通報先番号を記憶部9から読みとり、無線機7を用いて救援機関としての緊急通報センタ21との間で通信接続状態を得る。
【0022】
通信接続が完了すると、メーデーECU2は、車両IDおよび車両の位置データを送る。センタ側では、車両IDから緊急事態が発生した車両が特定される。さらに、位置特定装置29により、位置データから緊急事態が発生した位置が特定される。特定した位置が表示装置33に表示されると、オペレータが通報者と電話で会話して、現在の状況を聞く。
【0023】
「緊急事態発生位置の特定処理」
次に、本発明に特徴的な緊急事態発生位置の特定処理を説明する。
【0024】
緊急事態が発生すると、まず、メーデーECU2は、ファイナルポイントの位置データを緊急通報センタ21に送る。この位置データは、緊急事態が発生したときの車両の現在位置データであり、位置評定装置11により検出される。ただし、事故などが発生すると、位置評定装置11が正確に車両位置を求められないことがある。そこで、緊急事態発生の直前、例えば、十秒程前の位置データをファイナルポイントとすることが好適である。なお、位置データは、例えば、緯度および経度である。
【0025】
緊急通報センタ21では、ファイナルポイントの位置データと地図データから緊急事態発生位置を特定する。位置データの周囲に複数の道路がなければ、例えば、郊外の1本道であれば、この位置データのみから車両の現在位置が特定される。
【0026】
しかし、ファイナルポイントの位置データの周囲に複数の道路が存在すると、緊急事態発生位置を特定できないことがある。このような事態が発生するのは、位置検出の誤差範囲内に複数の道路が存在する場合である。複数の道路のどれに車両が居るのかを判別できないからである。
【0027】
そこで、センタ側の位置特定装置29は、無線機23を使って車両に走行軌跡データを要求する。車両側では、メーデーECU2が、センタからの要求に応えて、位置履歴記憶部13から過去の位置データを読み出し、センタに送り返す。センタでは、位置特定装置29が、走行軌跡データと地図データを用いて、近接する複数の道路のいずれに車両がいるのかを特定する。
【0028】
ここで、図2の例を参照すると、2本の並走道路A、Bの一方で車両Cに緊急事態が発生したとする。ファイナルポイントの位置データXは、円で示すような誤差をもつ。従って、位置データXだけからは並走道路Bに車両が居ることが分からない。しかし、図中に点線で示す軌跡データLを入手すれば、車両の居る道路を識別でき、車両の位置を特定できる。
【0029】
本実施形態では、軌跡データを要求するとき、位置特定装置29は、ファイナルポイント周囲の複数の道路の形状に基づいて、車両の位置する道路を判別するのに必要な走行軌跡の長さを指定する。位置検出誤差以上に複数の道路が離れるまでの距離に応じて、図2の例では並走区間の長さに応じて、軌跡長を指定することが好適である。
【0030】
図2では2本の並走道路A、Bは、地点Dで分岐している。従って、ファイナルポイントXと地点Dの距離(並走区間)より少し長い軌跡があれば、車両の位置を特定できる。しかし、並走区間より短い軌跡を入手しても車両の位置特定はできない。逆に、並走区間より大幅に長い軌跡を入手すると、通信データが無用に多くなり、通信時間が長くなる。従って、一律に一定長さの軌跡データを入手しても、適切な位置特定処理が容易でない。そこで、本実施形態では、並走区間に所定距離を加えた長さが、軌跡長として設定される。この例のように、本発明によれば、道路形状に応じて走行軌跡の長さを指定するので、少ないデータ量で必要な情報を得ることができる。
【0031】
位置特定装置29は、軌跡の長さを指定するときに、ポイント数を車両に送る。図3に示すように、ポイント数は、必要な軌跡の長さを所定のポイント間距離で割った数である。車両では、メーデーECU2が、所定のポイント間距離おきの過去の位置データを位置履歴記憶部13から読み出す。このとき、ポイント数のデータが読み出される。そして、ポイント数の位置データが車両からセンタに送られる。センタでは、ポイント数の位置データを繋いで走行軌跡を求め、走行軌跡から車両の位置を特定する。このような処理によれば、ポイント間距離ごとのポイント数の位置データを通信で送ればよいので、軌跡データ要求処理が簡易になり、また通信データ量が少なくなるという利点がある。
【0032】
位置特定装置29は、さらに、ファイナルポイントの周囲の道路の形状に応じて上記のポイント間距離を調整することが好適である。問題になる複数の道路が近接している区間の長さに応じてポイント間距離が調整されるとよい。図4の例を参照すると、並走区間の長さに応じてポイント間距離が調整される。
【0033】
図4(a)では、2本の道路の並走区間が短く、屈曲しており、このような場合にはポイント間距離を短くする必要がある。しかし、図4(b)の場合には、2本の並走道路が直線であり、並走区間が長い。従って、ポイント間距離を長く設定しても、車両の位置を正確に特定できる。ポイント間距離を長くすれば、走行軌跡に関する通信データ量を少なくできる。上記のポイント間距離は、例えば図4(a)で100m、図4(b)で1kmである。このように、並走区間長に応じてポイント間距離を調整することで、そのときの並走区間の長さの違いに対応でき、より少ないデータで必要な情報を確実に得ることが可能となる。
【0034】
図5は、緊急通報センタ21が、緊急事態発生位置を特定するために指定する走行軌跡長の例を示している。図5(a)では、最初にファイナルポイントの位置データが車両から送られてくるときに、進行方向データも一緒に送られてくるとする。ファイナルポイントから、進行方向と反対(後ろ方向)の分岐点までの距離を基準として、その距離よりも適当に長い軌跡長が指定される。
【0035】
図5(b)では、2本の道路の並走区間の全長を基準として、それよりも少し長い軌跡長が指定される。これは、通信データ量が多少増える。しかし、センタが、軌跡を要求する時点で車両の進行方向を知っていなくてもよいので、最初の通信データを減らせるという利点がある。
【0036】
図5(c)では、ファイナルポイントから、並走区間の両端の近い方までの距離を基準として、それより適当に長い軌跡長が指定される。この処理でも、最初に車両の進行方向が分かっていなくてもよい。そして、図5(b)の例と比べて軌跡が短くなり、通信データ量を削減できる。
【0037】
次に、図6は、上記の本発明の緊急通報センタ側の制御例を示している。車両とセンタの通信が確立した後、まず、ファイナルポイントの位置データが受信される(S10)。そして、受信した位置データの100m以内に並走道路があるか否かが判断される(S12)。100mは、GPSの位置評定精度を基準に定められている。D−GPSが適用される場合には、より小さな基準値、例えば20m程度が採用されてもよい。その他、車両側の位置評定装置の検出誤差に応じて、その誤差と同等または適当に大きな基準値が設定されればよい。
【0038】
S12の判断がNOの場合、位置特定装置29が、ファイナルポイントの位置データから緊急事態発生位置を特定する(S14)。位置特定装置29は、地図データベース記憶部31から、特定した位置の周辺のデジタル道路地図を読み出す。そして、道路地図上に特定した位置を描画する処理が行われる。画像データが表示装置33に送られ、表示される。
【0039】
S12の判断がYESの場合、位置特定装置29は、地図データから並走道路の区間長を求め、この区間長より長い距離に対応するポイント数を算出し、ポイント数を車両に要求する(S16)。この要求の送信が、本発明の走行軌跡の要求に相当する。車両側では、所定ポイント間距離ごとのポイント数の位置データが記憶部13から読み出され、センタに送られる。
【0040】
前述したように、このとき、センタ側でポイント間距離を調整することも好適である。このときは、ポイント間距離とポイント数が車両へ送られ、対応する情報が返送される。
【0041】
センタ側では、車両から受信した過去の位置データより走行履歴が算出される(S18)。走行履歴と地図データベースを照合して、車両が走行してきた道路が判別される(S20)。そして、判別された走行道路上へと緊急事態発生位置(ファイナル位置)が補正される(S22)。補正後の位置が、周辺の道路地図とともに表示装置33に表示される。このとき、S18で求めた走行軌跡も一緒に地図上に表示される。
【0042】
なお、以上の処理では、並走道路についての判断のみが行われた。しかし、交差点等の分岐点の付近や、橋の付近(高速道路の下を一般道がくぐる場所など)でも、ファイナルポイントの周囲に複数の道路が存在することがある。このような場合にも上記の処理を同様に適応することができる。ただし、並走区間が0または短いので、道路判別に必要な軌跡長が短く、ポイント数も少なくなる。
【0043】
以上に説明したように、本実施形態によれば、緊急通報センタの制御の下で、その適切な判断に従って必要な数の位置データのみが車載機から緊急通報センタへ送信される。郊外等の1本道ではファイナルポイントの位置データのみが送られればよく、送信が瞬時に終わり、通信時間が短くてすむ。都心部の高架道路や市街地で複数の道路が並走しているような場合には、軌跡長すなわちポイント数等の指定に従って、過去の位置データが通信される。これにより、高架道路の上り車線と下り車線および一般道の確実な識別が可能となり、緊急車両の到達時間も短縮することができる。
【0044】
実際、複数の道路の並走区間が長く、約20kmに及ぶこともある。このような区間に対応する一般の走行軌跡データは数10kバイトに達し、通信時間も1分程度かかることがある。緊急事態が発生した全車両から上記の長い走行軌跡データを入手したと仮定すれば、全車両の位置を確実に特定できる。しかしながら、緊急通報センタの通信データ量は非常に多くなり、その負担が重くなり、結果的に緊急事態発生位置の特定にかかる時間の増加を招くこともあり得る。
【0045】
これに対し、本実施形態によれば、少ない量のデータ通信で緊急事態発生位置を正確に特定できる。緊急通報センタが必要なデータを適切に判断し、基本的にはファイナル地点の位置データから車両の位置を特定し、それだけでは不十分なときにポイント数を指定して位置履歴データを入手する。従って、位置特定のための通信時間を短くでき、緊急通報センタの位置特定装置の処理時間を短くでき、システムトータルとしての装置の負荷の低減を図ることができる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、データ通信量を抑えながら、緊急事態発生位置を確実に特定でき、迅速かつ正確な位置特定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の緊急通報システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】緊急通報センタが車両に要求する走行軌跡を示す図である。
【図3】緊急通報センタが走行軌跡長を指定するときに用いられるポイント数を示す図である。
【図4】ポイント数を決めるためのポイント間距離の可変設定処理を示す図である。
【図5】走行軌跡長の設定方法の複数の例を示す図である。
【図6】図1のシステムの位置特定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車載緊急通報器、2 メーデーECU、3 事故検知センサ、5 緊急スイッチ、7 無線機、11 位置評定装置、13 位置履歴記憶部、21 緊急通報センタ、23 無線機、29 位置特定装置、31 地図データベース記憶部。
Claims (9)
- 車両に緊急事態が発生したときに、車両との通信によって緊急通報センタで緊急事態発生位置を求める方法であって、
緊急事態が発生した車両の車載緊急通報器が、ファイナルポイントの位置データおよび走行軌跡データのうち、ファイナルポイントの位置データを送信するステップと、
緊急通報センタが、車両より受信したファイナルポイントの位置データから緊急事態発生位置を特定できるか否かを判断するステップと、
緊急通報センタが、前記ファイナルポイントの位置データから緊急事態発生位置を特定できないときに、緊急事態発生前の走行軌跡データを前記車両に要求するステップと、
前記要求を受けた車両の車載緊急通報器が、走行軌跡データを送信するステップと、
緊急通報センタが、前記ファイナルポイントの位置データおよび前記走行軌跡データに基づいて緊急事態発生位置を特定するステップと、
を含むことを特徴とする緊急事態発生位置特定方法。 - 請求項1に記載の方法において、
緊急通報センタは、車両から受信したファイナルポイントの周囲に複数の道路が存在する場合に、前記ファイナルポイントの位置データから緊急事態発生位置を特定不能と判断する、
ことを特徴とする緊急事態発生位置特定方法。 - 請求項2に記載の方法において、
緊急通報センタは、車両側の位置検出精度に基づいて定められる所定距離の範囲内に複数の道路が存在するか否かを判断する、
ことを特徴とする緊急事態発生位置特定方法。 - 車両に緊急事態が発生したときに、車両との通信によって緊急通報センタで緊急事態発生位置を求める方法であって、
緊急通報センタが、緊急事態が発生した車両より受信したファイナルポイントの位置データから緊急事態発生位置を求めるステップと、
緊急通報センタが、車両から受信したファイナルポイントの周囲に複数の道路が存在する場合に、前記ファイナルポイントの位置データから緊急事態発生位置を特定不能と判断するステップと、
緊急通報センタが、前記ファイナルポイントの位置データから緊急事態発生位置を特定できないときに、緊急事態発生前の走行軌跡データを前記車両に要求するステップと、
緊急通報センタが、前記ファイナルポイントの位置データおよび前記走行軌跡データに基づいて緊急事態発生位置を特定するステップと、
を含み、
緊急通報センタが、前記走行軌跡データを車両に要求するとき、前記複数の道路の形状に基づいて、前記複数の道路から車両が位置する道路を判別するのに必要な走行軌跡の長さを指定することを特徴とする緊急事態発生位置特定方法。 - 請求項4に記載の方法において、
緊急通報センタが、前記必要な走行軌跡の長さとして、その長さをポイント間距離で割ったポイント数を指定し、前記ポイント間距離おきの前記ポイント数の過去の位置データを車両から入手することを特徴とする緊急事態発生位置特定方法。 - 請求項5に記載の方法において、
緊急通報センタが、前記複数の道路の形状に応じて前記ポイント間距離を調整することを特徴とする緊急事態発生位置特定方法。 - 車載緊急通報器が緊急通報センタに通信で緊急事態の発生を通報する緊急通報システムにおいて、
前記車載緊急通報器は、
車両位置検出手段と、車両側通信装置と、過去に検出した位置データを記憶する位置履歴記憶手段と、を含み、ファイナルポイントの位置データおよび過去の位置データのうち、初めに、緊急事態が発生したファイナルポイントの位置データを送信し、さらにその後の緊急通報センタからの要求に応じて前記位置履歴記憶手段に記憶された過去の位置データを送信し、
前記緊急通報センタは、
センタ側通信装置と、地図データベースと、車両から受信したファイナルポイントの位置データおよび地図データを用いて緊急事態発生位置を特定する位置特定処理装置と、を含み、初めに入手した前記ファイナルポイントの位置データから緊急事態発生位置を特定できないときには、さらに前記位置履歴記憶手段に記憶された過去の位置データを車両から入手することにより緊急事態発生位置を特定する、
ことを特徴とする緊急通報システム。 - 車両に緊急事態が発生したときに、車両との通信によって緊急事態発生位置を求める緊急通報センタであって、
緊急事態が発生した車両より、ファイナルポイントの位置データおよび走行軌跡データのうち、初めに受信したファイナルポイントの位置データから緊急事態発生位置を特定できるかを判断し、特定できないと判断したときに、緊急事態発生前の走行軌跡データを前記車両に要求し、前記ファイナルポイントの位置データおよび前記走行軌跡データに基づいて緊急事態発生位置を特定することを特徴とする緊急通報センタ。 - 緊急通報センタに通信で緊急事態の発生を通報する車載緊急通報器であって、
車両位置検出手段と、車両側通信装置と、過去に検出した位置データを記憶する位置履歴記憶手段と、を含み、
初めに、緊急事態が発生したファイナルポイントの位置データを車両位置検出手段で検出して緊急通報センタに送信し、前記ファイナルポイントの位置データから緊急事態発生位置を特定できるか否かの判断を受け、
緊急通報センタが前記ファイナルポイントの位置データから緊急事態発生位置を特定できないために走行軌跡データの要求を送ってきたときに、前記位置履歴記憶手段に記憶してある過去の位置データを緊急通報センタに送信することを特徴とする車載緊急通報器。
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