JP3598140B2 - 燃料タンク給油口シール装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車等の燃料タンクの給油口に設けられて、給油時に給油ガンのノズルをシールするための給油口シール装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の燃料タンクにおいては、環境保護、安全性および経済性の面から燃料給油時にフィラーチューブから蒸発燃料が流出するのを防止する構造が取られているものがある。図6はこのような構造を備えた自動車用燃料供給系の一例を示している。図6において、燃料タンク1の側壁にはフィラーチューブ2が取り付けられている。燃料タンク1の上壁には、液面規制バルブAを有するベントライン3および燃料カットバルブBを有するエバポライン4の一端部が接続されており、これらの他端部はベントカットバルブ5に接続されている。ベントカットバルブ5には、一端部をキャニスタ6に接続されたキャニスタライン7の他端部も接続されている。ベントカットバルブ5は、フィラーチューブ2の給油口に給油ガンのノズル10が挿入されて例えばシャッター8により作動する。フィラーチューブ2の給油口には、給油口ユニット100が嵌入されており、その内側にノズルシール9が設けられている。図5は給油口ユニット100の拡大図であり、ノズルシール9は、挿入された給油ガンのノズル10の外周をシールする。
【0003】
図5および図6において、フィラーチューブ2の給油口に給油ガンのノズル10を挿入すると、シャッター8が開いてベントカットバルブ5の弁体5aを押し上げてベントライン3とキャニスタライン7とを連通させ、燃料タンク1内に供給された燃料から発生する蒸発燃料がベントライン3からキャニスタライン7を通ってキャニスタ6に送られる。給油時以外の通常時には、ベントカットバルブ5の弁体5aが閉じて、ベントライン3を閉じるとともに、燃料タンク1内の圧力が高くなると、エバポライン4とキャニスタライン7とを連通させて、燃料タンク1内の蒸発燃料をキャニスタ6に送る。給油時に、燃料タンク1内に供給された燃料の液面レベルが液面規制バルブAに達すると、ベントライン3は閉じ、燃料タンク1の上部空間部に溜まった蒸発燃料は逃げ場を失い、フィラーチューブ2内の液面が上昇するので、給油ガンのノズル10の先端部に設けられたオートストップセンサー10aが作動して給油を終了する。給油中は、給油ガンのノズル10がノズルシール9によりシールされるので、蒸発燃料が外部へ流出するのを防止する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の燃料タンクでは、良好なシール性能を保持するために、ノズルシール9の内径が給油ガンのノズル10の外径よりも小さく形成されているので、ノズル10を挿入する時に大きな挿入力を必要として給油作業性が悪く、またノズル10先端角部のエッジ部やオートストップセンサー10aの穴周囲のエッジ部等によってノズルシール9の内径部が切損されることがあり、シール性能が低下して蒸発燃料が漏れ易いという問題があった。また、給油時にノズル10の挿入が不十分でシャッター8が開かず、ノズル10先端部のオートストップセンサー10aがノズルシール9よりも給油口側にある状態で給油した場合には、ベントカットバルブ5が正常に作動しないまま給油されてしまい、エバポライン4を通ってキャニスタ6に燃料が達っしてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、シール性能の低下を防止することのできる給油口シール装置を提供することを目的とする。
本発明はまた、異常給油を防止することのできる給油口シール装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による給油口シール装置は、フィラーチューブ内に挿入される給油ガンのノズルに押されて回動するレバーと、このレバーの回動により動作するピストンを有する流体シリンダーと、この流体シリンダー内に通じる流通路を有し、ノズルの挿入によりレバーおよびピストンを介して流体シリンダー内の流体が加圧されることにより内径部を中心方向に膨らませてノズルの外径部に密着する伸縮可能な袋状シール部材とを備えたものである。
【0007】
本発明はまた、ノズル先端が接触するレバーの位置から袋状シール部材の給油口側端部までの距離を、ノズル先端からオートストップセンサーまでの距離以上に設定したものである。
【0008】
【作用】
したがって、本発明によれば、給油ガンのノズルを挿入しない状態では、袋状シール部材の内径部は変形しない状態でノズルの外径に対して十分な間隔を保っているので、ノズルの挿入が小さな挿入力で済むため給油作業性が向上するとともに、ノズルの先端エッジ部等により袋状シール部材を切損することがないので、シール性能の低下を防止することができる。また、給油のためにノズルを挿入すると、レバーおよびピストンを介して流体シリンダーが加圧され、内部の流体が袋状シール部材の内径部を膨らませてノズルの外径部に密着するので、給油中の蒸発燃料の外部への流出を確実に防止することができる。
【0009】
また、ノズル先端が接触するレバーの位置から袋状シール部材の給油口側端部までの距離を、ノズル先端からオートストップセンサーまでの距離以上に設定することにより、袋状シール部材の作動時には必ずオートストップセンサーが袋状シール部材よりも燃料タンク側に位置するので、ノズルの挿入が不十分でベントカットバルブが正常に作動しない状態で給油を行なったとしても、供給された燃料により必ずオートストップセンサーが作動するので、異常給油を防止することができる。
【0010】
【実施例】
図1は本発明の一実施例を示す給油口ユニット部分の断面図である。フィラーチューブ11の給油口側の内部には円筒状の給油口ユニット12が嵌入されている。給油口ユニット12には、燃料タンク側にシャッター13が軸14の回りに回動可能の取り付けられている。シャッター13は、常態において、スプリング15により給油口ユニット12をシールリング16を介して閉じる方向に付勢されている。シャッター13にはまた、ばね性を有する作動板17が取り付けられて、開いた時にはベントカットバルブ18のバルブシャフト19を押すようになっている。
【0011】
給油口ユニット12の内部には、レバー20がその中間部を軸21により回動可能に取り付けられている。レバー20の一端部は、給油口ユニット12のノズルガイド穴22に延びており、レバー20の他端部は、給油口ユニット12の内部に設けられた流体シリンダー23内を往復動するピストン24の先端部に対向している。流体シリンダー23は、ピストン24とは反対側が流通路25を除いて閉塞されており、その底部とピストン24との間に復帰コイルばね26が介装されている。流通路25は、ノズルガイド穴22の内周面に外径部が固定された袋状シール部材27の内部に連通している。袋状シール部材27は、ゴム様弾性体で形成され、この内径部が内部に流出入する流体により半径方向に伸縮可能になっている。
【0012】
次に上記実施例の動作について説明する。給油時以外の通常時には、図1に示すように、シャッター13が給油口ユニット12を閉じてフィラーチューブ11および燃料タンク内の蒸発燃料の流出を防止している。また、ピストン24が復帰コイルばね26により定位置に位置して、レバー20の一端部をノズルガイド穴22に臨ませるとともに、流体シリンダー23内に流体を貯溜された状態になり、袋状シール部材27の内径部は給油ガンのノズルの外径部よりも十分大きくなる。この状態から、図2に示すように、給油のために給油ガンのノズル28をノズルガイド穴22内に挿入すると、ノズル28の先端に押されてシャッター13が開き、作動板17がベントカットバルブ18のバルブシャフト19を押してエバポラインを閉じ、燃料タンク内に空気室を形成して燃料の過剰給油を防止する。
【0013】
また、ノズル28の先端に押されてレバー20も回動し、ピストン24を押圧して流体シリンダー23内の流体を加圧するので、その流体は流通路25を通って袋状シール部材27の内部へ移動する。これにより袋状シール部材27の内径部が中心方向に膨らんで、挿入されたノズル28の外径部に密着するので、給油中の蒸発燃料の外部への流出を防止する。給油が終わって、ノズル28を引き抜くと、シャッター13がスプリング15の復帰力によりノズルガイド穴22を閉じるとともに、ピストン24が復帰コイルばね26により復帰して元の定位置に戻る。
【0014】
次に袋状シール部材27の位置関係について説明する。図3に示すように、袋状シール部材27の給油口側の端部から常態におけるレバー20の一端部までの距離L1は、ノズル28の先端からオートストップセンサー29の位置までの距離L2以上(L1≧L2)に設定されている。このように設定することにより、図3に示すように、誤ってオートストップセンサ29が袋状シール部材27内あるいは袋状シール部材27よりも給油口側にある状態で給油を行なっても、袋状シール部材27の内径部とノズル28の外径部との間には十分な間隔があるため、ノズルガイド穴22内に溜った燃料によりオートストップセンサー29が作動するので、それ以上の給油が停止される。また図4に示すように、挿入されたノズル28によりレバー20およびピストン24を介して袋状シール部材27の内径部がノズル28の外径部に密着するが、ノズル28の挿入が不十分でベントカットバルブが作動しない状態で給油が行なわれたとしても、オートストップセンサー29の位置は袋状シール部材27の左側にあるため、シャッター13と袋状シール部材27との間に溜った燃料によりオートストップセンサー29が作動し、給油が停止する。これに対し、上記の条件を満たさないL2>L1の場合は、図4の例ではオートストップセンサー29が袋状シール部材27の右側に位置するので、オートストップセンサー29が作動せず、異常給油される危険がある。
【0015】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、給油ガンのノズルを挿入しない状態では、袋状シール部材の内径部は変形しない状態でノズルの外径部に対して十分な間隔があるので、ノズルの挿入力が小さく給油作業性が向上するとともに、ノズルの先端エッジ部等により袋状シール部材を切損することがないので、シール性能の低下を防止してシール性能を長期に持続することができる。また、給油のためにノズルを挿入すると、レバーおよびピストンを介して流体シリンダー内の流体が加圧され、その流体が袋状シール部材の内径部を膨らませてノズルの外径部に密着するので、給油中の蒸発燃料の外部への流出を確実に防止することができる。
【0016】
また、ノズル先端が接触するレバーの位置から袋状シール部材の給油口側端部までの距離を、ノズル先端からオートストップセンサーまでの距離以上に設定したので、誤ってベントカットバルブが正常に作動しない状態で給油したとしても、供給された燃料によりオートストップセンサーが必ず作動するので、異常給油を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における給油口ユニット部分の断面図。
【図2】同給油口ユニット部分の給油時の状態を示す断面図。
【図3】同給油口ユニット部分の袋状シール部材の位置関係を示す断面図。
【図4】同給油口ユニット部分の誤った給油時の状態を示す断面図。
【図5】従来の給油口ユニット部分の断面図。
【図6】従来の自動車燃料供給系の構成図。
【符号の説明】
11 フィラーチューブ
12 給油口ユニット
13 シャッター
14 軸
15 スプリング
16 シールリング
17 作動板
18 ベントカットバルブ
19 バルブシャフト
20 レバー
21 軸
22 ノズルガイド穴
23 流体シリンダー
24 ピストン
25 流通路
26 復帰コイルばね
27 袋状シール部材
28 ノズル
29 オートストップセンサー
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車等の燃料タンクの給油口に設けられて、給油時に給油ガンのノズルをシールするための給油口シール装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の燃料タンクにおいては、環境保護、安全性および経済性の面から燃料給油時にフィラーチューブから蒸発燃料が流出するのを防止する構造が取られているものがある。図6はこのような構造を備えた自動車用燃料供給系の一例を示している。図6において、燃料タンク1の側壁にはフィラーチューブ2が取り付けられている。燃料タンク1の上壁には、液面規制バルブAを有するベントライン3および燃料カットバルブBを有するエバポライン4の一端部が接続されており、これらの他端部はベントカットバルブ5に接続されている。ベントカットバルブ5には、一端部をキャニスタ6に接続されたキャニスタライン7の他端部も接続されている。ベントカットバルブ5は、フィラーチューブ2の給油口に給油ガンのノズル10が挿入されて例えばシャッター8により作動する。フィラーチューブ2の給油口には、給油口ユニット100が嵌入されており、その内側にノズルシール9が設けられている。図5は給油口ユニット100の拡大図であり、ノズルシール9は、挿入された給油ガンのノズル10の外周をシールする。
【0003】
図5および図6において、フィラーチューブ2の給油口に給油ガンのノズル10を挿入すると、シャッター8が開いてベントカットバルブ5の弁体5aを押し上げてベントライン3とキャニスタライン7とを連通させ、燃料タンク1内に供給された燃料から発生する蒸発燃料がベントライン3からキャニスタライン7を通ってキャニスタ6に送られる。給油時以外の通常時には、ベントカットバルブ5の弁体5aが閉じて、ベントライン3を閉じるとともに、燃料タンク1内の圧力が高くなると、エバポライン4とキャニスタライン7とを連通させて、燃料タンク1内の蒸発燃料をキャニスタ6に送る。給油時に、燃料タンク1内に供給された燃料の液面レベルが液面規制バルブAに達すると、ベントライン3は閉じ、燃料タンク1の上部空間部に溜まった蒸発燃料は逃げ場を失い、フィラーチューブ2内の液面が上昇するので、給油ガンのノズル10の先端部に設けられたオートストップセンサー10aが作動して給油を終了する。給油中は、給油ガンのノズル10がノズルシール9によりシールされるので、蒸発燃料が外部へ流出するのを防止する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の燃料タンクでは、良好なシール性能を保持するために、ノズルシール9の内径が給油ガンのノズル10の外径よりも小さく形成されているので、ノズル10を挿入する時に大きな挿入力を必要として給油作業性が悪く、またノズル10先端角部のエッジ部やオートストップセンサー10aの穴周囲のエッジ部等によってノズルシール9の内径部が切損されることがあり、シール性能が低下して蒸発燃料が漏れ易いという問題があった。また、給油時にノズル10の挿入が不十分でシャッター8が開かず、ノズル10先端部のオートストップセンサー10aがノズルシール9よりも給油口側にある状態で給油した場合には、ベントカットバルブ5が正常に作動しないまま給油されてしまい、エバポライン4を通ってキャニスタ6に燃料が達っしてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、シール性能の低下を防止することのできる給油口シール装置を提供することを目的とする。
本発明はまた、異常給油を防止することのできる給油口シール装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による給油口シール装置は、フィラーチューブ内に挿入される給油ガンのノズルに押されて回動するレバーと、このレバーの回動により動作するピストンを有する流体シリンダーと、この流体シリンダー内に通じる流通路を有し、ノズルの挿入によりレバーおよびピストンを介して流体シリンダー内の流体が加圧されることにより内径部を中心方向に膨らませてノズルの外径部に密着する伸縮可能な袋状シール部材とを備えたものである。
【0007】
本発明はまた、ノズル先端が接触するレバーの位置から袋状シール部材の給油口側端部までの距離を、ノズル先端からオートストップセンサーまでの距離以上に設定したものである。
【0008】
【作用】
したがって、本発明によれば、給油ガンのノズルを挿入しない状態では、袋状シール部材の内径部は変形しない状態でノズルの外径に対して十分な間隔を保っているので、ノズルの挿入が小さな挿入力で済むため給油作業性が向上するとともに、ノズルの先端エッジ部等により袋状シール部材を切損することがないので、シール性能の低下を防止することができる。また、給油のためにノズルを挿入すると、レバーおよびピストンを介して流体シリンダーが加圧され、内部の流体が袋状シール部材の内径部を膨らませてノズルの外径部に密着するので、給油中の蒸発燃料の外部への流出を確実に防止することができる。
【0009】
また、ノズル先端が接触するレバーの位置から袋状シール部材の給油口側端部までの距離を、ノズル先端からオートストップセンサーまでの距離以上に設定することにより、袋状シール部材の作動時には必ずオートストップセンサーが袋状シール部材よりも燃料タンク側に位置するので、ノズルの挿入が不十分でベントカットバルブが正常に作動しない状態で給油を行なったとしても、供給された燃料により必ずオートストップセンサーが作動するので、異常給油を防止することができる。
【0010】
【実施例】
図1は本発明の一実施例を示す給油口ユニット部分の断面図である。フィラーチューブ11の給油口側の内部には円筒状の給油口ユニット12が嵌入されている。給油口ユニット12には、燃料タンク側にシャッター13が軸14の回りに回動可能の取り付けられている。シャッター13は、常態において、スプリング15により給油口ユニット12をシールリング16を介して閉じる方向に付勢されている。シャッター13にはまた、ばね性を有する作動板17が取り付けられて、開いた時にはベントカットバルブ18のバルブシャフト19を押すようになっている。
【0011】
給油口ユニット12の内部には、レバー20がその中間部を軸21により回動可能に取り付けられている。レバー20の一端部は、給油口ユニット12のノズルガイド穴22に延びており、レバー20の他端部は、給油口ユニット12の内部に設けられた流体シリンダー23内を往復動するピストン24の先端部に対向している。流体シリンダー23は、ピストン24とは反対側が流通路25を除いて閉塞されており、その底部とピストン24との間に復帰コイルばね26が介装されている。流通路25は、ノズルガイド穴22の内周面に外径部が固定された袋状シール部材27の内部に連通している。袋状シール部材27は、ゴム様弾性体で形成され、この内径部が内部に流出入する流体により半径方向に伸縮可能になっている。
【0012】
次に上記実施例の動作について説明する。給油時以外の通常時には、図1に示すように、シャッター13が給油口ユニット12を閉じてフィラーチューブ11および燃料タンク内の蒸発燃料の流出を防止している。また、ピストン24が復帰コイルばね26により定位置に位置して、レバー20の一端部をノズルガイド穴22に臨ませるとともに、流体シリンダー23内に流体を貯溜された状態になり、袋状シール部材27の内径部は給油ガンのノズルの外径部よりも十分大きくなる。この状態から、図2に示すように、給油のために給油ガンのノズル28をノズルガイド穴22内に挿入すると、ノズル28の先端に押されてシャッター13が開き、作動板17がベントカットバルブ18のバルブシャフト19を押してエバポラインを閉じ、燃料タンク内に空気室を形成して燃料の過剰給油を防止する。
【0013】
また、ノズル28の先端に押されてレバー20も回動し、ピストン24を押圧して流体シリンダー23内の流体を加圧するので、その流体は流通路25を通って袋状シール部材27の内部へ移動する。これにより袋状シール部材27の内径部が中心方向に膨らんで、挿入されたノズル28の外径部に密着するので、給油中の蒸発燃料の外部への流出を防止する。給油が終わって、ノズル28を引き抜くと、シャッター13がスプリング15の復帰力によりノズルガイド穴22を閉じるとともに、ピストン24が復帰コイルばね26により復帰して元の定位置に戻る。
【0014】
次に袋状シール部材27の位置関係について説明する。図3に示すように、袋状シール部材27の給油口側の端部から常態におけるレバー20の一端部までの距離L1は、ノズル28の先端からオートストップセンサー29の位置までの距離L2以上(L1≧L2)に設定されている。このように設定することにより、図3に示すように、誤ってオートストップセンサ29が袋状シール部材27内あるいは袋状シール部材27よりも給油口側にある状態で給油を行なっても、袋状シール部材27の内径部とノズル28の外径部との間には十分な間隔があるため、ノズルガイド穴22内に溜った燃料によりオートストップセンサー29が作動するので、それ以上の給油が停止される。また図4に示すように、挿入されたノズル28によりレバー20およびピストン24を介して袋状シール部材27の内径部がノズル28の外径部に密着するが、ノズル28の挿入が不十分でベントカットバルブが作動しない状態で給油が行なわれたとしても、オートストップセンサー29の位置は袋状シール部材27の左側にあるため、シャッター13と袋状シール部材27との間に溜った燃料によりオートストップセンサー29が作動し、給油が停止する。これに対し、上記の条件を満たさないL2>L1の場合は、図4の例ではオートストップセンサー29が袋状シール部材27の右側に位置するので、オートストップセンサー29が作動せず、異常給油される危険がある。
【0015】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、給油ガンのノズルを挿入しない状態では、袋状シール部材の内径部は変形しない状態でノズルの外径部に対して十分な間隔があるので、ノズルの挿入力が小さく給油作業性が向上するとともに、ノズルの先端エッジ部等により袋状シール部材を切損することがないので、シール性能の低下を防止してシール性能を長期に持続することができる。また、給油のためにノズルを挿入すると、レバーおよびピストンを介して流体シリンダー内の流体が加圧され、その流体が袋状シール部材の内径部を膨らませてノズルの外径部に密着するので、給油中の蒸発燃料の外部への流出を確実に防止することができる。
【0016】
また、ノズル先端が接触するレバーの位置から袋状シール部材の給油口側端部までの距離を、ノズル先端からオートストップセンサーまでの距離以上に設定したので、誤ってベントカットバルブが正常に作動しない状態で給油したとしても、供給された燃料によりオートストップセンサーが必ず作動するので、異常給油を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における給油口ユニット部分の断面図。
【図2】同給油口ユニット部分の給油時の状態を示す断面図。
【図3】同給油口ユニット部分の袋状シール部材の位置関係を示す断面図。
【図4】同給油口ユニット部分の誤った給油時の状態を示す断面図。
【図5】従来の給油口ユニット部分の断面図。
【図6】従来の自動車燃料供給系の構成図。
【符号の説明】
11 フィラーチューブ
12 給油口ユニット
13 シャッター
14 軸
15 スプリング
16 シールリング
17 作動板
18 ベントカットバルブ
19 バルブシャフト
20 レバー
21 軸
22 ノズルガイド穴
23 流体シリンダー
24 ピストン
25 流通路
26 復帰コイルばね
27 袋状シール部材
28 ノズル
29 オートストップセンサー
Claims (2)
- フィラーチューブ内に挿入される給油ガンのノズルに押されて回動するレバーと、前記レバーの回動により動作するピストンを有する流体シリンダーと、前記流体シリンダー内に通じる流通路を有し、前記ノズルの挿入により前記レバーおよびピストンを介して前記流体シリンダー内の流体が加圧されることにより内径部を中心方向に膨らませて前記挿入されたノズルの外径部に密着する伸縮可能な袋状シール部材とを備えた燃料タンク給油口シール装置。
- ノズル先端が接触するレバーの位置から袋状シール部材の給油口側端部までの距離を、ノズル先端からオートストップセンサーまでの距離以上に設定した請求項1記載の燃料タンク給油口シール装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP195A JP3598140B2 (ja) | 1995-01-04 | 1995-01-04 | 燃料タンク給油口シール装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP195A JP3598140B2 (ja) | 1995-01-04 | 1995-01-04 | 燃料タンク給油口シール装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08183355A JPH08183355A (ja) | 1996-07-16 |
JP3598140B2 true JP3598140B2 (ja) | 2004-12-08 |
Family
ID=11462265
Family Applications (1)
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JP195A Expired - Fee Related JP3598140B2 (ja) | 1995-01-04 | 1995-01-04 | 燃料タンク給油口シール装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3598140B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2011074593A1 (ja) * | 2009-12-17 | 2013-04-25 | 本田技研工業株式会社 | 車両用燃料給油管装置 |
DE102015105916A1 (de) * | 2015-04-17 | 2016-10-20 | Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft | Einfüllstutzen für einen Kraftstofftank und Kraftfahrzeug mit einem derartigen Einfüllstutzen |
CN106015796B (zh) * | 2016-07-19 | 2018-01-26 | 嘉兴通达机械有限公司 | 一种高密封性三通液压接头 |
-
1995
- 1995-01-04 JP JP195A patent/JP3598140B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH08183355A (ja) | 1996-07-16 |
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