JP3594086B2 - 移動体通信における情報多重方法、伝送フォーマット組合せ識別子のデコード方法および装置、移動局装置、基地局装置および移動体通信システム - Google Patents
移動体通信における情報多重方法、伝送フォーマット組合せ識別子のデコード方法および装置、移動局装置、基地局装置および移動体通信システム Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、広帯域符号分割多重通信(W−CDMA;Wideband−Code Division Multiple Access)方式を使用する移動体通信システムにおいて、無線フレームに挿入される伝送フォーマット組合せ識別子(TFCI:Transport Format Combination Indicator)のデコード方法およびデコード装置に関する。
【0002】
また、この発明は、上記デコード方法およびデコード装置を備える移動局装置および基地局装置に関する。
【0003】
さらに、この発明は、上記デコード方法を用いるのに好適となる移動体通信における情報多重方法に関する。
【0004】
【従来の技術】
近年の移動体通信分野では、音声やパケットなどのサービス品質(QoS(Quality of service))の異なる情報を、同一無線フレーム内にマルチプレックス(多重)し、無線回線で伝送する方式がある。このような方式の一つとして3GPP(Third Generation Partnership Project)で検討されているW−CDMA方式がある。
【0005】
図9は、W−CDMA方式において情報多重された状態の一例を示すものであり、無線フレームは、10msec(ミリ秒)とされ、図9のように、各無線フレームに複数個の情報が多重可能である。
【0006】
ここで、W−CDMA方式においては、多重される複数の情報のそれぞれについて、デコードが可能な最短データ時間長である伝送時間間隔(TTI(Transmission Time Interval)、以下、この明細書では、この伝送時間間隔をTTIと記す)は、予め定められている4種類の中から選択して設定可能である。選択できるTTIは、10msec,20msec,40msec,80msecの4種類である。図9の例では、情報AのTTIは10msecであり、情報BのTTIは20msecであり、情報CのTTIは10msecの場合である。
【0007】
そして、各情報のTTI内におけるデータ数(以下、TTI内におけるデータ数をTTI内データ長という)は、それぞれ任意に設定可能である。すなわち、W−CDMA方式では、同じ無線フレーム内であっても、多重される複数の情報で、TTI内データ長を異ならせることができる。これにより、QoSの異なる情報を多重伝送することができることになる。
【0008】
W−CDMA方式においては、このようにTTI内データ長が異なる情報を多重して伝送するので、それらの多重情報のそれぞれについてのTTI内データ長の情報を、受信側に伝達する必要がある。そこで、W−CDMA方式では、多重する複数の情報のTTI内データ長の組合せを示す情報として、伝送フォーマット組合せ識別子(TFCI(Transport Format Combination Indicator);以下、伝送フォーマット組合せ識別子を、TFCIと記す)を、図10に示すように、無線フレームに挿入して伝送している。
【0009】
すなわち、図10に示すように、1フレームは、15個のスロットにより構成され、各スロットに多重情報とTFCIとが挿入されている。
【0010】
TFCIにおいては、各情報のTTI内データ長は、各情報の伝送フォーマットの値(通常は、伝送フォーマットの番号)により示される。そして、多重される複数の情報の伝送フォーマットの値の組合せに対して、TFCIの値が定められる。
【0011】
例えば、QoSの異なる2つの情報(情報1と情報2)がマルチプレックスされている場合の、それぞれの情報のTTI内データ長を示す伝送フォーマットの値(以下、この伝送フォーマットの値をTF(Transport Format)値という)と、TFCI値とのマッピングテーブルの例を図11に示す。TF1,TF2は、それぞれ、情報1、情報2のTF値であり、ここでは、TF1は、情報1が64種のTTI内データ長を持つことを示しており、TF2は、情報2が4種のTTI内データ長を持つことを示している。
【0012】
各情報の伝送フォーマットの値TF1,TF2が、どのようなTTI内データ長であるかは、制御チャンネルにより、図11のマッピングテーブルと共に、別途、受信側に知らされる。各情報のTF値と、TTI内データ長との対応テーブルの例を、情報1、情報2の伝送フォーマットの値TF1,TF2と、TTI内データ長の場合として、図12に示す。
【0013】
以上のことから、W―CDMA方式の受信側では、受信データからTFCIを抽出し、その抽出したTFCIを、TFCIデコーダによりデコードして、TFCI値を得れば、制御チャンネルにより事前に取得しているTFCIとTF値との対応テーブルから、各情報のTF値を算出することができる。そして、各情報のTF値とTTI内データ長との対応テーブルから、算出した各情報のTF値に対応するTTI内データ長を算出することができる。これにより、受信した多重データを、情報1と情報2に分割し、それぞれのデータデコードが可能となる。
【0014】
W―CDMA方式においては、TFCIは10ビットの情報とされており、多重する複数の情報について、1024通りのTF値の組合せを示すことができる。なお、多重する複数の情報についてのTF値の組合せの数を10ビット以下で表わすことが可能な場合には、TFCIは、MSB(Most significant bit;最上位ビット)側に「0」を挿入して10ビットにする。
【0015】
そして、TFCIは、誤り訂正のために送信側でエンコードされるようにされているが、3GPP規格におけるTFCIビットのエンコード方法は以下のようになっている。
【0016】
エンコーダに入力されるTFCIの10ビットの情報ビットを、a9, a8, a7, a6, a5, a4, a3, a2, a1, a0(ここで、a9はMSB、a0はLSB(Least significant bit;最下位ビット))とすると、エンコーダの出力のコードワードbi(i= 0,・・・, 31)は、図13の式(1)で求められる。ここで、式(1)のMi,nは、図14の表で与えられる係数である。
【0017】
3GPP規格においては、図9に示した1無線フレーム内に与えられるTFCIのフィールドは30ビットとされており、コードワードbiの32ビットの内、b30, b31を削除(パンクチャー(puncture)処理)して、30ビットにした後に、図9に示した無線フレームのTFCIフィールドに挿入する。そして、その後、図9に示した無線フレームのデータをQPSK変調し、さらにスペクトラム拡散変調して伝送する。
【0018】
以上のような無線フレームのデータは、基地局あるいは移動局(移動端末)において受信され、まず、TFCIコードワードが、TFCIフィールドから抽出され、次のようにしてデコードされる。そして、デコード結果のTFCIの値から、事前に制御チャンネルにより送られてきている前記テーブルを参照することにより、多重されている複数の情報のそれぞれについてのTTI内データ長を検出し、その検出結果に基づき、多重されている複数の情報のそれぞれを分離して、デコードする。
【0019】
図15は、TFCIコードワードのデコード部の構成例を示すもので、受信信号について逆拡散後、無線フレームに挿入されていたTFCIコードワードを集め、デ・パンクチャー処理部1に入力する。デ・パンクチャー処理部1では、入力された30ビットのTFCIコードワードの最後に0を2つ挿入することにより、32ビットにする処理を行なう。2ビット分の0を挿入後のTFCIコードワードを、Ri(i=0, 1,・・・, 31)とする。
【0020】
この32ビットのTFCIコードワードRiは、デ・マスク処理部2に供給される。デ・マスク処理部2では、前述の図14に示した係数Mi,nのうちのMi,6〜Mi,9によるマスク処理に対応するデ・マスク処理を行なう。すなわち、係数Mi,nのうちのMi,6〜Mi,9は、マスクコードであり、デ・マスク処理部2にて、このマスクコードMi,6〜Mi,9によるマスクを外す処理を行なう。具体的には以下の▲1▼、▲2▼の手順で処理を行なう。
【0021】
▲1▼マスクコードMi,6〜Mi,9に対応するTFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)の候補となり得る値を選ぶ。例えば、TFCIが0から255の値を取り得る場合、このTFCIの値は、8ビットで表現可能であるから、10ビットのTFCIの最上位から2ビットa9,a8は、「0」となっている。また、この場合、a7,a6は、「0」か「1」を取り得るので4通りのパターンがある。
【0022】
▲2▼図13に示す式(2)の計算をし、その計算結果の値EX=「1」ならRiを正負反転し、EX=「0」ならRiはそのままとする。これをi=0,1,・・・, 31全てで行なう。
【0023】
次に、デ・マスク処理部2でマスクが外されたデータに対し、ファースト・アダマール変換部3にて、ファースト・アダマール変換(FHT(Fast Hadamard Transform))を行い、相関値を求める。ファースト・アダマール変換は、マスクを外したデータとアダマール行列との掛け算を効率的に行なう計算法である。
【0024】
上記▲1▼および▲2▼の2つの処理を、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)の候補として、あり得る全てのパターンで行なう。前述のTFCIが0から255の値を取り得る図11の例であれば、ビットa9,a8,a7,a6の候補としては、前述したように4通りのパターンを取り得るので、デ・マスク処理とファースト・アダマール変換処理を、合計4回繰り返す。また、TFCIの値が、512以上であって、10ビットすべてを用いるのであれば、ビットa9,a8,a7,a6の候補としては、16通りのパターンを取り得るので、デ・マスク処理とファースト・アダマール変換処理を、合計16回繰り返す。
【0025】
デ・マスク処理とファースト・アダマール変換処理の、前述した複数回の処理結果の全ては、相関演算部4に供給される。この相関演算部4では、前述の複数回のファースト・アダマール変換部4の出力であるすべての相関値の絶対値を比較し、その最大値を検出することで、送信されたTFCI値を求める。
【0026】
こうして、TFCI値が求められると、前述したように、事前に制御チャンネルによって送られてきていた図11に示したようなマッピングテーブルおよび図12に示したテーブルから、多重されている情報のTTI内データ長が判り、多重データをそれぞれの情報に分割し、デコードすることが可能となる。
【0027】
なお、図15の各処理部は、それぞれを独立したハードウエア構成とすることもできるし、また、図15の処理構成の一部またはすべてを、DSP(Digital Signal Processor)により構成することもできる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、TFCIのデコードに当たっては、デ・マスク処理と、ファースト・アダマール変換処理とを、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)の候補として、あり得る全てのパターンの数だけ、繰り返す必要があった。そして、この繰り返しの数は、TFCIのデコード処理の長時間化、消費電力の増大を招いていた。
【0029】
例えば、QoSの異なる2つの情報1と情報2とを多重して伝送する場合において、伝送時間間隔TTIが、情報1では10msec、情報2では20mescとした場合、無線フレームに重畳される情報1と情報2の様子は、図16に示すようなものとなり、情報1の伝送フォーマットの値TF1は10msec毎に変化する可能性があるが、情報2の伝送フォーマットの値TF2は、20msecの期間中変わらない。
【0030】
従来は、無線フレームのTFCIフィールドに挿入されているTFCIのエンコードデータを集め、得られたTFCIのエンコードデータを、独立にデコードするものであるため、図16の例の場合には、10msec毎に、情報1および情報2についてのTFCIデコードを独立に行なう。したがって、伝送時間間隔である20msecの期間中、伝送フォーマットの値TF2が変わらない情報2についても伝送フォーマットの値TF2を求めることになり、デコード処理の時間・消費電流的に無駄が多いという問題があった。
【0031】
この発明は、以上のような問題にかんがみ、TFCIのデコードにおいて、デコード処理の時間・消費電流的な無駄を省き、TFCIのデコード処理時間の短縮化および低消費電力化を実現させることを目的とするものである。
【0032】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、前述した3GPP規格によるW−CDMA方式の場合に当てはめると、
デコードが可能な最短データ時間長である伝送時間間隔(TTI)が、予め定められた複数通りの中からそれぞれ選択された複数の情報を、同一無線フレーム内にマルチプレックスして、無線回線上で多重伝送することが可能であって、前記複数の情報のそれぞれについての前記伝送時間間隔内でのデータ数(TTI内データ長)の組合せを示す伝送フォーマット組合せ識別子(TFCI)を、各無線フレーム内に挿入して伝送する移動体通信において、
前記伝送時間間隔がより長い情報の前記TTI内データ長が変わるとき、前記伝送フォーマット組合せ識別子の上位側のビットが変化するように前記伝送フォーマット組合せ識別子を選定して伝送する
ことを特徴とする移動体通信における情報多重方法を提供する。
【0033】
例えば伝送時間間隔が10msecの情報1と、伝送時間間隔が20msecの情報2とをマルチプレックスしている場合には、情報2のTTI内データ長は、20msecの期間中は変わらずに確定している。
【0034】
上述の構成の請求項1の発明によれば、伝送時間間隔が長い情報についてのTTI内データ長が確定すると、TFCIの値が取り得る範囲が限定されるので、マスクコードが関与するTFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)の候補として取り得るパターンの数が少なくなり、その分だけ、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理の回数を少なくすることができる。
【0035】
また、請求項4の発明は、前述した3GPP規格によるW−CDMA方式の場合に当てはめると、
デコードが可能な最短データ時間長である伝送時間間隔が、予め定められた複数通りの中からそれぞれ選択された複数の情報を、同一無線フレーム内にマルチプレックスして、無線回線上で多重伝送されると共に、前記複数の情報のそれぞれについてのTTI内データ長の組合せを示すTFCIが、各無線フレーム内に挿入されて伝送される移動体通信におけるTFCIのデコード方法であって、
前記複数の情報とは別の回線によって送られてくる、前記複数の情報のそれぞれの前記伝送時間間隔と、前記TFCIと前記複数の情報についての前記TTI内データ長との関係を示す制御情報を受信する制御情報受信工程と、
前記制御情報受信工程で受信した前記制御情報を解析し、前記伝送時間間隔がより長い情報の前記TTI内データ長が変わるとき、前記伝送フォーマット組合せ識別子の上位側のビットが変化するようになっているかどうかを判別する判別工程と、
前記判別工程において、否定的な判別結果が得られたときには、前記無線フレーム内に挿入されている前記TFCIを、前記複数の情報のそれぞれの前記伝送時間間隔毎に、独立してデコードする通常の手法のデコード方法を実行する標準デコード工程と、
前記判別工程において、肯定的な判別結果が得られたときには、前回の前記TFCIのデコードによって確定した、伝送情報間間隔が、より長い情報の前記TTI内データ長から、次にデコードしようとする前記TFCIの候補を限定して、前記TFCIをデコードする高速デコード工程と、
を備えることを特徴とするTFCIデコード方法を提供する。
【0036】
上記の構成の請求項5の発明によれば、前回の前記TFCIのデコードによって確定した、伝送情報間間隔が、より長い情報の前記TTI内データ長から、次にデコードしようとするTFCIの候補が限定される。
【0037】
したがって、高速デコード工程では、TFCIの候補の限定がTFCIの上位4ビットすなわちマスクコードに対応するビットで行われるときには、マスクコードとして変化するビット数を少なくすることができて、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理の回数を少なくすることができる。
【0038】
また、TFCIの候補の限定がTFCIの下位6ビットで行われるときには、ファースト・アダマール変換処理における演算回数を少なくすることができて、TFCI処理が高速になる。
【0039】
【発明の実施の形態】
[情報多重方法の実施の形態]
図1は、この実施の形態により多重された伝送情報を説明するための図である。この例は、QoSが異なる情報1と情報2との2つの情報を多重して、伝送する場合の例である。
【0040】
図1(A)は、フレームナンバーと、情報1および2のデータとの時間関係を示すもので、この例では、情報1の伝送時間間隔(TTI)は10msec、情報2のTTIは20msecであって、図16に示したものと同じである。なお、多重される情報が取り得るTTIは、10msec、20msec、40msec、80msecの4種類であることは、前述した通りである。
【0041】
図1(B)は、この実施の形態における情報1および情報2のTF値であるTF1およびTF2と、TFCIの値との対応マッピングテーブルの例を示すものである。ここでは、TF1は「0」〜「63」のうちのいずれかの値を取り得るとされる。したがって、情報1は64種のTTI内データ長を持つ。また、TF2は「0」〜「3」のうちのいずれかの値を取り得るものとされる。したがって、情報2は4種のTTI内データ長を持つ。
【0042】
そして、この実施の形態では、TFCIの値に対する、伝送フォーマットの値TF1、TF2の組合せに対応させるマッピングは、図1(B)に示すように、TTIが長い情報のTTI内データ長が確定すると、TFCIの値の範囲が限定されるように行なう。
【0043】
図1(B)の例では、情報1の伝送フォーマットの値TF1が取り得る値のすべて、つまり、「0」〜「63」に対して、情報2の伝送フォーマットの値TF2の一つを、それぞれ対応させる。したがって、情報2の伝送フォーマットの値TF2が「0」のときには、TFCIの値は、「0」〜「63」の範囲となり、また、値TF2が「1」のときには、TFCIの値は、「64」〜「127」の範囲となり、また、値TF2が「2」のときには、TFCIの値は、「128」〜「191」の範囲となり、値TF2が「3」のときには、TFCIの値は、「192」〜「255」の範囲となる。
【0044】
このようにしたときには、伝送時間間隔が長い方の情報の伝送フォーマットの値TF2が変化するときには、TFCIの上位側のビットが変化するようになっている。
【0045】
このようにマッピングして、TFCIを無線フレームに挿入してデータ伝送すれば、後述もするように、受信側では、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理の回数を少なくすることができる。
【0046】
図1の例の場合には、TFCIの値は「0」〜「255」であり、8ビットが有効ビットであるので、TFCIのデコードの際に、マスクコードが関与するTFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)の候補として取り得るパターンの数は、a7,a6のビットが有効ビットで、a9,a8のビットは「0」であるので、4パターンとなる。
【0047】
したがって、従来のように独立にTFCIのデコードを行なう場合には、1フレーム毎に、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理を、4回ずつ行なうことになる。
【0048】
これに対して、この実施の形態によれば、次のようにして、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理の回数を低減することができる。
【0049】
すなわち、まず、フレームナンバー「0」において、TFCIを通常のようにデコードして、各情報1および情報2についてのTF値であるTF1およびTF2を得る。次のフレームナンバー「1」においては、情報2については、TF値TF2は、変化しない。
【0050】
そこで、フレームナンバー「1」における情報1についてのTF値を検出するためのTFCIのデコードに際しては、フレームナンバー「0」において検出して確定した情報2のTF値TF2から、TFCIの値の範囲を限定することができる。
【0051】
例えば、フレームナンバー「0」において検出し、確定したTF2の値は、「0」であったとする。すると、TFCIの値の範囲は、「0」〜「63」に限定される。この範囲では、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)が取り得るパターンは、(0,0,0,0)のみの1パターンとなり、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理は、1回でよい。
【0052】
また、フレームナンバー「0」において検出し、確定したTF2の値は、「1」であったとすると、TFCIの値の範囲は、「64」〜「127」に限定される。この範囲では、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)が取り得るパターンは、(0,0,0,1)のみの1パターンとなり、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理は、1回でよい。
【0053】
また、フレームナンバー「0」において検出し、確定したTF2の値は、「2」であったとすると、TFCIの値の範囲は、「128」〜「191」に限定される。この範囲では、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)が取り得るパターンは、(0,0,1,0)のみの1パターンとなり、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理は、1回でよい。
【0054】
さらに、フレームナンバー「0」において検出し、確定したTF2の値は、「3」であったとすると、TFCIの値の範囲は、「192」〜「255」に限定される。この範囲では、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)が取り得るパターンは、(0,0,1,1)のみの1パターンとなり、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理は、1回でよい。
【0055】
以上説明したように、TFCIの値を、上述の実施の形態のように選定して、複数の情報を多重して伝送することにより、受信側では、TFCIのデコード処理時間の短縮化および低消費電力化を実現させることができる。
【0056】
なお、以上の実施の形態では、上述のように、TFCIのデコードを行なう際におけるデ・マスク処理と、ファースト・アダマール変換の繰り返し処理回数を減らすことで、TFCIのデコード処理時間の短縮化および低消費電力化を実現させた。
【0057】
しかし、TFCIの値が、マスクコードMi,6〜Mi,9に対応するTFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)に関わらないような場合であっても、上述の図1のようなマッピングをすれば、TFCIの候補を制限することができるので、ファースト・アダマール変換処理における演算回数(加算・減算の回数)を減らすことができるので、その分だけ、TFCIの値のデコードを高速化することができる。
【0058】
例えば、ファースト・アダマール変換での演算回数は、5ビットの場合には約160、4ビットの場合には約80、3ビットの場合には約48、2ビットの場合には約36、1ビットの場合には約32となるので、上述の図1のようなマッピングをすることにより、TFCIの候補が制限されて、TFCI候補のビット数が少なくなれば、ファースト・アダマール変換での演算回数が減り、その分だけ、TFCIデコード処理速度が高速になるものである。また、相関値を比較する回数も、ファースト・アダマール変換での演算回数が減った分だけ、減るので、それによっても、高速化になる。
【0059】
図1の例は、情報1が取り得る伝送フォーマットの値の種類が、64というように、2のべき乗個としたので、伝送時間間隔が長い方の情報2の変化は、ビットの区切りに一致する。そのため、TFCIのデコードの際には、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理の回数は、上述のように、1回にすることができた。
【0060】
しかし、この発明においては、伝送時間間隔が短い方の情報1が取り得る伝送フォーマットの値の種類は、必ずしも、2のべき乗個ではなくとも、TFCIのデコードの際に、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理の回数を減らすことができる。
【0061】
図2は、その場合における多重された伝送情報を説明するための図である。この図2の例は、図2(A)に示すように、図1の例と同様の伝送時間間隔を有する2個の情報1および情報2を多重する場合である。
【0062】
図2(B)は、2個の情報1および情報2の伝送フォーマットの値TF1およびTF2と、TFCIの値との対応マッピングテーブルの例を示すものである。この図2の例では、TF1は「0」〜「39」のうちのいずれかの値を取り得るとされる。したがって、情報1は40種のTTI内データ長を持つ。また、TF2は「0」〜「3」のうちのいずれかの値を取り得るものとされる。したがって、情報2は4種のTTI内データ長を持つ。
【0063】
図2の例の場合には、TFCIの値は「0」〜「159」であり、8ビットが有効ビットであり、TFCIのデコードの際に、マスクコードが関与するTFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)の候補として取り得るパターンの数は、(0,0,0,0)、(0,0,0,1)および(0,0,1,0)の、3パターンとなる。したがって、従来のように独立にTFCIのデコードを行なう場合には、1フレーム毎に、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理を、3回ずつ行なうことになる。
【0064】
これに対して、この実施の形態によれば、次のようにして、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理の回数を2回以下に低減することができる。
【0065】
すなわち、まず、フレームナンバー「0」において、TFCIを通常のようにデコードして、各情報1および情報2についての伝送フォーマットの値TF1およびTF2を得る。次のフレームナンバー「1」においては、情報2については、伝送フォーマットの値TF2は、変化しない。
【0066】
そこで、フレームナンバー「1」における情報1についての伝送フォーマットの値を検出するためのTFCIのデコードに際しては、フレームナンバー「0」において検出して確定したTF2の値から、TFCIの値の範囲を限定することができる。
【0067】
例えば、フレームナンバー「0」において検出し、確定したTF2の値は、「0」であったとする。すると、TFCIの値の範囲は、「0」〜「39」に限定される。この範囲では、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)が取り得るパターンは、(0,0,0,0)のみの1パターンとなり、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理は、1回でよい。
【0068】
また、フレームナンバー「0」において検出し、確定したTF2の値は、「1」であったとすると、TFCIの値の範囲は、「40」〜「79」に限定される。この範囲では、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)が取り得るパターンは、(0,0,0,0)と(0,0,0,1)との2パターンとなり、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理は、2回でよい。
【0069】
また、フレームナンバー「0」において検出し、確定したTF2の値は、「2」であったとすると、TFCIの値の範囲は、「80」〜「119」に限定される。この範囲では、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)が取り得るパターンは、(0,0,0,1)のみの1パターンとなり、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理は、1回でよい。
【0070】
さらに、フレームナンバー「0」において検出し、確定したTF2の値は、「3」であったとすると、TFCIの値の範囲は、「120」〜「159」に限定される。この範囲では、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)が取り得るパターンは、(0,0,0,1)と(0,0,1,0)との2パターンとなり、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理は、2回でよい。
【0071】
以上の実施の形態は、多重する情報の数が2個の場合であったが、3個以上の場合にも、この発明は適用可能である。その場合にも、伝送時間間隔が長い方の情報の伝送フォーマットの値TFが変わると、TFCIの上位ビットが変わるようにすることにより、TFCIのデコード処理時間の短縮化および低消費電力化を実現させることができる。
【0072】
伝送時間間隔(TTI)の短い順に、N個(Nは2以上の整数)の情報を並べ、それぞれの情報の伝送フォーマットの値の個数を、K0,K1,・・・,KN−1とし、それぞれの情報のTF値を、TF0,TF1,・・・,TFN−1とすると、TFCIの値は、図13の式(3)により求めることができる。なお、この式(3)における括弧内のΠKiなる演算は、Kiの累積的な乗算を意味するものである。
【0073】
例えば、多重する情報が、情報0、情報1、情報2の3個であり、
・情報0のTTIは10msec、伝送フォーマットの値の数は10個、
・情報1のTTIは20msec、伝送フォーマットの値の数は5個、
・情報2のTTIは20msec、伝送フォーマットの値の数は4個、
とした場合の、TFCIの値との対応マッピングテーブルの例を、図3に示す。
【0074】
この図3から分かるように、TTIの長い情報2の伝送フォーマットの値TF2が確定し、また、情報1の伝送フォーマットの値TF1が確定すると、TFCIの値の範囲が限定される。例えば、TF2が「0」、TF1が「0」であれば、TFCIの値の範囲は、「0」〜「9」となり、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)が取り得るパターンは、(0,0,0,0)のみの1パターンとなり、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理は、1回でよい。
【0075】
なお、前述もしたように、図1(A),(B)、図2(A),(B)、図3(A),(B)のテーブルの情報と、多重情報のそれぞれのTTIは、制御チャンネルにより、データの伝送に先立ち受信側に送られる。
【0076】
[TFCIデコード方法および装置の実施の形態]
TFCIデコード装置を説明する前に、当該TFCIデコード装置が搭載される移動局装置としての携帯電話端末の構成例を、図4に示す。
【0077】
アンテナ11にて受信された信号は、デュプレクサ12を通じて受信部13に供給される。受信部13では、スペクトル拡散されている信号が逆スペクトル拡散されると共に、QPSK復調される。そして、復調されたデータは、DSP(Digital Signal Processor)15に供給されて、後で詳述するようにデコードされる。
【0078】
デコードされたデータのうちの、制御チャンネルで送られてきた制御データは、制御部100に送られる。また、デコードされたデータのうち、音声信号は、DSP15からスピーカ16に供給されて、放音される。
【0079】
また、マイクロホン17からの音声信号は、DSP15に供給され、前述した図9に示したようなフォーマットのフレーム単位の信号に変換され、DSP15から送信部14に供給される。送信部では、QPSK変調およびスペクトラム拡散変調処理を行ない、デュプレクサ12を通じてアンテナ11に信号を送る。また、制御部100からの制御データは、DSP15を通じて、同様にして、処理され、制御チャンネルを通じて基地局に送られる。
【0080】
制御部100はCPUで構成され、この制御部100に対しては、操作部101と、プログラムが格納されているROM102と、ワークエリア用のRAM103と、LCDからなる表示部104が接続されている。
【0081】
操作部101は、ダイヤル数字キー、オンフックキー、オフフックキー、カーソルキーなどを含み、そのキー操作に応じて、制御部100は、受信、送信、その他の機能を切り換え制御する。
【0082】
受信データデコード処理部は、この例では、DSP15の内部に含まれている。図5は、受信データデコード処理部の構成を、処理機能をブロック化して示したものである。
【0083】
図5の例の受信データデコード処理部は、受信信号からデータと、TFCIとを分離するデータ/TFCI分離部21と、このデータ/TFCI分離部21からのデータを受けて、当該データのデコード処理を行なうデータデコード部22と、データ/TFCI分離部21からのTFCIを受けて、当該TFCIのデコードを行なうTFCIデコード部23と、データデコード部22でデコードされたデータについての誤り検出を行なう誤り検出部24と、TFCIデコード部23を制御する制御部25とから構成される。
【0084】
データ/TFCI分離部21は、受信データをデータ部分と、TFCIの部分とに分け、データ部分は、データデコード部22に供給し、TFCIは、TFCIデコード部23に供給する。
【0085】
データデコード部22は、TFCIデコード部23からの多重されている複数の情報のそれぞれについてのTTI内データ長の値と、伝送時間間隔の値に基づき、各情報のデコードを行なう。そして、データデコード部22は、デコードした情報を誤り検出部24に供給する。
【0086】
誤り検出部24は、データデコード部22からのデータについての誤り検出を行い、その検出結果を制御部25に通知する。データに誤りが検出されなかったときには、データを出力する。
【0087】
制御部25は、多重情報に先立ち、制御チャンネルを通じて送られてくる制御情報を解析し、多重されてくる複数の情報のそれぞれの伝送時間間隔を検知し、TFCIデコード部23に通知すると共に、前記制御情報からTFCIの値と各情報のTF値との対応テーブル、各情報についてのTF値とTTI内データ長との対応テーブルの情報を検知し、TFCIデコードに必要な情報や制御信号を、TFCIデコード部23に送り、TFCIデコード動作を制御する。
【0088】
また、制御部25は、誤り検出部24からの誤り検出結果の通知を受けて、TFCIデコード部23で求めたTFCI値が正しいものであるかどうかの判別を行い、誤り検出部24でデータに誤りが検出されなかったときには、TFCIデコード部23でのデコード結果のTFCI値を確定するように、TFCIデコード部23を制御する。
【0089】
TFCIデコード部24は、上述したように制御部25の制御を受けながら、TFCIのデコード処理を実行し、各情報についてのTF値を求め、TTI内データ長を求めて、データデコードのために、伝送時間間隔の情報と共に、データデコード部22に送る。
【0090】
次に、図5の受信データデコード処理部の動作を、図6および図7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0091】
まず、制御チャンネルを通じて送られてくる制御情報を受信する(ステップS101)。受信した制御情報の中には、TFCIと複数の情報のTF値とのマッピングテーブルの情報、複数の情報のそれぞれのTF値とTTI内データ長とのマッピングテーブルの情報、および複数の情報のそれぞれの伝送時間間隔が含まれる。
【0092】
次に、受信した制御情報を解析する(ステップS102)。この解析においては、多重されて伝送されてくる複数の情報のそれぞれの伝送時間間隔を検知すると共に、TFCIの値と各情報のTF値との対応テーブル、各情報についてのTF値とTTI内データ長との対応テーブルの情報を検知し、TFCIの有効ビット数や、TFCIと、多重される複数の情報のTF値とのマッピング態様などが検知される。
【0093】
そこで、制御部25では、TFCIの有効ビット数は、マスクコードが関与するような7ビット以上であるか否か判別する(ステップS103)。前述したように、TFCIの有効ビット数が7ビット未満で、マスクコードが関与しない場合には、TFCIのデコードの際に、マスクコードとしての上位4ビット(a9,a8,a7,a6)の候補として取り得るパターンの数は、(0,0,0,0)の1パターンのみであるので、従前の通りの標準デコード処理をする(ステップS107)。そして、データの受信が終了するまでこの標準デコード処理を実行し、データを最後まで受信したと判別したときには(ステップS108)、この受信デコード処理ルーチンを終了する。
【0094】
また、ステップS103で、TFCIの有効ビット数が7ビット以上であると判別したときには、ステップS102での解析結果に基づいて、TFCIが図1、図2、図3の例のようなマッピングにより作成されていて、前述のようにデ・マスク処理と、ファースト・アダマール変換の繰り返し処理回数を減らすことで高速のデコードが可能な状態になっているか否か判別する(ステップS104)。
【0095】
送信側で、TFCIの有効ビットが7ビット以上のときには、必ず、前述のような高速デコードが可能なようにTFCIのマッピングを行なうようにするのであれば、ステップS104の判別は不要である。
【0096】
ステップS104で、高速デコード可能なTFCIのマッピング態様でないと判別したときには、ステップS107に進み、前述したように従来と同様の標準デコード処理を行なう。
【0097】
また、ステップS104で、高速デコード可能なTFCIのマッピング態様になっていると判別したときには、前述したように、伝送時間間隔が長い方の情報の確定したTF値によりTFCIの値の取り得る範囲を限定することにより、デ・マスク処理と、ファースト・アダマール変換の繰り返し処理回数を減らすことで、高速化したTFCIデコード処理を行なう(ステップS105)。
【0098】
そして、データの受信が終了するまでこの高速デコード処理を実行し、データを最後まで受信したと判別したときには(ステップS106)、この受信デコード処理ルーチンを終了する。
【0099】
次に、ステップS105の高速デコード処理動作について、図7のフローチャートを参照しながら説明する。ここでは、例えば図1に示したような2つの情報(情報1,2)をマルチプレックスしていることを想定する。
【0100】
まず、TFCI候補の初期化を行なう。例えば図1(B)の場合であれば、TFCIは、「0」〜「255」の範囲の値として初期化を行なう(ステップS201)。次に、多重情報およびTFCIを受信する(ステップS202)。次に、TFCIデコード部23は、制御部25からのTFCI候補情報を利用して、TFCIデコードを行なう(ステップS203)。最初のフレームの場合は、TFCIの候補は「0」から「255」であり、その他のフレームの場合には、TFCI候補は、後述するように、より限定され得る。
【0101】
次に、データデコード部22は、TFCIデコード結果を利用して、終端した情報をデコードする(ステップS204)。ここで、「終端した」とは、各情報について、その伝送時間間隔の最後のデータまでのすべてが受信された状態を指す。図1の例の場合であれば、このステップS204のデータデコード処理においては、0フレームを含む偶数フレームでは、情報1が処理対象に、奇数フレームでは、情報2が処理対象になる。
【0102】
次に、誤り検出部24での誤り検出の結果に誤りがあるかどうか、あるいは多重情報のすべての情報が終端したか否か判別し(ステップS205)、誤りがあると判別したとき、あるいは多重情報のすべての情報が終端したと判別したときには、TFCI候補を初期化する(ステップS206)。
【0103】
また、ステップS205で、誤りがない、あるいは、多重情報の一部の情報は終端していないと判別したときには、終端していない情報の確定したTF値から、TFCI候補、つまり、TFCIの値の取り得る範囲を、前述したようにして限定する(ステップS207)。
【0104】
そして、ステップS206またはステップS207の後には、ステップS208に進み、すべてのデータの受信が完了しているか否かの判別を行い、すべてのデータの受信が完了しているときには、この処理ルーチンを終了し、また、すべてのデータの受信が完了していないときには、ステップS202に戻り、次のフレームのデータデコードを行なう。
【0105】
このとき、前述した限定されたTFCI候補がステップS203で用いられてデコードが行われることで、前述したように、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理回数が、標準デコードの場合に比べて少なくなり、高速デコードができる。
【0106】
なお、図6および図7の処理例は、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理回数を、標準デコードの場合に比べて少なくすることにより、TFCIデコード処理の高速化を図るようにしたため、TFCIの値が7ビット以上である場合に、高速デコード処理をするようにした。
【0107】
しかし、前述もしたように、この発明によればTFCI候補の制限により、ファースト・アダマール変換処理における演算回数を減らすこともできるので、TFCIの値が7ビット以下の場合にも、高速デコード処理を行なうようにすることができる。その場合には、図6において、ステップS103は省略される。
【0108】
なお、図1、図2および図3に示したマッピングの例においては、伝送時間間隔TTIが長い情報ほど、TF値の種類数を少なくしたが、これに限定されるものではなく、伝送時間間隔TTIが長い情報の方が、TF値の種類数が多い場合であってもよい。例えば、図9に示すような場合を例に説明する。
【0109】
図9(A)に示すように、この例では、図1の例と同様に、情報1のTTIは10msecであり、情報2のTTIは20msecである。しかし、情報1および情報2のTF値であるTF1およびTF2と、TFCIの値との対応マッピングテーブルは、図9(B)に示すようなものとされ、TF1は「0」〜「3」のうちのいずれかの値を取り得るとされ、TF2は「0」〜「63」のうちのいずれかの値を取り得るとされている。
【0110】
この場合において、例えばフレームナンバー「0」でTFCIの値が「5」となったときには、TF2(TTI=20msec)は、「1」となるので、次のフレームでのTFCI候補は、「4」、「5」、「6」、「7」となり、TFCIの値の範囲が限定されるのである。
【0111】
なお、上述の説明は、2つの情報をマルチプレックスしている場合についてのものであるが、3つ以上の情報をマルチプレックスしている場合で、複数の情報が終端した場合、一つでも誤りであれば初期化、全ての情報で誤りがあれば初期化、誤る情報が50%以上なら初期化、誤りのあるなしに関係なく初期化しない、誤りのあるなしに関係なく初期化するなどいろいろな判定方法が考えられる。
【0112】
なお、上述の受信側の例は、移動局装置である携帯電話端末であるが、基地局装置におけるTFCIデコードに、この発明は適用できることは勿論である。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、TFCIのデコードにおいて、デコード処理を高速化することができ、低消費電力化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による移動体通信における情報多重方法の実施の形態を説明するための図である。
【図2】この発明による移動体通信における情報多重方法の実施の形態を説明するための図である。
【図3】この発明による移動体通信における情報多重方法の実施の形態を説明するための図である。
【図4】この発明による移動局装置の例としての携帯情報端末の構成を示すブロック図である。
【図5】図4の一部の構成例を示す機能ブロック図である。
【図6】図4の例の携帯情報端末での受信データのデコード処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】この発明によるTFCIデコード方法の例を含む受信データのデコード処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】この発明による移動体通信における情報多重方法の他の実施の形態を説明するための図である。
【図9】3GPP規格のW−CDMA方式における多重情報を説明するため図である。
【図10】3GPP規格のW−CDMA方式における伝送データを説明するための図である。
【図11】TFCIと多重情報のそれぞれのTF値とのマッピングテーブルの例を示す図である。
【図12】多重情報のそれぞれのTF値と、TTI内データ長とのマッピングテーブルの例を示す図である。
【図13】この発明の説明に用いる数式を示す図である。
【図14】TFCIのエンコードに用いる係数Mi,nを説明するための図である。
【図15】TFCIデコーダの構成例を示す図である。
【図16】3GPP規格のW−CDMA方式における多重情報を説明するための図である。
【符号の説明】
2…デ・マスク処理部、3…ファースト・アダマール変換部、4…相関値判定部、21…データ/TFCI分離部、22…データデコード部、23…TFCIデコード部、24…誤り検出部、25…制御部
【発明の属する技術分野】
この発明は、広帯域符号分割多重通信(W−CDMA;Wideband−Code Division Multiple Access)方式を使用する移動体通信システムにおいて、無線フレームに挿入される伝送フォーマット組合せ識別子(TFCI:Transport Format Combination Indicator)のデコード方法およびデコード装置に関する。
【0002】
また、この発明は、上記デコード方法およびデコード装置を備える移動局装置および基地局装置に関する。
【0003】
さらに、この発明は、上記デコード方法を用いるのに好適となる移動体通信における情報多重方法に関する。
【0004】
【従来の技術】
近年の移動体通信分野では、音声やパケットなどのサービス品質(QoS(Quality of service))の異なる情報を、同一無線フレーム内にマルチプレックス(多重)し、無線回線で伝送する方式がある。このような方式の一つとして3GPP(Third Generation Partnership Project)で検討されているW−CDMA方式がある。
【0005】
図9は、W−CDMA方式において情報多重された状態の一例を示すものであり、無線フレームは、10msec(ミリ秒)とされ、図9のように、各無線フレームに複数個の情報が多重可能である。
【0006】
ここで、W−CDMA方式においては、多重される複数の情報のそれぞれについて、デコードが可能な最短データ時間長である伝送時間間隔(TTI(Transmission Time Interval)、以下、この明細書では、この伝送時間間隔をTTIと記す)は、予め定められている4種類の中から選択して設定可能である。選択できるTTIは、10msec,20msec,40msec,80msecの4種類である。図9の例では、情報AのTTIは10msecであり、情報BのTTIは20msecであり、情報CのTTIは10msecの場合である。
【0007】
そして、各情報のTTI内におけるデータ数(以下、TTI内におけるデータ数をTTI内データ長という)は、それぞれ任意に設定可能である。すなわち、W−CDMA方式では、同じ無線フレーム内であっても、多重される複数の情報で、TTI内データ長を異ならせることができる。これにより、QoSの異なる情報を多重伝送することができることになる。
【0008】
W−CDMA方式においては、このようにTTI内データ長が異なる情報を多重して伝送するので、それらの多重情報のそれぞれについてのTTI内データ長の情報を、受信側に伝達する必要がある。そこで、W−CDMA方式では、多重する複数の情報のTTI内データ長の組合せを示す情報として、伝送フォーマット組合せ識別子(TFCI(Transport Format Combination Indicator);以下、伝送フォーマット組合せ識別子を、TFCIと記す)を、図10に示すように、無線フレームに挿入して伝送している。
【0009】
すなわち、図10に示すように、1フレームは、15個のスロットにより構成され、各スロットに多重情報とTFCIとが挿入されている。
【0010】
TFCIにおいては、各情報のTTI内データ長は、各情報の伝送フォーマットの値(通常は、伝送フォーマットの番号)により示される。そして、多重される複数の情報の伝送フォーマットの値の組合せに対して、TFCIの値が定められる。
【0011】
例えば、QoSの異なる2つの情報(情報1と情報2)がマルチプレックスされている場合の、それぞれの情報のTTI内データ長を示す伝送フォーマットの値(以下、この伝送フォーマットの値をTF(Transport Format)値という)と、TFCI値とのマッピングテーブルの例を図11に示す。TF1,TF2は、それぞれ、情報1、情報2のTF値であり、ここでは、TF1は、情報1が64種のTTI内データ長を持つことを示しており、TF2は、情報2が4種のTTI内データ長を持つことを示している。
【0012】
各情報の伝送フォーマットの値TF1,TF2が、どのようなTTI内データ長であるかは、制御チャンネルにより、図11のマッピングテーブルと共に、別途、受信側に知らされる。各情報のTF値と、TTI内データ長との対応テーブルの例を、情報1、情報2の伝送フォーマットの値TF1,TF2と、TTI内データ長の場合として、図12に示す。
【0013】
以上のことから、W―CDMA方式の受信側では、受信データからTFCIを抽出し、その抽出したTFCIを、TFCIデコーダによりデコードして、TFCI値を得れば、制御チャンネルにより事前に取得しているTFCIとTF値との対応テーブルから、各情報のTF値を算出することができる。そして、各情報のTF値とTTI内データ長との対応テーブルから、算出した各情報のTF値に対応するTTI内データ長を算出することができる。これにより、受信した多重データを、情報1と情報2に分割し、それぞれのデータデコードが可能となる。
【0014】
W―CDMA方式においては、TFCIは10ビットの情報とされており、多重する複数の情報について、1024通りのTF値の組合せを示すことができる。なお、多重する複数の情報についてのTF値の組合せの数を10ビット以下で表わすことが可能な場合には、TFCIは、MSB(Most significant bit;最上位ビット)側に「0」を挿入して10ビットにする。
【0015】
そして、TFCIは、誤り訂正のために送信側でエンコードされるようにされているが、3GPP規格におけるTFCIビットのエンコード方法は以下のようになっている。
【0016】
エンコーダに入力されるTFCIの10ビットの情報ビットを、a9, a8, a7, a6, a5, a4, a3, a2, a1, a0(ここで、a9はMSB、a0はLSB(Least significant bit;最下位ビット))とすると、エンコーダの出力のコードワードbi(i= 0,・・・, 31)は、図13の式(1)で求められる。ここで、式(1)のMi,nは、図14の表で与えられる係数である。
【0017】
3GPP規格においては、図9に示した1無線フレーム内に与えられるTFCIのフィールドは30ビットとされており、コードワードbiの32ビットの内、b30, b31を削除(パンクチャー(puncture)処理)して、30ビットにした後に、図9に示した無線フレームのTFCIフィールドに挿入する。そして、その後、図9に示した無線フレームのデータをQPSK変調し、さらにスペクトラム拡散変調して伝送する。
【0018】
以上のような無線フレームのデータは、基地局あるいは移動局(移動端末)において受信され、まず、TFCIコードワードが、TFCIフィールドから抽出され、次のようにしてデコードされる。そして、デコード結果のTFCIの値から、事前に制御チャンネルにより送られてきている前記テーブルを参照することにより、多重されている複数の情報のそれぞれについてのTTI内データ長を検出し、その検出結果に基づき、多重されている複数の情報のそれぞれを分離して、デコードする。
【0019】
図15は、TFCIコードワードのデコード部の構成例を示すもので、受信信号について逆拡散後、無線フレームに挿入されていたTFCIコードワードを集め、デ・パンクチャー処理部1に入力する。デ・パンクチャー処理部1では、入力された30ビットのTFCIコードワードの最後に0を2つ挿入することにより、32ビットにする処理を行なう。2ビット分の0を挿入後のTFCIコードワードを、Ri(i=0, 1,・・・, 31)とする。
【0020】
この32ビットのTFCIコードワードRiは、デ・マスク処理部2に供給される。デ・マスク処理部2では、前述の図14に示した係数Mi,nのうちのMi,6〜Mi,9によるマスク処理に対応するデ・マスク処理を行なう。すなわち、係数Mi,nのうちのMi,6〜Mi,9は、マスクコードであり、デ・マスク処理部2にて、このマスクコードMi,6〜Mi,9によるマスクを外す処理を行なう。具体的には以下の▲1▼、▲2▼の手順で処理を行なう。
【0021】
▲1▼マスクコードMi,6〜Mi,9に対応するTFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)の候補となり得る値を選ぶ。例えば、TFCIが0から255の値を取り得る場合、このTFCIの値は、8ビットで表現可能であるから、10ビットのTFCIの最上位から2ビットa9,a8は、「0」となっている。また、この場合、a7,a6は、「0」か「1」を取り得るので4通りのパターンがある。
【0022】
▲2▼図13に示す式(2)の計算をし、その計算結果の値EX=「1」ならRiを正負反転し、EX=「0」ならRiはそのままとする。これをi=0,1,・・・, 31全てで行なう。
【0023】
次に、デ・マスク処理部2でマスクが外されたデータに対し、ファースト・アダマール変換部3にて、ファースト・アダマール変換(FHT(Fast Hadamard Transform))を行い、相関値を求める。ファースト・アダマール変換は、マスクを外したデータとアダマール行列との掛け算を効率的に行なう計算法である。
【0024】
上記▲1▼および▲2▼の2つの処理を、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)の候補として、あり得る全てのパターンで行なう。前述のTFCIが0から255の値を取り得る図11の例であれば、ビットa9,a8,a7,a6の候補としては、前述したように4通りのパターンを取り得るので、デ・マスク処理とファースト・アダマール変換処理を、合計4回繰り返す。また、TFCIの値が、512以上であって、10ビットすべてを用いるのであれば、ビットa9,a8,a7,a6の候補としては、16通りのパターンを取り得るので、デ・マスク処理とファースト・アダマール変換処理を、合計16回繰り返す。
【0025】
デ・マスク処理とファースト・アダマール変換処理の、前述した複数回の処理結果の全ては、相関演算部4に供給される。この相関演算部4では、前述の複数回のファースト・アダマール変換部4の出力であるすべての相関値の絶対値を比較し、その最大値を検出することで、送信されたTFCI値を求める。
【0026】
こうして、TFCI値が求められると、前述したように、事前に制御チャンネルによって送られてきていた図11に示したようなマッピングテーブルおよび図12に示したテーブルから、多重されている情報のTTI内データ長が判り、多重データをそれぞれの情報に分割し、デコードすることが可能となる。
【0027】
なお、図15の各処理部は、それぞれを独立したハードウエア構成とすることもできるし、また、図15の処理構成の一部またはすべてを、DSP(Digital Signal Processor)により構成することもできる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、TFCIのデコードに当たっては、デ・マスク処理と、ファースト・アダマール変換処理とを、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)の候補として、あり得る全てのパターンの数だけ、繰り返す必要があった。そして、この繰り返しの数は、TFCIのデコード処理の長時間化、消費電力の増大を招いていた。
【0029】
例えば、QoSの異なる2つの情報1と情報2とを多重して伝送する場合において、伝送時間間隔TTIが、情報1では10msec、情報2では20mescとした場合、無線フレームに重畳される情報1と情報2の様子は、図16に示すようなものとなり、情報1の伝送フォーマットの値TF1は10msec毎に変化する可能性があるが、情報2の伝送フォーマットの値TF2は、20msecの期間中変わらない。
【0030】
従来は、無線フレームのTFCIフィールドに挿入されているTFCIのエンコードデータを集め、得られたTFCIのエンコードデータを、独立にデコードするものであるため、図16の例の場合には、10msec毎に、情報1および情報2についてのTFCIデコードを独立に行なう。したがって、伝送時間間隔である20msecの期間中、伝送フォーマットの値TF2が変わらない情報2についても伝送フォーマットの値TF2を求めることになり、デコード処理の時間・消費電流的に無駄が多いという問題があった。
【0031】
この発明は、以上のような問題にかんがみ、TFCIのデコードにおいて、デコード処理の時間・消費電流的な無駄を省き、TFCIのデコード処理時間の短縮化および低消費電力化を実現させることを目的とするものである。
【0032】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、前述した3GPP規格によるW−CDMA方式の場合に当てはめると、
デコードが可能な最短データ時間長である伝送時間間隔(TTI)が、予め定められた複数通りの中からそれぞれ選択された複数の情報を、同一無線フレーム内にマルチプレックスして、無線回線上で多重伝送することが可能であって、前記複数の情報のそれぞれについての前記伝送時間間隔内でのデータ数(TTI内データ長)の組合せを示す伝送フォーマット組合せ識別子(TFCI)を、各無線フレーム内に挿入して伝送する移動体通信において、
前記伝送時間間隔がより長い情報の前記TTI内データ長が変わるとき、前記伝送フォーマット組合せ識別子の上位側のビットが変化するように前記伝送フォーマット組合せ識別子を選定して伝送する
ことを特徴とする移動体通信における情報多重方法を提供する。
【0033】
例えば伝送時間間隔が10msecの情報1と、伝送時間間隔が20msecの情報2とをマルチプレックスしている場合には、情報2のTTI内データ長は、20msecの期間中は変わらずに確定している。
【0034】
上述の構成の請求項1の発明によれば、伝送時間間隔が長い情報についてのTTI内データ長が確定すると、TFCIの値が取り得る範囲が限定されるので、マスクコードが関与するTFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)の候補として取り得るパターンの数が少なくなり、その分だけ、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理の回数を少なくすることができる。
【0035】
また、請求項4の発明は、前述した3GPP規格によるW−CDMA方式の場合に当てはめると、
デコードが可能な最短データ時間長である伝送時間間隔が、予め定められた複数通りの中からそれぞれ選択された複数の情報を、同一無線フレーム内にマルチプレックスして、無線回線上で多重伝送されると共に、前記複数の情報のそれぞれについてのTTI内データ長の組合せを示すTFCIが、各無線フレーム内に挿入されて伝送される移動体通信におけるTFCIのデコード方法であって、
前記複数の情報とは別の回線によって送られてくる、前記複数の情報のそれぞれの前記伝送時間間隔と、前記TFCIと前記複数の情報についての前記TTI内データ長との関係を示す制御情報を受信する制御情報受信工程と、
前記制御情報受信工程で受信した前記制御情報を解析し、前記伝送時間間隔がより長い情報の前記TTI内データ長が変わるとき、前記伝送フォーマット組合せ識別子の上位側のビットが変化するようになっているかどうかを判別する判別工程と、
前記判別工程において、否定的な判別結果が得られたときには、前記無線フレーム内に挿入されている前記TFCIを、前記複数の情報のそれぞれの前記伝送時間間隔毎に、独立してデコードする通常の手法のデコード方法を実行する標準デコード工程と、
前記判別工程において、肯定的な判別結果が得られたときには、前回の前記TFCIのデコードによって確定した、伝送情報間間隔が、より長い情報の前記TTI内データ長から、次にデコードしようとする前記TFCIの候補を限定して、前記TFCIをデコードする高速デコード工程と、
を備えることを特徴とするTFCIデコード方法を提供する。
【0036】
上記の構成の請求項5の発明によれば、前回の前記TFCIのデコードによって確定した、伝送情報間間隔が、より長い情報の前記TTI内データ長から、次にデコードしようとするTFCIの候補が限定される。
【0037】
したがって、高速デコード工程では、TFCIの候補の限定がTFCIの上位4ビットすなわちマスクコードに対応するビットで行われるときには、マスクコードとして変化するビット数を少なくすることができて、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理の回数を少なくすることができる。
【0038】
また、TFCIの候補の限定がTFCIの下位6ビットで行われるときには、ファースト・アダマール変換処理における演算回数を少なくすることができて、TFCI処理が高速になる。
【0039】
【発明の実施の形態】
[情報多重方法の実施の形態]
図1は、この実施の形態により多重された伝送情報を説明するための図である。この例は、QoSが異なる情報1と情報2との2つの情報を多重して、伝送する場合の例である。
【0040】
図1(A)は、フレームナンバーと、情報1および2のデータとの時間関係を示すもので、この例では、情報1の伝送時間間隔(TTI)は10msec、情報2のTTIは20msecであって、図16に示したものと同じである。なお、多重される情報が取り得るTTIは、10msec、20msec、40msec、80msecの4種類であることは、前述した通りである。
【0041】
図1(B)は、この実施の形態における情報1および情報2のTF値であるTF1およびTF2と、TFCIの値との対応マッピングテーブルの例を示すものである。ここでは、TF1は「0」〜「63」のうちのいずれかの値を取り得るとされる。したがって、情報1は64種のTTI内データ長を持つ。また、TF2は「0」〜「3」のうちのいずれかの値を取り得るものとされる。したがって、情報2は4種のTTI内データ長を持つ。
【0042】
そして、この実施の形態では、TFCIの値に対する、伝送フォーマットの値TF1、TF2の組合せに対応させるマッピングは、図1(B)に示すように、TTIが長い情報のTTI内データ長が確定すると、TFCIの値の範囲が限定されるように行なう。
【0043】
図1(B)の例では、情報1の伝送フォーマットの値TF1が取り得る値のすべて、つまり、「0」〜「63」に対して、情報2の伝送フォーマットの値TF2の一つを、それぞれ対応させる。したがって、情報2の伝送フォーマットの値TF2が「0」のときには、TFCIの値は、「0」〜「63」の範囲となり、また、値TF2が「1」のときには、TFCIの値は、「64」〜「127」の範囲となり、また、値TF2が「2」のときには、TFCIの値は、「128」〜「191」の範囲となり、値TF2が「3」のときには、TFCIの値は、「192」〜「255」の範囲となる。
【0044】
このようにしたときには、伝送時間間隔が長い方の情報の伝送フォーマットの値TF2が変化するときには、TFCIの上位側のビットが変化するようになっている。
【0045】
このようにマッピングして、TFCIを無線フレームに挿入してデータ伝送すれば、後述もするように、受信側では、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理の回数を少なくすることができる。
【0046】
図1の例の場合には、TFCIの値は「0」〜「255」であり、8ビットが有効ビットであるので、TFCIのデコードの際に、マスクコードが関与するTFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)の候補として取り得るパターンの数は、a7,a6のビットが有効ビットで、a9,a8のビットは「0」であるので、4パターンとなる。
【0047】
したがって、従来のように独立にTFCIのデコードを行なう場合には、1フレーム毎に、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理を、4回ずつ行なうことになる。
【0048】
これに対して、この実施の形態によれば、次のようにして、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理の回数を低減することができる。
【0049】
すなわち、まず、フレームナンバー「0」において、TFCIを通常のようにデコードして、各情報1および情報2についてのTF値であるTF1およびTF2を得る。次のフレームナンバー「1」においては、情報2については、TF値TF2は、変化しない。
【0050】
そこで、フレームナンバー「1」における情報1についてのTF値を検出するためのTFCIのデコードに際しては、フレームナンバー「0」において検出して確定した情報2のTF値TF2から、TFCIの値の範囲を限定することができる。
【0051】
例えば、フレームナンバー「0」において検出し、確定したTF2の値は、「0」であったとする。すると、TFCIの値の範囲は、「0」〜「63」に限定される。この範囲では、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)が取り得るパターンは、(0,0,0,0)のみの1パターンとなり、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理は、1回でよい。
【0052】
また、フレームナンバー「0」において検出し、確定したTF2の値は、「1」であったとすると、TFCIの値の範囲は、「64」〜「127」に限定される。この範囲では、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)が取り得るパターンは、(0,0,0,1)のみの1パターンとなり、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理は、1回でよい。
【0053】
また、フレームナンバー「0」において検出し、確定したTF2の値は、「2」であったとすると、TFCIの値の範囲は、「128」〜「191」に限定される。この範囲では、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)が取り得るパターンは、(0,0,1,0)のみの1パターンとなり、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理は、1回でよい。
【0054】
さらに、フレームナンバー「0」において検出し、確定したTF2の値は、「3」であったとすると、TFCIの値の範囲は、「192」〜「255」に限定される。この範囲では、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)が取り得るパターンは、(0,0,1,1)のみの1パターンとなり、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理は、1回でよい。
【0055】
以上説明したように、TFCIの値を、上述の実施の形態のように選定して、複数の情報を多重して伝送することにより、受信側では、TFCIのデコード処理時間の短縮化および低消費電力化を実現させることができる。
【0056】
なお、以上の実施の形態では、上述のように、TFCIのデコードを行なう際におけるデ・マスク処理と、ファースト・アダマール変換の繰り返し処理回数を減らすことで、TFCIのデコード処理時間の短縮化および低消費電力化を実現させた。
【0057】
しかし、TFCIの値が、マスクコードMi,6〜Mi,9に対応するTFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)に関わらないような場合であっても、上述の図1のようなマッピングをすれば、TFCIの候補を制限することができるので、ファースト・アダマール変換処理における演算回数(加算・減算の回数)を減らすことができるので、その分だけ、TFCIの値のデコードを高速化することができる。
【0058】
例えば、ファースト・アダマール変換での演算回数は、5ビットの場合には約160、4ビットの場合には約80、3ビットの場合には約48、2ビットの場合には約36、1ビットの場合には約32となるので、上述の図1のようなマッピングをすることにより、TFCIの候補が制限されて、TFCI候補のビット数が少なくなれば、ファースト・アダマール変換での演算回数が減り、その分だけ、TFCIデコード処理速度が高速になるものである。また、相関値を比較する回数も、ファースト・アダマール変換での演算回数が減った分だけ、減るので、それによっても、高速化になる。
【0059】
図1の例は、情報1が取り得る伝送フォーマットの値の種類が、64というように、2のべき乗個としたので、伝送時間間隔が長い方の情報2の変化は、ビットの区切りに一致する。そのため、TFCIのデコードの際には、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理の回数は、上述のように、1回にすることができた。
【0060】
しかし、この発明においては、伝送時間間隔が短い方の情報1が取り得る伝送フォーマットの値の種類は、必ずしも、2のべき乗個ではなくとも、TFCIのデコードの際に、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理の回数を減らすことができる。
【0061】
図2は、その場合における多重された伝送情報を説明するための図である。この図2の例は、図2(A)に示すように、図1の例と同様の伝送時間間隔を有する2個の情報1および情報2を多重する場合である。
【0062】
図2(B)は、2個の情報1および情報2の伝送フォーマットの値TF1およびTF2と、TFCIの値との対応マッピングテーブルの例を示すものである。この図2の例では、TF1は「0」〜「39」のうちのいずれかの値を取り得るとされる。したがって、情報1は40種のTTI内データ長を持つ。また、TF2は「0」〜「3」のうちのいずれかの値を取り得るものとされる。したがって、情報2は4種のTTI内データ長を持つ。
【0063】
図2の例の場合には、TFCIの値は「0」〜「159」であり、8ビットが有効ビットであり、TFCIのデコードの際に、マスクコードが関与するTFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)の候補として取り得るパターンの数は、(0,0,0,0)、(0,0,0,1)および(0,0,1,0)の、3パターンとなる。したがって、従来のように独立にTFCIのデコードを行なう場合には、1フレーム毎に、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理を、3回ずつ行なうことになる。
【0064】
これに対して、この実施の形態によれば、次のようにして、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理の回数を2回以下に低減することができる。
【0065】
すなわち、まず、フレームナンバー「0」において、TFCIを通常のようにデコードして、各情報1および情報2についての伝送フォーマットの値TF1およびTF2を得る。次のフレームナンバー「1」においては、情報2については、伝送フォーマットの値TF2は、変化しない。
【0066】
そこで、フレームナンバー「1」における情報1についての伝送フォーマットの値を検出するためのTFCIのデコードに際しては、フレームナンバー「0」において検出して確定したTF2の値から、TFCIの値の範囲を限定することができる。
【0067】
例えば、フレームナンバー「0」において検出し、確定したTF2の値は、「0」であったとする。すると、TFCIの値の範囲は、「0」〜「39」に限定される。この範囲では、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)が取り得るパターンは、(0,0,0,0)のみの1パターンとなり、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理は、1回でよい。
【0068】
また、フレームナンバー「0」において検出し、確定したTF2の値は、「1」であったとすると、TFCIの値の範囲は、「40」〜「79」に限定される。この範囲では、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)が取り得るパターンは、(0,0,0,0)と(0,0,0,1)との2パターンとなり、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理は、2回でよい。
【0069】
また、フレームナンバー「0」において検出し、確定したTF2の値は、「2」であったとすると、TFCIの値の範囲は、「80」〜「119」に限定される。この範囲では、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)が取り得るパターンは、(0,0,0,1)のみの1パターンとなり、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理は、1回でよい。
【0070】
さらに、フレームナンバー「0」において検出し、確定したTF2の値は、「3」であったとすると、TFCIの値の範囲は、「120」〜「159」に限定される。この範囲では、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)が取り得るパターンは、(0,0,0,1)と(0,0,1,0)との2パターンとなり、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理は、2回でよい。
【0071】
以上の実施の形態は、多重する情報の数が2個の場合であったが、3個以上の場合にも、この発明は適用可能である。その場合にも、伝送時間間隔が長い方の情報の伝送フォーマットの値TFが変わると、TFCIの上位ビットが変わるようにすることにより、TFCIのデコード処理時間の短縮化および低消費電力化を実現させることができる。
【0072】
伝送時間間隔(TTI)の短い順に、N個(Nは2以上の整数)の情報を並べ、それぞれの情報の伝送フォーマットの値の個数を、K0,K1,・・・,KN−1とし、それぞれの情報のTF値を、TF0,TF1,・・・,TFN−1とすると、TFCIの値は、図13の式(3)により求めることができる。なお、この式(3)における括弧内のΠKiなる演算は、Kiの累積的な乗算を意味するものである。
【0073】
例えば、多重する情報が、情報0、情報1、情報2の3個であり、
・情報0のTTIは10msec、伝送フォーマットの値の数は10個、
・情報1のTTIは20msec、伝送フォーマットの値の数は5個、
・情報2のTTIは20msec、伝送フォーマットの値の数は4個、
とした場合の、TFCIの値との対応マッピングテーブルの例を、図3に示す。
【0074】
この図3から分かるように、TTIの長い情報2の伝送フォーマットの値TF2が確定し、また、情報1の伝送フォーマットの値TF1が確定すると、TFCIの値の範囲が限定される。例えば、TF2が「0」、TF1が「0」であれば、TFCIの値の範囲は、「0」〜「9」となり、TFCIの上位4ビット(a9,a8,a7,a6)が取り得るパターンは、(0,0,0,0)のみの1パターンとなり、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理は、1回でよい。
【0075】
なお、前述もしたように、図1(A),(B)、図2(A),(B)、図3(A),(B)のテーブルの情報と、多重情報のそれぞれのTTIは、制御チャンネルにより、データの伝送に先立ち受信側に送られる。
【0076】
[TFCIデコード方法および装置の実施の形態]
TFCIデコード装置を説明する前に、当該TFCIデコード装置が搭載される移動局装置としての携帯電話端末の構成例を、図4に示す。
【0077】
アンテナ11にて受信された信号は、デュプレクサ12を通じて受信部13に供給される。受信部13では、スペクトル拡散されている信号が逆スペクトル拡散されると共に、QPSK復調される。そして、復調されたデータは、DSP(Digital Signal Processor)15に供給されて、後で詳述するようにデコードされる。
【0078】
デコードされたデータのうちの、制御チャンネルで送られてきた制御データは、制御部100に送られる。また、デコードされたデータのうち、音声信号は、DSP15からスピーカ16に供給されて、放音される。
【0079】
また、マイクロホン17からの音声信号は、DSP15に供給され、前述した図9に示したようなフォーマットのフレーム単位の信号に変換され、DSP15から送信部14に供給される。送信部では、QPSK変調およびスペクトラム拡散変調処理を行ない、デュプレクサ12を通じてアンテナ11に信号を送る。また、制御部100からの制御データは、DSP15を通じて、同様にして、処理され、制御チャンネルを通じて基地局に送られる。
【0080】
制御部100はCPUで構成され、この制御部100に対しては、操作部101と、プログラムが格納されているROM102と、ワークエリア用のRAM103と、LCDからなる表示部104が接続されている。
【0081】
操作部101は、ダイヤル数字キー、オンフックキー、オフフックキー、カーソルキーなどを含み、そのキー操作に応じて、制御部100は、受信、送信、その他の機能を切り換え制御する。
【0082】
受信データデコード処理部は、この例では、DSP15の内部に含まれている。図5は、受信データデコード処理部の構成を、処理機能をブロック化して示したものである。
【0083】
図5の例の受信データデコード処理部は、受信信号からデータと、TFCIとを分離するデータ/TFCI分離部21と、このデータ/TFCI分離部21からのデータを受けて、当該データのデコード処理を行なうデータデコード部22と、データ/TFCI分離部21からのTFCIを受けて、当該TFCIのデコードを行なうTFCIデコード部23と、データデコード部22でデコードされたデータについての誤り検出を行なう誤り検出部24と、TFCIデコード部23を制御する制御部25とから構成される。
【0084】
データ/TFCI分離部21は、受信データをデータ部分と、TFCIの部分とに分け、データ部分は、データデコード部22に供給し、TFCIは、TFCIデコード部23に供給する。
【0085】
データデコード部22は、TFCIデコード部23からの多重されている複数の情報のそれぞれについてのTTI内データ長の値と、伝送時間間隔の値に基づき、各情報のデコードを行なう。そして、データデコード部22は、デコードした情報を誤り検出部24に供給する。
【0086】
誤り検出部24は、データデコード部22からのデータについての誤り検出を行い、その検出結果を制御部25に通知する。データに誤りが検出されなかったときには、データを出力する。
【0087】
制御部25は、多重情報に先立ち、制御チャンネルを通じて送られてくる制御情報を解析し、多重されてくる複数の情報のそれぞれの伝送時間間隔を検知し、TFCIデコード部23に通知すると共に、前記制御情報からTFCIの値と各情報のTF値との対応テーブル、各情報についてのTF値とTTI内データ長との対応テーブルの情報を検知し、TFCIデコードに必要な情報や制御信号を、TFCIデコード部23に送り、TFCIデコード動作を制御する。
【0088】
また、制御部25は、誤り検出部24からの誤り検出結果の通知を受けて、TFCIデコード部23で求めたTFCI値が正しいものであるかどうかの判別を行い、誤り検出部24でデータに誤りが検出されなかったときには、TFCIデコード部23でのデコード結果のTFCI値を確定するように、TFCIデコード部23を制御する。
【0089】
TFCIデコード部24は、上述したように制御部25の制御を受けながら、TFCIのデコード処理を実行し、各情報についてのTF値を求め、TTI内データ長を求めて、データデコードのために、伝送時間間隔の情報と共に、データデコード部22に送る。
【0090】
次に、図5の受信データデコード処理部の動作を、図6および図7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0091】
まず、制御チャンネルを通じて送られてくる制御情報を受信する(ステップS101)。受信した制御情報の中には、TFCIと複数の情報のTF値とのマッピングテーブルの情報、複数の情報のそれぞれのTF値とTTI内データ長とのマッピングテーブルの情報、および複数の情報のそれぞれの伝送時間間隔が含まれる。
【0092】
次に、受信した制御情報を解析する(ステップS102)。この解析においては、多重されて伝送されてくる複数の情報のそれぞれの伝送時間間隔を検知すると共に、TFCIの値と各情報のTF値との対応テーブル、各情報についてのTF値とTTI内データ長との対応テーブルの情報を検知し、TFCIの有効ビット数や、TFCIと、多重される複数の情報のTF値とのマッピング態様などが検知される。
【0093】
そこで、制御部25では、TFCIの有効ビット数は、マスクコードが関与するような7ビット以上であるか否か判別する(ステップS103)。前述したように、TFCIの有効ビット数が7ビット未満で、マスクコードが関与しない場合には、TFCIのデコードの際に、マスクコードとしての上位4ビット(a9,a8,a7,a6)の候補として取り得るパターンの数は、(0,0,0,0)の1パターンのみであるので、従前の通りの標準デコード処理をする(ステップS107)。そして、データの受信が終了するまでこの標準デコード処理を実行し、データを最後まで受信したと判別したときには(ステップS108)、この受信デコード処理ルーチンを終了する。
【0094】
また、ステップS103で、TFCIの有効ビット数が7ビット以上であると判別したときには、ステップS102での解析結果に基づいて、TFCIが図1、図2、図3の例のようなマッピングにより作成されていて、前述のようにデ・マスク処理と、ファースト・アダマール変換の繰り返し処理回数を減らすことで高速のデコードが可能な状態になっているか否か判別する(ステップS104)。
【0095】
送信側で、TFCIの有効ビットが7ビット以上のときには、必ず、前述のような高速デコードが可能なようにTFCIのマッピングを行なうようにするのであれば、ステップS104の判別は不要である。
【0096】
ステップS104で、高速デコード可能なTFCIのマッピング態様でないと判別したときには、ステップS107に進み、前述したように従来と同様の標準デコード処理を行なう。
【0097】
また、ステップS104で、高速デコード可能なTFCIのマッピング態様になっていると判別したときには、前述したように、伝送時間間隔が長い方の情報の確定したTF値によりTFCIの値の取り得る範囲を限定することにより、デ・マスク処理と、ファースト・アダマール変換の繰り返し処理回数を減らすことで、高速化したTFCIデコード処理を行なう(ステップS105)。
【0098】
そして、データの受信が終了するまでこの高速デコード処理を実行し、データを最後まで受信したと判別したときには(ステップS106)、この受信デコード処理ルーチンを終了する。
【0099】
次に、ステップS105の高速デコード処理動作について、図7のフローチャートを参照しながら説明する。ここでは、例えば図1に示したような2つの情報(情報1,2)をマルチプレックスしていることを想定する。
【0100】
まず、TFCI候補の初期化を行なう。例えば図1(B)の場合であれば、TFCIは、「0」〜「255」の範囲の値として初期化を行なう(ステップS201)。次に、多重情報およびTFCIを受信する(ステップS202)。次に、TFCIデコード部23は、制御部25からのTFCI候補情報を利用して、TFCIデコードを行なう(ステップS203)。最初のフレームの場合は、TFCIの候補は「0」から「255」であり、その他のフレームの場合には、TFCI候補は、後述するように、より限定され得る。
【0101】
次に、データデコード部22は、TFCIデコード結果を利用して、終端した情報をデコードする(ステップS204)。ここで、「終端した」とは、各情報について、その伝送時間間隔の最後のデータまでのすべてが受信された状態を指す。図1の例の場合であれば、このステップS204のデータデコード処理においては、0フレームを含む偶数フレームでは、情報1が処理対象に、奇数フレームでは、情報2が処理対象になる。
【0102】
次に、誤り検出部24での誤り検出の結果に誤りがあるかどうか、あるいは多重情報のすべての情報が終端したか否か判別し(ステップS205)、誤りがあると判別したとき、あるいは多重情報のすべての情報が終端したと判別したときには、TFCI候補を初期化する(ステップS206)。
【0103】
また、ステップS205で、誤りがない、あるいは、多重情報の一部の情報は終端していないと判別したときには、終端していない情報の確定したTF値から、TFCI候補、つまり、TFCIの値の取り得る範囲を、前述したようにして限定する(ステップS207)。
【0104】
そして、ステップS206またはステップS207の後には、ステップS208に進み、すべてのデータの受信が完了しているか否かの判別を行い、すべてのデータの受信が完了しているときには、この処理ルーチンを終了し、また、すべてのデータの受信が完了していないときには、ステップS202に戻り、次のフレームのデータデコードを行なう。
【0105】
このとき、前述した限定されたTFCI候補がステップS203で用いられてデコードが行われることで、前述したように、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理回数が、標準デコードの場合に比べて少なくなり、高速デコードができる。
【0106】
なお、図6および図7の処理例は、デ・マスク処理およびファースト・アダマール変換処理回数を、標準デコードの場合に比べて少なくすることにより、TFCIデコード処理の高速化を図るようにしたため、TFCIの値が7ビット以上である場合に、高速デコード処理をするようにした。
【0107】
しかし、前述もしたように、この発明によればTFCI候補の制限により、ファースト・アダマール変換処理における演算回数を減らすこともできるので、TFCIの値が7ビット以下の場合にも、高速デコード処理を行なうようにすることができる。その場合には、図6において、ステップS103は省略される。
【0108】
なお、図1、図2および図3に示したマッピングの例においては、伝送時間間隔TTIが長い情報ほど、TF値の種類数を少なくしたが、これに限定されるものではなく、伝送時間間隔TTIが長い情報の方が、TF値の種類数が多い場合であってもよい。例えば、図9に示すような場合を例に説明する。
【0109】
図9(A)に示すように、この例では、図1の例と同様に、情報1のTTIは10msecであり、情報2のTTIは20msecである。しかし、情報1および情報2のTF値であるTF1およびTF2と、TFCIの値との対応マッピングテーブルは、図9(B)に示すようなものとされ、TF1は「0」〜「3」のうちのいずれかの値を取り得るとされ、TF2は「0」〜「63」のうちのいずれかの値を取り得るとされている。
【0110】
この場合において、例えばフレームナンバー「0」でTFCIの値が「5」となったときには、TF2(TTI=20msec)は、「1」となるので、次のフレームでのTFCI候補は、「4」、「5」、「6」、「7」となり、TFCIの値の範囲が限定されるのである。
【0111】
なお、上述の説明は、2つの情報をマルチプレックスしている場合についてのものであるが、3つ以上の情報をマルチプレックスしている場合で、複数の情報が終端した場合、一つでも誤りであれば初期化、全ての情報で誤りがあれば初期化、誤る情報が50%以上なら初期化、誤りのあるなしに関係なく初期化しない、誤りのあるなしに関係なく初期化するなどいろいろな判定方法が考えられる。
【0112】
なお、上述の受信側の例は、移動局装置である携帯電話端末であるが、基地局装置におけるTFCIデコードに、この発明は適用できることは勿論である。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、TFCIのデコードにおいて、デコード処理を高速化することができ、低消費電力化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による移動体通信における情報多重方法の実施の形態を説明するための図である。
【図2】この発明による移動体通信における情報多重方法の実施の形態を説明するための図である。
【図3】この発明による移動体通信における情報多重方法の実施の形態を説明するための図である。
【図4】この発明による移動局装置の例としての携帯情報端末の構成を示すブロック図である。
【図5】図4の一部の構成例を示す機能ブロック図である。
【図6】図4の例の携帯情報端末での受信データのデコード処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】この発明によるTFCIデコード方法の例を含む受信データのデコード処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】この発明による移動体通信における情報多重方法の他の実施の形態を説明するための図である。
【図9】3GPP規格のW−CDMA方式における多重情報を説明するため図である。
【図10】3GPP規格のW−CDMA方式における伝送データを説明するための図である。
【図11】TFCIと多重情報のそれぞれのTF値とのマッピングテーブルの例を示す図である。
【図12】多重情報のそれぞれのTF値と、TTI内データ長とのマッピングテーブルの例を示す図である。
【図13】この発明の説明に用いる数式を示す図である。
【図14】TFCIのエンコードに用いる係数Mi,nを説明するための図である。
【図15】TFCIデコーダの構成例を示す図である。
【図16】3GPP規格のW−CDMA方式における多重情報を説明するための図である。
【符号の説明】
2…デ・マスク処理部、3…ファースト・アダマール変換部、4…相関値判定部、21…データ/TFCI分離部、22…データデコード部、23…TFCIデコード部、24…誤り検出部、25…制御部
Claims (14)
- デコードが可能な最短データ時間長である伝送時間間隔が、予め定められた複数通りの中からそれぞれ選択された複数の情報を、同一無線フレーム内にマルチプレックスして、無線回線上で多重伝送することが可能であって、前記複数の情報のそれぞれについての前記伝送時間間隔内でのデータ数の組合せを示す伝送フォーマット組合せ識別子を、各無線フレーム内に挿入して伝送する移動体通信において、
前記伝送時間間隔がより長い情報の前記伝送時間間隔内でのデータ数が変わるとき、前記伝送フォーマット組合せ識別子の上位側のビットが変化するように前記伝送フォーマット組合せ識別子を選定して伝送する
ことを特徴とする移動体通信における情報多重方法。 - 請求項1に記載の移動体通信における情報多重方法において、
前記伝送フォーマット組合せ識別子は、マスクコードを含む係数を用いてエンコードして、各無線フレーム内に挿入するものであり、
前記伝送フォーマット組合せ識別子が取り得る値が、前記マスクコードの部分に対応するビットを含んで表わされる値であるときに、前記伝送時間間隔が長い情報の前記伝送時間間隔内でのデータ数が確定すると、前記伝送フォーマット組合せ識別子の前記マスクコードの部分に対応するビットが決まるように、前記伝送フォーマット組合せ識別子を選定して伝送する
ことを特徴とする移動体通信における情報多重方法。 - 請求項1に記載の移動体通信における情報多重方法において、
前記複数の情報の伝送に先立ち、制御チャンネルにより、前記複数の情報の前記伝送時間間隔と、前記伝送フォーマット組合せ識別子と前記複数の情報についての前記伝送時間間隔内でのデータ数との関係を示す情報とを伝送する
ことを特徴とする移動体通信における情報多重方法。 - デコードが可能な最短データ時間長である伝送時間間隔が、予め定められた複数通りの中からそれぞれ選択された複数の情報を、同一無線フレーム内にマルチプレックスして、無線回線上で多重伝送されると共に、前記複数の情報のそれぞれについての前記伝送時間間隔内でのデータ数の組合せを示す伝送フォーマット組合せ識別子が、各無線フレーム内に挿入されて伝送される移動体通信における伝送フォーマット組合せ識別子のデコード方法であって、
前記複数の情報とは別の回線によって送られてくる、前記複数の情報のそれぞれの前記伝送時間間隔と、前記伝送フォーマット組合せ識別子と前記複数の情報についての前記伝送時間間隔内でのデータ数との関係を示す制御情報を受信する制御情報受信工程と、
前記制御情報受信工程で受信した前記制御情報を解析し、前記伝送時間間隔がより長い情報の前記伝送時間間隔内でのデータ数が変わるとき、前記伝送フォーマット組合せ識別子の上位側のビットが変化するようになっているかどうかを判別する判別工程と、
前記判別工程において、否定的な判別結果が得られたときには、前記無線フレーム内に挿入されている前記伝送フォーマット組合せ識別子を、前記複数の情報のそれぞれの前記伝送時間間隔毎に、独立してデコードする通常の手法のデコード方法を実行する標準デコード工程と、
前記判別工程において、肯定的な判別結果が得られたときには、前回の前記伝送フォーマット組合せ識別子のデコードによって確定した、伝送情報間間隔が、より長い情報の前記伝送時間間隔内でのデータ数から、次にデコードしようとする前記伝送フォーマット組合せ識別子の候補を限定して、前記伝送フォーマット組合せ識別子をデコードする高速デコード工程と、
を備えることを特徴とする伝送フォーマット組合せ識別子デコード方法。 - 請求項4に記載の伝送フォーマット組合せ識別子デコード方法において、
前記伝送フォーマット組合せ識別子は、マスクコードを含む係数が用いられてエンコードされて、各無線フレーム内に挿入されているものであり、
前記判別工程では、前記伝送時間間隔がより長い情報の前記伝送時間間隔内でのデータ数が変わるとき、前記伝送フォーマット組合せ識別子の上位側のビットが変化するようになっているかどうかを判別し、
前記標準デコード工程および前記高速デコード工程は、ともに、
デ・マスク工程と、ファースト・アダマール変換工程とを含み、
前記高速デコード工程は、前記ファースト・アダマール変換工程における演算回数が、前記標準デコード工程よりも少ないものである
ことを特徴とする伝送フォーマット組合せ識別子のデコード方法。 - 請求項4に記載の伝送フォーマット組合せ識別子デコード方法において、
前記伝送フォーマット組合せ識別子は、マスクコードを含む係数が用いられてエンコードされて、各無線フレーム内に挿入されているものであり、
前記判別工程では、前記制御情報を解析して前記伝送フォーマット組合せ識別子が取り得る値が、前記マスクコードの部分に対応するビットを含んで表わされる値であるときにのみ、前記伝送時間間隔がより長い情報の前記伝送時間間隔内でのデータ数が変わるとき、前記伝送フォーマット組合せ識別子の上位側のビットが変化するようになっているかどうかを判別し、
前記標準デコード工程および前記高速デコード工程は、ともに、
デ・マスク工程と、ファースト・アダマール変換工程とを含み、
前記高速デコード工程は、前記デ・マスク工程および前記ファースト・アダマール変換工程の実行回数が、前記標準デコード工程よりも少ないものである
ことを特徴とする伝送フォーマット組合せ識別子のデコード方法。 - 請求項4に記載の伝送フォーマット組合せ識別子のデコード方法において、
前記伝送時間間隔が、より長い情報の前記伝送時間間隔内でのデータ数は、
前回の前記伝送フォーマット組合せ識別子のデコードの結果により得られた各情報についての前記伝送時間間隔内でのデータ数を用いて、前記各情報をデータデコードし、そのデータデコードの結果としてのデータに誤りがなかったときに、確定する
ことを特徴とする伝送フォーマット組合せ識別子のデコード方法。 - デコードが可能な最短データ時間長である伝送時間間隔が、予め定められた複数通りの中からそれぞれ選択された複数の情報を、同一無線フレーム内にマルチプレックスして、無線回線上で多重伝送されると共に、前記複数の情報のそれぞれについての前記伝送時間間隔内でのデータ数の組合せを示す伝送フォーマット組合せ識別子が、各無線フレーム内に挿入されて伝送される移動体通信における伝送フォーマット組合せ識別子のデコード装置であって、
前記複数の情報とは別の回線によって送られてくる、前記複数の情報のそれぞれの前記伝送時間間隔と、前記伝送フォーマット組合せ識別子と前記複数の情報についての前記伝送時間間隔内でのデータ数との関係を示す制御情報を受信する制御情報受信手段と、
前記制御情報受信手段で受信した前記制御情報を解析し、前記伝送時間間隔がより長い情報の前記伝送時間間隔内でのデータ数が変わるとき、前記伝送フォーマット組合せ識別子の上位側のビットが変化するようになっているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段において、否定的な判別結果が得られたときには、前記無線フレーム内に挿入されている前記伝送フォーマット組合せ識別子を、前記複数の情報のそれぞれの前記伝送時間間隔毎に、独立してデコードする通常の手法のデコード方法を実行する標準デコード手段と、
前記判別手段において、肯定的な判別結果が得られたときには、前回の前記伝送フォーマット組合せ識別子のデコードによって確定した、伝送情報間間隔が、より長い情報の前記伝送時間間隔内でのデータ数から、次にデコードしようとする前記伝送フォーマット組合せ識別子の候補を限定して、前記伝送フォーマット組合せ識別子をデコードする高速デコード手段と、
を備えることを特徴とする伝送フォーマット組合せ識別子デコード装置。 - 請求項8に記載の伝送フォーマット組合せ識別子デコード装置において、
前記伝送フォーマット組合せ識別子は、マスクコードを含む係数が用いられてエンコードされて、各無線フレーム内に挿入されているものであり、
前記判別手段では、前記伝送時間間隔がより長い情報の前記伝送時間間隔内でのデータ数が変わるとき、前記伝送フォーマット組合せ識別子の上位側のビットが変化するようになっているか否かを判別し、
前記標準デコード手段および前記高速デコード手段は、ともに、
デ・マスク手段と、ファースト・アダマール変換手段とを含み、
前記高速デコード手段は、前記ファースト・アダマール変換手段における演算回数が、前記標準デコード手段よりも少ないものである
ことを特徴とする伝送フォーマット組合せ識別子のデコード装置。 - 請求項8に記載の伝送フォーマット組合せ識別子デコード装置において、
前記伝送フォーマット組合せ識別子は、マスクコードを含む係数が用いられてエンコードされて、各無線フレーム内に挿入されているものであり、
前記判別手段では、前記制御情報を解析して前記伝送フォーマット組合せ識別子が取り得る値が、前記マスクコードの部分に対応するビットを含んで表わされる値であるときにのみ、前記伝送時間間隔がより長い情報の前記伝送時間間隔内でのデータ数が変わるとき、前記伝送フォーマット組合せ識別子の上位側のビットが変化するようになっているかどうかを判別し、
前記標準デコード手段および前記高速デコード手段は、ともに、
デ・マスク手段と、ファースト・アダマール変換手段とを含み、
前記高速デコード手段は、前記デ・マスク手段および前記ファースト・アダマール変換手段の実行回数が、前記標準デコード工程よりも少ないものである
ことを特徴とする伝送フォーマット組合せ識別子のデコード装置。 - 請求項8に記載の伝送フォーマット組合せ識別子のデコード装置において、
前記伝送時間間隔が、より長い情報の前記伝送時間間隔内でのデータ数は、
前回の前記伝送フォーマット組合せ識別子のデコードの結果により得られた各情報についての前記伝送時間間隔内でのデータ数を用いて、前記各情報をデータデコードし、そのデータデコードの結果としてのデータに誤りがなかったときに、確定する
ことを特徴とする伝送フォーマット組合せ識別子のデコード装置。 - 請求項8〜請求項11のいずれかに記載の伝送フォーマット組合せ識別子のデコード装置を具備することを特徴とする移動局装置。
- 請求項8〜請求項11のいずれかに記載の伝送フォーマット組合せ識別子のデコード装置を具備することを特徴とする基地局装置。
- 請求項12に記載の移動局装置または請求項13に記載に基地局装置を具備することを特徴とする移動体通信システム。
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