JP3593368B2 - 脱蛋白天然ゴムラテックスの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、脱蛋白天然ゴムラテックスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
天然ゴムは伸びが大きい、弾性が高い、皮膜強さが良好である等の特徴を有していることから、従来より自動車用タイヤ、ベルト、接着剤等の工業用品から手袋等の家庭用品、授乳用具、避妊具等に至る幅広い分野で利用されている。
天然ゴムは、天然ゴムラテックスからゴム分を凝固し、さらに素練り、各種配合剤の配合、成形、加硫等の操作を施すことによって製造されるために、天然ゴムラテックスに含まれる蛋白質等の非ゴム成分を不純物として含有している。
【0003】
かかる蛋白質は、その種類や量が天然ゴムラテックスの産地や産出時期等によって異なるために、天然ゴムの品質や加硫特性等にばらつきを生じさせたり、天然ゴムのクリープ特性や耐老化性等の機械特性、絶縁性等の電気特性を低下させるなどの影響を及ぼす。
さらに近年、天然ゴムからなる手術用手袋、各種カテーテル、麻酔用マスク等の医療用具を使用することによって、天然ゴム中の蛋白質が原因と見られる呼吸困難やアナフィラキシー様症状(血管性浮腫、じんましん、虚脱、チアノーゼ等)が引き起こされるという事例が報告されている。
【0004】
これらの問題に対し、天然ゴムラテックスを水で洗浄後濃縮したり、界面活性剤を添加して洗浄後濃縮することによって蛋白質の洗浄・除去を行ったり、蛋白質分解酵素により蛋白質を分解・除去する等の試みがなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の方法では、天然ゴムラテックス中に混在する蛋白質を十分に除去することは困難である。
本発明の目的は、天然ゴムラテックスから蛋白質を容易にかつ効率よく除去し、脱蛋白天然ゴムラテックスを高い生産性で安価に製造することができる脱蛋白天然ゴムラテックスの製造方法を提供することである。
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、天然ゴムラテックスを蛋白質分解酵素と界面活性剤とで処理して天然ゴムラテックス中の蛋白質を分解し、次いで天然ゴムラテックスに、炭酸塩、炭酸水素塩、チオ硫酸塩、ホウ酸塩、有機酸塩およびアミン塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩類を添加し洗浄すると、天然ゴムラテックス中の蛋白質を効率よく簡単に除去することが可能であるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の方法は、天然ゴムラテックスを十分に希釈し、蛋白質分解酵素と界面活性剤とを添加して静置または攪拌することによって蛋白分解処理を行い、次いで1種または2種以上の塩類を添加してラテックスを洗浄し、濃縮することによって脱蛋白天然ゴムラテックスを製造するものである。
【0008】
本発明の脱蛋白天然ゴムラテックスの原料である天然ゴムラテックスは、市販のアンモニア処理ラテックスでも、新鮮なフィールドラテックスのいずれであってもよい。
塩類としては、種々の無機塩や有機塩が挙げられる。無機塩としては、例えば炭酸塩、炭酸水素塩、チオ硫酸塩、ホウ酸塩等が挙げられ、有機塩としては、例えば有機酸塩、アミン塩等が挙げられる。これらの化合物の塩を形成する金属原子としては、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、亜鉛等が挙げられる。
【0009】
上記塩類としては、具体的には炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等が例示され、上記の2種以上を組み合わせて使用することもできる。
尚、2価以上の陽イオンを有する塩類を使用した場合、ラテックスが不安定化して凝固することがあるために、1価の陽イオンを有する塩類を使用するのが好ましい。
【0010】
蛋白質分解酵素としては、従来公知のものが使用可能であり、特に限定されないが、例えばアルカリプロテアーゼ等が挙げられる。プロテアーゼの由来としては、細菌由来のもの、糸状菌由来のもの、酵母由来のもの等いずれでも構わないが、これらの中では細菌由来のものを使用するのが好ましい。また、リパーゼ、エステラーゼ、アミラーゼ、ラッカーゼ、セルラーゼ等の酵素を併用することも可能である。
【0011】
界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤が使用可能である。
上記陰イオン性界面活性剤としては、例えばカルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系、リン酸エステル系等の界面活性剤が挙げられる。
カルボン酸系界面活性剤としては、例えば炭素数が6〜30である脂肪酸塩、多価カルボン酸塩、ロジン酸塩、ダイマー酸塩、ポリマー酸塩、トール油脂肪酸塩等が挙げられ、これらの中では炭素数10〜20のカルボン酸塩が好ましい。炭素数が6以下では蛋白質や不純物の分散・乳化が不十分で、30以上では水に分散しにくくなる。
【0012】
スルホン酸系の陰イオン性界面活性剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ジフェニルエーテルスルホン酸塩等が挙げられる。
硫酸エステル系の陰イオン性界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、ジスチレン化フェノール硫酸エステル塩、トリスチレン化フェノール硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンジスチレン化フェノール硫酸エステル塩、、ポリオキシアルキレントリスチレン化フェノール硫酸エステル塩、α−オレフィン硫酸エステル塩、アルキルコハク酸硫酸エステル塩等が挙げられる。
【0013】
リン酸エステル系の陰イオン性界面活性剤としては、例えばアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンリン酸エステル塩等が挙げられる。
これらの化合物の塩としては、例えば金属塩(Na、K、Ca、Mg、Zn等)、アンモニア塩、アミン塩(トリエタノールアミン塩等)などが挙げられる。一方、非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレンエーテル系、ポリオキシアルキレンエステル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、糖脂肪酸エステル系、アルキルポリグリコシド系の界面活性剤等が挙げられる。
【0014】
ポリオキシアルキレンエーテル系の非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンポリオールアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンスチレン化フェノールエーテル、ポリオキシアルキレンジスチレン化フェノールエーテル、ポリオキシアルキレントリスチレン化フェノールエーテル等が挙げられる。上記ポリオールとしては、炭素数2〜12の多価アルコールが挙げられ、具体的にはプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、グルコース、シュクロース、ペンタエリスリトール、ソルビタン等が挙げられる。
【0015】
ポリオキシアルキレンエステル系の非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレン脂肪酸エステル等が挙げられる。
多価アルコール脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤としては、炭素数2〜12の多価アルコールの脂肪酸エステルまたはポリオキシアルキレン多価アルコールの脂肪酸エステルが挙げられる。より具体的には、例えばソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、脂肪酸ジグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。また、これらのポリアルキレンオキサイド付加物(例えば、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル等)も使用可能である。
【0016】
糖脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤としては、例えばショ糖、グルコール、マルトース、フラクトース、多糖類の脂肪酸エステル等が挙げられ、これらのポリアルキレンオキサイド付加物も使用可能である。
アルキルポリグリコシド系の非イオン性界面活性剤としては、例えばアルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルポリグルコシド等が挙げられ、これらの脂肪酸エステル類やポリアルキレンオキサイド付加物も使用可能である。
【0017】
上記陰イオン性および非イオン性の界面活性剤におけるアルキル基としては、炭素数4〜30のアルキル基が挙げられる。また、ポリオキシアルキレン基としては、炭素数2〜4のアルキレン基を有するものが挙げられ、例えば酸化エチレンの付加モル数が1〜50モル程度のものが例示される。脂肪酸としては、例えば炭素数4〜30の直鎖または分岐した飽和または不飽和脂肪酸が挙げられる。
【0018】
両性イオン界面活性剤としては、例えばアミノ酸型、ベタイン型、アミンオキサイド型等の両性イオン界面活性剤が挙げられる。
上記の構成の他に、必要に応じてpH調整剤や、スチレンスルホン酸共重合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸、多環型芳香族スルホン酸共重合物、アクリル酸および無水マレイン酸のホモポリマーおよび共重合物、イソブチレン−アクリル酸およびイソブチレン−無水マレイン酸共重合物等の分散剤を併用することも可能である。
【0019】
本発明における塩類の添加量は、ラテックスのゴム固形分100重量部に対して1重量部以上、好ましくは1〜50重量部である。塩類の添加量が1重量部以下では十分な蛋白質の除去効果が得られず、50重量部以上では蛋白質の除去効果に変化がみられず、逆にコストアップとなる。
蛋白質分解酵素の添加量は、ラテックスのゴム固形分に対して0.0001〜20重量%である。添加量が0.0001重量%未満の場合は天然ゴムラテックス中の蛋白質を十分に分解することができず、20重量%を超えると酵素の活性が低下し、コストアップにもなる。また、酵素を添加する際にpH調整剤などの他の添加剤を添加してもよい。
【0020】
界面活性剤の添加量は、ラテックスのゴム固形分に対して0.001〜20重量%である。
前記pH調整剤としては、例えばリン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム等のリン酸塩、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等の酢酸塩、硫酸、酢酸、塩酸、硝酸、クエン酸、コハク酸などの酸類またはその塩、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。また、上記pH調整剤の添加量は、ラテックスのゴム固形分に対して通常0.01〜0.5重量%である。
【0021】
蛋白質を分解する処理時間は特に限定されないが、数分から1週間程度行うことが好ましい。蛋白質分解処理中、ラテックスは攪拌していてもよく、静置していてもよい。温度調節は必要に応じてすればよいが、処理に適当な温度としては5〜90℃、より好ましくは20〜60℃である。処理温度が90℃を超えると酵素の失活が早く、5℃未満であれば酵素の反応が進行しにくくなる。
【0022】
蛋白質の分解処理後、ラテックスを洗浄して蛋白質を除去する。かかる洗浄方法としては、例えば遠心分離による方法やラテックス粒子を凝集させる方法等が挙げられる。
上記遠心分離による場合、蛋白質分解処理液をゴム分が5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%となるように水で希釈する。次いで、5000〜10000rpmで1〜60分間遠心分離して、ゴム分であるクリームを取り出す。また、ディスク式の遠心分離器で連続的に分離してもよい。
【0023】
取り出されたクリームはそのまま、または水で希釈するか、あるいは乾燥して、種々のゴム製品の製造に利用される。
ラテックスの洗浄は必要に応じて繰り返して行ってもよい。また、2回目以降の洗浄の際にも塩類を添加してよい。使用できる塩類の種類およびその添加量は前述と同じである。
【0024】
【実施例】
以下に、実施例を示して本発明を詳細に説明する。
実施例1
天然ゴムのハイアンモニアラテックスを水で希釈し、ゴム固形分が30重量%の天然ゴムラテックス100gを調製した。
【0025】
次いで、このラテックスにpH調整剤としてリン酸二水素ナトリウムを添加してpHを9.0に調整し、蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)0.02g、界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、花王(株)製のエマールE−70C)1gを添加し、30℃で24時間静置した。
静置後、天然ゴムラテックスに水を加えて300gまで希釈し、その際に炭酸ナトリウム15g(5重量%)を添加した。次いで、10000rpmで30分間遠心分離を行った。
【0026】
分離した上層のクリーム分を取り出して24時間減圧乾燥し、ケルダール法に基づいて、得られたゴムの窒素含有量(1回洗浄後の窒素含有量)を測定した。残存する蛋白質量は窒素含有量の6.25倍量で求められる。
さらに、上記クリーム部分を水で希釈してゴム固形分が約10重量%になるように調整し、上記と同様の方法で遠心分離を行い、クリーム分を減圧乾燥した後、得られたゴムの窒素含有量(2回洗浄後の窒素含有量)を上記と同様の方法で測定した。
実施例2〜10,12
実施例1と同様にして調製した天然ゴムラテックス100g(ゴム固形分が30重量%)にpH調整剤、蛋白質分解酵素および界面活性剤を添加し、30℃で24時間静置した。使用したpH調整剤、蛋白質分解酵素および界面活性剤は実施例1と同じである。
【0027】
静置後、ゴム固形分が約10重量%になるように、天然ゴムラテックスに水を加えて300gまで希釈し、その際に塩類を添加した。添加した塩類の種類およびその添加量は、下記の表1に示すとおりである。
次いで、実施例1と同様にして、希釈、遠心分離および減圧乾燥を行って洗浄し、1回洗浄後および2回洗浄後のゴムの窒素含有量をそれぞれ測定した。
実施例11
蛋白分解時にpH調整剤を添加しなかった他は実施例2〜10,12と同様にして蛋白質分解処理を行った。
【0028】
次いで、実施例1と同様にして、希釈、遠心分離および減圧乾燥を行って洗浄し、1回洗浄後および2回洗浄後のゴムの窒素含有量をそれぞれ測定した。
比較例1
実施例1と同様にして調製した天然ゴムラテックスに蛋白質分解酵素および界面活性剤を添加し、蛋白質分解処理を行った。
【0029】
次いで、実施例1と同様にして、希釈、遠心分離および減圧乾燥を行って洗浄し、1回洗浄後および2回洗浄後のゴムの窒素含有量をそれぞれ測定した。
比較例2
実施例1と同様にして調製した天然ゴムラテックスにpH調整剤、蛋白質分解酵素および界面活性剤を添加し、蛋白質分解処理を行った。
【0030】
次いで、実施例1と同様にして、希釈、遠心分離および減圧乾燥を行って洗浄し、1回洗浄後および2回洗浄後のゴムの窒素含有量をそれぞれ測定した。
比較例3
実施例1と同様にして調製した天然ゴムラテックスに蛋白質分解酵素および界面活性剤を添加し、さらに炭酸ナトリウムを溶液量に対して6重量%の割合で添加し、蛋白質分解処理を行った。
【0031】
分解処理後、実施例1と同様にして、溶液を希釈し(この時点で、炭酸ナトリウムの含有量は全溶液量に対して2重量%となる)、遠心分離および減圧乾燥を行って洗浄し、1回洗浄後および2回洗浄後のゴムの窒素含有量をそれぞれ測定した。
実施例1〜12および比較例1〜3における添加した塩類の種類およびその添加量と、蛋白質分解処理後の窒素含有量とを表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
表1から、比較例では多量の蛋白質が除去されずに残存しているのに対し、実施例では塩類を添加することによって、天然ゴムから蛋白質が効率よく除去されていることがわかる。
また、蛋白質分解時に塩類を添加した場合は、ラテックスのpHが蛋白質分解処理に最適な範囲から外れてしまうなど、蛋白分解酵素の効力を減少させる働きが生じてしまい、十分な脱蛋白効果が現れないと考えられる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、天然ゴムラテックス中の蛋白質を分解処理した後、ラテックスを洗浄する際に塩類を添加することにより、ラテックス中の蛋白質を効率よく簡単に除去することができるため、アレルギー対策品として有用な、かつ品質の安定した脱蛋白天然ゴムを簡単に製造できるという効果がある。
【0035】
また、本発明によれば、蛋白分解後の少なくとも1回の洗浄でほぼ完全に蛋白質を除去できるため、高い生産性で安価に脱蛋白天然ゴムを製造できるという効果がある。
従って、本発明によって得られた脱蛋白天然ゴムは、例えば手袋等の日常用品、カテーテル等の医療用品、ゴルフクリップやボール用の糸ゴム等のスポーツ用品、タイヤ等の工業製品、さらに乳首、おしゃぶり、避妊具などの様々な分野に好適に用いることができる。
Claims (1)
- 天然ゴムラテックスを蛋白質分解酵素と界面活性剤とで処理して天然ゴムラテックス中の蛋白質を分解し、次いで天然ゴムラテックスに、炭酸塩、炭酸水素塩、チオ硫酸塩、ホウ酸塩、有機酸塩およびアミン塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩類を添加し、洗浄することを特徴とする脱蛋白天然ゴムラテックスの製造方法。
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