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JP3590821B2 - 移動鏡曲がりの計測方法、露光方法、及び露光装置 - Google Patents

移動鏡曲がりの計測方法、露光方法、及び露光装置 Download PDF

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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば超LSI等の半導体素子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等を製造するためのフォトリソグラフィ工程中で、マスクパターンを所定のステージに保持された感光基板上に露光するために使用される露光装置において、レーザ干渉測長方式で座標計測を行うためにそのステージに取り付けられた移動鏡の曲がり量の計測を行うための計測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子等を製造する際に、マスクとしてのレチクルのパターンを感光材料が塗布されたウエハの各ショット領域に転写するための露光装置(ステッパー等)が使用されている。斯かる露光装置では、一般にウエハの位置決めを行うウエハステージの直交する2方向(X方向及びY方向とする)の座標位置は、ウエハステージ上に反射面が直交するように固定された2つの移動鏡、及びこれらの移動鏡に対向するように配置された2軸のレーザ光波干渉式測長器(以下、「レーザ干渉計」という)により計測されている。この場合、2つの移動鏡の反射面は完全な平面であることが望ましいが、実際にはそれらの移動鏡にはそれぞれ曲がりがある。例えばステッパーにおいて、このような移動鏡の曲がりが残存していると、ウエハ上のショット配列精度が悪化するため、ウエハ上の異なる層にミックス・アンド・マッチ方式で異なるステッパーを用いて露光を行うような場合に、重ね合わせ精度が悪化することになる。
【0003】
そこで、従来より予め2つの移動鏡のそれぞれの反射面の曲がり量を計測しておき、この計測結果に基づいてレーザ干渉計で得られた座標値をソフトウェア的に補正することにより、ウエハステージを正確に直交する2方向に駆動する制御が行われていた。
その従来の移動鏡の曲がりの計測方法としては、所謂バーニア評価法が知られている。このバーニア評価法では、所定の複数の計測用マークが形成されたテストレチクルを使用し、先ずウエハ上の第1列目の最初の位置にそのテストレチクルのパターン像を露光する。その後、ウエハステージを例えばX方向にステッピングさせて、その最初のパターン像とX方向の端部が重なる2番目の位置にそのテストレチクルのパターン像を露光する。この際にその重複領域には、1回目に露光された計測用マーク像(主尺)と2回目に露光された計測用マーク像(副尺)とが近接して配置されている。移動鏡の曲がりが無い状態での、その主尺と副尺との位置関係は予め分かっているため、そのウエハを現像した後、設計上の位置関係に対するその主尺と副尺との位置ずれ量を計測することにより、その移動鏡の曲がり量を求めるのがバーニア評価法の原理である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如き従来の技術においては、移動鏡の曲がりの計測は、ウエハステージをステッピングさせながら、実際にテストレチクルのパターン像をウエハ上に部分的に重なるように露光した後、この露光によって得られるマーク像の位置ずれ量を計測し、この計測結果を演算処理することによって行われていた。そのため、計測工程が複雑で、且つ計測に要する時間が長いという不都合があった。
【0005】
本発明は斯かる点に鑑み、露光装置のウエハステージに固定された座標計測用の移動鏡の曲がりを簡単に、且つ短時間に計測できる計測方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による移動鏡曲がりの計測方法は、マスク(R)に形成されたパターンが転写される感光基板(W)を互いに交差する第1方向及び第2方向(X方向、Y方向)に移動させる基板ステージ(13)と、この基板ステージに固定されそれぞれ第1方向(X方向)に実質的に垂直な反射面を有する第1移動鏡(16X)、及び第2方向(Y方向)に実質的に垂直な反射面を有する第2移動鏡(16Y)と、それら第1移動鏡及び第2移動鏡にそれぞれ座標計測用の光ビームを照射してそれら第1方向及び第2方向への基板ステージ(13)の座標を計測する座標計測手段(17X1,17X2,17Y)と、を有する露光装置の第1移動鏡(16X)及び第2移動鏡(16Y)の曲がりの計測方法において、その感光基板として予め複数の評価用マーク(29X(i,j),29Y(i,j))が既知の配列で並べられた評価用基板(26)を基板ステージ(13)に載置し、その座標計測手段の計測値に基づいて基板ステージ(13)を第1方向(X方向)及び第2方向(Y方向)に駆動することにより、評価用基板(26)上のそれら複数の評価用マークを順次所定のアライメントセンサの計測領域に移動して、それぞれ各評価用マークの座標を計測し、このように計測された座標、及びそれら複数の評価用マークの既知の配列に基づいて第1移動鏡(16X)及び第2移動鏡(16Y)の曲がりを求めるものである。
【0007】
斯かる本発明によれば、例えば図3に示すように、基準ウエハ等の評価用基板(26)上の複数の評価用マーク(29X(i,j),29Y(i,j))の既知の配列を基準として、第1移動鏡(16X)、及び第2移動鏡(16Y)の曲がり量が計測される。その後、その計測された曲がり量を装置定数として記憶し、露光時の基板ステージ(13)の移動位置を補正することにより、その曲がり量が補正されて、ショット配列精度が向上する。
【0008】
この場合、そのように計測された座標、及びそれら複数の評価用マークの既知の配列に基づいてそれら複数の評価用マークの配列の線形成分を求め、この線形成分を除去することにより第1移動鏡(16X)、及び第2移動鏡(16Y)の2次の曲がり量を求めることが望ましい。また、そのアライメントセンサは、マスクに形成されたパターンの像を感光基板上に投影するための投影光学系(PL)を介して評価用マークの座標を計測するものであることが望ましい。
また、そのアライメントセンサが例えば第1方向(X方向)用と、第2方向(Y方向)用とに分かれている場合、評価用基板(26)上の複数の評価用マーク(29X(i,j),29Y(i,j))の配列をそれら2つのアライメントセンサによる計測が同時に行えるような配列にしておくことが望ましい。これによって、計測時間が短縮される。
また、複数の評価用マークは、評価用基板上に複数行及び複数列設けられており、各行毎に第1移動鏡の曲がり量を求め、各列毎に第2移動鏡(16Y)の曲がり量を求めることが望ましい。これによって、各行毎、各列毎に求めた複数の曲がり量を平均化することができる。
また、本発明の露光方法は、マスク(R)に形成されたパターンを感光基板(W)上に転写する露光方法であって、本発明の移動鏡曲がりの計測方法によって求められた第1移動鏡(16X)及び第2移動鏡(16Y)の曲がり量を記憶するとともに、その記憶された曲がり量に基づいて、マスクのパターンを感光基板上に転写する際の基板ステージ(13)の位置を補正するものである。
さらに、本発明の露光装置は、マスク(R)に形成されたパターンを感光基板(W)上に転写する露光装置であって、本発明の移動鏡曲がりの計測方法によって求められた第1移動鏡(16X)及び第2移動鏡(16Y)の曲がり量を記憶する記憶手段(18)と、記憶された曲がり量に基づいて、マスクのパターンを感光基板上に転写する際の基板ステージの位置を補正する制御手段(18)とを有するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による移動鏡曲がりの計測方法の実施の形態の一例につき、図面を参照して説明する。本例は、ステッパー型の投影露光装置において、ウエハステージに固定された移動鏡の曲がり量を計測する場合に本発明を適用したものである。
【0010】
図1は本例で使用される投影露光装置の概略的な構成を示し、この図1において、超高圧水銀ランプ1から発生した照明光ILは楕円鏡2で反射されてその第2焦点で一度集光した後、コリメータレンズ、干渉フィルター、オプティカル・インテグレータ(フライアイレンズ)及び開口絞り(σ絞り)等を含む照度分布均一化光学系3に入射する。楕円鏡2の第2焦点の近傍には、モーター12によって照明光ILの光路の開閉を行うシャッター11が配置されている。なお、露光用照明光としては超高圧水銀ランプ1等の輝線の他に、エキシマレーザ(KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ等)等のレーザ光、あるいは金属蒸気レーザやYAGレーザの高調波等を用いても構わない。
【0011】
図1において、照度分布均一化光学系3から射出された照明光(i線等)ILは、ミラー4で反射された後、第1リレーレンズ5、可変視野絞り(レチクルブラインド)6及び第2リレーレンズ7を通過してミラー8に至る。そして、ミラー8で下方に反射された照明光ILは、メインコンデンサーレンズ9を介してレチクルRのパターン領域PAをほぼ均一な照度分布で照明する。
【0012】
さて、レチクルRのパターン領域PAを通過した照明光ILは、両側(又はウエハ側に)テレセントリックな投影光学系PLに入射し、投影光学系PLにより例えば1/5に縮小されたレチクルRのパターン像が、表面にフォトレジスト層が塗布され、その表面が投影光学系PLの最良結像面とほぼ一致するように保持されたウエハW上の1つのショット領域に投影露光される。以下では、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内での図1の紙面に垂直にX軸を、図1の紙面に平行にY軸を取る。
【0013】
本例では、レチクルRは、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面内で2次元移動、及び回転自在なレチクルステージRS上に載置され、装置全体を統轄制御する主制御系18によりレチクルステージRSの位置決め動作が制御される。不図示のレチクルアライメント顕微鏡からの計測信号に基づいて、主制御系18がレチクルステージRSを微動させることで、レチクルRはパターン領域PAの中心点が投影光学系PLの光軸AXと一致するように位置決めされる。
【0014】
一方、ウエハWは、微小回転可能なウエハホルダ(不図示)に真空吸着され、このウエハホルダがウエハステージ13上に保持されている。ウエハステージ13は、主制御系18からの指令に基づいて駆動装置14によりX方向、Y方向にウエハWの位置決めを行うと共に、オートフォーカス方式でZ方向へのウエハWの位置決めを行う。露光時には、ウエハW上の1つのショット領域に対するレチクルRの転写露光が終了すると、ウエハステージ13のステッピング駆動によってウエハW上の次のショット領域が露光位置に設定され、ステップ・アンド・リピート方式で露光が繰り返される。
【0015】
また、図1において、投影光学系PLの側面下部にオフ・アクシス方式で且つ撮像方式(以下、「FIA(Field Image Alignment)方式」と呼ぶ)のアライメントセンサ15が配置されている。アライメントセンサ15は、フォトレジスト層に対する感光性が低く、且つ比較的広い波長帯域の照明光でウエハW上の検出対象のマークを照明し、そのマークの像がアライメントセンサ15内の2次元CCD等の撮像素子上に結像され、その撮像素子からの撮像信号がアライメント制御系19に供給されている。アライメント制御系19には、後述のレーザ干渉計で計測されるウエハステージ13の座標も供給され、その撮像信号を処理することによりアライメント制御系19はそのマークのX方向、又はY方向の座標を求め、求めた座標を主制御系18に供給する。
【0016】
更に、投影光学系PLの側面上部にTTL(スルー・ザ・レンズ)方式で、且つ2光束ヘテロダイン干渉方式(以下、「LIA(Laser Interferometric Alignment)方式」という)のX軸用のアライメントセンサ20Xが配置されている。LIA方式とは、例えば特開平2−227602号公報で開示されているように、回折格子状のマークに対して可干渉で僅かに周波数の異なる1対のレーザビームを照射し、そのウエハマークから同一方向に発生する1対の回折光からなるヘテロダインビームを光電変換して得られるビート信号の位相に基づいて、そのマークの位置を検出する方式である。本例においては、アライメントセンサ20Xからの1対のレーザビームALXが、ミラー21及び22を介して投影光学系PLに導かれている。その1対のレーザビームALXは投影光学系PLを介してXZ平面内で所定の交差角で計測領域23Xに照射される。
【0017】
図2は、図1のウエハステージ13の平面図を示し、この図2において、投影光学系PLの光軸AXからY方向(非計測方向)に間隔dyの位置に計測領域23Xの中心が設定されている。間隔dyによって所謂アッベ誤差が発生するため、その間隔dyを以下では「アッベ外し量」とも呼ぶ。また、ウエハW上の各ショット領域(以下、代表的にショット領域24を用いる)には、それぞれ回折格子状のX軸のウエハマーク25X、及びY軸のウエハマーク25Yが形成されており、例えば上述のFIA方式のアライメントセンサ15を用いたサーチアライメントの結果に基づいて、ウエハマーク25Xがその計測領域23Xにかかるように位置決めが行われる。このとき、そのウエハマーク25XからほぼZ方向に1対の回折光からなるヘテロダインビームが発生する。
【0018】
図1に戻り、そのヘテロダインビームが投影光学系PL、ミラー22,21を介してアライメントセンサ20X内の光電センサに入射し、この光電センサでそのヘテロダインビームを光電変換して得られるウエハビート信号と、内部で生成される参照ビート信号との位相差の情報がアライメント制御系19に供給される。アライメント制御系19では、供給される位相差、及びウエハステージ13の座標より検出対象のウエハマーク25XのX方向の座標を検出し、検出結果を主制御系18に供給する。
【0019】
また、不図示であるが、TTL方式でLIA方式のY軸用のアライメントセンサも設けられ、このアライメントセンサから射出された1対のレーザビームが投影光学系PLを介して、図2に示すようにウエハW上の計測領域23Yに照射される。計測領域23Yの中心は、光軸AXからX方向(非計測方向)に間隔(アッベ外し量)dxだけ離れた位置にあり、例えばサーチアライメントの結果に基づいてショット領域24のY軸のウエハマーク25Yがその計測領域23Yにかかるように位置決めを行うことにより、そのY軸用のアライメントセンサ、及びアライメント制御系19によってウエハマーク25YのY座標が検出され、検出結果が主制御系18に供給される。
【0020】
次に、図2を参照して本例のウエハステージ13の座標計測機構につき説明する。その図2において、ウエハステージ13上にはX軸用の角柱状の移動鏡16X、及びY軸用の角柱状の移動鏡16Yが固定されている。この場合、一方の移動鏡16Xの反射面はX軸にほぼ垂直に設定され、他方の移動鏡16Yの反射面はY軸にほぼ垂直に設定され、移動鏡16Xに対向するようにX軸用の2つの干渉計(レーザ光波干渉式測長器)17X1、及び17X2が固定され、移動鏡16Yに対向するようにY軸用の干渉計17Yが固定されている。そして、干渉計17X1及び17X2からのレーザビームLBX1及びLBX2が移動鏡16Xの反射面にほぼ垂直に入射し、干渉計17YからのレーザビームLBYが移動鏡16Yの反射面にほぼ垂直に入射している。
【0021】
本例では、干渉計17X1からのレーザビームLBX1の光軸、及び干渉計17YからのレーザビームLBYの光軸は投影光学系PLの光軸AXを横切るように設定され、干渉計17X2からのレーザビームLBX2の光軸はオフ・アクシス方式のアライメントセンサ15の光軸15a(検出中心)を横切るように設定されている。レーザビームLBX1とレーザビームLBX2とのY方向への間隔、即ち光軸AXと光軸15aとの間隔はdfに設定されている。これらの干渉計17X1,17X2及び17Yによりそれぞれ例えば0.01μm程度の分解能で常時検出される座標値が図1の主制御系18、及びアライメント制御系19に供給されている。
【0022】
そして、干渉計17X1により計測される座標がウエハステージ13のX座標となり、干渉計17Yにより計測される座標がウエハステージ13のY座標となっている。なお、例えば2つの干渉計17X1及び17X2により計測される座標の平均値をそのX座標としてもよい。このように干渉計の計測結果により定められるウエハステージ13のX座標、及びY座標が、ステージ座標系(又は静止座標系)上の座標(X,Y)となる。また、2つの干渉計17X1及び17X2により計測される座標の差分より、図1の主制御系18はウエハステージ13のヨーイング等に基づく回転誤差を算出し、露光時には例えばその回転誤差に合わせてレチクルステージRSを介してレチクルRを回転させる。
【0023】
次に、本例の移動鏡16X,16Yの曲がりの計測方法の一例につき説明する。先ず、図1のウエハステージ13上にウエハWの代わりに基準ウエハをロードする。
図3は、ウエハステージ13上に基準ウエハ26がロードされた状態を示し、この図3において、基準ウエハ26の表面には、X方向に5列でY方向に5行の配置で互いに同一のショット領域SA(1,1),SA(2,1),SA(3,1),…,SA(5,5) が形成されている。なお、実際にはウエハステージ13側の座標系(X,Y)に対して、基準ウエハ26には或る程度の回転誤差が残っているが、この回転誤差は後に補正される。各ショット領域SA(i,j)(i=1〜5,j=1〜5)内にはそれぞれX軸のLIA方式用の大型のアライメントマーク(以下、「LIAマーク」と呼ぶ)28X(i,j) 、Y軸のLIAマーク28Y(i,j) 、及びその他のアライメントマーク(図4参照)が形成され、これらのアライメントマークの基準ウエハ26上の座標系(試料座標系)での配列は、例えば座標測定装置等によって高精度に計測されて、主制御系18内の記憶部に記憶されている。
【0024】
図4は、基準ウエハ26上のショット領域SA(i,j) 内での各種アライメントマークの配置を示し、この図4において、ショット領域SA(i,j) 内の基準点27(i,j) に対してY方向に間隔dy[mm]でX軸のLIAマーク28X(i,j) の中心が配置され、基準点27(i,j) に対してX方向に間隔dx[mm]でY軸のLIAマーク28Y(i,j) の中心が配置されている。また、ショット領域SA(i,j) のX方向の幅は(dx+1)[mm]、Y方向の幅は(dy+1)[mm]に設定されている。図3では、基準ウエハ26上にはショット領域SA(i,j) は5列×5行で配列されているが、実際にはX方向へのピッチ(dx+1)、及びY方向へのピッチ(dy+1)で、多数のショット領域SA(i,j) が形成されている。
【0025】
この場合、図2に示したように、LIA方式のX軸のアライメントセンサの計測領域23X、及びY軸のアライメントセンサの計測領域23Yは、それぞれ光軸AXに対してY方向に間隔dy、及びX方向に間隔dxだけ外してある。従って、図4のショット領域SA(i,j) 内の基準点27(i,j) を、投影光学系PLの光軸AX付近に位置合わせすることによって、X軸のLIAマーク28X(i,j) 及びY軸のLIAマーク28Y(i,j) の位置を同時に対応するLIA方式のアライメントセンサで検出できるようになっている。また、アライメントセンサによる計測領域23X,23Y、即ちアライメントセンサからの検出光束の照射される領域は、投影露光装置によって若干のばらつきがあるので、全ての投影露光装置でX軸、及びY軸のマークの同時検出が可能となるように、LIAマーク28X(i,j),28Y(i,j) は大きく形成されている。
【0026】
また、LIAマーク28X(i,j) に隣接するようにFIA方式で検出されるX軸のアライメントマーク(以下、「FIA標準マーク」という)29X(i,j) が形成され、LIAマーク28Y(i,j) に隣接するようにY軸のFIA標準マーク29Y(i,j) が形成され、ショット領域SA(i,j) の中央部にサーチアライメント用のY軸のサーチマーク30(i,j) 及びX軸のサーチマーク31(i,j) も形成されている。サーチマーク30(i,j) 及び31(i,j) は例えば図1のFIA方式のアライメントセンサ15によって検出される。
【0027】
次に、基準ウエハ26上の各マークの位置検出を行うが、その場合の計測値の符号等を以下の(1)〜(7)のように設定する。
(1)以下では図2において、X軸の干渉計17X1の計測値X、及びY軸の干渉計17Yの計測値Yで定まる座標系(X,Y)をステージ座標系とするが、図3の基準ウエハ26の中心が投影光学系PLの光軸AX上に位置するときの座標(X,Y)を原点(0,0)とする。
【0028】
また、図2において、その原点からウエハステージ13が右方向に移動するときにX座標が+方向に変化して、ウエハステージ13が上方向に移動するときにY座標が+方向に変化するものとして、X座標及びY座標の単位をmmとする。
(2)LIA方式のX軸のアライメントセンサ20X、及びY軸のアライメントセンサによる位置検出に際しては、それぞれ検出対象マークの設計上の位置からのX方向への位置ずれ量LX[nm]、及びY方向への位置ずれ量LY[nm]が検出され、検出結果がアライメントデータ(LX,LY)となる。この際の位置ずれ量の符号は、図4(平面図)においてアライメントセンサの検出中心(設計上の位置)に対して検出対象マークが右方向にずれているときに位置ずれ量LXが+となり、上方向にずれているときに位置ずれ量LYが+となるように設定する。
【0029】
また、FIA方式のアライメントセンサ15により検出される、検出対象マークの設計上の位置からX方向への位置ずれ量FX[nm]、及びY方向への位置ずれ量FY[nm]をアライメントデータ(FX,FY)として、これらの符号をアライメントデータ(LX,LY)と同様に設定する。
(3)以下では、計測結果を処理して基準ウエハ26の試料座標系(x,y)でのx方向への線形伸縮(ウエハスケーリング)γx、及びy方向へのウエハスケーリングγyを検出するが、これらのウエハスケーリングγx,γy[ppm]は、ウエハが伸びる方向を+とする。
【0030】
(4)図5の基準ウエハの平面図で示すように、基準ウエハ26のステージ座標系(X,Y)に対する回転角(ウエハローテーション)θ[μrad]も検出されるが、そのウエハローテーションθの符号は、ステージ座標系(X,Y)に対して反時計方向に回転する場合を+とする。
(5)座標(X,Y)におけるウエハステージ13のヨーイングをYaw(X,Y)[μrad]とすると、ヨーイングYawの符号は例えば図3においてウエハステージ13が反時計方向に回転する場合を+とする。
【0031】
(6)図2のX軸の移動鏡16Xの座標位置Yでの曲がり量をMX(Y)[nm]、Y軸の移動鏡16Yの座標位置Xでの曲がり量をMY(X)[nm]とする。そして、曲がり量MX(Y)、及びMY(X)の符号はそれぞれウエハステージ13が+X方向、及び+Y方向に動く方向(即ち、アライメントセンサによるアライメントデータが+になる方向)のときに+とする。なお、X軸の移動鏡16Xの曲がり量は0次成分を取り除いた1次以上の曲がり成分(ステージ座標系(X,Y)の直交度誤差を含む)を指し、Y軸の移動鏡16Yの曲がり量は0次成分、及び1次成分を取り除いた2次以上の曲がり成分を指すものとする。
【0032】
(7)基準ウエハ26のショット配列の誤差は極めて小さく、各ショット領域SA(i,j) の回転(チップローテーション)のばらつきも小さいとする。あるいは、基準ウエハ26のショット配列の誤差(ウエハ上の試料座標系の直交度誤差、ランダムな誤差等)、及び各ショット領域のチップローテーションによる各アライメントマークの設計値からのずれを予め計測しておいて、計測時にアライメントデータを補正してもよい。以下では、基準ウエハ26の配列誤差が極めて小さいか、又はその配列誤差が補正されていると仮定する。
【0033】
これらの条件のもとで、以下の工程によって移動鏡16X,16Yの曲がり量を計測する。
(第1工程)
図3において、ウエハステージ13にロードされた基準ウエハ26上の全部のショット領域SA(1,1) 〜SA(5,5) から所定個数(例えば2個)のショット領域を選択してサーチアライメントを行う。即ち、図1のFIA方式のアライメントセンサ15を用いてこれら選択されたショット領域内のサーチマーク30(i,j),31(i,j) のX座標、Y座標を計測し、これら計測結果、及びそれらサーチマークの試料座標系(x,y)での設計上の配列座標から、試料座標系(x,y)からステージ座標系(X,Y)へのラフな変換パラメータを求める。この変換パラメータは、x軸のX軸に対する回転角(ウエハローテーション)θ、及びX方向及びY方向へのオフセットOx,Oyよりなる。そこで、例えばその回転角θを補正するように基準ウエハ26を回転するか、又はX軸に対して回転角θだけ回転した軸を新たなX軸とみなす等の手法によって、回転角の補正(回転取り)を行う。
【0034】
その後、得られたオフセットOx,Oyを用いて、各マークの試料座標系(x,y)上の配列座標からステージ座標系(X,Y)上での配列座標を求める。この結果、各マークの座標位置はほぼ0.1μm以下程度の精度で大まかに特定され、基準ウエハ26のウエハローテーションθは1μrad程度以下となっている。残留するウエハローテーションθは、サーチアライメントの精度に起因するものである。また、ウエハステージ13の温度と基準ウエハ26の温度との差によって、X方向及びY方向へのウエハスケーリングγx,γyが生じている。
【0035】
(第2工程)
基準ウエハ26の温度がウエハステージ13の温度で安定するまで待機する。その後、図1のFIA方式のアライメントセンサ15を用いて、基準ウエハ26上の全部のショット領域SA(i,j) 内のX軸のFIA標準マーク29X(i,j)(図4参照)及びY軸のFIA標準マーク29Y(i,j) の設計上の位置からの、それぞれX方向への位置ずれ量FX、及びY方向への位置ずれ量FYを求める。この際に、アッベ誤差の発生を防止するため、X座標としては図2の干渉計17X2の計測値を使用する。そして、例えば特開昭62−84516号公報で開示されているエンハンスト・グローバル・アライメント(EGA)方式のアライメント方法を適用して、それらのアライメントデータ(FX,FY)、及び設計上の配列座標に基づいて、基準ウエハ26上の試料座標系(x,y)からステージ座標系(X,Y)への変換パラメータを算出する。この際の変換パラメータは、ウエハスケーリングγx,γy、ウエハローテーションθ、直交度誤差w、及びオフセットOx,Oyからなっている。FIA方式のアライメントセンサ15の光軸15a(検出中心)は干渉計からのレーザビームLBX2,LBYの光軸上にあり、アライメントセンサ15の計測値にはアッベ誤差がないので、ウエハスケーリングγx,γy、及びウエハローテーションθの計測値にはウエハステージ13のヨーイングの影響を受けない。
【0036】
(第3工程)
その第2工程で求められた変換パラメータを使用して、基準ウエハ26上の各マークの試料座標系(x,y)上の配列座標からステージ座標系(X,Y)上での配列座標を求める。そして、図1のLIA方式のX軸のアライメントセンサ20X、及びY軸のアライメントセンサを用いて、図3の基準ウエハ26上の全部のショット領域SA(i,j)(i=1〜5,j=1〜5)内のX軸のLIAマーク28X(i,j) 及びY軸のLIAマーク28Y(i,j) の設計上の位置からの、それぞれX方向への位置ずれ量LX、及びY方向への位置ずれ量LYを求める。これらのアライメントデータ(LX,LY)を主制御系18内の記憶部に記憶する。
【0037】
(第4工程)
主制御系18は、以下の計算を行ってX軸の移動鏡16Xの位置Yでの曲がり量MX(Y)、及びY軸の移動鏡16Yの位置Xでの曲がり量MY(X)を求める。先ず、X座標をi列目のショット領域の位置Xiに固定して、LIA方式のアライメントセンサによるY座標の関数としてのアライメントデータ(LX(Y),LY(Y))を、移動鏡の曲がり量MX(Y)、座標(Xi,Y)でのウエハステージ13のヨーイングYaw(Xi,Y)、ウエハローテーションθ、及び所定の定数a1,a2の関数として次のように表すことができる。
【0038】
[X=Xi(固定)の場合]
LX(Y)=MX(Y)−Yaw(Xi,Y) dy+θ・Y+a1 (a)
LY(Y)=Yaw(Xi,Y) dx−γy・Y+θ・dx+a2 (b)
同様に、Y座標をj目のショット領域の位置Yjに固定して、X座標の関数としてのアライメントデータ(LX(X),LY(X))を、移動鏡の曲がり量MY(X)、座標(X,Yj)でのウエハステージ13のヨーイングYaw(X,Yj)、ウエハローテーションθ、及び所定の定数a3,a4の関数として次のように表すことができる。
【0039】
[Y=Yj(固定)の場合]
LX(X)=−Yaw(X,Yj) dy−γx・X−θ・dy+a3 (c)
LY(X)=MY(X)+Yaw(X,Yj) dx−θ・X+a4 (d)
次に、第3工程で求めたアライメントデータ(LX,LY)の内で、ステージ座標系(X,Y)上の計測位置(Xi,Yj)での計測結果を(LXi,LYj)として、X座標がXiでのX軸の移動鏡16Xの曲がり量をMXi(Y)(Y=Y1〜Y5)、Y座標がYjでのY軸の移動鏡16Yの曲がり量をMYj(X)(X=X1〜X5)とする。これらの曲がり量MXi(Y),MYj(X)は以下のように求められる。即ち、(b)式より、次式が得られる。
【0040】
Yaw(Xi,Yj)=(LYj+γy Yj−θ dx−a2)/dx (e)
そして、(a)式、(e)式より、次式が得られる。
Figure 0003590821
同様に、(c)式より、次式が成立する。
【0041】
Yaw(Xi,Yj)=−(LXi+γx Xi+θ dy−a3)/dy (g)
そして、(d)式、(g)式より、次式が導かれる。
Figure 0003590821
【0042】
ここで、(f)式においてX軸の移動鏡16Xの曲がり量MXi(Yj)の内、(−θ・dy−a2・dy/dx−a1)は、位置Yjに依存しない0次成分である。また、(h)式においてY軸の移動鏡16Yの曲がり量MYj(Xi)の内、(γx・dx/dy+θ)・Xiは、位置Xiに比例する1次成分、(θ・dx−a3・dx/dy−a4)は、位置Xiに依存しない0次成分である。よって、これらは本例での移動鏡曲がりには含まれないので除去すると、(f)式、及び(h)式はそれぞれ次のように書き換えられる。
【0043】
Figure 0003590821
次に、第2工程で求めたウエハスケーリングγy、及びウエハローテーションθを(i)式、(j)式に代入する。求めるべき移動鏡の曲がり量MXi(Yj)及びMYj(Xi)は、それぞれMXi(Yj)が0次成分を取り除いた曲がり成分、MYj(Xi)が0次成分と1次成分とを取り除いた曲がり成分である。従って、(i)式、(j)式で求めた曲がり量MXi(Yj),MYj(Xi)について、それぞれ更に折れ線(Yj,MXi(Yj))及び(Xi,MYj(Xi))を0次直線、及び1次直線で最小二乗近似し、求められた近似直線を差し引くことによって、0次成分及び1次成分を全て除去する。そして、(i)式、及び(j)式から、それぞれ対応する近似直線を差し引いた残留成分が、求めるべき移動鏡の曲がり量MXi(Yj),及びMYj(Xi)となる。
【0044】
(第5工程)
上述の第4工程によって、ウエハの露光可能部分(アライメントマークが形成されている範囲)での移動鏡曲がりが求められた。次に、図3において、X軸の移動鏡16Xの−Y方向の端部での曲がり量を求める。この部分での曲がり量は、例えば通常のウエハの−Y方向の端部のウエハマークの位置をLIA方式で計測する際に、干渉計17X2の計測値を用いてウエハステージ13のヨーイングの補正を行う際に必要となる。以下に計測方法を示す。
【0045】
先ず、第4工程で求めた移動鏡曲がりを、装置定数として図1の主制御系18内の記憶部に入力し、以下のステージ制御に用いる。図3において、X軸の移動鏡16Xの曲がりが計測されている領域を、m1≦Y≦m2(−m1≒m2≒ウエハ半径)とする。なお、X軸、Y軸の原点は、基準ウエハ26の中心が投影光学系PLの光軸AXに一致する位置に設定されている。ここで、X座標をi目のショット領域の位置Xiに固定すると、次のようになる。
【0046】
[領域(Y≦m2−df)において]
この領域では、干渉計17X1及び17X2の計測位置では共に移動鏡16Xの曲がりが補正されているため、干渉計17X1及び17X2の計測値をそれぞれXi1、及びXi2とすると、次の関係が成立する。
i2−Xi1=Yaw(Xi,Yj)・df (k)
差分(Xi2−Xi1)は、干渉計の計測値の差分であるから、(b)式、(k)式より、X座標が位置Xiのときの定数a2が求まる。
【0047】
[領域(m2−df≦Y)において]
これは移動鏡16Xと干渉計17X1,17X2とが図3のような位置関係にある領域である。この場合、干渉計17X1,17X2の計測値Xi1,Xi2、及び位置(Xi,Yj+df)での移動鏡16Xの曲がり量MXi(Yj+df)等を使用すると、次のようになる。
【0048】
i2−Xi1=Yaw(Xi,Yj)・df−MXi(Yj+df) (l)
X座標が位置Xiのときの定数a2は領域(Y≦m2−df)での計測で求められており、これは領域(m2−df≦y)においても共通である。よって、(e)式よりYaw(Xi,Yj)が求められ、これを(l)式に代入することで露光可能部分の外での曲がり量MXi(Yj+df)が求められる。
【0049】
(第6工程)
以上の工程によって、X軸の移動鏡16Xの曲がり量MXi(Y)(Y=Y1〜Y5)、及びY軸の移動鏡16Yの曲がり量MYj(X)(X=X1〜X5)が求められる。曲がり量MXi(Y)は全ての位置Xi(i=1〜5)について求められ、位置Xiによらず一定となるべき量である。よって、各曲がり量MXi(Y)の位置X1〜X5に関する平均値をX軸の移動鏡の曲がり量MX(Y)とする。同様に、曲がり量MYj(X)は全ての位置Yj(j=1〜5)について求められ、位置Yjによらず一定となるべき量である。よって、各曲がり量MYj(X)の位置Y1〜Y5に関する平均値をY軸の移動鏡の曲がり量MY(X)とする。
【0050】
(第7工程)
基準ウエハ26を使用して、上述の第1工程〜第6工程を繰り返すことによって複数回移動鏡の曲がり量MX(Y),MY(X)を求め、これらを平均化する。これによってアライメントセンサの測定誤差や、干渉計の計測値の空気揺らぎによる誤差の影響等を軽減する。
【0051】
上述のように、本例の計測方法によれば、基準ウエハ26上の各マークの位置を計測し、計測結果を処理するだけで、実際に露光を行うことなく移動鏡16X,16Yの曲がり量を求めることができる。
なお、上記の例の第2工程(FIA方式のアライメントセンサを用いたウエハスケーリング等の算出工程)を以下のように変更してもよい。
【0052】
例えば、x方向のウエハスケーリングγxを求める場合、図3において、基準ウエハ26上のY座標が同じのショット領域(例えばSA(1,1),SA(2,1),…)のX軸のFIA標準マーク29X(i,j)(図4参照)の位置ずれ量をFIA方式のアライメントセンサ15によって計測し、計測結果FXi(i=1〜5)から1目のウエハスケーリングγx1を求める。同様に、それぞれY座標が同じ2目〜5目のショット領域についてウエハスケーリングγx2〜γx5を求め、γxj(j=1〜5)の平均値をx方向のウエハスケーリングγxとする。
【0053】
y方向のウエハスケーリングγyを計測する場合も同様に、図3において、基準ウエハ26上のX座標が同じのショット領域(例えばSA(1,1),SA(1,2),…)のY軸のFIA標準マーク29Y(i,j)(図4参照)の位置ずれ量をFIA方式のアライメントセンサ15によって計測し、計測結果から1目のウエハスケーリングγy1を求める。そして、全のウエハスケーリングγyi(i=1〜5)の平均値をy方向のウエハスケーリングγyとする。
【0054】
同様に、ウエハローテーションθを計測する場合も、基準ウエハ26上のY座標が同じのショット領域(例えばSA(1,1),SA(2,1),…)のY軸のFIA標準マーク29Y(i,j) の位置ずれ量をアライメントセンサ15によって計測し、計測結果FYi(i=1〜5)から1目のウエハローテーションθ1を求める。そして、全のウエハローテーションθj(j=1〜5)の平均値をウエハローテーションθとする。この方法によれば、移動鏡曲がりの影響を受けない利点がある。
【0055】
また、図3の基準ウエハ26上のLIAマーク28X(i,j),28Y(i,j) の間隔(即ち、移動鏡曲がり計測の間隔)は狭い程良いのは当然であるが、その間隔はウエハステージ13で必要とされる位置決め精度に応じて設定すればよい。また、装置定数として移動鏡の曲がり量の計測値MX(Y),MY(X)を記憶させるときに、計測位置の間の移動鏡曲がりについては直線近似等で補間して入力してもよい。
【0056】
また、上述の実施の形態ではアライメントセンサとして、LIA方式及びFIA方式が使用されているが、例えばスリット状に集光されたレーザビームとドット列状のマークとを相対走査するレーザ・ステップ・アライメント(LSA)方式のアライメントセンサを使用してもよい。更に、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式、又はオフ・アクシス方式のアライメントセンサのみならず、TTR(スルー・ザ・レチクル)方式のアライメントセンサを使用してもよい。
【0057】
また、本発明は、レチクルとウエハとを同期して走査して露光を行う所謂ステップ・アンド・スキャン方式等の露光装置で移動鏡曲がりを計測する場合等にも同様に適用できるものである。このように本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の評価用マークが既知の配列で並べられた評価用基板を使用し、それら複数の評価用マークの位置計測を行うことによって移動鏡の曲がり量を求めているため、露光装置の基板ステージ(ウエハステージ)に固定された座標計測用の移動鏡の曲がりを簡単に、且つ短時間に計測できる利点がある。そのように計測された移動鏡の曲がり量を装置定数として記憶し、露光時に基板ステージの位置を補正することにより、感光基板上のショット配列精度を高めることができ、異なる露光装置を用いて重ねて露光を行う場合の重ね合わせ精度も向上する。
【0059】
また、それら評価用マークについて計測された座標、及びそれら評価用マークの既知の配列に基づいてそれら評価用マークの配列の線形成分を求め、この線形成分を除去することにより第1移動鏡、及び第2移動鏡の2次の曲がり量を求める場合には、それら移動鏡の傾き角の影響等が除去された曲がり成分のみを正確に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例で使用される投影露光装置を示す構成図である。
【図2】図1の投影露光装置のウエハステージ13の座標計測機構を示す平面図である。
【図3】図1の投影露光装置のウエハステージ13上に基準ウエハ26をロードした状態を示す平面図である。
【図4】基準ウエハ26のショット領域SA(i,j) 内のマーク配置を示す拡大平面図である。
【図5】基準ウエハ26のウエハローテーションの説明図である。
【符号の説明】
R レチクル
PL 投影光学系
W ウエハ
13 ウエハステージ
15 FIA方式のアライメントセンサ
16X,16Y 移動鏡
17X1,17X2,17Y 座標計測用の干渉計
18 主制御系
19 アライメント制御系
20X LIA方式のX軸のアライメントセンサ
26 基準ウエハ
SA(i,j) ショット領域
28X(i,j),28Y(i,j) LIAマーク
29X(i,j),29Y(i,j) FIA標準マーク
30(i,j),31(i,j) サーチマーク

Claims (7)

  1. マスクに形成されたパターンが転写される感光基板を互いに交差する第1方向及び第2方向に移動させる基板ステージと、
    該基板ステージに固定されそれぞれ前記第1方向に実質的に垂直な反射面を有する第1移動鏡、及び前記第2方向に実質的に垂直な反射面を有する第2移動鏡と、
    前記第1移動鏡及び第2移動鏡にそれぞれ座標計測用の光ビームを照射して前記第1方向及び第2方向への前記基板ステージの座標を計測する座標計測手段と、を有する露光装置の前記第1移動鏡及び第2移動鏡の曲がりの計測方法において、
    前記感光基板として予め複数の評価用マークが既知の配列で並べられた評価用基板を前記基板ステージに載置し、
    前記座標計測手段の計測値に基づいて前記基板ステージを前記第1方向及び第2方向に駆動して、前記評価用基板上の前記複数の評価用マークを順次所定のアライメントセンサによる計測領域に移動して、それぞれ前記評価用マークの座標を計測し、
    該計測された座標、及び前記複数の評価用マークの既知の配列に基づいて前記第1移動鏡及び第2移動鏡の曲がりを求めることを特徴とする移動鏡曲がりの計測方法。
  2. 前記計測された座標、及び前記複数の評価用マークの既知の配列に基づいて前記複数の評価用マークの配列の線形成分を求め、該線形成分を除去することにより前記第1移動鏡及び第2移動鏡の2次の曲がり量を求めることを特徴とする請求項1記載の移動鏡曲がりの計測方法。
  3. 前記アライメントセンサは、前記マスクに形成されたパターンの像を前記感光基板上に投影するための投影光学系を介して前記評価用マークの座標を計測することを特徴とする請求項1又は2に記載の移動鏡曲がりの計測方法。
  4. 前記アライメントセンサは、前記評価用マークの前記第1方向の位置を計測するための第1方向用アライメントセンサと、前記評価用マークの前記第2方向の位置を計測するための第2方向用アライメントセンサとを備え、前記評価用基板上の複数の評価用マークの配列を、前記2つのアライメントセンサによる計測が同時に行えるような配列にすることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の移動鏡曲がりの計測方法。
  5. 前記複数の評価用マークは、前記評価用基板上に複数行及び複数列設けられており、各行毎に前記第1移動鏡の曲がり量を求め、各列毎に前記第2移動鏡の曲がり量を求めることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の移動鏡曲がりの計測方法。
  6. マスクに形成されたパターンを感光基板上に転写する露光方法であって、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の移動鏡曲がりの計測方法によって求められた前記第1移動鏡及び第2移動鏡の曲がり量を記憶するとともに、前記記憶された曲がり量に基づいて、前記マスクのパターンを前記感光基板上に転写する際の基板ステージの位置を補正することを特徴とする露光方法。
  7. マスクに形成されたパターンを感光基板上に転写する露光装置であって、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の移動鏡曲がりの計測方法によって求められた前記第1移動鏡及び第2移動鏡の曲がり量を記憶する記憶手段と、前記記憶された曲がり量に基づいて、前記マスクのパターンを前記感光基板上に転写する際の基板ステージの位置を補正する制御手段とを有することを特徴とする露光装置。
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