JP3587897B2 - 歯科用治療椅子 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、椅子に座った患者が感じ取る移動感覚が良好であり、しかも脚部シート部やステップ部の下方に障害物が存在していても脚部シート部やステップ部が安全に伸展及び屈曲するコンパクトな機構を備えた歯科治療に用いられる歯科用治療椅子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
歯科用治療椅子(以下、単に「椅子」と称することがある)に着座した患者の脚部及び足部が接触する部分である脚部シート部及びステップ部の円滑な移動感覚を得られるようにする機構として、四節リンクを用いる考案が例えば実公平5−46451号公報に開示されている。またステップ部の下方に障害物が存在する場合に対処できる安全機構に関する技術として、ステップ部支持機構の軸受孔のうちの少なくとも1個を縦長溝とする考案が例えば実開昭63−195836号公報に開示されている。
【0003】
ところで、歯科医師等が椅子に着座させて患者に処置を施す場合には、先ず椅子を椅座位(屈曲位)の状態にして患者を導き、次にバックレスト等で患者を支えるようにしながら椅子の機構を駆動させ、患者の全身が床に対してほぼ水平となる仰臥位(伸展位)にしてから治療等の処置を行うのが一般的である。また、これらの椅子は、前述の動作に加えて患者を仰臥位にした後に、椅子全体を昇降させることで歯科医師等の術者の体形や患者の治療部位に応じて最適なポジションを得るための昇降装置を備えているのが普通である。
【0004】
このような歯科用治療椅子の脚部シート部及びステップ部を伸展させたり屈曲させたりする従来の機構について次に説明する。
椅子の座部シート支えの前端部には或る所定の間隔を設けて2本のアームがそれぞれその一端を回転軸により枢着されており、この2本のアームの他端には前記間隔と同じか又は小さな間隔とする四節リンク状の構成となるようにしてステップ部の後端部が回転軸により枢着されている。このような機構とすることにより、前記アームが揺動(伸展及び屈曲の動作)してもステップ部の上面を常に床に対し所望の一定角度(例えば平行など)を保ちながら移動させることや仰臥位で脚部シート部とステップ部とを水平に連なるようにさせることが可能になるのである。そして、前記アームの表面側(患者側)には脚部シート部が配備され、患者が仰臥位になった時に患者の脚部を支えるようにされているのが一般的な構成である。
【0005】
これら前記した機構では、ステップ部の床に対する角度が一定であったり、上部アーム(脚部シート部)が水平位になると同時にステップ部も水平になるようにリンク比を調節して四節リンクを形成させている。このため、椅座位から仰臥位に移動する脚部シート部及びステップ部が描く軌跡は前記四節リンクのリンク比なりの制限を受けることになり、水平への変化が所定位置で急激に起こったり角度が変わらなかったりするため、足首へ無理な負担が掛かったりして座っている患者が受ける移動感覚は良好ではなかった。このような欠点を解消すべく様々な工夫がなされている。
【0006】
例えば、前記実公平5−46451号公報に開示されている椅子では、座部シート支えに対して直角方向に第1の間隔を開けて脚部シート部を構成するどちらか一方が駆動機構に連結される2本のアームのそれぞれの一端が軸支され、この2本のアームのうち1本の他端には軸支され且つもう1本のアームの他端には摺動可能にステップ部が第2の間隔を開けて支持されて取り付けられる構造となっている。
【0007】
このような構成において前述の第1の間隔を第2の間隔より大きくすることにより、椅子の駆動機構が動作して椅座位(アームが垂直又はそれに近い角度)から仰臥位(アームが水平又はそれに近い角度)に移行するときの中間位置で脚部シート部(上部アーム)とステップ部とがほぼ一直線状になるのである。以上に述べた構成となすことで、椅子の動作時(膝関節と足首関節が伸展及び屈曲する時)に患者が感じ取る移動感覚を良好にしているのである。
【0008】
しかし、この機構では前記第1の間隔を第2の間隔より大きく構成しているため、椅子が椅座位(アームが最も垂直に近い位置に来た状態)から仰臥位(アームが水平に近い位置に来た状態)に移行するに従い、前記2本のアームのなす間隔が徐々に広がり出すため、結果的には側方から椅子の機構部がまともに見えてしまうことになるのであり、このことは術者や患者に威圧感を与えてしまい好ましくない欠点となるのであった。
【0009】
このような欠点を改善するためには機構部を覆い隠すという措置が採れば良いが、2本のアームのなす間隔が変化するということが制約となり、仰臥位(アームが水平に近い位置に来た状態)時の最大間隔に合わせると覆いの厚みが著しく厚くなりデザイン性に劣るという欠点があった。
【0010】
また、実開昭63−195836号公報に開示された椅子のステップ部の安全機構に関する考案は、前述の椅子の脚部シート部におけるアームの機構である第1の間隔や第2の間隔とは全く別個に存在し得るものであり、脚部シート部を構成する2本のアームのどちらか一方のステップ部を取り付けるための軸受け孔を縦長溝にすることに特徴を有する考案である。この構造により、ステップ部は縦長溝の軸受け孔ではないもう一方の軸受け孔に枢着されている軸を中心として回転自在となるので、椅座位の状態で椅子を上下動させた時にステップ部と床との間に障害物が挟まっても、ステップ部の先端が上方向に回転自在となっているため怪我や破損を防止し得るのである。
【0011】
しかしながら、例えば前記実公平5−46451号公報に記載された椅子に、前述の実開昭63−195836号公報に記載された考案である安全機構を組み合わせた椅子を製作しようとすると、新たな問題が発生するのである。それは、前記2本のアームのどちらか一方に縦長溝が設けられていたとして、ステップ部と床との間に障害物が存在していた時に、ステップ部より先に床側のアーム又は軸が床又は障害物に接触してしまう恐れがあるばかりか、2本のアームが成す角度により回転動作の方向に制限を受けてしまうために椅子が椅座位(アームが最も垂直に近い位置に来た状態)又はこれに近い状態の時にしかこの安全機構は機能しないという問題点があることである。
【0012】
これに加えて、歯科用治療椅子は患者の治療中に仰臥位の状態で上下せしめられることもあるため、前記昭63−195836号公報に開示されてある考案のように椅座位におけるステップ部と床との間にある障害物のみに対する対策だけでは不充分であるという新たな問題も存在しているのである。つまり、仰臥位の状態で椅子を上下動させようとした時に、床側アームと床との間に障害物が存在している可能性に対する対策としての工夫も必要なのである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来の歯科用治療椅子の欠点を解消し、椅子に座った患者が感じ取る移動感覚が良好であり、しかも椅座位におけるステップ部と床との間,仰臥位における床側アーム及びステップ部と床との間の障害物の挟み込み防止とそれらを実現する機構をコンパクトに構成した歯科治療用椅子を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意研究の結果、歯科用治療椅子を、座部シート支えの前方端に上揺動アームの上方端及び下揺動アームの上方端がそれぞれ上アーム回転軸及び下アーム回転軸により枢着されており、前記上揺動アームの下方端にはステップ部の後方端の所定位置が上ステップ部取付回転軸により枢着されており、また前記下揺動アームの前記上方端とは異なる上方端又はその中間部所定位置の摺動アーム回転軸により脚部駆動源の摺動アームの先端部が枢着されており、前記下揺動アームの下方端にはローラ回転軸によりローラが前記上揺動アームの略中間位置の裏面に当接するように枢着されていて、更に前記ローラ回転軸にその上方端が枢着されている伸縮アーム摺動棒が摺動自在に装着されている伸縮アーム外筒から成る伸縮アームの該伸縮アーム外筒が前記ステップ部の上ステップ部取付回転軸より後方に位置する下ステップ部取付回転軸により枢着されている構造とすることによって解決できることを究明して本発明を完成したのである。
【0015】
【実施例】
以下、図面に基づき本発明に係る歯科治療用椅子の一実施例について詳細に説明する。
図1は本発明に係る歯科治療用椅子の座部シート支えと脚部シート部とステップ部との関係を示したもので、実線は椅座位における位置を、一点鎖線は中間位置を、二点鎖線は仰臥位置をそれぞれ示したものである。また図2は椅子が椅座位の状態でステップ部の下に障害物が存在しステップ部が持ち上げられた状態を示す説明図、図3は椅子が仰臥位の状態まま下降した時に脚部シート部及びステップ部の下に障害物が存在し脚部シート部及びステップ部が伸びた状態のまま持ち上げられた状態を示す説明図である。
【0016】
図面中、1は椅子に患者が座った時にその尻部及び大腿部を位置させ支えるための座部シート(図示なし)を載置する座部シート支えであり、通常この座部シートはその形状や弾性に様々な工夫が凝らされていて、患者の肉体的,精神的な負担を軽減すると共に椅子の駆動部などの機構を直接には見えないようにするための役割も担っている。
【0017】
2は座部シート支え1の前方端にその上方端が上アーム回転軸2aにより枢着されている上揺動アームであり、そのもう一端である下方端にはステップ部7の後方端の所定位置が上ステップ部取付回転軸2bにより枢着されている。この上揺動アーム2の前方(患者側)には、椅子の仰臥時に患者の脛部を支えるための弾性部材としての脚部シート(図示なし)が配備されている。
【0018】
3は座部シート支え1の前方端であって前記上揺動アーム2の上方端が枢着されている上アーム回転軸2aとは異なる上方端(図示した実施例では上アーム回転軸2aの鉛直から40〜50度の角度をなす斜め後方の位置)の下アーム回転軸3aにより枢着されている下揺動アームであり、前記上方端とは異なる上方端又はその中間部所定位置に摺動アーム回転軸3bが取り付けられている。この下揺動アーム3の全長は上揺動アーム2の半分程度の長さがあれば目的機能を果たす上で充分である。
この摺動アーム回転軸3bの取付け位置は、下アーム回転軸3aが摺動アーム回転軸3bより上方に位置されている場合と下アーム回転軸3aが摺動アーム回転軸3bより下方(下揺動アーム3の中間部)に位置されてある場合とで異なる。これは、前者の場合には下揺動アーム3は下アーム回転軸3aを中心とする梃子となって摺動アーム回転軸3b側が下がると下アーム回転軸3a側が上がることになるので、この時に下揺動アーム3の長さは摺動アーム回転軸3bが一番高い位置に位置した時にも座部シート支え1の下面に接触しない長さとすることに留意する必要があり、また後者の場合には摺動アーム回転軸3bができるだけ下揺動アーム3の下側へ配備されていた方が上揺動アーム2を上方へ押し上げる力が少なくて済むからである。
【0019】
また前記下揺動アーム3の下方端には、ローラ回転軸4aによりローラ4が上揺動アーム2の略中間位置の裏面に当接するように枢着されている。このローラ4を用いた構成とすることで、上揺動アーム2が座部シート支え1の前方端での枢着位置である上アーム回転軸2aを中心とした円弧を描く動きをする際に、下揺動アーム3の動きによる力の伝達が上揺動アーム2に支障無く行われるから滑らかな動きが得られるのである。
【0020】
5は上揺動アーム2と下揺動アーム3とを動作させて脚部シート部とステップ部とを椅座位や仰臥位に移行させるための脚部駆動源であり、この脚部駆動源5の一方端は駆動源取付回転軸5aにて昇降駆動部8の前方側周面に配備されている駆動源支え8aに枢着されており、他方端である摺動アーム5bの先端部は前記下揺動アーム3の摺動アーム回転軸3bにて枢着されている。
この脚部駆動源5としては、油圧シリンダや電動モータなどその動作により摺動アーム5bを伸縮させ得るようなものであれば、その目的機能の面から適宜採用可能であることは言うまでもない。
【0021】
6は伸縮アーム外筒6aとその伸縮アーム外筒6a内に沿って摺動自在な伸縮アーム摺動棒6bとから成る伸縮アームであり、この伸縮アーム6としては図示した実施例のように伸縮アーム摺動棒6bの上方端は前記ローラ4の回転軸であるローラ回転軸4aにて下揺動アーム3に枢着されており、伸縮アーム外筒6aの下方端は前記ステップ部7の上ステップ部取付回転軸2bより後方に位置する下ステップ部取付回転軸6cにより枢着されている態様であっても、また図示しないが伸縮アーム外筒6aの上方端は前記ローラ4の回転軸であるローラ回転軸4aにて下揺動アーム3に枢着されており、伸縮アーム摺動棒6bの下方端は前記ステップ部7の上ステップ部取付回転軸2bより後方に位置する下ステップ部取付回転軸6cにより枢着されている態様、すなわち下揺動アーム3の下方端のローラ回転軸4aとステップ部7の下ステップ部取付回転軸6cとの間に伸縮アーム摺動棒6bと伸縮アーム外筒6aとが図示した実施例と互いに反対側に位置するようにして枢着されている態様であっても良い。
このような構成とすることにより、椅座位の状態ではステップ部7は上ステップ部取付回転軸2bを中心として回転自在な状態となっているので、患者がステップ部7に足を載せなくてもステップ部7の自重により伸縮アーム6には上方への押圧力が加わることになり、伸縮アーム6は最短の長さを維持することになるのである。
【0022】
【作用】
次に本発明に係る歯科用治療椅子の各構成要素の動きについて説明する。
図1の実線で示した椅座位の状態において、脚部駆動源5が作動せしめられて摺動アーム5bが縮むにつれて、下揺動アーム3は座部シート支え1の前方端での枢着位置である下アーム回転軸3aを中心として回転運動を始めることになる。つまり、摺動アーム回転軸3bが下アーム回転軸3a側に引き寄せられると下揺動アーム3の下端に枢着されているローラ4がその裏面に接触している上揺動アーム2を上方に押し上げるのである。この時、上揺動アーム2は上アーム回転軸2aを中心とする回転運動を行い、下揺動アーム3は下アーム回転軸3aを中心とする回転運動を行うのであるが、下揺動アーム3から上揺動アーム2への力の伝達はローラ4が上揺動アーム2の裏面を転がりながら行うことになるで、両者の軌跡には差があるものの滑らかに回転力が伝達されるのである。
【0023】
このようにしてローラ4が上揺動アーム2の裏面を転がりながら上方に移動し始めると、ローラ回転軸4aを介して下揺動アーム3に連結されている伸縮アーム6も上方に引っ張られることになる。この伸縮アーム6の後端部には常にステップ部7の自重及び患者の足の荷重による圧縮力が加わっているので、ステップ部7の後端(下ステップ部取付回転軸6c)は上ステップ部取付回転軸2bを中心とした回転運動を下揺動アーム3の動きに対応して行うことになる。
【0024】
更に摺動アーム5bが縮んで中間位置(図1において一点鎖線で示し、符号には添字「1」を付して示した)に達すると、ステップ部71の外面と上揺動アーム21の外面とは一直線状になると共に、上揺動アーム21の裏面とステップ部71の後端上面とが接触してステップ部71の更なる回転運動が阻止される。そして見掛け上は上揺動アーム21とステップ部71とが一体となりながら,上アーム回転軸2aを中心とした回転運動を行うのである。
【0025】
このようにして脚部駆動源5の摺動アーム5bの収縮の動きが停止する仰臥位置(図1において二点鎖線で示し、符号には添字「2」を付して示した)に達するのであるが、ステップ部7は前記中間位置からその回転運動が停止しているので下揺動アーム3の動きに対応した動きは伸縮アーム6が担当することになる。つまり、伸縮アーム6の伸縮アーム外筒6aとステップ部7とは下ステップ部取付回転軸6cにより連結されていて相対的な位置を変えないので、伸縮アーム摺動棒6b2から伸縮アーム外筒6a2とステップ部72とが引っ張り出されて行くことになる。しかしてローラ42が停止した位置では、下揺動アーム32に摺動アーム回転軸3b2で連結されている脚部駆動源5の摺動アーム5bの長さは最短となっている。そして、伸縮アーム62の伸縮アーム外筒6a2から伸縮アーム摺動棒6b2が所定長さ引き出されており、座部シート支え1と上揺動アーム22とステップ部72の各々の上面は一直線状となるのである。
【0026】
ところで、下揺動アーム3の形状としては、図1に示したようなローラ4が1個のみ使われる直棒状のものの他、Y字状又はT字状としてローラ4を2個使うようなものとしても良く、更に直棒状の揺動アーム3を2本使用してH字状のものとしても良いことは目的とする機能上から明らかである。
また、下アーム回転軸3aが下揺動アーム3の最上端に配備されている場合には、脚部駆動源5の摺動アーム5bの動きが前述した実施例とは逆の動きとなる。即ち、摺動アーム5bが伸びて行くのに対応して、ステップ部7や上揺動アーム2が持ち上げられて行くことになるが、他の構成要素の動きは前述の説明と同様である。
【0027】
次に図2と図3とを用いて床10上に障害物9が存在した時の本発明に係る歯科用治療椅子の挟み込み防止機構について説明する。
図2は椅座位の状態のままで椅子の昇降駆動部8を動作させて下降させた例を示しており、ステップ部7は図中の一点鎖線の位置から平行移動する形で下降するので、本来二点鎖線で示した位置に来る筈である。しかしながら、床10上に障害物9があるので、ステップ部7は通常はそれ以上下がらないか又はその障害物9を破壊してしまうのであり、障害物9が人の足等である場合には重大な傷を負わせてしまうことになる。ところが、本発明ではステップ部7の下に障害物9があった場合、ステップ部7は上ステップ部取付回転軸2bを中心とした回転を行うことができるので、ステップ部7の前端が上に持ち上がる(図中の実線)。そうするとステップ部7の後端が更に下がることになるが、ステップ部7の後端には伸縮アーム6が連結されているので、ローラ4や下揺動アーム3に影響を及ぼすことなくこの動きが吸収されるのである。そして、この伸縮アーム6を構成する伸縮アーム外筒6aと伸縮アーム摺動棒6bとに充分な長さのラップ量を確保しておけば、伸縮アーム外筒6aから伸縮アーム摺動棒6bが外れてしまうことなく対処することができる。また、図2で実線で示すような状態になったら、ステップ部7の先端を持ち上げて障害物9を取り除けば、通常の椅座位の状態に復元させることができるのである。
【0028】
図3は仰臥位の状態のままで椅子の昇降駆動部8を動作させて下降させた例を示しており、上揺動アーム2及びステップ部7は図中の一点鎖線で示す位置から平行移動する形で下降するので、本来二点鎖線で示した位置に来る筈である。しかしながら、上揺動アーム2の真下の床10上に障害物9があるので、上揺動アーム2は通常はそれ以上下がらないか又はその障害物9を破壊してしまうことになる。ところが、本発明では上揺動アーム2の真下に障害物9があった場合、上揺動アーム2及びステップ部7は上アーム回転軸2aを中心として回転を行うことができるので、上揺動アーム2及びステップ部7は上に持ち上がる(図中の実線)。この場合も前述の例と同様に伸縮アーム6がこの動きを吸収し、他へ影響を及ぼさないのである。前例と同様に、この伸縮アーム6を構成する伸縮アーム外筒6aと伸縮アーム摺動棒6bとに充分な長さのラップ量を確保しておけば、伸縮アーム外筒6aから伸縮アーム摺動棒6bが外れてしまうことなく対処することができる。また、図3で実線で示すような状態になったら、ステップ部7の先端を持ち上げて障害物9を取り除けば、通常の仰臥位の状態に復元させることができるのである。
また、この仰臥位の状態においてステップ部7の真下だけに障害物9がある場合には、図2と同様な動作で障害物9の挟み込みが防止されることは明らかである。
【0029】
【発明の効果】
以上に詳述した如く本発明に係る歯科治療用椅子によれば、椅子を椅座位の状態から仰臥位の状態に移行する際に、中間位置で上揺動アームとステップ部との上面がほぼ一直線状になるので患者の移動感覚は良好になる。しかも、上揺動アームと下揺動アームとから成る脚部構造を従来になく薄くコンパクトに構成できるため、特に術者や患者の目に付き易い中間位置から仰臥位の状態になるまで移動する間に椅子の機構部が見えてしまうことにより術者や患者に威圧感を与えることが無い。またデザイン的にもその自由度が増し、スマートに構成できるという利点がある。
しかも、前述の効果に加え仰臥位でも椅座位でもそれぞれ脚部やステップ部の下方の床上に障害物が存在していた場合にも、その挟み込みを防止することが可能となるのである。
このような種々の効果を奏する本発明の歯科分野に貢献する価値は非常に大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歯科治療用椅子の座部シート支えと脚部シート部とステップ部との関係を示したもので、実線は椅座位における位置を、一点鎖線は中間位置を、二点鎖線は仰臥位置をそれぞれ示したものである。
【図2】椅子が椅座位の状態でステップ部の下に障害物が存在しステップ部が持ち上げられた状態を示す説明図である。
【図3】椅子が仰臥位の状態まま下降した時に脚部シート部及びステップ部の下に障害物が存在し脚部シート部及びステップ部が伸びた状態のまま持ち上げられた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 座部シート支え
2 上揺動アーム
2a 上アーム回転軸
2b 上ステップ部取付回転軸
3 下揺動アーム
3a 下アーム回転軸
3b 摺動アーム回転軸
4 ローラ
4a ローラ回転軸
5 脚部駆動源
5a 駆動源取付回転軸
5b 摺動アーム
6 伸縮アーム
6a 伸縮アーム外筒
6b 伸縮アーム摺動棒
6c 下ステップ部取付回転軸
7 ステップ部
8 昇降駆動部
8a 駆動源支え
9 障害物
10 床
Claims (2)
- 座部シート支え(1)の前方端に上揺動アーム(2)の上方端及び下揺動アーム(3)の上方端がそれぞれ上アーム回転軸(2a)及び下アーム回転軸(3a)により枢着されており、前記上揺動アーム(2)の下方端にはステップ部(7)の後方端の所定位置が上ステップ部取付回転軸(2b)により枢着されており、また前記下揺動アーム(3)の前記上方端とは異なる上方端又はその中間部所定位置の摺動アーム回転軸(3b)により脚部駆動源(5)の摺動アーム(5b)の先端部が枢着されており、前記下揺動アーム(3)の下方端にはローラ回転軸(4a)によりローラ(4)が前記上揺動アーム(2)の略中間位置の裏面に当接するように枢着されていて、更に前記ローラ回転軸(4a)にその上方端が枢着されている伸縮アーム摺動棒(6b)が摺動自在に装着されている伸縮アーム外筒(6a)から成る伸縮アーム(6)の該伸縮アーム外筒(6a)が前記ステップ部(7)の上ステップ部取付回転軸(2b)より後方に位置する下ステップ部取付回転軸(6c)により枢着されていることを特徴とする歯科用治療椅子。
- 下揺動アーム(3)の下方端のローラ回転軸(4a)とステップ部(7)の下ステップ部取付回転軸(6c)との間に、伸縮アーム摺動棒(6b)と伸縮アーム外筒(6a)とが互いに反対側に位置するようにして枢着されている請求項1に記載の歯科用治療椅子。
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Cited By (1)
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- 1994-12-16 JP JP33359294A patent/JP3587897B2/ja not_active Expired - Fee Related
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