JP3586985B2 - 半導体装置の出力回路 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の出力回路に関するもので、特に入出力用の外部端子と接続される、DRAM等の半導体装置の出力回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、DRAM等の半導体メモリーで用いる出力回路の最終段としては、NMOS型のデータ出力バッファを使用する場合と、CMOS型のデータ出力バッファを使用する場合とがあった。
【0003】
まず、従来のNMOS型データ出力バッファについて説明する。図3に従来のNMOS型データ出力バッファの例を示す。DRAM等のNMOS型データ出力バッファとしては電源VDD(例えば3.3V)とDQ端子との間に接続されたNチャネルMOSトランジスタ102と、DQ端子と接地VSS(0V)との間に接続されたNチャネルMOSトランジスタ103とからなるトライステート出力回路が通常用いられる。”H”データ出力の場合にはNチャネルMOSトランジスタ102がオンし、NチャネルMOSトランジスタ103がカットオフする。”L”データ出力の場合にはNチャネルMOSトランジスタ103がオンし、NチャネルMOSトランジスタ102がカットオフする。データを出力しない場合にはNチャネルMOSトランジスタ102もNチャネルMOSトランジスタ103も共にカットオフし、DQ端子に対してデータ出力バッファがハイインピーダンス状態になる。
【0004】
ところで、NMOS型データ出力バッファにおいて、NチャネルMOSトランジスタ102のゲート電極に接続された制御線の論理振幅がVDDであるとすると、外部端子に現れる電位はVDDよりも、NチャネルMOSトランジスタ102のしきい値電圧Vthだけ低い、VDD−Vthになってしまう。そのため、出力バッファ回路内に電位変換回路104を設けて、NチャネルMOSトランジスタ102のゲート電圧をVDD+Vth以上の高電圧に昇圧することにより、出力データが”H”の時、外部端子の電位がVDDになるようにしている。
【0005】
次に、従来のCMOS型出力バッファについて説明する。図4に従来のCMOS型データ出力バッファの例を示す。CMOS型データ出力バッファでは、電源VDD(例えば3.3V)とDQ端子との間に接続されたPチャネルMOSトランジスタ1と、DQ端子と接地VSS(0V)との間に接続されたNチャネルMOSトランジスタ3とを有するトライステート出力回路が採用される。”H”データ出力時にはPチャネルMOSトランジスタ1がオンし、NチャネルMOSトランジスタ3がカットオフする。”L”データ出力時にはNチャネルMOSトランジスタ3がオンし、PチャネルMOSトランジスタ1がカットオフする。非出力動作時には両出力トランジスタがカットオフするように、PチャネルMOSトランジスタ1のゲート電極に”H”レベルの電圧、すなわち電源電圧VDDが、NチャネルMOSトランジスタ3のゲート電極に”L”レベルの電圧、すなわち0Vが各々供給される。データ非出力時には両出力トランジスタがいずれもカットオフする結果、DQ端子に対してデータ出力バッファがハイインピーダンス状態になる。
【0006】
CMOS型データ出力バッファでは、”H”データ出力時、PチャネルMOSトランジスタ1のゲート電圧を0Vにすれば、そのドレイン電圧がVDDになる。したがってそのドレイン電極を直接DQ端子に接続すれば、NMOS型データ出力バッファのような電位変換回路を用いなくてもDQ端子の電位がVDDまで上がるようになる。
【0007】
しかし、そのようにPチャネルMOSトランジスタ1のドレイン電極を直接DQ端子に接続すると、データ出力バッファがハイインピーダンス状態のとき、すなわち、PチャネルMOSトランジスタ1のゲート電極に”H”レベルの電位VDDが、NチャネルMOSトランジスタ3のゲート電極に”L”レベルの電位0Vが供給されているとき、外部端子DQから電源電圧VDDを上回る正の電圧が印加されると、種々の不具合が引き起こされる。PチャネルMOSトランジスタ1はP型シリコン基板中のNウェル領域内に形成され、そのソースおよびドレインはNウェル領域内のP型拡散領域である。したがって、高いドレイン電圧に起因してP型拡散領域とN型ウェル領域との間のPN接合に順方向の大電流が流れ、ラッチアップ等を引き起こすことになる。
【0008】
そのため、PチャネルMOSトランジスタ1とDQ端子との間にさらに出力制御トランジスタ2(NチャネルMOSトランジスタ)を直列に設け、非出力時、すなわちデータ出力バッファがハイインピーダンス状態のときには、出力制御トランジスタ2のゲート電圧を0Vにし、データ出力時には、PチャネルMOSトランジスタ1とNチャネルMOSトランジスタ3のいずれか一方がオンする直前に出力制御トランジスタ2のゲート電圧をVDD+Vth以上に昇圧する方式が提案されている(特開平5−36278号)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のNMOS型データ出力バッファでは、”H”データ出力時、外部端子の電位をVDDにするため、電源側のNチャネルMOSトランジスタのゲート電位を電位変換回路を用いてVDD+Vth以上に昇圧する必要があり、そのために要する時間がデータの出力を遅延させる。
【0010】
また、このNチャネルMOSトランジスタのみによって”H”データを出力するため、これをある程度大きなトランジスタとしなければならないが、この大きなトランジスタのゲート電極を0VとVDD+Vth以上の電位との間で充放電させる必要があるため、消費電流が大きくなる。特にオンチップの昇圧電源を用いる半導体装置では、昇圧電源の供給しなければならない電流が大きくなり、その結果、昇圧電源の占める面積の増大、ひいてはチップ全体の面積の増大を招くことにもなる。電源側のNチャネルMOSトランジスタの大きさを小さくすれば消費電流の増大を抑えることができるが、これは、出力データがハイインピーダンスから”H”へ、あるいは”L”から”H”へ遷移する速度を低下させることになる。
【0011】
一方、電源側のPチャネルMOSトランジスタと外部端子との間にNチャネルの出力制御トランジスタを直列に接続したCMOS型データ出力バッファでは、”H”データ出力時よりも前に出力制御トランジスタのゲートが昇圧されるので、昇圧に要する時間によるデータ出力の遅延はないが、ハイインピーダンス状態からデータ出力状態に変化する際には出力制御トランジスタのゲートを昇圧しなければならないので、ハイインピーダンス状態とデータ出力状態を交互に頻繁に繰り返すような動作、例えばDRAMのファーストページモードのような動作では、NMOS型データ出力バッファの場合と同様に、昇圧電源の供給すべき電流が増大するという問題を生じる。
【0012】
本発明の目的は、回路を構成する素子の異常動作を防ぎつつ、データ出力の高速化、低消費電力化を図った半導体装置の出力回路を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明の半導体装置の出力回路は、電源と外部端子との間の電流経路において、外部端子に第1のNチャネルMOSトランジスタを接続し、第1のNチャネルMOSトランジスタと並列に第2のNチャネルMOSトランジスタを接続し、電位変換回路を用いて、データ出力時に第1のNチャネルMOSトランジスタのゲート電極に電源電圧を上回る正の電圧を印加するとともに、第2のNチャネルMOSトランジスタのゲートに電源電圧を印加するようにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明の半導体装置の出力回路は、電源と内部ノードとの間に接続されたPチャネルMOSトランジスタと、内部ノードと外部端子との間に並列に接続された第1のNチャネルMOSトランジスタおよび第2のNチャネルMOSトランジスタと、外部端子と接地との間に接続された第3のNチャネルMOSトランジスタと、電源電圧に等しい電圧を入力し、電源電圧よりも高く昇圧した電圧を出力する電位変換回路とを備え、データ出力時に、電位変換回路の出力を第1のNチャネルMOSトランジスタのゲートに供給し、電源電圧を第2のNチャネルMOSトランジスタのゲートに供給するようにしたものであり、”H”データ出力時、外部端子がVDD−Vthに達するまでは第1および第2のNチャネルMOSトランジスタがともにオンした状態になり、外部端子の電位上昇に寄与するため、ゲート電極を電源電圧を上回る正の電圧へ昇圧する必要がある第1のNチャネルMOSトランジスタが小さくても高速にデータを”H”に遷移させることができる。その結果、電源電圧を上回る正の電圧に昇圧すべき負荷容量が小さくなり、本発明の出力回路を搭載した半導体装置の消費電力を小さくすることができる。
【0017】
本発明の請求項2に記載の発明の半導体装置の出力回路は、請求項1に記載の半導体装置の出力回路において、データ非出力時には、第1のNチャネルMOSトランジスタと第2のNチャネルMOSトランジスタとがともにカットオフし、データ出力時には、PチャネルMOSトランジスタと第3のNチャネルMOSトランジスタとのうちのいずれか一方がオンする前に、第1のNチャネルMOSトランジスタと第2のNチャネルMOSトランジスタとがオンするようにしたものであり、データ非出力時、外部端子から電源電圧を上回る正の電圧が印加されても、PチャネルMOSトランジスタのドレイン電極にこの電圧が印加されることはなく、ラッチアップ等の不具合を生じることがない。また、データ出力時には、”H”レベル、”L”レベルに確定したデータが出力される前に、第1および第2のNチャネルMOSトランジスタがオンし、第1のNチャネルMOSトランジスタのゲート電極が電源電圧を上回る正の電圧に昇圧されるので、昇圧に要する時間がデータの出力を遅延させることはなく、高速な半導体装置の出力回路が実現される。
【0018】
本発明の請求項3に記載の発明の半導体装置の出力回路は、請求項1または2に記載の半導体装置の出力回路において、電位変換回路が内部昇圧電源を用いて電源電圧よりも高く昇圧した電圧を出力するようにしたものであり、昇圧電源の供給すべき電流が小さくて済み、昇圧電源の占める面積、ひいてはチップ全体の面積を小さく抑えることができる。
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態における半導体装置の出力回路の構成を示す回路図である。図1において、1はPチャネルMOSトランジスタ、2は第1の出力制御NチャネルMOSトランジスタ、10は第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ、3はNチャネルMOSトランジスタ、4は電位変換回路である。5は第1の入力端子で出力データ信号Dが、6は第2の入力端子で出力制御信号OEがそれぞれ供給される。PチャネルMOSトランジスタ1は電源VDDと内部ノードNDとの間に挿入され、第1および第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2、10は、内部ノードNDと外部端子7との間に並列に挿入されている。出力制御信号OEは電位変換回路4の入力端子と第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ10のゲート電極に供給され、電位変換回路4の出力Vout が第1の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2のゲート電極に供給される。
【0020】
なお、本実施の形態では、電位変換回路4は、外部から印加された電源VDDをもとに内部で発生された昇圧電源を用い、VDDレベルの入力信号を昇圧電源のレベルの出力信号にレベル変換する回路であるが、電位変換回路は他の構成であってもよい。例えば、昇圧コンデンサと遅延回路を用いて信号レベルを昇圧するような構成であってもよい。
【0021】
図1に示した出力回路は、出力制御信号OEが”H”レベルであるときに、出力データDの論理レベルに応じたデータ信号DQを外部端子7へ出力するものである。
【0022】
まず、非出力動作時における図1の出力回路の動作について説明する。非出力動作時には、出力制御信号OEが”L”レベルになる。出力制御信号OEが”L”レベルの時、PチャネルMOSトランジスタ1のゲート電極に供給される信号Shは”H”に、NチャネルMOSトランジスタ3のゲート電極に供給される信号Slは”L”になる。また、第1の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2、および、第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ10のゲート電圧がともに”L”レベルとなる。したがって、PチャネルMOSトランジスタ1、第1および第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2、10、NチャネルMOSトランジスタ3は、いずれもカットオフする。この結果、外部端子7はハイインピーダンス状態となる。
【0023】
この状態で、外部端子7に外部から電源電圧VDDを上回る正の電圧VDQが印加されても、第1および第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2、10はカットオフしたままであるので、電源電圧VDDを上回る正の電圧VDQが印加されるのは第1および第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2、10のドレイン電極にとどまり、PチャネルMOSトランジスタ1のドレイン電極にはこの電圧は印加されない。NチャネルMOSトランジスタのドレイン電極は、接地ないしは負の電圧にバイアスされたP型基板ないしはP型ウェル中のN型拡散領域で形成されるので、これに正の電圧が印加されてもPN接合が順バイアスされることはなく、ラッチアップ等の不具合を生じることはない。
【0024】
また、この状態で、外部端子7に外部から負の電圧−VDQが印加され、この印加電圧の絶対値VDQが第1および第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2、10のしきい値電圧Vthを上回った場合、これらのNチャネルMOSトランジスタ2、10はオンする。しかし、Pチャネルトランジスタ1はカットオフ状態を保持するので、これらのNチャネルMOSトランジスタ2、10に電源VDDからドレイン電流が供給されることはない。そのため、NチャネルMOSトランジスタ2、10のターンオンに起因した基板電流は発生しない。したがって、DRAMのメモリセルデータの破壊等の不具合を生じることもない。
【0025】
次に、データ出力時の動作について説明する。データ出力時は出力制御信号OEが”H”レベルになる。出力制御信号OEが”L”から”H”に遷移すると、直ちに第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ10がオンする。同時に、電位変換回路4が動作し、昇圧された出力制御信号Vout が第1の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2のゲート電極に供給される。それから、”H”レベルあるいは”L”レベルに確定したデータが出力される。出力データ信号Dが”H”レベルになった場合には、信号ShおよびSlがともに”L”レベルとなり、PチャネルMOSトランジスタ1がオン、NチャネルMOSトランジスタ3がカットオフする。その結果、電源と外部端子の間に挿入されたPチャネルMOSトランジスタ1と出力制御NチャネルMOSトランジスタ2、10が全て導通し、外部端子から”H”レベルのデータが出力される。出力データ信号Dが”L”レベルになった場合には、信号ShおよびSlがともに”H”レベルとなり、PチャネルMOSトランジスタ1がカットオフ、NチャネルMOSトランジスタ3がオンする。その結果、接地と外部端子の間に挿入されたNチャネルMOSトランジスタ3が導通し、外部端子から”L”レベルのデータが出力される。データ出力時には、”H”レベル、”L”レベルに確定したデータが出力される前に、第1および第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタがオンし、第1の出力制御NチャネルMOSトランジスタのゲート電極が電源電圧を上回る正の電圧に昇圧されるので、昇圧に要する時間がデータの出力を遅延させることはなく、高速な半導体装置の出力回路が実現できる。
【0026】
データ出力時、第1の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2のゲート電極にはVDD+Vth以上に昇圧された出力制御信号Vout が印加されているので、”H”データ出力の場合、NチャネルMOSトランジスタのゲートしきい値電圧による電圧ロスがなく、外部端子7は電源電圧VDDに等しい電位まで上昇する。外部端子7の電位が接地ないしは中間レベルから電源電圧VDDへと上昇する際、外部端子7の電位がVDD−Vthに達するまでは、第1の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2のみでなく、第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ10も導通状態になり、外部端子7の電位の上昇に寄与する。したがって、第1の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2としては、それ程大きなトランジスタを用いなくても、十分高速にデータを”H”に遷移させることができる。本実施の形態では、ゲート電極を電源電圧を上回る正の電圧へ昇圧する必要がある第1の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2が小さく、したがって、昇圧電源の負荷が小さく、供給すべき電流が小さくて済むので、低消費電力の半導体装置が実現できる。また、昇圧電源の占める面積、ひいてはチップ全体の面積を小さく抑えることもできる。
【0027】
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の第2の実施の形態における半導体装置の出力回路の構成を示す回路図である。図2において、2、10、3はいずれもNチャネルMOSトランジスタ、4は電位変換回路である。5は第1の入力端子で出力データ信号Dが、6は第2の入力端子で出力制御信号OEがそれぞれ供給される。NチャネルMOSトランジスタ2、10は、電源と外部端子7との間に並列に挿入されている。ANDゲート8には出力制御信号OEと出力データ信号Dとが入力され、その出力Shが電位変換回路4の入力端子とNチャネルMOSトランジスタ10のゲート電極に供給され、電位変換回路4の出力Vout がNチャネルMOSトランジスタ1のゲート電極に供給される。
【0028】
なお、本実施の形態では、電位変換回路4は、外部から印加された電源VDDをもとに内部で発生された昇圧電源を用い、VDDレベルの入力信号を昇圧電源のレベルの出力信号にレベル変換する回路であるが、電位変換回路は他の構成であってもよい。例えば、昇圧コンデンサと遅延回路を用いて信号レベルを昇圧するような構成であってもよい。
【0029】
図2に示した出力回路は、出力制御信号OEが”H”レベルであるときに、出力データDの論理レベルに応じたデータ信号DQを外部端子7へ出力するものである。
【0030】
まず、非出力動作時における図2の出力回路の動作について説明する。非出力動作時には、出力制御信号OEが”L”レベルになる。出力制御信号OEが”L”レベルの時、NチャネルMOSトランジスタ10に供給される信号Sh、およびNチャネルMOSトランジスタ10に供給される電位変換回路4を経た信号Vout はともに”L”になり、また、第3のNチャネルMOSトランジスタ3のゲート電極に供給される信号Slも”L”になる。したがって、NチャネルMOSトランジスタ2、10、および3は、いずれもカットオフする。この結果、外部端子7はハイインピーダンス状態となる。
【0031】
本実施の形態の出力回路では、最終段はNチャネルMOSトランジスタのみで構成されており、外部端子に印加された電圧がPチャネルトランジスタのドレイン電極に印加されることがなく、電源電圧VDDを上回る正の電圧VDQが印加されてもラッチアップ等の不具合を生じることはない。
【0032】
次に、データ出力時の動作について説明する。データ出力時は出力制御信号OEが”H”レベルになる。出力データ信号Dが”H”レベルになった場合には、信号Sh、Vout が”H”レベル、信号Slが”L”レベルとなり、NチャネルMOSトランジスタ2、10がオン、NチャネルMOSトランジスタ3がカットオフする。その結果、外部端子から”H”レベルのデータが出力される。出力データ信号Dが”L”レベルになった場合には、信号Sh、Vout が”L”レベル、信号Slが”H”レベルとなり、NチャネルMOSトランジスタ2、10がカットオフ、NチャネルMOSトランジスタ3がオンする。その結果、外部端子から”L”レベルのデータが出力される。
【0033】
”H”データ出力時、NチャネルMOSトランジスタ2のゲート電極にはVDD+Vth以上に昇圧された出力制御信号Vout が印加されているので、NチャネルMOSトランジスタのゲートしきい値電圧による電圧ロスがなく、外部端子7は電源電圧VDDに等しい電位まで上昇する。外部端子7の電位が接地ないしは中間レベルから電源電圧VDDへと上昇する際、外部端子7の電位がVDD−Vthに達するまでは、NチャネルMOSトランジスタ2のみでなく、NチャネルMOSトランジスタ10も導通状態になり、外部端子7の電位の上昇に寄与する。したがって、NチャネルMOSトランジスタ2がそれ程大きなトランジスタでなくても、十分高速にデータを”H”に遷移させることができる。本実施の形態では、ゲート電極を電源電圧を上回る正の電圧へ昇圧する必要があるNチャネルMOSトランジスタ2が小さく、したがって、昇圧電源の負荷が小さく、供給すべき電流が小さくて済むので、低消費電力の半導体装置が実現できる。また、昇圧電源の占める面積、ひいてはチップ全体の面積を小さく抑えることもできる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る半導体装置の出力回路によれば、データ非出力時、外部端子から電源電圧を上回る正の電圧が印加されても、PチャネルMOSトランジスタのドレイン電極にこの電圧が印加されることはなく、ラッチアップ等の不具合を生じることがない。さらに、データ出力時、第1のNチャネルMOSトランジスタのゲート電極に電源電圧を上回る正の電圧が印加され、第2のNチャネルMOSトランジスタのゲート電極に電源電圧が印加されるが、”H”データ出力時、外部端子がVDD−Vthに達するまでは、第1および第2のNチャネルトランジスタがともにオンした状態になり外部端子の電位上昇に寄与するため、ゲート電極を電源電圧を上回る正の電圧へ昇圧する必要がある第1のNチャネルMOSトランジスタ2が小さくても高速にデータを”H”に遷移させることができる。その結果、電源電圧を上回る正の電圧に昇圧すべき負荷容量が小さくなり、消費電力が小さくなる。したがって、回路を構成する素子の異常動作を防ぎつつ、データ出力の高速化、低消費電力化を実現することができる。
【0035】
また、請求項2記載の発明のようにPチャネルMOSトランジスタと第3のNチャネルMOSトランジスタとのうちのいずれか一方がオンする前に、第1のNチャネルMOSトランジスタと第2のNチャネルMOSトランジスタとがオンするようにすれば、データ出力時には、”H”レベル、”L”レベルに確定したデータが出力される前に、第1および第2のNチャネルMOSトランジスタがオンし、第1のNチャネルMOSトランジスタのゲート電極が電源電圧を上回る正の電圧に昇圧されるので、昇圧に要する時間がデータの出力を遅延させることはなく、データ出力を高速化することができる。
【0036】
さらに、請求項3記載の発明のように電位変換回路が内部昇圧電源を用いて電源電圧よりも高く昇圧した電圧を出力する場合には、昇圧電源の供給すべき電流が小さくて済むので、昇圧電源の占める面積、ひいてはチップ全体の面積を小さく抑えることができ、低コストの半導体装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の出力回路の構成を示す回路図
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の出力回路の構成を示す回路図
【図3】従来の半導体装置のNMOS型出力回路の構成を示す回路図
【図4】従来の半導体装置のCMOS型出力回路の構成を示す回路図
【符号の説明】
1 PチャネルMOSトランジスタ
2 第1の出力制御NチャネルMOSトランジスタ
3 NチャネルMOSトランジスタ
4 電位変換回路
5 第1の入力端子
6 第2の入力端子
10 第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の出力回路に関するもので、特に入出力用の外部端子と接続される、DRAM等の半導体装置の出力回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、DRAM等の半導体メモリーで用いる出力回路の最終段としては、NMOS型のデータ出力バッファを使用する場合と、CMOS型のデータ出力バッファを使用する場合とがあった。
【0003】
まず、従来のNMOS型データ出力バッファについて説明する。図3に従来のNMOS型データ出力バッファの例を示す。DRAM等のNMOS型データ出力バッファとしては電源VDD(例えば3.3V)とDQ端子との間に接続されたNチャネルMOSトランジスタ102と、DQ端子と接地VSS(0V)との間に接続されたNチャネルMOSトランジスタ103とからなるトライステート出力回路が通常用いられる。”H”データ出力の場合にはNチャネルMOSトランジスタ102がオンし、NチャネルMOSトランジスタ103がカットオフする。”L”データ出力の場合にはNチャネルMOSトランジスタ103がオンし、NチャネルMOSトランジスタ102がカットオフする。データを出力しない場合にはNチャネルMOSトランジスタ102もNチャネルMOSトランジスタ103も共にカットオフし、DQ端子に対してデータ出力バッファがハイインピーダンス状態になる。
【0004】
ところで、NMOS型データ出力バッファにおいて、NチャネルMOSトランジスタ102のゲート電極に接続された制御線の論理振幅がVDDであるとすると、外部端子に現れる電位はVDDよりも、NチャネルMOSトランジスタ102のしきい値電圧Vthだけ低い、VDD−Vthになってしまう。そのため、出力バッファ回路内に電位変換回路104を設けて、NチャネルMOSトランジスタ102のゲート電圧をVDD+Vth以上の高電圧に昇圧することにより、出力データが”H”の時、外部端子の電位がVDDになるようにしている。
【0005】
次に、従来のCMOS型出力バッファについて説明する。図4に従来のCMOS型データ出力バッファの例を示す。CMOS型データ出力バッファでは、電源VDD(例えば3.3V)とDQ端子との間に接続されたPチャネルMOSトランジスタ1と、DQ端子と接地VSS(0V)との間に接続されたNチャネルMOSトランジスタ3とを有するトライステート出力回路が採用される。”H”データ出力時にはPチャネルMOSトランジスタ1がオンし、NチャネルMOSトランジスタ3がカットオフする。”L”データ出力時にはNチャネルMOSトランジスタ3がオンし、PチャネルMOSトランジスタ1がカットオフする。非出力動作時には両出力トランジスタがカットオフするように、PチャネルMOSトランジスタ1のゲート電極に”H”レベルの電圧、すなわち電源電圧VDDが、NチャネルMOSトランジスタ3のゲート電極に”L”レベルの電圧、すなわち0Vが各々供給される。データ非出力時には両出力トランジスタがいずれもカットオフする結果、DQ端子に対してデータ出力バッファがハイインピーダンス状態になる。
【0006】
CMOS型データ出力バッファでは、”H”データ出力時、PチャネルMOSトランジスタ1のゲート電圧を0Vにすれば、そのドレイン電圧がVDDになる。したがってそのドレイン電極を直接DQ端子に接続すれば、NMOS型データ出力バッファのような電位変換回路を用いなくてもDQ端子の電位がVDDまで上がるようになる。
【0007】
しかし、そのようにPチャネルMOSトランジスタ1のドレイン電極を直接DQ端子に接続すると、データ出力バッファがハイインピーダンス状態のとき、すなわち、PチャネルMOSトランジスタ1のゲート電極に”H”レベルの電位VDDが、NチャネルMOSトランジスタ3のゲート電極に”L”レベルの電位0Vが供給されているとき、外部端子DQから電源電圧VDDを上回る正の電圧が印加されると、種々の不具合が引き起こされる。PチャネルMOSトランジスタ1はP型シリコン基板中のNウェル領域内に形成され、そのソースおよびドレインはNウェル領域内のP型拡散領域である。したがって、高いドレイン電圧に起因してP型拡散領域とN型ウェル領域との間のPN接合に順方向の大電流が流れ、ラッチアップ等を引き起こすことになる。
【0008】
そのため、PチャネルMOSトランジスタ1とDQ端子との間にさらに出力制御トランジスタ2(NチャネルMOSトランジスタ)を直列に設け、非出力時、すなわちデータ出力バッファがハイインピーダンス状態のときには、出力制御トランジスタ2のゲート電圧を0Vにし、データ出力時には、PチャネルMOSトランジスタ1とNチャネルMOSトランジスタ3のいずれか一方がオンする直前に出力制御トランジスタ2のゲート電圧をVDD+Vth以上に昇圧する方式が提案されている(特開平5−36278号)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のNMOS型データ出力バッファでは、”H”データ出力時、外部端子の電位をVDDにするため、電源側のNチャネルMOSトランジスタのゲート電位を電位変換回路を用いてVDD+Vth以上に昇圧する必要があり、そのために要する時間がデータの出力を遅延させる。
【0010】
また、このNチャネルMOSトランジスタのみによって”H”データを出力するため、これをある程度大きなトランジスタとしなければならないが、この大きなトランジスタのゲート電極を0VとVDD+Vth以上の電位との間で充放電させる必要があるため、消費電流が大きくなる。特にオンチップの昇圧電源を用いる半導体装置では、昇圧電源の供給しなければならない電流が大きくなり、その結果、昇圧電源の占める面積の増大、ひいてはチップ全体の面積の増大を招くことにもなる。電源側のNチャネルMOSトランジスタの大きさを小さくすれば消費電流の増大を抑えることができるが、これは、出力データがハイインピーダンスから”H”へ、あるいは”L”から”H”へ遷移する速度を低下させることになる。
【0011】
一方、電源側のPチャネルMOSトランジスタと外部端子との間にNチャネルの出力制御トランジスタを直列に接続したCMOS型データ出力バッファでは、”H”データ出力時よりも前に出力制御トランジスタのゲートが昇圧されるので、昇圧に要する時間によるデータ出力の遅延はないが、ハイインピーダンス状態からデータ出力状態に変化する際には出力制御トランジスタのゲートを昇圧しなければならないので、ハイインピーダンス状態とデータ出力状態を交互に頻繁に繰り返すような動作、例えばDRAMのファーストページモードのような動作では、NMOS型データ出力バッファの場合と同様に、昇圧電源の供給すべき電流が増大するという問題を生じる。
【0012】
本発明の目的は、回路を構成する素子の異常動作を防ぎつつ、データ出力の高速化、低消費電力化を図った半導体装置の出力回路を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明の半導体装置の出力回路は、電源と外部端子との間の電流経路において、外部端子に第1のNチャネルMOSトランジスタを接続し、第1のNチャネルMOSトランジスタと並列に第2のNチャネルMOSトランジスタを接続し、電位変換回路を用いて、データ出力時に第1のNチャネルMOSトランジスタのゲート電極に電源電圧を上回る正の電圧を印加するとともに、第2のNチャネルMOSトランジスタのゲートに電源電圧を印加するようにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明の半導体装置の出力回路は、電源と内部ノードとの間に接続されたPチャネルMOSトランジスタと、内部ノードと外部端子との間に並列に接続された第1のNチャネルMOSトランジスタおよび第2のNチャネルMOSトランジスタと、外部端子と接地との間に接続された第3のNチャネルMOSトランジスタと、電源電圧に等しい電圧を入力し、電源電圧よりも高く昇圧した電圧を出力する電位変換回路とを備え、データ出力時に、電位変換回路の出力を第1のNチャネルMOSトランジスタのゲートに供給し、電源電圧を第2のNチャネルMOSトランジスタのゲートに供給するようにしたものであり、”H”データ出力時、外部端子がVDD−Vthに達するまでは第1および第2のNチャネルMOSトランジスタがともにオンした状態になり、外部端子の電位上昇に寄与するため、ゲート電極を電源電圧を上回る正の電圧へ昇圧する必要がある第1のNチャネルMOSトランジスタが小さくても高速にデータを”H”に遷移させることができる。その結果、電源電圧を上回る正の電圧に昇圧すべき負荷容量が小さくなり、本発明の出力回路を搭載した半導体装置の消費電力を小さくすることができる。
【0017】
本発明の請求項2に記載の発明の半導体装置の出力回路は、請求項1に記載の半導体装置の出力回路において、データ非出力時には、第1のNチャネルMOSトランジスタと第2のNチャネルMOSトランジスタとがともにカットオフし、データ出力時には、PチャネルMOSトランジスタと第3のNチャネルMOSトランジスタとのうちのいずれか一方がオンする前に、第1のNチャネルMOSトランジスタと第2のNチャネルMOSトランジスタとがオンするようにしたものであり、データ非出力時、外部端子から電源電圧を上回る正の電圧が印加されても、PチャネルMOSトランジスタのドレイン電極にこの電圧が印加されることはなく、ラッチアップ等の不具合を生じることがない。また、データ出力時には、”H”レベル、”L”レベルに確定したデータが出力される前に、第1および第2のNチャネルMOSトランジスタがオンし、第1のNチャネルMOSトランジスタのゲート電極が電源電圧を上回る正の電圧に昇圧されるので、昇圧に要する時間がデータの出力を遅延させることはなく、高速な半導体装置の出力回路が実現される。
【0018】
本発明の請求項3に記載の発明の半導体装置の出力回路は、請求項1または2に記載の半導体装置の出力回路において、電位変換回路が内部昇圧電源を用いて電源電圧よりも高く昇圧した電圧を出力するようにしたものであり、昇圧電源の供給すべき電流が小さくて済み、昇圧電源の占める面積、ひいてはチップ全体の面積を小さく抑えることができる。
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態における半導体装置の出力回路の構成を示す回路図である。図1において、1はPチャネルMOSトランジスタ、2は第1の出力制御NチャネルMOSトランジスタ、10は第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ、3はNチャネルMOSトランジスタ、4は電位変換回路である。5は第1の入力端子で出力データ信号Dが、6は第2の入力端子で出力制御信号OEがそれぞれ供給される。PチャネルMOSトランジスタ1は電源VDDと内部ノードNDとの間に挿入され、第1および第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2、10は、内部ノードNDと外部端子7との間に並列に挿入されている。出力制御信号OEは電位変換回路4の入力端子と第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ10のゲート電極に供給され、電位変換回路4の出力Vout が第1の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2のゲート電極に供給される。
【0020】
なお、本実施の形態では、電位変換回路4は、外部から印加された電源VDDをもとに内部で発生された昇圧電源を用い、VDDレベルの入力信号を昇圧電源のレベルの出力信号にレベル変換する回路であるが、電位変換回路は他の構成であってもよい。例えば、昇圧コンデンサと遅延回路を用いて信号レベルを昇圧するような構成であってもよい。
【0021】
図1に示した出力回路は、出力制御信号OEが”H”レベルであるときに、出力データDの論理レベルに応じたデータ信号DQを外部端子7へ出力するものである。
【0022】
まず、非出力動作時における図1の出力回路の動作について説明する。非出力動作時には、出力制御信号OEが”L”レベルになる。出力制御信号OEが”L”レベルの時、PチャネルMOSトランジスタ1のゲート電極に供給される信号Shは”H”に、NチャネルMOSトランジスタ3のゲート電極に供給される信号Slは”L”になる。また、第1の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2、および、第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ10のゲート電圧がともに”L”レベルとなる。したがって、PチャネルMOSトランジスタ1、第1および第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2、10、NチャネルMOSトランジスタ3は、いずれもカットオフする。この結果、外部端子7はハイインピーダンス状態となる。
【0023】
この状態で、外部端子7に外部から電源電圧VDDを上回る正の電圧VDQが印加されても、第1および第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2、10はカットオフしたままであるので、電源電圧VDDを上回る正の電圧VDQが印加されるのは第1および第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2、10のドレイン電極にとどまり、PチャネルMOSトランジスタ1のドレイン電極にはこの電圧は印加されない。NチャネルMOSトランジスタのドレイン電極は、接地ないしは負の電圧にバイアスされたP型基板ないしはP型ウェル中のN型拡散領域で形成されるので、これに正の電圧が印加されてもPN接合が順バイアスされることはなく、ラッチアップ等の不具合を生じることはない。
【0024】
また、この状態で、外部端子7に外部から負の電圧−VDQが印加され、この印加電圧の絶対値VDQが第1および第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2、10のしきい値電圧Vthを上回った場合、これらのNチャネルMOSトランジスタ2、10はオンする。しかし、Pチャネルトランジスタ1はカットオフ状態を保持するので、これらのNチャネルMOSトランジスタ2、10に電源VDDからドレイン電流が供給されることはない。そのため、NチャネルMOSトランジスタ2、10のターンオンに起因した基板電流は発生しない。したがって、DRAMのメモリセルデータの破壊等の不具合を生じることもない。
【0025】
次に、データ出力時の動作について説明する。データ出力時は出力制御信号OEが”H”レベルになる。出力制御信号OEが”L”から”H”に遷移すると、直ちに第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ10がオンする。同時に、電位変換回路4が動作し、昇圧された出力制御信号Vout が第1の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2のゲート電極に供給される。それから、”H”レベルあるいは”L”レベルに確定したデータが出力される。出力データ信号Dが”H”レベルになった場合には、信号ShおよびSlがともに”L”レベルとなり、PチャネルMOSトランジスタ1がオン、NチャネルMOSトランジスタ3がカットオフする。その結果、電源と外部端子の間に挿入されたPチャネルMOSトランジスタ1と出力制御NチャネルMOSトランジスタ2、10が全て導通し、外部端子から”H”レベルのデータが出力される。出力データ信号Dが”L”レベルになった場合には、信号ShおよびSlがともに”H”レベルとなり、PチャネルMOSトランジスタ1がカットオフ、NチャネルMOSトランジスタ3がオンする。その結果、接地と外部端子の間に挿入されたNチャネルMOSトランジスタ3が導通し、外部端子から”L”レベルのデータが出力される。データ出力時には、”H”レベル、”L”レベルに確定したデータが出力される前に、第1および第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタがオンし、第1の出力制御NチャネルMOSトランジスタのゲート電極が電源電圧を上回る正の電圧に昇圧されるので、昇圧に要する時間がデータの出力を遅延させることはなく、高速な半導体装置の出力回路が実現できる。
【0026】
データ出力時、第1の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2のゲート電極にはVDD+Vth以上に昇圧された出力制御信号Vout が印加されているので、”H”データ出力の場合、NチャネルMOSトランジスタのゲートしきい値電圧による電圧ロスがなく、外部端子7は電源電圧VDDに等しい電位まで上昇する。外部端子7の電位が接地ないしは中間レベルから電源電圧VDDへと上昇する際、外部端子7の電位がVDD−Vthに達するまでは、第1の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2のみでなく、第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ10も導通状態になり、外部端子7の電位の上昇に寄与する。したがって、第1の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2としては、それ程大きなトランジスタを用いなくても、十分高速にデータを”H”に遷移させることができる。本実施の形態では、ゲート電極を電源電圧を上回る正の電圧へ昇圧する必要がある第1の出力制御NチャネルMOSトランジスタ2が小さく、したがって、昇圧電源の負荷が小さく、供給すべき電流が小さくて済むので、低消費電力の半導体装置が実現できる。また、昇圧電源の占める面積、ひいてはチップ全体の面積を小さく抑えることもできる。
【0027】
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の第2の実施の形態における半導体装置の出力回路の構成を示す回路図である。図2において、2、10、3はいずれもNチャネルMOSトランジスタ、4は電位変換回路である。5は第1の入力端子で出力データ信号Dが、6は第2の入力端子で出力制御信号OEがそれぞれ供給される。NチャネルMOSトランジスタ2、10は、電源と外部端子7との間に並列に挿入されている。ANDゲート8には出力制御信号OEと出力データ信号Dとが入力され、その出力Shが電位変換回路4の入力端子とNチャネルMOSトランジスタ10のゲート電極に供給され、電位変換回路4の出力Vout がNチャネルMOSトランジスタ1のゲート電極に供給される。
【0028】
なお、本実施の形態では、電位変換回路4は、外部から印加された電源VDDをもとに内部で発生された昇圧電源を用い、VDDレベルの入力信号を昇圧電源のレベルの出力信号にレベル変換する回路であるが、電位変換回路は他の構成であってもよい。例えば、昇圧コンデンサと遅延回路を用いて信号レベルを昇圧するような構成であってもよい。
【0029】
図2に示した出力回路は、出力制御信号OEが”H”レベルであるときに、出力データDの論理レベルに応じたデータ信号DQを外部端子7へ出力するものである。
【0030】
まず、非出力動作時における図2の出力回路の動作について説明する。非出力動作時には、出力制御信号OEが”L”レベルになる。出力制御信号OEが”L”レベルの時、NチャネルMOSトランジスタ10に供給される信号Sh、およびNチャネルMOSトランジスタ10に供給される電位変換回路4を経た信号Vout はともに”L”になり、また、第3のNチャネルMOSトランジスタ3のゲート電極に供給される信号Slも”L”になる。したがって、NチャネルMOSトランジスタ2、10、および3は、いずれもカットオフする。この結果、外部端子7はハイインピーダンス状態となる。
【0031】
本実施の形態の出力回路では、最終段はNチャネルMOSトランジスタのみで構成されており、外部端子に印加された電圧がPチャネルトランジスタのドレイン電極に印加されることがなく、電源電圧VDDを上回る正の電圧VDQが印加されてもラッチアップ等の不具合を生じることはない。
【0032】
次に、データ出力時の動作について説明する。データ出力時は出力制御信号OEが”H”レベルになる。出力データ信号Dが”H”レベルになった場合には、信号Sh、Vout が”H”レベル、信号Slが”L”レベルとなり、NチャネルMOSトランジスタ2、10がオン、NチャネルMOSトランジスタ3がカットオフする。その結果、外部端子から”H”レベルのデータが出力される。出力データ信号Dが”L”レベルになった場合には、信号Sh、Vout が”L”レベル、信号Slが”H”レベルとなり、NチャネルMOSトランジスタ2、10がカットオフ、NチャネルMOSトランジスタ3がオンする。その結果、外部端子から”L”レベルのデータが出力される。
【0033】
”H”データ出力時、NチャネルMOSトランジスタ2のゲート電極にはVDD+Vth以上に昇圧された出力制御信号Vout が印加されているので、NチャネルMOSトランジスタのゲートしきい値電圧による電圧ロスがなく、外部端子7は電源電圧VDDに等しい電位まで上昇する。外部端子7の電位が接地ないしは中間レベルから電源電圧VDDへと上昇する際、外部端子7の電位がVDD−Vthに達するまでは、NチャネルMOSトランジスタ2のみでなく、NチャネルMOSトランジスタ10も導通状態になり、外部端子7の電位の上昇に寄与する。したがって、NチャネルMOSトランジスタ2がそれ程大きなトランジスタでなくても、十分高速にデータを”H”に遷移させることができる。本実施の形態では、ゲート電極を電源電圧を上回る正の電圧へ昇圧する必要があるNチャネルMOSトランジスタ2が小さく、したがって、昇圧電源の負荷が小さく、供給すべき電流が小さくて済むので、低消費電力の半導体装置が実現できる。また、昇圧電源の占める面積、ひいてはチップ全体の面積を小さく抑えることもできる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る半導体装置の出力回路によれば、データ非出力時、外部端子から電源電圧を上回る正の電圧が印加されても、PチャネルMOSトランジスタのドレイン電極にこの電圧が印加されることはなく、ラッチアップ等の不具合を生じることがない。さらに、データ出力時、第1のNチャネルMOSトランジスタのゲート電極に電源電圧を上回る正の電圧が印加され、第2のNチャネルMOSトランジスタのゲート電極に電源電圧が印加されるが、”H”データ出力時、外部端子がVDD−Vthに達するまでは、第1および第2のNチャネルトランジスタがともにオンした状態になり外部端子の電位上昇に寄与するため、ゲート電極を電源電圧を上回る正の電圧へ昇圧する必要がある第1のNチャネルMOSトランジスタ2が小さくても高速にデータを”H”に遷移させることができる。その結果、電源電圧を上回る正の電圧に昇圧すべき負荷容量が小さくなり、消費電力が小さくなる。したがって、回路を構成する素子の異常動作を防ぎつつ、データ出力の高速化、低消費電力化を実現することができる。
【0035】
また、請求項2記載の発明のようにPチャネルMOSトランジスタと第3のNチャネルMOSトランジスタとのうちのいずれか一方がオンする前に、第1のNチャネルMOSトランジスタと第2のNチャネルMOSトランジスタとがオンするようにすれば、データ出力時には、”H”レベル、”L”レベルに確定したデータが出力される前に、第1および第2のNチャネルMOSトランジスタがオンし、第1のNチャネルMOSトランジスタのゲート電極が電源電圧を上回る正の電圧に昇圧されるので、昇圧に要する時間がデータの出力を遅延させることはなく、データ出力を高速化することができる。
【0036】
さらに、請求項3記載の発明のように電位変換回路が内部昇圧電源を用いて電源電圧よりも高く昇圧した電圧を出力する場合には、昇圧電源の供給すべき電流が小さくて済むので、昇圧電源の占める面積、ひいてはチップ全体の面積を小さく抑えることができ、低コストの半導体装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の出力回路の構成を示す回路図
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の出力回路の構成を示す回路図
【図3】従来の半導体装置のNMOS型出力回路の構成を示す回路図
【図4】従来の半導体装置のCMOS型出力回路の構成を示す回路図
【符号の説明】
1 PチャネルMOSトランジスタ
2 第1の出力制御NチャネルMOSトランジスタ
3 NチャネルMOSトランジスタ
4 電位変換回路
5 第1の入力端子
6 第2の入力端子
10 第2の出力制御NチャネルMOSトランジスタ
Claims (3)
- 電源と内部ノードとの間に接続されたPチャネルMOSトランジスタと、前記内部ノードと外部端子との間に並列に接続された第1のNチャネルMOSトランジスタおよび第2のNチャネルMOSトランジスタと、前記外部端子と接地との間に接続された第3のNチャネルMOSトランジスタと、前記電源の電圧に等しい電圧を入力し、前記電源の電圧よりも高く昇圧した電圧を出力する電位変換回路とを備え、データ出力時に、前記電位変換回路の出力を前記第1のNチャネルMOSトランジスタのゲートに供給し、前記電源の電圧を前記第2のNチャネルMOSトランジスタのゲートに供給することを特徴とする半導体装置の出力回路。
- データ非出力時には、前記第1のNチャネルMOSトランジスタと前記第2のNチャネルMOSトランジスタとがともにカットオフし、データ出力時には、前記PチャネルMOSトランジスタと前記第3のNチャネルMOSトランジスタとのうちのいずれか一方がオンする前に、前記第1のNチャネルMOSトランジスタと前記第2のNチャネルMOSトランジスタとがオンすることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の出力回路。
- 前記電位変換回路が内部昇圧電源を用いて前記電源の電圧よりも高く昇圧した電圧を出力することを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置の出力回路。
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