JP3579247B2 - パターンの位置合わせ方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリーンシートあるいはフィルムキャリア等に形成されたパターンを検査するパターン検査方法に係り、特にマスタパターンと被測定パターンの位置合わせを行う位置合わせ方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、IC、LSIの多ピン化要求に適した実装技術として、PGA(Pin Grid Array)が知られている。PGAは、チップを付けるパッケージのベースとしてセラミック基板を用い、リード線の取り出し位置まで配線を行っている。このセラミック基板を作るために、アルミナ粉末を液状のバインダで練り合わせてシート状にしたグリーンシートと呼ばれるものが使用され、このグリーンシート上に高融点の金属を含むペーストがスクリーン印刷される。そして、このようなシートを焼成することにより、グリーンシートを焼結させると共にペーストを金属化させる、いわゆる同時焼成が行われる。
【0003】
また、その他の実装技術として、TAB(Tape Automated Bonding)が知られている。TAB法は、ポリイミド製のフィルムキャリア(TABテープ)上に形成された銅箔パターンをICチップの電極に接合して外部リードとする。銅箔パターンは、フィルムに銅箔を接着剤で貼り付け、これをエッチングすることによって形成される。
【0004】
このようなグリーンシート又はフィルムキャリアでは、パターン形成後に顕微鏡を用いて人間により目視でパターンの検査が行われる。ところが、微細なパターンを目視で検査するには、熟練を要すると共に、目を酷使するという問題点があった。そこで、目視検査に代わるものとして、フィルムキャリア等に形成されたパターンをTVカメラで撮像して自動的に検査する技術が提案されている(例えば、特開平6−273132号公報、特開平7−110863号公報)。
【0005】
図8、図9は特開平6−273132号公報に記載された断線を検出する従来の検査方法を説明するための図である。良品と判定された被測定パターンを撮像することによって作成されたマスタパターンは、パターンエッジを示す直線の集合として登録される。また、被測定パターンは、パターンを撮像した濃淡画像から抽出したパターンエッジを示すエッジデータ(エッジ座標)の集合として入力される。そして、抽出した被測定パターンのエッジデータn1、n2、n3・・・とマスタパターンの直線との対応付けを行う。この対応付けを行うために、図8に示すように、マスタパターンの連続する直線A1とA2、A2とA3・・・がつくる角をそれぞれ2等分する2等分線A2’、A3’・・・を求める。
【0006】
この2等分線A2’、A3’・・・によってマスタパターンの直線A1、A2、A3・・・の周囲は、各直線にそれぞれ所属する領域に分割される。これにより、各領域内に存在する被測定パターンのエッジデータn1、n2、n3・・・は、その領域が属するマスタパターンの直線A1、A2、A3・・・とそれぞれ対応付けられたことになる。例えば図8において、エッジデータn1〜n3は、直線A1と対応付けられ、データn4〜n6は、直線A2と対応付けられる。
次に、被測定パターンのエッジデータとマスタパターンとを比較し、被測定パターンが断線しているかどうかを検査する。
【0007】
この検査は、図9に示すように、被測定パターンの連結したエッジデータn1〜n9を追跡することによりパターンエッジを追跡するラベリング処理によって実現される。このとき、被測定パターンの先端に生じた断線により、この断線部でエッジデータが連結しないため、マスタパターンの直線A3〜A5に対応するエッジデータが存在しない。こうして、被測定パターンの断線を検出することができる。
【0008】
図10は特開平6−273132号公報に記載された短絡を検出する従来の検査方法を説明するための図である。まず、マスタパターンと被測定パターンを所定の大きさに切り出した検査領域20において、被測定パターンの連結したエッジデータを追跡する。これにより、被測定パターンの各エッジデータは、n1〜n18と順次ラベリングされる。しかし、パターンエッジを示す対向する2直線からなるマスタパターンMaと同じく対向する2直線からなるマスタパターンMbには、エッジデータn8、n17は登録されていない。こうして、被測定パターンの短絡を検出することができる。
【0009】
図11は特開平7−110863号公報に記載された欠損あるいは突起を検出する従来の検査方法を説明するための図である。まず、中心線Lに垂直な垂線を引いて、この垂線がマスタパターンのエッジを示す直線A1、A2と交わる交点間の長さをマスタパターンの幅W0として予め求めておく。次に、実際の検査では、被測定パターンのエッジデータnからマスタパターンの中心線Lに対して垂線を下ろすことにより、対向するエッジデータ間の距離を求める。これが、被測定パターンの幅Wであり、これをマスタパターンの幅W0と比較することにより、被測定パターンの欠損あるいは突起を検出する。
【0010】
しかし、このような検査方法を用いるパターン検査装置では、被測定パターンの全体にわたってマスタパターンとの比較による詳細な検査をソフトウェアで行うため、パターン検査に時間がかかるという問題点があった。そこで、短時間で検査が可能なパターン検査装置が提案されている(例えば、特願平8−302807号)。特願平8−302807号に記載されたパターン検査装置では、ハードウェアによって被測定パターンの欠陥候補を検出し(一次検査)、検出した欠陥候補を含む所定の小領域だけソフトウェアによって検査するので(二次検査)、被測定パターンの欠陥を従来よりも高速に検査することができる。
ところで、以上のようなパターン検査装置の何れにおいても、カメラで取り込んだ被測定パターンとマスタパターンを比較するためには、マスタパターンと被測定パターンの位置合わせが必要である。そして、この位置合わせは、マスタパターンに予め設けられた位置決めマークと、これに対応する被測定パターンの位置決めマークの位置を一致させることで行っていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以上のような位置合わせ方法では、検査ワークに局所的な伸び縮み等の歪みが存在する場合、全体としてはマスタパターンとの位置合わせができていたとしても、局所的にはマスタパターンとのずれが発生しているため、このずれが上述の欠陥候補として検出されることがある。この場合、検査ワークの局所的な歪みが許容範囲内であったとしても、二次検査が行われるため、検査時間がかかってしまうという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、検査ワークの局所的な歪みが許容範囲内であれば、二次検査を省略して検査時間を短縮することができる位置合わせ方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、請求項1に記載のように、被測定パターンとマスタパターンの全領域について互いの位置決めマークの位置を合わせることによりマスタパターンと被測定パターンの全体の位置合わせを行った後に、被測定パターン中に複数の分割領域を設定すると共に、これに対応する複数の分割領域をマスタパターン中に設定し、被測定パターンの分割領域において少なくとも4点の位置決めマークの座標を求めると共に、これに対応する少なくとも4点の位置決めマークの座標をマスタパターンの対応分割領域において求め、これらの座標より被測定パターンとマスタパターンの間の座標変換式を決定し、マスタパターンの分割領域を上記座標変換式によって変換することにより、マスタパターンと被測定パターンの位置合わせを分割領域ごとに行うようにしたものであり、前記座標変換式に被測定パターンの位置決めマークの座標を入力した結果とマスタパターンの対応位置決めマークの座標との偏差をマークごとに求め、この偏差が所定のしきい値より大きい位置決めマークを被測定パターンとマスタパターンの双方から除外して座標変換式を再び求めることを全ての偏差が所定のしきい値以下となるまで繰り返すことにより、前記座標変換式を決定するようにしたものである。被測定パターンの分割領域において少なくとも4点の位置決めマークの座標を求めると共に、これに対応する少なくとも4点の位置決めマークの座標をマスタパターンの対応分割領域において求め、これらの座標より被測定パターンとマスタパターンの間の座標変換式を決定し、マスタパターンの分割領域を座標変換式によって変換することにより、マスタパターンの分割領域と被測定パターンの分割領域の微妙な位置ずれを補正することができる。このように、マスタパターンと被測定パターンの位置合わせを分割領域ごとに行うことにより、検査ワークの局所的な歪みが許容範囲内であれば、これを吸収して検査を行う行うことができる。
また、請求項2に記載のように、各分割領域は、左右上下が他の分割領域と重なるように設定されるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態となる検査方法を示すフローチャート図、図2はこの検査方法で用いるパターン検査装置のブロック図である。
図2において、1は検査ワークとなるグリーンシート、2はグリーンシート1を載せるX−Yテーブル、3はグリーンシート1を撮像するラインセンサカメラ、4は被測定パターンの欠陥候補を検出する一次検査を行い、欠陥候補の位置を示すアドレス情報を出力する第1の画像処理装置、5はこのアドレス情報により欠陥候補を含む所定の領域について、被測定パターンとマスタパターンの誤差を求め、被測定パターンの二次検査を行う第2の画像処理装置、6は装置全体を制御するホストコンピュータ、7は検査結果を表示するための表示装置である。
【0014】
最初に、検査の前に予め作成しておくマスタパターンについて説明する。ホストコンピュータ6は、CAD(Computer Aided Design )システムによって作成され例えば磁気ディスクに書き込まれたグリーンシートの設計値データ(以下、CADデータとする)を図示しない磁気ディスク装置によって読み出す(図1ステップ101)。そして、読み出したCADデータからパターンのエッジデータを抽出する。エッジデータは、パターンエッジを示す画素「1」の集合である。そして、パターンエッジを示す画素「1」で囲まれた領域を「1」で塗りつぶし、この画素「1」で塗りつぶされたパターン(パターン以外の背景は「0」)を検査の基準となる第1のマスタパターンとする(図1ステップ102)。
【0015】
このように本実施の形態では、正確なマスタパターンを作成するために、グリーンシート1の製造上のマスタとなったCADデータを用いる。
次に、ホストコンピュータ6は、第1のマスタパターンから欠損又は断線検出用の第2のマスタパターン、突起又は短絡検出用の第3のマスタパターンを以下のように作成する(図1ステップ103)。図3は第2、第3のマスタパターンの作成方法を説明するための図であり、第1のマスタパターンの一部を示している。
【0016】
まず、図3(a)に示すように、第1のマスタパターンをその中心線と直角の方向に収縮させて、第2のマスタパターンM1を作成する。これは、第1のマスタパターンの両エッジを示す対向する直線A1とA4(中心線はL1)の間隔、及びA2とA3(中心線はL2)の間隔を狭くして第1のマスタパターンを細らせることにより作成することができる。
【0017】
この第2のマスタパターンM1による欠陥検出の精度は、第1のマスタパターンをどれだけ収縮させるかによって決まる。例えば、第1のマスタパターンの幅の1/5を超える欠損が存在するときに欠陥と認識したい場合は、第2のマスタパターンM1の幅を第1のマスタパターンの幅の3/5となるように縮小すればよい。検出精度は、画素単位や実際の寸法で決めてもよいことは言うまでもない。こうして、欠損又は断線検出用の第2のマスタパターンM1が作成される。
【0018】
続いて、図3(b)に示すように、第1のマスタパターンをその中心線と直角の方向に膨張させて、第3のマスタパターンM2を作成する。これは、第1のマスタパターンの両エッジを示す対向する直線A5とA8(中心線はL3)、A6とA7(中心線はL4)、A9とA12(中心線はL5)及びA10とA11(中心線はL6)の間隔をそれぞれ広くして第1のマスタパターンを太らせることにより作成することができる。
【0019】
ただし、実際に第3のマスタパターンM2になるのは、直線A5〜A8からなるマスタパターンMaと、直線A9〜A12からなるマスタパターンMbをそれぞれ膨張処理して生じた2つのパターンに挟まれた領域(パターンが存在しない基材の部分)である。
【0020】
この第3のマスタパターンM2による欠陥検出の精度は、第1のマスタパターンをどれだけ膨張させるかによって決まる。例えば、第1のマスタパターンの幅の1/5を超える欠損が存在するときに欠陥と認識したい場合は、第3のマスタパターンM2の幅を第1のマスタパターンの幅の7/5となるように拡大すればよい。また、画素単位や実際の寸法で検出精度を決めてもよいことは第2のマスタパターンと同様である。こうして、突起又は短絡検出用の第3のマスタパターンM2が作成される。
【0021】
次に、被測定パターンの検査について説明する。まず、グリーンシート1をカメラ3によって撮像する。そして、第1の画像処理装置4は、カメラ3から出力された濃淡画像をディジタル化して、図示しない内部の画像メモリにいったん記憶する(ステップ104)。
カメラ3は、X方向に画素が配列されたラインセンサなので、X−Yテーブル2あるいはカメラ3をY方向に移動させることにより(ここでは、テーブル2がY方向に移動する)、2次元の画像データが画像メモリに記憶される。
【0022】
続いて、画像処理装置4は、画像メモリに記憶された被測定パターンの濃淡画像を2値化する(ステップ105)。被測定パターンの濃淡画像データには、パターンとそれ以外の背景(グリーンシート等の基材)とが含まれているが、パターンと背景には濃度差があるので、パターンの濃度値と背景の濃度値の間の値をしきい値として設定すれば、パターンは「1」に変換され、背景は「0」に変換される。こうして、パターンエッジとその内側が画素「1」で塗りつぶされた被測定パターンを得ることができる。
【0023】
次いで、画像処理装置4は、2値化処理した被測定パターン全体とマスタパターン全体の位置合わせを行う(ステップ106)。図4はこの位置合わせ方法を説明するための図である。
まず、画像処理装置4は、画像メモリに記憶した被測定パターンPにおいて、CADデータ作成の際にあらかじめ設けられた位置決めマークaを図4(a)に示すように3箇所以上指定し、ホストコンピュータ6から送出された第1のマスタパターンMにおいて、これらに該当する位置決めマークbを図4(b)のように指定する。
【0024】
そして、被測定パターンPとマスタパターンMの各々について、X方向に並んだ2つの位置決めマーク間の距離DXp、DXmを求める。なお、マーク間距離は、2つの位置決めマークの重心間の距離である。
【0025】
続いて、求めたマーク間距離から拡大/縮小率(DXp/DXm)を算出し、この拡大/縮小率によりマスタパターンのマーク間距離が被測定パターンのマーク間距離と一致するように、マスタパターンMを全方向に拡大又は縮小する。
次いで、被測定パターンPと拡大/縮小補正したマスタパターンM’のそれぞれについて、Y方向に並んだ2つの位置決めマーク間の距離DYp、DYmを図4(c)、(d)のように求める。
【0026】
そして、被測定パターンのマーク間距離がマスタパターンのマーク間距離と一致するように、ラインセンサカメラ3とグリーンシート1(X−Yテーブル2)の相対速度を調整して、シート1を再度撮像する。
Y方向の画像分解能は、カメラ3の画素の大きさと上記相対速度によって決定される。したがって、X−Yテーブル2あるいはラインセンサカメラ3の移動速度を変えることにより、Y方向の画像分解能を調整し、マーク間距離を一致させることができる。
【0027】
次に、こうして撮像して得られた被測定パターンP’の位置決めマーク位置と拡大/縮小補正したマスタパターンM’の位置決めマーク位置により、図4(e)のようにパターンP’、M’の角度ずれθを求め、この角度ずれがなくなるようにマスタパターンM’を回転させる。最後に、互いのマーク位置が一致するように、マスタパターンM’と被測定パターンP’の位置を合わせる。
【0028】
このように、被測定パターンとマスタパターンのそれぞれについて、X方向に並んだ2つの位置決めマーク間の距離を求め、求めたマーク間距離が一致するようにマスタパターンを拡大又は縮小し、被測定パターンと拡大/縮小補正したマスタパターンのそれぞれについて、Y方向に並んだ2つの位置決めマーク間の距離を求め、求めたマーク間距離が一致するようにラインセンサカメラと被測定パターンの相対速度を調整して、被測定パターンを再び撮像し、撮像した被測定パターンと上記拡大/縮小補正したマスタパターンの角度ずれを求めて、この角度ずれがなくなるようにマスタパターンを回転させることにより、マスタパターンと被測定パターンの位置を合わせることができる。以上のように本実施の形態では、ラインセンサカメラ3の画素数によって決定されるX方向の画像分解能に対し、カメラ3の取り込み速度を変えてY方向の画像分解能を調整することにより、縦(Y)、横(X)の比率を1:1にすることができる。
【0029】
実際の検査においては、縦、横の比率が完全な1:1にならない場合がある。例えば、グリーンシートにスクリーン印刷されるパターンは、印刷される方向により伸びた状態で印刷されることがある。したがって、良品ではあっても規格に対して許容できる範囲内の伸びが存在するパターンでは、縦、横の比率が完全な1:1とはならない。本実施の形態では、カメラ3の取り込み速度を変えてY方向のマーク間距離を一致させるため、許容範囲内で縦、横のスケールが異なる被測定パターンをマスタパターンに一致させることができ、形成時のパターン位置の変化に対して自動的にパターンの位置補正を行うことができる。
【0030】
次に、画像処理装置4は、被測定パターンとマスタパターンの分割領域ごとの位置合わせを行う(ステップ107)。図5はこの分割領域ごとの位置合わせ方法を示すフローチャート図、図6はこの位置合わせ方法を説明するための図である。
【0031】
まず、画像処理装置4は、図6(a)のように第1のマスタパターンM中に複数の分割領域Emを設定すると共に、これに対応する複数の分割領域Epを図6(b)のように被測定パターンP中に設定し、第1のマスタパターンMから1つの分割領域Emを切り出すと共に、これに対応する分割領域Epを被測定パターンPから切り出す(図5ステップ201)。なお、各分割領域の位置と大きさは予め設定されている。また、各分割領域の大きさは一定でなくてもよい。
【0032】
続いて、画像処理装置4は、マスタパターンMの分割領域Emにおいて、予め設定された位置決めマークFmを図6(c)に示すように4箇所以上指定し、これらに対応する位置決めマークFpを被測定パターンPの対応分割領域Epにおいて図6(d)のように指定する(ステップ202)。なお、図6では、分割領域Em内の位置決めマークFm1,Fm2,Fm3,Fm4,Fm5,Fm6に対応する分割領域Ep内の位置決めマークは、それぞれFp1,Fp2,Fp3,Fp4,Fp5,Fp6である。
そして、画像処理装置4は、各位置決めマークFm1〜Fm6,Fp1〜Fp6の重心の座標を算出する(ステップ203)。
【0033】
次いで、画像処理装置4は、位置決めマークFm1〜Fm6の座標とこれに対応する位置決めマークFp1〜Fp6の座標により、被測定パターンとマスタパターンの間の次式のような座標変換式を最小2乗法によって求める(ステップ204)。
Xm=AXp+BYp+C
Ym=DXp+EYp+F ・・・(1)
【0034】
式(1)において、Xm,YmはマスタパターンのX,Y座標、Xp,Ypは被測定パターンのX,Y座標、A,B,C,D,E,Fは定数である。
次に、画像処理装置4は、位置決めマークFp1〜Fp6のうちの任意の位置決めマーク、例えばマークFp1の座標をXp,Ypとして式(1)の座標変換式に代入し、座標Xm,Ymを算出する。そして、座標変換式に代入した位置決めマークFp1に対応する位置決めマークFm1の座標と算出した座標Xm,Ymとの偏差をX,Y座標ごとに求める。このような偏差の計算を位置決めマーク毎に行う(ステップ205)。
【0035】
続いて、画像処理装置4は、算出した各偏差が所定のしきい値より大きいか否かを判定する(ステップ206)。
全ての偏差が所定のしきい値以下の場合は、被測定パターンの分割領域Epの歪みが許容範囲内で、かつ導出した座標変換式が適正であると判断し、この座標変換式を用いて分割領域Em内のマスタパターンの座標変換を行う(ステップ207)。
【0036】
また、全ての偏差が所定のしきい値より大きい場合は、被測定パターンの分割領域Epの歪みが許容範囲外であり、検査対象のグリーンシート1が不良であると判断する(ステップ208)。
一方、画像処理装置4は、しきい値以下の偏差としきい値より大きい偏差が混在する場合、偏差がしきい値より大となる位置決めマーク、例えばマークFp6とこれに対応する位置決めマークFm6を除外した上で(ステップ209)、残りの位置決めマークFm1〜Fm5,Fp1〜Fp5の座標により、式(1)の座標変換式を再び求める(ステップ204)。
【0037】
以上のようなステップ204〜206,208,209の処理を各偏差が所定のしきい値以下となるまで繰り返す。こうして、式(1)の座標変換式を決定し、ステップ207のマスタパターンの変換を行うことができる。
式(1)のような座標変換式を用いることは、所謂アフィン変換(affine transformation )を行うことを意味し、これにより分割領域Emと分割領域Epの位置ずれを補正することができる。
【0038】
なお、第2、第3のマスタパターンは第1のマスタパターンから作成されたものなので、第1〜第3のマスタパターンと被測定パターンとの位置合わせは第1のマスタパターンを用いて1回行えばよい。
【0039】
また、式(1)の座標変換式を求めるには、マスタパターン及び被測定パターン共に最低3点ずつの位置決めマークが必要である。しかし、3点ずつでは座標変換式の精度が悪くなるため、最低4点ずつの位置決めマークを指定して、偏差がしきい値より大となる位置決めマークを座標変換式の導出から除外するようにしている。
したがって、マスタパターン及び被測定パターン共に位置決めマークが3点ずつとなっても、各偏差がしきい値以下とならない場合には、位置決めマークを2点ずつにして座標変換式を求めることはできないので、この場合も検査対象のグリーンシート1が不良であると判断する。
【0040】
次に、画像処理装置4は、被測定パターンの分割領域とこれに対応する第2、第3のマスタパターンの分割領域とを比較して、被測定パターンの一次検査を行う(ステップ108)。図7はこの検査方法を説明するための図である。
【0041】
まず、図7(a)に示すように、被測定パターンPの分割領域Epと第2のマスタパターンM1の上記座標変換式によって位置補正がなされた対応分割領域Emとを比較する。ただし、実際に比較するのは、被測定パターンPを論理反転したパターンNPと第2のマスタパターンM1である。つまり、図7(a)の例では、梨地で示すパターンNPを除いた部分が被測定パターンPである。
【0042】
パターンNPと第2のマスタパターンM1の論理積をとると、この論理積の結果は、被測定パターンPに欠損や断線があるか否かによって異なる。例えば、被測定パターンPがその値として「1」を有し、同様にマスタパターンM1が「1」を有するとき、被測定パターンPに欠損や断線がない場合は、パターンNPとマスタパターンM1が重なることがないので、論理積の結果は「0」となる。
【0043】
これに対し、図7(a)のように被測定パターンPに欠損があると、この部分でパターンNPとマスタパターンM1が重なるので、論理積の結果が「1」となる。これは、被測定パターンに断線がある場合も同様である。
こうして、被測定パターンの欠損あるいは断線を検出することができる。そして、画像処理装置4は、論理積の結果が「1」となって欠陥候補と認識した位置を記憶する。
【0044】
続いて、図7(b)に示すように、被測定パターンPの分割領域Epと第3のマスタパターンM2の上記座標変換式によって位置補正がなされた対応分割領域Emとを比較する。上記と同様に、被測定パターンPa、Pbと第3のマスタパターンM2の論理積をとると、この論理積の結果は、被測定パターンPa、Pbに突起や短絡があるか否かによって異なる。
つまり、被測定パターンPa、Pbに突起や短絡がない場合は、論理積の結果は「0」となる。
【0045】
これに対し、図7(b)のように被測定パターンPaに突起があると、この部分で被測定パターンPaとマスタパターンM2が重なるので、論理積の結果が「1」となる。同様に、被測定パターンPa、Pbが短絡していると、論理積の結果が「1」となる。
こうして、被測定パターンの突起あるいは短絡を検出することができる。そして、画像処理装置4は、論理積の結果が「1」となって欠陥候補と認識した位置を記憶する。
【0046】
なお、、図3、図7では、エッジだけでなくその内部についても値「1」が存在するものとしてマスタパターンM1、M2を表しているが、内部を「1」で満たすと情報量が大きくなるので、ホストコンピュータ6でマスタパターンM1、M2を作成するときはエッジだけとし、このマスタパターンM1、M2を受け取った画像処理装置4でエッジの内側を「1」で塗りつぶすようにしてもよい。
【0047】
このような一次検査を行った後、画像処理装置4は、記憶した欠陥候補の位置をアドレス情報として出力する。
第2の画像処理装置5は、第1の画像処理装置4によって欠陥候補が検出された場合(ステップ109)、上記アドレス情報が示す位置の欠陥候補を中心とする、分割領域より小さい所定の大きさの領域について、被測定パターンと第1のマスタパターンを比較して誤差を求めることにより、被測定パターンの二次検査を行う(ステップ110)。この検査の方法は、前述した図8〜図11の従来の方法と同様である。
【0048】
以上のようなステップ107〜110の処理を未検査の分割領域がなくなるまで(ステップ111)、分割領域ごとに行う。
被測定パターンと第2、第3のマスタパターンの論理積処理はハードウェアで実現でき、検出した欠陥候補を含む所定の領域だけ、処理時間のかかる被測定パターンと第1のマスタパターンの比較によって検査するので、被測定パターンを高速に検査することができる。
【0049】
ところが、グリーンシート1に局所的な伸び縮み等の歪みが存在する場合、従来のパターン検査方法では、局所的なマスタパターンとのずれが発生し、このずれが欠陥候補として検出されるため、グリーンシート1の局所的な歪みが許容範囲内であったとしても、二次検査を実施することになり、検査時間が低下してしまう。
【0050】
これに対して本実施の形態では、グリーンシート1の局所的な歪みが許容範囲内(つまり、上記偏差がしきい値以下)であれば、座標変換式による分割領域ごとの位置合わせによってグリーンシート1の局所的な歪みを吸収するので、この歪みが欠陥候補として検出されることがなくなる。
なお、図6(a)、図6(b)では各分割領域の重なりが存在しないが、実際の各分割領域は左右上下が他の分割領域と重なるように設定される。これは、各分割領域のつながり具合を検査するためである。
また、本実施の形態では、1つの分割領域の検査が終了した後に、次の分割領域の検査を行っているが、複数の分割領域を並行して検査すれば、更に高速な検査ができることは言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、請求項1に記載のように、検査ワークの局所的な歪みが許容範囲内であれば、座標変換式による分割領域ごとの位置合わせによって検査ワークの局所的な歪みを吸収し、マスタパターンの分割領域と被測定パターンの分割領域の微妙な位置ずれを補正することができる。したがって、検査ワークの局所的な歪みが許容範囲内であれば、この歪みが欠陥候補として検出されることがなくなり、歪みに起因する二次検査が実施されることがなくなるので、検査時間を短縮することができる。
【0052】
また、請求項2に記載のように、座標変換式に被測定パターンの位置決めマークの座標を入力した結果とマスタパターンの対応位置決めマークの座標との偏差をマークごとに求め、この偏差が所定のしきい値より大きい位置決めマークを被測定パターンとマスタパターンの双方から除外して座標変換式を再び求めることを全ての偏差が所定のしきい値以下となるまで繰り返して、座標変換式を決定することにより、座標変換式の精度を上げることができ、高精度な位置あわせを行うことができる。また、全ての偏差が所定のしきい値より大きい場合は、被測定パターンの分割領域の歪みが許容範囲外であり、検査ワークが不良であると判断することができる。
【0053】
また、請求項3に記載のように、各分割領域を左右上下が他の分割領域と重なるように設定することにより、各分割領域の境界の部分の歪みが許容範囲内か否かを隣り合う複数の分割領域の偏差によって判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態となる検査方法を示すフローチャート図である。
【図2】パターン検査装置のブロック図である。
【図3】第2、第3のマスタパターンの作成方法を説明するための図である。
【図4】被測定パターンとマスタパターンの全体の位置合わせ方法を説明するための図である。
【図5】被測定パターンとマスタパターンの分割領域ごとの位置合わせ方法を示すフローチャート図である。
【図6】被測定パターンとマスタパターンの分割領域ごとの位置合わせ方法を説明するための図である。
【図7】第2、第3のマスタパターンとの比較による一次検査の方法を説明するための図である。
【図8】断線を検出する従来の検査方法を説明するための図である。
【図9】断線を検出する従来の検査方法を説明するための図である。
【図10】短絡を検出する従来の検査方法を説明するための図である。
【図11】欠損あるいは突起を検出する従来の検査方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1…グリーンシート、2…X−Yテーブル、3…ラインセンサカメラ、4…第1の画像処理装置、5…第2の画像処理装置、6…ホストコンピュータ、7…表示装置。
Claims (2)
- 基準となるマスタパターンとカメラで撮像した被測定パターンを比較することにより被測定パターンを検査するパターン検査方法において、マスタパターンと被測定パターンの位置合わせを行う位置合わせ方法であって、
被測定パターンとマスタパターンの全領域について互いの位置決めマークの位置を合わせることによりマスタパターンと被測定パターンの全体の位置合わせを行った後に、
被測定パターン中に複数の分割領域を設定すると共に、これに対応する複数の分割領域をマスタパターン中に設定し、
被測定パターンの分割領域において少なくとも4点の位置決めマークの座標を求めると共に、これに対応する少なくとも4点の位置決めマークの座標をマスタパターンの対応分割領域において求め、これらの座標より被測定パターンとマスタパターンの間の座標変換式を決定し、マスタパターンの分割領域を前記座標変換式によって変換することにより、マスタパターンと被測定パターンの位置合わせを分割領域ごとに行うようにしたものであり、
前記座標変換式に被測定パターンの位置決めマークの座標を入力した結果とマスタパターンの対応位置決めマークの座標との偏差をマークごとに求め、この偏差が所定のしきい値より大きい位置決めマークを被測定パターンとマスタパターンの双方から除外して座標変換式を再び求めることを全ての偏差が所定のしきい値以下となるまで繰り返すことにより、前記座標変換式を決定することを特徴とするパターンの位置合わせ方法。 - 請求項1記載のパターンの位置合わせ方法において、
各分割領域は、左右上下が他の分割領域と重なるように設定されるものであることを特徴とするパターンの位置合わせ方法。
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