JP3567389B2 - 多気筒エンジンの排気マニホールド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、多気筒エンジンに用いる板金製の排気マニホールドに係り、特に、所定形状の整流板を設けることでエンジンの出力特性を向上できる排気マニホールドに関する。
【0002】
一般に、エンジンからの排気ガスを送り出す排気マニホールドは、エンジンの気筒数に対応して各ポートを設け、その各ポートを集合させて集合部を形成し、その集合部の一端側に排気口を設けた構成としている。そのため、前記排気マニホールドは、構成が複雑になり鋳型で形成されていたが、鋳鉄で形成されるために重量が重く、また、肉厚に形成されるため、排気ガス温度が低下し、触媒の浄化性能が低下すると共に、製造コストも上昇することになった。この問題点を解決するため従来、板金製の排気マニホールドが提案されている。
【0003】
前記板金製の排気マニホールドは、軽量に形成でき、かつ、鋳鉄よりも肉厚が薄く形成できるため、排気ガス温度を低下させることなく、触媒の浄化性能を高めることが可能となった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の板金製のマニホールドでは以下のような問題点が存在していた。すなわち、板金製の排気マニホールドは、複雑な形状が出来ないため、各ポートから集合部までの長さが短くなり、排気干渉が起こり、エンジンの回転数に対する出力が低下した。
【0005】
この発明は、上記問題点に鑑み創案されたものであり、構成が簡単でかつ製造も容易で、出力性能を向上できる排気マニホールドを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、自動車用エンジンの各気筒に接続される板金部材からなる排気マニホールドであって、前記排気マニホールドは、前記エンジンの各気筒に独立して接続する各ポートと、これら各ポートを集合させて形成した集合部と、この集合部の一端側に設けた排出口を有し、前記集合部の位置で、整流板を介し各ポートからの排気ガスの排気通路を徐々に縮小させた多気筒エンジンの排気マニホールドとして構成した。
【0007】
また、前記多気筒マニホールドは、その集合部内で前記整流板により仕切られる各排気通路の断面積と、その各排気通路の長さの積を一定とした構造とすると都合が良い。
【0008】
さらに、前記整流板は、当接板およびその当接板の両端側に設けた一方と他方の側面板からなる切断端面がほぼコ字形のフレーム部と、このフレーム部の両側面板の間で前記当接板に設けた仕切板とから構成すると都合が良い。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1は、排気マニホールドに整流板を設けた状態の正面図、図2は図1のA−A線端面図、図3は排気通路長さとエンジンの出力特性を示すグラフ図、図4は図1のA−A線端面位置での各排気通路の断面面積とエンジンの回転出力を示すグラフ図、図5は整流板の構成を示す斜視図である。
【0010】
図1および図2で示すように、排気マニホールド1は、板金を所定形状に形成した一方と他方を重ねて形成され、多気筒(図面では4気筒)の独立した排気通路を有する各ポート2、3、4、5と、これら各ポート2、3、4、5の一端側を集合させて形成した集合部6と、この集合部6の一端側に設けた排出口8とから構成されている。そして、前記集合部6の所定位置には、耐熱性の接着材や、溶接などの接続手段により整流板7が設けられている。
【0011】
図1および図2で示すように、整流板7は、板状の仕切板7a,7b、7cが用いられ、前記集合部6内の位置で各ポート2、3、4、5から連続する各排気通路2a,3a,4a,5aを形成するように設けられている。そして、前記各排気通路2a,3a、4a,5aは、その集合部6のポート側から排出口側に向かって徐々にその通路切断面積を減少させ、整流板7の排出口側の端部位置では、各排気通路2a,3a、4a,5aの切断面積が同じ面積となるように構成されている。
【0012】
また、前記図2で示す各排気通路2a,3a、4a,5aの切断面積は、各ポート2、3、4、5の切断面積の割合を1としたとき、3/4になるように構成することが望ましい。
【0013】
なお、前記整流板7は、各排気通路2a,3a、4a,5aを仕切る仕切板を設ける構成とし、その仕切板は、その上下部分を集合部6の当接位置の形状に沿って形成し、隣接する各排気通路2a,3a、4a,5aからの排気ガスが干渉しないように接続されている。
【0014】
したがって、上記構成の排気マニホールド1に排気ガスが送られると、はじめに各ポート2、3、4、5内をとおり、つぎに集合部6内の各の排気通路2a,3a,4a,5a内を介して排出口8側に送られる。こととき、各排気通路2a,3a,4a,5aは徐々にその切断面積を小さくしているため、圧力損失を小さくすることができる。
【0015】
また、前記集合部6内の整流板7で仕切り形成した各ポート2、3、4、5からの排気通路長さ(各ポートのエンジン側接続端部から整流板7の排出口側の端部まで)をそれぞれL1 、L2 、L3 、L4 とするとき、前記図2で示す各排気通路2a,3a,4a,5aの断面積をそれぞれS1 、S2 、S3 、S4 とし、それぞれの排気通路長さL1 、L2 、L3 、L4 と切断面積S1 、S2 、S3 、S4 の積L1 ×S1 =L2 ×S2 =L3 ×S3 =L4 ×S4 =一定とすることが望ましい。
【0016】
したがって、エンジン側から送られて来る排気ガスの排出量が各ポート2、3、4、5から各排気通路2a,3a,4a,5aを介して同一量となり排出口側から排気されることになる。
【0017】
また、図3および図4で示すように、エンジンの回転出力と排気通路の長さ、および、図2での位置の排気通路切断面積との関係から、高速回転の特性を重視したいエンジン特性を構成するときは、その排気通路の長さL1 、L2 、L3 、L4 と、その排気通路の切断面積S1 、S2 、S3 、S4 の積の割合を調整してエンジンの回転数特性に合わせて排気マニホールド1の全体の構成を決定することが可能となる。
【0018】
すなわち、高回転の領域でエンジン出力に特性を持たせたい場合は、図3および図4からその排気通路長さと、断面積の割合を特定し、中回転および低回転の総体的な出力特性を決定し、排気マニホールド1の構成を決定することができる。中回転および低回転領域で出力特性を持たせたい場合も同様にして排気マニホールドの構成を決定することが可能となる。
【0019】
一方、前記整流板は、図5で示すように構成すると都合が良い。すなわち、整流板7Aは、板状の金属部材を折り曲げ形成されたフレーム部9と、このフレーム部9の中央位置に設けた仕切板10とから構成されている。前記フレーム部9は、切断端面形状がほぼコ字形に形成されている。そして、前記フレーム部9は、ほぼ台形をした当接板9aと、この当接板9aの斜辺側で折り曲げ形成された側面板9b,9bとを備えている。
【0020】
前記フレーム部9の当接板9aは、その当接する前記集合部6の形状に対応して形成されている。また、前記仕切板10は、前記フレーム部9の当接板9aに取り付けられ、前記両側面板9b,9bから等間隔な位置に配置されている。そして、前記整流板7Aは、必要に応じて集合部6の当接する位置の形成にあわせて前記両側面板9b,9bおよび仕切板10の下端側が形成されている。
【0021】
そのため、前記整流板7Aを使用することで、集合部6に取り付ける場合、エンジンの気筒数に対応させて、整流板7Aのフレーム部9にあらかじめ仕切板10を取り付ける作業ができる。また、集合部6に取り付ける場合、当接板9aの全面が取付面となる
【0022】
したがって、エンジン側から排気されてきた排気ガスは、排気マニホールド1の第一ポート2ないし第二ポート3から集合部6側に送られ、第一ポートを通った排気ガスは集合部6の位置では整流板7Aの一方の側面板9bと集合部6の所定位置で囲繞される排気通路2aを通過して排出口8側に到達し排気マニホールド1から排気される。また、第四ポート5に送られた排気ガスも集合部6の位置では、整流板7Aの他方の側面板9bと集合部6の所定位置により囲繞される排気通路5aを介して排気マニホールド1の排出口8から排気される。
【0023】
一方、第二ポート3にエンジン側から送られてきた排気ガスは、集合部6の位置では、整流板7Aの当接板9a,一方の側面板9bおよび集合部6の一部で囲繞される排気通路3aを介して排気されている。また、第三ポート4にエンジン側から送られてきた排気ガスは、集合部6の位置では、整流板7Aの当接板9a,他方の側面板9bおよび集合部6の一部で囲繞される排気通路4aを介して排気されることになる。
【0024】
【発明の効果】
この発明は、上記のように構成したので以下の示す優れた効果を奏する。
(1) 排気マニホールドは、集合部の位置に整流板を設け、排気通路の断面積を所定の大きさまで徐々に減少させているため、排気ガスが送られてくるときの圧力損失を小さくすることが可能となり、エンジン回転数に対する出力特性を向上させることができる。
【0025】
(2) 排気マニホールドは、整流板の排出側端部での断面積と、各ポートから集合部の整流板端部まで形成した排気ガスの排気通路との積の値を一定にすることでエンジンの出力特性を調整できるため、排気マニホールドの外観形状を変えること無く、その整流板の長さを調整して出力特性の調整が可能となる。
【0026】
(3)排気マニホールドに設けた整流板を、切断端面形状がほぼコ字形のフレーム部とそのフレーム部に設けた仕切板から構成することで、エンジンの気筒数に対応した排気通路を形成する際の作業が、あらかじめ、仕切板を取り付けた状態の整流板を集合部に設けられるため、整流板の取付作業が容易になる。また、当接板が集合部の当接位置にその全面で当接できるため、整流板の取付剛性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の排気マニホールドに整流板を設けた状態の正面図である。
【図2】図1のA−A線における断面図である。
【図3】この発明の排気マニホールドの構成を決めるために使用する排気通路長さとエンジンの出力特性を示すグラフ図である。
【図4】この発明の排気マニホールドの構成を決めるために使用する集合部での整流板端部位置の切断面積とエンジンの出力特性を示すグラフ図である。
【図5】この発明の排気マニホールドの他の態様の整流板を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 排気マニホールド
2 第一ポート
2a 排気通路
3 第二ポート
3a 排気通路
4 第三ポート
4a 排気通路
5 第四ポート
5a 排気通路
6 集合部
7 整流板
7A 整流板
8 排出口
9 フレーム部
9a 当接板
9b 側面板
10 仕切板
Claims (2)
- 自動車用エンジンの各気筒に接続される板金部材からなる排気マニホールドであって、前記排気マニホールドは、前記エンジンの各気筒に独立して接続する各ポートと、これら各ポートを集合させて形成した集合部と、この集合部の一端側に設けた排出口を有し、前記集合部の位置で、整流板を介し各ポートからの排気ガスの排気通路を徐々に縮小させるとともに、
前記整流板は、当接板およびその当接板の両端側に設けた一方と他方の側面板からなる切断端面がほぼコ字形のフレーム部と、このフレーム部の両側面板の間で前記当接板に設けた仕切板とから構成されたことを特徴とする多気筒エンジンの排気マニホールド。 - 前記多気筒マニホールドは、その集合部内で前記整流板により仕切られる各排気通路の断面積と、その排気通路の長さの積を一定とした請求項1に記載の多気筒エンジンの排気マニホールド。
Priority Applications (1)
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JP00090696A JP3567389B2 (ja) | 1996-01-08 | 1996-01-08 | 多気筒エンジンの排気マニホールド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00090696A JP3567389B2 (ja) | 1996-01-08 | 1996-01-08 | 多気筒エンジンの排気マニホールド |
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JPH09189219A JPH09189219A (ja) | 1997-07-22 |
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-
1996
- 1996-01-08 JP JP00090696A patent/JP3567389B2/ja not_active Expired - Lifetime
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