JP3566500B2 - 周波数変換器 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線周波数帯の周波数変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11は、従来の周波数変換器の構成例を示す。
図において、LO信号発生器10から出力されたLO信号は、増幅器11で増幅されてフィルタ12に入力される。フィルタ12は、増幅器11で発生するLO信号の高調波成分を除去する。電力分配器5−1は、増幅器11,フィルタ12を介して入力されるLO信号を2分岐し、それぞれミキサ4−1,4−2に入力する。一方、入力信号は電力分配器5−2で2分岐され、それぞれミキサ4−1,4−2に入力される。ミキサ4−1,4−2は、それぞれLO信号と入力信号とを乗算した信号を出力し、その出力信号は電力合成器6で合成されて出力される。
【0003】
ここで、電力分配器5−1はLO信号を位相差αかつ同振幅で2分岐し、電力分配器5−2は入力信号を位相差βかつ同振幅で2分岐し、電力合成器6はミキサ4−1,4−2の出力信号を位相差γかつ同振幅で合成するとする。このとき、
α+β+γ=2nπ かつ α−β+γ=(2n+1)π
を満たすようにα、β、γを設定すれば、イメージ周波数成分を抑圧することができる(nは整数)。また、LO信号に対して、
α+γ=(2n+1)π
を満たすようにα、γを設定すれば、LO周波数成分を抑圧することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の周波数変換器では、ミキサへ入力するLO信号に高調波成分を混入させないために、特性のよいフィルタ12を用いてLO信号の高調波成分を除去する必要があった。また、LO信号を増幅する増幅器11では、不要な出力成分である高調波成分のエネルギー分だけ増幅効率が低下していた。
【0005】
本発明は、ミキサへ入力されるLO信号の2次高調波成分を抑圧し、LO信号を増幅する増幅器の高効率化を図ることができる周波数変換器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
図1は、本発明の周波数変換器の基本構成を示す。
図において、LO信号供給手段1は、所定の電力のLO信号を出力する。例えば、LO信号発生器から出力されるLO信号を増幅器で増幅して出力する。このLO信号は、第1の電力分配器2で同相かつ同振幅で2分岐され、2次高調波抑圧手段3の2つの入力ポートにそれぞれ入力される。
【0007】
2次高調波抑圧手段3では、各入力ポートのLO信号のLO周波数成分を、それぞれ2つの出力ポートに位相差90度(入力ポートからみて90度と 180度の位相)で分配する。これにより、各出力ポートでは、LO信号のLO周波数成分が入力ポートからみて共に 135度の位相となり、同相で出力される。一方、LO信号の2次高調波成分は、それぞれ2つの出力ポートに位相差 180度(入力ポートからみて 180度と0度の位相)で分配される。これにより、各出力ポートでは、LO信号の2次高調波成分が逆相になり、抑圧されて出力されない。
【0008】
2次高調波抑圧手段3の各出力ポートから出力された同相のLO信号は、ミキサ4−1,4−2に入力され、それぞれ第1の入力信号および第2の入力信号と乗算される。
【0009】
2次高調波抑圧手段3としては、2分岐されたLO信号を互いにアイソレーション関係にある2つのポートに入力し、他の2つのポートから出力するブランチライン型ハイブリッドを用いることができる。
【0010】
ここで、LO信号を10GHzとし、第1の電力分配器2の入力ポートをポート1、ブランチライン型ハイブリッドの2つの出力ポートをポート2,3としてSパラメータを計算した結果を図2に示す。
【0011】
S21およびS31は、強度および位相ともに重なっており、基本波(10GHz)成分は同相(ポート1からみて 135度)かつ同振幅(−3dB)で2分岐されていることがわかる。なお、この振幅値は、2分岐されても損失がないことを示している。また、2次高調波(20GHz)成分は、ポート2,3でそれぞれ逆相で合成されるために、−120 dB程度(図2外)になってほとんど出力されないことがわかる。
【0012】
また、LO信号を増幅する増幅器からみると、2次高調波成分に対して負荷インピーダンスがショート条件となる。したがって、反射して戻ってくる2次高調波成分の位相を調整して増幅器に入力させることにより、2次高調波成分のエネルギー分だけ増幅器の効率を高くすることができる。なお、2次高調波成分は、最も電力レベルが大きい不要波であるのでその効果は大きい。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態…請求項1,5,7)
図3は、本発明の周波数変換器の第1の実施形態を示す。
【0014】
図において、LO信号発生器10から出力されたLO信号は、増幅器11で増幅され、さらに移相器13を介して電力分配器2に入力される。電力分配器2は、入力されるLO信号を同相かつ同振幅で2分岐し、それぞれブランチライン型ハイブリッド30の2つの入力ポートに入力する。ブランチライン型ハイブリッド30の2つの出力ポートから出力されるLO信号は、それぞれミキサ4−1,4−2に入力される。一方、第1の入力信号および第2の入力信号がそれぞれミキサ4−1,4−2に入力される。ミキサ4−1,4−2は、それぞれLO信号と入力信号とを乗算した第1の出力信号および第2の出力信号を出力する。
【0015】
ここで、ブランチライン型ハイブリッド30の2つの出力ポートからは、上述したようにLO信号が同相かつ同振幅で出力されミキサ4−1,4−2に入力される。また、LO信号の2次高調波成分は出力されない。さらに、増幅器11からみた2次高調波成分に対する負荷インピーダンスがショート条件となるので、増幅器11に戻ってくる2次高調波成分の位相が 180度回転するように移相器13で調整することにより、2次高調波成分のエネルギー分だけ増幅器11の効率が高くなる。
【0016】
なお、本実施形態の構成は、2つの入力信号をそれぞれ独立して処理することができるので、例えばミキサ4−1をアップコンバータとして、ミキサ4−2のダウンコンバータとして用い、送受信両用の周波数変換器を構成することができる。
【0017】
(第2の実施形態…請求項2,5,7)
図4は、本発明の周波数変換器の第2の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、第1の実施形態の構成に、入力信号を位相差βかつ同振幅で2分岐する電力分配器5を配置し、2つの入力信号をそれぞれミキサ4−1,4−2に入力するところにある。これにより、1つの入力信号から2つの出力信号が得られる周波数変換器を構成することができる。
【0018】
(第3の実施形態…請求項3,5,7)
図5は、本発明の周波数変換器の第3の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、第1の実施形態の構成に、ミキサ4−1,4−2の出力信号を位相差γかつ同振幅で合成する電力合成器6を配置するところにある。これにより、2つの入力信号を合成した出力信号が得られる周波数変換器を構成することができる。
【0019】
(第4の実施形態…請求項2,3,5,7)
図6は、本発明の周波数変換器の第4の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、第1の実施形態の構成に、入力信号を位相差βかつ同振幅で2分岐する電力分配器5を配置し、2つの入力信号をそれぞれミキサ4−1,4−2に入力し、さらにミキサ4−1,4−2の出力信号を位相差γかつ同振幅で合成する電力合成器6を配置するところにある。
【0020】
本実施形態では、例えば
β+γ=2nπ かつ −β+γ=(2n+1)π
または、
β+γ=(2n+1)π かつ −β+γ=2nπ
を満たすようにβ、γを設定すれば、イメージ周波数成分を抑圧することができる(nは整数)。また、LO信号に対して、
γ=(2n+1)π
のように設定すれば、LO周波数成分を抑圧することができる。
【0021】
(第5の実施形態…請求項4,5,7)
図7は、本発明の周波数変換器の第5の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、第4の実施形態の構成において、電力分配器5の代わりに電力分配/合成器7−1を用い、電力合成器6の代わりに電力分配/合成器7−2を用い、ミキサ4−1,4−2として双方向性のものを用いるところにある。これにより、送受信両用の周波数変換器を構成することができる。
【0022】
(第6の実施形態…請求項2,3,5,8)
図8は、本発明の周波数変換器の第6の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、第4の実施形態の構成において、LO信号発生器10から出力されたLO信号を電力分配手段2で同相かつ同振幅で2分岐し、それぞれのLO信号を特性の揃った増幅器11−1,11−2で増幅し、移相器13−1,13−2を介してブランチライン型ハイブリッド30の2つの入力ポートに入力するところにある。なお、本実施形態の構成は、第1〜第3の実施形態および第5の実施形態の構成にも適用することができる。
【0023】
(他の実施形態…請求項6)
本発明の周波数変換器における2次高調波抑圧手段3は、ブランチライン型ハイブリッド30に限らず、LO信号のLO周波数成分を位相差90度で2つの出力ポートに分配し、LO信号の2次高調波成分を位相差 180度で2つの出力ポートに分配する方向性結合器であれば、どのような構成のものでもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の周波数変換器は、LO信号のLO周波数成分については同相かつ同振幅で、さらに損失なく複数のミキサに入力させることができるとともに、通常は最も電力レベルが大きい不要波成分である2次高調波成分を抑圧してミキサに入力することができる。これにより、従来用いていた2次高調波成分を抑圧するためのフィルタを削減または簡単なものにすることができる。
【0025】
ここで、従来の周波数変換器(フィルタなし)のミキサに入力されるLO信号と、本発明の周波数変換器のミキサに入力されるLO信号のシミュレーション結果を図9(a),(b) に示す。LO信号を10GHzとし、増幅器は効率の高い非線形領域で動作させた場合のものである。従来構成では基本波(10GHz)が 7.7dBm、2次高調波(20GHz)が−8.1 dBmとなり、本発明構成では2次高調波が基本波に対して 120dBm以上も抑圧されていることがわかる。
【0026】
このLO信号と、入力信号(200MHz、−20dBm)を偶高調波ミキサに入力した場合のミキサ出力のシミュレーション結果を図10(a),(b) に示す。従来構成では、不要波が出力信号(USB,LSB)に近い出力レベルで出力されることがわかる。一方、本発明構成では、不要波が出力信号(USB,LSB)に比べて十分に抑圧されていることがわかる。
【0027】
また、本発明の周波数変換器では、LO信号を増幅する増幅器からみて、通常は出力成分の中で最も電力レベルの大きい不要波成分である2次高調波成分に対する負荷インピーダンスがショート条件となるので、LO信号を増幅する増幅器の高効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の周波数変換器の基本構成を示すブロック図。
【図2】ブランチライン型ハイブリッドの機能を確認するシミュレーション結果を示す図。
【図3】本発明の周波数変換器の第1の実施形態を示すブロック図。
【図4】本発明の周波数変換器の第2の実施形態を示すブロック図。
【図5】本発明の周波数変換器の第3の実施形態を示すブロック図。
【図6】本発明の周波数変換器の第4の実施形態を示すブロック図。
【図7】本発明の周波数変換器の第5の実施形態を示すブロック図。
【図8】本発明の周波数変換器の第6の実施形態を示すブロック図。
【図9】周波数変換器のミキサに入力されるLO信号の状態を示す図。
【図10】周波数変換器の出力信号の状態を示す図。
【図11】従来の周波数変換器の構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
1 LO信号供給手段
2 電力分配器(同相・同振幅)
3 2次高調波抑圧手段
4 ミキサ
5 電力分配器
6 電力合成器
7 電力分配/合成器
10 LO信号発生器
11 増幅器
12 フィルタ
13 移相器
30 ブランチライン型ハイブリッド
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線周波数帯の周波数変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11は、従来の周波数変換器の構成例を示す。
図において、LO信号発生器10から出力されたLO信号は、増幅器11で増幅されてフィルタ12に入力される。フィルタ12は、増幅器11で発生するLO信号の高調波成分を除去する。電力分配器5−1は、増幅器11,フィルタ12を介して入力されるLO信号を2分岐し、それぞれミキサ4−1,4−2に入力する。一方、入力信号は電力分配器5−2で2分岐され、それぞれミキサ4−1,4−2に入力される。ミキサ4−1,4−2は、それぞれLO信号と入力信号とを乗算した信号を出力し、その出力信号は電力合成器6で合成されて出力される。
【0003】
ここで、電力分配器5−1はLO信号を位相差αかつ同振幅で2分岐し、電力分配器5−2は入力信号を位相差βかつ同振幅で2分岐し、電力合成器6はミキサ4−1,4−2の出力信号を位相差γかつ同振幅で合成するとする。このとき、
α+β+γ=2nπ かつ α−β+γ=(2n+1)π
を満たすようにα、β、γを設定すれば、イメージ周波数成分を抑圧することができる(nは整数)。また、LO信号に対して、
α+γ=(2n+1)π
を満たすようにα、γを設定すれば、LO周波数成分を抑圧することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の周波数変換器では、ミキサへ入力するLO信号に高調波成分を混入させないために、特性のよいフィルタ12を用いてLO信号の高調波成分を除去する必要があった。また、LO信号を増幅する増幅器11では、不要な出力成分である高調波成分のエネルギー分だけ増幅効率が低下していた。
【0005】
本発明は、ミキサへ入力されるLO信号の2次高調波成分を抑圧し、LO信号を増幅する増幅器の高効率化を図ることができる周波数変換器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
図1は、本発明の周波数変換器の基本構成を示す。
図において、LO信号供給手段1は、所定の電力のLO信号を出力する。例えば、LO信号発生器から出力されるLO信号を増幅器で増幅して出力する。このLO信号は、第1の電力分配器2で同相かつ同振幅で2分岐され、2次高調波抑圧手段3の2つの入力ポートにそれぞれ入力される。
【0007】
2次高調波抑圧手段3では、各入力ポートのLO信号のLO周波数成分を、それぞれ2つの出力ポートに位相差90度(入力ポートからみて90度と 180度の位相)で分配する。これにより、各出力ポートでは、LO信号のLO周波数成分が入力ポートからみて共に 135度の位相となり、同相で出力される。一方、LO信号の2次高調波成分は、それぞれ2つの出力ポートに位相差 180度(入力ポートからみて 180度と0度の位相)で分配される。これにより、各出力ポートでは、LO信号の2次高調波成分が逆相になり、抑圧されて出力されない。
【0008】
2次高調波抑圧手段3の各出力ポートから出力された同相のLO信号は、ミキサ4−1,4−2に入力され、それぞれ第1の入力信号および第2の入力信号と乗算される。
【0009】
2次高調波抑圧手段3としては、2分岐されたLO信号を互いにアイソレーション関係にある2つのポートに入力し、他の2つのポートから出力するブランチライン型ハイブリッドを用いることができる。
【0010】
ここで、LO信号を10GHzとし、第1の電力分配器2の入力ポートをポート1、ブランチライン型ハイブリッドの2つの出力ポートをポート2,3としてSパラメータを計算した結果を図2に示す。
【0011】
S21およびS31は、強度および位相ともに重なっており、基本波(10GHz)成分は同相(ポート1からみて 135度)かつ同振幅(−3dB)で2分岐されていることがわかる。なお、この振幅値は、2分岐されても損失がないことを示している。また、2次高調波(20GHz)成分は、ポート2,3でそれぞれ逆相で合成されるために、−120 dB程度(図2外)になってほとんど出力されないことがわかる。
【0012】
また、LO信号を増幅する増幅器からみると、2次高調波成分に対して負荷インピーダンスがショート条件となる。したがって、反射して戻ってくる2次高調波成分の位相を調整して増幅器に入力させることにより、2次高調波成分のエネルギー分だけ増幅器の効率を高くすることができる。なお、2次高調波成分は、最も電力レベルが大きい不要波であるのでその効果は大きい。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態…請求項1,5,7)
図3は、本発明の周波数変換器の第1の実施形態を示す。
【0014】
図において、LO信号発生器10から出力されたLO信号は、増幅器11で増幅され、さらに移相器13を介して電力分配器2に入力される。電力分配器2は、入力されるLO信号を同相かつ同振幅で2分岐し、それぞれブランチライン型ハイブリッド30の2つの入力ポートに入力する。ブランチライン型ハイブリッド30の2つの出力ポートから出力されるLO信号は、それぞれミキサ4−1,4−2に入力される。一方、第1の入力信号および第2の入力信号がそれぞれミキサ4−1,4−2に入力される。ミキサ4−1,4−2は、それぞれLO信号と入力信号とを乗算した第1の出力信号および第2の出力信号を出力する。
【0015】
ここで、ブランチライン型ハイブリッド30の2つの出力ポートからは、上述したようにLO信号が同相かつ同振幅で出力されミキサ4−1,4−2に入力される。また、LO信号の2次高調波成分は出力されない。さらに、増幅器11からみた2次高調波成分に対する負荷インピーダンスがショート条件となるので、増幅器11に戻ってくる2次高調波成分の位相が 180度回転するように移相器13で調整することにより、2次高調波成分のエネルギー分だけ増幅器11の効率が高くなる。
【0016】
なお、本実施形態の構成は、2つの入力信号をそれぞれ独立して処理することができるので、例えばミキサ4−1をアップコンバータとして、ミキサ4−2のダウンコンバータとして用い、送受信両用の周波数変換器を構成することができる。
【0017】
(第2の実施形態…請求項2,5,7)
図4は、本発明の周波数変換器の第2の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、第1の実施形態の構成に、入力信号を位相差βかつ同振幅で2分岐する電力分配器5を配置し、2つの入力信号をそれぞれミキサ4−1,4−2に入力するところにある。これにより、1つの入力信号から2つの出力信号が得られる周波数変換器を構成することができる。
【0018】
(第3の実施形態…請求項3,5,7)
図5は、本発明の周波数変換器の第3の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、第1の実施形態の構成に、ミキサ4−1,4−2の出力信号を位相差γかつ同振幅で合成する電力合成器6を配置するところにある。これにより、2つの入力信号を合成した出力信号が得られる周波数変換器を構成することができる。
【0019】
(第4の実施形態…請求項2,3,5,7)
図6は、本発明の周波数変換器の第4の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、第1の実施形態の構成に、入力信号を位相差βかつ同振幅で2分岐する電力分配器5を配置し、2つの入力信号をそれぞれミキサ4−1,4−2に入力し、さらにミキサ4−1,4−2の出力信号を位相差γかつ同振幅で合成する電力合成器6を配置するところにある。
【0020】
本実施形態では、例えば
β+γ=2nπ かつ −β+γ=(2n+1)π
または、
β+γ=(2n+1)π かつ −β+γ=2nπ
を満たすようにβ、γを設定すれば、イメージ周波数成分を抑圧することができる(nは整数)。また、LO信号に対して、
γ=(2n+1)π
のように設定すれば、LO周波数成分を抑圧することができる。
【0021】
(第5の実施形態…請求項4,5,7)
図7は、本発明の周波数変換器の第5の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、第4の実施形態の構成において、電力分配器5の代わりに電力分配/合成器7−1を用い、電力合成器6の代わりに電力分配/合成器7−2を用い、ミキサ4−1,4−2として双方向性のものを用いるところにある。これにより、送受信両用の周波数変換器を構成することができる。
【0022】
(第6の実施形態…請求項2,3,5,8)
図8は、本発明の周波数変換器の第6の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、第4の実施形態の構成において、LO信号発生器10から出力されたLO信号を電力分配手段2で同相かつ同振幅で2分岐し、それぞれのLO信号を特性の揃った増幅器11−1,11−2で増幅し、移相器13−1,13−2を介してブランチライン型ハイブリッド30の2つの入力ポートに入力するところにある。なお、本実施形態の構成は、第1〜第3の実施形態および第5の実施形態の構成にも適用することができる。
【0023】
(他の実施形態…請求項6)
本発明の周波数変換器における2次高調波抑圧手段3は、ブランチライン型ハイブリッド30に限らず、LO信号のLO周波数成分を位相差90度で2つの出力ポートに分配し、LO信号の2次高調波成分を位相差 180度で2つの出力ポートに分配する方向性結合器であれば、どのような構成のものでもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の周波数変換器は、LO信号のLO周波数成分については同相かつ同振幅で、さらに損失なく複数のミキサに入力させることができるとともに、通常は最も電力レベルが大きい不要波成分である2次高調波成分を抑圧してミキサに入力することができる。これにより、従来用いていた2次高調波成分を抑圧するためのフィルタを削減または簡単なものにすることができる。
【0025】
ここで、従来の周波数変換器(フィルタなし)のミキサに入力されるLO信号と、本発明の周波数変換器のミキサに入力されるLO信号のシミュレーション結果を図9(a),(b) に示す。LO信号を10GHzとし、増幅器は効率の高い非線形領域で動作させた場合のものである。従来構成では基本波(10GHz)が 7.7dBm、2次高調波(20GHz)が−8.1 dBmとなり、本発明構成では2次高調波が基本波に対して 120dBm以上も抑圧されていることがわかる。
【0026】
このLO信号と、入力信号(200MHz、−20dBm)を偶高調波ミキサに入力した場合のミキサ出力のシミュレーション結果を図10(a),(b) に示す。従来構成では、不要波が出力信号(USB,LSB)に近い出力レベルで出力されることがわかる。一方、本発明構成では、不要波が出力信号(USB,LSB)に比べて十分に抑圧されていることがわかる。
【0027】
また、本発明の周波数変換器では、LO信号を増幅する増幅器からみて、通常は出力成分の中で最も電力レベルの大きい不要波成分である2次高調波成分に対する負荷インピーダンスがショート条件となるので、LO信号を増幅する増幅器の高効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の周波数変換器の基本構成を示すブロック図。
【図2】ブランチライン型ハイブリッドの機能を確認するシミュレーション結果を示す図。
【図3】本発明の周波数変換器の第1の実施形態を示すブロック図。
【図4】本発明の周波数変換器の第2の実施形態を示すブロック図。
【図5】本発明の周波数変換器の第3の実施形態を示すブロック図。
【図6】本発明の周波数変換器の第4の実施形態を示すブロック図。
【図7】本発明の周波数変換器の第5の実施形態を示すブロック図。
【図8】本発明の周波数変換器の第6の実施形態を示すブロック図。
【図9】周波数変換器のミキサに入力されるLO信号の状態を示す図。
【図10】周波数変換器の出力信号の状態を示す図。
【図11】従来の周波数変換器の構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
1 LO信号供給手段
2 電力分配器(同相・同振幅)
3 2次高調波抑圧手段
4 ミキサ
5 電力分配器
6 電力合成器
7 電力分配/合成器
10 LO信号発生器
11 増幅器
12 フィルタ
13 移相器
30 ブランチライン型ハイブリッド
Claims (8)
- ローカル信号(以下「LO信号」という)を所定の電力で出力するLO信号供給手段と、
前記LO信号を同相かつ同振幅で2分岐する第1の電力分配手段と、
前記第1の電力分配手段で2分岐されたLO信号を2つの入力ポートに入力し、各入力ポートのLO信号のLO周波数成分をそれぞれ2つの出力ポートに位相差90度で分配して各出力ポートから同相で出力し、LO信号の2次高調波成分をそれぞれ2つの出力ポートに位相差 180度で分配して抑圧する2入力に出力の2次高調波抑圧手段と、
前記2次高調波抑圧手段の一方の出力ポートから出力されたLO信号と、第1の入力信号とを乗算して出力する第1のミキサと、
前記2次高調波抑圧手段の他方の出力ポートから出力されたLO信号と、第2の入力信号とを乗算して出力する第2のミキサとを備え、
前記2次高調波抑圧手段は、第1の入力ポートの前記LO周波数成分を第1の出力ポートへは 90 度位相で、第2の出力ポートへは 180 度位相で分配し、第2の入力ポートの前記LO周波数成分を第1の出力ポートへは 180 度位相で、第2の出力ポートへは 90 度位相で分配するとともに、第1の入力ポートの前記2次高調波成分を第1の出力ポートへは 180 度位相で、第2の出力ポートへは0度位相で分配し、第2の入力ポートの前記2次高調波成分を第1の出力ポートへは0度位相で、第2の出力ポートへは 180 度位相で分配する構成であることを特徴とする周波数変換器。 - 請求項1に記載の周波数変換器において、
入力信号を2分岐し、第1の入力信号および第2の入力信号を出力する第2の電力分配手段を備えた
ことを特徴とする周波数変換器。 - 請求項1に記載の周波数変換器において、
第1のミキサおよび第2のミキサの出力信号を合成して出力する電力合成手段を備えた
ことを特徴とする周波数変換器。 - 請求項2または請求項3に記載の周波数変換器において、
第2の電力分配手段および電力合成手段は、それぞれ信号の入力方向に応じて分配または合成して出力する電力分配/合成手段を用い、
第1のミキサおよび第2のミキサは、双方向性のあるミキサを用いる
ことを特徴とする周波数変換器。 - 請求項1に記載の周波数変換器において、
2次高調波抑圧手段は、第1の電力分配手段で2分岐されたLO信号を互いにアイソレーション関係にある2つのポートに入力し、他の2つのポートから出力するブランチライン型ハイブリッドである
ことを特徴とする周波数変換器。 - 請求項1に記載の周波数変換器において、
2次高調波抑圧手段は、LO信号のLO周波数成分を位相差90度で2つの出力ポートに分配し、LO信号の2次高調波成分を位相差 180度で2つの出力ポートに分配する方向性結合器である
ことを特徴とする周波数変換器。 - 請求項1に記載の周波数変換器において、
LO信号供給手段は、LO信号発生器と、LO信号発生器から出力されたLO信号を増幅する増幅器とにより構成された
ことを特徴とする周波数変換器。 - 請求項7に記載の周波数変換器において、
LO信号発生器から出力されたLO信号を第1の電力分配手段で同相かつ同振幅で2分岐し、それぞれのLO信号を特性の揃った増幅器で増幅して2次高調波抑圧手段の2つの入力ポートに入力する構成である
ことを特徴とする周波数変換器。
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