JP3564336B2 - 射出成形装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形装置に関し、特に、装置本体を小型化する射出成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、日用品、家電品、自動車部品等に使用されているプラスチック製品の多くは射出成形により形成されており、このような射出成形では、金型のキャビティー内に加熱溶融した樹脂をランナを通じて高圧で充填し、冷却後に成形品を取り出すのであるが、このような成形品にはランナ部で固化した樹脂を必然的に伴ない、従って、これを除去する作業が不可欠であった。このような切断除去作業は非常に時間と労力を必要とするため、ランナをなくしてそれ自体温度調節可能なノズル(ホットノズル)から溶融樹脂を直接金型内に導く、いわゆるホットランナシステムの利用が提案されている。
【0003】
ところで、このようなホットノズルを利用した射出成形において金型から成形品を取り出す場合、ホットノズルの内部の樹脂を温度調節により半固形状態(保温加熱状態)として溶融樹脂の糸引きや外部への漏出を防止するようになっているが、成形品のゲート部は成形品の取り出しとともに、引きちぎられる状態となり、このような切断面はゲート孔が大口径となるほど引きちぎりによりささくれが目立ち、外観が悪くなっていた。
【0004】
このため、従来の射出成形装置においては、ノズルとしてシリンダを利用し、このシリンダの金型側端にゲート孔を成形し、このシリンダを前後方向に進退可能なバルブによりこのゲート孔を開閉可能としていた。そして、金型から成形品を取り出す場合には、バルブをゲート孔側に移動させ、ゲート孔を閉じて切断面を平滑にする構造が採用されていた。このようなバルブはシリンダ内部に配設され、溶融樹脂の射出動作に連動して、ゲート孔を閉じる位置と、ゲート孔を開く位置との間を往復動作されるものであり、この往復動作の駆動源としては空圧あるいは油圧が利用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の射出成形装置においては、バルブを往復動作させるにあたり、駆動源として空圧あるいは油圧を利用していた。従って、空圧シリンダあるいは油圧シリンダをノズル外部に配置して、その駆動をノズル内のバルブに伝えなければならないため、技術的に困難性が伴なうとともに、構造が複雑となりコスト高になるという課題があった。さらに、空圧シリンダあるいは油圧シリンダを射出動作と連動させるための制御装置を設ける必要があるため、これによっても製造コストが高くなってしまうとともに、装置規模が大きくなってしまうという課題があった。
【0006】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、装置本体を小型化することが可能であるとともに、所定の駆動源を必要としないでピストンを前後方向に進退させることが可能な射出成形装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、マニホールド部に前端側に射出ゲートを形成するとともに後端側に樹脂流路を開口した略筒状のシリンダを設け、このシリンダに同シリンダ内を上記射出ゲート側の前室と上記樹脂流路側の後室とに区分けする弁部及び本体部材を備えたピストンを設け、上記前室の有効軸線方向投影面積が上記後室の有効軸線方向投影面積より大に形成し、また上記ピストンに上記前室と上記後室を連通させる樹脂注入路を形成し、同樹脂注入路を上記シリンダにおける上記樹脂流路の開口に連通し、上記ピストンを前方に付勢する付勢部材を上記シリンダ内に設け、上記射出ゲートを上記弁部で閉塞し、また上記後室を上記本体部材で閉塞することを特徴とする射出成形装置である。
【0008】
上記のように構成した請求項1にかかる発明においては、射出成形装置を概略、シリンダと、ピストンと、本体部材と、付勢部材とにより構成する。そして、シリンダは、略筒状に形成するとともに、この略筒状の前端側に射出ゲートを形成し後端側に樹脂注入路の開口を形成してある。また、ピストンは、このシリンダ内を射出ゲート側の前室と上記樹脂注入路の開口側の後室とに区分けする。かかる場合、前室側の有効軸線方向投影面積が後室側の有効軸線方向投影面積より大となるようにする。また、このピストンは、シリンダ内を前後方向に摺動可能であり、かつ、前室側には上記射出ゲートを閉塞可能な弁部が形成されている。
【0009】
ここで、前室と後室は連通構造にて連通しており、この連通部分が後室から前室に対する樹脂注入路を形成している。また、本体部材は、樹脂注入路をシリンダにおける樹脂注入路の開口に連通させつつ当該樹脂注入路の開口を閉塞し、付勢部材は、ピストンを前方に付勢可能になっている。
【0010】
かかる構成において、樹脂注入路の開口から樹脂が注入されると本体部材に形成された樹脂注入路への連通部分を通過する。かかる場合、樹脂は後室を充填しつつ、樹脂注入路に流れ込む。樹脂注入路に流れ込んだ樹脂はこの樹脂注入路を介して前室に流れ込みこの前室を充填する。樹脂が後室および前室に充填されると、前室においては弁部材にて射出ゲートが閉塞されているため、また、後室においては本体部材にて樹脂注入路の開口が閉塞されているため、この充填された樹脂によって前室および後室を形成するピストンの内壁における有効軸線方向に圧力が印加される。
【0011】
この圧力は有効軸線方向投影面積に比例する。本発明においては前室側の有効軸線方向投影面積を後室側の有効軸線方向投影面積より大きく形成しているので、前室側の内壁にかかる圧力のほうが後室側の内壁にかかる圧力より大きくなり、ピストンはシリンダ内において後端側に摺動する。この摺動によって弁部材が射出ゲートを解放して、前室に充填されている樹脂が射出ゲートに当接されている金型キャビティー内に射出され、成形品が生成される。
【0012】
ここで、樹脂注入路の開口からの樹脂の注入が終わると、前室内および後室内に充填している樹脂は金型キャビティーに流れ込み、前室の内壁および後室の内壁の有効軸線方向投影面積に作用していた樹脂による圧力は解除される。すると、付勢部材によってピストンがシリンダの前端側に付勢され、弁部材が射出ゲートを閉塞することによって射出サイクルが終了する。
【0013】
すなわち、本発明においてはシリンダにおいて前室側の有効軸線方向投影面積を後室側の有効軸線方向投影面積より大きくすることにより、樹脂の充填時に差圧を発生させ、ピストンをシリンダ後端側に摺動させて成形品を生成し、樹脂の充填が終了すると、付勢部材の付勢力にてピストンを付勢し弁部材にて射出ゲートを閉塞する。従って、ピストンを駆動させる動力源を必要としないため、射出成形装置を小型化することが可能になる。
【0014】
ここで、ピストンの形状の一態様として、この発明は、請求項1に記載の射出成形装置において、上記ピストンは、後室側に軸線方向を一致させた細径の摺動部を形成し、上記本体部材には、上記ピストンにおける細径の摺動部を気密的に摺動可能に支持する摺動孔部を形成した構成としてある。従って、ピストンに後室側に軸線方向を一致させた細径の摺動部を形成する。また、本体部材には、ピストンにおける細径の摺動部を気密的に摺動可能に支持する摺動孔部を形成する。従って、摺動部は摺動孔部に挿入しピストンの進退に伴なって動作する。
【0015】
射出成形装置のさらなる小型化を実現する態様の一例として、この発明は、請求項1に記載の射出成形装置において、付勢部材は、摺動孔部内に収容されている構成としてある。従って、この付勢部材が摺動孔部内に収まってしまうため、本体部材とシリンダとの間にはなんら構成部材がなくなり、射出成形装置の小型化を一層図ることが可能になる。
【0016】
前室側の有効軸線方向投影面積を後室側の有効軸線方向投影面積より大とすることが可能な好適な態様として、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の射出成形装置において、上記ピストンは、上記後室側の軸方向径を前室側の軸方向径より大きくすることによって、同前室側の有効軸線方向投影面積を後室側の有効軸線方向投影面積より大とする構成としてある。上記のように構成した請求項2にかかる発明においては、ピストンの後室側の軸方向径を前室側の軸方向径より大きくすることによって、同前室側の有効軸線方向投影面積を後室側の有効軸線方向投影面積より大とする。
【0017】
【0018】
付勢部材を構成する具体的な一例として、この発明は、請求項1に記載の射出成形装置において、上記付勢部材は、所定のバネ構造にて形成される構成としてある。上記のように構成し、この付勢部材を所定のバネ構造にて形成する。従って、このバネ構造に所定のバネ定数を備えるスプリングを配設する。この所定のバネ定数は上述した差圧が発生するとこの差圧による圧力に押し込まれる程度のものであればよい。
【0019】
また、付勢部材を構成する他の具体的な一例として、この発明は、請求項1に記載の射出成形装置において、上記付勢部材は、所定の空気圧シリンダあるいは油圧シリンダにて形成される構成としてある。上記のように構成し、付勢部材を所定の空気圧シリンダあるいは油圧シリンダにて形成する。従って、この空気圧シリンダあるいは油圧シリンダには上述した差圧が発生するとこの差圧による圧力に押し込まれる程度の所定の圧力を印加しておくことになる。
【0020】
樹脂注入路の開口から注入される樹脂は所定の温度に溶融されている。この溶融された樹脂が後室から樹脂注入路を介して前室に流れ込み、射出ゲートより金型キャビティーに射出されるときには温度低下してしまう。従って、成形品の成形精度が低下し、成形品の品質が低下してしまう。この温度低下を防止する手法としては本体部材内に所定の加熱手段を埋設する方法が考えられる。一方、射出ゲートから射出される直前の樹脂について加熱することができると好適であることはいうまでもない。
【0021】
そこで、この発明は、請求項1に記載の射出成形装置において、上記シリンダは、上記前室付近を加熱する加熱手段が周回に配設されている構成としてある。上記のように構成し、シリンダの周回に前室付近を加熱する加熱手段を配設する。これにより射出ゲートに取り付けられている金型キャビティーに射出される直前の樹脂についてその溶融温度を調整することが可能になるため、より品質の高い成形品を生成することが可能になる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、ピストンをシリンダ内にて進退させ、弁部材で射出ゲートの開閉を行うことにより、樹脂を注入する際の圧力によって金型への溶融樹脂の注入を制御することが可能になるとともに、このようなピストンを適用したり、このピストン内部に付勢力を与える付勢部材を配設することによって、装置の小型化を図ることが可能になるとともに、併せて金型を小型化することが可能になり、成形品の取り数を多くすることが可能な射出成形装置を提供することができる。
【0023】
また、請求項2にかかる発明によれば、簡易な手法によって前室側の有効軸線方向投影面積を後室側の有効軸線方向投影面積よりも大きくすることが可能になる。
【0024】
【0025】
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる射出成形装置を適用したホットランナシステムの要部の概略を要部概略断面図に示すとともに、図2〜図4は本ホットランナシステムに適用される差圧ピストンの概略断面図である。同図において、ホットランナシステム10は、概略、マニホールド部11と、金型ダイプレート部12と、シリンダ部13と、差圧ピストン部14と、バネ構造部15と、第一ヒータ部16と、第二ヒータ部17と、この第一,第二ヒータ16,17とを備える構成となっている。また、マニホールド部11には溶融樹脂を通過させる溶融樹脂流路11aが形成されており、マニホールド部11の本体外部の所定位置に配置されている溶融樹脂ノズル18から注入される溶融樹脂をホットランナシステム10に流し込む場合の通路を形成している。
【0027】
シリンダ部13は、内部に差圧ピストン部14を配設されるとともに摺動動作可能な略筒状に形成され、先端に射出ゲート13a1が形成されている。このシリンダ部13を射出ゲート13a1側のノズル部13aと、溶融樹脂流路11a側の後端部13bとに略二分割した場合、ノズル部13aは金型ダイプレート12に開口されている係合孔12aに所定の空隙を有しつつ係合される。一方、溶融樹脂を注入するために所定の開口を有する後端部13bはマニホールド部11に埋設されている。
【0028】
かかる場合、マニホールド部11とシリンダ部13の後端部13bとは、マニホールド部11と後端部13bとに形成された所定の係合構造13b1にて係合して嵌合わせされるとともに、シリンダ部13はボルト孔を備えた接合部位13b2において所定のボルト13b21によってマニホールド部11に固着される。これによりシリンダ部13は、金型ダイプレート12に対しては、射出ゲート13a1を略当接させつつ、ある程度の空隙を設けて嵌め合わされるとともに、マニホールド部11に対しては固定されることになる。また、シリンダ部13内部の略筒状の空間は差圧ピストン部14によって、前室13d1および後室13d2に分割されている。
【0029】
差圧ピストン部14は、上述したシリンダ部13が形成する略筒状内部において摺動可能に略円筒形状に形成されつつ配設されており、射出ゲート13a1を閉塞可能な弁部14aと、後室13d2側にて充填される溶融樹脂からの圧力を受ける翼部14bと、この翼部14bと、バネ構造部15を内部に収容するバネ構造収容部14cと、連通構造を備え前室13d1と後室13d2とを連通させ、溶融樹脂ノズル18から注入され、溶融樹脂流路11aを通過した溶融樹脂を後室13d2から前室13d1に通過させる樹脂注入路14dとから構成されている。
【0030】
従って、上述したように溶融樹脂ノズル18から注入された溶融樹脂は溶融樹脂流路11aから後室13d2に流し込まれ、この後室13d2を充填した後に樹脂注入路14dを通過して前室13d1に流し込まれることになる。翼部14bは差圧ピストン部14の摺動方向において射出ゲート13a1側に所定の傾斜が形成されている。上述したこの翼部14bが後室13d2に充填された溶融樹脂からが受ける圧力は、この翼部14bが形成する全体面積ではなく、差圧ピストン部14の摺動方向に垂直軸方向に投影される有効軸線方向投影面積に比例する。ここで、図3は差圧ピストン部14を弁部14aの反対側、すなわち、後方側から観た図を示しており、上述した有効軸線方向投影面積は、同図の翼部14dにて囲まれて形成される部分によって示されることになる。
【0031】
また、前室13d1側の差圧ピストン部14の内壁14eに対しても、この前室13d1に流れ込むとともに充填された溶融樹脂により圧力がかかる。ここで、この圧力は上述した翼部14bにかかる圧力と同様に、この内壁14eが形成する全体面積ではなく、差圧ピストン部14の摺動方向に垂直軸方向に投影される有効軸線方向投影面積に比例することになる。ここで、図4は差圧ピストン部14を弁部14aの側から観た図を示しており、上述した有効軸線方向投影面積は、同図の内壁14eにて囲まれて形成される部分によって示されることになる。
【0032】
本実施形態においては、後室13d2側の有効軸線方向投影面積を翼部14dにより形成するため、内壁14eにて形成される前室13d1の有効軸線方向投影面積と比べて小さくすることが可能になる。従って、前室13d1および後室13d2に溶融樹脂が流れ込み充填されると、前室13d1側の内壁14eを押し付ける溶融樹脂の圧力が、後室13d2の翼部14dを押し付ける溶融樹脂の圧力より大きくなる。これら二つの圧力の差により発生する圧力を差圧力という。
【0033】
また、バネ構造部15は、上述したように差圧ピストン部14の内部に略筒状に形成されたバネ構造収容部14cに収容される。このバネ構造部15は所定のバネ定数を備えるスプリング15aを内部に配置して構成されている。
【0034】
ここで、本実施形態においては、このバネ構造部15に配設されているスプリング15aのバネ定数には上述した差圧力により打ち負かされる程度のものを採用する。従って、溶融樹脂が溶融樹脂ノズル18より注入され、溶融樹脂流路11aを通過して後室13d2に流れ込むとともに、溶融樹脂注入路14dを介して前室13d1に流れ込み、この前室13d1および後室13d2が溶融樹脂によって充填され上述した差圧力が発生すると、この差圧力によってスプリング15aは図示矢印方向に押し込まれることになる。
【0035】
従って、弁部14aが徐々に後退して、図5に示すように、射出ゲート13a1を開放することになり、これによって前室13d1に充填されていた溶融樹脂が射出ゲート13a1を介して金型ダイプレート12に当接された図示しない金型キャビティー内に射出される。
【0036】
一方、溶融樹脂ノズル18からの溶融樹脂の注入が終わり注入圧力が低下すると、後室13d2および前室13d1に充填されている溶融樹脂は徐々に金型キャビティー内に流れ込み、後室13d2および前室13d1にて差圧ピストン部14に発生していた差圧力が徐々に低下し、差圧力はスプリング15aが射出ゲート13a1側に復元しようとする復元力より小さくなる。すると、差圧ピストン14はこのスプリング15aによってシリンダ13の射出ゲート13a1側に付勢される。そして、最終的には弁部14aが射出ゲート13a1を閉塞する位置まで摺動し、射出成形サイクルが終了する。
【0037】
本実施形態においては、この差圧力により差圧ピストン部14の押し下げを受けるとともに、差圧力の低下により、復元力によって差圧ピストン部14を射出ゲート13a1側に押し戻し、射出ゲート13a1を差圧ピストン部14の弁部14aに閉塞させる構成として、バネ構造部15を採用し、その内部に配設するスプリング15aのバネ定数を調整することにより、上述した差圧力による差圧ピストン部14の押し下げおよび押し戻しを実現可能な構成を採用した。
【0038】
かかる作用を実現する構成は、特に限定されるものではなく、むろん、このような差圧ピストン部14の押し下げおよび押し戻しを実現可能な構成は特に限定されるものではなく、このバネ構造部15を空気圧シリンダや油圧シリンダにて構成してもよい。
【0039】
かかる場合、発生する差圧力を勘案して、この空気圧シリンダあるいは油圧シリンダに所定の圧力を印加しておけば、この圧力より差圧力が大きくなると、差圧ピストン部14がシリンダ部13の後端部13b方向に押し下げられ射出ゲート13a1が開放されるとともに、この圧力より差圧力が小さくなると空気圧シリンダおよび油圧シリンダのシリンダが所定の位置に復元するとことにより差圧ピストン部14aがノズル部13a側に押し戻され、差圧ピストン部14の弁部14aにて射出ゲート13a1が閉塞されて射出サイクルを終了させることが可能になる。
【0040】
このように、差圧ピストン部14およびバネ構造部15を採用し、差圧ピストン部14の前室13d1側の摺動軸方向に対する有効軸線方向投影面積と、後室13d2側の摺動方向に対する有効軸線方向投影面積とを規定することにより発生する差圧力を規定し、スプリング15aのバネ定数をこの差圧力にて押し下げ可能なものに調整することによって、差圧ピストン部14を摺動させるために特別な駆動源を必要としない構成とすることができる。これにより、ホットランナシステム10の小型化を実現することが可能になる。
【0041】
また、本実施形態においては、ホットランナシステム10を構成するために第一ヒータ部16および第二ヒータ部17が設置されている。この第一ヒータ部16はマニホールド部11に シリンダ13の略後端部13bを周回するように埋設されるとともに、加熱制御部19に接続されている。そして、この加熱制御部19による所定の温度制御によって溶融樹脂流路11aおよび後室13d2に充填される溶融樹脂の溶融温度を適切に調整可能になっている。
【0042】
また、第二ヒータ部17は、金型ダイプレート部12に係合されているシリンダ部13の略ノズル部13aを加熱可能に、シリンダ部14の周回に配設されている。この第二ヒータ部17も上述した第一ヒータ部16と同様に加熱制御部19に接続されており、この加熱制御部19による所定の温度制御によって前室13d1に充填された溶融樹脂と、金型キャビティーに射出される直前の溶融樹脂の溶融温度を適切に調整可能になっている。
【0043】
すなわち、本実施形態においては、ホットランナシステム10の小型化を実現することが可能になっているため、従来は第一ヒータ部16のようにマニホールド部11に埋設された加熱手段によってのみ溶融樹脂の溶融温度の温度制御ができなかったものに対し、シリンダ部13の略ゲート部13a付近を加熱し、前室13d1に充填された溶融樹脂の溶融温度の温度調整が可能になり、金型キャビティーに射出される溶融樹脂の温度管理ができるため、より高品質な成形品を生成することが可能になる。
【0044】
また、本実施形態においては、差圧ピストン部14の内部に略筒状のバネ構造部15を収容するバネ構造収容部14cを形成することによって、このバネ構造部15を差圧ピストン部14の周回に配設する態様に比べて、ホットランナシステム10をコンパクトにすることが可能になる。また、このバネ構造収容部14cをマニホールド部11に収容されるように形成することにより、本ホットランナシステム10のより一層の小型化することが可能になる。
【0045】
さらに、ホットランナシステム10の小型化を図ることが可能になると、本ホットランナシステム10や使用される金型等の周辺設備についても小型化をすることができるようになるため、設備全体的な製造コストの低減を実現することができる。また、図6および図7に示すように、差圧ピストン14およびシリンダ部13にて形成される射出部を小型化できると、金型キャビティーを小型にすることが可能となり、成形金型20,21,22,23にて生成される成形品の取り数を多くすることが可能になる。
【0046】
このように、射出サイクルに伴ない、射出ゲート13a1の開放および閉塞を行うにあたり、内壁14eおよび翼部14bにて有効軸線方向投影面積に差を設けこの部分に発生する差圧力を利用する差圧ピストン部14を採用するとともに、この差圧ピストン部14の内部にバネ構造部15を配設し、マニホールド部11に収容されるようにするため、ホットランナシステム10を小型化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるホットランナシステム10の概略断面を示した概略断面図である。
【図2】本ホットランナシステム10に適用される差圧ピストン部14の概略断面を示した概略断面図である。
【図3】差圧ピストン部14を弁部14aの前方側から観た外観図である。
【図4】差圧ピストン部14を弁部14aの後方側から観た外観図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるホットランナシステム10の差圧ピストン部14が動作した場合の概略断面を示した概略断面図である。
【図6】成形品の多数個の取りを実現可能なホットランナシステム10の側面の概略外観を示した側面図である。
【図7】成形品の多数個の取りを実現可能なホットランナシステム10の上面の概略外観を示した上面図である。
【符号の説明】
10…ホットランナシステム
11…マニホールド部
11a…溶融樹脂流路
12…金型ダイプレート部
12a…係合孔
13…シリンダ部
13a…ノズル部
13a1…射出ゲート
13b…後端部
13b1…係合構造
13b2…接合部位
13b21…ボルト
13d1…前室
13d2…後室
14…差圧ピストン部
14a…弁部
14b…翼部
14c…バネ構造収容部
14d…溶融樹脂注入路
14e…内壁
15…バネ構造部
15a…スプリング
16…第一ヒータ部
17…第二ヒータ部
18…溶融樹脂ノズル
19…加熱制御部
Claims (2)
- マニホールド部に前端側に射出ゲートを形成するとともに後端側に樹脂流路を開口した略筒状のシリンダを設け、このシリンダに同シリンダ内を上記射出ゲート側の前室と上記樹脂流路側の後室とに区分けする弁部及び本体部材を備えたピストンを設け、上記前室の有効軸線方向投影面積が上記後室の有効軸線方向投影面積より大に形成し、また上記ピストンに上記前室と上記後室を連通させる樹脂注入路を形成し、同樹脂注入路を上記シリンダにおける上記樹脂流路の開口に連通し、上記ピストンを前方に付勢する付勢部材を上記シリンダ内に設け、上記射出ゲートを上記弁部で閉塞し、また上記後室を上記本体部材で閉塞することを特徴とする射出成形装置。
- 上記請求項1に記載の射出成形装置において、上記ピストンは、上記後室側の軸方向径を前室側の軸方向径より大きくすることによって、同前室側の有効軸線方向投影面積を後室側の有効軸線方向投影面積より大とすることを特徴とする射出成形装置。
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