JP3562906B2 - 樹脂製多岐管 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、樹脂製の半割り体どうしを衝合させるとともに、この衝合部の周縁に沿って形成された内部通路内に溶融樹脂を充填することにより、上記半割り体どうしを接合して得られる樹脂製多岐管に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、合成樹脂製のパイプ等の管状体を成形する方法として、合成樹脂製の半割り体どうしを衝合させるとともに、この衝合部の周縁に沿って形成された内部通路内に溶融樹脂を充填することにより、上記半割り体どうしを接合して中空成形品を得る方法は公知である。
また、半割り体どうしを接合する際に、上記内部通路への溶融樹脂の充填を、半割り体を成形する成形型内で行えるようにした方法が知られている。
【0003】
例えば、特公平2−38377号公報には、基本的に、一方の金型に一組の半割り体を成形する雄型成形部と雌型成形部とが設けられ、他方の金型にこれらの成形部に対向する雌型成形部と雄型成形部とが設けられた一対の金型構造が開示されており、そして、かかる金型を用いることによって、各半割り体を同時に成形(射出成形)した後、一方の金型を他方に対してスライドさせることにより、各雌型成形部に残された半割り体どうしを衝合させ、この衝合部の周縁に溶融樹脂を射出して両者を接合するようにした方法(所謂、ダイスライド・インジェクション(DSI)法)が開示されている。
【0004】
また、例えば特公平7−4830号公報には、基本的に、互いに開閉可能に組み合わされる成形型であって、一方の成形型が他方に対して所定角度回転可能とされ、各成形型に、上記所定角度毎の回転方向に雄/雌/雌の繰り返し順序で、少なくとも1つの雄型成形部と2つの雌型成形部からなる成形部を設けた回転式射出成形用の型構造が開示されており、かかる成形型を用いることによって、回転(例えば正逆反転)動作毎に、各半割り体の成形と、衝合された一対の半割り体どうしの接合を行い、各回転動作毎に完成品が得られるようにした方法(所謂、ダイロータリ・インジェクション(DRI)法)が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、半割り体どうしを接合させる溶融樹脂(いわゆる二次樹脂)を内部通路内に充填する場合、該通路への樹脂の注入口であるゲート部から流れ方向において離れるほど、注入された二次樹脂の温度が低下するため接合性が悪くなり、その部分について上記半割り体どうしの接合強度の低下を招来するという問題がある。
上記内部通路は、良好な接合状態を得る上で、あるいは成形品(完成品)の外観性を向上させる上で、基本的には上記衝合部の外表面に露出しないように、つまり、内部通路を衝合部内で閉断面状に形成することが望ましいのであるが、このように閉断面状にした場合には、特に、二次樹脂の接合性および通路壁部との接触面積が、半割り体どうしの接合強度に及ぼす影響が大きくなる。
【0006】
上記問題に関して、内部通路の通過断面積を大きく設定することにより、二次樹脂の充填量を増加させて接合強度を高めることが考えられるが、従来では、ゲート部からの位置や距離とは無関係に、内部通路全体についてその通過断面積を大きく設定していたので、二次樹脂の使用量が非常に多くなるという問題があった。尚、この場合には、二次樹脂の充填圧力(例えば射出圧)も高くする必要がある。
【0007】
また、内部通路の経路が複雑な場合などには、内部通路には複数のゲート部が設けられることがあるが、このような場合、各ゲート部から充填された二次樹脂どうしが出会う部位(所謂ウエルド部位)では、他の部位に比べて二次樹脂の接合性が低下することが知られている。
更に、内部通路に二次樹脂の流れ方向が急変する部位があると、かかる部位では内部応力が発生し、その状態で二次樹脂が凝固すると十分な接合強度が得られない場合が生じる。
【0008】
そこで、この発明は、一対の半割り体どうしの衝合部の内部通路内に溶融樹脂を充填して両者を接合するに際して、樹脂使用量の増加や充填圧力の増大を招くことなく、半割り体どうしの接合強度を、部分的なバラツキなく十分に確保することができる樹脂製多岐管を提供することを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため、本願の請求項1に係る発明(以下、第1の発明という)は、一対の樹脂製の半割り体どうしを衝合させるとともに、この衝合部の周縁に沿って形成された内部通路内に溶融樹脂を充填することにより、上記半割り体どうしを接合して得られる樹脂製多岐管であって、上記内部通路は、該通路のゲート部から溶融樹脂の流れ方向において離れるにつれて、通過断面積が大きくなるように設定されていることを特徴としたものである。
尚、本明細書において、「離れるにつれて、通過断面積が大きくなるように設定されている」というときは、「離れるにつれて、連続的に通過断面積が大きくなるように設定されている」場合のみならず、「離れるにつれて、段階的に通過断面積が大きくなるように設定されている」場合をも含むものとする。
【0010】
また、本願の請求項2に係る発明(以下、第2の発明という)は、上記第1の発明において、上記内部通路は、上記各半割り体の壁部で閉断面状に形成され、かつ、内部通路のゲート部から溶融樹脂の流れ方向において離れるにつれて、通路壁部との接触面積が大きくなるように設定されていることを特徴としたものである。
尚、本明細書において、「離れるにつれて、通路壁部との接触面積が大きくなるように設定されている」というときは、「離れるにつれて、連続的に通路壁部との接触面積が大きくなるように設定されている」場合のみならず、「離れるにつれて、段階的に通路壁部との接触面積が大きくなるように設定されている」場合をも含むものとする。
【0011】
更に、本願の請求項3に係る発明(以下、第3の発明という)は、一対の樹脂製の半割り体どうしを衝合させるとともに、この衝合部の周縁に沿って形成された内部通路内に溶融樹脂を充填することにより、上記半割り体どうしを接合して得られる樹脂製多岐管であって、上記内部通路にはゲート部が複数設けられており、上記内部通路は、各ゲート部から充填された溶融樹脂どうしが出会う部位では、他の部位よりも通過断面積が大きく設定されていることを特徴としたものである。
【0012】
また、更に、本願の請求項4に係る発明(以下、第4の発明という)は、上記第3の発明において、上記内部通路は、上記各半割り体の壁部で閉断面状に形成され、かつ、各ゲート部から充填された溶融樹脂どうしが出会う部位では、他の部位よりも通路壁部との接触面積が大きく設定されていることを特徴としたものである。
【0013】
また、更に、本願の請求項5に係る発明(以下、第5の発明という)は、一対の樹脂製の半割り体どうしを衝合させるとともに、この衝合部の周縁に沿って形成された内部通路内に溶融樹脂を充填することにより、上記半割り体どうしを接合して得られる樹脂製多岐管であって、上記内部通路は、溶融樹脂の流れ方向の急変部位では、他の部位よりも通過断面積が大きく設定されていることを特徴としたものである。
【0014】
また、更に、本願の請求項6に係る発明(以下、第6の発明という)は、上記第5の発明において、上記内部通路は、上記各半割り体の壁部で閉断面状に形成され、かつ、溶融樹脂の流れ方向の急変部位では、他の部位よりも通路壁部との接触面積が大きく設定されていることを特徴としたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、例えば、エンジン吸気系のインテーク・マニホールドの製造に適用した場合を例にとって、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図10〜図19に、本実施の形態に係る成形品であるインテーク・マニホールドWが示されている。該インテーク・マニホールドWは、図10〜図13から良く分かるように、例えば、一つの入口管部Wiと複数(本実施の形態では三つ)の出口管部Woとを備え、入口管部Wiと各出口管部Woとが所定の角度(本実施の形態では略直角)をなすように設定されている。
本成形品Wは、後で詳しく説明するように、例えば所謂ダイロータリ・インジェクション(DRI)法により、一つの成形型にて上下の半割り体WU及びWLをそれぞれ成形するとともに、その成形型内で両者WU及びWLを衝合させて接合することにより、中空の管状体として得られるものである。
【0016】
本実施の形態では、図12から良く分かるように、上記成形品Wの型割線Lpは、入口管部Wiおよび各出口管部Woの管端部を回避するように、つまり型割線Lpが管端面に現れることがないように、かつ、成形品Wの周囲に沿った閉ループを構成するように設定されている。尚、半割り体WU,WLどうしの衝合面は、上記型割線Lpに沿って形成されることになる。この型割線Lpを管端部を回避した閉ループ状に形成することにより、管端円筒部の真円度を高めることができる。これにより、相手部品との組付状態におけるシール性を良好に保つことができる。
また、本実施の形態では、好ましくは、上記入口管部Wiおよび出口管部Woの各管端部分は、いずれも、例えば上側半割り体(アッパハーフ)WU側に一体的に成形されるようになっている。
【0017】
そして、図14および図15において1点鎖線および破線の曲線で示されるように、上記閉ループに沿って(つまり衝合面の外周に沿って)、好ましくは各半割り体WU,WLの壁部で形成された閉断面の溝状の内部通路WPが設けられており、この内部通路WP内に、上下の半割り体WU,WLどうしを互いに衝合させた後に両者を相互に接合するための樹脂(二次樹脂)が充填されるようになっている。尚、図14および図15において、1点鎖線曲線は、出口管部Woの端部近傍を除く各半割り体WU,WLの周縁の通路部分WP1を示し、また、破線曲線は、出口管部Woの端部近傍における半円状の通路部分WP2を示している。
また、本実施の形態では、内部通路WPに対する二次樹脂注入用のゲート部GPは、好ましくは、図14において2点鎖線の矢印で示されるように、平面視において内部通路WPの左右外側部分で上記半円状の通路部分WP2の比較的近辺に設けられている。
【0018】
本実施の形態では、上記内部通路WP内に溶融樹脂(二次樹脂)を充填して両半割り体WU,WLどうしを接合するに際して、部分的なバラツキを伴うことなく十分に確保することができるように、上記内部通路WPは、該通路WPのゲート部GPから二次樹脂の流れ方向において離れるにつれて、通過断面積が大きくなるように設定されている。
すなわち、図16はゲート部GP近傍における内部通路WPの縦断面、図16〜図18はゲート部GPから二次樹脂の流れ方向において離れた部位での内部通路WPの縦断面をそれぞれ示しているが、これらの図を比較して良く分かるように、内部通路WPは、ゲート部GP近傍の断面(図19参照)に比べて、ゲート部GPから二次樹脂の流れ方向において離れた部位の断面(図16〜図18参照)の方が、通過断面積が大きくなっている。尚、上記図16〜図19においては、内部通路WPの形状および大きさを分かり易く表示するために、通路WP内の二次樹脂は省略して描かれている。
【0019】
本実施の形態では、上記内部通路WPは、より好ましくは、ゲート部GPから二次樹脂の流れ方向において離れるにつれて「連続的に」通過断面積が大きくなるように設定されているが、この代わりに、「段階的に」通過断面積が大きくなるように設定しても良い。
また、本実施の形態では、上記内部通路WPは、より好ましくは、各半割り体WU,WLの壁部で閉断面状に形成されているが、この代わりに、半割り体どうしを衝合させた時点では内部通路の一部が開口しており、それを所定の金型にセットすることにより、上記開口が金型の型面で塞がれて閉断面を形成するようにしても良い。
【0020】
このように、本実施の形態では、上記内部通路WPは、該通路WPのゲート部GPから溶融樹脂(二次樹脂)の流れ方向において離れるにつれて通過断面積が大きくなるように設定されているので、ゲート部GPから離れるにつれて二次樹脂の充填量が多くなり、温度低下による二次樹脂の接合性の低下を補って半割り体WU,WLどうしの接合強度を確保することができる。すなわち、上記半割り体WU,WLどうしの接合強度を、部分的なバラツキなく十分に確保することが可能になる。
この場合において、従来、内部通路全体についてその通過断面積を大きく設定していた場合に比べて、二次樹脂を無駄なく使用することができ、その使用量の増大を抑制することができる。また、充填圧力(例えば射出圧)を特に高くすることなく、二次樹脂をゲート部GPから離れ部位まで素早く充填することができるようになる。
【0021】
また、本実施の形態では、特に、上記内部通路WPが、上記各半割り体WU,WLの壁部で閉断面状に形成されており、内部通路WPはゲート部GPから二次樹脂の流れ方向において離れるにつれて、同一断面形状で通過断面積が大きく設定されている。従って、内部通路WPの通路壁部との接触面積が大きくなり、ゲート部GPから離れるにつれて二次樹脂による接合力を高めることができ、より効果的に上記半割り体WU,WLどうしの接合強度を確保することができる。
【0022】
尚、内部通路の通路壁部との接触面積については、通路の断面形状を変化させることによってより大きく設定することができる。すなわち、ゲート部からある程度以上離れた部位については、例えば、図20に示すように、内部通路WP’の断面形状をH字状とすることにより、同じ通過断面積でも、内部通路WP’の通路壁部との接触面積を大きく設定することができる。
また、上記のように断面形状を変化させる代わりに、ゲート部から離れた部位については、例えば、図21に示すように、内部通路WP”を複数本(図21の例では2本)に分割するように変化させても良い。このように、内部通路WP”を複数本とすることにより、通過断面積の総和が同じでも、内部通路WP”の通路壁部との接触面積を大きく設定することができる。
これらの場合、内部通路WP’の断面形状が変化する部分あるいは内部通路WP”が複数本に分割されるように変化する部分については、その変化ができるだけなだらかなものとなるように他の通路部分と接続される。
【0023】
また、本実施の形態では、ゲート部GPから流れ方向において離れた部位だけでなく、例えば、内部通路WPに設けられた複数のゲート部から充填された二次樹脂どうしが出会う部位、つまり所謂ウエルド部位(図14における矢印M参照)、並びに、内部通路WPにおいて二次樹脂の流れ方向が急変する部位(以下、この部位を溶融(又は二次)「樹脂の流れ方向の急変部位」と言う:図14における矢印N参照)についても、半割り体WU,WLどうしの接合強度の部分的なバラツキを抑制あるいは防止するために、内部通路WPの通過断面積が他の部位に比べて大きく設定されている。尚、この場合、上記ウエルド部位は、上述のゲート部GPから流れ方向において離れた部位と基本的には合致している。
【0024】
このように、本実施の形態によれば、内部通路WPにゲート部GPが複数設けられており、かかる場合について、上記内部通路WPは、ウエルド部位では他の部位よりも通過断面積が大きく設定されているので、ウエルド部位での二次樹脂の充填量が多くなり、該部位での二次樹脂の接合性の低下を補って半割り体どうしの接合強度を確保することができる。
また、上記内部通路WPは、二次樹脂の流れ方向の急変部位では、他の部位よりも通過断面積が大きく設定されているので、上記流れ方向急変部位での二次樹脂の充填量が多くなり、該部位での内部応力の存在に伴う接合強度の低下を補って半割り体どうしの接合強度を確保することができる。
すなわち、上記半割り体WU,WLどうしの接合強度を、部分的なバラツキなく十分に確保することができるのである。
【0025】
また、特に、上記内部通路WPが、上記各半割り体WU,WLの壁部で閉断面状に形成されており、内部通路WPは上記ウエルド部位および流れ方向急変部位では、同一断面形状で通過断面積が大きく設定されている。従って、内部通路WPの通路壁部との接触面積が大きくなり、上記各部位での二次樹脂による接合力を高めることができ、より効果的に上記半割り体WU,WLどうしの接合強度を確保することができる。
更に、上記ウエルド部位および流れ方向急変部位について、その通路の断面形状を、上述の図20あるいは図21で示されたような形状にして、内部通路WP',WP"の通路壁部との接触面積を大きく設定するようにしても良い。
【0026】
次に、本実施の形態に係るインテーク・マニホールドWの製造(成形)に用いられる成形型の構成について説明する。尚、本実施の形態では、上記インテークマニホールドWは、好ましくは、所謂ダイロータリ・インジェクション(DRI)法により成形される。
図1〜図5は、上記インテーク・マニホールド成形用の成形型の縦断面説明図である。図1,図2および図5から良く分かるように、上記成形型は、成形機(例えば射出成形機:不図示)に連結される固定型1と、該固定型1に対して開閉動作を行う可動型2とで構成され、上記固定型1には、以下に詳しく説明するように、その成形部を含む所定部分を回動させる回動機構が設けられている。
尚、図1〜図5では、上記固定型1と可動型2は上下に配置された状態で描かれているが、実際に成形機(不図示)に取り付けられた状態での両型1,2の配置構造としては、上下に限定されるものではなく、例えば水平(左右)方向に対向配置して使用されても良い。
【0027】
上記固定型1は、本体部10に固定されたベース盤11と、該ベース盤11および本体部10の中央部に固定されたスプールブッシュ12と、このスプールブッシュ12と同軸に配置されたロータ13とを備えており、上記スプールブッシュ12に成形機の射出ヘッド(不図示)が固定される。
上記ロータ13は基本的には円盤状に形成され、その中央部分が円柱状に突出しており、上記スプールブッシュ12のスプール12aは、この中央突出部13aの表面に開口している。
【0028】
図5から良く分かるように、ロータ13の外周部には、その近傍に配置された駆動ギヤ14と噛み合う歯部13gが形成されている。上記駆動ギヤ14は、例えば油圧モータ等の駆動源15に連結されており、この駆動源15によって駆動ギヤ14が回転させられることにより、この回転方向および回転回数に応じて、ロータ13が所定の向きに所定角度(本実施の形態では120度)だけ回動するようになっている。
【0029】
一方、上記可動型2は、本体部30と平行に配設されたベース盤31と、本体部30に固定された型盤40とを備え、該型盤40に後述する成形部が設けられている。尚、上記型盤40は、実際には、中央の円柱部40dと該円柱部40dを取り囲む三つのブロック体とで構成されている。
上記本体部30及びベース盤31は、例えば油圧式の駆動手段(不図示)に連結されており、所定のタイミングで固定型1に対して開閉動作を行えるようになっている。尚、上記本体部30とベース盤31の間には、スペーサブロック32a,32b(図5参照)が介設されている。
また、上記可動型2には、型盤40に沿って可動型2の開閉方向と直交する方向にスライドするスライド型33と、可動型2の開閉動作に連動してスライド型33を駆動する棒状のスライドガイド34とが設けられている。
【0030】
上記スライド型33は、成形品Wの出口部Woに対応するもので、そのコア部33a(図2〜図4参照)が成形品出口部Woの管端部分における内周部に対応している。また、成形品Wの入口部Wiについては、可動型2の本体支持板35に固定されたコア部材36a,36bの先端部分がそれぞれ対応している。
尚、上記スライド型33およびスライドガイド34は、後述するように、可動型2内において、上半割り体(アッパハーフ)WUを成形する箇所および衝合された上下の半割り体WU,WLどうしを二次樹脂で接合する箇所の2箇所について設けられている。
【0031】
上記スライドガイド34の一端側にはテーパ部34cが形成されており、このテーパ部34cが、スライド型33のテーパ穴33cに係合している。一方、スライドガイド34の他端側には、ガイド駆動板37を係合させる凹部34dが形成されており、上記ガイド駆動板37は、いずれか一方のスライドガイド34に係合するようになっている。
上記ガイド駆動板37は、その背面側がバックプレート38で支持されており、該バックプレート38には、図5に示すように、ガイド駆動板37のバックプレート38に沿ったスライド動作を案内する一対のガイドレール38aが固定されている。
【0032】
そして、ガイド駆動板37は、例えば油圧シリンダ等の駆動手段49(図5参照)によってバックプレート38に沿った方向に駆動されることにより、上記ガイドレール38aに沿って移動し、スライドガイド34との係合状態(つまり、左右いずれのスライドガイド34と係合するか)が切り換えられる。
このガイド駆動板37とスライドガイド34との係合状態の切り換えは、成形装置のコントローラ(不図示)からの制御信号により、上記ロータ13の回動動作に対応して行われるようになっている。
【0033】
上記バックプレート38の背面には、可動型2の作動方向(開閉方向)と同一の方向に伸縮作動する、例えば油圧式の駆動シリンダ(不図示)のピストンロッド39が、ベース盤31を貫通して連結されており、該ピストンロッド39の伸縮動作により、バックプレート38及びガイド駆動板37を介して、スライドガイド34を駆動(進退動)することができるようになっている。
また、可動型2の本体部30の内部には、エジェクタプレート46a,46b,46cにそれぞれ取り付けられたエジェクタピン47a,47b,47c及びエジェクタリング48a,48bが設けられている。尚、エジェクタリング48a,48bは、成形品WあるいはアッパハーフWUの入口部Wiの管端部をエジェクトする(突き上げる)もので、それぞれコア部材36a,36bの外周を取り囲むようにして配置されている。
【0034】
上記3枚のエジェクタプレート46(46a,46b,46c)は、ガイド駆動板37が可動型2の本体部30側に駆動(前進動)させられた際、該駆動板37に突設された2本の突設ピン37aが、本体支持板35の各穴部35hを貫通してエジェクタプレート46(46a,46b,46c)の背面側を押圧することにより、3枚のうちの2枚が突き上げられるようになっている。
3枚のうちのどの2枚のエジェクタプレート46(46a,46b,46c)が突き上げられるかは、ガイド駆動板37とスライドガイド34との係合状態によって切り換えられることになる。
【0035】
上記スライドガイド34は、可動型2が固定型1に対して閉じられている状態(図1参照)では初期位置にあり、スライド型33に対して駆動力を及ぼしておらず、該スライド型33は、成形ポシション(成形品出口部Woの管端部分における内周部に対応した位置)に位置している。
また、成形工程終了後、型開きの時点(図2参照)でも、スライドガイド34は初期位置で静止しており、スライド型33は成形ポシションに維持される。
【0036】
その後、図3に示すように、スライドガイド34が可動型2の本体部30側に駆動(前進動)される。これにより、スライド型33のテーパ穴33cがスライドガイド34のテーパ部34cに沿うようにして、スライド型33が外側にスライドさせられ、そのコア部33aが、成形品Wの出口部Woにおける管端部から抜脱される。つまり、可動型2の開閉方向と異なる(直交する)方向にスライドするスライド型33のコア部33aが完成品Wの管端部(出口部Wo)から抜脱される。
【0037】
そして、スライドガイド34が更に前進させられると、図4に示すように、ガイド駆動板37の2本の突設ピン37aが、本体支持板35の三つの穴部35hのうちの二つ(図4の例では、右側の二つ)をそれぞれ貫通して、エジェクタプレート46a,46bを突き上げることにより、エジェクタピン47a,47b及びエジェクタリング48a,48bが作動させられるようになっている。
尚、固定型1側には、例えば油圧駆動式のエジェクタピン27a,27b(図1,図2および図5参照)が設けられており、図1〜図4に示した一連の作動例では、成形工程終了後、型開きの時(図2参照)にエジェクタピン27aが突き出されるようになっている。
【0038】
図6は、上記固定型1のロータ13の型合わせ面側を示す正面説明図である。この図に示すように、該ロータ13には、三つの型盤ブロック20が、円周等配状(つまり、互いに120度の角度をなして)中央突出部13aの周囲に固定されており、これら型盤ブロック20のそれぞれに成形部20A,20B又は20Cが設けられている。
上記成形部20Cは凸状に形成された雄型部であり、また、成形部20A,20BC共に凹状に形成された雌型部である。すなわち、固定型1のロータ13は、1個の雄型成形部20Cと2個の雌型成形部20A,20Bとを備えている。
【0039】
尚、この固定型1のロータ13に設けられた各成形部20A,20B,20Cに繋がる樹脂通路は設けられていない。
しかしながら、ロータ13の中央突出部13aの表面には、後述するように、可動型2側の成形部に繋がる樹脂通路とスプールブッシュ12のスプール12aとの接続状態を切り換えるために、長溝状の一群(本実施の形態では、計5本)の切換スロット21(21A,21B,21C)が設けられている。
これら切換スロット21は、1本の切換スロット21Cは成形部20Cを、2本の平行な切換スロット21Bは成形部20Bを、また、2本の平行な切換スロット20Aは成形部20Aを、それぞれ指向するように設けられている。
【0040】
上記ロータ13の外周部には、前述のように、駆動ギヤ14と噛み合う歯部13gが、少なくとも120度の角度に対応する円弧長さ分だけ設けられており、駆動ギヤ14の回転に伴って(つまり、この回転方向および回転回数に応じて)、ロータ13が所定の向きに120度だけ回動するようになっている。該駆動ギヤ14の回転の制御(つまりロータ13の回転制御)は、油圧モータ等の駆動源15(図5参照)を制御することによって行われる。
本実施の形態では、上記ロータ13は、所定のタイミングで120度ずつ正方向と逆方向とに交互に回動させられるように設定されている。例えば、図6の状態で駆動ギヤ14が回転すると、ロータ13は図6における反時計回り方向へ回動することになる。
【0041】
一方、図7は、上記可動型2の型盤40の型合わせ面側を示す正面説明図である。この図に示すように、該型盤40には、三つの成形部40A,40B,40Cが円周等配状(つまり、互いに120度の角度をなして)に設けられている。
上記成形部40Bは凸状に形成された雄型部であり、また、成形部40A,40Cは共に凹状に形成された雌型部である。すなわち、可動型2は、1個の雄型成形部40Bと2個の雌型成形部40A,40Cとを備えている。
尚、上記図1〜図4は、この図7におけるA−C線に沿った縦断面説明図、また、図5は、図7におけるB−B線に沿った縦断面説明図である。
【0042】
この可動型2の型盤40には、各成形部40A,40B,40Cにそれぞれ直接に繋がる一次および二次の樹脂通路41(41A,41B,41C),42(42A,42C)と、型盤40の中央円柱部40dに形成された枝分かれ状の分岐樹脂通路43の2種類の樹脂通路が形成されている。
上記雌型の成形部40A,40Cには、半割り体(WU,WL)成形用の一次樹脂を供給する一次樹脂通路41A,41Cと、衝合された半割り体WU,WLどうしを接合する接合用の二次樹脂を供給する二次樹脂通路42A,42Cが接続されている。一方、雄型の成形部40Bには、一次樹脂通路41Bのみが接続されている。
上記各一次樹脂通路41(41A,41B,41C)は、各成形部40(40A,40B,40C)における成形品入口部Wiに対応する部分の側面に接続されている。また、各二次樹脂通路42(42A,42C)は、各成形部40A,40Cの両側に対をなして設けられ、各成形部40A,40Cにおける成形品出口部Woに対応する部分の側面にゲート部42gを設けて接続されている。
【0043】
上記分岐樹脂通路43は、可動型2が固定型1に対して閉じられた際に、スプールブッシュ12のスプール12aに対応するセンタ部分43dを基点として分岐しており、雌型の成形部40A,40Cに接続された一次および二次の各樹脂通路41(41A,41C),42(42A,42C)に対応して6本の分岐部が設けられている。
各分岐部は、その先端が、対応する樹脂通路の一端に対して、その延長線上で所定距離を隔てるように位置設定されている。
【0044】
そして、可動型2が固定型1に対して閉じられた際には、固定型1のロータ13に設けられた切換スロット21により、所定の樹脂通路が分岐部樹脂通路43と(つまり、スプール12aと)接続され、この接続状態はロータ13の回動によって切り換えられるようになっている。
尚、雄型の成形部40Bに接続された一次樹脂通路41Bは、分岐部樹脂通路43に(そのセンタ部分43dに)直接に接続されている。したがって、上記成形部40Bには、ロータ13の回動位置とは無関係に、常時、一次樹脂が供給されることになる。この成形部40B(雄型)は、後述するように、ロータ13の回動状態に拘わらず、常に、ロアハーフWLを成形するようになっている。
【0045】
以上のように構成された成形型を用いて行われるインテークマニホールドWの成形工程について説明する。
まず、初期状態として、固定型1が図6に示された状態で可動型2と組み合わされている場合、これら両型1,2の成形部どうしの組み合わせは、以下のようになる。
・ 可動型2の成形部40A(雌型)/固定型1の成形部20A(雌型)
・ 可動型2の成形部40B(雄型)/固定型1の成形部20B(雌型)
・ 可動型2の成形部40C(雌型)/固定型1の成形部20C(雄型)
【0046】
このとき、固定型1のロータ13の切換スロット21は、図8において破線で示す回転位置にある。すなわち、一対の切換スロット21Aが、可動型2の成形部40Aに対する各2次樹脂通路42Aと分岐樹脂通路43とを連通させる一方、切換スロット21Cが、可動型2の成形部40Cに対する1次樹脂通路41Cと分岐樹脂通路43とを連通させる。また、可動型2の成形部40Bに対する1次樹脂通路41Bは、上記分岐樹脂通路43と常時連通している。
【0047】
したがって、この状態で可動型2を固定型1に対して閉じ合わせ(図1および図5参照)、型締めを行って成形機(不図示)から溶融樹脂を射出すると、溶融樹脂は、スプール12aを介して、分岐樹脂通路43に連通した上記各樹脂通路42A,41C,41Bに供給される。尚、本実施例では、材料樹脂として、例えば、ガラス強化繊維が配合されたナイロン樹脂を用いた。
その結果、固定型1と可動型2の各成形部が組み合わされた成形キャビティでは、以下の成形体が成形されることになる。
・ 成形部40A(雌型)/成形部20A(雌型):完成品W
・ 成形部40B(雄型)/成形部20B(雌型):ロアハーフWL
・ 成形部40C(雌型)/成形部20C(雄型):アッパハーフWU
【0048】
尚、最初の射出工程の場合には、成形部40A(雌型)/成形部20A(雌型)で形成される成形キャビティには、成形された半割り体(アッパハーフWU及びロアハーフWL)は存在しないので、アッパハーフWUとロアハーフWLとを衝合させたものと同一の外形形状を有するダミーをセットした上で、溶融樹脂の射出が行われる。
また、ガイド駆動板37は、常に、完成品Wに対するスライド型33と係合するスライドガイド34(図1〜図4の例では右側のスライドガイド34)の凹部34dと係合するように設定されている。
【0049】
この射出工程時、可動型2の成形部40Aに対する各2次樹脂通路42Aに2次樹脂が充填されるが、本実施の形態では、上述のように、上記半割り体WU,WLの衝合部の内部通路WPには溶融樹脂(2次樹脂)が到達したか否かを判定する判定部J1,J2が設けられており、各2次樹脂通路42Aに充填された2次樹脂は、その充填圧力および充填量が一定以上であれば、上記判定部J1,J2に対応する成形部44J,45Jに流入する。そして、これにより成形された判定部J1,J2を、成形品Wの取り出し後、目視観察することにより、簡単かつ確実に、内部通路WP内における溶融樹脂の充填不良の有無をチェックすることができるようになっている。
尚、この場合、上記成形部40Aに接続されている一次樹脂通路41Aは、半割り体WU,WLどうしが型内で衝合された際には、その内部通路WPとは遮断されている。
【0050】
上記射出工程を終えると、可動型2を固定型1から後退させて型開きを行う(図2参照)。
このとき、固定型1側のエジェクタピン27aが突き出され、完成品Wは、固定型1側に残ることはない。
【0051】
次に、ピストンロッド39を前進させることにより、完成品Wに対するスライド型33と係合するスライドガイド34を前進させ(図3参照)、完成品Wに対するスライド型33のコア部33aを完成品Wの出口部Woから抜脱する。
このようにして、成形型(可動型2)の開閉方向と異なる(直交する)方向にスライドするスライド型33のコア部33aを完成品Wから抜脱することができる。
【0052】
そして、スライドガイド34を更に前進させることにより、ガイド駆動板37の各突設ピン37aで対応するエジェクタプレート46a,46bを突き上げ、各エジェクタピン47a,47b及びエジェクタリング48aを作動(突き上げ作動)させる。
これにより、コア部材36aが完成品Wの入口部Wiから抜脱されるとともに、該完成品Wが可動型2から離型されて型外に取り出すことができるようになっている(図4参照)。
このようにして、完成品Wの角度をなす二つの管端部(入口部Wiおよび出口部Wo)について、その内周部に対応するコア材(コア部材36aおよびスライド型コア部33a)を支障なく抜脱し、完成品Wを取り出すことができるのである。
【0053】
一方、成形部40B(雄型)と成形部20B(雌型)で形成されたキャビティで成形されたロアハーフWLは固定型1の成形部20Bに残され、また、 成形部40C(雌型)/成形部20C(雄型)で形成されたキャビティで成形されたアッパハーフWUは可動型2の成形部40Cに残されている。
そして、固定型1のロータ13が、図6における矢印で示された方向に120度だけ回動させられた後、可動型2が前進させられて固定型1に対して閉じ合わされ、型締めが行われる。
尚、このとき、ガイド駆動板37は、バックプレート37のガイドレール37aに沿ってスライドさせられ、図1〜図4における右側のスライドガイド34との係合が解除されて、今度は左側のスライドガイド34の凹部34dに係合するようになっている。
【0054】
上記の回動状態の固定型1が可動型2と組み合わされることにより、これら両型1,2の成形部どうしの組み合わせは、以下のようになる。
・ 可動型2の成形部40A(雌型)/固定型1の成形部20C(雄型)
・ 可動型2の成形部40B(雄型)/固定型1の成形部20A(雌型)
・ 可動型2の成形部40C(雌型)/固定型1の成形部20B(雌型)
このとき、上述のように、固定型1の成形部20BにはロアハーフWLが、可動型2の成形部40CにはアッパハーフWUが、それぞれ残されているので、上記ロータ13の回動により、アッパハーフWUとロアハーフWLとが、成形部40C(雌型)と成形部20B(雌型)とで形成されるキャビティ内で衝合されることになる。
【0055】
また、このとき、固定型1のロータ13の切換スロット21は、図9において破線で示す回転位置にある。すなわち、切換スロット21Cが、可動型2の成形部40Aに対する1次樹脂通路41Aと分岐樹脂通路43とを連通させる一方、一対の切換スロット21Bが、可動型2の成形部40Cに対する各2次樹脂通路42Cと分岐樹脂通路43とを連通させるる。尚、可動型2の成形部40Bに対する1次樹脂通路41Bは、上記分岐樹脂通路43と常時連通している。
【0056】
したがって、この状態で可動型2を固定型1に対して閉じ合わせ(図1および図5参照)、型締めを行って成形機(不図示)から溶融樹脂を射出すると、溶融樹脂は、スプール12aを介して、分岐樹脂通路43に連通した上記各樹脂通路41A,42C,41Bに供給される。
その結果、固定型1と可動型2の各成形部が組み合わされた成形キャビティでは、以下の成形体が成形されることになる。
・ 成形部40A(雌型)/成形部20C(雄型):アッパハーフWU
・ 成形部40B(雄型)/成形部20A(雌型):ロアハーフWL
・ 成形部40C(雌型)/成形部20B(雌型):完成品W
尚、可動型2の成形部40B(雄型)では、ロータ13の回動状態に拘わらず、常に、ロアハーフWLが成形されることになる。
【0057】
この後、型開きを行って完成品Wが取り出される。尚、このロータ回動状態では、図1〜図4における左側のスライドガイド34が駆動され、また、エジェクタプレート46a,46b,46cは、左側の2枚(46b,46c)が駆動される。
尚、このとき、固定型1の成形部20AにはロアハーフWLが、可動型2の成形部40AにはアッパハーフWUが、それぞれ残されることになる。
【0058】
そして、この状態でロータ13を120度逆方向に回動させて型締めを行うことにより、初期状態(図4参照)に戻り、同様の工程を繰り返すことにより、1個の完成品Wが得られる。
すなわち、固定型1のロータ13の120度ごとの正転と反転とを繰り返しながら、その都度、型締め,射出および型開きを行うことにより、上記ロータ13の1回動動作ごとに1個の成形品Wを得ることができるのである。
【0059】
このようにして得られた成形品Wについては、前述のように、ゲート部GPから流れ方向において離れた部位、所謂ウエルド部位、並びに、内部通路WPにおいて二次樹脂の流れ方向が急変する部位について、内部通路WPの通過断面積が他の部位に比べて大きくなっており、半割り体WU,WLどうしの接合強度が部分的なバラツキなく確保されている。
【0060】
尚、上記実施の態様は、所謂DRI法で成形されるインテークマニホールドについてのものであったが、本発明は、かかる場合に限定されるものではなく、例えば、所謂DSI法あるいは他の一般的な成形法で成形される場合においても、更には、インテークマニホールド以外の他の種類の樹脂製多岐管に対しても、有効に適用することができる。
また、本発明は、以上の実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良あるいは設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【0061】
【発明の効果】
本願の第1の発明によれば、上記内部通路は、該通路のゲート部から溶融樹脂(二次樹脂)の流れ方向において離れるにつれて通過断面積が大きくなるように設定されているので、ゲート部から離れるにつれて二次樹脂の充填量が多くなり、温度低下による二次樹脂の接合性の低下を補って半割り体どうしの接合強度を確保することができる。すなわち、上記半割り体どうしの接合強度を、部分的なバラツキなく十分に確保することが可能になる。
この場合において、従来、内部通路全体についてその通過断面積を大きく設定していた場合に比べて、二次樹脂を無駄なく使用することができ、その使用量の増大を抑制することができる。また、充填圧力(例えば射出圧)を特に高くすることなく、二次樹脂をゲート部から離れ部位まで素早く充填することができるようになる。
【0062】
また、本願の第2の発明によれば、基本的には上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。特に、上記内部通路が、上記各半割り体の壁部で閉断面状に形成されている場合について、内部通路がゲート部から溶融樹脂(二次樹脂)の流れ方向において離れるにつれて、通路壁部との接触面積が大きくなるように設定されているので、ゲート部から離れるにつれて二次樹脂による接合力を高めることができ、より効果的に上記半割り体どうしの接合強度を確保することができる。
【0063】
更に、本願の第3の発明によれば、上記内部通路にゲート部が複数設けられている場合について、上記内部通路は、各ゲート部から充填された溶融樹脂(二次樹脂)どうしが出会う部位(ウエルド部位)では、他の部位よりも通過断面積が大きく設定されているので、上記ウエルド部位での二次樹脂の充填量が多くなり、該部位での二次樹脂の接合性の低下を補って半割り体どうしの接合強度を確保することができる。すなわち、上記半割り体どうしの接合強度を、部分的なバラツキなく十分に確保することが可能になる。
【0064】
また、更に、本願の第4の発明によれば、基本的には上記第3の発明と同様の効果を奏することができる。特に、上記内部通路が、上記各半割り体の壁部で閉断面状に形成されている場合について、各ゲート部から充填された溶融樹脂(二次樹脂)どうしが出会う部位(ウエルド部位)では、他の部位よりも通路壁部との接触面積が大きく設定されているので、上記ウエルド部位における二次樹脂による接合力を高めることができ、より効果的に上記半割り体どうしの接合強度を確保することができる。
【0065】
また、更に、本願の第5の発明によれば、上記内部通路は、溶融樹脂(二次樹脂)の流れ方向の急変部位では、他の部位よりも通過断面積が大きく設定されているので、上記流れ方向急変部位での二次樹脂の充填量が多くなり、該部位での内部応力の存在に伴う接合強度の低下を補って半割り体どうしの接合強度を確保することができる。すなわち、上記半割り体どうしの接合強度を、部分的なバラツキなく十分に確保することが可能になる。
【0066】
また、更に、本願の第6の発明によれば、基本的には上記第5の発明と同様の効果を奏することができる。特に、上記内部通路が、上記各半割り体の壁部で閉断面状に形成されている場合について、溶融樹脂の流れ方向の急変部位では、他の部位よりも通路壁部との接触面積が大きく設定されているので、上記流れ方向急変部位における上記半割り体どうしの接合強度をより効果的に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る成形型の型締め状態を示す、図7におけるA−C線に沿った縦断面説明図である。
【図2】上記成形型の型開き状態を示す、図1と同様の縦断面説明図である。
【図3】上記成形型のスライド型駆動状態を示す、図1と同様の縦断面説明図である。
【図4】上記成形型のエジェクタ機構駆動状態を示す、図1と同様の縦断面説明図である。
【図5】上記成形型の型締め状態を示す、図7におけるB−B線に沿った縦断面説明図である。
【図6】上記成形型の固定型のロータの正面説明図である。
【図7】上記成形型の可動型の正面説明図である。
【図8】上記可動型の樹脂通路の切換状態を説明するための正面説明図である。
【図9】上記可動型の樹脂通路の切換状態を説明するための正面説明図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る成形品の平面説明図である。
【図11】上記成形品の正面説明図である。
【図12】上記成形品の側面説明図である。
【図13】上記成形品の図11におけるD−D線に沿った縦断面説明図である。
【図14】上記成形品の内部通路の配置構造を模式的に示す平面説明図である。
【図15】上記成形品の内部通路の配置構造を模式的に示す正面説明図である。
【図16】上記成形品の図13におけるF部拡大説明図である。
【図17】上記成形品の図13におけるG部拡大説明図である。
【図18】上記成形品の図10におけるH−H線に沿った縦断面説明図である。
【図19】上記成形品の図10におけるJ−J線に沿った縦断面説明図である。
【図20】本発明の他の実施の形態に係る内部通路の構造を示す部分縦断面説明図である。
【図21】本発明の更に他の実施の形態に係る内部通路の構造を示す部分縦断面説明図である。
【符号の説明】
GP…内部通路のゲート部
W…インテークマニホールド(樹脂製多岐管)
WL…下側半割り体
WP…内部通路
WU…上側半割り体
Claims (6)
- 一対の樹脂製の半割り体どうしを衝合させるとともに、この衝合部の周縁に沿って形成された内部通路内に溶融樹脂を充填することにより、上記半割り体どうしを接合して得られる樹脂製多岐管であって、
上記内部通路は、該通路のゲート部から溶融樹脂の流れ方向において離れるにつれて、通過断面積が大きくなるように設定されていることを特徴とする樹脂製多岐管。 - 上記内部通路は、上記各半割り体の壁部で閉断面状に形成され、かつ、内部通路のゲート部から溶融樹脂の流れ方向において離れるにつれて、通路壁部との接触面積が大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1記載の樹脂製多岐管。
- 一対の樹脂製の半割り体どうしを衝合させるとともに、この衝合部の周縁に沿って形成された内部通路内に溶融樹脂を充填することにより、上記半割り体どうしを接合して得られる樹脂製多岐管であって、
上記内部通路にはゲート部が複数設けられており、上記内部通路は、各ゲート部から充填された溶融樹脂どうしが出会う部位では、他の部位よりも通過断面積が大きく設定されていることを特徴とする樹脂製多岐管。 - 上記内部通路は、上記各半割り体の壁部で閉断面状に形成され、かつ、各ゲート部から充填された溶融樹脂どうしが出会う部位では、他の部位よりも通路壁部との接触面積が大きく設定されていることを特徴とする請求項3記載の樹脂製多岐管。
- 一対の樹脂製の半割り体どうしを衝合させるとともに、この衝合部の周縁に沿って形成された内部通路内に溶融樹脂を充填することにより、上記半割り体どうしを接合して得られる樹脂製多岐管であって、
上記内部通路は、溶融樹脂の流れ方向の急変部位では、他の部位よりも通過断面積が大きく設定されていることを特徴とする樹脂製多岐管。 - 上記内部通路は、上記各半割り体の壁部で閉断面状に形成され、かつ、溶融樹脂の流れ方向の急変部位では、他の部位よりも通路壁部との接触面積が大きく設定されていることを特徴とする請求項5記載の樹脂製多岐管。
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