JP3561088B2 - ゴム含有樹脂組成物を用いてなるスチレン系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定のゴム含有樹脂組成物を用いてなるスチレン系樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、雑貨類はもとより、自動車のピラー、インストルメントパネルなどの自動車内装材、電子ジャー炊飯器、電子レンジなどの家電製品のハウジング、電話機、ファクシミリなどのOA機器などのハウジングなどに好適に使用しうる、特定のゴム含有樹脂組成物を用いてなるスチレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゴム変性スチレン系樹脂の耐衝撃性などの機械的性質、表面外観性などの物性を向上させるために、マトリックスのスチレン系樹脂にグラフト共重合体(ゴムにモノマーをグラフトさせた共重合体)を主成分とするゴム高含有ABS樹脂をラテックスやスラリーの状態で混合する方法が検討されており、かかる方法によれば、グラフト共重合体をスチレン系樹脂に均一に分散させることができる。
【0003】
また、近年、ゴム変性スチレン系樹脂の生産性、多種グレード制御の利便性、熱安定性などの点から、マトリックスとなるスチレン系樹脂のペレットやビーズに前記ゴム高含有ABS樹脂パウダーを配合し、所望のゴム変性スチレン系樹脂を製造する方法が検討されている。
【0004】
しかしながら、前記方法において、ゴム含量が40〜80重量%程度のゴム高含有ABS樹脂パウダーを用いたばあいには、前記ゴム高含有ABS樹脂パウダーとスチレン系樹脂とを溶融混合する際には、前記グラフト共重合体を均一に分散させるために、高温で混練する必要があるため、えられるゴム変性スチレン系樹脂が耐衝撃性、表面外観性、熱安定性などに劣ったものとなるという欠点がある。
【0005】
かかる欠点を解消する方法として、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレンなどのポリマーを配合することにより、前記ゴム高含有ABS樹脂パウダーの分散性を向上させ、混練時の温度を低下させることが考えられている(特開昭57−5755号公報)。
【0006】
しかしながら、前記方法を採用したばあいには、えられるゴム変性スチレン系樹脂の耐衝撃性や耐熱性が低くなるという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、耐衝撃性、引張強度、引張伸び、耐熱性、成形加工性および表面外観性、なかでもとくに耐衝撃性および表面外観性にすぐれた成形品を与えるスチレン系樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびクロトン酸から選ばれた少なくとも1種の不飽和酸(c)5〜50重量%、
炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(d)50〜95重量%ならびに
前記不飽和酸(c)および前記アルキル(メタ)アクリレート(d)と共重合可能な単量体0〜40重量%
を重合させてえられた酸基含有ラテックス(C)を用いて未肥大ジエン系ゴムを肥大化させてえられた、体積平均粒径100〜1000nmのジエン系ゴム(Ad)に、シアン化ビニル単量体15〜60モル%、芳香族ビニル単量体40〜85モル%およびこれらの単量体と共重合可能な単量体0〜30モル%からなるグラフト成分(Ag)が乳化重合法によってグラフト共重合されてなり、グラフト化率10〜80重量%を有するグラフト共重合体(A)と、
(B)シアン化ビニル単量体15〜60モル%、芳香族ビニル単量体40〜85モル%およびこれらの単量体と共重合可能な単量体0〜30モル%からなる共重合成分を乳化重合させてなり、重量平均分子量(Mw)5000〜90000および重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)の値1.5〜4.5を有する共重合体(B)とからなり、
前記グラフト共重合体(A)と前記共重合体(B)との重量比(グラフト共重合体(A)/共重合体(B))が50/50〜95/5であるゴム含有樹脂組成物ならびに
スチレン系樹脂
からなるスチレン系樹脂組成物
に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に使用するゴム含有樹脂組成物は、前記したように(A)アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびクロトン酸から選ばれた少なくとも1種の不飽和酸(c)5〜50重量%、
炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(d)50〜95重量%ならびに
前記不飽和酸(c)および前記アルキル(メタ)アクリレート(d)と共重合可能な単量体0〜40重量%
を重合させてえられた酸基含有ラテックス(C)を用いて未肥大ジエン系ゴムを肥大化させてえられた、体積平均粒径100〜1000nmのジエン系ゴム(Ad)に、シアン化ビニル単量体15〜60モル%、芳香族ビニル単量体40〜85モル%およびこれらの単量体と共重合可能な単量体0〜30モル%からなるグラフト成分(Ag)が乳化重合法によってグラフト共重合されてなり、グラフト化率10〜80重量%を有するグラフト共重合体(A)と、
(B)シアン化ビニル単量体15〜60モル%、芳香族ビニル単量体40〜85モル%およびこれらの単量体と共重合可能な単量体0〜30モル%からなる共重合成分を乳化重合させてなり、重量平均分子量(Mw)5000〜90000および重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)の値1.5〜4.5を有する共重合体(B)とからなり、
前記グラフト共重合体(A)と前記共重合体(B)との重量比(グラフト共重合体(A)/共重合体(B))が50/50〜95/5であるゴム含有樹脂組成物である。
【0010】
まず、本発明に用いられるグラフト共重合体(A)は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびクロトン酸から選ばれた少なくとも1種の不飽和酸(c)5〜50重量%、
炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(d)50〜95重量%ならびに
前記不飽和酸(c)および前記アルキル(メタ)アクリレート(d)と共重合可能な単量体0〜40重量%
を重合させてえられた酸基含有ラテックス(C)を用いて未肥大ジエン系ゴムを肥大化させてえられた、体積平均粒径100〜1000nmのジエン系ゴム(Ad)に、シアン化ビニル単量体15〜60モル%、芳香族ビニル単量体40〜85モル%およびこれらの単量体と単量体可能な単量体0〜30モル%からなるグラフト成分(Ag)が乳化重合法によってグラフト共重合されたグラフト化率10〜80重量%の共重合体である。
【0011】
前記ジエン系ゴム(Ad)は、えられるゴム含有樹脂組成物に、耐衝撃性を付与するために用いられる。
【0012】
前記ジエン系ゴム(Ad)の具体例としては、たとえばブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリル酸エステルゴムなどがあげられる。これらのなかでは、耐衝撃性の点からブタジエンゴムが好ましい。
【0013】
前記ジエン系ゴム(Ad)は、
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびクロトン酸から選ばれた少なくとも1種の不飽和酸(c)5〜50重量%、
炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(d)50〜95重量%ならびに
前記不飽和酸(c)および前記アルキル(メタ)アクリレート(d)と共重合可能な単量体0〜40重量%
を重合させてえられた酸基含有ラテックス(C)を用いて未肥大ジエン系ゴムを肥大化させてなるジエン系ゴムであることが、耐衝撃性の点から好ましい。
【0014】
前記未肥大ジエン系ゴムとしては、たとえば肥大化されていない前記ジエン系ゴムがあげられる。
【0015】
前記未肥大ジエン系ゴムを肥大化させるために用いられる酸基含有ラテックス(C)を構成している不飽和酸(c)としては、前記したように、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびクロトン酸から選ばれた少なくとも1種が用いられるが、これらのなかでは、とくにメタクリル酸が肥大特性および耐衝撃性の向上の点から好ましい。なお、前記肥大特性とは、肥大時の粒径調整の容易性および肥大時の凝塊物量を示す。
【0016】
前記酸基含有ラテックス(C)の構成成分中における不飽和酸(c)の量は、肥大特性、とくに肥大時の粒経調整の容易性の向上の点から5重量%以上、好ましくは7重量%以上とされることが望ましく、また肥大特性の向上、とくに肥大時の凝塊物量の点から50重量%以下、好ましくは40重量%以下とされることが望ましい。
【0017】
前記酸基含有ラテックス(C)を構成している炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(d)としては、たとえばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどがあげられる。
【0018】
前記酸基含有ラテックス(C)の構成成分における前記アルキル(メタ)アクリレート(d)の量は、肥大特性の向上の点から50重量%以上、好ましくは60重量%以上とされることが望ましく、また同じく肥大特性の向上の点から95重量%以下、好ましくは93重量%以下とされることが望ましい。
【0019】
また、前記不飽和酸(c)および前記アルキル(メタ)アクリレート(d)と共重合可能な単量体としては、たとえばスチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル単量体;ジビニルベンゼン、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレートなどの分子中に2以上の重合性の官能基を有する単量体などがあげられる。
【0020】
前記不飽和酸(c)および前記アルキル(メタ)アクリレート(d)と共重合可能な単量体の量は、肥大特性の向上の点から40重量%以下、好ましくは20重量%以下とされることが望ましい。
【0021】
また、前記未肥大ジエン系ゴムを酸基含有ラテックス(C)を用いて肥大化させたジエン系ゴムとして、衝撃強度の向上の点から、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびクロトン酸から選ばれた少なくとも1種の不飽和酸(c)5〜25重量%、
炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキルアクリレート(d−1)5〜30重量%、
炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(e)20〜90重量%ならびに
前記不飽和酸(c)、前記アルキルアクリレート(d−1)および前記アルキルメタクリレート(e)と共重合可能な芳香族ビニル単量体、分子中に2以上の重合性の官能基を有する単量体およびシアン化ビニル単量体から選ばれた単量体0〜40重量%
を重合させてえられた酸基含有ラテックス(C)を用いて未肥大ジエン系ゴムを肥大化させてなるジエン系ゴムは、本発明において好適に使用しうるものである。
【0022】
前記未肥大ジエン系ゴムとしては、たとえば肥大化されていない前記ジエン系ゴムがあげられる。
【0023】
前記未肥大ジエン系ゴムを肥大化させるために用いられる酸基含有ラテックス(C)を構成している不飽和酸(c)としては、前記したように、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびクロトン酸から選ばれた少なくとも1種が用いられるが、これらのなかでは、とくにメタクリル酸が肥大特性および耐衝撃性の向上の点から好ましい。
【0024】
前記酸基含有ラテックス(C)の構成成分中における不飽和酸(c)の量は、肥大特性の向上の点から5重量%以上、好ましくは7重量%以上とされることが望ましく、また同じく肥大特性の向上の点から25重量%以下、好ましくは23重量%以下とされることが望ましい。
【0025】
前記酸基含有ラテックス(C)を構成している炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキルアクリレート(d)としては、たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどがあげられる。
【0026】
前記酸基含有ラテックス(C)の構成成分中におけるアルキルアクリレート(d−1)の量は、肥大特性、とくに肥大時の粒径調整の容易性の向上の点から5重量%以上、好ましくは8重量%以上とされることが望ましく、また肥大特性の向上、とくに肥大時の凝塊物量の点から30重量%以下、好ましくは28重量%以下とされることが望ましい。
【0027】
前記炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(e)としては、たとえばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどがあげられる。
【0028】
前記酸基含有ラテックス(C)の構成成分中におけるアルキルメタクリレート(e)の量は、肥大特性の向上の点から20重量%以上、好ましくは45重量%以上とされることが望ましく、また同じく肥大特性の向上の点から90重量%以下、好ましくは85重量%以下とされることが望ましい。
【0029】
前記不飽和酸(c)、前記アルキルアクリレート(d−1)および前記アルキルメタクリレート(e)と共重合可能な芳香族ビニル単量体、分子中に2以上の重合性の官能基を有する単量体およびシアン化ビニルから選ばれた単量体が、前記したように、前記酸基含有ラテックス(C)の構成成分として用いられる。
【0030】
前記芳香族ビニル単量体としては、たとえばスチレン、α−メチルスチレンなどがあげられ、これらの芳香族ビニル単量体は、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0031】
前記分子中に2以上の重合性の官能基を有する単量体としては、たとえばジビニルベンゼン、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレートなどがあげられ、これらの単量体は、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0032】
また、前記シアン化ビニル単量体としては、たとえばアクリロニトリル、メタクリロニトリルなどがあげられ、かかるシアン化ビニル単量体は、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0033】
前記不飽和酸(c)は、前記アルキルアクリレート(d)および前記アルキルメタクリレート(e)と共重合可能な芳香族ビニル単量体、分子中に2以上の重合性の官能基を有する単量体およびシアン化ビニル単量体から選ばれた単量体の前記酸基含有ラテックス(C)の構成成分における量は、肥大特性の向上の点から40重量%以下、好ましくは20重量%以下とされることが望ましい。
【0034】
なお、前記酸基含有ラテックス(C)を用いて前記未肥大ジエン系ゴムを肥大化させる際には、前記未肥大ジエン系ゴムとしては、未肥大ジエン系ゴムラテックスを用いることが好ましい。
【0035】
前記酸基含有ラテックス(C)の使用量(固形分量)は、前記未肥大ジエン系ゴム(固形分量)100重量部に対して0.1〜15重量部であることが、耐衝撃性および製造安定性の点から好ましい。
【0036】
前記酸基含有ラテックス(C)を用いて前記未肥大ジエン系ゴムを肥大化させる方法(凝集肥大法)としては、たとえば前記未肥大ジエン系ゴムラテックスと、前記酸基含有ラテックス(C)とを所定量で混合したのち、40〜80℃程度で1時間程度以上撹拌することにより、えられるジエン系ゴム(Ad)を所定の体積平均粒子径に肥大化させる方法などがあげられる。
【0037】
前記ジエン系ゴム(Ad)の体積平均粒径は、耐衝撃性を充分に付与するために、100nm以上、好ましくは200nm以上、さらに好ましくは250nm以上とされ、また充分な光沢を付与し、かつ充分な耐衝撃性を付与するために、1000nm以下、好ましくは900nm以下、さらに好ましくは800nm以下とされる。
【0038】
なお、本明細書にいう体積平均粒径とは、ラテックス粒径測定用光学機器(粒径測定機)によってゴムラテックス粒径を測定した値、または固体状態としたゴムを電子顕微鏡で観察し、画像解析処理を行なうことによって測定した値をいう。
【0039】
本発明に用いられるグラフト共重合体(A)は、前記ジエン系ゴム(Ad)に、グラフト成分(Ag)を乳化重合法によってグラフト共重合させた共重合体である。
【0040】
前記グラフト成分(Ag)は、シアン化ビニル単量体15〜60モル%、芳香族ビニル単量体40〜85モル%およびこれらの単量体と共重合可能な単量体0〜30モル%からなる。
【0041】
前記シアン化ビニル単量体としては、たとえばアクリロニトリル、メタクリロニトリルなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いられる。なお、これらのなかでは、工業的見地からアクリロニトリルが好ましい。
【0042】
前記シアン化ビニル単量体のグラフト成分(Ag)中における量は、耐熱性を向上させるために15モル%以上、好ましくは20モル%以上とされ、また加工性を向上させるために60モル%以下、好ましくは55モル%以下とされる。
【0043】
前記芳香族ビニル単量体としては、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ビニルナフタレンなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いられる。なお、これらのなかでは、工業的見地からスチレンが好ましい。
【0044】
前記芳香族ビニル単量体のグラフト成分(Ag)中における量は、加工性を向上させるために40モル%以上、好ましくは45モル%以上とされ、また耐熱性を向上させるために85モル%以下、好ましくは80モル%以下とされる。
【0045】
前記シアン化ビニル単量体および前記芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体としては、たとえば(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどの(メタ)アクリル酸エステル;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(p−メチルフェニル)マレイミドなどマレイミド系単量体などがあげられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0046】
前記共重合可能な単量体のグラフト成分(Ag)中における量は、耐衝撃性を向上させるために30モル%以下、好ましくは20モル%以下とされる。
【0047】
前記ジエン系ゴム(Ad)に前記グラフト成分(Ag)をグラフト共重合させる方法は、乳化重合法であればよく、かかる乳化重合法にはとくに制限がない。
【0048】
かくしてえられるグラフト共重合体(A)のグラフト化率は、式:
【0049】
【数1】
【0050】
によって求められる。
【0051】
前記グラフト共重合体(A)のグラフト化率は、耐衝撃性の向上の点から10重量%以上、好ましくは15重量%以上、さらに好ましくは17重量%以上であり、また表面外観性および加工性の向上の点から80重量%以下、好ましくは75重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下である。
【0052】
なお、前記グラフト共重合体(A)を調製する際には、グラフト成分(Ag)の全量がジエン系ゴム(Ad)にグラフト共重合するのではなく、グラフト成分(Ag)からなる共重合体(Bg)が副生することがある。このように共重合体(Bg)が副生したばあいには、該共重合体(Bg)は、共重合体(B)として用いられる。
【0053】
前記グラフト共重合体(A)と前記共重合体(B)との重量比(グラフト共重合体(A)/共重合体(B))は、充分な耐衝撃性を付与するために、50/50以上、好ましくは55/45以上、さらに好ましくは60/40以上とされ、また表面外観性の点から、95/5以下、好ましくは90/10以下、さらに好ましくは85/15以下とされる。
【0054】
したがって、前記グラフト共重合体(A)を調製する際にグラフト成分(Ag)を多量に仕込み、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤、重合温度、水量、モノマー添加法などの重合条件を制御して、共重合体(Bg)が充分に副生し、前記重量比が満足されるばあいには、前記共重合体(Bg)とは別に、共重合体(Bf)を調製して用いなくてもよい。副生する共重合体(Bg)が少量であるばあいなどのように、前記重量比が満足されないとき、あるいは前記グラフト共重合体(A)に対する共重合体(B)の割合を高めるときには、前記共重合体(Bf)を前記共重合体(Bg)とは別に調製して共重合体(Bg)と併用してもよい。
【0055】
したがって、本発明においては、前記共重合体(B)は、共重合体(Bg)および/または共重合体(Bf)で構成される。
【0056】
前記共重合体(Bf)を用いるばあい、該共重合体(Bf)は、シアン化ビニル単量体15〜60モル%、芳香族ビニル単量体40〜85モル%およびこれらの単量体と共重合可能な単量体0〜30モル%からなる共重合成分を乳化重合させることにより、うることができる。
【0057】
前記共重合成分を構成しているシアン化ビニル単量体、芳香族ビニル単量体およびこれらの単量体と共重合可能な単量体の種類およびその量は、前記グラフト成分(Ag)における理由と同じ理由で、前記グラフト成分(Ag)と同様であればよい。
【0058】
前記共重合体(B)は、前記したように、共重合体(Bg)および/または共重合体(Bf)からなり、前記共重合体(Bg)と前記共重合体(Bf)とを併用するばあいには、本発明においては、分子量は両者の平均値をいう。
【0059】
前記共重合体(B)の分子量は、耐衝撃性および表面外観性の点から重要である。
【0060】
前記共重合体(B)の重量平均分子量(Mw)(ポリスチレン換算、以下同様)は、耐衝撃性の点から5000以上、好ましくは10000以上、さらに好ましくは15000以上とされ、また表面外観性の点から90000以下、好ましくは85000以下、さらに好ましくは80000以下とされる。
【0061】
また、前記共重合体(B)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)の値は、加工性を向上させるために、1.5以上、好ましくは1.8以上、さらに好ましくは2.0以上とされ、また耐衝撃性の点から、4.5以下、好ましくは4.2以下、さらに好ましくは4.0以下とされる。
【0062】
前記グラフト共重合体(A)および共重合体(B)は、いずれも乳化重合法で製造することが必要である。塊状重合法、懸濁重合法および溶液重合法では、ジエン系ゴムの含有率を高めるばあい、グラフト共重合体(A)のグラフト化率および共重合体(B)の分子量を所定の範囲内に制御することが困難となる。
【0063】
グラフト共重合体(A)および共重合体(B)を調製するときに用いられる重合開始剤として、たとえば過硫酸カリウムなどの熱分解型重合開始剤、Fe−還元剤−有機パーオキサイドなどのレドックス系重合開始剤などの公知の重合開始剤を用いることができる。
【0064】
また、連鎖移動剤として、たとえばt−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー、テルピノレンなどの連鎖移動剤をグラフト化率を制御しうる範囲内で用いることができる。
【0065】
また乳化剤として、たとえばロジン酸カリウム、ロジン酸ソーダなどのロジン酸金属塩、パルミチン酸ソーダ、オレイン酸ソーダなどの高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、パルミチルスルホン酸ソーダ、ジオクチルスルホコハク酸ソーダなどのスルホン酸ソーダなどを用いることができる。
【0066】
前記グラフト共重合体(A)を調製する際には、ジエン系ゴム(Ad)に、グラフト成分(Ag)を一括して仕込むかまたは連続的に添加して仕込み、ラジカルを発生させてグラフト共重合を行なえばよい。
【0067】
また、前記共重合体(B)を調製する際には、前記共重合成分を一括して仕込むかまたは連続的に添加して仕込み、ラジカルを発生させて共重合を行なえばよい。
【0068】
前記グラフト共重合体(A)のグラフト化率および共重合体(B)の分子量を正確に制御するためには、グラフト共重合体(A)および共重合体(B)をそれぞれ別々に調製したのちに、ブレンドすることが好ましい。
【0069】
グラフト共重合体(A)と共重合体(B)とのラテックスから、本発明のゴム含有樹脂組成物を粉末として回収するばあいには、通常の方法、たとえばこのラテックスに、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、酢酸などの有機酸を添加し、ラテックスを凝固させたのち、熱処理したり、脱水乾燥する方法、スプレー乾燥する方法などを採用することができる。
【0070】
このとき、前記粉末の劣化、流動性、保存性などの制御およびゴム変性スチレン系樹脂組成物の特性を発揮させるために、所望の安定剤、滑剤などを配合することもできる。
【0071】
前記安定剤としては、たとえばゴム変性スチレン系樹脂組成物に通常用いられているヒンダードフェノール系安定剤、イオウ系安定剤、リン系安定剤などがあげられる。
【0072】
前記滑剤としては、たとえば高級脂肪酸ビスアミド、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル、高級脂肪酸と多価アルコールとのエステル、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸、高級アルコール、オレフィンワックスなどがあげられる。
【0073】
前記安定剤および滑剤は、そのまま添加しても構わないが、その添加によって発現される効果をより一層高めるために、微分散させた形態、たとえば乳化ないしはスラリー状態でゴム含有樹脂組成物のラテックスまたはスラリーに混合することが好ましい。
【0074】
本発明のスチレン系樹脂組成物は、前記ゴム含有樹脂組成物とスチレン系樹脂とで構成される。
【0075】
前記スチレン系樹脂としては、たとえばポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル−α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−フェニルマレイミド共重合体、アクリロニトリル−スチレン−α−メチルスチレン−フェニルマレイミド共重合体、スチレン−フェニルマレイミド共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合体などのスチレン系共重合体;ポリカーボネート/アクリロニトリル−スチレン共重合体アロイ、ポリカーボネート/アクリロニトリル−α−メチルスチレン−スチレン共重合体アロイ、ポリアミド/アクリロニトリル−スチレン共重合体アロイ、ポリアミド/アクリロニトリル−α−メチルスチレン−スチレン共重合体アロイ、ポリ塩化ビニル/アクリロニトリル−スチレン共重合体アロイ、ポリ塩化ビニル/アクリロニトリル−α−メチルスチレン−スチレン系共重合体アロイなどのスチレン系樹脂アロイなどがあげられる。
【0076】
前記ゴム含有樹脂組成物の使用量は、スチレン系樹脂100重量部に対して、耐衝撃性を向上させるために、5重量部以上、なかんづく10重量部以上とすることが好ましく、また加工性が低下しないようにするために、60重量部以下、なかんづく50重量部以下であることが好ましい。
【0077】
前記スチレン系樹脂組成物を製造するには、前記ゴム含有樹脂組成物および前記スチレン系樹脂をたとえばニーダーなどを用いて溶融混練すればよい。
【0078】
なお、本発明においては、前記スチレン系樹脂組成物には、必要により、たとえば着色剤、充填剤などの通常の添加剤を適宜混合することができる。
【0079】
前記スチレン系樹脂組成物は、たとえば射出成形法、押出成形法、圧縮成形法などの通常の成形法により、所定形状に成形することができ、えられた成形品は、耐衝撃性および表面外観性にすぐれたものであるから、たとえば雑貨類、自動車用内装材、家電製品やOA機器などのハウジングなどに好適に用いられる。
【0080】
【実施例】
つぎに、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0081】
調製例1(ジエン系ゴム(Ad)の調製)
第一段階として、未肥大ジエン系ゴムをつぎのようにして調製した。
【0082】
100リットル容の重合機に純水34500g、過硫酸カリウム30gおよびt−ドデシルメルカプタン30gを仕込んだ。
【0083】
つぎに重合機内の空気を真空ポンプで100mmHg以下になるまで除いたのち、オレイン酸ナトリウム75g、ロジン酸ナトリウム300gおよびブタジエン15000gを仕込み、系の温度を60℃にまで昇温し、重合を開始させた。重合は、25時間で終了し、そのときの重合転化率は96重量%であった。
【0084】
えられた未肥大ジエン系ゴムラテックス中の未肥大ジエン系ゴム粒子の体積平均粒径は85nmであった。
【0085】
なお、本明細書において、重合転化率は、ガスクロマトグラフィによって求め、また体積平均粒径は、パシフィックサイエンス社製のナイコンプ粒径測定機(品番:370)を用いて測定した。
【0086】
つぎに、第二段階として、えられた未肥大ジエン系ゴムからジエン系ゴム(Ad)を凝集肥大化させるために必要な酸基含有ラテックス(C)をつぎのようにして製造した。
【0087】
撹拌機、還流冷却器、チッ素ガス導入口、モノマー導入口および温度計が設置された8リットル容の反応器内に、純水4000g、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム12g、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート10g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.2gおよび硫酸第一鉄0.05gを仕込んだ。
【0088】
反応器内を撹拌しながらチッ素ガス気流下で70℃にまで昇温させたのち、メタクリル酸ブチル500g、アクリル酸ブチル100g、t−ドデシルメルカプタン2gおよびクメンハイドロパーオキサイド3gの単量体混合物を2時間かけて滴下させ、さらにメタクリル酸ブチル1000g、アクリル酸ブチル80g、メタクリル酸320g、t−ドデシルメルカプタン10gおよびクメンハイドロパーオキサイド3gを4時間かけて滴下させた。滴下終了後、70℃で1時間撹拌を続け、重合を終了し、酸基含有ラテックス(C)をえた。その重合転化率は99重量%であった。
【0089】
つぎに、第三段階として、前記未肥大ジエン系ゴムラテックス2000g(固形分量)に前記酸基含有ラテックス(C)70g(固形分量)を60℃で添加したのち、撹拌を1時間続けて前記未肥大化ジエン系ゴムを肥大化させ、ジエン系ゴム(Ad−I)をえた。
【0090】
えられたジエン系ゴム(Ad−I)に含まれた粒子の体積平均粒径は、450nmであった。
【0091】
調製例2(ジエン系ゴム(Ad)の調製)
調製例1でえられた未肥大ジエン系ゴムラテックス2000g(固形分量)に調製例1でえられた酸基含有ラテックス(C)40g(固形分量)を60℃で添加したのち、撹拌を1時間続けて前記未肥大ジエン系ゴムを肥大化させ、ジエン系ゴム(Ad−II)をえた。ジエン系ゴム(Ad−II)に含まれた粒子の体積平均粒径は、620nmであった。
【0092】
製造例1(グラフト共重合体(A)の製造)
撹拌機、還流冷却器、チッ素ガス導入口、モノマー導入口および温度計が設置された8リットル容の反応器内に、表1に示すように、純水5600g、ジエン系ゴム(Ad−I)(固形分量)1500g、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート6g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩2gおよび硫酸第一鉄0.05gを仕込んだ。
【0093】
反応器内を撹拌しながらチッ素ガス気流下で60℃にまで昇温させたのち、アクリロニトリル126g、スチレン374gおよびクメンハイドロパーオキサイド4gの混合物を連続的に5時間で滴下させた。
【0094】
滴下終了後、60℃で2時間撹拌を続け、重合を終了し、グラフト共重合体(A−I)のラテックスをえた。
【0095】
えられたグラフト共重合体(A−I)の重合転化率およびグラフト化率を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0096】
(重合転化率)
えられたグラフト共重合体(A)の重合転化率は、ガスクロマトグラフィーにより求めた。
【0097】
(グラフト化率)
グラフト共重合体(A)のパウダー1gをメチルエチルケトン100mlに溶解させたのち、えられた溶液を遠心分離機でメチルエチルケトンの可溶分(共重合体(Bg))とその不溶分(グラフト共重合体(A))とに分離した。
【0098】
つぎに、メチルエチルケトンの可溶分にメタノールを添加し、共重合体(Bg)を沈殿させて取り出した。
【0099】
つぎに、不溶分(グラフト共重合体(A))量、共重合体(Bg)量および前記グラフト化率にもとづいて、前記式にしたがってグラフト化率を求めた。
【0100】
なお、製造例1で副生した共重合体(Bg)を以下、共重合体(Bg−I)という。
【0101】
また、グラフト化率を求める際に分離されたグラフト共重合体(A−I)と共重合体(Bg−I)との重量比[(グラフト共重合体(A−I)/共重合体(Bg−I)]を調べたところ、表1に示すように、94/6であった。
【0102】
つぎに、えられたグラフト共重合体(A)にグラフトしているグラフト成分(Ag)の組成をCHN分析により求めた。その結果を表1に示す。
【0103】
製造例2〜5(グラフト共重合体(A−II)〜(A−V)の製造)
製造例1において、ジエン系ゴム(Ad)およびグラフト成分(Ag)の仕込み量を表1に示すように変更したほかは、製造例1と同様にしてグラフト共重合体(A)のラテックスをえた。
【0104】
グラフト共重合体(A)を製造する際の重合転化率、グラフト共重合体(A)/共重合体(Bg)の重量比、ならびにグラフト共重合体(A)のグラフト化率およびそのグラフトしているグラフト成分(Ag)の組成を製造例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0105】
なお、製造例2、3、4および5で副生した共重合体(Bg)を以下、それぞれ順に共重合体(Bg−II)、(Bg−III)、(Bg−IV)および(Bg−V)という。
【0106】
製造例6(グラフト共重合体(A−VI)の製造)
製造例1において、ジエン系ゴム(Ad−I)1500gのかわりにジエン系ゴム(日本ゼオン(株)製、Nipol 111NF、体積平均粒径350nm)1760gを用い、グラフト成分(Ag)の仕込み量を表1に示すように変更したほかは、製造例1と同様にしてグラフト共重合体(A)のラテックスをえた。
【0107】
グラフト共重合体(A)を製造する際の重合転化率、グラフト共重合体(A)/共重合体(Bg)の重量比、ならびにグラフト共重合体(A)のグラフト化率およびそのグラフトしているグラフト成分(Ag)の組成を製造例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0108】
【表1】
【0109】
製造例7(共重合体(Bf)の製造)
撹拌機、還流冷却器、チッ素ガス導入口、モノマー導入口および温度計が設置された8リットル容の反応器内に、純水5000g、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム20g、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート10g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.2gおよび硫酸第一鉄0.05gを仕込んだ。
【0110】
反応器内を撹拌しながらチッ素ガス気流下で65℃にまで昇温させたのち、アクリロニトリル520g、スチレン1480g、t−ドデシルメルカプタン18gおよびクメンハイドロパーオキサイド4gの混合物を連続的に7時間で滴下させた。またジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを重合から1時間後に10g、3時間後に10g添加した。滴下終了後、65℃で1時間撹拌を続け、重合を終了し、共重合体(Bf−I)ラテックスをえた。
【0111】
つぎに、えられた(Bf−I)の重合転化率を製造例1と同様にして調べた。その結果を表2に示す。
【0112】
製造例8〜10(共重合体(Bf)の製造)
製造例7において、共重合体(Bf−I)に用いられる単量体の仕込み組成を表2に示すように変更したほかは、製造例7と同様にして、共重合体(Bf)ラテックスを製造した。えられた共重合体(Bf)の重合転化率を製造例1と同様にして調べた。その結果を表2に示す。
【0113】
【表2】
【0114】
製造例11〜17および比較製造例1〜3
製造例1〜6でえられたグラフト共重合体(A−I)〜(A−VI)のラテックスと、製造例7〜10でえられた共重合体(Bf−I)〜(Bf−IV)のラテックスとを表3に示す割合で混合したのち、ヒンダードフェノール系安定剤1重量部を分散液の状態で添加し、充分に撹拌混合したのち、塩酸0.5重量部を添加して凝固させた。
【0115】
えられた凝固スラリーを96℃で5分間蒸気吹込によって熱処理したのち、脱水乾燥させてゴム含有樹脂組成物をえた。
【0116】
えられたゴム含有樹脂組成物に含まれている共重合体(B)の組成、Mw(重量平均分子量)およびMw/Mn(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mnの比の値)を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表3に示す。
【0117】
(共重合体(B)の組成、ならびにMwおよびMw/Mn)
ゴム含有樹脂組成物のパウダー1gをメチルエチルケトン100mlに溶解させたのち、えられた溶液を遠心分離機でメチルエチルケトンの可溶分とその不溶分とに分離した。
【0118】
つぎに、メチルエチルケトンの可溶分にメタノールを添加し、共重合体(Bf)を沈殿させて取り出した。
【0119】
つぎに、えられた共重合体(Bf)のCHN分析を行ない、共重合体(B)の組成を特定した。
【0120】
また、えられた共重合体(Bf)をゲルパーミエイションクロマトグラフィーにより、MwおよびMw/Mnをポリスチレンを標準として求めた。
【0121】
【表3】
【0122】
実施例1〜8および比較例1〜4
製造例1〜7または比較製造例1〜3でえられたゴム含有樹脂組成物、スチレン系樹脂(組成:アクリロニトリル30モル%、スチレン70モル%、重量平均分子量:150000)およびエチレンビスステアリルアミドを表4に示す割合でブレンダー(田端機械工業(株)製201)に仕込み、室温で均一な組成となるように混合した。
【0123】
つぎに40m/mの一軸押出機(田端機械工業(株)製、40M/M VENT TYPE)にえられた混合物を入れて230℃で溶融混練したのち、押出してスチレン系樹脂組成物のペレット(2mmφ×5mm)をえた。
【0124】
また、えられたスチレン系樹脂組成物を射出成形機((株)ファナック製、FAS100B)に供給し、230℃に加熱したのち、テストピース(ASTM規格サイズ)を成形した。
【0125】
つぎに、えられたペレットまたはテストピースを用いて耐衝撃性、引張り強度、引張伸び、曲げ強度、耐熱性、表面外観性および流動性を調べた。
【0126】
(耐衝撃性)
テストピースのアイゾット衝撃強度をASTM D−256(ノッチ有、1/4インチ厚さ)に準じて23℃で測定した。
【0127】
(引張強度および引張伸び)
ASTM D638に準じて1号ダンベルを用いて23℃におけるテストピースの引張り強度および引張伸びを測定した。
【0128】
(曲げ強度および曲げ弾性率)
ASTM D790に準じて23℃でテストピースの曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。
【0129】
(耐熱性)
ASTM D648に準じて18.6kg/cm2荷重におけるテストピースの熱変形温度を測定した。
【0130】
(表面外観性)
前記一軸押出機を用いてペレットストランドを押出したときの該ペレットストランドを目視にて観察し、以下の評価基準にもとづいて評価した。
【0131】
(評価基準)
5:光沢あり、突起物(ブツ)なし
4:光沢あり、突起物(ブツ)若干あり
3:光沢あり、突起物(ブツ)ややあり
2:光沢あり、突起物(ブツ)多い
1:光沢が少なく、突起物(ブツ)が非常に多い
【0132】
(流動性)
(株)ファナック製FAS100B射出成形機に、えられたスチレン系樹脂組成物を供給し、シリンダー温度を230℃に設定し、射出圧力1350kg/cm2にて、3mm厚さのスパイラル形状の金型内における樹脂の流動長(単位:mm)を測定した。
【0133】
【表4】
【0134】
表4に示された結果から、実施例1〜8でえられたスチレン系樹脂組成物は、いずれも耐衝撃性、引張強度、引張伸び、曲げ強度、曲げ弾性率、耐熱性、表面外観性および流動性にすぐれ、なかでもとくに耐衝撃性および表面外観性にすぐれたものであることがわかる。
【0135】
実施例9〜13および比較例5〜9
実施例1において、ゴム含有樹脂組成物として製造例1または比較製造例3でえられたゴム含有樹脂組成物(E−I)または(C−III)を用い、またスチレン系樹脂として以下に示すものを用い、表5に示す割合で混合した。なお、実施例11および比較例7においては、安定剤としてジオクチルスズマレエート2重量部を混合したほかは、実施例1と同様にしてブレンダーに仕込み、均一な組成となるように混合した。
【0136】
つぎに、実施例1において、押出温度を実施例11および比較例7で180℃とし、また実施例9〜10、実施例12〜13、比較例5〜6および比較例8〜9で260℃としたほかは、実施例1と同様にしてスチレン系樹脂組成物のペレット(2mmφ×5mm)をえた。
【0137】
また、えられたスチレン系樹脂組成物を射出成形機((株)ファナック製、FAS100B)に供給し、シリンダー温度を実施例11および比較例7では190℃とし、また実施例9〜10、実施例12〜13、比較例5〜6および比較例8〜9では250℃として加熱し、テストピース(ASTM規格サイズ)を成形した。
【0138】
つぎに、えられたペレットまたはテストピースを用いて実施例1と同様にしてスチレン系樹脂組成物の物性を調べた。その結果を表5に示す。
【0139】
(スチレン系樹脂の種類)
STA:ペレット状アクリロニトリル−α−メチルスチレン共重合体(アクリロニトリル含量30モル%、α−メチルスチレン含量70モル%、Mw120000)
STB:ペレット状アクリロニトリル−N−フェニルマレイミド−スチレン共重合体(アクリロニトリル含量17モル%、N−フェニルマレイミド含量20モル%、スチレン含量63モル%、Mw120000)
STC:ペレット状アクリロニトリル−スチレン共重合体(アクリロニトリル含量30モル%、スチレン含量70モル%、Mw150000)37重量部とパウダー状ポリ塩化ビニル(重合度600)63重量部との混合物
STD:ペレット状アクリロニトリル−スチレン共重合体(アクリロニトリル含量30モル%、スチレン含量70モル%、Mw150000)37重量部とペレット状ポリカーボネート(ビスフェノールAタイプ、Mw23000)63重量部との混合物
STE:ペレット状アクリロニトリル−スチレン共重合体(アクリロニトリル含量30モル%、スチレン含量70モル%、Mw150000)37重量部とペレット状6−ナイロン63重量部との混合物
【0140】
【表5】
【0141】
表5に示された結果から、実施例9〜13では、種々のスチレン系樹脂が用いられているが、いずれのスチレン系樹脂組成物においても、耐衝撃性および表面外観性がすぐれており、引張強度、引張伸び、曲げ強度、曲げ弾性率、耐熱性および流動性も良好であることがわかる。
【0142】
【発明の効果】
本発明のゴム含有樹脂組成物が用いられたスチレン系樹脂組成物は、引張強度、引張伸び、耐熱性、成形加工性および表面外観性、なかでもとくに耐衝撃性および表面外観性にすぐれた成形品を与えるという効果を奏する。
Claims (5)
- (A)アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびクロトン酸から選ばれた少なくとも1種の不飽和酸(c)5〜50重量%、
炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(d)50〜95重量%ならびに
前記不飽和酸(c)および前記アルキル(メタ)アクリレート(d)と共重合可能な単量体0〜40重量%
を重合させてえられた酸基含有ラテックス(C)を用いて未肥大ジエン系ゴムを肥大化させてえられた、体積平均粒径100〜1000nmのジエン系ゴム(Ad)に、シアン化ビニル単量体15〜60モル%、芳香族ビニル単量体40〜85モル%およびこれらの単量体と共重合可能な単量体0〜30モル%からなるグラフト成分(Ag)が乳化重合法によってグラフト共重合されてなり、グラフト化率10〜80重量%を有するグラフト共重合体(A)と、
(B)シアン化ビニル単量体15〜60モル%、芳香族ビニル単量体40〜85モル%およびこれらの単量体と共重合可能な単量体0〜30モル%からなる共重合成分を乳化重合させてなり、重量平均分子量(Mw)5000〜90000および重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)の値1.5〜4.5を有する共重合体(B)とからなり、
前記グラフト共重合体(A)と前記共重合体(B)との重量比(グラフト共重合体(A)/共重合体(B))が50/50〜95/5であるゴム含有樹脂組成物
ならびに
スチレン系樹脂
からなるスチレン系樹脂組成物。 - 前記ジエン系ゴム(Ad)が
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびクロトン酸から選ばれた少なくとも1種の不飽和酸(c)5〜25重量%、
炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキルアクリレート(d−1)5〜30重量%、
炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(e)20〜90重量%ならびに
前記不飽和酸(c)、前記アルキルアクリレート(d−1)および前記アルキルメタクリレート(e)と共重合可能な芳香族ビニル単量体、分子中に2以上の重合性の官能基を有する単量体およびシアン化ビニル単量体から選ばれた単量体0〜40重量%
を重合させてえられた酸基含有ラテックス(C)を用いて未肥大ジエン系ゴムを肥大化させてなるジエン系ゴムである請求項1記載のスチレン系樹脂組成物。 - 共重合体(B)のMwが15000〜80000である請求項1または2記載のスチレン系樹脂組成物。
- 共重合体(B)のMw/Mnの値が1.8〜4.2である請求項1、2または3記載のスチレン系樹脂組成物。
- スチレン系樹脂100重量部に対して、ゴム含有樹脂組成物5〜60重量部使用する請求項1、2、3または4記載のスチレン系樹脂組成物。
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