JP3560068B2 - 音響データ処理装置および音源装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、符号や振幅を反転することにより、1つの信号データから複数種類の信号データを作成し、この信号データを用いて楽音データなどの音響データに対してフィルタ処理や変調処理などの種々の処理を施す音響データ処理装置および音源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
DSPなどの信号処理装置において、音響データに対してフィルタ処理や変調処理(モジュレーション)などの処理を施すためにはパラメータとなる信号データが必要である。たとえば、変調処理を行う場合には変調データとなる信号データが必要である。したがって、多様な処理を施すためにはそれに応じた種々の信号データが必要となる。このため、従来の装置では、信号データを発生する回路に種々の波形の信号データを発生する機能を持たせていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように信号データ発生回路に種々の波形の信号データを発生する機能を持たせると、回路が複雑・大型化し、さらに、コストの上昇を招く欠点があった。
【0004】
この発明は、発生したディジタルの信号データのビットを反転することによりその信号データの波形を変形し、これによって簡略な回路で種々の波形の信号データを得ることができる信号データ発生装置およびこれを用いて音響データに処理を施す音響データ処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、符号ビットおよび振幅ビットからなる効果信号データの符号ビットおよび振幅ビットのいずれか一方または両方のビットの反転を指示するビット反転指示手段と、前記ビット反転指示手段の指示内容にしたがって上記効果信号データの符号ビットおよび振幅ビットの一方または両方のビットを反転して出力するビット反転手段と、入力された音響信号データに対して前記ビット反転手段から出力された信号データを用いてフィルタ処理、変調処理などの処理を施して出力する音響データ処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
この発明は、複数の信号データを形成する信号データ形成手段と、上記音響データ処理装置と、前記信号データ形成手段が形成した複数の信号データのうち少なくとも1つを前記音響データ処理装置に対して音響信号データとして供給し、他の複数の信号データのうち少なくとも1つを前記音響データ処理装置に対して効果信号データとして供給する信号選択手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この発明は、前記信号データ形成手段を、波形データを記憶した波形データ記憶手段と、この波形データを所定のクロックで読み出すことにより信号データを形成する読出手段と、からなる波形メモリ型信号データ形成手段としたことを特徴とする。
【0008】
【作用】
信号データ形成手段は時系列でディジタルの信号データを形成する。この信号データは正負の符号を表す符号ビットおよび振幅の絶対値を表す振幅ビットからなっている。ビット反転指示手段は、前記符号ビット,振幅ビットの一方または両方のビット反転を指示する。このビット反転指示手段は、たとえば、符号ビット,振幅ビットのそれぞれに対応するフラグなどで構成すればよい。ビット反転指示手段によって反転が指示されたビットの内容は、ビット反転手段により反転される。ビットの反転により、振幅がシフトされたり反転したりして波形が変化し、この信号データを用いてフィルタ処理,変調処理を施すことにより、元の波形の信号データを用いた処理とはまた異なる処理を施すことができる。
【0009】
また、信号データ形成手段を波形メモリ型の信号データ形成手段で構成することにより、波形データ記憶手段に1つの波形データのみを記憶している場合でもビットの反転により複数種類の波形の信号データを出力することができる。
【0010】
【実施例】
図1はこの発明の実施例である信号データ発生装置および音響データ処理装置を内蔵する音源LSIを用いたテレビゲーム機の構成図である。ゲーム機本体1には、ディスプレイ4およびスピーカ5が接続されている。これらディスプレイ4およびスピーカ5としてはテレビ受像機に内蔵のものを用いることができる。また、ゲーム機本体1には前記ディスプレイ4,スピーカ5のほかに、ゲームプログラムを記憶したROM19を内蔵するゲームカートリッジ3、および、ゲームを行うためにプレーヤが操作するコントローラ2が接続されている。コントローラ2はケーブルを介してゲーム機本体1と接続され、ゲームカートリッジ3はゲーム機本体1に設けられたスロットに挿入される。ゲーム機本体1にはメインCPU(MCPU)10が内蔵されており、このMCPU10がゲームの進行など装置全体の動作を制御する。MCPU10には、前記コントローラ2、ゲームカートリッジ3内のROM19、表示制御用のディスプレイコントローラ14、および、効果音やBGM発生用の音源LSI11が接続されている。音源LSI11には発音制御用のサウンドCPU(SCPU)12、SCPU12のプログラムやPCM波形データなどが記憶されるDRAM13、および、音源LSI11から出力されるディジタルの音響データをアナログのオーディオ信号に変換するD/A変換回路16が接続されている。D/A変換回路16には前記スピーカ5が接続されている。音源LSI11は外部入力端子を備えており、外部から外部音源装置18を接続し、ディジタル音響データを入力することも可能である。また、ディスプレイコントローラ14には画面表示データを記憶するVRAM15および前記ディスプレイ4が接続されている。
【0011】
このゲーム機本体1にゲームカートリッジ3がセットされ電源がオンされると、まずMCPU10は所定の画面データを読み込んでディスプレイコントローラ14に送るとともに、効果音やBGMを発生するためのプログラムやPCM波形データをDRAM13に書き込む。こののち、コントローラ2の操作によってゲームがスタートし、ゲームの進行に従って、画面データの書き換えや効果音,BGMの発音が行われる。ゲームの進行制御すなわち画面データの書き換えはMCPU10が直接制御する。効果音やBGMの発生は、MCPU10がSCPU12に対して指示し、具体的な音響データの合成は、DRAM13に書き込まれたプログラム,PCM波形データに基づいてSCPU12が行う。
【0012】
図2は前記音源LSI11の内部ブロック図である。この音源LSI11ではDRAM13に記憶されたPCM波形データを順次読み出すことにより、PCM回路23が信号データを形成し、DSP24が1つの信号データを他の信号データを用いて変調などの処理を施すことにより楽音データなどの音響データを形成して出力する。上述したように、ゲームカートリッジ3がスロットにセットされ電源がオンされる毎に、その内蔵ROM19からDRAM13に対して新たなデータが書き込まれる。これにより、ゲーム毎に異なる独自の効果音やBGMが発音される。DRAM13にはメモリコントローラ21を介してMCPU10,SCPU12、および、音源LSI11内のPCM回路23,DSP24が接続されており、それぞれが時間をシェアしながらDRAM13をアクセス可能になっている。MCPU10およびSCPU12はCPUインタフェース20を介してメモリコントローラ21と接続されている。CPUインタフェース20には、MCPU10およびSCPU11がPCM回路23やDSP24に対してデータをセットするためのレジスタ22が接続されている。
【0013】
ここで、図5を参照してDRAM13の内部構成を説明する。DRAM13には、前記SCPU12の動作を規定するSCPUプログラム、PCM波形データが記憶されるとともに、DSPリングバッファが設定される。PCM波形データは、BGMの楽音や効果音などの音響信号データを発生するためのボイス波形データ、および、モジュレーション信号データとして読み出されるモジュレーション波形データを含んでいる。また、これらボイス波形データ,モジュレーション波形データはそれぞれ複数種類記憶されるため、それぞれ複数の記憶エリアが設定されている。また、DSPリングバッファエリアはDSP24が信号データを遅延するなどのために一時記憶するエリアとして使用される。
【0014】
ここで、ボイス波形データとしては、たとえば、サンプリングされた効果音や楽器音の波形をPCM化したデータが記憶されるが、このような音は長時間持続して発音される場合があるため、ループ読み出しが可能なように各ボイスデータ毎にスタートアドレスSA,ループスタートアドレスLSA,ループエンドアドレスLEAが記憶されている。このボイスデータを読み出す場合には、まずスタートアドレスSAから読み出しを開始し、ループエンドアドレスLEAまで読みだす。こののちは、ループスタートアドレスLSA→ループエンドアドレスLEA間を繰り返して読み出すことにより長時間の読み出しを可能にしている。また、モジュレーション波形データは、音響信号データに対する変調データ等に用いられるモジュレーション信号データを形成するための波形データであるため、主として単純なものが記憶されており、図7に示すようなのこぎり波,三角波,矩形波,正弦波などの波形データが記憶される。
【0015】
SCPUプログラムおよびPCM波形データはゲームカートリッジ3のセット時にMCPU10によって書き込まれる。SCPU12は、MCPU10の指示に基づき、SCPUプログラムを読み出すことによって、該指示に応じた動作を実行する。PCM回路23は、SCPU12の指示に基づいてPCM波形データを読み出すことによってサンプリングクロック毎のPCMデータである信号データを形成する。この信号データは以後の回路において音響信号データまたはモジュレーション信号データとして用いられる。PCM回路23は、32の時分割チャンネルを有しており、32種類の信号データを独立して形成可能である。
【0016】
PCM回路23が形成した信号データのうち、音響信号データとして用いられるものはDSP24に入力されるか、または、出力ミキシング回路OMIX251直接入力される。また、モジュレーション信号データとして用いられるものはDSP24に入力される。なお、一般的には、ボイス波形データを読み出して形成された信号データが音響信号データとして用いられ、モジュレーション波形データを読み出して形成された信号データがモジュレーション信号データとして用いられるが、これらの区別を無視して用いることも自由であり、これにより特殊な効果音を発生することもできる。さらに、DSP24には外部入力端子が設けられており、前記外部音源18からディジタルの信号データを入力して音響信号データまたはモジュレーション信号データとして用いることもできる。
【0017】
DSP24は、入力された音響信号データに対してモジュレーションやフィルタリングなどの種々の処理を施して出力ミキシング回路OMIX25に出力する回路である。音響信号データにこのような処理を施すため、DSP24は同じく信号データであるモジュレーション信号データを入力し、処理の係数として用いる。処理が施されたのちDSP24から出力された音響信号データは出力ミキシング回路OMIX25に入力される。出力ミキシング回路OMIX25は、32チャンネルの音響信号データを2チャンネルのデータに変換してD/A変換回路16に出力する。
【0018】
図3は前記PCM回路23の内部構成を示す図である。このPCM回路23は、位相発生器30、アドレスポインタ31、補間器32、クリップ回路33,反転器34、振幅変調用低周波発振器35、エンベロープジェネレータ36、乗算器37、出力コントローラ38からなっている。なお、以下に説明する動作は、時分割で32チャンネル分並行に行われている。
【0019】
位相発生器30にはSCPU12から音名に対応するFNSデータおよびオクターブデータOCTがセットされる。位相発生器30は、これらのデータに基づいて所定のサンプリング周期(44.1kHz)毎に位相データを発生出力する。この位相データはアドレスポインタ31に入力される。アドレスポインタ31には、PCM波形データを指定するデータとしてスタートアドレスSA,ループスタートアドレスLSA,ループエンドアドレスLEAがSCPU12から入力されている。アドレスポインタ31は位相発生器30から入力された位相データに基づいてアドレスの歩進量を決定し、スタートアドレスSAを始点として小数部を含むアドレスデータを順次出力する。小数部データFRAは補間器32に出力され、この小数部を挟む2つの整数アドレスMEAはメモリコントローラ21を介してDRAM13に出力される。
【0020】
入力された2つの整数アドレスMEAによってDRAM13から隣接する2つのPCM波形データが読み出される。DRAM13から読みだされたPCM波形データはメモリコントローラ21を介して補間器32に入力される。補間器32は、入力された2個のPCM波形データをアドレスポインタ31から入力された小数部データFRAの値に応じて補間することにより該サンプリングタイミングの信号データを形成する。補間器32はこの信号データをクリップ回路33に入力する。クリップ回路33は、補間器32から入力される信号データとオール“0”データとのセレクタであり、MCPU10から入力されるセレクト信号SSCTLによって何れか一方が選択出力される。SSCTLが“0”のときは補間器32から入力された信号データがそのまま次段の反転器34に出力され、SSCTLが“1”のときは次段の反転器34にオール“0”のデータが出力される。
【0021】
ここで、信号データは複数ビット(例えば16ビット)のPCMデータであり、最上位ビットが正負の符号を表し、それ以外の複数のビットが数値(振幅)を表している。図6に示すように、反転器34はこの信号データのビット数と同数のXOR回路からなっており、信号データの各ビットデータが各XOR回路の一方の入力端子に入力される。
【0022】
一方、SPCTLはMCPU10から入力される2ビットの信号であり、上位ビットが信号データの符号ビットを反転するか否かを指示するビットであり、下位ビットが振幅ビットを反転するか否かを指示するビットである。SPCTLの上位ビットは信号データの最上位ビット(符号ビット)が入力されるXOR回路に入力され、下位ビットは信号データの振幅ビットが入力される複数のXOR回路に入力される。XOR回路の2つの入力端子には信号データおよびSPCTLデータが入力される。したがって、SPCTL側のビットが“0”のときは信号データのビットの内容がそのまま出力され、SPCTL側のビットが“1”のときは信号データのビットが“1→0”“0→1”のように反転されて出力される。したがって、SPCTLが“00”であれば入力された信号データはそのまま出力され、SPCTLのビットが“10”であれば入力された信号データは符号のみ反転されて出力される。また、SPCTLのビットが“01”であれば入力された信号データは数値を反転して出力され、SPCTLのビットが“11”であれば入力された信号データは符号,数値とも反転して出力される。
【0023】
したがって、SSCTLを“1”に設定すると、クリップ回路33からオール“0”が出力され、これが反転器34に入力される。さらに、SPCTLを“01”に設定すると、オール“0”のデータが反転器34で反転されオール“0111‥‥”(MAX)のデータとなる。“0111‥‥”のデータが後段の乗算器37においてエンベロープ波形データや変調信号データをそのまま出力するための乗数として使用される。
【0024】
反転器34から出力された信号データは、乗算器37に入力される。乗算器37には、振幅変調用低周波発振器(ALFO)35およびエンベロープジェネレータ(EG)36が接続されている。これらALFO35,EG36は従来より一般的な構成の回路である。ALFO35は、SCPU12から入力される周波数データLFOF,波形指定データLFOWS,影響度データ(振幅データ)LFOSに基づいて低周波の変調信号データを発生する。この変調信号データの波形は、上記DRAM13に記憶されるモジュレーション波形データと同種のものであり、例えば図7に示すような波形である。EG36にはSCPU12からアタックレートAR,第1ディケイレートD1R,第2ディケイレートD2R,リリースレートRRが入力され、図8に示すようなエンベロープ波形データを発生して出力する。なお、ボイス波形データにはアタック部のみエンベロープを含む波形を記憶したものがあるが、このようなボイス波形データを読み出す場合にはアタック部として最大値を出力し、同図破線で示すようなエンベロープを形成する。
【0025】
ここで、反転器34から乗算器37にボイス波形データを読み出した信号データ(音響信号データとして用いられるもの)が入力された場合、この信号データにエンベロープ波形を付与する。モジュレーション波形データを読み出した信号データ(モジュレーション信号データ)が入力された場合には、この信号データをそのまま出力コントローラ38に出力する。一方、ALFO35の発生する変調信号データやEG36の発生するエンベロープ信号データをそのまま出力し、後段のDSP24で使用する場合には、上述したように信号データの値を直流的に固定して乗算器37に入力する。乗算器37から出力された信号データは出力コントローラ38でその出力先を指示され、DSP24または出力ミキシング回路25に出力される。
【0026】
図4は前記DSP24のブロック図である。このDSP24は、前記PCM回路23から入力した信号データを記憶するためのレジスタとして16ワードのMIXSレジスタ41を備えるとともに、外部音源18から入力される信号データを記憶するためのレジスタとして2ワードのEXTSレジスタ42を備えており、これらのレジスタに入力された信号データのうち音響信号データとして用いられる信号データにフィルタリングやモジュレーションなどの所定の処理を施して出力ミキシング回路25に出力する。また、入力された信号データのうちモジュレーション信号データとして用いられるものは、他の音響信号データに対するフィルタリングやモジュレーションのための係数データとして後述の乗算器49やDRAMアドレス作成部44に入力される。なお、PCM回路23は32チャンネル構成であるのに対してこのDSP24の入力部は16チャンネル分のレジスタしか有していない。これは仕様の問題ではあるが、PCM回路23から直接出力ミキシング回路25に出力される音響信号もあるため実用上はこれで十分である。
【0027】
また、DSP24は、前記16ワードのMIXSレジスタ41,2ワードのEXTSレジスタ42の他に、DRAM13のリングバッファから読み出されたデータを再度このDSPで処理するために一時記憶する32ワードのMEMSレジスタ43も備えている。これらのレジスタMIXS41,EXTS42,MEMS43は、それぞれDRAMアドレス作成部44,レジスタ45,セレクタ48の全てに接続されている。レジスタ45は、モジュレーション信号データを係数データとして被変調信号データである音響信号データのタイミングと同期して乗算器49に入力するために一時記憶する回路である。セレクタ48は、乗算器49に入力する音響信号データを選択するための回路である。これらレジスタ45およびセレクタ48に入力するデータを種々に組み合わせることにより、音響信号データに対して極めて多様な処理を施すことができる。
【0028】
このDSP24はマイクロプログラムメモリ40に記憶されているマイクロプログラムに従って256ステップの動作を繰り返し実行するが、上述のレジスタ41,42,43の各データをDRAMアドレス作成部44,レジスタ45またはセレクタ48のうちどの回路に入力するかはマイクロプログラムにより任意に設定することができる。
【0029】
DRAMアドレス作成部44は、DRAM13のリングバッファをアクセスする(書込/読出)アドレスを作成してメモリコントローラ21に出力する。メモリコンロトーラ21は、このアドレスでDRAM13をアクセスしてリングバッファで遅延させるデータの書き込み/読み出しを行う。また、上述したように乗算器49は、音響信号データに対して係数データを乗算する回路である。前記レジスタ41,42,43またはTEMP−RAM53の記憶内容から1つの信号データが音響信号データとして入力される。TEMP−RAM53はこのDSP24で一旦処理が施された音響信号を短時間遅延したのちフィードバックするためのRAMである。この選択は、マイクロプログラムによるレジスタの選択およびセレクタ48の設定によって行われる。一方、係数データの選択はセレクタ47が行う。セレクタ47には、前記レジスタ45,固定係数レジスタ46が接続されているとともに、“000‥‥1”(すなわち10進数の1)が入力されている。これらのなかから1つが選択され係数データとして乗算器49に入力される。レジスタ45が選択された場合には、音響信号データに対してPCM回路23が発生したモジュレーション信号データが乗算される。係数レジスタ46が選択された場合には、音響信号に対して予め設定された係数データが乗算される。また、“1”が選択された場合には、入力された音響信号データがそのまま次段に出力される。
【0030】
乗算器49から出力された音響信号データは加算器50に入力される。加算器50で所定の加算係数データを加算された音響信号データは、1クロックディレイ51→シフト回路52を経てこのDSP24から出力される。前記加算係数データは、セレクタ54により、1クロックディレイ51の出力値,TEMP−RAM53で遅延されたデータまたはオール“0”のなかから1つが選択され加算器50に入力される。なお、前記1クロックディレイ51は、入力されたデータを1サンプリングクロック分遅延させて出力する回路である。シフト回路52は、入力データを所定桁シフトして出力する回路である。また、TEMP−RAM53は、シフト回路52から出力された信号を短時間遅延したのち、前記乗算器49または加算器50に戻すための一時記憶メモリである。すなわち、DRAM13のリングバッファでは長時間(10ms〜1s程度)の遅延を行い、TEMP−RAM53ではそれ以下の短時間の遅延を行う。
【0031】
このDSP24では、リングバッファ,1ビットディレイ51,テンプRAM53による遅延、乗算器49による乗算、加算器50による加算、シフト回路52によるシフトによって種々の処理を施すことができる。また、前記乗算器49で音響信号データに係数データを乗算する場合において、音響信号データの選択および係数データの選択は、PCM回路23から入力された信号データ、外部音源18から入力されたディジタル信号およびリングバッファで遅延された信号のなかから任意に選択することができるため、非常に自由度の高いDSP効果の付与が可能になる。
【0032】
上記の構成の音源LSI(PCM回路23およびDSP24)を用いて音響信号データにピッチチェンジ処理を施す場合のDSP24の処理の等価回路を図9に示し、この場合に使用されるモジュレーション信号データの例を図10に示す。ピッチチェンジとは入力された音響信号データの周波数を変更して出力する処理である。
【0033】
図9では説明の便宜上、リングバッファをシフトレジスタ60に置き換えている。このシフトレジスタ60の一端から音響信号データを入力する。シフトレジスタ60内をシフトされてゆく音響信号データを2つのタップt1 ,t2 から読み出してゆく。タップt1 には係数乗算器61が接続され、読み出された音響信号データQ1 に係数データW1 が乗算される。また、タップt2 には係数乗算器62が接続され、読み出された音響信号データQ2 に係数データW2 が乗算される。係数乗算器61,62の出力は加算器63で加算されて出力データとして出力される。
【0034】
以上の構成で、タップt1 ,t2 の読出アドレスを徐々に後ろにシフトしてゆけば読み出される音響信号データの周波数が低くなり、タップt1 ,t2 の読出アドレスを徐々に前にシフトしてゆけば読み出される音響信号データの周波数が高くなる。ところで、シフトレジスタ(リングバッファ)60の段数は有限であるため、後ろにシフトしてゆくと最終的には後端に至り、また、前にシフトしてゆくと最終的には先端に至る。そこで、図10のB−1〜B〜4のようなのこぎり波でタップt1 ,t2 の読出アドレスを変移させることにより、後端から先端、先端から後端にタップをジャンプさせている。
【0035】
すなわち、読出周波数を低くする場合について説明すると、タップt1 の読出アドレスをB−1ののこぎり波を用いて徐々に後ろにシフトしてゆき、後端に至ったときアドレスを先端に戻す。また、タップt2 の読出アドレスをB−2ののこぎり波を用いて徐々に後ろにシフトしてゆき、後端に至ったときアドレスを先端に戻す。しかし、読出アドレスをジャンプさせると読み出される音響信号データの波形が不連続になるため大きなノイズが発生する。そこで、タップt1 から読み出された音響信号データの振幅値に図10のA−1の三角波を係数データとして乗算することにより、アドレスがジャンプしノイズが出力されるタイミングの係数乗算器61の出力値を0にしている。また、同様にタップt2 から読み出された音響信号データの振幅値にA−3の三角波を係数データとして乗算することにより、アドレスがジャンプするときの係数乗算器62の出力値を0にしている。のこぎり波B−1とB−2および三角波A−1とA−3はそれぞれ180°ずつ位相がずれているため、一方のタップの読出アドレスがジャンプして出力値が0のとき他方が最大になり、加算器63から出力される音響信号データの値を一定に保つことができる。
【0036】
以上は読出周波数を低くする場合について説明したが読出周波数を高くする場合には、タップt1 ,t2 の読出アドレスをそれぞれ図10B−3およびB−4の逆のこぎり波で変移させてゆけばよい。ここで、等価的にシフトレジスタ60に置き換える場合は、出力タップの左右の移動がピッチのアップ/ダウンに相当するが、リングバッファの場合は、ライトアドレスの変位速度とリードライトアドレスの変位速度との差(符号)がピッチのアップ/ダウンに相当する。
【0037】
DSP24を図9のように構成してピッチチェンジする場合図10のA−1〜A−4に示す三角波、および、B−1〜B−4に示すのこぎり波は、PCM回路23からモジュレーション信号データとして入力されるが、この信号データを形成するためにDRAM13には、三角波,のこぎり波それぞれ1つずつモジュレーション波形データとして記憶しておけばよく、SPCTLを図10右に記載されているように設定することにより、反転器34で信号データの符号および/または振幅値が反転され、同図の全ての波形を得ることができる。また、上記構成のDSPにおいてのこぎり波は、所定のタイミングにDRAMアドレス作成部44に入力され、三角波は所定のタイミングに乗算器49に入力される。
【0038】
このように、PCM波形データを読み出して形成した信号データを反転器34で反転することにより、種々の波形の信号データを得ることができるため、1つのPCM波形データを複数種類の波形として活用することができ、DRAM13の容量を節約することができる。
【0039】
信号データの波形の反転は、モジュレーション信号データに限らない。すなわち、音響信号データに対して行うこともできる。
【0040】
【発明の効果】
この発明によれば、信号データの符号ビットおよび/または振幅ビットを反転することにより、1つの信号データから複数種類の波形の信号データを得ることができ、信号データ発生装置の機能を向上することができる。
【0041】
また、このようにして得られた信号データを用いて音響データに対してフィルタ処理,変調処理などの処理を施すことにより、簡略な構成で多様な処理を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例である音源用LSIが適用されるゲーム機のブロック図
【図2】同音源用LSIのブロック図
【図3】同音源用LSIのPCM回路のブロック図
【図4】同音源用LSIのDSPのブロック図
【図5】同音源用LSIに接続されるDRAMの内部構成図
【図6】前記PCM回路内の反転器の構成図
【図7】前記DRAMに記憶されている変調用波形の例を示す図
【図8】前記PCM回路が発生するエンベロープの例を示す図
【図9】ピッチチェンジを行うための前記DSP回路の構成を示す図
【図10】ピッチチェンジを行うために用いられる信号データの例を示す図
Claims (3)
- 符号ビットおよび振幅ビットからなる効果信号データの符号ビットおよび振幅ビットのいずれか一方または両方のビットの反転を指示するビット反転指示手段と、
前記ビット反転指示手段の指示内容にしたがって上記効果信号データの符号ビットおよび振幅ビットの一方または両方のビットを反転して出力するビット反転手段と、
入力された音響信号データに対して前記ビット反転手段から出力された信号データを用いてフィルタ処理、変調処理などの処理を施して出力する音響データ処理手段と、
を備えたことを特徴とする音響データ処理装置。 - 複数の信号データを形成する信号データ形成手段と、
請求項1に記載の音響データ処理装置と、
前記信号データ形成手段が形成した複数の信号データのうち少なくとも1つを前記音響データ処理装置に対して音響信号データとして供給し、他の複数の信号データのうち少なくとも1つを前記音響データ処理装置に対して効果信号データとして供給する信号選択手段と、
を備えたことを特徴とする音源装置。 - 前記信号データ形成手段は、波形データを記憶した波形データ記憶手段と、この波形データを所定のクロックで読み出すことにより信号データを形成する読出手段と、からなる波形メモリ型信号データ形成手段である請求項2に記載の音源装置。
Priority Applications (11)
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---|---|---|---|
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