JP3555296B2 - 着色樹脂粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は着色樹脂粒子の製造方法に関し、更に詳しくいえば、水に溶解可能な有機溶剤の成分と水の成分のうちの少なくともどちらかに溶解した樹脂と着色剤を、強力な剪断応力または衝突圧力により混合してなる着色樹脂粒子の製造方法に関する。本発明は、インキ、塗料、電子写真用トナー等の様々な分野に適用可能な着色樹脂粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来知られているマイクロカプセル分散液の製造方法では、攪拌機によるミキシングは通常10Pa程度の剪断応力で行われている。このような剪断応力では、得られる樹脂粒子の粒子径の分布がシャープでない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水に溶解可能な有機溶剤の成分と水の成分とを混合する際に、いずれかの成分に該有機溶剤または水に可溶性である樹脂と着色剤を含むようにして他の成分と混合することによって、分子量分布がシャープな着色樹脂粒子の製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を解決するに至った。即ち、本発明は上記課題を解決するために、水に溶解可能な有機溶剤の成分と水の成分とを混合する際に、いずれかの成分に該有機溶剤または水に可溶性である樹脂と着色剤を含むようにして着色樹脂粒子を製造する方法において、該両成分を1×105Pa以上、好ましくは1×107〜3×108Paの剪断応力または2.9×107Pa以上の衝突圧力の条件下で混合することを特徴とする着色樹脂粒子の製造方法を提供するものである。
【0005】
本発明で使用し得る水に溶解可能な有機溶剤とは、水と有機溶剤が自由に相溶する必要はなく、水に対して僅かでも溶解度を有しているものを指し、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の脂肪族アルコール類;アセトン、ジメチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等の酢酸エステル類;セロソルブやカルビトール等のグリコールエーテル類;グリコールエステル類;アミド類等があるが、これらに限られたものではなく、二種類以上組合わせて使用することも可能であり、水溶液の組み合わせで良好な樹脂粒子を形成するように選択すればよい。
【0006】
かかる有機溶剤溶液を主として含む成分には、水に不溶な有機溶剤可溶性樹脂と油溶性染料やカ−ボンブラック等の無機顔料、有機顔料の着色剤が必須であり、必要に応じて乳化剤、可塑剤等の添加剤を加えることができる。
【0007】
本発明で使用される有機溶剤可溶性樹脂としては、具体的には、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、塩酢ビ系樹脂、石油系樹脂、ロジンエステル等が挙げられるが、水溶液と組み合わせて安定な樹脂粒子の分散液を形成するものであれば、これらに限定されるものではなく同時に2種類以上混合して使用しても良い。
【0008】
上記の有機溶剤可溶性樹脂を含有する有機溶液と組み合わせる水の成分は基本的には水であり、水溶性樹脂、着色剤を含む必要はなく、場合により、乳化剤、pH調整剤、防腐剤等の添加剤を含んでいても良い。
【0009】
一方、上記有機溶剤に不溶で水溶性樹脂を用いる場合、水の成分には、有機溶剤に不溶な水溶性樹脂及び水溶性染料、分散染料等の染料やカ−ボンブラック等の無機顔料、有機顔料等の着色剤を必須とし、必要に応じてpH調整剤、水溶性有機溶剤、乳化剤、防腐剤、キレート剤等の添加剤を加えることができる。
【0010】
かかる水溶性樹脂としては、ゼラチン・卵白・レシチン等の天然樹脂、ポリビニルアルコール・ポリビニルピロリドン・カルボキシメチルセルロース等の水溶性合成樹脂が挙げられるが、有機溶剤溶液と組み合わせて安定なマイクロカプセルを形成するものであればこれらに限定されるものではなく、同時に2種類以上混合して使用しても良い。
【0011】
この場合、組み合わせる有機溶剤の成分は基本的には水に溶解可能な有機溶剤であり、有機溶剤可溶性樹脂、着色剤を含む必要はなく、乳化剤等の添加剤を含んでいても良い。
【0012】
本発明によれば、有機溶剤成分と水成分とを混合すると、着色樹脂粒子は比較的短時間にその混合系においてある粒径に達するが、樹脂を溶解している溶剤または水が相手方と混和する結果、樹脂の不溶化及び着色剤の凝集に伴い系は不安定となり、粒子同士の融合により極短時間に粒径が増大してくる。この場合、生成した樹脂粒子は両溶性でなくなり、固体状態となり、結合した粒子が分離して再分散しなくなる。しかし、造粒が終了する前に強力なシェア(剪断応力)をかけると、粒子同士の融合する前に微粒子の状態で安定化すると同時に、粒子径の分布が比較的均一な優れた着色樹脂粒子が得られる。好ましくは、水成分と有機溶剤成分の混合後直ちに分散装置で微粒子化を完了させる必要があり、好ましくは1分以内、さらに好ましくは10秒以内、できれば粒子化装置内に別々の配管を通して有機溶剤溶液と水溶液を供給することが望ましい。
【0013】
本発明において、特に好適な着色樹脂粒子を生成するのは、有機溶剤が水に10%以上溶解可能であって、かつ必須成分として水に不溶で酸価30以上の有機溶剤可溶性樹脂と着色剤を含んでいる有機溶剤溶液と水または水溶液と混合する場合であって、さらに有機溶剤溶液及びまたは水溶液が必須成分として塩基性物質を含んでいる場合である。
【0014】
具体的には、有機溶剤はアセトン・メチルエチルケトンのケトン系有機溶剤及びまたはエタノール・イソプロピルアルコール等の低級アルコール、樹脂は酸価30以上のアクリル酸系樹脂、着色剤としては油性染料・カ−ボンブラック等の無機顔料・各種有機顔料、塩基性物質としては、トリメチルアミン・トリエチルアミン等の脂肪族アミン、N−メチルジエタノールアミン・N,N−ジメチルエタノールアミン等のアミノアルコール類;モルホリン、ピリジン等の含窒素化合物等が挙げられるがこれらに限られたものではない。
【0015】
本発明の製造方法によって得られる着色樹脂粒子を水分散液として使用するとき、水の蒸発に伴う凝集物の発生が起きるためしばしばグリセリン等の乾燥防止剤の併用が必要になるが、得られた着色樹脂粒子の水分散物に乾燥防止剤を後添加すると添加のショックにより粒子の凝集や、乾燥防止剤添加までの間に粒子の凝集物が生じるという問題があるが、微粒子化の前に水溶液にグリセリンなどの乾燥防止剤を添加しておくことによって、凝集物の発生が無く、乾燥防止効果を有する着色樹脂粒子水分散物が得られる。
【0016】
また、本発明の製造方法において得られた着色樹脂粒子の分散安定性を高めるに着色樹脂粒子化後に、着色樹脂粒子樹脂成分を溶解、膨潤しうる有機溶剤を除去することが非常に有効である。
【0017】
本発明では、有機溶剤成分と水成分とを混合してすぐに、または混合と同時に1×105Pa(1.0×106ダイン/cm2)以上、好ましくは1×107〜3×108Pa(1×108〜3×109ダイン/cm2)の剪断応力をそれらにかけて造粒化を行う。このような剪断応力をかけ得る分散装置としては、いわゆる通常の攪拌装置は不適であり、好ましい装置としては強力なシェアがかかり、混合後直ちに微粒子化処理が可能なサンドミルや連続アトライターのような連続分散機が有効である。
【0018】
また、水成分と有機溶剤成分とを混合後に2液に分けて両者を衝突せしめるか、水成分及び有機溶剤成分を衝突せしめてもよく、その際の衝突圧力を2.9×107Pa(300Kg/cm2)以上、好ましくは4.9×107Pa(500Kg/cm2)以上にする必要がある。このような場合には、別々の配管を通して衝突チャンバーの手前で混合し、さらに混合液を2つの流路に分けてそれらの混合液を衝突チャンバー内の流路に導入するか、水溶液と有機溶剤溶液を別々の配管を通して衝突チャンバー内に導入して、衝突チャンバーの流路内の平面部あるいは流路内の混合物同士の衝突により粒子化を行う方法が、ほとんど瞬間的に粒子処理が可能で、着色樹脂粒子の再粉砕もなく、より微粒子で分散安定性に優れた着色樹脂粒子が得られるので好ましい。
【0019】
上記有機溶剤成分と水成分との混合については、有機溶剤成分の比率が高すぎると着色樹脂粒子が形成されなかったり、有機溶剤による生成樹脂粒子の膨潤が激しく剪断応力によって微小粒子の発生が多くなったり、場合によっては逆に樹脂粒子の粉砕が生じてしまうことになる。また、水成分の比率が高すぎると、樹脂粒子の結合・融合が強固になり、剪断応力による凝集粒子のほぐれ効果が得られなくなり、逆に着色樹脂粒子の粉砕が生じてしまうことになる。本発明における有機溶剤成分と水成分との好ましい重量比率は1:5〜5:1であり、さらに好ましくは1:3〜3:1の間であり、このような比率で混合すると、上記の欠点を改善でき、特に有機溶剤成分と水成分を混合してから剪断応力を与えるまでの間の粒子の結合・融合を効果的に抑えることができる。
【0020】
尚、有機溶剤成分と水成分とを衝突せしめて着色樹脂粒子の分散液を製造した後、樹脂に対して貧溶媒である有機溶剤又は水性液を追加すると、着色樹脂粒子の分散安定性が向上するので好ましい。この時、有機溶剤成分と水成分との比率をコントロールして剪断又は衝突を行い、次いで貧溶媒を添加することによって、好ましくは分散液に貧溶媒を滴下することによって、顔料表面が露出した着色樹脂粒子の面がさらに薄い樹脂壁で覆われることになり極めて分散安定性の高い着色樹脂粒子が得られる。特に両成分の混合時には1×105Paの剪断応力または2.9×107Pa以上の衝突圧力の条件下で行うのが好ましい。後添加する貧溶媒である有機溶剤としては、水溶性有機溶剤、例えばメタノール、エタノール、グリセリン、セロソルブ等が挙げられるが、樹脂の成分によって適宜選択して使用される。また、水成分としては、水や水と前記水溶性有機溶剤との混合液が挙げられる。
【0021】
本発明の樹脂及び着色剤を含む水成分または有機溶剤成分は、簡単に他の成分と混合してもよいが、顔料のような固形粒子の着色剤を含有するときは、事前に顔料をよく分散していることが望ましい。
【0022】
本発明で使用できる微粒子製造装置の例を図1及び図2に示す。図1において、ブロックAは液供給装置、ブロックBは衝突式分散装置であり、供給する液が二種類の場合である。加熱冷却装置1で恒温に保たれたジャケット付き供給タンク2の第1液と第2液はポンプ3によって各々一定の比率でエアー式三方弁4と逆止弁5を経て混合される。この時、循環ライン6によって過剰の液が供給タンク2に戻されることにより、安定した液の供給が可能となる。安全性を考慮してリリーフ弁7を設置した方がよい。また検量用バルブ8から液を取り出して液の供給量を知ることができる。
【0023】
混合された液はニードル弁9で供給量を調整した後、衝突式分散装置の高圧ポンプ10に送られる。高圧ポンプで加圧された混合液はフィルター11を経て衝突チャンバー12に送られ、衝突チャンバー内で二液に分けられた後2.9×107Pa以上の衝突圧力で流路内の平面部あるいは液同士が衝突し、粒子化が行われる。得られた微粒子分散液は冷却装置13で冷却されて回収される。
【0024】
尚、図1の衝突チャンバー12では、そのディスク原理図である図3に示すように予め2液が混合され、次いでその混合液を2分し、それぞれをチャンバー内の貫通孔を通過し、先ずチャンバー内の壁に衝突し、貫通孔の断面積よりも小さい断面積を有するオリフィス部分で加速されることによって、両液が激しく衝突した後、衝突チャンバー内から外に流出する。
【0025】
図2において、ブロックAは液供給装置、ブロックBは衝突式分散装置であり、供給する液が二種類の場合である。加熱冷却装置1で恒温に保たれたジャケット付き供給タンク2の第1液と第2液はポンプ3によって各々一定の比率で衝突式分散装置の高圧ポンプ10に送られる。この時、循環ライン6によって過剰の液が供給タンク2に戻されることにより、安定した液の供給が可能となる。安全性を考慮してリリーフ弁7を設置した方がよい。また検量用バルブ8から液を取り出して液の供給量を知ることができる。高圧ポンプは2つの液を別々の配管を通して一定の比率で衝突チャンバーに供給するために、ダブルプランジャーポンプのような同期のとれる高圧ポンプが必要であり、また衝突チャンバー内の2つの流路にバランスのとれた加圧を維持してかつ任意に2液の比率を設定するために、プランジャーの断面積と衝突チャンバーの貫通孔及びオリフィスの断面積の比率を調整する等の工夫が必要である。
【0026】
高圧ポンプで加圧された第1液と第2液は別々の配管を経てフィルター11を経て衝突チャンバー12に送られ、2.9×107Pa以上の衝突圧力で流路内の平面部あるいは液同士が衝突し、粒子化が行われる。得られた微粒子分散液は冷却装置13で冷却されて回収される。
【0027】
図2の衝突チャンバー12では、そのディスク原理図である図4に示すように異なる2液がそれぞれチャンバー内の貫通孔を通過し、先ずチャンバー内の壁に衝突し、貫通孔の断面積よりも小さい断面積を有するオリフィス部分で加速されることによって、両液が激しく衝突した後、衝突チャンバー内から外に流出する。
【0028】
図1及び2の装置では、チャンバー内の2つの流路にバランスのとれた加圧を維持してかつ任意に2液の比率を設定するために、プランジャーの断面積と衝突チャンバーの図3及び4の貫通孔及びオリフィスの断面積の比率を調整する等の工夫が必要である。また、これらの装置では、両液が衝突した後、オリフィス部分から噴出されるため、混合液の混練は一層促進される。
【0029】
本発明で使用できる微粒子化装置の他の例を図5に示す。この分散装置は通常の縦型ビーズミルの下部にある液供給口の直前で、異なる2液(有機溶剤成分と水成分)が混合された後、分散装置内に供給されて、分散され上部取り出し口から樹脂微粒子分散液が取り出される。この時、両液は配管中に設置されたスタティックミキサーの剪断力により効率よく混合される。
【0030】
また、図6に他の分散装置について示すと、高速で回転するローターとステーターの狭いクリアランスで発生する剪断力で乳化を行う装置であるが、液取り入れ口を2重円筒式の第1液取り入れ口と第2液取り入れ口を有する構造とし、上部取り出し口から樹脂微粒子分散液が取り出される。
【0031】
本発明により得られる着色樹脂粒子がインクジェット記録用着色剤として用いられたとき、着色樹脂粒子は超微粒子で分散安定性に優れていることから、安定したインクの噴射が可能で、ノズル目詰まりもなく、インクジェット記録用インクの着色剤として最適である。
【0032】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、以下の実施例中における「部」は『重量部』を表わす。
(実施例1)
(有機溶剤溶液例)
カ−ボンブラック 20部
スチレンアクリル酸樹脂(酸価60、分子量4万) 20部
MEK 60部
ガラスビーズ 150部
の配合物をペイントシェーカーで4時間練肉し、
MEK 30部
IPA 45部
を加えて取り出し、有機溶剤溶液150部を得た。
【0033】
(水溶液例)
イオン交換水 598部
N−メチル−ジエタノールアミン 2部
上記有機溶剤例と水溶液例の組成物を図5の装置を用いて液温20℃、混合重量比率1:4で剪断応力3×107Paで強力にシェアーをかけて混合した。得られたカプセル液をロータリーエバポレーターを用いて有機溶剤を留去し、最終の着色マイクロカプセル水分散物を得た。この分散液は平均0.3μmの粒径を有し、粒径分布もシャープで、凝集物もなく長期にわたって安定な分散を示した。
【0034】
得られた着色マイクロカプセル80部にグリセリンを20部加えて攪拌後3μmフィルターでろ過を行い、インクジェット記録用水性インクとした。得られた水性インクをインクジェットプリンターを用いて噴射した結果、安定した噴射が可能でノズル目詰まりも無かった。
(比較例1)
実施例1の有機溶剤例の組成物150部に実施例1の水溶液例の組成物600部を、有翼攪拌機を用いて500回転で剪断応力30Paで攪拌しながら毎分10部の滴下速度で滴下混合して、1時間後に滴下・攪拌を終了し、実施例と同様に有機溶剤を留去し、最終の着色マイクロカプセル分散液を得た。
【0035】
得られたマイクロカプセル分散液は0.5μmの粒径を有し、粒径分布がシャープでなく、しかも目視可能な凝集物が多量に存在していた。この分散液を1.5μmのフィルターでろ過したが、目詰まりが激しくてろ過できなかった。
(実施例2)
(有機溶剤溶液例)
カ−ボンブラック 20部
スチレンアクリル酸樹脂(酸価60、分子量4万) 20部
MEK 60部
ガラスビーズ 150部
の配合物をペイントシェーカーで4時間練肉し、
MEK 30部
IPA 45部
N−メチル−ジエタノールアミン 2部
を加えて取り出し、有機溶剤溶液150部を得た。
【0036】
(水溶液例)
イオン交換水 598部
グリセリン 200部
上記有機溶剤例と水溶液例の組成物を用いて、以下実施例1と同様にして着色マイクロカプセル水分散物を得た。この分散液は平均0.3μmの粒径を有し、粒径分布もシャープで、凝集物もなく長期にわたって安定な分散を示した。
【0037】
この分散液を1.5μmフィルターでろ過を行い、インクジェット記録用水性インクとした。得られた水性インクをインクジェットプリンターを用いて噴射した結果、安定した噴射が可能でノズル目詰まりも無かった。
(比較例2)
実施例2の有機溶剤例の組成物150部に実施例1の水溶液例の組成物600部を、有翼攪拌機を用いて500回転で剪断応力30Paで攪拌しながら毎分10部の滴下速度で滴下混合して、1時間後に滴下・攪拌を終了し、実施例と同様に有機溶剤を留去し、最終の着色マイクロカプセル分散液を得た。
【0038】
得られたマイクロカプセル分散液は0.5μmの粒径を有し、粒径分布がシャープでなく、しかも目視可能な凝集物が多量に存在していた。この分散液を1.5μmのフィルターでろ過したが、目詰まりが激しくてろ過できなかった。
(実施例3)
実施例1の有機溶剤例の組成物150部と、水298部とN−メチル−ジエタノールアミン2部とからなる水溶液300部を図1及び3に示す装置を用いて液温を20℃とし、両者の混合比率1:2がとなるようにして衝突圧力11.6×107Paで衝突せしめて混合した後、更に50重量%のグリセリン水溶液を200部加えてカプセル液を得た。得られたカプセル液をロータリーエバポレーターを用いて有機溶剤を留去し、最終の着色マイクロカプセル水分散物を得た。この分散液は平均0.2μmの粒径を有し、粒径分布もシャープで、凝集物もなく長期にわたって安定な分散を示した。
【0039】
得られた着色マイクロカプセル分散液を1.5μmフィルターでろ過を行い、インクジェット記録用水性インクとした。得られた水性インクをインクジェットプリンターを用いて噴射した結果、安定した噴射が可能でノズル目詰まりも無かった。
(実施例4)
実施例1の有機溶剤例の組成物300部と、水298部とN−メチル−ジエタノールアミン2部とからなる水溶液300部を図1及び3に示す装置を用いて液温を20℃とし、両者の混合比率1:1がとなるようにして実施例1と同様な条件で着色マイクロカプセル水分散物を得た。この分散液は平均0.2μmの粒径を有し、粒径分布もシャープで、凝集物もなく長期にわたって安定な分散を示した。
【0040】
得られた着色マイクロカプセル分散液を1.5μmフィルターでろ過を行い、インクジェット記録用水性インクとした。得られた水性インクをインクジェットプリンターを用いて噴射した結果、安定した噴射が可能でノズル目詰まりも無かった。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、水に溶解可能な有機溶剤の成分と水の成分のいずれかの成分に該有機溶剤または水に可溶性である樹脂と着色剤を含むようにして両成分を1×105Pa以上の剪断応力または2.9×107Pa以上の衝突圧力の条件下で混合することによって、粒子径分布のシャープな着色樹脂粒子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる2液混合マイクロカプセル製造装置システムダイアグラム図。
【図2】本発明で用いられる2液別供給マイクロカプセル製造装置システムダイアグラム図。
【図3】図1の製造装置の衝突チャンバー12のディスク原理図。
【図4】図2の製造装置の衝突チャンバー12のディスク原理図。
【図5】本発明で用いられる製造装置の他の例を示す概略図。
【図6】本発明で用いられる製造装置の他の例を示す概略図。
Claims (7)
- 水に溶解可能な有機溶剤の成分と水の成分とを混合する際に、いずれかの成分に該有機溶剤または水に可溶性である樹脂と着色剤を含むようにして着色樹脂粒子を製造する方法において、該両成分を1×105Pa以上の剪断応力または2.9×107Pa以上の衝突圧力の条件下で混合することを特徴とする着色樹脂粒子の製造方法。
- 剪断応力が1×107〜3×108Paであることを特徴とする請求項1記載の着色樹脂粒子の製造方法。
- 衝突圧力が 4.9×107Pa以上であることを特徴とする請求項1記載の着色樹脂粒子の製造方法。
- 有機溶剤成分と水成分との重量比率が1:5〜5:1であることを特徴とする請求項1記載の着色樹脂粒子の製造方法。
- 有機溶剤が水に10%以上溶解可能であることを特徴とする請求項1記載の着色樹脂粒子の製造方法。
- 必須成分として水に不溶で酸価30以上の有機溶剤可溶性樹脂と着色剤を含んでいる有機溶剤溶液の成分と水または水溶液の成分とを用い、かつ両成分のいずれかに塩基性物質を含んでいることを特徴とする請求項1記載の着色樹脂粒子の製造方法。
- 水に溶解可能な有機溶剤の成分と水の成分とを混合する際に、いずれかの成分に該有機溶剤または水に可溶性である樹脂と着色剤を含むようにして該両成分を衝突せしめて混合した後、該樹脂に対して貧溶媒である有機溶剤又は水性液を着色樹脂粒子溶液中に添加することを特徴とする着色樹脂粒子の製造方法。
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