JP3544453B2 - 3次元微小走査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は3次元微小走査装置に関し、特に走査型プローブ顕微鏡等に用いて好適な3次元微小走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の3次元微小走査装置として、例えば、図10に示されているようなものが提案されている。同図(a) の3次元微小走査装置は、円筒状のピエゾ素子60と、その円筒面に巻かれたz微動のための電極61と、x、y走査のための4分割された電極62、63、64、65(64と65は図示せず)と、前記円筒状のピエゾ素子60の上に固定された探針66とから構成されている。前記電極61には図示されていないフイードバック回路によって作成されたフイードバック電圧がリード線67を介して印加され、前記電極62、63、64、65には、図示されていない走査信号発生装置で生成されたxおよびy方向の走査信号が印加される。
【0003】
次に、同図(b) は他の従来の3次元微小走査装置を示し、71、72および73はそれぞれx、yおよびz方向に配置されたピエゾ棒を示し、該3本のピエゾ棒はそれぞれの当接部74、75にて例えば接着剤等で接着されている。z方向のピエゾ棒の上には、探針76が固定されている。該3本のピエゾ棒71、72および73に、前記フイードバック電圧およびx、y方向の走査信号を印加することにより、3次元の走査をすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記図10(a) の3次元微小走査装置においては、広い領域の走査を行おうとすると、図11に示されているように、前記ピエゾ素子60のz軸方向に円弧エラーΔzが生じ、該ピエゾ素子60の先端に取り付けられた探針66による試料面80の観測が不正確になるという問題があった。また、前記図10(b) の3次元微小走査装置においては、3本のピエゾ棒が接着剤等で結合されているため、スキャナの共振周波数を高くすることができないという問題があった。
【0005】
この発明の目的は、前記した従来技術の問題点を除去し、前記したz軸方向の円弧エラーを生ぜず、またスキャナの共振周波数を高くすることができる3次元微小走査装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、印加される駆動力に対して、x、yおよびz方向にリニアな変位が得られる3次元微小走査装置を提供することにある。さらに他の目的は、小形、軽量かつ簡単に製造できる3次元微小走査装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するために、この発明は、探針または試料をx、y、zの3方向であって且つx方向の走査速度がy方向の走査速度よりも速くなるように走査させるための3次元微小走査装置において、一番外側に設けられた外枠部と、該外枠部の内側に形成され、該外枠部に弾性部材を介して支持されy軸方向に移動可能なyステージと、該yステージの内側に形成され、該yステージに弾性部材を介して支持されたx軸方向およびz軸方向に移動可能なzステージ兼用のxステージと、を具備し、該x、yステージが変位する3方向が互いに垂直になるように、前記yステージは、前記外枠部を貫通するy軸スピンドルを介して、y軸方向のボイスコイルモータ、またはリニアモータの駆動力によりy軸方向に駆動され、前記zステージ兼用のxステージは、前記外枠部と前記yステージとを貫通するx軸スピンドルを介して、x軸方向のボイスコイルモータ、またはリニアモータの駆動力により、x軸方向に駆動されるとともに、z軸スピンドルを介して、z軸方向のボイスコイルモータ、またはリニアモータの駆動力によりz軸方向にも駆動され、前記弾性部材と協働して前記各駆動力に比例した変位を各ステージに生ずるようにした点に第1の特徴がある。
【0007】
また、本発明は、外枠、各ステージ及び弾性部材が、金属部材から一体成型されている点に第2の特徴がある。さらに、本発明は、「yステージがy方向に弾性を持つ平行バネによって外枠に支持されており、xステージがx方向に弾性を持つ平行ばねによってyステージに支持されている」という構成が採用されており、これによりx、yステージはそこに作用させた力に比例して変位することになるという点に第3の特徴がある。
本発明の第1の特徴によれば、平行ばねの如き弾性部材を用いることにより、ボイスコイルモータ等のアクチュエータによってx及びyステージに駆動力が作用した場合、対応する弾性部材がこの力に比例して撓むという力−変位変換器としての機能が実現される。この結果、x、yステージに、ボイスコイルモータ等のアクチュエータによって加えられた力に比例した変位を生じさせることができ、これにより試料又は探針を円弧エラーなしに精度よく微小走査させることができる。
【0008】
本発明の第2の特徴によれば、3次元微小走査装置を簡単且つ小型に作成でき、また1つ1つの部品を組み立てて作るのに比べ軽量且つ精密に、しかも安価に作成できるようになる。また、本発明の第3の特徴によれば、x、yステージに例えばボイスコイルモータにより力を加えれば、この力に比例してx、yステージが変位することになり、この結果、x、y方向への微小走査を良好なリニアリティ特性をもって行うことができる。このようなリニアリティ特性が実現できることにより、前述の通り、精度のよい微小走査が可能となるので、測定精度を大きく改善することができるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の3次元微小走査装置を備えた走査型プローブ顕微鏡の概略の構成を示す図である。該走査型プローブ顕微鏡の筐体1は、少くとも、z、x軸方向のボイスコイルモータ2、3、およびy軸方向のボイスコイルモータ11(図2参照)と、本発明に関わる3次元微小走査装置4を保持している。前記x軸方向のボイスコイルモータ3からは前記3次元微小走査装置4に向かってx軸スピンドル5が延びており、前記y軸方向のボイスコイルモータからは同様に該3次元微小走査装置4に向かってy軸スピンドル12(図2参照)が延びている。また、z軸方向のボイスコイルモータ2からも、同様に該3次元微小走査装置4に向かってz軸スピンドル6が延びている。該3次元微小走査装置4の中央下部には、前記z軸スピンドル6の下端に支持された探針7が設けられ、該探針7は試料台8上に置かれた試料に近接して対向させられて使用される。9は細線であり、前記スピンドル5、6がz、x方向に走査された時に起きる可動子10に対するスピンドル5、6の歪みを吸収する働きをしている。
【0010】
次に、本発明の3次元微小走査装置4の一実施形態を、図2、図3および図4を参照して説明する。図2は該一実施形態の斜視図、図3は平面図、図4は図3のA-A´線断面図を示す。これらの図において、図1と同一の符号は同一または同等物を示している。図示されているように、3次元微小走査装置4は、前記走査型プローブ顕微鏡の筐体1に固定される外枠部21と、該外枠部21に弾性部材、例えば平行ばね22a 22dで支持されたyステージ22と、該yステージ22に弾性部材、例えば平行ばね23a 23dで支持されたxステージ23と、該xステージ23を兼用して使用されるzステージから構成されている。該構成の3次元微小走査装置4は、例えばアルミニューム、チタン、SUS等の金属材料を用いて、一体成型により、簡単かつ小型に作成することができる。なお、図2において、11はy軸方向のボイスコイルモータ、12はy軸スピンドルを示しており、y軸スピンドル12は、図2および図3に示すように、外枠部21を貫通してyステージ22に接続されている。また、x軸スピンドル5は、図2乃至図4に示すように、外枠部21とyステージ22とを貫通してxステージ23に接続されている。
【0011】
前記平行ばね22a〜22dはy軸方向に弾性を持つようにy方向の厚さty (図6参照)が薄くされており、y軸スピンドル12から力Fy を受けると、y軸方向に撓む。同様に、前記平行ばね23a〜23dはxおよびz軸方向に弾性を持つようにx方向およびz方向の厚さtx 、tz (図6参照)が薄くされており、x軸スピンドル12から力Fx を受けるとx軸方向に撓み、また、z軸スピンドル6から力Fz を受けるとz軸方向に撓む。この結果、前記x、y、z軸方向のボイスコイルモータ3、11,2を付勢することにより、3次元の微小走査を実現することができる。
【0012】
次に、本実施形態の3次元微小走査装置4の動作を、定量的に説明する。今、前記x軸スピンドル5からの力Fx によりx軸方向に移動(走査)させられるxステージ23の質量をmx (以下、xステージ23の質量mx と呼ぶ)、前記平行ばね23a〜23dの各々のばね定数をsx1、sx2、sx3、およびsx4とし、その合成のばね定数をkx (=sx1+sx2+sx3+sx4)とする。
【0013】
同様に、前記y軸スピンドル12からの力Fy によりy軸方向に移動(走査)させられるyステージ22およびxステージ23の合計の質量をmy (以下、yステージ23の質量my と呼ぶ)、前記平行ばね22a〜22dの各々のばね定数をsy1、sy2、sy3、およびsy4とし、その合成のばね定数をky (=sy1+sy2+sy3+sy4)とする。
【0014】
さらに、前記z軸スピンドル6からの力Fz によりz軸方向に移動させられる前記zステージ、すなわちxステージ23の質量をmz 、該xステージ23の平行ばね23a〜23dのz方向のばね定数をkz とする。
ここで、前記x軸方向の移動(走査)に着目すると、該x軸方向の動きの原理は、図5の片持ち梁の動きと同一視することができる。そして、該片持ち梁の弾性部材31のバネ定数を前記kx 、重り32のx軸の質量を前記mx と置くことができる。今、該片持ち梁を両矢印a方向、すなわちx軸の正負の方向に振動させたとし、x軸方向の共振周波数をfx とすると、下記の(1) 式が成立する。
【0015】
【数1】
【0016】
前記y軸方向の移動(走査)およびz軸方向の移動も前記と同様に前記片持ち梁の動きと同一視することができるので、下記の(2) 、(3) 式が成立する。
【0017】
【数2】
【0018】
前記(1) 〜(3) 式において、mxeff、myeff、およびmzeffは、それぞれx、yおよびz軸方向の前記質量mx 、my 、およびmz の有効質量である。なお、片持ち梁の場合該有効質量は、実際の質量の0.24倍と定義されている。
次に、本実施形態の3次元微小走査装置4を走査プローブ顕微鏡のスキャナに使用することを考えると、x方向の走査速度を、y方向の走査速度より速くしなければならないので、x軸方向の共振周波数fx ≧y軸方向の共振周波数fy が成立する必要がある。なお、z軸方向の共振周波数fz は該x軸方向の共振周波数fx よりはるかに大きくすることが必要である。
【0019】
前記図2〜図4の説明から明らかなように、xステージ23はyステージ22の内側に形成されているので、xステージ23の質量mx はyステージ22の質量my より小さくなる。今、mx ≦1/4・my であるとすると、下記の(4) 式が成立する。
mxeff≦1/4・myeff …(4)
よって、前記(1) 、(2) 式から、下記の(5) 式が成立する。
【0020】
ky ≧4kx …(5)
すなわち、y軸方向のばね定数は、x軸方向のばね定数の4倍より大きくすることが必要になる。
次に、前記3次元微小走査装置4のx、y方向のダイナミックレンジ(移動距離)について説明する。今、該x、y方向のダイナミックレンジを、それぞれ、[x]、[y]とすると、下記の(6) 、(7) 式が成立する。
【0021】
[x]=Fx /kx …(6)
[y]=Fy /ky …(7)
ここにFx 、Fy は、それぞれ、前記x軸スピンドル5およびy軸スピンドル12の駆動力である。
前記(1) 、(2) 式より、それぞれ、kx =(2πfx)2 ・mxeff、ky =(2πfy)2 ・myeffが成立するから、前記(6) 、(7) 式はそれぞれ下記の(8) 、(9) 式と表すことができる。
【0022】
[x]=Fx /(2πfx)2 ・mxeff …(8)
[y]=Fy /(2πfy)2 ・myeff …(9)
いま、fx =fy =500Hz、mxeff=1g、myeff=4gとすると、kx =約104 N/m、ky =約4×104 N/mとなり、前記x軸、y軸スピンドル5、12の駆動力Fx 、Fy を、それぞれFx =1N、Fy =4Nとすると、x、y方向のダイナミックレンジ[x]、[y]は、それぞれ、[x]=[y]=100μmとなる。x、y方向のダイナミックレンジがそれぞれ100μm取れれば、走査型プローブ顕微鏡が要求するx、y方向の走査範囲を満足しているということができる。
【0023】
次に、z方向のダイナミックレンジ(移動距離)について説明する。z方向のダイナミックレンジを[z]と置くと、前記したx、y方向のダイナミックレンジと同様に、下記の(10)式、(11)式が成立する。
[z]=Fz /kz =Fz /(2πfz)2 ・mzeff …(10)
いま、fz =2kHz、mzeff=1gとすると、kz =1.5×105 N/mとなる。また、z軸スピンドル6の駆動力Fz を、Fz =1N/mとすると、z方向のダイナミックレンジ[z]は、[z]=6.3×10−3=6.3μmとなる。したがって、z方向のダイナミックレンジは、走査型プローブ顕微鏡が要求するz方向のダイナミックレンジを満足しているということができる。なお、前記の説明では、z方向の共振周波数fz を、fz =2kHzとしたが、この共振周波数fz の値は、走査型プローブ顕微鏡が要求するz方向の共振周波数の大きさを満足しているということができる。
【0024】
次に、3次元微小走査装置4をアルミで形成した場合の前記xステージ23、yステージ22の各平行ばね23a〜23d、22a〜22dの一設計例について説明する。図6に示されているように、該xステージ23の各平行ばね23a〜23dの長さをlx 、幅をwx 、厚みをtx とすると、lx =1cm、wx =1.73mm、tx =430μmとすることができる。また、yステージ22の各平行ばね22a〜22dの長さをly 、幅をwy 、厚みをty とすると、ly =1cm、wy =0.5cm、ty =480μmとすることができる。
【0025】
一般に、xステージ23の平行ばね23a〜23dのいずれか一つのばねのばね定数をsxiとし、yステージ22の平行ばね22a〜22dのいずれか一つのばねのばね定数をsyiとすると、該sxiとsyiは下記の(11)、(12)式で表すことができる。
sxi=E・wx ・tx 3 /4lx 3 …(11)
syi=E・wy ・ty 3 /4ly 3 …(12)
ここに、Eはヤング率を示し、アルミのヤング率Eは、7.03×1010N/mである。
【0026】
そこで、前記(11)、(12)式に、前記のアルミのヤング率Eの値、x、yステージの平行ばねの長さ、幅、厚みの前記設計値を代入すると、前記ばね定数sxi、syiの値は、それぞれ、次のようになる。
sxi=104 /4(N/m)、syi=104 (N/m)
これらのばね定数sxi、syiの値は、前記のx、y方向のダイナミックレンジを求める時に用いた合成ばね定数kx (=約104 N/m)、ky (=約4×104 N/m)とよく符合しており、前記の設計値を用いれば、x、y方向のダイナミックレンジ[x]、[y]を、[x]=[y]=100μm程度にできることは明らかである。
【0027】
次に、本実施形態では、zステージのばねはxステージのばね23a〜23dを兼用しているのでxzステージのばね23a〜23dの一つのばねのz方向のばね定数をsziとすると、該sziは下記の(13)式で表すことができる。
szi=E・tx ・wx 3 /4lx 3 …(11)
この式に、前記アルミのヤング率E、平行ばね23a〜23dの長さlx 、幅wx 、厚みtx を代入すると、ばね定数sziの値は次のようになる。
【0028】
szi=1.6×105 /4(N/m)
このばね定数sziの値は、前記のz方向のダイナミックレンジを求める時に用いた合成ばね定数kz (=1.5×105 N/m)とよく符合しており、前記の設計値を用いれば、z方向のダイナミックレンジ[z]を、[z]=6.3μm程度にできることは明らかである。
【0029】
前記の実施形態によれば、前記z軸スピンドル6の先端に固定された探針7は、該z軸スピンドル6の先端部で、かつ一平面で形成されたxおよびyステージ23、22上で、xおよびy方向にスキャンされるので、広い領域の走査を行っても、z軸方向の円弧エラーΔzは殆ど生じなくなる。また、スキャナの共振周波数は、前記の説明から明らかなように、十分に高くすることができ、高速で探針をスキャンすることができるようになり、走査型プローブ顕微鏡の操作性を向上させることができるようになる。
【0030】
次に、本発明の変形例を、図7および図8を参照して説明する。この変形例は、前記xステージの中央部(図の斜線部)をくりぬき、該斜線部に、例えば金属等で形成された薄膜24を張ったものである。この薄膜24を用いると、z軸方向の前記質量mz をより小さくすることができ、z方向のダイナミックレンジ[z]を改善することができる。また、他の変形例として、前記薄膜24に変えて、片持ち梁を用いてもよい。すなわち、xステージ23の一辺から弾性片を前記くりぬきの中心に向かって突出させ、その自由端にzスピンドル6の先端を接続するようにしてもよい。
【0031】
次に、本発明の第2の実施形態を、図9を参照して説明する。図中の図2または図3と同一の符合は、同一または同等物を示す。
この実施形態は、前記した第1実施形態のx、y方向の平行ばね23a〜23d、22a〜22dを、それぞれ一対のばね42a、42b;41a、41bから形成し、スキャン時にこれらのばねが自由振動するのを防止するために、外枠部21とyステージ22との間隙(例えば、10μm以下の幅の間隙)に、ダンパーの働きをするグリース系の粘性体43a〜43dが挿入されている。また、yステージ22とxステージ23との間隙(例えば、10μm以下の幅)に、前記と同様のグリース系の粘性体44a〜44dが挿入されている。
【0032】
この実施形態によれば、x、yステージ23、22を、x、y方向にスキャンさせて図示されていない試料を観察する時、該x、yステージ23、22を滑らかに移動させることができるようになる。
なお、前記の説明では、本発明の3次元微小走査装置は探針を走査する機構として説明されたが、該3次元微小走査装置を試料台として用いてもよいことは勿論である。また、前記の説明では、3次元微小走査装置は矩形状であったが、本発明はこれに限定されず、円形状あるいは多角形状であっても良い。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、弾性部材により、x、yおよびzステージを支持しているので、該x、yおよびzステージに印加される駆動力に対して、リニアに変位させることができるようになる。また、該構成では、従来装置のように、接着剤で3軸が固定されていないので、スキャナの共振周波数を高くすることができるようになる。また、zステージの変位は、x、yステージの面上に束縛されるので、従来装置で問題となる、z軸方向の円弧エラーΔzを軽減または除去することができるようになる。
【0034】
さらに、本発明によれば、ダンパー部材が、外枠部とyステージとの間隙、および前記yステージとxステージとの間隙に挿入されているので、スキャナの振動を殆ど除去することができ、正確な走査を行わせることができるようになる。また、本発明によれば、アルミニュームのような金属材料で一体成型することができるので、小形、軽量、簡単、精密および安価に製造することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される走査型プローブ顕微鏡の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態の3次元微小走査装置の構成を示す斜視図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】図3のA−A´線断面図である。
【図5】本発明の原理を示す図である。
【図6】本発明の設計値を説明するための斜視図である。
【図7】本発明の変形例を示す斜視図である。
【図8】図7の平面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の構成を示す斜視図である。
【図10】スキャナの従来例の斜視図である。
【図11】図10の従来装置で、z軸方向の円弧エラーΔzが起きる理由を説明する図である。
【符号の説明】
1 筐体
2 z軸方向のボイスコイルモータ
3 x軸方向のボイスコイルモータ
11 y軸方向のボイスコイルモータ
4 3次元微小走査装置
5 x軸スピンドル
6 z軸スピンドル
7 探針
12 y軸スピンドル
21 外枠部
22 yステージ
23 xステージ(zステージ兼用)
22a、22d、23a、23d 平行ばね
43a、43d、44a、44d 粘性体
Claims (6)
- 探針または試料をx、y、zの3方向であって且つx方向の走査速度がy方向の走査速度よりも速くなるように走査させるための3次元微小走査装置において、
一番外側に設けられた外枠部と、
該外枠部の内側に形成され、該外枠部に弾性部材を介して支持され、y軸方向に移動可能なyステージと、
該yステージの内側に形成され、該yステージに弾性部材を介して支持されたx軸方向およびz軸方向に移動可能なzステージ兼用のxステージとを具備し、
該x、yステージが変位する3方向が互いに垂直になるように、
前記yステージは、前記外枠部を貫通するy軸スピンドルを介して、y軸方向のボイスコイルモータ、またはリニアモータの駆動力によりy軸方向に駆動され、
前記zステージ兼用のxステージは、前記外枠部と前記yステージとを貫通するx軸スピンドルを介して、x軸方向のボイスコイルモータ、またはリニアモータの駆動力により、x軸方向に駆動されるとともに、z軸スピンドルを介して、z軸方向のボイスコイルモータ、またはリニアモータの駆動力によりz軸方向にも駆動され、
前記弾性部材と協働して前記各駆動力に比例した変位を各ステージに生ずるようにしたことを特徴とする3次元微小走査装置。 - 請求項1記載の3次元微小走査装置において、
前記外枠部と前記yステージとの間隙、および前記yステージと前記xステージとの間隙に、振動防止用のダンパ部材を挿入したことを特徴とする3次元微小走査装置。 - 請求項1記載の3次元微小走査装置において、
前記外枠部材、前記yステージ、前記zステージ兼用のxステージ及び各弾性部材は、金属部材から一体成型されていることを特徴とする3次元微小走査装置。 - 請求項3記載の3次元微小走査装置において、
前記外枠部と前記yステージとの間隙、および前記yステージと前記xステージとの間隙に、振動防止用のダンパ部材を挿入したことを特徴とする3次元微小走査装置。 - 請求項3または4記載の3次元微小走査装置において、
前記弾性部材は、前記金属部材の薄肉部でばね部材として働くように形成されたことを特徴とする3次元微小走査装置。 - 請求項3または4記載の3次元微小走査装置において、
前記金属部材として、アルミニューム、チタンとその合金およびSUSのいずれかを用いたことを特徴とする3次元微小走査装置。
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