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JP3539288B2 - アンテナ構造およびそのアンテナ構造を備えた通信装置 - Google Patents

アンテナ構造およびそのアンテナ構造を備えた通信装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、携帯型電話機等に内蔵されるアンテナ構造およびそのアンテナ構造を備えた通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PHS等の携帯型電話機のアンテナとしては、主に、図6(a)、(b)、(c)に示すようなアンテナ1や図7に示すような表面実装型アンテナ10が用いられている。図6(a)に示すアンテナ1は樹脂等のケーシング2内に直線ワイヤ状の金属導体部であるホイップ部3と螺旋状の金属導体部であるヘリカル部4とが内蔵されて成るものであり、上記ホイップ部3とヘリカル部4は切断されている。図6(b)に示すアンテナ1は、上記図6(a)のアンテナ1とほぼ同様な構造を持つものであるが、ホイップ部3とヘリカル部4を接続させている点が上記図6(a)のアンテナ1と異なる。
【0003】
また、図6(c)に示すアンテナ1は、ヘリカル部4の中心領域にホイップ部3が挿通されて成るものであり、ヘリカル部4はホイップ部3に電磁結合する。上記図6(a)、(b)、(c)に示す各アンテナ1は、通信装置(携帯型電話機)5のケース6よりも外側に突出され、その突出している長さが可変する伸縮可能タイプのアンテナである。
【0004】
通信装置5には、図6(a)、(b)、(c)に示すように、整合回路7と接触ピン8を有する給電回路9と、信号源20とを有しており、上記各アンテナ1は、上記信号源20の信号(電力)が給電回路9を介して供給されることによって、アンテナとして動作する。
【0005】
図7に示す表面実装型アンテナ10は誘電体基体11を有し、この誘電体基体11の表面には放射電極12と給電電極13とグランド電極14,15と接続用電極16(16a,16b,16c,16d,16e)が形成されている。つまり、図7に示すように、誘電体基体11の側面11aには放射電極12が誘電体基体11の後端面11bから前端面11dに向かう方向にライン状に形成され、この放射電極12の両端部はそれぞれ誘電体基体11の上面11eに回り込み、側面11cに向かう方向に形成されている。
【0006】
誘電体基体11の側面11cには給電電極13とグランド電極14,15が形成されている。上記給電電極13は側面11cから上面11eに掛けて形成されている。また、上記グランド電極14は前記誘電体基体11の底面11fから上面11eに向かう方向にライン状に形成されており、上面11eにおける後端側の放射電極12に導通接続されている。さらに、グランド電極15は誘電体基体11の側面11cから上面11eに掛けて形成されており、このグランド電極15の端部は上記放射電極12の開放端12aに間隔を介して対向配置されている。
【0007】
誘電体基体11の底面11fには接続用電極16a,16b,16c,16d,16eが形成されており、それら接続用電極16a,16b,16c,16d,16eはそれぞれ放射電極12の前端部、後端部、グランド電極14、給電電極13、グランド電極15に導通接続されている。
【0008】
上記図7に示す表面実装型アンテナ10は、例えば、図8に示すように、通信装置5の回路基板18に半田等を用いて実装される。つまり、図8に示す例では、回路基板18にはグランド電極21が形成されるグランド領域と、グランド電極21が形成されていない非グランド領域18aとが形成されており、この非グランド領域18aに上記表面実装型アンテナ10が実装されている。
【0009】
上記回路基板18には信号源20が設けられており、表面実装型アンテナ10を回路基板18に実装することで、表面実装型アンテナ10の給電電極13は信号源20に接続用導体パターン19を介して導通接続される。
【0010】
このように、表面実装型アンテナ10が回路基板18に実装されている状態で、信号源20から上記表面実装型アンテナ10の給電電極13に高周波の信号(電力)が供給されると、この給電電極13に供給された信号は放射電極12に容量結合により伝達される。これにより、放射電極12は、該放射電極12自身のインダクタンス成分と、開放端12aとグランド電極15間の静電容量とに基づいた共振状態となり、その共振のエネルギーの一部が電波として空間に放射される。
【0011】
図7に示す放射電極12は一方側の端部が開放端12aと成し、他方側の端部がグランド電極14に導通接続された接地端と成している。このような形態の放射電極12では動作波長の約1/4波長の共振状態となる。このため、放射電極12に流れる電流は、図7の矢印Aに示すように、誘電体基体11の前端面11dから後端面11bに向かう方向に流れる。このことにより、表面実装型アンテナ10によって送受信される電波は、図8に示すように、その電界成分ベクトルEが座標のZ方向に伝播するものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前記図6(a)、(b)に示すアンテナ1は、通常、ホイップ部3とヘリカル部4が共に通信装置5のケース6から突出している伸長状態と、上記ホイップ部3がケース6内に収納され、ヘリカル部4がケース6から突出している収納状態とを採り得る。
【0013】
このような図6(a)、(b)に示すアンテナ1を備えた通信装置5では、上記アンテナ1の伸長状態時にはホイップ部3に給電し、収納状態時にはヘリカル部4に給電しなければならず、アンテナ1へ電力を給電するための機構は複雑になってしまうという問題がある。また、上記のように、上記アンテナ1の伸長状態時と収納状態時とでは給電の状態が異なるので、伸長状態時と収納状態時とのアンテナ1のインピーダンスが異なる。このことにより、伸長状態時と収納状態時のどちらでも良好な通信を行うためには、整合回路を設け該整合回路によって、上記伸長状態時と収納状態時におけるアンテナ1のインピーダンスを整合しなければならない。
【0014】
さらに、図6の(b)に示すアンテナ1では収納状態であるときにもホイップ部3に電流が通電することから、ケース6内に収容されているホイップ部3が通信装置5の回路に悪影響を及ぼす虞がある。このことにより、そのホイップ部3に因る通信装置5の回路への悪影響を防止するための複雑な機構が必要となるという問題がある。
【0015】
図6(c)に示すアンテナ1はホイップ部3の固定機構にヘリカル部4との電磁結合部が複合するため、通信装置5の構造が複雑となり、通信装置5の価格が高価なものとなってしまうという問題が生じる。
【0016】
上記のように、従来のアンテナ1では、通信装置5に、複雑な給電機構や、整合回路や、上記アンテナ1の収納状態時におけるホイップ部3の悪影響防止機構等を設けなければならないので、通信装置5の構造が複雑となり、通信装置5の価格が高価になってしまうという問題が生じる。
【0017】
また、図7に示す表面実装型アンテナ10では、次に示すような問題が生じる。表面実装型アンテナ10は、一般に、小さく、また、携帯機器の中に収納される。このため、上記したような伸縮可能タイプのアンテナ1が伸ばされている状態と比べると、使用する周波数帯域幅等のアンテナ特性が十分でないという欠点があった。
【0018】
この発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、通信装置の構造の簡易化を可能とし、しかも、アンテナ特性の向上を図ることができるアンテナ構造およびそのアンテナ構造を備えた通信装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明のアンテナ構造は、誘電体基体に放射電極と該放射電極に外部からの給電電力を伝達する給電電極とが形成されて成る表面実装型アンテナと、該表面実装型アンテナが実装される実装基板のグランド電極に一端側が接続される線状アンテナとを有し、上記表面実装型アンテナと線状アンテナの上記グランド電極への接続部とは間隔を介して隣接配置されており、上記線状アンテナは、上記表面実装型アンテナの給電電極に供給された電力によって無給電にて励振される構成と成し、上記表面実装型アンテナと線状アンテナとの同時励振による両アンテナの合成された電波の指向性でもって信号送受信のアンテナ動作を行なう構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0020】
第2の発明のアンテナ構造は、上記第1の発明の構成を備え、線状アンテナの電気長は動作波長の5分の1以上の長さであることを特徴として構成されている。
【0021】
第3の発明のアンテナ構造は、上記第1又は第2の発明の構成を備え、線状アンテナは実装基板から突出する直線ワイヤ状の導体部を有して構成されていることを特徴として構成されている。
【0022】
第4の発明のアンテナ構造は、上記第1又は第2の発明の構成を備え、線状アンテナは実装基板から突出する直線ワイヤ状の導体部と螺旋状の導体部とを有して構成されていることを特徴として構成されている。
【0023】
第5の発明のアンテナ構造は、上記第3又は第4の発明の構成を備え、線状アンテナは、実装基板から突出している部位の長さが可変する伸縮可能タイプのアンテナであることを特徴として構成されている。
【0024】
第6の発明のアンテナ構造は、上記第1〜第5の発明の何れか1つの発明の構成を備え、表面実装型アンテナの誘電体基体は比誘電率が3以上であることを特徴として構成されている。
【0025】
第7の発明における通信装置は、上記第1〜第6の発明の何れか1つの発明のアンテナ構造を備えていることを特徴として構成されている。
【0026】
第8の発明における通信装置は、上記第7の発明を構成する通信装置のケースにはグランド領域が形成されており、線状アンテナは上記ケースのグランド領域に接地されていることを特徴として構成されている。
【0027】
上記構成の発明において、外部から表面実装型アンテナの給電電極に電力が供給された場合には、その電力は給電電極から放射電極に供給されると共に、線状アンテナにも伝達されることとなる。
【0028】
つまり、表面実装型アンテナに供給された電力が上記線状アンテナに供給される構成である。このことから、線状アンテナは表面実装型アンテナに隣接配置すればよく、従来のような線状アンテナに電力を供給するための複雑な給電機構は不要であり、線状アンテナへの電力供給の機構を簡略化することができる。さらに、従来では設けることが必須であった整合回路を省略することができる。
【0029】
上記のように、この発明では、アンテナへ電力を給電するための給電機構を簡略化することができたり、整合回路が不要となる等、通信装置の構造を簡単にすることができる。また、これにより、通信装置の低コスト化を図ることができる。さらに、表面実装型アンテナと線状アンテナを共に使用する構成であるので、アンテナ特性の向上を図ることが容易となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。
【0031】
図1には、この実施形態例において特徴的なアンテナ構造の主要構成部分が示されている。なお、この実施形態例の説明において、前記従来例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0032】
この実施形態例におけるアンテナ構造は、図1に示すように、アンテナ(線状アンテナ)1と表面実装型アンテナ10の2種のアンテナが実装基板である回路基板18に配設されて成るものであり、最も特徴的なことは、上記アンテナ1が無給電アンテナと成していることと、アンテナ1が回路基板18のグランド電極21に導通接続されていることである。
【0033】
以下、詳細を述べる。この実施形態例では、アンテナ1は直線ワイヤ状の金属導体部であるホイップ部3を有したものである。ホイップ部3を有したアンテナ1としては、図5に示すようなホイップ部3がケーシング2に内蔵されたものや、前記図6(a)、(b)、(c)に示すようなホイップ部3とヘリカル部4がケーシング2に収容されたもの等、様々な形態のものがあり、この実施形態例では、その何れの形態のものでもよい。
【0034】
この実施形態例では、上記アンテナ1のホイップ部3の端部が前記図7に示すような表面実装型アンテナ10に隣接して回路基板18に固定されており、上記アンテナ1は、回路基板18から突出している部位の長さが可変しないものである。また、この実施形態例では、上記ホイップ部3の端部はグランド電極21に導通接続されている。
【0035】
上記表面実装型アンテナ10は、図7に示すように、誘電体基体11に放射電極12と給電電極13等が形成されているものである。この実施形態例では、表面実装型アンテナ10の誘電体基体11はセラミックスや樹脂等により構成され、その比誘電率は3以上となっている。
【0036】
この実施形態例では、図1に示すように、回路基板18にはグランド電極21が形成されているグランド領域と、グランド電極21が形成されていない非グランド領域18aとが形成されており、表面実装型アンテナ10は上記非グランド領域18aに実装されている。
【0037】
上記表面実装型アンテナ10は回路基板18に実装されることにより、この表面実装型アンテナ10の給電電極13が回路基板18の信号源20と導通接続され、信号源20から信号(電力)が給電電極13に直接的に供給される。
【0038】
これに対して、上記アンテナ1は上記信号源20とは導通接続されておらず、信号源20から出力された信号は表面実装型アンテナ10を介してアンテナ1に供給される。つまり、上記表面実装型アンテナ10の給電電極13に信号源20から信号が供給されると、その電力は放射電極12に供給されると共に、給電電極13からの励振によりアンテナ1のホイップ部3に伝達される。このように、この実施形態例では、上記アンテナ1は無給電アンテナと成しており、表面実装型アンテナ10を介して電力が供給されることにより、アンテナとして動作することができる。
【0039】
ところで、本発明者は、図1に示すようにアンテナ1および表面実装型アンテナ10を回路基板18に配設した場合に、そのアンテナ1と表面実装型アンテナ10から成るアンテナの電波の指向性が、上記アンテナ1の電気長に応じて、どのように変化するのかを調べた。その実験結果が図2(a)〜(f)、図3(a)〜(f)に示されている。なお、上記実験では、アンテナ1の電気長以外の条件は全て等しい状態で行われたものである。
【0040】
上記図2(a)はアンテナ1が設けられておらず、表面実装型アンテナ10のみが設けられている場合である。また、動作波長をλとした場合、図2(b)はアンテナ1の電気長が0.05λの場合であり、図2(c)はアンテナ1の電気長が0.10λの場合である。図2(d)はアンテナ1の電気長が0.15λの場合であり、図2(e)はアンテナ1の電気長が0.20λの場合であり、図2(f)はアンテナ1の電気長が0.25λの場合である。
【0041】
上記図3(a)はアンテナ1の電気長が0.30λの場合であり、図3(b)はアンテナ1の電気長が0.35λの場合であり、図3(c)はアンテナ1の電気長0.40λの場合である。図3(d)はアンテナ1の電気長が0.45λの場合であり、図3(e)はアンテナ1の電気長が0.50λの場合であり、図3(f)はアンテナ1の電気長が0.55λの場合である。
【0042】
図2(a)〜(f)、図3(a)〜(f)に示されるように、アンテナ1の電気長によって、電波の指向性が異なることが分かる。このことから、この実施形態例では、仕様等により予め定められている所望の電波の指向性が得られる電気長でもってアンテナ1が形成されている。
【0043】
この実施形態例に示すアンテナ構造は上記のように構成されている。次に、この実施形態例に示すアンテナ構造を備えた通信装置の一例を図4に示す。この図4に示す通信装置5は携帯型電話機であり、この通信装置5のケース6内には回路基板18が内蔵されている。この回路基板18に上記の如くアンテナ1および表面実装型アンテナ10が配設されて、この実施形態例において特徴的なアンテナ構造が形成されている。
【0044】
上記回路基板18には信号源である送信回路25および受信回路26と、切り換え回路27とが形成されており、上記表面実装型アンテナ10は上記送信回路25および受信回路26に上記切り換え回路27を介して導通接続されている。この通信装置5においては、上記切り換え回路27の切り換え動作によって、信号の送受信動作が円滑に行われるものである。
【0045】
この実施形態例によれば、アンテナ1と表面実装型アンテナ10の2種のアンテナを用い、アンテナ1には表面実装型アンテナ10を介して電力が供給される構成である。このような構成とすることにより、上記アンテナ1の電気長を変化させることで、電波の指向性を今までになく様々に変化させることが可能であり、所望の電波の指向性を得ることが容易になる。
【0046】
特に、アンテナ1の電気長が動作波長の1/5以上である場合には、アンテナ1と表面実装型アンテナ10の2種のアンテナを用いた場合にのみ得られる特有な電波の指向性を得ることができる。例えば、図2(f)に示すように、アンテナ1の電気長が動作波長の約1/4である場合には、電気長が動作波長の約1/4であるのにも拘わらず、アンテナの指向性は、電気長が動作波長の約1/2である場合と同様の指向性を示す。
【0047】
このように、この実施形態例に示したアンテナ構造は、今までに無い画期的なアンテナ構造である。
【0048】
また、この実施形態例では、上記のように、アンテナ1の電気長が動作波長の約1/4であるのにも拘わらず、アンテナ1および表面実装型アンテナ10から成るアンテナの指向性は、電気長が動作波長の約1/2である場合と同様の指向性を示すという特有な特性を有するものである。これにより、アンテナ1の短縮化を図りながら、所望の指向性を得ることができる。
【0049】
さらに、この実施形態例では、表面実装型アンテナ10を構成する誘電体基体11は比誘電率が3以上であるので、表面実装型アンテナ10における放射電極12の開放端12aとグランド電極15間の容量結合が強くなる。このことにより、アンテナの利得が向上し、アンテナ特性をより向上させることができる。
【0050】
この実施形態例では、アンテナ1は無給電アンテナであるので、整合回路が不要となる上に、アンテナ1に電力を供給するための複雑な給電機構も不要である。このことから、この実施形態例に示すアンテナ構造を備えた通信装置5の構造の簡略化を図ることができ、このことにより、通信装置5の低コスト化を図ることができる。
【0051】
さらに、従来では、給電回路からアンテナ1に電力が直接的に供給される構成であるために、上記給電回路の配設位置等によって、アンテナ1の取り付け位置がほぼ定まってしまったが、この実施形態例では、アンテナ1はグランド電極21に接地する構成であるので、給電回路の配設位置等に規制されることなく、アンテナ1を配設することができ、アンテナ1を取り付けることが可能な領域を拡大することができ、通信装置5の設計の自由度を向上させることができる。
【0052】
なお、この発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、上記実施形態例では、アンテナ1は回路基板18にホイップ部3の端部が固定されており、回路基板18から突出している部位の長さが可変しないタイプのものであったが、アンテナ1を伸縮可能タイプのアンテナとしてもよい。つまり、回路基板18からの突出している部位の長さ(換言すれば、通信装置5のケース6から突出している部位の長さ)が可変するアンテナとしてもよい。この場合には、アンテナ1は、ケース6から伸長されている状態と、ケース6内に収納されている状態とのどちらの状態でも、回路基板18のグランド電極21に導通接続されるように回路基板18に取り付けられる。
【0053】
このように伸縮可能タイプのアンテナ1が設けられる場合には、アンテナ1が伸長している状態では、アンテナ1と表面実装型アンテナ10によりアンテナ動作が行われ、アンテナ1が収納されている状態では、アンテナ1はアンテナとして殆ど動作せず、表面実装型アンテナ10のみがアンテナとして動作することとなる。
【0054】
上記のように、アンテナ1が伸縮可能タイプのアンテナである場合には、上記実施形態例と同様の効果を奏することができる上に、次に示すような効果を得ることができる。従来においては、伸縮可能なタイプのアンテナ1が備えられている通信装置5では、アンテナ1の収納状態時に、ケース6内に収納されている部分が通信装置5の回路に悪影響を及ぼさないための機構が設けられている。
【0055】
これに対して、この実施形態例では、アンテナ1はグランド電極21に接地されているので、ケース6内に収容されたアンテナ1が通信装置5の回路に悪影響を及ぼすことは殆ど無く、上記のような収納時のアンテナ1の悪影響を防止するための機構を設けなくとも済む。このことから、通信装置5の構造の簡略化を図ることができる。
【0056】
さらに、上記実施形態例では、アンテナ1は回路基板18のグランド電極21に接地されていたが、通信装置5のケース6にグランド領域が設けられている場合には、ケース6のグランド領域にアンテナ1を接地するようにしてもよい。また、アンテナ1はグランド電極21やケース6のグランド領域に接地するのではなく、例えば、回路基板18の非グランド領域18aや通信装置5のケース6の絶縁部に接続してもよい。
【0057】
さらに、上記実施形態例では、表面実装型アンテナ10は回路基板18の非グランド領域18aに実装されていたが、回路基板18のグランド電極21上にグランド実装してもよい。
【0058】
さらに、上記実施形態例では、表面実装型アンテナ10の誘電体基体11は比誘電率が3以上であったが、例えば、誘電体基体11の比誘電率が3未満であっても、利得等のアンテナ特性が満足できる場合等には、誘電体基体11の比誘電率を3未満としてもよい。
【0059】
さらに、上記実施形態例では、該実施形態例において特徴的なアンテナ構造を携帯型電話機に内蔵する例を示したが、この発明において特徴的な構成を備えたアンテナ構造は携帯型電話機に限定されることなく、様々な通信装置に内蔵させることができる。
【0060】
さらに、上記実施形態例では、アンテナ1は直線ワイヤ状のホイップ部3を有するものであったが、アンテナ1はホイップ部3を備えず、螺旋状の導体部であるヘリカル部4のみにより構成してもよい。さらに、アンテナ1をヘリカル部4のみで構成する場合には、螺旋巻のピッチが互いに異なる複数のヘリカル部4によりアンテナ1を構成してもよい。
【0061】
さらに、上記実施形態例では、アンテナ1はワイヤ状のものであったが、例えば、アンテナ1は、回路基板18に導電材料が例えば成膜技術によって形成されて成るアンテナとしてもよい。
【0062】
さらに、上記実施形態例では、表面実装型アンテナ10は図7に示す形態を備えていたが、表面実装型アンテナ10は誘電体基体11に放射電極12と給電電極13が形成された構成であればよく、図7に示す形態に限定されるものではない。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、表面実装型アンテナと線状アンテナとの2種のアンテナを実装基板に配設し、線状アンテナには表面実装型アンテナを介して電力を供給する構成とした。これにより、線状アンテナの電気長に応じて、アンテナの指向性が今までになく様々に変化することとなり、線状アンテナの電気長を適宜設定することによって、所望のアンテナの指向性を容易に得ることができるという画期的なアンテナ構造を得ることができる。また、上記のように、表面実装型アンテナと線状アンテナの2種のアンテナを用いているので、アンテナ特性の向上を図ることが容易である。
【0064】
さらに、線状アンテナは無給電アンテナと成しているので、線状アンテナには整合回路を設ける必要が無く、また、線状アンテナに電力を供給するための複雑な給電機構を設けなくて済む。このことから、アンテナ構造およびそのアンテナ構造を備えた通信装置の簡略化を図ることができる。このことにより、安価なアンテナ構造や通信装置を提供することができることとなる。
【0065】
さらに、線状アンテナを、実装基板のグランド電極や、通信装置のケースのグランド領域に接地する構成とすることにより、従来よりも、線状アンテナの実装基板への取り付け可能な領域が拡大し、このことにより、通信装置の設計の自由度を向上させることができる。
【0066】
線状アンテナの電気長が動作波長の5分の1以上であるものにあっては、例えば、線状アンテナの電気長が動作波長の約4分の1であるのにも拘わらず、電気長が動作波長の2分の1である場合と同様の指向性を示すというように、この発明のアンテナ構造において特有なアンテナ特性を有することができる。また、従来よりも、線状アンテナの電気長の短縮化を図りつつ、所望の電波の指向性を得ることができる。
【0067】
線状アンテナが直線ワイヤ状の導体部を有しているものや、線状アンテナが直線ワイヤ状の導体部と螺旋状の導体部を有しているものにあっては、線状アンテナの構造が簡単であり、そのような簡単な構造でもって上記のような優れた効果を奏することができる。
【0068】
線状アンテナが伸縮可能タイプである場合には、従来では線状アンテナに電力を給電するための給電機構が非常に複雑であったが、この発明では、線状アンテナは無給電線状アンテナであるために、そのような複雑な給電機構を設けなくて済み、通信装置の構造の大幅な簡略化を図ることができる。
【0069】
表面実装型アンテナの誘電体が比誘電率が3以上であるものにあっては、表面実装型アンテナの利得を向上させることができ、より一層アンテナ特性に優れたアンテナ構造および通信装置を提供することができる。
【0070】
この発明において特徴的なアンテナ構造を備えた通信装置にあっては、アンテナ特性の信頼性を飛躍的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態例において特徴的な構成部分を示す説明図である。
【図2】本実施形態例のアンテナ構造において線状アンテナの電気長に応じた電波の指向性を示す説明図である。
【図3】図2に引き続き、本実施形態例のアンテナ構造において線状アンテナの電気長に応じた電波の指向性を示す説明図である。
【図4】本実施形態例のアンテナ構造を備えた通信装置の一例を示すモデル図である。
【図5】直線ワイヤ状の導体部を備えた線状アンテナの構成例を示す説明図である。
【図6】直線ワイヤ状の導体部と螺旋状の導体部を備えた線状アンテナの構成例を示す説明図である。
【図7】表面実装型アンテナの構成例を示す説明図である。
【図8】図7に示す表面実装型アンテナを実装基板に実装する際の実装例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 アンテナ
3 ホイップ部
4 ヘリカル部
5 通信装置
6 ケース
10 表面実装型アンテナ
11 誘電体基体
12 放射電極
13 給電電極
18 回路基板
21 グランド電極

Claims (8)

  1. 誘電体基体に放射電極と該放射電極に外部からの給電電力を伝達する給電電極とが形成されて成る表面実装型アンテナと、該表面実装型アンテナが実装される実装基板のグランド電極に一端側が接続される線状アンテナとを有し、上記表面実装型アンテナと線状アンテナの上記グランド電極への接続部とは間隔を介して隣接配置されており、上記線状アンテナは、上記表面実装型アンテナの給電電極に供給された電力によって無給電にて励振される構成と成し、上記表面実装型アンテナと線状アンテナとの同時励振による両アンテナの合成された電波の指向性でもって信号送受信のアンテナ動作を行なうことを特徴とするアンテナ構造。
  2. 線状アンテナの電気長は動作波長の5分の1以上の長さであることを特徴とする請求項1記載のアンテナ構造。
  3. 線状アンテナは実装基板から突出する直線ワイヤ状の導体部を有して構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアンテナ構造。
  4. 線状アンテナは実装基板から突出する直線ワイヤ状の導体部と螺旋状の導体部とを有して構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアンテナ構造。
  5. 線状アンテナは、実装基板から突出している部位の長さが可変する伸縮可能タイプのアンテナであることを特徴とする請求項3又は請求項4記載のアンテナ構造。
  6. 表面実装型アンテナの誘電体基体は比誘電率が3以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載のアンテナ構造。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載のアンテナ構造を備えていることを特徴とする通信装置。
  8. 通信装置のケースにはグランド領域が形成されており、線状アンテナは上記ケースのグランド領域に接地されていることを特徴とする請求項7記載の通信装置。
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