JP3531190B2 - 共重合体の製造方法 - Google Patents
共重合体の製造方法Info
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- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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- C08F8/00—Chemical modification by after-treatment
- C08F8/30—Introducing nitrogen atoms or nitrogen-containing groups
- C08F8/32—Introducing nitrogen atoms or nitrogen-containing groups by reaction with amines
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、黄色度が低く、透明性
に優れた共重合体の製造方法に関するものであり、本発
明の製造方法により得られる共重合体は、各種光学部
品、自動車部品および電気電子部品など多くの用途に利
用可能である。 【0002】 【従来の技術】最近、生産性、軽量化などの点から光学
レンズ、光ファイバー等の光学部品あるいはヘッドライ
トレンズ、サンルーフなどの自動車部品のプラスチック
化が活発に検討されており、それにつれて透明性プラス
チックに対する要求はますます厳しくなってきている。
特に、耐熱性向上に対する要求は非常に強いものがあ
る。 【0003】スクシンイミド単位を有する共重合体は、
高い耐熱性を有するため古くから種々の検討がなされて
いる。例えば、メタクリル酸メチルにN−芳香族置換マ
レイミドを共重合する方法が特公昭43−9753号公
報、特開昭61−141715号公報、特開昭61−1
71708号公報および特開昭62−109811号公
報により、スチレン系樹脂にN−芳香族置換マレイミド
を共重合する方法が特開昭47−6891号公報、特開
昭61−76512号公報および特開昭61−2768
07号公報により知られている。しかし、ここで得られ
る樹脂は、N−芳香族置換マレイミド含量が増すほど耐
熱性は良好となるが、脆い、加工性が悪い、着色する等
の問題がある。 【0004】スクシンイミド単位およびオレフィン単位
からなる共重合体は、耐熱性および機械特性に優れたプ
ラスチックである。英国特許第815821号には、無
水マレイン酸とオレフィン類からなる共重合体とメチル
アミンとの反応によるスクシンイミド共重合体の製造方
法が記載されおり、無水マレイン酸共重合体をベンゼン
中でメチルアミンによりアミド化したのち溶媒を除去
し、オーブン中加熱イミド化することにより薄黄色の樹
脂を得ている。そして、残存無水マレイン酸の除去およ
び不活性雰囲気中での反応により色調が改善されること
が示されている。また、Journal of Pol
ymer Science PartCNo.16
p.387(1967)には、無水マレイン酸共重合体
とアルキルアミンのイミド化反応について酢酸中あるい
はベンゼン中での反応が記載されている。しかしなが
ら、上述の方法で得られる共重合体は、多少黄着色が改
善されているとはいえ、透明性プラスチックとしての要
求を十分満足できるものではなかった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、黄色
度が低く、透明性、耐熱性および機械的強度に優れた共
重合体の製造方法を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者は、この問題を
鑑み鋭意検討した結果、無水マレイン酸/イソブテン系
共重合体とアミン化合物との反応によりスクシンイミド
単位を含む共重合体を製造する方法において、無水マレ
イン酸/イソブテン系共重合体のアミド化物をある種の
安定剤の存在下、閉環イミド化することを特徴とする製
造方法が、上記目的を満たすことを見出し、本発明を完
成するに至った。 【0007】すなわち、本発明は相対溶液粘度が0.1
〜10.0である無水マレイン酸単位40〜60モル
%、イソブテン単位60〜40モル%および共重合可能
な他の単量体単位0〜20モル%からなる無水マレイン
酸共重合体と、1種類以上のアミン化合物との反応によ
り一般式(I)で示されるスクシンイミド単位を含む共
重合体を製造するにおいて、無水マレイン酸共重合体の
アミド化物をリン系安定剤、フェノール系安定剤、チオ
ール系安定剤およびアミン系安定剤より選択される1種
類以上の安定剤の存在下、加熱により閉環イミド化する
ことを特徴とする黄色度が低く、透明性に優れた共重合
体の製造方法である。 【0008】 【化2】 【0009】(ここで、R1は水素原子、炭素数1〜6
のアルキル基またはシクロアルキル基を示す)本発明に
つき以下詳細に説明する。 【0010】本発明で使用される無水マレイン酸共重合
体は、無水マレイン酸、イソブテンおよび必要に応じて
共重合可能な他の単量体とのラジカル共重合により容易
に得ることができる。 【0011】本発明において、耐熱性および機械特性の
点からイソブテンが好ましく用いられる。 【0012】その他、本発明の目的をそこなわない範囲
で共重合可能な他の単量体を共重合することもできる。
共重合可能な成分としては、スチレン,α−メチルスチ
レン,メチルスチレン等のスチレン誘導体、1,3−ブ
タジエン,イソプレン等のジエン類、メタクリル酸メチ
ル,メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル類、
アクリル酸メチル,アクリル酸エチル等のアクリル酸エ
ステル類、およびメチルビニルエーテル,エチルビニル
エーテル等のビニルエーテル類等が挙げられ、これらは
1種または2種以上組み合わせて用いることができる。 【0013】本発明で用いる無水マレイン酸共重合体を
得る方法としては特に制限はないが、着色に影響を与え
る残存無水マレイン酸の低減の点から、モノマー類は可
溶であるが生成共重合体は不溶である溶媒を用いて生成
共重合体を粒子状で取出すラジカル沈澱重合法を採用す
ることが好ましい。この沈殿重合法における重合溶媒と
しては公知の沈澱重合溶媒、例えば酢酸エチル,酢酸プ
ロピル,酢酸ブチル等の酢酸エステル類あるいは酢酸エ
ステルとアルコールの混合溶媒等が挙げられる。 【0014】また、上述した無水マレイン酸共重合体を
得るにあたって用いられる重合開始剤としては、ベンゾ
イルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、オクタ
ノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ
(t−ブチル)パーオキサイド、t−ブチルクミルパー
オキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパー
オキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、パーブチルネオデカネート等の有機過酸化物または
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニトリル)、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−
2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビ
ス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系
開始剤が挙げられる。 【0015】また、重合温度は開始剤の分解温度に応じ
て適宜設定することができるが、一般的には40〜15
0℃の範囲で行うことが好ましい。 【0016】本発明において用いられる無水マレイン酸
共重合体中の無水マレイン酸単位の含有量は、ポリマー
全体の40〜60モル%であり、共重合体中のイソブテ
ン単位は60〜40モル%であり、その他の共重合可能
な単位の共重合体中の含有量はポリマー全体の0〜20
モル%であり、0〜5モル%、特に0〜1モル%が好ま
しい。 【0017】また、上述のように無水マレイン酸共重合
体中の残存無水マレイン酸モノマーがイミド化時の着色
に影響を与えることから、上記重合はイソブテン過剰の
条件で行うことが好ましく、共重合における無水マレイ
ン酸/イソブテンのモル比は1以下とすることが好まし
い。また、重合後の生成ポリマー粒子を無水マレイン酸
は溶解するが共重合体は溶解しない溶媒類で洗浄するこ
とによっても、残存無水マレイン酸モノマーの除去が可
能となる。なお、無水マレイン酸共重合体中の残存無水
マレイン酸モノマー量は1重量%以下、特に0.1重量
%以下とすることが好ましい。また、これらの重合には
セルロース系、ビニルアルコール系などの分散安定剤を
使用することも可能である。 【0018】本発明で使用する無水マレイン酸共重合体
の相対溶液粘度は、ウベローデ粘度計によって、無水マ
レイン酸共重合体の0.5g/dlのN,N−ジメチル
ホルムアミド溶液の流動時間(t1)とN,N−ジメチ
ルホルムアミドの流動時間(t0)を23℃で測定した
t1/t0値を示す。本発明において用いられる無水マ
レイン酸共重合体の相対溶液粘度は0.1〜10.0で
あり、特に0.5〜5.0のものが好ましい。固有粘度
が10.0より大きい場合には得られる共重合体の成形
性が悪くなり、0.1より小さい場合には得られる共重
合体が脆くなる傾向にあるため好ましくない。 【0019】本発明の製造方法で使用されるアミン化合
物としては、メチルアミン,エチルアミン,n−プロピ
ルアミン,イソプロピルアミン,n−ブチルアミン,s
−ブチルアミン,t−ブチルアミン,シクロヘキシルア
ミン等の炭素数1〜6のアルキルアミン、アンモニアあ
るいはジメチル尿素,ジエチル尿素等の加熱等の処理に
より容易にアミンを発生する化合物が挙げられ、これら
は1種以上用いられる。このうち特にメチルアミン,エ
チルアミン,イソプロピルアミン,シクロヘキシルアミ
ンを用いることにより、得られる共重合体の耐熱性を著
しく向上させることができるので好ましい。 【0020】本発明は、前述した無水マレイン酸共重合
体と上記アミン化合物を溶媒の存在下あるいは非存在下
で反応せしめ、無水マレイン酸共重合体のアミド化物を
得る工程を含む。このとき、反応温度については特に制
限はないが、通常0〜150℃の範囲である。また、こ
こで用いる溶媒についても特に制限はないが、ベンゼ
ン,トルエン,キシレンなどの芳香族系溶媒、メタノー
ル,エタノール,プロパノール,ブタノールなどのアル
コール系溶媒、アセトン,メチルエチルケトンなどのケ
トン系溶媒、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸プロピル,
酢酸ブチルなどの酢酸エステル類、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルフォ
キシド、水およびこれらの混合溶媒等が挙げられ、溶媒
を用いる場合には、無水マレイン酸共重合体を溶媒に溶
解あるいは分散し、アミン化合物を添加することにより
アミド化物を合成することができる。 【0021】本発明は、上記の無水マレイン酸共重合体
のアミド化物を安定剤の存在下、加熱し閉環イミド化す
ることにより一般式(I)で示されるスクシンイミド単
位を含む共重合体を得るものである。ここで、この工程
において無水マレイン酸共重合体のアミド化物は、ポリ
マー粒子、ポリマー溶液あるいは分散溶液などとして使
用することができるが、工程が簡略化できることおよび
生産性など経済性の点から、溶媒類を用いないあるいは
無水マレイン酸共重合体のアミド化物100重量部に対
して10重量部以下といった少量の溶媒存在下で行うこ
とが好ましい。 【0022】上記イミド化温度は、100〜400℃、
好ましくは120〜350℃、特に好ましくは140〜
320℃であり、反応温度が100℃未満の場合にはイ
ミド化反応が進行しづらく、400℃を越える場合には
熱劣化により得られる共重合体が着色するおそれがあ
る。また、反応温度は連続的あるいは段階的に昇温ある
いは降温させることもできる。さらに、反応触媒として
トリエチルアミン、トルエンスルホン酸のような各種塩
基性あるいは酸性触媒を添加することもできる。また、
上記イミド化におけるイミド化率は、反応温度、反応時
間等により影響されるが、十分な耐熱性を有する共重合
体を得るためには、共重合体中に含まれていた無水マレ
イン酸単位を基準に、その80モル%以上、好ましくは
95モル%以上、特に99モル%以上がスクシンイミド
単位に変換されていることが好ましい。反応率が80モ
ル%未満の場合には生成する共重合体の熱安定性が悪く
なるおそれがある。 【0023】本発明の製造方法で用いられる安定剤は、
リン系安定剤、フェノール系安定剤、硫黄系安定剤およ
びアミン系安定剤より選ばれる1種類以上の化合物であ
り、リン系安定剤としては、トリフェニルフォスファイ
ト、トリス(2,4−ジ(t−ブチル)フェニル)フォ
スファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイ
ト、サイクリックネオペンタンテトライル−ビス(オク
タデシルフォスファイト)、4,4’−ブチリデン−ビ
ス(3−メチル−6−(t−ブチル)フェニル−ジ
(トリデシル))フォスファイト、テトラキス(2,4
−ジ(t−ブチル)フェニル)−4,4’−ビフェニレ
ンフォスファイトなどが挙げられる。また、フェノール
系安定剤としては、トリエチレングリコール−ビス[3
−(3−(t−ブチル)−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]、1,3−ヘキサンジオー
ル−ビス[3−(3,5−ジ(t−ブチル)−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチ
ル−テトラキス[3−(3,5−ジ(t−ブチル)−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チ
オ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ(t−ブチル)
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタ
デシル−3−(3,5−ジ(t−ブチル)−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート、2,2−チオビス(4
メチル−6−(t−ブチル)フェノール)、N,N’−
ヘキサメチレンビス(3,5−ジ(t−ブチル)−4−
ヒドロキシンナマミド)、3,5−ジ(t−ブチル)−
4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチル
エステルなどが挙げられる。さらに、硫黄系安定剤とし
ては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチル
チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネ
ートなどが挙げられ、アミン系安定剤としては、2−
(3,5−ジ(t−ブチル)−4−ヒドロキシベンジ
ル)−2−(n−ブチル)マロン酸ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケ
ートなどが挙げられる。また、これらの安定剤は2種類
以上を併用してもよい。これらのうち、特にリン系安定
剤またはリン系安定剤とフェノール系安定剤の併用系が
好ましく、リン系安定剤とフェノール系安定剤の併用系
を用いる場合は、リン系安定剤/フェノール系安定剤の
重量比は100/0〜5/95、特に90/10〜50
/50の範囲とすることが好ましい。 【0024】これら安定剤の添加量は、アミド化された
無水マレイン酸共重合体100重量部に対して0.00
5〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部、特に
0.05〜0.5重量部が好ましい。この添加量が0.
005重量部未満では黄色度の改良効果が低くなるおそ
れがあり、5重量部を越える場合には経済的でない。 【0025】本発明の製造方法に使用する反応装置につ
いては、特に限定されることはなく、槽型反応器、管型
反応器、スクリュー押出反応器など用いることができ
る。 【0026】特に、色調の改良および経済性の点から、
脱気装置付き押出機を用いることが好ましく、無水マレ
イン酸共重合体粒子のアミド化物と安定剤の混合物を脱
気装置付押出機を用いて加熱溶融し、反応により生成す
る水および過剰のアミン等を除去しながら閉環イミド化
することが好ましい。 【0027】なお、本発明の製造方法において得られた
共重合体には必要に応じて、さらに熱安定剤、紫外線安
定剤、各種潤滑剤、染料、帯電防止剤、各種プラスチッ
ク、エラストマーなどを添加してもよい。 【0028】本発明の製造方法により得られた樹脂は、
色調,透明性に優れ、各種光学部品、自動車部品、電気
電子部品、医療食品部品等の幅広い用途で有用である。
また、各種プラスチックあるいはエラストマーなどとの
複合化においても色調の優れた製品を得ることができ
る。 【0029】 【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は実施例に限定されるものではない。 【0030】なお、本実施例中の生成ポリマーの確認
は、元素分析、IR測定およびNMR測定により行っ
た。また、得られたポリマーの相対溶液粘度は、N,N
−ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒としてウベロ
ーデ粘度計を用いて23℃で測定した。 【0031】さらに、得られたポリマーの黄色度は、J
IS K5401に準拠し、0.8mmのプレス試験片
を用いてカラーコンピューター(スガ試験機(株))で
評価した(反射法;反射板の三刺激値x:79.44、
y:82.22、z:94.51)。 【0032】参考例1 無水マレイン酸/イソブテン共
重合体の合成 撹拌機、窒素導入管、イソブテン導入管、温度計および
脱気管の付いた30lオートクレーブに、無水マレイン
酸2.8kg、ラウリルメルカプタン10g、t−ブチ
ルパーオキシピバレート6.3gおよび酢酸イソプロピ
ル19lを仕込み、窒素で数回パージした後、液化イソ
ブテン5.2lを仕込み、60℃で6時間反応を行っ
た。 【0033】得られた粒子を遠心分離後乾燥し、4.4
kgの無水マレイン酸/イソブテン共重合体を得た。元
素分析より、得られた共重合体は50モル%の無水マレ
イン酸単位を含んでいた。また、相対溶液粘度は2.0
であった。同様の方法で数バッチ反応を行い、無水マレ
イン酸共重合体サンプルを作成した。 【0034】実施例1 撹拌機、窒素導入管、温度計および脱気管の付いた30
lオートクレーブに、参考例1で得られた共重合体粒子
2kgおよびトルエン20lを仕込み、液化メチルアミ
ン750mlを導入し、60℃で6時間撹拌した。反応
後のポリマー粒子を遠心分離後乾燥し、2.4kgの無
水マレイン酸/イソブテン共重合体のアミド化物を得
た。 【0035】得られた共重合体はIR測定により、18
50cm-1の酸無水物に基づく吸収の消失および新たに
アミドおよびカルボン酸単位に基づく吸収が認められた
ことより、酸無水物単位がアミンにより開環アミド化し
ていることが確認できた。この無水マレイン酸/イソブ
テン共重合体粒子のアミド化物に0.1重量部のトリス
(2,4−ジ(t−ブチル)フェニル)フォスファイト
を振り混ぜ、ホッパー下より先端ノズル方向へ150
℃、260℃、280℃、270℃に設定した二軸押出
機を用いて、窒素雰囲気下連続的に押出し、反応により
生成する水、過剰のアミンなどをベントで除去しながら
押出し、透明のストランドを得た。得られたストランド
をカッティングし、透明ペレットを得た。 【0036】元素分析、IR測定および13C−NMR測
定から、得られた共重合体はN−メチルスクシンイミド
単位50モル%およびイソブテン単位50モル%からな
る共重合体であることを確認した。得られたポリマーの
黄色度は4.5であった。得られたペレットをミニマッ
ト(住友重機社製)を用いて、射出温度300℃、金型
温度120℃で射出成形を行い、試験片を作製した。得
られた試験片の曲げ強度は1300kg/cm2、曲げ
弾性率は46000kg/cm2、熱変形温度は145
℃であった。 【0037】実施例2 実施例1と同様の操作により、安定剤として0.15重
量部のペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5
−ジ(t−ブチル)−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]を用いて共重合体を押出した。得られたポリ
マーの黄色度は6.7であった。 【0038】実施例3 実施例1と同様の操作により、安定剤として0.1重量
部のビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジニル)セバケートを添加して共重合体を押出した。得
られたポリマーの黄色度は6.5であった。 【0039】実施例4 実施例1と同様の操作により、安定剤として0.1重量
部のトリス(2,4−ジ(t−ブチル)フェニル)フォ
スファイトおよび0.05重量部のペンタエリスリチル
−テトラキス[3−(3,5−ジ(t−ブチル)−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を添加して共重
合体を押出した。得られたポリマーの黄色度は4.2で
あった。 【0040】比較例1 実施例1と同様の操作により、安定剤無添加で共重合体
を押出した。得られポリマーの黄色度は10.8であっ
た。 【0041】 【発明の効果】以上述べたとおり、本発明の製造方法に
より黄色度が低く、透明性に優れたスクシンイミド単位
を含む共重合体を得ることができ、これらは光学部品、
自動車部品、電気電子部品をはじめ多くの分野で有用で
ある。
に優れた共重合体の製造方法に関するものであり、本発
明の製造方法により得られる共重合体は、各種光学部
品、自動車部品および電気電子部品など多くの用途に利
用可能である。 【0002】 【従来の技術】最近、生産性、軽量化などの点から光学
レンズ、光ファイバー等の光学部品あるいはヘッドライ
トレンズ、サンルーフなどの自動車部品のプラスチック
化が活発に検討されており、それにつれて透明性プラス
チックに対する要求はますます厳しくなってきている。
特に、耐熱性向上に対する要求は非常に強いものがあ
る。 【0003】スクシンイミド単位を有する共重合体は、
高い耐熱性を有するため古くから種々の検討がなされて
いる。例えば、メタクリル酸メチルにN−芳香族置換マ
レイミドを共重合する方法が特公昭43−9753号公
報、特開昭61−141715号公報、特開昭61−1
71708号公報および特開昭62−109811号公
報により、スチレン系樹脂にN−芳香族置換マレイミド
を共重合する方法が特開昭47−6891号公報、特開
昭61−76512号公報および特開昭61−2768
07号公報により知られている。しかし、ここで得られ
る樹脂は、N−芳香族置換マレイミド含量が増すほど耐
熱性は良好となるが、脆い、加工性が悪い、着色する等
の問題がある。 【0004】スクシンイミド単位およびオレフィン単位
からなる共重合体は、耐熱性および機械特性に優れたプ
ラスチックである。英国特許第815821号には、無
水マレイン酸とオレフィン類からなる共重合体とメチル
アミンとの反応によるスクシンイミド共重合体の製造方
法が記載されおり、無水マレイン酸共重合体をベンゼン
中でメチルアミンによりアミド化したのち溶媒を除去
し、オーブン中加熱イミド化することにより薄黄色の樹
脂を得ている。そして、残存無水マレイン酸の除去およ
び不活性雰囲気中での反応により色調が改善されること
が示されている。また、Journal of Pol
ymer Science PartCNo.16
p.387(1967)には、無水マレイン酸共重合体
とアルキルアミンのイミド化反応について酢酸中あるい
はベンゼン中での反応が記載されている。しかしなが
ら、上述の方法で得られる共重合体は、多少黄着色が改
善されているとはいえ、透明性プラスチックとしての要
求を十分満足できるものではなかった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、黄色
度が低く、透明性、耐熱性および機械的強度に優れた共
重合体の製造方法を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者は、この問題を
鑑み鋭意検討した結果、無水マレイン酸/イソブテン系
共重合体とアミン化合物との反応によりスクシンイミド
単位を含む共重合体を製造する方法において、無水マレ
イン酸/イソブテン系共重合体のアミド化物をある種の
安定剤の存在下、閉環イミド化することを特徴とする製
造方法が、上記目的を満たすことを見出し、本発明を完
成するに至った。 【0007】すなわち、本発明は相対溶液粘度が0.1
〜10.0である無水マレイン酸単位40〜60モル
%、イソブテン単位60〜40モル%および共重合可能
な他の単量体単位0〜20モル%からなる無水マレイン
酸共重合体と、1種類以上のアミン化合物との反応によ
り一般式(I)で示されるスクシンイミド単位を含む共
重合体を製造するにおいて、無水マレイン酸共重合体の
アミド化物をリン系安定剤、フェノール系安定剤、チオ
ール系安定剤およびアミン系安定剤より選択される1種
類以上の安定剤の存在下、加熱により閉環イミド化する
ことを特徴とする黄色度が低く、透明性に優れた共重合
体の製造方法である。 【0008】 【化2】 【0009】(ここで、R1は水素原子、炭素数1〜6
のアルキル基またはシクロアルキル基を示す)本発明に
つき以下詳細に説明する。 【0010】本発明で使用される無水マレイン酸共重合
体は、無水マレイン酸、イソブテンおよび必要に応じて
共重合可能な他の単量体とのラジカル共重合により容易
に得ることができる。 【0011】本発明において、耐熱性および機械特性の
点からイソブテンが好ましく用いられる。 【0012】その他、本発明の目的をそこなわない範囲
で共重合可能な他の単量体を共重合することもできる。
共重合可能な成分としては、スチレン,α−メチルスチ
レン,メチルスチレン等のスチレン誘導体、1,3−ブ
タジエン,イソプレン等のジエン類、メタクリル酸メチ
ル,メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル類、
アクリル酸メチル,アクリル酸エチル等のアクリル酸エ
ステル類、およびメチルビニルエーテル,エチルビニル
エーテル等のビニルエーテル類等が挙げられ、これらは
1種または2種以上組み合わせて用いることができる。 【0013】本発明で用いる無水マレイン酸共重合体を
得る方法としては特に制限はないが、着色に影響を与え
る残存無水マレイン酸の低減の点から、モノマー類は可
溶であるが生成共重合体は不溶である溶媒を用いて生成
共重合体を粒子状で取出すラジカル沈澱重合法を採用す
ることが好ましい。この沈殿重合法における重合溶媒と
しては公知の沈澱重合溶媒、例えば酢酸エチル,酢酸プ
ロピル,酢酸ブチル等の酢酸エステル類あるいは酢酸エ
ステルとアルコールの混合溶媒等が挙げられる。 【0014】また、上述した無水マレイン酸共重合体を
得るにあたって用いられる重合開始剤としては、ベンゾ
イルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、オクタ
ノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ
(t−ブチル)パーオキサイド、t−ブチルクミルパー
オキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパー
オキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、パーブチルネオデカネート等の有機過酸化物または
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニトリル)、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−
2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビ
ス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系
開始剤が挙げられる。 【0015】また、重合温度は開始剤の分解温度に応じ
て適宜設定することができるが、一般的には40〜15
0℃の範囲で行うことが好ましい。 【0016】本発明において用いられる無水マレイン酸
共重合体中の無水マレイン酸単位の含有量は、ポリマー
全体の40〜60モル%であり、共重合体中のイソブテ
ン単位は60〜40モル%であり、その他の共重合可能
な単位の共重合体中の含有量はポリマー全体の0〜20
モル%であり、0〜5モル%、特に0〜1モル%が好ま
しい。 【0017】また、上述のように無水マレイン酸共重合
体中の残存無水マレイン酸モノマーがイミド化時の着色
に影響を与えることから、上記重合はイソブテン過剰の
条件で行うことが好ましく、共重合における無水マレイ
ン酸/イソブテンのモル比は1以下とすることが好まし
い。また、重合後の生成ポリマー粒子を無水マレイン酸
は溶解するが共重合体は溶解しない溶媒類で洗浄するこ
とによっても、残存無水マレイン酸モノマーの除去が可
能となる。なお、無水マレイン酸共重合体中の残存無水
マレイン酸モノマー量は1重量%以下、特に0.1重量
%以下とすることが好ましい。また、これらの重合には
セルロース系、ビニルアルコール系などの分散安定剤を
使用することも可能である。 【0018】本発明で使用する無水マレイン酸共重合体
の相対溶液粘度は、ウベローデ粘度計によって、無水マ
レイン酸共重合体の0.5g/dlのN,N−ジメチル
ホルムアミド溶液の流動時間(t1)とN,N−ジメチ
ルホルムアミドの流動時間(t0)を23℃で測定した
t1/t0値を示す。本発明において用いられる無水マ
レイン酸共重合体の相対溶液粘度は0.1〜10.0で
あり、特に0.5〜5.0のものが好ましい。固有粘度
が10.0より大きい場合には得られる共重合体の成形
性が悪くなり、0.1より小さい場合には得られる共重
合体が脆くなる傾向にあるため好ましくない。 【0019】本発明の製造方法で使用されるアミン化合
物としては、メチルアミン,エチルアミン,n−プロピ
ルアミン,イソプロピルアミン,n−ブチルアミン,s
−ブチルアミン,t−ブチルアミン,シクロヘキシルア
ミン等の炭素数1〜6のアルキルアミン、アンモニアあ
るいはジメチル尿素,ジエチル尿素等の加熱等の処理に
より容易にアミンを発生する化合物が挙げられ、これら
は1種以上用いられる。このうち特にメチルアミン,エ
チルアミン,イソプロピルアミン,シクロヘキシルアミ
ンを用いることにより、得られる共重合体の耐熱性を著
しく向上させることができるので好ましい。 【0020】本発明は、前述した無水マレイン酸共重合
体と上記アミン化合物を溶媒の存在下あるいは非存在下
で反応せしめ、無水マレイン酸共重合体のアミド化物を
得る工程を含む。このとき、反応温度については特に制
限はないが、通常0〜150℃の範囲である。また、こ
こで用いる溶媒についても特に制限はないが、ベンゼ
ン,トルエン,キシレンなどの芳香族系溶媒、メタノー
ル,エタノール,プロパノール,ブタノールなどのアル
コール系溶媒、アセトン,メチルエチルケトンなどのケ
トン系溶媒、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸プロピル,
酢酸ブチルなどの酢酸エステル類、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルフォ
キシド、水およびこれらの混合溶媒等が挙げられ、溶媒
を用いる場合には、無水マレイン酸共重合体を溶媒に溶
解あるいは分散し、アミン化合物を添加することにより
アミド化物を合成することができる。 【0021】本発明は、上記の無水マレイン酸共重合体
のアミド化物を安定剤の存在下、加熱し閉環イミド化す
ることにより一般式(I)で示されるスクシンイミド単
位を含む共重合体を得るものである。ここで、この工程
において無水マレイン酸共重合体のアミド化物は、ポリ
マー粒子、ポリマー溶液あるいは分散溶液などとして使
用することができるが、工程が簡略化できることおよび
生産性など経済性の点から、溶媒類を用いないあるいは
無水マレイン酸共重合体のアミド化物100重量部に対
して10重量部以下といった少量の溶媒存在下で行うこ
とが好ましい。 【0022】上記イミド化温度は、100〜400℃、
好ましくは120〜350℃、特に好ましくは140〜
320℃であり、反応温度が100℃未満の場合にはイ
ミド化反応が進行しづらく、400℃を越える場合には
熱劣化により得られる共重合体が着色するおそれがあ
る。また、反応温度は連続的あるいは段階的に昇温ある
いは降温させることもできる。さらに、反応触媒として
トリエチルアミン、トルエンスルホン酸のような各種塩
基性あるいは酸性触媒を添加することもできる。また、
上記イミド化におけるイミド化率は、反応温度、反応時
間等により影響されるが、十分な耐熱性を有する共重合
体を得るためには、共重合体中に含まれていた無水マレ
イン酸単位を基準に、その80モル%以上、好ましくは
95モル%以上、特に99モル%以上がスクシンイミド
単位に変換されていることが好ましい。反応率が80モ
ル%未満の場合には生成する共重合体の熱安定性が悪く
なるおそれがある。 【0023】本発明の製造方法で用いられる安定剤は、
リン系安定剤、フェノール系安定剤、硫黄系安定剤およ
びアミン系安定剤より選ばれる1種類以上の化合物であ
り、リン系安定剤としては、トリフェニルフォスファイ
ト、トリス(2,4−ジ(t−ブチル)フェニル)フォ
スファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイ
ト、サイクリックネオペンタンテトライル−ビス(オク
タデシルフォスファイト)、4,4’−ブチリデン−ビ
ス(3−メチル−6−(t−ブチル)フェニル−ジ
(トリデシル))フォスファイト、テトラキス(2,4
−ジ(t−ブチル)フェニル)−4,4’−ビフェニレ
ンフォスファイトなどが挙げられる。また、フェノール
系安定剤としては、トリエチレングリコール−ビス[3
−(3−(t−ブチル)−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]、1,3−ヘキサンジオー
ル−ビス[3−(3,5−ジ(t−ブチル)−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチ
ル−テトラキス[3−(3,5−ジ(t−ブチル)−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チ
オ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ(t−ブチル)
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタ
デシル−3−(3,5−ジ(t−ブチル)−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート、2,2−チオビス(4
メチル−6−(t−ブチル)フェノール)、N,N’−
ヘキサメチレンビス(3,5−ジ(t−ブチル)−4−
ヒドロキシンナマミド)、3,5−ジ(t−ブチル)−
4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチル
エステルなどが挙げられる。さらに、硫黄系安定剤とし
ては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチル
チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネ
ートなどが挙げられ、アミン系安定剤としては、2−
(3,5−ジ(t−ブチル)−4−ヒドロキシベンジ
ル)−2−(n−ブチル)マロン酸ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケ
ートなどが挙げられる。また、これらの安定剤は2種類
以上を併用してもよい。これらのうち、特にリン系安定
剤またはリン系安定剤とフェノール系安定剤の併用系が
好ましく、リン系安定剤とフェノール系安定剤の併用系
を用いる場合は、リン系安定剤/フェノール系安定剤の
重量比は100/0〜5/95、特に90/10〜50
/50の範囲とすることが好ましい。 【0024】これら安定剤の添加量は、アミド化された
無水マレイン酸共重合体100重量部に対して0.00
5〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部、特に
0.05〜0.5重量部が好ましい。この添加量が0.
005重量部未満では黄色度の改良効果が低くなるおそ
れがあり、5重量部を越える場合には経済的でない。 【0025】本発明の製造方法に使用する反応装置につ
いては、特に限定されることはなく、槽型反応器、管型
反応器、スクリュー押出反応器など用いることができ
る。 【0026】特に、色調の改良および経済性の点から、
脱気装置付き押出機を用いることが好ましく、無水マレ
イン酸共重合体粒子のアミド化物と安定剤の混合物を脱
気装置付押出機を用いて加熱溶融し、反応により生成す
る水および過剰のアミン等を除去しながら閉環イミド化
することが好ましい。 【0027】なお、本発明の製造方法において得られた
共重合体には必要に応じて、さらに熱安定剤、紫外線安
定剤、各種潤滑剤、染料、帯電防止剤、各種プラスチッ
ク、エラストマーなどを添加してもよい。 【0028】本発明の製造方法により得られた樹脂は、
色調,透明性に優れ、各種光学部品、自動車部品、電気
電子部品、医療食品部品等の幅広い用途で有用である。
また、各種プラスチックあるいはエラストマーなどとの
複合化においても色調の優れた製品を得ることができ
る。 【0029】 【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は実施例に限定されるものではない。 【0030】なお、本実施例中の生成ポリマーの確認
は、元素分析、IR測定およびNMR測定により行っ
た。また、得られたポリマーの相対溶液粘度は、N,N
−ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒としてウベロ
ーデ粘度計を用いて23℃で測定した。 【0031】さらに、得られたポリマーの黄色度は、J
IS K5401に準拠し、0.8mmのプレス試験片
を用いてカラーコンピューター(スガ試験機(株))で
評価した(反射法;反射板の三刺激値x:79.44、
y:82.22、z:94.51)。 【0032】参考例1 無水マレイン酸/イソブテン共
重合体の合成 撹拌機、窒素導入管、イソブテン導入管、温度計および
脱気管の付いた30lオートクレーブに、無水マレイン
酸2.8kg、ラウリルメルカプタン10g、t−ブチ
ルパーオキシピバレート6.3gおよび酢酸イソプロピ
ル19lを仕込み、窒素で数回パージした後、液化イソ
ブテン5.2lを仕込み、60℃で6時間反応を行っ
た。 【0033】得られた粒子を遠心分離後乾燥し、4.4
kgの無水マレイン酸/イソブテン共重合体を得た。元
素分析より、得られた共重合体は50モル%の無水マレ
イン酸単位を含んでいた。また、相対溶液粘度は2.0
であった。同様の方法で数バッチ反応を行い、無水マレ
イン酸共重合体サンプルを作成した。 【0034】実施例1 撹拌機、窒素導入管、温度計および脱気管の付いた30
lオートクレーブに、参考例1で得られた共重合体粒子
2kgおよびトルエン20lを仕込み、液化メチルアミ
ン750mlを導入し、60℃で6時間撹拌した。反応
後のポリマー粒子を遠心分離後乾燥し、2.4kgの無
水マレイン酸/イソブテン共重合体のアミド化物を得
た。 【0035】得られた共重合体はIR測定により、18
50cm-1の酸無水物に基づく吸収の消失および新たに
アミドおよびカルボン酸単位に基づく吸収が認められた
ことより、酸無水物単位がアミンにより開環アミド化し
ていることが確認できた。この無水マレイン酸/イソブ
テン共重合体粒子のアミド化物に0.1重量部のトリス
(2,4−ジ(t−ブチル)フェニル)フォスファイト
を振り混ぜ、ホッパー下より先端ノズル方向へ150
℃、260℃、280℃、270℃に設定した二軸押出
機を用いて、窒素雰囲気下連続的に押出し、反応により
生成する水、過剰のアミンなどをベントで除去しながら
押出し、透明のストランドを得た。得られたストランド
をカッティングし、透明ペレットを得た。 【0036】元素分析、IR測定および13C−NMR測
定から、得られた共重合体はN−メチルスクシンイミド
単位50モル%およびイソブテン単位50モル%からな
る共重合体であることを確認した。得られたポリマーの
黄色度は4.5であった。得られたペレットをミニマッ
ト(住友重機社製)を用いて、射出温度300℃、金型
温度120℃で射出成形を行い、試験片を作製した。得
られた試験片の曲げ強度は1300kg/cm2、曲げ
弾性率は46000kg/cm2、熱変形温度は145
℃であった。 【0037】実施例2 実施例1と同様の操作により、安定剤として0.15重
量部のペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5
−ジ(t−ブチル)−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]を用いて共重合体を押出した。得られたポリ
マーの黄色度は6.7であった。 【0038】実施例3 実施例1と同様の操作により、安定剤として0.1重量
部のビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジニル)セバケートを添加して共重合体を押出した。得
られたポリマーの黄色度は6.5であった。 【0039】実施例4 実施例1と同様の操作により、安定剤として0.1重量
部のトリス(2,4−ジ(t−ブチル)フェニル)フォ
スファイトおよび0.05重量部のペンタエリスリチル
−テトラキス[3−(3,5−ジ(t−ブチル)−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を添加して共重
合体を押出した。得られたポリマーの黄色度は4.2で
あった。 【0040】比較例1 実施例1と同様の操作により、安定剤無添加で共重合体
を押出した。得られポリマーの黄色度は10.8であっ
た。 【0041】 【発明の効果】以上述べたとおり、本発明の製造方法に
より黄色度が低く、透明性に優れたスクシンイミド単位
を含む共重合体を得ることができ、これらは光学部品、
自動車部品、電気電子部品をはじめ多くの分野で有用で
ある。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】相対溶液粘度が0.1〜10.0である無
水マレイン酸単位40〜60モル%、イソブテン単位6
0〜40モル%および共重合可能な他の単量体単位0〜
20モル%からなる無水マレイン酸共重合体と、1種類
以上のアミン化合物との反応により一般式(I)で示さ
れるスクシンイミド単位を含む共重合体を製造するにお
いて、無水マレイン酸共重合体のアミド化物をリン系安
定剤、フェノール系安定剤、硫黄系安定剤およびアミン
系安定剤より選択される1種類以上の安定剤の存在下、
加熱により閉環イミド化することを特徴とする共重合体
の製造方法。 【化1】 (ここで、R1は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基
またはシクロアルキル基を示す)
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US6025308A (en) * | 1998-09-10 | 2000-02-15 | R. T. Vanderbilt Company, Inc. | Amine-functionalized polymers |
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-
1993
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