JP3520311B2 - 窒素酸化物除去方法 - Google Patents
窒素酸化物除去方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窒素酸化物と過剰の酸素
を含む燃焼排ガスから、窒素酸化物を効果的に除去する
ことのできる方法に関する。
を含む燃焼排ガスから、窒素酸化物を効果的に除去する
ことのできる方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動車
用エンジン等の内燃機関や、工場等に設置された燃焼機
器、家庭用ファンヒーターなどから排出される各種の燃
焼排ガス中には、過剰の酸素とともに一酸化窒素、二酸
化窒素等の窒素酸化物が含まれている。ここで、「過剰
の酸素を含む」とは、その排ガス中に含まれる一酸化炭
素、水素、炭化水素等の未燃焼成分を燃焼するのに必要
な理論酸素量より多い酸素を含むことを意味する。ま
た、以下における窒素酸化物とは一酸化窒素及び/又は
二酸化窒素を指す。
用エンジン等の内燃機関や、工場等に設置された燃焼機
器、家庭用ファンヒーターなどから排出される各種の燃
焼排ガス中には、過剰の酸素とともに一酸化窒素、二酸
化窒素等の窒素酸化物が含まれている。ここで、「過剰
の酸素を含む」とは、その排ガス中に含まれる一酸化炭
素、水素、炭化水素等の未燃焼成分を燃焼するのに必要
な理論酸素量より多い酸素を含むことを意味する。ま
た、以下における窒素酸化物とは一酸化窒素及び/又は
二酸化窒素を指す。
【0003】この窒素酸化物は酸性雨の原因の一つとさ
れ、環境上の大きな問題となっている。そのため、各種
燃焼機器が排出する排ガス中の窒素酸化物を除去するさ
まざまな方法が検討されている。
れ、環境上の大きな問題となっている。そのため、各種
燃焼機器が排出する排ガス中の窒素酸化物を除去するさ
まざまな方法が検討されている。
【0004】過剰の酸素を含む燃焼排ガスから窒素酸化
物を除去する方法として、特に大規模な固定燃焼装置
(工場等の大型燃焼機等)に対しては、アンモニアを用
いる選択的接触還元法が実用化されている。
物を除去する方法として、特に大規模な固定燃焼装置
(工場等の大型燃焼機等)に対しては、アンモニアを用
いる選択的接触還元法が実用化されている。
【0005】しかしながら、この方法においては、窒素
酸化物の還元剤として用いるアンモニアが高価であるこ
と、またアンモニアは毒性を有すること、そのために未
反応のアンモニアが排出しないように排ガス中の窒素酸
化物濃度を計測しながらアンモニア注入量を制御しなけ
ればならないこと、一般に装置が大型となること等の問
題点がある。
酸化物の還元剤として用いるアンモニアが高価であるこ
と、またアンモニアは毒性を有すること、そのために未
反応のアンモニアが排出しないように排ガス中の窒素酸
化物濃度を計測しながらアンモニア注入量を制御しなけ
ればならないこと、一般に装置が大型となること等の問
題点がある。
【0006】そこで、ゼオライト又はそれに遷移金属を
担持した触媒を用いて、排ガス中の酸素との理論反応量
以下の還元剤を添加して窒素酸化物を除去する方法が提
案された(たとえば、特開昭63-100919 号、同63-28372
7 号、特開平1-130735号、及び日本化学会第59春季年会
(1990年)2A526、同第60秋季年会 (1990年)3L420、3L42
2 、3L423 、「触媒」vol.33 No.2 、59ページ、1991年
等) 。又、銀を担持する触媒を用いる方法が提案された
(特開平4-281844)。
担持した触媒を用いて、排ガス中の酸素との理論反応量
以下の還元剤を添加して窒素酸化物を除去する方法が提
案された(たとえば、特開昭63-100919 号、同63-28372
7 号、特開平1-130735号、及び日本化学会第59春季年会
(1990年)2A526、同第60秋季年会 (1990年)3L420、3L42
2 、3L423 、「触媒」vol.33 No.2 、59ページ、1991年
等) 。又、銀を担持する触媒を用いる方法が提案された
(特開平4-281844)。
【0007】しかしながら、これらの方法では、水分を
含まないような模擬排ガスに対しては高い効率で窒素酸
化物を除去することはできるが、実際の排ガスでは水分
を10%程度含有するので、窒素酸化物の除去率が著し
く低下することがわかった。また、これらの方法では、
窒素酸化物の還元反応の最適温度が400 〜600 ℃程度と
高くなる不都合もある。また、銀又は酸化銀を担持した
触媒では、光に当たると触媒活性が低下し、窒素酸化物
の除去率が低下する欠点がある。
含まないような模擬排ガスに対しては高い効率で窒素酸
化物を除去することはできるが、実際の排ガスでは水分
を10%程度含有するので、窒素酸化物の除去率が著し
く低下することがわかった。また、これらの方法では、
窒素酸化物の還元反応の最適温度が400 〜600 ℃程度と
高くなる不都合もある。また、銀又は酸化銀を担持した
触媒では、光に当たると触媒活性が低下し、窒素酸化物
の除去率が低下する欠点がある。
【0008】したがって、本発明の目的は、固定燃焼装
置および酸素過剰条件で燃焼するガソリンエンジン、デ
ィーゼルエンジン等からの燃焼排ガスのように、窒素酸
化物や、一酸化炭素、水素、炭化水素等の未燃焼分に対
する理論反応量以上の酸素を含有する燃焼排ガスから、
光学的に安定で、効果的に窒素酸化物を除去することが
できる窒素酸化物除去方法を提供することである。
置および酸素過剰条件で燃焼するガソリンエンジン、デ
ィーゼルエンジン等からの燃焼排ガスのように、窒素酸
化物や、一酸化炭素、水素、炭化水素等の未燃焼分に対
する理論反応量以上の酸素を含有する燃焼排ガスから、
光学的に安定で、効果的に窒素酸化物を除去することが
できる窒素酸化物除去方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、多孔質の無機酸化物に特定量の塩
化銀を担持してなる除去材を用い、この除去材に特定の
温度及び接触時間で排ガスを接触させて、排ガスに含ま
れる窒素酸化物の量に見合うように排ガス中に添加され
た含酸素有機化合物により、水分を10%程度含有する
排ガスでも、窒素酸化物を効果的に除去することができ
る上、触媒の光学的安定性が向上することを発見し、本
発明を完成した。
の結果、本発明者は、多孔質の無機酸化物に特定量の塩
化銀を担持してなる除去材を用い、この除去材に特定の
温度及び接触時間で排ガスを接触させて、排ガスに含ま
れる窒素酸化物の量に見合うように排ガス中に添加され
た含酸素有機化合物により、水分を10%程度含有する
排ガスでも、窒素酸化物を効果的に除去することができ
る上、触媒の光学的安定性が向上することを発見し、本
発明を完成した。
【0010】すなわち、窒素酸化物と、共存する未燃焼
成分に対する理論反応量より多い酸素とを含む燃焼排ガ
スから窒素酸化物を除去する本発明の窒素酸化物除去方
法は、多孔質の無機酸化物100重量%に塩化銀を銀元素
に換算して0.2〜15重量%担持してなる窒素酸化物除去
材を排ガス導管の途中に設置し、前記除去材の上流側で
前記排ガス中に含酸素有機化合物を添加し、200〜600℃
で前記排ガスを前記除去材に接触させ、前記含酸素有機
化合物と前記窒素酸化物とを反応させて前記窒素酸化物
を還元除去することを特徴とする。
成分に対する理論反応量より多い酸素とを含む燃焼排ガ
スから窒素酸化物を除去する本発明の窒素酸化物除去方
法は、多孔質の無機酸化物100重量%に塩化銀を銀元素
に換算して0.2〜15重量%担持してなる窒素酸化物除去
材を排ガス導管の途中に設置し、前記除去材の上流側で
前記排ガス中に含酸素有機化合物を添加し、200〜600℃
で前記排ガスを前記除去材に接触させ、前記含酸素有機
化合物と前記窒素酸化物とを反応させて前記窒素酸化物
を還元除去することを特徴とする。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
は、以下に示す除去材を用い、この除去材に排ガスを接
触させることにより、排ガス中の残留炭化水素及び/又
は除去材の設置部位より上流側で排ガスに添加された含
酸素有機化合物を還元剤として排ガス中の窒素酸化物を
還元除去する。
は、以下に示す除去材を用い、この除去材に排ガスを接
触させることにより、排ガス中の残留炭化水素及び/又
は除去材の設置部位より上流側で排ガスに添加された含
酸素有機化合物を還元剤として排ガス中の窒素酸化物を
還元除去する。
【0012】まず、本発明で用いる除去材は多孔質の無
機酸化物に塩化銀を担持してなる。多孔質の無機酸化物
としては、多孔質のアルミナ、チタニア、ジルコニア、
シリカ及びそれらの複合酸化物等を使用することができ
るが、好ましくはγ−アルミナ又はアルミナ系複合酸化
物を用いる。γ−アルミナ又はアルミナ系複合酸化物を
用いることにより、添加した含酸素有機化合物と排ガス
中の窒素酸化物との反応が効率良く起こる。
機酸化物に塩化銀を担持してなる。多孔質の無機酸化物
としては、多孔質のアルミナ、チタニア、ジルコニア、
シリカ及びそれらの複合酸化物等を使用することができ
るが、好ましくはγ−アルミナ又はアルミナ系複合酸化
物を用いる。γ−アルミナ又はアルミナ系複合酸化物を
用いることにより、添加した含酸素有機化合物と排ガス
中の窒素酸化物との反応が効率良く起こる。
【0013】多孔質の無機酸化物の比表面積は10m2
/g以上であるのが好ましい。比表面積が10m2 /g
未満であると、無機酸化物への銀成分(銀活性種)の分
散が悪くなり、良好な窒素酸化物の除去が行えない。好
ましい多孔質無機酸化物の比表面積は30m2 /g以上
とする。
/g以上であるのが好ましい。比表面積が10m2 /g
未満であると、無機酸化物への銀成分(銀活性種)の分
散が悪くなり、良好な窒素酸化物の除去が行えない。好
ましい多孔質無機酸化物の比表面積は30m2 /g以上
とする。
【0014】本発明において、除去材はペレット状、粉
末状、ハニカム状、フォーム状、板状等の形態で用いる
ことができる。除去材の好ましい形態は多孔質無機酸化
物に塩化銀を担持した触媒を、セラミック製又は金属製
ハニカム状、発泡状等の三次元構造体の表面にコートす
るか、上記三次元構造体に無機酸化物をコートしたあ
と、塩化銀を担持して調製する。セラミック材として耐
熱性の優れたコージェライト、ムライトなどが挙げられ
る。三次元構造体への無機酸化物のコートは公知のウォ
ッシュコート法などにより行なう。除去材のもう一つの
好ましい形態はペレット状の多孔質無機酸化物に塩化銀
を担持して用いる。
末状、ハニカム状、フォーム状、板状等の形態で用いる
ことができる。除去材の好ましい形態は多孔質無機酸化
物に塩化銀を担持した触媒を、セラミック製又は金属製
ハニカム状、発泡状等の三次元構造体の表面にコートす
るか、上記三次元構造体に無機酸化物をコートしたあ
と、塩化銀を担持して調製する。セラミック材として耐
熱性の優れたコージェライト、ムライトなどが挙げられ
る。三次元構造体への無機酸化物のコートは公知のウォ
ッシュコート法などにより行なう。除去材のもう一つの
好ましい形態はペレット状の多孔質無機酸化物に塩化銀
を担持して用いる。
【0015】上記したγ−アルミナ等の無機酸化物に塩
化銀を担持する場合の担持量は、無機酸化物を100重
量%として、その0.2〜15重量%(銀元素換算値)
とする。塩化銀成分が0.2重量%(銀元素換算値)未
満では低温側での窒素酸化物の除去率が低下する。ま
た、15重量%(銀元素換算値)を超す量の銀を担持す
ると含酸素有機化合物自身の燃焼が起きやすく、窒素酸
化物の除去率はかえって低下する。好ましくは、塩化銀
の担持量を無機酸化物100重量%に対して、5重量%
を越えて15重量%以下(銀元素換算値)とする。銀又
は銀酸化物を担持した除去材は、明るいところに置くと
銀が還元されて活性が低下するのに対して、塩化銀が担
持された除去材は光還元を受けにくく、明るいところで
も活性が低下しない。
化銀を担持する場合の担持量は、無機酸化物を100重
量%として、その0.2〜15重量%(銀元素換算値)
とする。塩化銀成分が0.2重量%(銀元素換算値)未
満では低温側での窒素酸化物の除去率が低下する。ま
た、15重量%(銀元素換算値)を超す量の銀を担持す
ると含酸素有機化合物自身の燃焼が起きやすく、窒素酸
化物の除去率はかえって低下する。好ましくは、塩化銀
の担持量を無機酸化物100重量%に対して、5重量%
を越えて15重量%以下(銀元素換算値)とする。銀又
は銀酸化物を担持した除去材は、明るいところに置くと
銀が還元されて活性が低下するのに対して、塩化銀が担
持された除去材は光還元を受けにくく、明るいところで
も活性が低下しない。
【0016】γ−アルミナ等の無機酸化物に銀成分を担
持する方法としては、公知の含浸法や、混練法等を用い
ることができる。担持後の除去材の調整は、50〜15
0℃程度で乾燥後、100〜600℃で段階的に昇温し
て焼成するのが好ましい。焼成は、空気中又は窒素流通
下、あるいは水素ガス流通下、もしくは真空排気しなが
ら行うのが好ましい。なお、窒素ガスまたは水素ガス流
通下で焼成した除去材は、最後に酸化処理を行うことが
好ましい。
持する方法としては、公知の含浸法や、混練法等を用い
ることができる。担持後の除去材の調整は、50〜15
0℃程度で乾燥後、100〜600℃で段階的に昇温し
て焼成するのが好ましい。焼成は、空気中又は窒素流通
下、あるいは水素ガス流通下、もしくは真空排気しなが
ら行うのが好ましい。なお、窒素ガスまたは水素ガス流
通下で焼成した除去材は、最後に酸化処理を行うことが
好ましい。
【0017】次に、本発明の方法について説明する。ま
ず、上述した除去材を排ガス導管の途中に設置する。
ず、上述した除去材を排ガス導管の途中に設置する。
【0018】排ガス中には、残留炭化水素としてアセチ
レン、メタン、エタン、プロピレン等が含まれるが、排
ガス中のNOx を還元するのに十分な量の残留炭化水素が
含まれていない場合には、外部から含酸素有機化合物を
排ガス中に導入する。含酸素有機化合物の導入位置は、
除去材を設置した位置より上流側である。
レン、メタン、エタン、プロピレン等が含まれるが、排
ガス中のNOx を還元するのに十分な量の残留炭化水素が
含まれていない場合には、外部から含酸素有機化合物を
排ガス中に導入する。含酸素有機化合物の導入位置は、
除去材を設置した位置より上流側である。
【0019】外部から導入する含酸素有機化合物の量
は、排ガス中の窒素酸化物の重量の5倍以下とするのが
好ましい。添加量が5倍を超えると、燃費の悪化を招
く。より好ましくは0.2〜4倍とする。
は、排ガス中の窒素酸化物の重量の5倍以下とするのが
好ましい。添加量が5倍を超えると、燃費の悪化を招
く。より好ましくは0.2〜4倍とする。
【0020】本発明では、含酸素有機化合物を含む排ガ
スが上記した除去材と接触する時間を調節し、添加物と
窒素酸化物との反応を効率良く進行させる。実用的な立
場で考えて、含酸素有機化合物を含む排ガスと除去材と
の接触時間は0.006g・秒/ml以上とする。好まし
い接触時間は0.007g・秒/ml以上とする。
スが上記した除去材と接触する時間を調節し、添加物と
窒素酸化物との反応を効率良く進行させる。実用的な立
場で考えて、含酸素有機化合物を含む排ガスと除去材と
の接触時間は0.006g・秒/ml以上とする。好まし
い接触時間は0.007g・秒/ml以上とする。
【0021】また、本発明では、含酸素有機化合物と窒
素酸化物とが反応する部位である除去材設置部位におけ
る排ガスの温度を200〜600℃に保つ。排ガスの温
度が200℃未満であると窒素酸化物の還元反応が進行
せず、良好な窒素酸化物の除去を行うことができない。
一方、600℃を超す温度とすると含酸素有機化合物自
身の燃焼が始まり、窒素酸化物の還元除去が行えない。
好ましい排ガス温度は300〜550℃である。
素酸化物とが反応する部位である除去材設置部位におけ
る排ガスの温度を200〜600℃に保つ。排ガスの温
度が200℃未満であると窒素酸化物の還元反応が進行
せず、良好な窒素酸化物の除去を行うことができない。
一方、600℃を超す温度とすると含酸素有機化合物自
身の燃焼が始まり、窒素酸化物の還元除去が行えない。
好ましい排ガス温度は300〜550℃である。
【0022】
【実施例】本発明を以下の具体的実施例によりさらに詳
細に説明する。実施例1 市販のγ−アルミナ成形体(直径1.5mm 、長さ約6mm、
比表面積260m2 /g)10gを20分間硝酸銀水溶
液(水20mlに硝酸銀0.67gを溶かした溶液)に
浸漬したあと、空気中、80℃で2時間と、乾燥窒素気
流下、180℃で2時間乾燥し、硝酸銀を成形体に担持
した。次に、乾燥窒素気流下、室温まで冷却したあと、
上記γ−アルミナ成形体を塩化アンモニウム水溶液(水
20mlに塩化アンモニウム0.5gを溶かした溶液)
に12時間浸漬し、硝酸銀を塩化銀に変換した。そし
て、上記γ−アルミナ成形体を塩化アンモニウム溶液か
ら取り出し、空気中、80℃で2時間乾燥後、酸素10
%を含む窒素気流下、毎分2.5℃で550℃まで昇温
したあと、550℃で5時間焼成し、γ−アルミナ成形
体に対して2.1重量%(元素換算値)の銀を塩化銀の
形で担持した。
細に説明する。実施例1 市販のγ−アルミナ成形体(直径1.5mm 、長さ約6mm、
比表面積260m2 /g)10gを20分間硝酸銀水溶
液(水20mlに硝酸銀0.67gを溶かした溶液)に
浸漬したあと、空気中、80℃で2時間と、乾燥窒素気
流下、180℃で2時間乾燥し、硝酸銀を成形体に担持
した。次に、乾燥窒素気流下、室温まで冷却したあと、
上記γ−アルミナ成形体を塩化アンモニウム水溶液(水
20mlに塩化アンモニウム0.5gを溶かした溶液)
に12時間浸漬し、硝酸銀を塩化銀に変換した。そし
て、上記γ−アルミナ成形体を塩化アンモニウム溶液か
ら取り出し、空気中、80℃で2時間乾燥後、酸素10
%を含む窒素気流下、毎分2.5℃で550℃まで昇温
したあと、550℃で5時間焼成し、γ−アルミナ成形
体に対して2.1重量%(元素換算値)の銀を塩化銀の
形で担持した。
【0023】作成した除去材1.67gを反応管内に設
置し、表1に示す組成のガス(一酸化窒素、酸素、エタ
ノール、窒素及び水分)を毎分2リットル(標準状態)
の流量で流して(接触時間0.05g・秒/ml、空間速
度38,400hr-1)、反応管内の排ガス温度を30
0〜550℃の範囲の保ち、エタノールと窒素酸化物と
を反応させた。
置し、表1に示す組成のガス(一酸化窒素、酸素、エタ
ノール、窒素及び水分)を毎分2リットル(標準状態)
の流量で流して(接触時間0.05g・秒/ml、空間速
度38,400hr-1)、反応管内の排ガス温度を30
0〜550℃の範囲の保ち、エタノールと窒素酸化物と
を反応させた。
【0024】反応管通過後のガスの窒素酸化物(一酸化
窒素、二酸化窒素の合計量)の濃度を化学発光式窒素酸
化物分析計により測定し、窒素酸化物の除去率を求め
た。結果を表2に示す。
窒素、二酸化窒素の合計量)の濃度を化学発光式窒素酸
化物分析計により測定し、窒素酸化物の除去率を求め
た。結果を表2に示す。
【0025】
表1
成分 濃度
一酸化窒素 1000 ppm
酸素 10 容量%
エタノール 1250 ppm
窒素 残部
水分 上記した成分からなるガス量に対して10容量%
【0026】実施例2
実施例1で作成した除去材を日光に1時間さらしたあ
と、反応管内に設置し、表1に示す組成のガスを用いて
実施例1と同じ条件で窒素酸化物除去実験を行った。結
果を合わせて表2に示す。
と、反応管内に設置し、表1に示す組成のガスを用いて
実施例1と同じ条件で窒素酸化物除去実験を行った。結
果を合わせて表2に示す。
【0027】比較例1
実施例1で用いたγ−アルミナペレットと同一のものに
硝酸銀水溶液を用いて硝酸銀を2.0重量%(銀元素換
算)担持して、実施例1と同様の方法で調製したあと、
日光下に1時間さらし、担持されている銀を光還元した
ものを除去材として用い、他は実施例1と同様な条件で
窒素酸化物の除去試験を行った。結果を表2に示す。
硝酸銀水溶液を用いて硝酸銀を2.0重量%(銀元素換
算)担持して、実施例1と同様の方法で調製したあと、
日光下に1時間さらし、担持されている銀を光還元した
ものを除去材として用い、他は実施例1と同様な条件で
窒素酸化物の除去試験を行った。結果を表2に示す。
【0028】
表2 窒素酸化物の除去率(%)
温度(℃) 実施例1 実施例2 比較例1
300 79.0 78.0 0.0
350 91.3 90.8 2.0
400 92.3 92.0 10.4
450 86.2 87.0 43.2
500 72.9 73.0 45.0
550 50.3 51.0 10.5
【0029】表2からわかるように、塩化銀を用いた実
施例では、300〜550℃の排ガス温度で窒素酸化物
の良好な除去がみられた。一方、光還元を受けた銀触媒
の比較例1では、全温度範囲にわたって窒素酸化物除去
率の低下がみられた。
施例では、300〜550℃の排ガス温度で窒素酸化物
の良好な除去がみられた。一方、光還元を受けた銀触媒
の比較例1では、全温度範囲にわたって窒素酸化物除去
率の低下がみられた。
【0030】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の方法によ
れば、過剰の酸素を含む排ガス中の窒素酸化物を効率良
く除去することができる。また、本発明の方法では、排
ガス中に水分が10%程度含まれている場合でも窒素酸
化物の除去を効率良く行うことができる。
れば、過剰の酸素を含む排ガス中の窒素酸化物を効率良
く除去することができる。また、本発明の方法では、排
ガス中に水分が10%程度含まれている場合でも窒素酸
化物の除去を効率良く行うことができる。
【0031】本発明の窒素酸化物除去方法は、各種燃焼
機、自動車等の排ガスに含まれる窒素酸化物の除去に広
く利用することができる。
機、自動車等の排ガスに含まれる窒素酸化物の除去に広
く利用することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 窒素酸化物と、共存する未燃焼成分に対
する理論反応量より多い酸素とを含む燃焼排ガスから窒
素酸化物を除去する方法において、多孔質の無機酸化物
100重量%に塩化銀を銀元素に換算して0.2〜15重量%担
持してなる窒素酸化物除去材を排ガス導管の途中に設置
し、前記除去材の上流側で前記排ガス中に含酸素有機化
合物を添加し、200〜600℃で前記排ガスを前記除去材に
接触させ、前記含酸素有機化合物と前記窒素酸化物とを
反応させて前記窒素酸化物を還元除去することを特徴と
する窒素酸化物除去方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の窒素酸化物除去方法に
おいて、前記多孔質の無機酸化物がアルミナ又はアルミ
ナ系複合酸化物であることを特徴とする窒素酸化物除去
方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の窒素酸化物除去
方法において、前記除去材はさらにセラミック製又は金
属製三次元構造体を含有し、前記多孔質無機酸化物が前
記三次元構造体にコートされていることを特徴とする窒
素酸化物除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11954794A JP3520311B2 (ja) | 1994-05-09 | 1994-05-09 | 窒素酸化物除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11954794A JP3520311B2 (ja) | 1994-05-09 | 1994-05-09 | 窒素酸化物除去方法 |
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JPH07299362A JPH07299362A (ja) | 1995-11-14 |
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Country Status (1)
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JP (1) | JP3520311B2 (ja) |
-
1994
- 1994-05-09 JP JP11954794A patent/JP3520311B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH07299362A (ja) | 1995-11-14 |
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