JP3509152B2 - 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 - Google Patents
排ガス浄化材及び排ガス浄化方法Info
- Publication number
- JP3509152B2 JP3509152B2 JP32325593A JP32325593A JP3509152B2 JP 3509152 B2 JP3509152 B2 JP 3509152B2 JP 32325593 A JP32325593 A JP 32325593A JP 32325593 A JP32325593 A JP 32325593A JP 3509152 B2 JP3509152 B2 JP 3509152B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- exhaust gas
- catalyst
- inorganic oxide
- oxide
- nitrogen oxides
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Catalysts (AREA)
- Exhaust Gas After Treatment (AREA)
- Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
Description
を含む燃焼排ガスから、窒素酸化物を効果的に除去する
排ガス浄化材及びそれを用いた浄化方法に関する。
用エンジン等の内燃機関や、工場等に設置された燃焼機
器、家庭用ファンヒーターなどから排出される各種の燃
焼排ガス中には、過剰の酸素とともに一酸化窒素、二酸
化窒素等の窒素酸化物が含まれている。ここで、「過剰
の酸素を含む」とは、その排ガス中に含まれる一酸化炭
素、水素、炭化水素等の未燃焼成分を燃焼するのに必要
な理論酸素量より多い酸素を含むことを意味する。ま
た、以下における窒素酸化物とは一酸化窒素及び/又は
二酸化窒素を指す。
れ、環境上の大きな問題となっている。そのため、各種
燃焼機器が排出する排ガス中の窒素酸化物を除去するさ
まざまな方法が検討されている。
物を除去する方法として、特に大規模な固定燃焼装置
(工場等の大型燃焼機等)に対しては、アンモニアを用
いる選択的接触還元法が実用化されている。
酸化物の還元剤として用いるアンモニアが高価であるこ
と、またアンモニアは毒性を有すること、そのために未
反応のアンモニアが排出しないように排ガス中の窒素酸
化物濃度を計測しながらアンモニア注入量を制御しなけ
ればならないこと、一般に装置が大型となること等の問
題点がある。
素、炭化水素等のガスを還元剤として用い、窒素酸化物
を還元する非選択的接触還元法があるが、この方法で
は、効果的な窒素酸化物の低減除去を実行するためには
排ガス中の酸素との理論反応量以上の還元剤を添加しな
ければならず、還元剤を多量に消費する欠点がある。こ
のため非選択的接触還元法は、実際上は、理論空燃比付
近で燃焼した残存酸素濃度の低い排ガスに対してのみ有
効となり、汎用性に乏しく実際的でない。
担持した触媒を用いて、排ガス中の酸素との理論反応量
以下の還元剤を添加して窒素酸化物を除去する方法が提
案された(たとえば、特開昭63-100919 号、同63-28372
7 号、特開平1-130735号及び日本化学会第59春季年会
(1990年)2A526、同第60秋季年会 (1990年)3L420、3L422
、3L423 、「触媒」vol.33 No.2 、59ページ、1991年
等) 。
化物の除去温度領域が狭く、また、水分を含むような排
ガスでは、窒素酸化物の除去率が著しく低下することが
わかった。本発明者らは、排ガス流入側に銀系触媒、流
出側に白金系触媒を有し、10%の水分を含む排ガスで
も、効果的に窒素酸化物を除去できるとともに、一酸化
炭素及び炭化水素も除去できる浄化材を先に提案してい
る(特願平4−328895号)。しかし、特に窒素酸
化物の除去率はまだ十分ではない。
置および酸素過剰条件で燃焼するガソリンエンジン、デ
ィーゼルエンジン等からの燃焼排ガスのように、窒素酸
化物や、一酸化炭素、水素、炭化水素等の未燃焼分に対
する理論反応量以上の酸素を含有する燃焼排ガスから、
効率良く窒素酸化物を除去することができる排ガス浄化
材及び排ガス浄化方法を提供することである。
の結果、本発明者は、多孔質の無機酸化物に(a)銀成
分と(b)白金系元素又は金とを担持してなる触媒上
で、エタノールなどの含酸素有機化合物が、酸素及び窒
素酸化物を含む排ガスと反応し、窒素酸化物を窒素ガス
に還元するとともに、副生成物としてアンモニアを生成
していることを見出し、上記銀系触媒と、アンモニアを
還元剤として窒素酸化物を還元できるW、V系触媒とを
組み合わせ、更に一酸化炭素及び炭化水素を除去できる
白金触媒を排ガス流出側に配置した排ガス浄化材を用
い、排ガス中に炭素数2以上の含酸素有機化合物又はそ
れを含む燃料を添加して、特定の温度及び空間速度で上
記の浄化材に排ガスを接触させれば、10%の水分を含
む排ガスでも、広い温度領域で窒素酸化物、一酸化炭素
及び炭化水素を効果的に除去することができることを発
見し、本発明を完成した。
成分に対する理論反応量より多い酸素とを含む燃焼排ガ
スから窒素酸化物を除去するとともに、残留及び未反応
の一酸化炭素及び炭化水素も酸化除去する本発明の排ガ
ス浄化材は、多孔質の無機酸化物に(a)前記無機酸化
物の0.2〜15重量%(元素換算値)の銀又は銀酸化
物と(b)前記無機酸化物の0.1重量%以下(元素換
算値)のPt、Pd、Ru、Rh、Ir及びAuからなる群より選ば
れた少なくとも1種の元素とを担持してなる第一の触媒
と、多孔質の無機酸化物にW及び/又はVの酸化物1〜
15重量%(酸化物換算値、無機酸化物基準)を担持し
てなる第二の触媒と、多孔質の無機酸化物にPt、Pd、R
u、Rh、Ir及びAuからなる群より選ばれた少なくとも1
種の元素5重量%以下(元素換算値、無機酸化物基準)
を担持してなる第三の触媒とからなることを特徴とす
る。
に対する理論反応量より多い酸素とを含む燃焼排ガスか
ら窒素酸化物を除去するとともに、残留及び未反応の一
酸化炭素及び炭化水素も酸化除去する本発明の排ガス浄
化方法は、上記排ガス浄化材を排ガス導管の途中に設置
し、前記浄化材の上流側で炭素数2以上の含酸素有機化
合物又はそれを含む燃料を添加した排ガスを、150〜
650℃において前記浄化材に接触させ、もって前記排
ガス中の含酸素有機化合物との反応により前記窒素酸化
物を除去することを特徴とする。
は、多孔質の無機酸化物に(a)前記無機酸化物の0.
2〜15重量%(銀元素換算値)の銀又は銀酸化物と
(b)前記無機酸化物の0.1重量%以下(元素換算
値)のPt、Pd、Ru、Rh、Ir及びAuからなる群より選ばれ
た少なくとも1種の元素とを担持してなる第一の触媒
と、多孔質の無機酸化物にW及び/又はVの酸化物1〜
15重量%(酸化物換算値、無機酸化物基準)を担持し
てなる第二の触媒と、多孔質の無機酸化物にPt、Pd、R
u、Rh、Ir及びAuからなる群より選ばれた少なくとも1
種の元素5重量%以下(元素換算値、無機酸化物基準)
を担持してなる第三の触媒とからなる排ガス浄化材を排
ガス導管中に設置し、浄化材の設置位置より上流側で炭
素数2以上の含酸素有機化合物又はそれを含む燃料を添
加した排ガスをこの浄化材に接触させて、排ガス中の窒
素酸化物を還元除去する。本発明では、第一の触媒、第
二の触媒及び第三の触媒を組み合わせて用いるが、排ガ
ス流入側から流出側へ順番に第一の触媒、第二の触媒及
び第三の触媒を配置するのが好ましい。このように配置
することによって、広い排ガス温度領域で窒素酸化物を
効果的に還元除去できるとともに、一酸化炭素及び炭化
水素を除去することができる。
態は、粉末状の多孔質無機酸化物に触媒活性種を担持し
てなる第一、第二及び第三の触媒をそれぞれ浄化材基体
にコートしてなる浄化材である。浄化材の基体を形成す
るセラミックス材料としては、γ−アルミナ及びその酸
化物(γ−アルミナ−チタニア、γ−アルミナ−シリ
カ、γ−アルミナ−ジルコニア等)、ジルコニア、チタ
ニア−ジルコニアなどの多孔質で表面積の大きい耐熱性
のものが挙げられる。高耐熱性が要求される場合、コー
ジェライト、ムライト、アルミナ及びそれらの複合物等
を用いるのが好ましい。また、排ガス浄化材の基体に公
知の金属材料を用いることもできる。
目的に応じて種々変更できる。また、基体は入口部分と
出口部分など二つ又は二つ以上の部分を組み合わせて用
いることもできる。基体の構造としては、ハニカム構造
型、フォーム型、繊維状耐火物からなる三次元網目構造
型、あるいは顆粒状、ペレット状等が挙げられる。上記
第一の触媒、第二の触媒及び第三の触媒は同じ基体の異
なる位置にコートしてもよいし、異なる基体にコートし
てから組み合わせて用いてもよい。
態は、ペレット状、顆粒状又は粉末状の多孔質無機酸化
物に触媒活性種を担持してなる触媒を所望形状のケーシ
ングに充填してなる浄化材である。ペレット状、顆粒
状、又は粉末状の多孔質無機酸化物に触媒活性種を担持
する方法として、含浸法などが挙げられる。
成されている。 (1)第一の触媒 第一の触媒は、多孔質無機酸化物に(a) 銀又は銀酸化物
と、(b) Pt、Pd、Ru、Rh、Ir及びAuとからなる群より選
ばれた少なくとも一種の金属元素とを担持してなる。多
孔質の無機酸化物としては、多孔質のアルミナ、シリ
カ、チタニア、ジルコニア及びそれらの複合酸化物等を
使用することができるが、好ましくはγ−アルミナ又は
アルミナ系複合酸化物を用いる。γ−アルミナ又はアル
ミナ系複合酸化物を用いることにより、添加した含酸素
有機化合物及び/又は排ガス中の残留炭化水素と排ガス
中の窒素酸化物との反応が効率良く起こる。
/g以上であるのが好ましい。比表面積が10m2 /g
未満であると、排ガスと無機酸化物(及びこれに担持し
た銀成分)との接触面積が小さくなり、良好な窒素酸化
物の除去が行えない。
性種として担持する銀成分の担持量は、排ガス中に添加
するガス状の炭化水素又は含酸素有機化合物の種類、排
ガスとの接触時間などによって多少変化するが、無機酸
化物100重量%に対して0.2〜15重量%(元素換
算値)とする。0.2重量%未満では窒素酸化物の除去
率が低下する。また、15重量%を超す量の銀を担持す
ると含酸素有機化合物自身の燃焼が起きやすく、窒素酸
化物の除去率はかえって低下する。好ましい銀成分の担
持量は0.5〜12重量%である。なお、銀成分は、排
ガスの温度領域では金属又は酸化物の状態にあり、相互
に容易に変換し得る。
d、Ru、Rh及びAuを用いるのが好ましく、特にPt、Pdが
好ましい。Pt、Pd、Ru、Rh、Ir及びAuの合計担持量は無
機酸化物を100重量%として、0.1重量%以下(元
素換算値)とする。担持量が無機酸化物の0.1重量%
を超えると銀成分による除去効果が大きく低下する。な
お、担持量の下限値を0.001 重量%とするのが好まし
い。より好ましい担持量は0.001 〜0.05重量%である。
d、Ru、Rh、Ir及びAuの一種以上を担持する方法として
は、公知の含浸法、沈澱法等を用いることができる。そ
の際、各種元素の硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩又は塩酸塩等
の混合水溶液に多孔質の無機酸化物を浸漬するか、それ
ぞれの元素化合物の水溶液に多孔質の無機酸化物を順番
に浸漬し、70℃程度で乾燥後、100〜600℃で段
階的に昇温して焼成するのが好ましい。焼成は、酸素雰
囲気、窒素雰囲気下や水素ガス流下で行うのが好まし
い。窒素雰囲気下や水素ガス流下で行う場合には、最後
に300〜650℃で酸化処理するのが好ましい。
は、浄化材基体上に設ける第一の触媒の厚さは、一般
に、基体材と、この触媒との熱膨張特性の違いから制限
される場合が多い。浄化材基体上に設ける触媒の厚さを
300μm以下とするのがよい。このような厚さとすれ
ば、使用中に熱衝撃等で浄化材が破損することを防ぐこ
とができる。浄化材基体の表面に触媒を形成する方法は
公知のウォシュコート法、粉末法等によって行われる。
媒の量は、浄化材基体の20〜300g/リットルとす
るのが好ましい。触媒の量が20g/リットル未満では
良好なNOx の除去が行えない。一方、触媒の量が300
g/リットルを超えると除去特性はそれほど上がらず、
圧力損失が大きくなる。より好ましくは、浄化材基体の
表面上に設ける第一の触媒を浄化材基体の50〜250
g/リットルとする。
てなる。多孔質無機酸化物としては、チタニア及びそれ
を含む複合無機酸化物、ジルコニア、チタニア−ジルコ
ニアなどの多孔質で表面積の大きい耐熱性のセラミック
スが挙げられる。好ましくはチタニア及びそれを含む複
合酸化物を用いる。
/又はVの酸化物を用いる。第二の触媒で無機酸化物に
担持する活性種の合計は、上述の多孔質の無機酸化物を
基準(100重量%)として1〜15重量%(酸化物換
算値)とし、好ましくは2〜12重量%(酸化物換算
値)とする。触媒活性種の量が前記無機酸化物に対し
て、15重量%を超しても効果に変化がなく、また触媒
活性種の量が1重量%未満では、窒素酸化物の還元率は
低下することになる。W、Vの酸化物を用いることによ
り、アンモニアを還元剤とする窒素酸化物の除去が可能
になる。
酸化物の還元反応を促進する触媒であれば、W、Vの酸
化物に限らず用いることが可能である。
の含浸法、沈澱法、粉末法等を用いることができる。含
浸法を用いる際、触媒活性種元素のアンモニウム塩、し
ゅう酸塩等の水溶液に多孔質無機酸化物を浸漬し、70
℃で乾燥後、100〜600℃で段階的に昇温して焼成
することによって行われる。この焼成は空気中、酸素雰
囲気下、窒素雰囲気下、又は水素ガス流下で行うが、窒
素雰囲気下や水素ガス流下で行う場合には、最後に30
0〜650℃で酸化処理するのが好ましい。
は、浄化材基体上に設ける第二の触媒の厚さを300μ
m以下とするのがよい。また、浄化材基体の表面上に設
ける第二の触媒の量は、浄化材基体の20〜300g/
リットルとするのが好ましい。また、浄化材基体がチタ
ニアなどの多孔質無機酸化物からなるときは、それらに
W及び/又はVの酸化物を所定量担持して浄化材として
用いることができる。そのほかにW及び/又はVの酸化
物を所定量担持したチタニア等の多孔質無機酸化物をハ
ニカム等の成形体に成形して用いることもできる。
てなる。多孔質無機酸化物としては、γ−アルミナ及び
その酸化物(γ−アルミナ−チタニア、γ−アルミナ−
シリカ、γ−アルミナ−ジルコニア等)、ジルコニア、
チタニア−ジルコニアなどの多孔質で表面積の大きい耐
熱性のセラミックスが挙げられる。好ましくはγ−アル
ミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ及びそれらを含む
複合酸化物を用いる。第一の触媒と同様に、多孔質の無
機酸化物の比表面積は10m2 /g以上であることが好
ましい。
d、Ru、Rh、Ir及びAuからなる群より選ばれた少なくと
も1種の元素を用いる。第三の触媒で無機酸化物に担持
する活性種の合計は、上述の多孔質の無機酸化物を基準
(100重量%) として5重量%以下とし、好ましくは0.
05〜4重量%とする。触媒活性種の量が前記基体に対
して、5重量%を超す触媒担持量とすると炭化水素の酸
化燃焼のみが進み、窒素酸化物の低減特性は低下するこ
とになる。
に、La、Ce等の希土類元素から選ばれた少なくとも一つ
以上の元素を10重量%以下担持することが好ましい。
希土類元素を担持することにより、白金系及び金触媒の
耐熱性を向上させることができる。
の含浸法、沈澱法等を用いることができる。含浸法を用
いる際、触媒活性種元素の炭酸塩、塩酸塩、硝酸塩、酢
酸塩、水酸化物等の水溶液に多孔質無機酸化物を浸漬
し、70℃で乾燥後、100〜700℃で段階的に昇温
して焼成することによって行われる。なお、担持成分は
金属元素として表示しているが、通常の浄化材の使用温
度条件では担持成分は金属と酸化物の状態で存在する。
は、浄化材基体上に設ける第三の触媒の厚さを300μ
m以下とするのがよい。また、浄化材基体の表面上に設
ける第三の触媒の量は、浄化材基体の20〜300g/
リットルとするのが好ましい。
触媒との重量比は、10:1〜1:5とするのが好まし
い。比率が1:5未満である(第一の触媒が少ない)
と、150〜650℃の広い温度範囲で全体的に窒素酸
化物の浄化率が低下する。一方、比率が10:1を超
え、第二の触媒が少ないと、第一の触媒上で生成したア
ンモニアが反応せず、そのまま排出され、排出するガス
中のアンモニア濃度が増す。より好ましい第一触媒と第
二触媒の重量比は9:1〜1:4である。
比は、20:1〜1:5とするのが好ましい。比率が
1:5未満である(第一の触媒が少ない)と、窒素酸化
物の浄化率が低下する。一方、比率が20:1を超える
(第一の触媒が多い)と、400℃以下における窒素酸
化物の浄化能が大きくならない。より好ましい第一触媒
と第三触媒の重量比は15:1〜1:4である。
〜650℃の広い温度領域において、水分を10%程度
を含む排ガスでも、良好な窒素酸化物の除去を行うこと
ができる。また、アンモニアはより優先的に二酸化窒素
と反応するため、窒素酸化物中の有害な二酸化窒素の割
合を減らすことができる。
ず、第一の触媒、第二の触媒及び第三の触媒を有する排
ガス浄化材を排ガス導管の途中に設置する。好ましくは
排ガスの流入口から流出口へ順番に第一の触媒、第二の
触媒及び第三の触媒を配置する。
ン、プロピレン等がある程度は含まれるが、一般に排ガ
ス中のNOx を還元するのに十分な量ではないので、外部
から含酸素有機化合物又は含酸素有機化合物と炭化水素
との混合燃料からなる還元剤を排ガス中に導入する。還
元剤の導入位置は、浄化材を設置した位置より上流側で
ある。
て、エタノール、イソプロピルアルコール等炭素数2以
上のアルコール類、又それらを含む燃料を用いることが
できる。外部から導入する含酸素有機化合物の量は、重
量比(添加する還元剤の重量/排ガス中の窒素酸化物の
重量)が0.1〜5となるようにするのが好ましい。こ
の重量比が0.1未満であると、窒素酸化物の除去率が
大きくならない。一方、5を超えると、燃費悪化につな
がる。
添加する場合、燃料としてガソリン、軽油、灯油などを
用いるのが好ましい。この場合、含酸素有機化合物の量
は上記と同様に重量比(添加する還元剤の重量/排ガス
中の窒素酸化物の重量)が0.1〜5となるように設定
する。
素酸化物の還元除去を効率的に進行させるために、浄化
材の全体見かけ空間速度は 500,000h-1以下とする。空
間速度が 500,000h-1を越えると、窒素酸化物の還元反
応が十分に起こらず、窒素酸化物の除去率が低下する。
好ましい空間速度は 300,000h-1以下とする。
素酸化物とが反応する部位である浄化材設置部位におけ
る排ガスの温度を150〜650℃に保つ。排ガスの温
度が150℃未満であると還元剤と窒素酸化物との反応
が進行せず、良好な窒素酸化物の除去を行うことができ
ない。一方、650℃を超す温度とすると、含酸素有機
化合物自身の燃焼が始まり、窒素酸化物の還元除去が行
えない。好ましい排ガス温度は、250〜600℃であ
る。
細に説明する。実施例1 市販のペレット状γ−アルミナ(直径1.5mm 、長さ約2
〜3mm、比表面積260m2 /g)10gに、硝酸銀水
溶液を用いて銀をγ−アルミナの2重量%(元素換算
値)担持した後、塩化パラジウム水溶液を用いてパラジ
ウムをγ−アルミナの0.01重量%担持し、乾燥後、
空気中で600℃まで段階的に焼成し、銀系触媒(第一
の触媒)を調製した。
水和物1.8g、しゅう酸1.0gに水6.2mlを加
え、水浴上で加熱して溶解させた後、冷却した水溶液
に、チタニア粒子(粒径0.5〜2.0mm、比表面積3
5m2 /g)10gを投入し、30分間浸漬した。その
後、溶液からチタニア粒子を分離し、空気中で、80
℃、100℃、120℃で各2時間乾燥した。続いて、
酸素20%を含む窒素気流下で120℃から500℃ま
で5時間かけで昇温し、500℃で4時間焼成して、チ
タニアに対してWO3 を9.5重量%担持したW系触媒
(第二の触媒)を調製した。
アルミナ2gに、塩化白金酸水溶液を用いてPtをγ−ア
ルミナの0.2重量%担持して乾燥後、700℃まで焼
成し、白金系触媒(第三の触媒)を調製した。
(3.13ml)、W系触媒(3.13ml)及び白金系触
媒(0.313ml)の順番に反応管内にセットし、浄化
材とした。次に、表1に示す排ガス相当組成にエタノー
ルを加えた模擬ガス(一酸化窒素、一酸化炭素、酸素、
エタノール、窒素及び水分)を毎分2.0リットル(標
準状態)の流量で流して(全体の見かけ空間速度約1
8,000h-1)、反応管内の排ガス温度を300〜5
50℃の範囲に保ち、エタノールと窒素酸化物とを反応
させた。
化学発光式窒素酸化物分析計により測定し、窒素酸化物
の除去率を求めた。また、一酸化炭素及び炭化水素の濃
度はそれぞれCO計、HC計により測定し、そのうち一
酸化炭素の除去率を求めた。結果を表2に示す。
銀水溶液及び塩化パラジウム水溶液を用いて銀をγ−ア
ルミナの2重量%、パラジウムをγ−アルミナの0.0
1重量%担持した触媒約1.0gを、市販のコージェラ
イト製ハニカム状成形体(直径30mm、長さ約12.6mm、4
00セル/インチ2 )にコートし、乾燥後600℃まで
段階的に焼成し、銀系の浄化材1(第一の触媒をコート
した浄化材)を調製した。
せて、水浴上で約90℃に保ちながら1時間攪拌した。
放冷した後、水を加えて80mlにした。この水溶液4ml
取り、さらに水を2.8ml加えて6.8mlとした後、粉
末チタニア10gを投入し、30分間浸漬し、スラリー
状にした。上記銀系浄化材1と同様のハニカム状成形体
にスラリーを1.0g(乾燥ベース)コートした。粉末
チタニアに対してV2O 5の担持量は6重量%であっ
た。実施例1のWO3 /チタニア触媒と同様の条件で乾
燥、焼成を行い、V系の浄化材2(第二の触媒をコート
した浄化材)を調製した。
ライト製ハニカム状成形体(直径30mm、長さ約 4.2mm、
400セル/インチ2 )に、塩化パラジウム水溶液を用
いて粉末状γ−アルミナにPdをγ−アルミナの0.2重
量%担持した触媒を0.25gコートし、乾燥後、70
0℃まで焼成し、浄化材3(第三の触媒をコートした浄
化材)を調製した。
浄化材1、V系の浄化材2及び浄化材3を反応管内にセ
ットし、表1に示す組成の模擬ガスで評価した(全体の
見かけ空間速度約12,800h-1)。実施例1と同じ
方法で窒素酸化物、一酸化炭素及び炭化水素の濃度を測
定し、窒素酸化物と一酸化炭素の除去率を求めた。実験
結果を表2に示す。
3ml反応管にセットし、表1に示す組成の模擬ガスを毎
分2.0リットル(標準状態)の流量で流して(全体の
見かけ空間速度約38,400h-1)、反応管内の排ガ
ス温度を300〜550℃の範囲に保ち、エタノールと
窒素酸化物とを反応させた。実施例1と同じ方法で窒素
酸化物と一酸化炭素の除去率を求めた。実験結果を合わ
せて表2に示す。
3ml反応管にセットし、表1に示す組成のガスを毎分
2.0リットル(標準状態)の流量で流して(全体の見
かけ空間速度約38,400h-1)、反応管内の排ガス
温度を300〜550℃の範囲に保ち、エタノールと窒
素酸化物とを反応させた。実施例と同じ方法で窒素酸化
物の除去率を求めた。実験結果を合わせて表2に示す。
おいては、広い排ガス温度領域で窒素酸化物の良好な除
去がみられた。また、一酸化炭素の除去率は90%以上
と優れている。一方、銀触媒だけを用いた比較例1で
は、窒素酸化物除去の温度範囲が狭い。また、比較例1
の浄化材通過後排ガスよりアンモニアが検出されたが、
実施例1、2の場合ではアンモニアが検出されず、窒素
酸化物の還元剤としてアンモニアが反応したことがわか
る。さらに、比較例1の浄化材通過後排ガスより炭化水
素が検出されたが、実施例1及び2の場合では炭化水素
がいずれも検出されず、ほぼ完全に除去された。W系触
媒だけを用いた比較例3では、窒素酸化物は実質的に除
去されなかった。
化材を用いれば、広い温度領域において過剰の酸素を含
む排ガス中の窒素酸化物を効率良く除去すると共に、一
酸化炭素と炭化水素を効率良く除去することができる。
本発明の排ガス浄化材及び浄化方法は、各種燃焼機、自
動車等の排ガス浄化に広く利用することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 窒素酸化物と、共存する未燃焼成分に対
する理論反応量より多い酸素とを含む燃焼排ガスから窒
素酸化物を除去するとともに、残留及び未反応の一酸化
炭素及び炭化水素も酸化除去する排ガス浄化材におい
て、多孔質の無機酸化物に(a)前記無機酸化物の0.
2〜15重量%(元素換算値)の銀又は銀酸化物と
(b)前記無機酸化物の0.1重量%以下(元素換算
値)のPt、Pd、Ru、Rh、Ir及びAuからなる群より選ばれ
た少なくとも1種の元素とを担持してなる第一の触媒
と、多孔質の無機酸化物にW及び/又はVの酸化物1〜
15重量%(酸化物換算値、無機酸化物基準)を担持し
てなる第二の触媒と、多孔質の無機酸化物にPt、Pd、R
u、Rh、Ir及びAuからなる群より選ばれた少なくとも1
種の元素5重量%以下(元素換算値、無機酸化物基準)
を担持してなる第三の触媒とからなることを特徴とする
排ガス浄化材。 - 【請求項2】 請求項1に記載の排ガス浄化材におい
て、前記浄化材は排ガス流入側から流出側へ順に前記第
一の触媒、前記第二の触媒、前記第三の触媒を有するこ
とを特徴とする排ガス浄化材。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の排ガス浄化材に
おいて、前記多孔質無機酸化物が、第一の触媒ではアル
ミナ又はアルミナ系複合酸化物で、第二の触媒ではチタ
ニア又はチタニアを含む複合酸化物で、第三の触媒では
アルミナ、チタニア、ジルコニア又はシリカのいずれか
又はその内の二つ以上からなる複合酸化物であることを
特徴とする排ガス浄化材。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス
浄化材において、前記浄化材は前記第一、第二及び第三
の触媒をセラッミクス製又は金属製の基体の表面にコー
トしてなることを特徴とする排ガス浄化材。 - 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス
浄化材において、前記第一、第二及び第三の触媒の多孔
質無機酸化物はそれぞれペレット状又は顆粒状であるこ
とを特徴とする排ガス浄化材。 - 【請求項6】 窒素酸化物と、共存する未燃焼成分に対
する理論反応量より多い酸素とを含む燃焼排ガスから窒
素酸化物を除去するとともに、残留及び未反応の一酸化
炭素及び炭化水素も酸化除去する排ガス浄化方法におい
て、請求項1〜5のいずれかに記載の排ガス浄化材を用
い、前記排ガス浄化材を排ガス導管の途中に設置し、前
記浄化材の上流側で炭素数2以上の含酸素有機化合物又
はそれを含む燃料を添加した排ガスを、150〜650
℃において前記浄化材に接触させ、もって前記排ガス中
の含酸素有機化合物との反応により前記窒素酸化物を除
去することを特徴とする排ガス浄化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32325593A JP3509152B2 (ja) | 1993-11-29 | 1993-11-29 | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32325593A JP3509152B2 (ja) | 1993-11-29 | 1993-11-29 | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07148437A JPH07148437A (ja) | 1995-06-13 |
JP3509152B2 true JP3509152B2 (ja) | 2004-03-22 |
Family
ID=18152753
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32325593A Expired - Lifetime JP3509152B2 (ja) | 1993-11-29 | 1993-11-29 | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3509152B2 (ja) |
-
1993
- 1993-11-29 JP JP32325593A patent/JP3509152B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07148437A (ja) | 1995-06-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3440290B2 (ja) | 排ガス浄化方法 | |
JPH0824583A (ja) | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 | |
JP3516471B2 (ja) | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 | |
JP3509152B2 (ja) | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 | |
JP2700386B2 (ja) | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 | |
JP2587000B2 (ja) | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 | |
JPH06142523A (ja) | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 | |
JP3530214B2 (ja) | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 | |
JPH07275709A (ja) | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 | |
JP3499272B2 (ja) | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 | |
JPH0824654A (ja) | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 | |
JP2992629B2 (ja) | 排ガス浄化材及びエタノールによる排ガス浄化方法 | |
JPH06198195A (ja) | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 | |
JP2649217B2 (ja) | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 | |
JPH0788377A (ja) | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 | |
JPH06238166A (ja) | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 | |
JPH10165816A (ja) | 銀触媒と銀、鉄、 銅系触媒とからなる排ガス浄化材及びエタノールによる排ガス浄化方法 | |
JPH0857263A (ja) | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 | |
JPH08168650A (ja) | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 | |
JPH0824646A (ja) | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 | |
JPH07148435A (ja) | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 | |
JP3508066B2 (ja) | 窒素酸化物除去材及び窒素酸化物除去方法 | |
JPH0780306A (ja) | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 | |
JPH08168651A (ja) | 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法 | |
JPH07313885A (ja) | 窒素酸化物除去触媒及び除去方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20031210 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20031222 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090109 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100109 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110109 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109 Year of fee payment: 9 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |