JP3506639B2 - 画像形成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式によ
って画像を形成する画像形成装置に関し、詳しくは、感
光体ドラムに形成された静電潜像をトナー像に顕在化さ
せ、感光体ドラムと転写ローラとに挟まれた用紙にトナ
ー像を転写することにより画像形成をする画像形成装置
に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】電子写真方式により画像を形成する画像
形成装置が普及しており、近年では、複写機、ファクシ
ミリ、プリンタ等の単一機能製品に加えて、これらの複
数の機能が１つの装置で行える多機能型の画像形成装置
も販売されている。 【０００３】一例として、ファクシミリを基本機能と
し、複写機およびプリンタとしても利用することのでき
る複合型の画像形成装置の場合、固定配置されたライン
センサ等の読取装置の上を原稿を通過させて原稿内容を
読み取る読取機構が採用されている。また、画像形成機
構としては、画像形成ユニット（画像形成部）、転写部
および定着部が備えられていて、画像形成ユニットによ
ってトナー像が形成され、形成されたトナー像は用紙に
転写される。そして、用紙上のトナー像は、定着部で定
着されて排出されるという構成である。 【０００４】前記画像形成ユニットは、感光体ドラム、
現像装置等を一体化したものであり、この画像形成ユニ
ットによって感光体ドラムに形成された静電潜像をトナ
ー像に顕在化させている。 【０００５】感光体ドラムから用紙にトナー像を転写し
た後は、除電ランプの光を感光体ドラムに当てることに
より、感光体ドラムの電位を低下させ、次の静電潜像の
形成を可能にしている。 【０００６】従来、除電ランプは、転写した用紙の裏側
から用紙を通して感光体ドラムに当たるように、搬送路
の下部に配置されていた。 【０００７】ところが、用紙の両面に画像形成機能を持
たせる画像形成装置の場合、原稿によっては、除電性能
が変化することがある。 【０００８】このため、除電ランプを搬送路の上部に配
置し、感光体ドラムに直接除電光が当たるようにする構
成が採られることがある。 【０００９】 【発明が解決しようとする課題】除電ランプを搬送路の
上部に配置すれば、次のような問題がある。 【００１０】感光体ドラムの両端には、転写ローラに接
しない空間があって、この空間に、現像装置から飛散し
たトナーが浮遊している。 【００１１】除電光が感光体ドラムに当たるとき、感光
体ドラムの両端の部分に光が回り込んで感光体ドラムの
両端の部分の電位を低下させてしまう。 【００１２】このため、浮遊しているトナーが感光体ド
ラムの電位の落ちたところに引き寄せられ、そこにトナ
ーが乗ってしまい、用紙のエッジがトナーで汚れる。 【００１３】したがって、浮遊しているトナーを感光体
ドラムに乗せないような工夫が求められていた。 【００１４】そこで、この発明の目的は、感光体ドラム
の両端の部分にトナーが乗りにくいようにすることがで
き、もって画像形成した用紙の端の部分の汚れを防止す
ることができる画像形成装置を提供することである。 【００１５】 【課題を解決するための手段及び発明の効果】前記課題
を解決するための請求項１記載の画像形成装置は、感光
体ドラムに除電光を直接当てるための除電ランプを、感
光体ドラムより用紙搬送下流側に配置し、当該除電ラン
プからの除電光が、感光体ドラムの両端部に当たるのを
規制する光路規制部材を設け設け、感光体ドラムの除電
光が当たるのが規制される両端の部分を、転写ローラの
表面に沿って計測した場合、当該規制される部分は、転
写ローラの端部よりも距離ａ内側までであり、当該距離
ａは、３ｍｍ以上９ｍｍ以内であることを特徴とする。 【００１６】この構成であれば、感光体ドラムの両端部
に除電光が当たるのが規制されるので、感光体ドラムの
両端部分の電位が下がらず、浮遊したトナーの付着を防
ぐことができる。 【００１７】したがって、画像形成した用紙のトナー汚
れを防止することができる。 【００１８】 【００１９】前述したように、感光体ドラムの両端に
は、転写ローラに接しない空間があって、この空間に浮
遊しているトナーの付着を防止することが発明の目的で
あるから、感光体ドラムの除電光が当たるのが規制され
る部分を、転写ローラの感光体ドラム側の表面を基準と
して計測し評価するのが合理的である。 【００２０】そしてこの場合、この空間に光が回り込ま
ないようにするには、転写ローラの表面側において、転
写ローラの端部よりも所定距離ａだけ内側まで光を当て
ないこととする。距離ａは、３ｍｍ以上９ｍｍ以内であ
る。 【００２１】 【発明の実施の形態】以下では、この発明の実施の形態
を、添付図面を参照して詳細に説明する。 【００２２】図１は、画像形成装置１の外観構成を示す
斜視図である。この画像形成装置１は、基本的にはファ
クシミリとして使用し、プリンタや複写機としても使用
できる多機能型の装置である。画像形成装置１は、本体
ハウジング２と、本体ハウジング２の上部に備えられた
原稿読取部３とを有し、原稿読取部３の上面には、テン
キー、ファンクションキー、ディスプレイ等が配列され
た操作盤４が備えられている。原稿読取部３の前方側
（図において右手前側）には原稿セット台５が張り出し
ている。原稿セット台５上に置かれた原稿は、１枚ずつ
いわゆるシートスルー形式で取り込まれ、内容が読み取
られて後方の原稿受け皿７で受け取られる。 【００２３】原稿セット台５の下に位置する本体ハウジ
ング２の上面は複写された用紙を受ける排出台８となっ
ている。 【００２４】本体ハウジング２の前面下方には引き出し
可能な用紙カセット１０が嵌め込まれ、用紙カセット１
０の上には前方へ引き出して取り外し可能な両面ガイド
部材１１が嵌め込まれている。 【００２５】図２は、画像形成装置１の内部構造を説明
するための縦断面図である。図２を参照して、画像形成
装置１における原稿および用紙の動きについて説明をす
る。 【００２６】原稿セット台５上には、原稿面が下面にし
て原稿がセットされる。セットされた原稿（図示せず）
は下から順に繰り出しコロ２１で繰り出され、捌きロー
ラ２２で１枚ずつ捌かれて重送が防止され、案内ローラ
対２３によって所定の速度で読取センサ２４へ送られ
る。読取センサ２４は、この実施形態ではＣＩＳ(Conta
ct Image Sensor)が用いられていて、原稿面の画像を紙
面に垂直方向に長手の１ラインずつ順に読み取る。読取
センサ２４を通過した原稿は排出ローラ対２５によって
原稿受け皿７へ排出される。原稿搬送路における読取セ
ンサ２４の上流側にはマイクロスイッチ２６のアクチュ
エータ２７が突出している。原稿先端が進入するとアク
チュエータ２７は倒れ、また原稿が通過するとアクチュ
エータ２７は起き上がって、送られる原稿の先端および
後端が検知できるようになっている。 【００２７】本体ハウジング２の下方には、前述したよ
うに、その前面（図２において右側）から引き出し可能
な用紙カセット１０が収容されている。用紙カセット１
０に入れられた用紙（図示せず）は１枚ずつ繰り出しコ
ロ３１で取り出され、搬送ローラ対３２で送られ、通路
４６、反転路４１を経てレジストローラ対３３へ与えら
れる。そしてレジストローラ対３３で搬送タイミングが
調整された用紙は、転写ローラ３４へと送られる。 【００２８】転写ローラ３４は画像形成ユニット１３の
感光体ドラム３５の近くに配置されている。画像形成ユ
ニット１３には、この感光体ドラム３５のほか、感光体
ドラム３５の表面を帯電させるためのメインチャージャ
３６、メインチャージャ３６により帯電された感光体ド
ラム３５の表面がレーザユニット１４で露光されること
によって静電潜像が形成されると、その静電潜像をトナ
ーで現像するための現像ローラ３７、現像ローラ３７へ
トナーを補給するためのトナーカートリッジ３８、転写
残りの感光体上のトナーをかき落として回収するクリー
ニング装置３９等が含まれている。この画像形成ユニッ
ト１３は、画像形成装置本体に対して着脱できるもので
ある。 【００２９】感光体ドラム３５表面のトナー像は、感光
体ドラム３５と転写ローラ３４との間を用紙が通過する
ことにより、用紙に転写される。 【００３０】トナー像が転写された用紙は主搬送路５１
に沿って定着装置５２へ送られる。定着装置５２には熱
ローラ５３および圧ローラ５４が含まれていて、これら
ローラ対間を用紙が通過することにより、用紙に転写さ
れたトナー像が加熱および加圧されて溶融され、用紙上
に定着される。トナー像が定着された用紙は中間ローラ
対５５で搬送されて、排出路５６へと送られる。 【００３１】排出路５６には、その上流端付近にカール
取り兼スイッチバックローラ対５７が配置されている。
このローラ対５７は、排出路５６へ送られてきた用紙に
生じているカールを直す働きをするとともに、用紙の両
面に画像を形成する場合に用紙をスイッチバックさせ
る。より具体的に述べると、用紙が定着装置５２を通過
する際に、用紙の上面（画像が転写された面であり、熱
ローラ５３に接する面）は、主として熱ローラ５３の作
用により熱収縮し、用紙は下方へ凸湾曲するようにカー
ルする。そこで、ローラ対５７では、用紙をカールと反
対の方向に凸湾曲するように軽く扱きながら搬送する。
これにより用紙のカールは直されて、ほぼ真っ直ぐにな
った用紙が排出路５６を通って排出ローラ対５８から排
出台８上へ排出される。 【００３２】用紙に両面複写を行う場合には、中間ロー
ラ対５５からカール取り兼スイッチバックローラ対５７
へ用紙が送られると、その用紙の後端が検知スイッチ５
９で検知される。この検知スイッチ５９はローラ対５７
の上流側近傍に配置されているので、ローラ対５７へ送
られた用紙の後端がローラ対５７を通過し終える直前
に、検出出力を導出する。検知スイッチ５９の出力に基
づき、カール取り兼スイッチバックローラ対５７は逆転
され、かつ爪６０が変位されて両面経路６１への用紙の
進入が可能になる。そして用紙は両面経路６１へと送ら
れる。 【００３３】両面経路６１は、主搬送路５１の下側に形
成されており、導入路４０、用紙を略水平に装置１の前
側へ導く水平路４２、水平路４２から送られてくる用紙
を１８０度反転させるための反転路４１を有している。
反転路４１で反転された用紙は、前述と同様、レジスト
等対３３から転写ローラ３４へと送られる。 【００３４】図３は、画像形成装置１の画像形成ユニッ
ト１３及びその近傍の構成を示す拡大縦断面図である。
除電光を、直接感光体ドラム３５に当てるための除電ラ
ンプ６１が、感光体ドラム３５の用紙搬送下流側に配置
固定されている。６２は、除電ランプ６１を設置する基
板であり、この基板６２は、画像形成装置１の本体の所
定位置に固定されている。 【００３５】図４は、除電ランプ６１と感光体ドラム３
５との位置関係を示すための平面図である。 【００３６】除電ランプ６１は、感光体ドラム３５に相
対して設けられている。感光体ドラム３５の中心軸と平
行にｘ軸をとり、それと直角な方向にｙ軸をとる。除電
ランプ６１は、具体的には、基板６２に配列された複数
個（図４では６個）のＬＥＤ（発光ダイオード）から構
成されている。基板には、個々のＬＥＤの光路を規制す
るための光路規制部材６３が、各ＬＥＤに対応して設け
られている。 【００３７】これらの各ＬＥＤに対応して設けられた光
路規制部材６３が、本発明の「除電ランプからの除電光
が、感光体ドラムの両端部に当たるのを規制する光路規
制部材」に相当する。 【００３８】図４の符号ａは、転写ローラ３４の端から
放射が規制される光の端までの距離を表す。距離ａは、
転写ローラ３４の除電ランプ側の表面３４ａに沿って計
測する。前述したように、感光体ドラム３５の両端に
は、転写ローラ３４に接しない空間があって、この空間
に浮遊しているトナーの付着を防止することが発明の目
的であるから、転写ローラ３４の除電ランプ側の表面３
４ａに沿って距離ａを計測することが、合理的だからで
ある。 【００３９】図５は、ＬＥＤを配列した基板６２の斜視
図であり、各ＬＥＤに対応して設けられた光路規制部材
６３は、遮光板６３ａにより、当該ＬＥＤからの除電光
が、感光体ドラムの両端部に当たるのを規制している。 【００４０】以上の光路規制のため、図４に示した距離
ａの内側の領域には除電光が当たり、距離ａの外側の領
域には、除電光は当たらないことになる。 【００４１】図６は、光路規制部材６３の位置を調節す
ることにより、前記距離ａを３ｍｍから９ｍｍまでいろ
いろ変えて、感光体ドラム３５の表面電位を測定した結
果を示すグラフである。用紙端面は、転写ローラ３４の
端から少し出たｘ＝−１ｍｍの位置に設定される。感光
体ドラム３５の表面電位は、ｘ＜ａの領域では、ほぼ７
５０Ｖと十分高く、除電光規制の効果が現れている。 【００４２】なお、光路規制部材６３の位置を調節する
ときに、距離ａをあまり長くすると、表面電位の高い領
域が用紙の内側まで及ぶので好ましくない。逆に距離ａ
をあまり短くすると、トナー飛散防止の効果が弱くな
る。実用上、距離ａを３ｍｍ以上９ｍｍ以内に設定すれ
ば、問題ないことを確認している。 【００４３】本発明の実施形態の説明は以上であるが、
本発明の実施は前記の実施形態に限られるものではな
い。例えば、光路規制部材６３の形状は、除電ランプか
らの除電光が、感光体ドラムの両端部に当たるのを規制
することができれば、どのような形状でもよい。 【００４４】また、前記の実施形態では光路規制部材６
３は、除電光の角度θが９０度よりも大きくなる領域を
遮っていたが、しきい値としての角度９０度は、最も端
のＬＥＤと感光体ドラム３５との相対的な位置関係によ
り決まるものであり、９０度に固定されるものではな
い。図７は、９０度よりも大きな角度をしきい値として
選定した構成例を示す。この図７の場合、一端のＬＥＤ
と他端のＬＥＤとの間隔は、図４の場合と比べて狭くな
っているので、除電光を遮るしきい値としての角度は９
０度よりもやや大きくなる。 【００４５】その他、本発明の範囲で種々の設計変更を
施すことが可能である。

【図面の簡単な説明】 【図１】画像形成装置１の外観構成を示す斜視図であ
る。 【図２】画像形成装置１の内部構造を説明するための縦
断面図である。 【図３】画像形成装置１の画像形成ユニット１３及びそ
の近傍の構成を示す拡大縦断面図である。 【図４】除電ランプ６１と感光体ドラム３５との位置関
係を示すための平面図である。 【図５】ＬＥＤを配列した基板６２の斜視図である。 【図６】放射が規制される光の端から転写ローラ３４の
端までの距離ａをいろいろ変えて感光体ドラムの表面電
位を測定した結果を示すグラフである。 【図７】光路規制のしきい値が、９０度よりも大きな角
度となっている構成例を示す図である。 【符号の説明】 １ 画像形成装置 ３４ 転写ローラ ３５ 感光体ドラム ６１ 除電ランプを構成するＬＥＤ ６２ 基板 ６３ 光路規制部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平８−76662（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−140287（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−168172（ＪＰ，Ａ) 特開 平11−84912（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−100273（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G03G 21/08 G03G 15/16

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】感光体ドラムに形成された静電潜像をトナ
   ー像に顕在化させ、感光体ドラムと転写ローラとに挟ま
   れた用紙にトナー像を転写することにより画像形成をす
   る画像形成装置において、 感光体ドラムに除電光を直接当てるための除電ランプ
   を、感光体ドラムより用紙搬送下流側に配置し、 当該除電ランプからの除電光が、感光体ドラムの両端部
   に当たるのを規制する光路規制部材を設け、 感光体ドラムの除電光が当たるのが規制される両端の部
   分を、転写ローラの表面に沿って計測した場合、当該規
   制される部分は、転写ローラの端部よりも距離ａ内側ま
   でであり、当該距離ａは、３ｍｍ以上９ｍｍ以内である
   ことを特徴とする画像形成装置。